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麦ふみクーツェ(新潮文庫)
麦ふみクーツェ(新潮文庫)
いしいしんじ/新潮社
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総合評価

162件)
4.1
56
53
38
3
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    音楽も、港町の風景も、クーツェの麦ふみの情景もリアルに思い浮かべれる描写が素敵でした。 でもちょっと私には難解だったかな;

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    投稿日: 2009.03.18
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    めちゃめちゃ好きな本だったー この一冊は、かなり手放したくない&何度も読み返したい本だと思った 好きな表現やせりふもたくさんあった いやはやー

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    投稿日: 2009.02.24
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    素晴らしいティンパニストの祖父、素数に取りつかれた数学教師の父、音楽にはぐくまれたぼく。 「ぼく」が打楽器奏者から指揮者を目指して成長するストーリーを書いたものです。 かといって純粋な音大生物語、というわけではありません。もっと独特な何かです。 音楽を文章にするのは非常に難しい。そこから感じたことを表すのはもっと難しい。 それを独特な表現力で綴っている。 ホント独特です・・・。さっきから「独特」ばっかり言ってます。 途中はわけがわからなくなってノリで読みました。多分一生懸命構えて読んでやる!というような本ではないのかな。 だけど「打楽器にならないものは無い。」という一文、まさにそれです。 きっとこの物語は音楽みたいなものなのかと思ったり。言葉で説明できないけど感じるような。 最後は下手な感動ものよりも泣けます・・・少なくとも私は。

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    投稿日: 2008.12.19
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    大好きです。 読み終わったあと、こんなにあたたかくすがすがしい気持ちになれるなんて。 私の偏った読書を少し広げた作品です。 ファンタジーというより、大人向けの寓話だと思う。 心も世界も洗われる気がしました。

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    投稿日: 2008.11.16
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    打楽器がやってみたくなる。 盲目のボクサーに会って、話してみたくなる。 心が落ち着いて、そして少しぼんやりする。 秋の夜長にぴったりの本だと思う。

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    投稿日: 2008.10.29
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    友人に薦められて読んだ。やられた。 豊かな音楽と風景を愛する人に、同じように愛して欲しいと思う本。

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    投稿日: 2008.10.18
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    いしいしんじによって紡ぎ出される物語は力強く、物語に接する楽しさを体感させられます。物語のリズムを身体に叩き付けられるんですね。 とん たたん とん と。読むことが本当に楽しくて、楽しいが故にガツガツ読むのでなく、文章の流れに漂うように身を任せて触れていたく思わされました。

    0
    投稿日: 2008.09.28
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    とても長かったけれど、よかったです! 音楽家をめざす少年が主人公なだけあって、音楽のことがいっぱいでてきました いしいさんからみた、音楽というものが、私も好きになりました

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    投稿日: 2008.09.13
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    音楽や色を感じるくらい描写が細やか。 ふんわりした雰囲気の中にも、物悲しくちょっぴりせつない不思議なお話だった。

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    投稿日: 2008.09.04
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    とても長くかかって読了しました。最後にじんわり。いつかそのうち、時間をおいて、今度は一気に読んでみたいと思った。

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    投稿日: 2008.08.23
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    とにかく良かったです。長いお話なので、最初がなかなか進みませんが、後の方はすごく読みやすかった。 ところどこころにすごく響いてくる言葉があって、クーツェの意味も最後にやっと分かります。

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    投稿日: 2008.08.03
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      遠くまで行く。   この言葉が、いつまでもいつまでも心に残っています。      遠くまで。   行ってみたいなぁ。

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    投稿日: 2008.07.06
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    何処とも知れない港町に暮らす 数学のことしか考えていない父さんと 音楽のことしか考えていないおじいちゃんと そしてただひたすら大きくなっていく僕との 3人の家族を中心にして 突然現れる麦ふみクーツェの 「とん、たたん、とん」の音と共に 私たちを不思議な世界に連れ出してくれます

    0
    投稿日: 2008.06.12
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    二冊目のいしいしんじさん。 なにこれほんとにおもしろいー。 「ねこや、調子はどうだね」 「にゃあ!」 「まったくなんてクーツェぶりだ」 すきです。

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    投稿日: 2008.05.13
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    ちょっと哲学的…という話も聞いた作家さんだったのでどうかな〜と思って読んでみたけど、はまりました! やっぱり独特の世界があるけど、ぐんぐんお話の世界に引き込まれます。 ほかのお話もできるだけ読みたい。

    0
    投稿日: 2008.05.03
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    中だるみがあるも、最後は納得。この人の本はとてもおもしろいのだけれど、良くも悪くも詩の部分が。どうしてもしつこく感じてしまう。

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    投稿日: 2008.03.25
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    なんだかよく分からないけど…笑 ほんわかしていて、どことなく和む!! 個性豊かな登場人物が織り成す雰囲気がたまに読むのにいいかも〜笑

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    投稿日: 2008.03.21
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    静かな、時々ブラックな、現実と非現実の間の架空のお話。どこの国のいつの話なのかつかめないまま読み終えた。クーツェがどこの言葉なのか気になる><!あと“みどり色”も、その国の言葉でどんな響きなんだろう…。ひらがなばかりは読みにくいね!用務員さんの言葉が見開きに渡ってるともう…。でも、吹奏楽、物語のある音楽は大好き♪2008.2.23

    0
    投稿日: 2008.02.23
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    音楽に執着を持つ祖父と、数学に執着を持つ父と、それに巻き込まれる体の大きな「ねこ」と呼ばれる少年の寓話。 星の音を聞くシーンが好き。 麦踏みの音は心臓の音なのか。 クーツェは結局誰だったのだろう。 昔のおじいちゃんか、もう一人の自分か。

    0
    投稿日: 2008.02.17
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    うーん。本当にいしいしんじの世界はすごい。ぐいぐいとひきずりこんでいく。そしてあいかわらずへんてこな物語の数々。悲しいんだけれど、どこか力強くあたたかいお話。出てくる人々が、みなへんてこで、そこがまた素敵。へんてこに誇りを持って生きるには技をみがかなきゃという一節は心に残った。

    0
    投稿日: 2008.02.10
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    読み始め、最初はぶらんこ乗りとは違って「あれ? ぐいぐい興味を引っ張られる感じは無いな〜」とちょっと残念に思ったのですが、それも数ページでしたね。すごかった。その前の部分が読み進めるとどんどん強い印象になっていくんです。そして、やっぱり夢中になって読んでしまいました。 内容はぎっしり! 読み終わって驚くくらいすべての話が最後にはきちんと繋がっている。伏線って言うけど、全部が全部最後に向けてはっきりとした形となって見て行くところでは読みながらどきどきしちゃいました。

    0
    投稿日: 2008.01.25
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    「プラネタリウムのふたご」と同じ作者。やっぱり絵本のような温かみがにじみでています。主人公の住んでいる町にはたくさんの悲しい出来事が起こるのですが、それもすべて包み込んでくれるような終わり方でした。

    0
    投稿日: 2008.01.14
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    先生とぼくは、いつだってアンコールにこたえた。娼婦たちはふたたび笑みをうかべ、ときに手拍子で伴奏をした。ぼくにはわかりかけていた、ほんとうにききたい相手にむけまじめにならす音楽は、けっしておまけなんかにはならない。

    1
    投稿日: 2007.12.28
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    この作家さんをどう評価すべきなのか? 寓話作家なのか、一種のファンタジー作家なのか。児童文学作家なのか。カテゴライズすることは無意味と判っているのですが、悩んでしまいます。 ともかくも、この作品。特に前半は何が語りたいのか良く判らず、かなり読みにくい。ミステリーでは良く、最後にそれまで散りばめられていた場面が、ジグソーパズルのように嵌まっていくような構成があります。それにちょっと似ています。もっともパタパタ嵌ると言うより、繋がりが見えるようになるという感じですが。 読後感はなかなか良いのですが、それが何処から来るのか判らない。物語そのものの筋は通っても、その中で語りたかったことは何なのかが判らない。単なるエンタメでは無く、何か語りたいものがある作品だと思うのだけど。。 なかなかシュールな作品です。

    0
    投稿日: 2007.12.12
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    読み終えることができた。いしいしんじがずるいなんて、もうおもわない。へんてこさに誇りを持てる唯一の方法を、自分も磨かなくちゃとおもわせてくれた。

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    投稿日: 2007.12.04
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    途中悲しくて読むのをやめようかと思ったけれど、最後まで読んでよかった。音楽の与えてくれる本当の幸せを伝えてくれる作品です。

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    投稿日: 2007.11.26
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    久しぶりにしっかりした「ものがたり」を読んだ。 「ものがたり」のなかに出てくる「ものがたり」にも面白いものが多い。オウムとあめ玉、ねずみの楽園、スカンクのライター、鳩女、泣いてしまう恐竜。 世の中は、ものがたりにあふれている。スクラップブックみたいな新聞紙をみて、再認識させてくれるものがたりでした。 http://www.mao55.net/gohan

    0
    投稿日: 2007.11.10
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    久しぶりに「いい本に出会ったあああーー!!!」って思った本。 いしいしんじにはまりそうな予感。 最初は彼のつかう日本語の響きがすごくいいなあってだけだったんだけど、読んでるうちにいつのまにか物語にも夢中になってた。ぼくも、お父さんも、おじいちゃんも、ちょうちょのおじさんも、用務員さんもみんなみんないいキャラ。5つ星以上の星をあげたい。

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    投稿日: 2007.11.05
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    「目が見えようが見えなかろうが、人は地図のとおりに  歩くことはできない。それはたえずかきかえられる。  予想もつかないついたてが突如としてあらわれ、  足もとの砂がまたたくまに崩れおちる。そして、  いくら風景がかわっても、ひとはその先へ先へと、  あるいていかなけりゃなんない。」 ガツンときた。

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    投稿日: 2007.10.24
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    ねずみの話はともかく(小動物嫌い) それ以外はとても良く描かれた作品。 数学者のお父さんと打楽器奏者の祖父に育てられた 体の大きな「ねこ」というあだ名の少年の話。にゃあ。久しぶりに合奏なんぞしたくて堪らなくなりました。

    0
    投稿日: 2007.09.07
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    噛めばかむほどおいしいよう、 ページをめくるたびニヤニヤしてた。 夢物語じゃないけれど、 これほんもののファンタジー。 『ツバル』という映画のワンシーンを思い浮かべて読んでたらもういっこ、別の映画ができた。頭んなかに。

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    投稿日: 2007.06.06
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    うーんこれもよかった。最初は読むのやめようかとおもったけど。やっぱりいしいしんじのおはなしは、読み終えるのがもったいない。ずっと浸ってたいなあって。

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    投稿日: 2007.05.14
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    何か「音楽」ぽい小説を読みたいなと思った時に見つけました。主人公が打楽器奏者兼指揮者で、その祖父がティンパニ奏者で、二人は港町の吹奏楽団の団員で…という、元吹奏楽部・パーカッション担当の私にはたまらない要素が入っていたのです。 ◆読後、最初に思ったのは、ラヴェルの『ボレロ』みたいだなという事でした。主人公をはじめ、外見も内面も様々な登場人物たちが少しずつ登場してきて、その人生が重なったり絡み合ったりしながらハッピーエンドに向かっていく、というところが。 ◆ほんとに沢山の人が登場しますが、中でも気に入っているのは3人。主人公は誰よりも背が高くて目立つ(具体的な数字は出てこないけど、推定2.5m)くせに、誰よりも自分に自信がなくて常に迷っている少年。その彼に「規格外だからできる事がある」のを教えてくれる、全盲だけどその他の感覚が抜群に優れている元ボクサー。「誰かを守って生きていこう」という大人の男性の決心を主人公にさせる、ファッションセンス抜群の色盲の女性。そして「普通じゃない事の面白さ」を教えてくれる、着ぐるみを着た小さな(同推定80cm)盲目のトップチェリスト。目にまつわるハンディを受け入れて自分の才能を磨き続けた人たちが、その外見のために人の注目を集め続けた主人公の内面と向き合ってくれるのです。 ◆登場人物もその人たちを描写する文章も独特なので、好き嫌いは大きく分かれそう。でも、読んだ後に心に残るものはとてもシンプル。私にはどんな特技があったっけ、どうしたらのびのびと過ごせるんだっけ、なんて考えながら、前向きな気持ちになれます。

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    投稿日: 2007.02.23
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    いしいしんじ好きなお友からかりました。 もうねーいしいしんじワールド炸裂ですね。 いまわたしたちがすんでいる世界に似ていて異なる世界。 やさしく、でもどこか寂しく暗い。 ねことおじいちゃん、おとうさんに用務員さん。 こころのなかにクーツェの足音が絶えず流れる中読み終えました。 音楽。あたしは音楽がだいすきで、人生になくてはならないものになってる。 けれどまた、このお話で音楽に対する考えがすこし増えた気がする。 世界がどんなに暗くても、どんなに醜くても、音楽は絶対的にありつづける。 醜いものから目をそらさないいしいさん。 このお話がだいすき。

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    投稿日: 2007.02.18
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    読み始めから読み終わるまで1ヶ月くらいかかりました。後から目次を見返してみると、全部で4章立てになっていました。章立てでは一番短い3章目がなんだかちょっと中だるみかなと思いながら読んでいた部分だったかもしれません。 最初は、「ねこ」の語り口、テンポ、リズムがうまくつかめなくて、なかなかページが進んでいかなかったのです。でも、2章の途中から、特に4章なんて、ぐいぐい、ぐいぐい、どんどん、どんどん進行していきました。あんまり早く読んでしまうともったいないなという気持ちも生まれていたのに、どうしてもお話の先が早く知りたくて、そうとうな速度で読んでいたと自分でも感じていました。そして、だんだんと、お話の中に散りばめられていたエピソードの一つ一つ、誰かの発言のちょっとした言葉、あるいは、行動の一つが結びついていくのを確認しながら読むのはなかなか快感でした。 物語を読むことを楽しみたいという方、楽しいお話(愉快ではなく、楽しいという感じ)を読みたいなと思っている方に。

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    投稿日: 2007.02.01
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    とん、たたん、とん。聞こえる音はきっと当たり前だけど、かけがえのないモノ。変人「クーツェ」はどこにでもいるんじゃないかな。ねこのコンサートは是非行きたいと思った。持参するのは、きっとスプーンかな。メッセージ性溢れるすばらしい本。とん、たたん、とん。

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    投稿日: 2007.01.19
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    じわじわと心に染みる。すごくいい言葉がちりばめられていて、何かメッセージ性を感じるんだけれどもうまくいいあらわせない。時間をおいてまた読み返したい一冊。

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    投稿日: 2007.01.06
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    いしいしんじさんの作品をはじめて読みました。不思議でかわいい印象の物語でした。 なんていうか透明な感動が味わえます。 ジャケットもかわいくて好き。

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    投稿日: 2007.01.05
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    いしいワールド全開。独創性あふれるストーリーと人物が圧巻。一あり得ない世界の、あり得ない人たちだけど、誰をとっても懸命に生き抜こうとしている姿をひしと感じる。「へんてこな人は、自分だけの技を磨かなきゃならない。それでかえって目立つかもしれない。だから集まるんだ。」現実に生きてる自分にも通じる。音楽のよろこび、合奏によって人とつながってるということを確かめたいという気持ちがよく分かる。いしいさんの頭のなかに脱帽。

    0
    投稿日: 2006.12.25
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    「とん、たたん たたん、とん」 用務員さんの鐘の音とともに言葉を発さなくなったクーツェの代わりに鳴り響くおじいさんの楽隊、ねこの声、そしてチェロ。 圧倒的祝福の音楽は耳にいつまでもなり続ける。

    0
    投稿日: 2006.12.14
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    「とん、たたん、とん」というクーツェの不思議な足音とともに流れてゆく悲しみと喜びにあふれたぼくの運命。楽器の音色、空気のゆらぎ、心のふるえ…最初から最後までが聞こえるようで聞こえないリズムでつくられた不思議な世界観。  読むたびに思う。いしいしんじは、醜いものから目をそらさない。むしろじっと目を凝らし、耳をすましてその姿を捉えようとする。そして、だからこそ見える美しい世界を、物語を通して私たちに伝えようとしてくる。

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    投稿日: 2006.11.14
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    圧倒的祝福の音楽。 カバーに記された作品解説のその一言が、章を読み終わるごとにじんと胸に染みる。 哀しい気持ち、あふれる喜び、何気ない日常、やりきれないどん底から差し込む一筋の光…。そのすべての表現として聞こえてくる、用務員さんの曲やおじいちゃんの杖の音、ちょうちょおじさんの腕の音、先生のチェロの響き、そしてクーツェの足音。 この物語では、音楽が、この世のすべての音という音が、人物たちを包んでいる。とてもとても薄い膜のような、危うさと繊細さと優しさをもって。 読み終わった後、耳の奥で聞いたこともないクーツェの足音がいつまでも鳴り続けていた。 「とん、たたん、とん。」 それは私にとっても、ほかに例えようのない祝福の音楽だったと思う。

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    投稿日: 2006.11.14
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    話の中に出てくる、それぞれのお話(今回は雑誌の記事として)がおもしろい。笑える話というのでもなく、それはいつもどこか寂しい感じ。でもそれは悲しいというのともまた違う。でも、心に残る話。記憶のどこかに残る話。

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    投稿日: 2006.10.29
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    こころのそこのそこのそこのぶぶんがふるえてやまない ほんとうはきこえているみみがきこうとする もっとみえるめがみようとする からだがからだとしてじぶんがじぶんとしてこころがこころとしてぐんぐんしはじめている  ほんとうはきこえているおと ずっとみみをすましてきくおと せかいのながれのおと しぜんにうごくからだ ながれのこと あるべくしてあるものをことを、なるべくしてせかいがうごいていることを、きちんととらえるということをしているようにかんじる この本をポケットに、そうしてこれからのせかいのしょしょで出会うというよりもう読んでいる最中からどんどんのうみそのなかみがよろこんでかわってゆくよう そうだいで、そうだい!すてきなほん

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    投稿日: 2006.10.14
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    素直にすごくいい本だと思った。是非一人でも多くの人にこの本読んでいただきたい!!作風がどうこうとかそれだけじゃなくって。(勿論いしいしんじワールドは大好きだけど)最後の方は心地よく泣きました。 ハードカバーで買えばよかった!

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    投稿日: 2006.09.30
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    いしいしんじ氏の長編。主人公はひょろりとした長身の少年、あだ名は猫の鳴きまねが猫よりも猫らしいから「ねこ」。身長ゆえに学校ではアウトサイダーぎみな彼の居場所は、祖父の率いる街の吹奏楽団だった。ユーモラスで魅力的な人々、街に起こるさまざまな出来事。いしい氏のつむぐ独自のやわらかさがとても心地よいが、所々にちくりと心を刺す鋭さも見え隠れする。私には痛くて痛くて、最後まで読むのがつらかった。なのに読み終えたあとのこの暖かさは不思議だ。この物語に溢れる音楽、あなたにはどのように聞こえるだろうか。

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    投稿日: 2006.09.27
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     楽園じゃなくぼくたちはこの世にいた。たしかにこの世の空気をふるわせていた。めちゃくちゃだったけれど、あの演奏を忘れたことはない。 (P.316)

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    投稿日: 2006.09.04
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    おと、おと、おと。 ちょっとちぐはぐな人々と「ぼく」。おと。ちくはぐだけど素敵な、ぼくが生きる世界。 読むたびに思うのだが、いしいしんじが書くものは小説ではなく、ものがたりとかおはなしと言ったほうがしっくりくるの何故だろう。行き場の無い悲しみや切なさをやさしさで抱擁するような。いつも最後にはホロリとほっこりさせられる。私はこの世界観がとても好きだ。

    0
    投稿日: 2006.08.06
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    全然恐い本じゃないのに、何だか恐かった。どこまでも続く黄色くてぼんやり明るい景色が恐いのかな。謎のいんちきセールスマンがハーメルンの笛吹きを連想させて不安なのかな? でも本当は暖かいお話なんです。

    0
    投稿日: 2006.07.31
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    音楽の描写がまるで本当に音楽が演奏されているかのように感じられた。 良いも悪いも色々あるけどそれが人生さ的な。

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    投稿日: 2006.07.14
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    いしいしんじワールド初体験で大満足。痛くない寂しさと温かい悲しみ。ささやかな幸せを感じられる喜びを、大事にして欲しいです。

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    投稿日: 2006.06.14
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    本を読みつつ頭と心に響く音楽。それは世界が呼吸する音。心に浮かぶ風景が最高。自分はどんな音がする?そんな風に初めて考えた一冊!!

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    投稿日: 2006.06.11
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    読み終わったら、打楽器を習いたくなりました。 自分が歩くヒールの音に、他の人が鳴らす音に耳を澄ますようになりました。 大人も読める絵本、絵のない絵本です。

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    投稿日: 2006.06.06
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    倉庫、おじいさん、お父さん、オーケストラ、港町、みどりいろ、スクラップブック、とん、たたん、とん・・・散りばめられた、たくさんのいとおしさが、 すべて合わさってたった一つの交響曲を奏でる。 この物語を読んだ時間は、 わたしの人生の宝物です!

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    投稿日: 2006.05.23
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    物語が大の苦手な私が夢中で読んだ本。しかも長編。いしいさん独特の毒というか、そういうものが含まれていてそれが物語っぽさを削いでて好き。最近のヒット!

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    投稿日: 2006.05.22
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    喜びも悲しみもつらぬいて鳴り響く、 圧倒的祝福の音楽。 主人公も主人公の住む町もロクな目に遭わないし、その災難のせいで動物や知り合い、果ては身内までもが続々と死んでいく。 理不尽な事件、理不尽な死。 けれど主人公はそれらをタン、タンと踏み越えて、クーツェと自分の向かう先を目指す。 暗い出来事ばかりで、妙な大人ばかりで、主人公を取り巻く状況は一向に良くならなくて。 なのに読んでいてちっとも悲観的にならない不思議な作品。 なにげないセリフから主人公が切り抜いた新聞のスクラップ記事まで、彼が行った全ては彼の糧になり、先へ進むための力になっていく。 そこにはいつも黄金色の大地と、力強く鳴り響く音楽がある。 明るい過去も哀しい未来も、哀しい過去も明るい未来も、変わらないものと変わっていくものと、見たことのある物と見たことのない物と、聴いたことのある音と聴いたことのない音と、へんなものとそうでないものと。 すべてをない交ぜにした世界で、どうしたものかとぼんやりしていたところに、「きみはそれで良いんだよ」と言ってもらったような、そんな作品。

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    投稿日: 2006.04.23
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    どこの世界か、へんてこな人たちが必死に生きた話。ひとつひとつのエピソードがどれも印象的に光る。ものがたり、という表現がしっくりくる。

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    投稿日: 2006.01.24
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    トンタタントン、思わず口に出してしまいそうな音。 素数にとりつかれたお父さん。ネズミの影。猫の声。 不思議世界の要素満載です。

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    投稿日: 2006.01.03
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    奇妙な登場人物たちが音楽で繋がろうとし、クーツェは自分の生きる道を見出していく。童話のように簡単な言葉で淡々と書かれているけど、とても深い話。特にパーカッションの人にオススメです。

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    投稿日: 2006.01.01
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    他のひとのレビューを読んで、自分はあまりこの本を読み込めてないのかな…と心配になりました。機会があればもう一度試したい本です。

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    投稿日: 2005.10.31
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    なんて愛らしくてかなしくて健気なおとぎ話なんだろう。 出会えて、読む事ができてほんとうによかったと思える本。

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    投稿日: 2005.09.06
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    このへんてこな世界はけっこう残酷で、へんてこな登場人物たちはけっこう力強い。 まるっきり人生そのもの。

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    投稿日: 2005.08.20