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隠居した旧友三人組には相談事がひきもきらず、退屈とは無縁の毎日だが、いまだ解けぬ謎があった。岡っ引きの鮫蔵は誰に腹を刺されたのか。市中にはびこる信仰集団「げむげむ」の仕業なのか。鮫蔵が生きていると聞いて動揺したのは、蘭法医の寿庵だった。聖人のような寿庵にもうひとつの顔が現われたのだ
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隠居はしたものの旧友三人組の周辺はなにかと忙しい。「倅が変なんです」と、今日も小間物屋の主人が難題を持ち込んできた。能面を被ったままで、町を歩くときも取らないという。名人の彫ったその面は俯くと表情の変わる逸品で「善鬼の面」というらしい。若旦那の奇妙な行動を探るため、三人は跡をつけたが……。
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隠居した旧友三人組に、大奥から宿下(やどさ)がりしたばかりの女が持ちかけてきた相談は、奇妙なものだった。隣家の儒者が嫌がらせをして困る、というのだ。執拗な嫌がらせをする儒者の目的は何か? さらに、女の家を窺う怪しげな影。女は大奥の秘密を抱いて宿下がりしてきたのか? 不気味な疑惑に身を震わせる三人組は……。
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職こそ退いたが、旧友三人の隠居暮らしは内にも外にも事件が続いて、席の暖まる暇もない。ある日、亭主の仇討ちをとめてくれと、八百屋の女房が駆け込んだ。聞くと亭主は町道場では知られた顔で、腕に覚えがあるらしい。だか相手は敵対する道場の主で、勝ち目はまずない。諦めさせるべく思案を凝らすが、二人はついに立ち合ってしまった……。
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町方同心・旗本・商人と前職こそ違え、旧友三人の仲は、隠居後さらに深まった。隠れ家に集っては江戸の怪事件解決に走り回る悠々自適の日々。そんな三人のひとりが中風で倒れた。意識を失い、寝たままだ。目覚めたら体の半分が動かない。なんとか元に戻らないものか。気落ちして生気をなくした友を助けつつ、怪事件解決に奔放する仲間たちの奮闘が始まった。
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隠居した旧友三人の前職は、町方同心、旗本、商人とさまざまだ。気力体力ともに自信がある彼らは手頃な隠れ家を手に入れて、江戸市中の厄介事に首を突っ込んでいった。まだまだどうして、世の中の役に立つかもしれない。そんな思いの彼らの前に、今日も奇妙な事件が舞い込んだ。なんでも、深川のはずれの森に裸の女が現われる、というのだ。
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三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。 時代小説の実力派が挑む市井小説の傑作!
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