この作品のレビュー
平均 3.4 (14件のレビュー)
-
沖田森彦は大学の研究室でヒト体細胞クローン胚の技術開発のチームリーダーをしていた。
ヒト・クローンの研究はほぼ成功しており、あとは微修正を加えるのみの段階になっていた。
そんな時、突然森彦の一人息子・…有基が事故で亡くなってしまう。
IQは180以上、けれど森彦の方針から普通の子どもとして育てられていた有基。
サッカーが得意で、木登りが好きで、素直な子どもっぽい性格をしていた。
ヒト・クローンを成功させる技術は森彦の目の前にあった。
有基を失った現実から逃れるように、決して許されない禁忌を森彦は犯してしまう。
たとえ遺伝子はまったく同じだとしても、亡くなった有基と生まれて来た透は別々の人間だと思うのは、他人事にしか思えないからなのだろうか。
それでも、透は透としか思えない。
不幸な偶然が重なり、巻き込まれて死んでしまった有基。
そして当時は事故だと処理された有基の死は、年月を経て事件として再捜査されることになった。
有基を殺したのは誰なのか?
不可解な出来事が続いたため、森彦は次第に疑心暗鬼になっていく。
不幸な子ども時代を過ごさなければならなかった犯人。
辛い記憶はその後の人生に大きな影響を及ぼしただろうと容易に推測できる。
でも、それは何も犯人だけではない。
裏でいろいろと画策しながらも、表向きは平然と過ごしていたことだけを見ても、すでに人間として大切な何かを失っていたはずだ。
最後の最後に透が発したひと言。
知るはずのない真実は、遺伝子の中に刷り込まれた隠された記憶なのか。
それとも、人知を超えた何かが働いたものなのか。
森彦の家庭があらたなリスタートすることが出来たことが、唯一の救いだった。
夫として父親として、真正面から透と向き合えるようになれて良かった。続きを読む投稿日:2017.04.06
このレビューはネタバレを含みます
1999年、沖田森彦はヒト体細胞クローン胚の樹立に成功する。
レビューの続きを読む
助手の名嘉城と喜びを分かち合うのも束の間、世界で初めての成功である研究の発表を前に事件が起こる。
最愛の息子、有基が学校に来ていない-知ら…せを受け、焦燥する沖田であったが、願いは届かず有基は遺体となって発見される。
悲しみに溺れる沖田に悪魔の囁きであるかのような考えが浮かぶ。
“有基のクローンを造りたい”
科学の禁忌でもあるクローン技術によって死んだ息子を“復活”させてから、8年の月日が流れた。そして、運命の歯車がまた廻り始める。
*****
雑誌『ダ・ヴィンチ』に紹介されていて、医療もの、ミステリ、ということで気になったことと、著者の樹林伸さんに興味津々で手に取った。
樹林伸さんはコミックの原作を主に、様々なペンネームで活躍されている作家さんで、他のペンネームやその作品名を聞いたら「あ、知ってる!」と大体の方が反応されるはず。
天樹征丸(『金田一少年の事件簿』、『探偵学園Q』等)、安童夕馬(『サイコメトラーEIJI』、『シバトラ』等)、亜樹直(『神の雫』等)、などなど。
内容も様々、その作品の多くが映像化もされていて、エンターテイナーとして才能がある方なんだろうな。
同じ方だと知らずにこの方の漫画作品をけっこう読んできていたので、きっと小説も楽しめるはず、と妙に確信して読み始める。
あらすじ、物語の大まかな流れは好み。
キャラクタとしては、沖田先生に関してはあらすじや序盤で真面目人間と思い込んでの女子学生との逢引(大胆)だったので、びっくり。
そういうキャラだったのか、って。
最愛の家族、一人息子の有基を失い、タブーであるはずの行動を起こす沖田。
自分の大切なひとを失い、取り戻す(あくまでもクローンとはいえ)ことができる手段が自分のすぐ手の届くところにあるのなら…。
失った直後の精神状態も作用しただろう。
生命倫理…今後ヒトクローンが成功する日はやってくるのでしょうか。
文章は読みやすく、難しい題材ではあるものの、小難しくないつくり…というか、難しい題材である事柄たちは本当に材料のひとつになってしまっているだけ??
本格的にこの題材に触れたい方には物足りないでしょう。
ミステリとしては、予想より早く犯人が分かっちゃったので、後半の「えぇっ」は薄かった。
とはいえ、ハラハラドキドキもでき、少しぐっときてしまうところもところどころあり。
フィクションは劇的であって欲しいと思っているので、そういう意味で楽しめた。続きを読む投稿日:2019.04.22
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。