小説
メディチ兄弟は罪作り
シリーズ内の平均評価:
(2)
レイフ・メディチは新聞を持つ手に力を込め、写真つきのその記事を食い入るように見つめた。元恋人のタバサが、幼い男の子とともにうつっている。中身は最低だと知りつつも、彼女の美しさにはやはりはっとさせられた。だがレイフが目を奪われたのは、タバサの隣にいる子供のほうだった。メディチ家の人間だとひと目でわかる、特徴的な容貌……タバサは別れたあと、こっそり僕の子を産んでいたのか?真実を知るため、レイフはすぐさまタバサたちの居場所を突き止めた。そこで待っていたのは、三年前にタバサは死んだという知らせ。そして彼・・・
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騒がしいチャリティイベントの会場にて、カリスタはじっとチャンスをうかがっていた。視線の先には、長身でハンサムな富豪、レオ・グラント。カリスタの父を死に追いこんだ、憎んでも憎みきれない男だ。あいついで母も亡くなり、残されたカリスタと妹たちは、悲しみと闘いながら必死に生きてきた。彼にはしっかりと制裁を受けてもらおう……そう心に誓うと、一人になったところを見計らい、カリスタはセクシーな笑みを繕ってレオに近づいた。練りに練った復讐計画の幕開けだった。
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バーで働くベラには、もっか大きな悩みがあった。最愛のおばが、心血注いで営んでいた店を買収されてしまったのだ。力になりたくても、しがないウエイトレスの身ではどうにもできず、打ちひしがれたおばを前に、ベラも途方に暮れるしかなかった。そんなおり勤務先のバーで、ベラはすてきな男性客と出会う。一杯五十ドルもする酒を頼むほどリッチで、ひどくハンサムな人だ。男性はマイケルと名乗ると、巧みに口説きかけてきて、柄にもなく、ベラは誘われるがままに一夜をともにしてしまう。マイケルその人こそ、おばの店を奪った人物だと知るのは、それから数時間後のことだった。
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レイフ・メディチは新聞を持つ手に力を込め、写真つきのその記事を食い入るように見つめた。元恋人のタバサが、幼い男の子とともにうつっている。中身は最低だと知りつつも、彼女の美しさにはやはりはっとさせられた。だがレイフが目を奪われたのは、タバサの隣にいる子供のほうだった。メディチ家の人間だとひと目でわかる、特徴的な容貌……タバサは別れたあと、こっそり僕の子を産んでいたのか?真実を知るため、レイフはすぐさまタバサたちの居場所を突き止めた。そこで待っていたのは、三年前にタバサは死んだという知らせ。そして彼から甥を守るように立ちはだかる、タバサの双子の姉だった。■リアン・バンクスの新作は富豪兄弟を描いた三部作〈メディチ兄弟は罪作り〉。D-1363「オフィスラブのすすめ」の関連作品でもあります。一話目は次男レイフのロマンスをお届けします。
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