
総合評価
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powered by ブクログ愛人との別れのセリフが「グッド・バイ」だってぇ。キザなやつ!!!!そんな色男気取ったいけ好かない男が主人公のこの作品。ちょっと今までの太宰作品とは毛色が違う。私は音読して読んでいるのだが、太宰史上一番読みやすかった。そして青空文庫で読んだのでこの作品が未完なのを知らなかったのだ。さあこれから!と興が乗ってきたところでブッツリ終了。息を吸ったまましばし呆然。文章もセリフもテンポが良く、主人公のキャラもヒロイン?のキャラもぶっ飛んでいてとても面白かったのに。あああ残念。
1投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ僕の方のお道化もますます調子が出てきていて、思ってもないことがスラスラ、口上のように出てくることもあれば、逆に閉口することで人間味を増すようなこともあり、狙ってやっているのか無自覚なのか、それすらもわからないような心地で、気がつけばよろしくやっているという状態なわけです。今のご時世のことは置いておいたとして、とにかく世の中には男か女かしかいないので、男は女に、女は男に、思うところがあり、当然男が男に、女が女に思うところもあるのだけれど、そんなブツクサなんかは念頭から消えてしまいました。とはいえ好色な方ではないために、イマイチ女性の扱いのわからないときがあります。殊、魅力的な女性に対しては滅法ダメで、そういう時ばかりは昔の自分に戻って帰り道に反省など繰り返しているのです。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ戯曲もおもしろかった 現代でもおもしろい、表現や着地がすごい グッド•バイも完結してほしかった あの時代で書くことへの執念がすごい
12投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ終戦後から自殺するまでの3年間に書かれた短編集。著者の反抗精神が随所に出てくる 新潮文庫 太宰治 「グッド・バイ」 最初の短編「薄明」に描かれた 敗戦直後においても「捨て切れない一縷の望み」とは、田舎臭さや乞食根性が持つ 人間の自由思想、反抗精神、高貴さのことかな、と思って読んだ 「苦悩の年鑑」「十五年間」は、言葉のインパクトが強いが、ストレートな敗戦国民の心情を理解することができる作品だった 「春の枯葉」の「人間は現実よりも、その現実にからまる空想のために悩まされている〜世の中は決して美しいところではないけれど、無限に醜悪なところではない」は名言 昭和22年に書かれた「メリイクリスマス」以降、作風が軽妙になり、戦後を脱した印象を受ける。人間の俗と聖を描いた作品群が多い 終盤の「眉山」「女類」「グッド・バイ」は 物語の設定そのものが面白い。「グッド・バイ」の絶筆は残念 薄明 「女房や子供がさきにやられて、自分ひとり後に残されてはかなわん〜とにかく妻子を死なせてはならない」 「一縷の望みを捨て切れなかった」 苦悩の年鑑 「時代は少しも変わらない〜一種のあほらしい感じである」 「私は市井の作家である。私の物語るところのものは、私という小さな個人の歴史の範囲内にとどまる」 「日本は無条件降伏をした。私はただ恥ずかしかった」 十五年間 「私の田舎臭い本質を窮めたい〜真の芸術は醜いものだ〜巨匠の青年時代は、例外なく醜い」 「この戦争には、はじめから何の希望も持てなかったが、しかし日本は、やっちゃったのだ」 「自由思想〜本来の姿は反抗精神〜破壊精神といってもいい〜圧政や束縛のリアクションとして同時に発生し闘争すべき性質の思想」 たずねびと 「戦争がもっと苛烈になって、にぎりめし一つを奪い合いしなければ生きていけないようになったら、生きるのをやめる〜今では、おれの唯一の、せめてものプライド」 「乞食の負け惜しみ〜虚栄というのでしょうか。アメリカの烏賊の缶詰の味をひそひそ批評しているのと相似たる心理」 美男子と煙草 「わたしのたたかい。それは〜古いものとのたたかいでした。ありきたりの気取りに対するたたかい〜見えすいた体裁に対するたたかい」
0投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太宰治特有の面白さが滲み出ていた文章で読み進む手を止められなかったが、未完なのが唯一残念。 女たらしな男がこれからどんな風にズタボロになりながら愛人達と別れていくのか、今までも面白かったが物語はこれから…!というところで作品は終わっている。 そこで一つ、この後の展開について私が思うことを書くことにする。 まず、水原ケイ子の兄には絶対殴られるであろう。(太宰治の事だ、ここで殴らないで兄と仲良くする展開になるだろうか…それはきっと、ないだろう。)とメタ発言は置いておいて、あの見返りを常に求めるキヌ子が、報酬も何も提示しない状態で助けてくれる訳などまずないだろう。ケイ子を誑かしていたのはあくまで田島だけなのだから、キヌ子が殴られる理由もなし。 また損をする田島が残り8人近くの愛人と別れる時にキヌ子に対してどういう行動をとるのかが太宰治にしか表現できないのが非常に勿体無い。妄想のしようがないのかもしれない…。 そして田島は田舎から妻子を呼び寄せ、幸せな家庭を築こうとしているが果たして本当にこの夢が叶うのだろうか。呼び寄せる、ということは、田島のいる場所に来てもらうということであるが、田島の周りには、愛人の女達10人近く、そしてキヌ子がいるのである。手伝ってやった田島の妻子という絶好の機会をキヌ子が逃すことはあるだろうか?愛人との別れの途中で弱味一つ握れば、それだけで田島を思い通りに動かせるかもしれない。 田島は最初から最後までキヌ子の掌の上で踊らされ、得する事などなく最後は妻子にまでフラれる…こういう展開になるのではないだろうか? 今長々と述べた事は全て私の妄想であるが、他の考えの人もたくさんいるだろうから他のラストを想像している意見も是非読んでみたいと思う。
1投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログ太宰治は夕刻、黄昏のイメージ。とぽりと落ちそうな夕日。興味本位でのぞいてみたが、やはり合わない。人間失格と斜陽はすき。
0投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログタイトルからは想像できない、ポップな作品。 主人公の田島は過去の愛人との関係を清算するために、絶世の美女に仮面夫婦となってもらう話。 未完なのが惜しまれる。完成していたらコメディ映画として作品化されていただろうなと思う。太宰作品としては考えずに読める作品。
0投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ新年の一冊目は、太宰治の後期作品集。 太宰はひさしぶりに読んだけど、あらためて好きだなぁと思わせてくれるような文体や世界観で、収録作のほとんどが掌編(随想?)ながら満足度が高かった。 そして、彼が死の間際まで連載のために執筆していたという未完の遺作が「グッド・バイ」。 太宰はこれを書きながら、自分ももうグッド・バイでいいと思ったのかもしれないね。 主人公である色男が数多の愛人と縁を切るため、絶世の美女(だけどひどい鴉声で大喰らいで金遣いが荒くて部屋は汚い。実写にするなら橋本環奈一択)に助けを乞い、クセの強い彼女を手懐けながら二人三脚で別離行脚にでるというような、明るくてユウモアと可能性に満ちた楽しい話なんだけど。 最後まで読みたかったなー。太宰が自殺を遂げたという事実をわかった上で読むとなおのこと心寂しい。 「唐詩選の五言絶句の中に、人生足別離の一句があり、私の或る先輩はこれを、『サヨナラ』ダケガ人生ダ、と訳した。まことに、相逢った時のよろこびは、つかのまに消えるものだけれども、別離の傷心は深く、私たちは常に惜別の情の中に生きているといっても過言ではあるまい。題して『グッド・バイ』、現代の紳士淑女の、別離百態と言っては大袈裟だけれども、さまざまの別離の様相を写し得たら、さいわい。」
4投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログ短篇集。未完の絶筆「グッド・バイ」収録。処女作が「晩年」で最後が「グッド・バイ」って不謹慎だけどちょっと面白い。ちょっと大げさな書き方かもしれないけど「苦悩の年鑑」が好き。戦争が起こったら、とにかく逃げよう、先生も誘おう、という考え方が好き。太平洋戦争とはいったい何だったのか、太宰の視点が面白く、希望に満ちた感じがする。
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ最悪だった。 だってこの続きは一生読めないのだから。 『グッド・バイ』は、晩年の作品らしく、のびのびしてユーモアに溢れた作風で、続きが読めないのが本当に悲しい。 手を出そうとした女に殴られて、「ゆるしてくれぇ。どろぼう!」と叫ぶ主人公が哀れすぎて滑稽すぎてたまらない。
0投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログ3.8! 未完って知らずに読んでしまった、、続きが気になる 一生読めることはないんだけどね、、、、、
0投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログ『グッド•バイ』は面白かったですが、他の作品は正直微妙でした。 他の作品を完成させる気力が残っていたのなら、この名作を完成に導いてほしかったというのが正直な感想です。
0投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログ伊坂幸太郎氏の小説のモチーフになっていたことから読みました。 グッド・バイの他にも、作者の戦時下でのエピソードが記されております。私は戦争を経験しておりませんが、文章から読み取れる日本の敗戦による絶望を強く感じました。戦後、太宰治へ自らの生き方を賭ける方が多くいらした、とのことでしたが、その思想に強く共感するほど引き込まれました。
0投稿日: 2024.05.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
連載中に作者が自死してしまった為未完のままの小説。 主人公が田島(太宰の本名 津島)、複数の愛人、酒豪である事から自己を登場させている模様。人間失格や斜陽でも必ず太宰らしき人が出てきますしね。 太宰の友人、坂口には不評でしたが(笑)私は楽しんで読めました。エンターテイナー太宰を感じる事が出来る小説だと思います。 愛人に別れを告げる為、容姿端麗なキヌ子に妻として装ってもらう事をお願いする田島でしたが…。当時としては珍しく女性性に囚われない生き方をしているキヌ子に戸惑う田島。 もりもりと食事をし(田島のお金で)、服を買い(田島のお金で)、髪をセットしてもらいます(田島のお金で) まだまだ読みどころはあるのですがこの辺で。 青空文庫であればアプリでもWEBでも無料で読む事ができます。
1投稿日: 2024.05.04
powered by ブクログ続きが読みたい!となる作品です。 愛人と入水自殺した太宰の最後の作品であり、「愛人との別れ方!」をテーマに描かれた作品ですが、暗い感じはなく、とてもリアルで、作品が未完に終わったことがとても残念です。
6投稿日: 2024.05.04
powered by ブクログ太宰が書き切らずに亡くなったから結末を知れないのだけど。故に読者の想像に任せてもらえるのもまた面白い、余白を含めて作品だと思える(きっとそんなつもりはなかったんだろうけど笑)主人公が妻子を持ちながらも10人以上愛人がいて、改心して愛人たちに「グッドバイ」を告げ渡り歩く話なんだけどさ、一緒に旅する「キヌ子」がまぁいいキャラで大好き(「女は、たいてい、これくらい食うの普通だわよ。もうたくさん、なんて断っているお嬢さんや何か、あれは、ただ、色気があるから体裁をとりつくろっているだけなのよ。」って言うんだけどね、ご飯食べてる時にたまに思い出す。あと出会いの喜びは束の間にえるけど、別離の傷心は深いという言葉も好き、私は全然出会いの喜びに浸って生きてますけどね、と言いつつ人との別れ引きずってるわ。
0投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログメモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1755530477925208301?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
0投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ戦中、戦後を生きた人々の苦悩が伝わってきた。全体的に、否定的で、ニヒルな雰囲気が漂っており、読んでいてブルーな気分になったけれど、独特のユーモアと描写の巧みさのお陰で、本をめくる手が止まらなかった。人間の本質を描くことに、臆することなく向き合い、現代にも通ずる価値観を提示している作品達だった。
0投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ太宰治の絶筆であるグッド・バイを読みたくて購入、その後2年間積読してた ユーモアに富んだ作品で、登場人物のキャラも立っているから、ラノベみたいな作品だなぁと思った 未完なのが残念、この先も読みたかった 善をなす場合には、いつも詫びながらしなければいけない。善ほど他人を傷つけるものはないのだから
0投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログこれは愛人を何人も抱えた主人公、田島が青木という超絶美人を実嫁という設定にして、愛人達に別れ話をしに行くお話である。実嫁は青木の他にいる。一見暗い設定に思えるが、田島と青木の掛け合いがコミカルに描かれていて、物語の雰囲気としてはとても明るい。未完なのが悔やまれる作品である。
0投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
好きな作品とそうでない作品が入り乱れていた。でも、結局表題作の「グッド・バイ」で最後に盛大なコメディで締めくくられて、ああこれが太宰かと。遺作がグッド・バイで良かったなと思える、明るく軽快で未来を向いた作品だった。 もったいない、もったいない、続きが読めないなんて。でもなんだかこれを書きかけで逝ってしまうのはとても、喜劇みたいな、悲劇みたいな、人生。 戦後ずっと、世の中の変わらなさに絶望しつづけていた太宰が、この遺作でこんなことを言う。驚いた。 「けれども、それから三年経ち、何だか気持ちが変わって来た。世の中が、何かしら微妙に変わってきたせいか、...(中略)小さい家を一軒買い、田舎から女房子供を呼び寄せて、......という里心に似たものが、ふいと胸をかすめて通ることが多くなった。」 以下、その他の作品について ■薄明 子煩悩な平凡な父の姿。結膜炎になった子がしんぱいでおろおろ、酒を飲んでも酔えず、吐き、路傍で合掌。 父親の姿が見られほっこり。その一方戦争だけが太宰を家庭につなぎとめ、命をつなぎとめていたようにも感じてしまう。 「もし、この子がこれっきり一生、眼があかなかったならば、もう自分は文学も名誉も何も要らない。みんな捨ててしまって、この子の傍にばかりついていてやろう、とも思った。」 「『そうか、偉いね。よくここまで、あんよが出来たね』」 ■冬の花火、春の枯葉 2作とも戯曲のスタイル。新ハムレットより完成度が高い。戦後日本に対するみじめで、やりきれない思いが、とても悲しく美しい旋律の中で繰り広げられる、悲劇。 「冬の花火、冬の花火、ばからしくて間が抜けて、清蔵さん、あなたもあたしも、いいえ、日本の人全部が、こんな、冬の花火みたいなものだわ。」 「永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿をあらわしたところで、生きかえるわけはないんだし、これは、このまま腐って行くだけなんだ。めぐり来たれる春も、このくたびれ切った枯葉たちは、無意味だ。」 ■フォレスフォレッセンス 太宰にとっては夢も現もすべて同じ。小説も生活も同じ。どこまでも一元的で主観的で、だから好きなんだろうなと思わされた話でした。 ■男女同権 時代的に仕方ないのかもしれないが、かなり無理。 太宰は好きだけどこれは......
1投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ戦時中から戦後に移って、変わったかと思えばそうではない、そんな自分の中の期待の裏切りを登場人物の赤裸々な感情を通して描いているような作品。人のあり方が大人らしく、自分もいずれそんな世の中をそんなふうに過ごしていくのかなぁと少し悲しくもなった。
0投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
未完の作品「グッド・バイ」を含めた16つの短編集。 戦時中に太宰が妻子を連れて甲府へ疎開したときの話が「薄明」「たずねびと」。そして、津軽の生家へ再疎開した時に、東京での十五年間を振り返って「十五年間」が書かれた。 過酷すぎる状況だけに、太宰のユーモアも皮肉に感じられるところが多かった。 その後、津軽の生家を引き払い、家族と共に上京した後、昔よく遊びに行ったとこの娘と偶然に再開したときの話が「メリイクリスマス」。真相を知ったときの男(太宰?)の男前な言動にジンときた。 その他「男女同権」「饗応夫人」「眉山」「女類」などの作品では、当時の男尊女卑の風潮を強く感じた。物語としてはおもしろいけど、そこだけ気になってしまった。 やはり一番印象に残ったのは表題作「グッド・バイ」かな。 妻子持ちの男が十人以上の愛人と別れる決心をし、絶世の美人を妻だと言えば愛人たちも諦めるだろうと作戦を立て、キヌ子という女に妻役を頼み込み、愛人たちの元を回っていく。もうコメディだね。 キヌ子は美女だが、大食いで意地汚く声も悪い女だった。とりあえず一人目の愛人は作戦成功。男は愛人の耳元で「グッド・バイ」と囁く。残りの愛人の元へ向かう途中で、未完のまま終わる。 果たして無事にすべての愛人と別れることはできるのか。そんなことをやっていて妻子にバレてしまわないだろうか。 物語を最後まで見届けたかったな。
50投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログ図書館で笑いを堪えるのに必死な程、面白おかしい小説だった。完成版を読めないのが悔やまられる。やはり太宰は生き延びるべきではなかったのか?いや、彼の場合、むしろ死ぬことが喜劇なのであり、生き延びてしまったらなかなかの悲劇になってしまっただろうか?
0投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログこの作品を読んで初めて、太宰治はラブコメのライトノベル作家だと思った。 未完であることが残念でならないけれど、先の展開や結末を想像するのも楽しい。大好きな作品。
0投稿日: 2023.06.23
powered by ブクログ妙に面白い。似た雰囲気の短編なのに何故か飽きさせない。良いところに研がれた文章がおいてある。読み手の心理を心得ている。
1投稿日: 2023.05.19
powered by ブクログ読んでる間は酒飲みの登場人物や風刺的な内容に辟易するし読後感も良くはないけど、読み終わってみると面白かったと思う 文章がうまくて読みやすい たずねびと、冬の花火、春の枯葉、メリイクリスマス、フォスフォレッセンス、饗応夫人、美男子と煙草が好き
1投稿日: 2023.01.17
powered by ブクログ未完の作品ということで全体として どうかは評価できないが、設定としては非常に面白く、この後どうなっていたのかが非常に気になり惜しまれます。モテ男が女性関係を精算するために取ろうとした策略は…ともすればルッキズムの考え方に抵触しそうな内容でもある。
3投稿日: 2023.01.16
powered by ブクログ「わあ! 何というゲスな駄じゃれ。全く、田島は気が狂いそう。」 舞台を先に観た。やっぱり著者の終末も見たいな
0投稿日: 2022.10.29
powered by ブクログ他の書籍にて、グッド・バイのみ読了。 タジマという、クソだなーと思う男の話。 未完なのがとても惜しい。 絹子にケチョンケチョンにやられて、身を滅ぼす結末だったら、スッキリするのになぁ。 続きが読みたいなぁ。
0投稿日: 2022.10.20
powered by ブクログ序盤は敗戦直後の暗く惨めな話。一方表題作の「グッド・バイ」は妙に明るく軽くユーモアに溢れている。この振れ幅がすごい短編集。戯曲も二篇含まれている。 短い作品が多く収録されていて、非常に読み応えがある。
0投稿日: 2022.08.28
powered by ブクログすげぇな よくも人間の根底を表す美しくて、醜い文章を書けるな 薄明 苦悩の年鑑 十五年間 たずねびと 男女同権 冬の花火 春の枯葉 メリイクリスマス フォスフォレッセンス 朝 饗応夫人 美男子と煙草 眉山 女類 渡り鳥 グッド・バイ
0投稿日: 2022.07.12
powered by ブクログ「薄明」 現実主義でポジティブ志向 そういう人であるがゆえに周りからはいつも 「本気か冗談かわからない」 などと言われてしまう それでひそかに傷ついたとしてもポジティブ その明るさが滅びの姿であろうか 「苦悩の年鑑」 軽薄なポーズでくそ真面目 そういう人であるがゆえに周りからはいつも 「本気か冗談かわからない」 などと言われてしまうんだろう それで世をひねて、純粋なものに憧れる 実際、本気か冗談かわからない 「十五年間」 彼はサロン文化を軽蔑していた そこでは誰もが空気に敏感であった 異物を探してこれを叩き、連帯感を強めていた 挙句が開戦論である しかしそれはそれとして、彼は戦争に乗った 親を見捨てることのできない子供のような心境だった 子供よりも親が大事 恐ろしいことに、これを読んだあとでは 三島なぞより太宰のほうが ずっとまっとうな愛国者と思えてしまうのだった 「たずねびと」 他人からの好意に対して感じる屈辱は 一種の幼児性であるらしい そんな、居直った乞食みたいな性根丸出しで 純粋な若き乙女を引っかけようとする 「男女同権」 戦争が終わって、男女同権ということになった それはむしろ女性解放の意味合いでそう言われたのだったが 世の中には、女にいじめられてばかりの男というのもいて ここぞとばかりに積年の恨みをぶちまけはじめた その後どうなったかはわからない 「冬の花火」 戦争で夫を失った未亡人のなかには 生きるために貞節を捨てなければならない者もあった そのやりきれなさから逃れるためには 旧時代の偶像を否定しなければならなかった 「春の枯葉」 戦争の終わりにともない、個人主義が復権しつつあった 旧時代にとらわれた人々を傷つけることで 自己確立しようとする者もあった 「メリイクリスマス」 終戦から一年すぎて帰ってきた東京は普通だった しかしふいに、昔の女が疎開先で死んだと聞かされて しんみりしちゃったりした 死んだ女の娘を誘って屋台に入ると 先客のおじさんが通りすがりのアメリカ兵に おのぼりさんみたいな態度をとって 呆れられていた 「フォスフォレッスセンス」 現実の世界と、睡眠中に見る夢の世界は 異なる世界でありながら、確実な繋がりをもっている 彼はそういう信念、あるいは錯覚でもって 夢のなかの願望を現実化させていく こういった考え方はやがて「シュレーディンガーの猫」のように 生と死の区別を曖昧化させるだろう 本気か冗談かわからないけれど 作者の精神バランスが崩れていってるようでもある 「朝」 男と女が舞台に上がったとき 必ず愛し合わなければならないというきまりはないが 舞台が暗転した瞬間、そこでなにが行われるかは わかったもんじゃないんだ 彼はそれを恐れている 永遠の暗闇となれば、真実が露呈することもないけれど 「饗応夫人」 戦争で夫を失くした未亡人が 友人たちにたかられて 屋敷をほとんど占拠されたあげくに 身体を壊してしまうのだけど それでも「饗応」をやめようとしない 戦後、そんなふうに滅びてゆくことを選んだ人も いたのかもしれない 「美男子と煙草」 戦争を生き延びた無責任な文士たちの代表とさせられ 上野の浮浪児を取材する太宰治 浮浪者となりはてた自らの姿を想像して戦慄するも 実際の浮浪児たちには明るいエールを送り また同行した記者たちに対しては どうしてもおどけたポーズをとってしまう 「眉山」 いるときは嫌なやつと思っていても いなくなったら良いやつだったように印象が変わってしまう それを知ってて自殺未遂を繰り返していたふしが 太宰にはあった 「女類」 太宰治が強烈なミソジニーを抱えていたことは 「男女同権」なんか読んでもなんとなく察せられるのだけど 一方ではやはり女好きであり 女の前で良い人ぶりたい気持ちが強くあった この二面性、この二人の太宰が共犯となり 完全犯罪を作り上げたようにも思える 「渡り鳥」 葱しょった鴨を探して夜の街を歩く 羽毛みたいに心は軽いが、空なんて飛べやしない 空虚が重くてゲップも出る 千の嫌悪が己を作り上げるとしても そのなかにひとつ混じった自己嫌悪のおかげで台無しだ つまりそれが平等な世の中なんだろう 「グッド・バイ」 十人近くもの愛人たちと関係を精算すべく 昔なじみの猛烈女を「女房」役にして 街中の巡礼を計画する なぜそんなことをするのかといえば 結局はかっこつけなんだ なりふり構わず降伏勧告を受け入れた日本で まだかっこつける余裕 それが彼の命取りかもしれない 作者が死んで未完に終わった作品である
1投稿日: 2022.07.12
powered by ブクログ「グッド・バイ」が未完なのが悲しい 「メリイクリスマス」が自分は一番好き 死が近くにある時は 生きる事を選び 死が遠のいていったら 死にたくなったのだろうか 妙興寺ブックオフにて購入
2投稿日: 2022.06.11
powered by ブクログ面白かった。僕は戦争を体験していないので、その当時の感じがどのような風だったかは全く分からないが、太宰治の所謂市井作家としての一面から、当時に人がどのように生きて、どのようにものを考えたか、想像できた。戦争という太宰治が生きた時代、どうしても考えの基底に田舎云々、絶望云々がつきまとう。また、エッセイらしくない普通の小説も入っていた。表題作の『グッド・バイ』のように、軽快なストーリーの短編。もし太宰治が今を生きていて、その空想を自由に描けるのなら、いったいどんな風な作品を書いていたんだろう。
0投稿日: 2022.06.02
powered by ブクログ表題のグッド・バイ目当てで読みました。 男が情けないのは想定どおりですが、こんなに楽しい話だとは思ってませんでした。
0投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ人間失格などに見られる太宰治の自己否定がまた垣間見える作品だった。自分を俯瞰的に分析できているにも関わらず、どうしても悪い方向に進んでしまう、、人間の欲がまざまざと表現されていてとても共感できる作品であった。未完なのが悔やまれる。
0投稿日: 2022.03.17
powered by ブクロググッドバイが完成していたら切っても切り離せないくらい読んでいただろうと思いました。 今の作家も意外な組み合わせで小説を書くだろうけどあの時代の太宰が書く意外性を完結して読みたかったです。
0投稿日: 2022.01.25
powered by ブクログ太宰が現代でツイッターやってたらめっちゃいいね押してただろうなって空想した 自己否定と下降指向か。しんどかったんだな。
0投稿日: 2022.01.12
powered by ブクログ初太宰治著作!文章巧みだなあ。 サカナクションのグッドバイから入りました。 どの短編も、爽快!でなくても、だからこそぐっと心に残るような作品でした。 今回は短編集だったので、『斜陽』『人間失格』などの長編も挑戦したいし、後期に書かれた作品だったので、初期中期の作品も読みたくなりました。 戦争と混乱と自己と善と。 偽善者という言葉を使っていた友達、その子は太宰のことが凄く好きだったので、自己と破壊と他者の評価、少しは理解できたかな?
1投稿日: 2021.12.04
powered by ブクログ太宰治後期の短編集。短編小説14、戯曲2。 全て戦後の作品とのこと。無頼派の先鋒といった様相。「たずねびと」「饗応夫人」「男女同権」などは皮肉が強すぎて、女性への蔑視かとも取れる。そこが、作者の裏表なのかも知れないが。 未完の「グッド・バイ」は、一変してコミカルで、愛した女性達に別れを告げる儀式を画策する気弱な主人公が登場。ここから、新しい作風が始まろうとしていたのかもしれない。
6投稿日: 2021.11.16
powered by ブクログ表題作のみが読書会課題本であった。著者の急逝のために未完となった表題作と、最晩年に書かれた短編小説・短編戯曲の代表的なものを集めた一冊。正直、あまり面白いものでもない。原稿料稼ぎのためにテキトーに書いたと誹られても仕方ないぐらい質の悪い作品もある。
0投稿日: 2021.10.27
powered by ブクログ田島がキヌ子に、直接、または心の中で突っ込む言葉が面白い。 全部やめるつもりでいるんです。 太宰治の気持ちの代弁だったのだろうな。 太宰治は自分の事を冷静に俯瞰できている反面、どうしようもなくコントロールできない部分があった。 当然のように続きが気になる。
0投稿日: 2021.07.06
powered by ブクログ大泉洋さん主演で映画になって初めて知った。 他の作品と雰囲気が全く違う。読みやすく面白かった。 読みたかったな、グッド・バイ。 収録作品のうち半分ほどは 理解できず、また読み切れなかった。 歳を重ねたら違って感じるようになるかしら。 それまでとっておこう。(熟成という感じ)
0投稿日: 2021.06.28
powered by ブクログ未完のグッドバイが収録されている短編集。エッセイ的なものが多い中、冬の花火と春の枯葉という本格的な戯曲が非常に面白い。途中までしか書かれていないが、グッドバイが完成していたら人間失格以降の太宰治の代表作になっていたかもしれない。
2投稿日: 2021.06.25
powered by ブクログ太宰治の描く人間は人間らしさが溢れてて、でも、こんな奴いてたまるかという気持ちになる。 『グッド・バイ』は太宰治の最後の作品となっているが、最後の「絶筆」も含めてジェットコースターのようなスピード感。本当に面白いと思った。
2投稿日: 2021.06.05
powered by ブクログフォスフォレッセンス、饗応夫人、グッドバイが面白かったです。 グッドバイは未完で終わってるので続きが気になってしまいます。
0投稿日: 2021.03.25
powered by ブクログ16作のオムニバスで、最期の[グッド・バイ]は未完であったが本当に良いところで終わってしまう。続きを見てみたいと思う反面、 そこで完結したままの作品として評価したい気持ちが平等に分かれている。[人間失格]や [晩年][斜陽]の作者とは思えないほど、良い意味で現代的な自由な作品。その他では、 [饗応夫人]、[たずねびと]がかなり印象に残った。
1投稿日: 2020.10.27
powered by ブクログ戦後、太宰後期の作品集。 破壊者である太宰の荒々しくも熱っぽい文章に胸を打たれる。『グッド・バイ』どんな作品になっていたのだろうか、本当に口惜しい。
3投稿日: 2020.05.27
powered by ブクログ太宰治の戦後の著作16編を収録した短編集。未完の絶筆『グッド・バイ』も含まれている。特に『グッド・バイ』についてはこれから物語が一層面白くなっていくだろうところで筆が途切れてしまっており、残念なことこのうえない。 作品全体を通じて、戦後の極限状況の中でそれでもなお負けじと這い上がってこようとする不屈の意地のようなものを感じた。その中にも太宰ならではの風刺やユーモアがピリッと効いていて、とても楽しく読むことができた。 太宰ほど人間の苦悩やみじめさ、やりきれなさを読み手の心に訴えかけるように書ける作家はいないだろう。後期の後にどんな時代が花開いただろうか、考えると実にやるせない。
1投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ太宰治の晩年の作品 大泉洋と小池栄子で映画になるとの事で、手にしました。 晩年と言っても38歳 38歳の文章だとは思えない 重さ 戯曲は読みづらかったけど どんな困難な時代でも女性が強かった事が伝わってきました。 未完のグッバイは面白かったです。 死を選ばずに生を選んで 50代60代になった 太宰治の作品も読んでみたかったなぁ
0投稿日: 2020.04.18
powered by ブクログ2020/1/1 新年一発目は太宰治のグッドバイ。16篇にも及ぶ短編集だけど、1つ1つがずっしり重い感じ。 また、初めてこの人の戯曲を読んだ。決してハッピーエンドではないし、グッドバイを書いている途中に自殺してしまったから未完なのだけど、もし作品として完成していたら…と考えるととても読み応えがある。 時期は終戦の少し前から終戦を迎えて日本が復興し始める時期の人々のありのままの姿、リアルな姿がそれぞれの話で描かれている。 主に男女をめぐる話が多いが、時代の波に合わせて変わろうとしている日本のようすと、変わろうとしている人たちと、そうは言っても本質の部分で中々変わらない人間と…というようにすごいマッチングしているように思う。多分それを意識して書いたんだろうけど…。 作家ならではの皮肉もふんだんに盛り込まれている。特にすごいなと思ったのは、男女同権という話。タイトルだけ見たら何だろうと思うけど、男女同権になったのだからこれからは女性にも好き放題モノを言うことができる!なぜなら俺は今まで女性からいじめられて不当な扱いばかり受けてきたからだ!みたいなことが小説として書いてある。 逆転の発想ってこういうことなのかなと思いました。
0投稿日: 2020.01.01
powered by ブクログ被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆『グッド・バイ』をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白『苦悩の年鑑』『十五年間』、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日本人への絶望を吐露した2戯曲『冬の花火』『春の枯葉』ほか『饗応夫人』『眉山』など。
0投稿日: 2019.06.18
powered by ブクログ青森の星のやで夜読んで、続きが読みたくて借りた 面白すぎる。すごいな太宰治って。もっと早く読めばよかった。食わず嫌いってよくないのね。日本文学も読むこととしよう。 言葉、流れ、情景がありありと浮かぶ様なんて今の小説家より深い深い深い。 先の先まで、空気まで、気温まで湿度まで浮かぶ様、なところもあれば、 こちらの想像がそれを膨らませる様に綺麗に整えられていたり、 その全てのバランス、素晴らしい。 こんなものを書ける日本人が存在したなんて、日本てすごいんだな。 そして全く変わっていない日本。中身だけが下降して。
0投稿日: 2019.05.14
powered by ブクログ表題作よりは他の短編たちの方がよかったな 「饗応夫人」「眉山」は痛切にやり切れないし戯曲2本は閉じ方が上手いし戦争末期の津軽への道中は何回でも書きたくなるほどの出来事だったんだろう あと太宰がtwitterやってたら「苦悩の年鑑」みたいなことになってたんだろうな
0投稿日: 2019.02.12
powered by ブクログ自殺による絶筆である表題作を含めた後期作品16篇。『走れメロス』を代表とした精神的に健全な作品の多い(らしい)中期とは大きく異なり、敗戦後の日本に期待をしつつも、やがて絶望したかのような暗い作品が多数を占める。 理不尽、不条理、実体の伴わない思想と挫折、、、そんな言葉が浮かぶ。閉塞感がすごい。それを笑い飛ばして前に進んでいくような明るさを持っていたのが表題作『グッド・バイ』だっただけに、絶筆であることが非常に悔やまれる。 『薄明』 戦時中に疎開を繰り返している男の話。家が焼けたり子供の目が見えなくなったりと起きていることは前途多難だが、つい酒を飲んでしまうところやどことなく穏やかな雰囲気が描かれており戦時中の話という感じは受けない不思議。 まだ敗戦後ではないというのもあるのだろうか。子煩悩で朗らかな印象の暖かい短編。 『男女同権』 男女平等が謳われるようになった時代に、女性から散々虐げられた男による「女尊男卑」的側面が語られる。 いかにも天邪鬼な発想ではあるけど、男女という人間を2種類に分ける方法ではこうした歪みは当然のごとく発生してくるわけで、男女同権が「思想」として潔癖なものになってゆくことへの反感というか危惧というか、そういうものを感じた。時代の空気や心?のようなもので変わるのと、思想・制度としてガッと変えるのでは、受け入れ方も違ってくるのだろう。 『冬の花火』 戦後の時期にこんなもん演劇で見せられたらテンションダダ下がりで頭おかしくなるんじゃなかろうか。それとも、そんな時期に演劇見られる層ならしんみりする余裕もあるのだろうか。 ありとあらゆる生々しい現実を装飾するように、戦争・桃源郷・お百姓、様々な物語が作られ、人はそうして初めて世界を飲み込むことができた。そんなオブラートが戦争によってひっぺがされてしまった。そんな話なのかなと感じた。 『春の枯葉』 敗戦後の焼け野原に現れた新たな価値観と淘汰されてゆくであろう田舎の価値観。「わたくしのような、旧式の田舎女は、もう、だめなのでしょうか。」(p.226) 『朝』 夜に酔っ払い女性と二人きり、女性の机上には『クレーヴの奥方』。自分の本能と相手を尊ぶ気持ちがせめぎ合う短篇。分からんでもない。 『饗応婦人』 ただただ悲しい話。先の2つの戯曲も含めて、この感情をどうしたらいいのか分からない。 『グッド・バイ』 愛人作りすぎて収拾付かなくなり、偽の妻を連れていって諦めさせようとする色男の話。本妻は別にいる。最期には妻にグッド・バイされるというオチを想定していたらしい。 コメディ調で書かれているため、他の暗い作品ならともかく、これ書いてるうちに自殺したのかと驚いた。
2投稿日: 2019.02.12
powered by ブクログ太宰治、晩年の短編作品集。なんとも言えない味わい、太宰の作品は後期が好みかも。 特にメリイクリスマス、フォレスフォレッセンス、朝、美男子と煙草、眉山、女類、渡り鳥、グッドバイあたりのシニカルな笑いを挿入しつつ、軽快な文体が好み。眉山でのエピソードは味噌クソの語源か?思わず吹き出しつつ、余韻ある寂しげなラストは見事です。 太宰の作品は個人的に好悪があるが全般的にユーモアのある作品が好みです。
0投稿日: 2019.01.13
powered by ブクログ太宰治の未完の作品である「グッド・バイ」を含む後期の作品が数多く収められている1冊。 戦争後期から戦後にかけての激動の時代を必死に生き抜きながらも自己否定、道化精神、自己破壊的な精神状態が極限にまで達して後の太宰の自殺までがまざまざと文字に現れていて、 ページが残り少なくなる程に「ああ、太宰がいなくなってしまう」という空虚な寂しさに襲われました。 「春の枯葉」にある 「めぐり来れる春も、このくたびれ切った枯葉たちには、無意味だ。なんのために雪の下で永い間、辛抱していたのだろう。」という文章や 「グッド・バイ」に於ける全てを清算して平穏な生活を目指すところなどは、「人間失格」に於ける破天荒な生活や絶対的な絶望感から更に先の脱力感や極限突破した精神状態を感じました。 大好きな太宰文学の新境地がこれから幕を開く、というところで命を絶ってしまいましたが 「自殺の許可は、完全に幸福な人にのみ与えられる」というヴァレリイの言葉も引用していたので 彼が生前僅かでも幸福だと思えることがあったのだと信じたいです。
0投稿日: 2018.09.05
powered by ブクログ太宰治の遺作ですが、これからどう展開させていくかというところで未完であり、田島がどうなるかの前に自分の命を絶ってしまうというのは、いかにも残念です。 太宰が小説家として何を残していったのか、それを考えていこうと思います。
0投稿日: 2018.04.18
powered by ブクログ新婚旅行中に読了。 太宰さんの死により未完となってしまった『グッド・バイ』、その他太宰さんの後期に書かれたものが集められています。 戦後の日本を思わせるお話の中にも太宰節が感じられて、私は好きでした! 『グッド・バイ』、最後まで読みたかったな~!
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太宰と言えば、とにかく暗い話が多い印象にあったが、時代を軽く風刺した物等、テンポ良く楽しく読めた。 そして太宰の生涯最後の作品であり、未完成作品の『グッド・バイ』。 私の大好きな作品、伊坂幸太郎の『バイバイ、ブラックバード』の元になった作品である。 これが読めて嬉しかった。 田島とキヌ子のコンビの掛け合いが最高に面白く、もっと続きが読みたかった。 太宰がこの物語のオチを、どのように考えていたのか……知りたい!
7投稿日: 2018.02.12
powered by ブクログ酒に逃げるし愚痴っぽいし同じ話ばかりだし、、、晩年の太宰治の作品を読むにはメンタルのタフさが要りますね。 そんな作品群の中でも、絶筆未完のグッドバイは珍しく明るいコメディ、続きが読めないのがほんとうに残念。あと’’冬の花火’’’’春の枯葉’’という戯曲も意外といいなあ。 グッドバイは小池栄子を主役にした舞台DVDが出てるらしい、たしかに小池栄子はピッタンコ♡
0投稿日: 2017.07.03
powered by ブクログ戦争という時代にあっても、この太宰という人間はやっぱり太宰という人間なんだと思ってほっとする。戦争だろうと、貧しかろうと、家が焼けようと、やっぱりこの人間はものを考えている。そんなところとは関係なく、考え続けている。仮に徴兵されたとしても、やっぱり酒を呑んで考え続けていたんだと思う。それが、この太宰という人間なのである。 彼にとって、別にそんな些末なことはどうでもいいのである。なのに、かえってそういうことをとやかく言われるからうんざりして逃げ出したくなってしまう。確かに彼と生活を共にする人間からすればたまったものではない。彼は生活しないように生活しているのだという二重性を、誰が生活している人間の中で理解できようか。もともと世を拗ねた人間が、どういうわけか世の中で生きてしまっているのである。これが彼にとっては屈辱的なことであった。生きるというのはこういうことなのか、彼は津軽で生まれ育った時にはもうそう感じていた。早く生き過ぎたと言ってもいい。彼にとっては、もう十分生きたからさっさと死にたいくらいのことなんだったと思う。 だが、死ねばすべて解放されるというのがわからない。死の魅力というのは、あくまでことばの上に過ぎない。だって、誰も死んだことがないから。じゃあ死んでみようということになるが、死んだその時、死んだと感じるその存在はいるのか。そんなものいないのである。死に対してなぜそんなに魅力を感じるのか。別に善く生きられないのに生きろとは言わない。だが、死ねば終りだと思うことだって、彼が厭わしく感じてやまない生活と何ら違いはないのである。その辺、「反抗だ」と言ってのけたカミュの方が断然上である。
1投稿日: 2016.10.24
powered by ブクログ太宰が船橋に住んでいたことがあったなんて知らなかった。「冬の花火」良かったなぁ、少し気味が悪くてさみしくて、でもリアルで。「グッド・バイ」のユーモアたっぷりな語り口も好きだ。あれはあれで完成されてるように見えるけど、未完なんだ。「男女同権」いいなぁ、こんな感じでやりこめられてる太宰さん、なんとなく想像できる。「饗応婦人」あぁ、なんかわかる気するなぁ。「うすあかり」「たずねびと」「メリイクリスマス」当時の、暮らしってこんな感じだったのかな。「苦悩の年鑑」「春の枯葉」思想。同一人物の中にある矛盾か。太宰作品を読むとき、どうしても作品そのものではなくて太宰という人を読もうとしてしまうことがある。
0投稿日: 2016.08.11
powered by ブクログ何回も読み直してる。フォスフォレッセンスが、太宰の書いた話の中で1番好きだ。夢の中に夢を描いて憧れを抱いて生きている、励みになるような悲しい話。 他にも、メリイクリスマスや冬の花火など名作が多い。 グッドバイは、完成したならどんな結末になったんだろう。未完なのが本当に悔やまれる。
0投稿日: 2016.08.10
powered by ブクログ戦後、幼子ふたりと妻と共に疎開し、苦労する太宰の苦悩や戸惑いを生々しく感じられる薄明、苦悩の年鑑から始まり、非常に読みやすい文体にどんどん引き込まれました。 時に大真面目に書いてあることが可笑しくてたまらなくクスリとさせられたり、なんとも遣る瀬無い気持ちに地団駄踏みたい気持ちにさせられたり、身につまされたり、一冊を読み終わる頃には実に様々な感情が自分の中を往来したことにびっくりしました。 表題作グッド・バイに関しては、いよいよ面白くなる矢先にストーリーが途絶え、続きが読みたくてなんともたまらない気持ちになりました。 傑作になるに違いなかった本作が未完の絶筆となったことが心から残念でなりません。
4投稿日: 2016.05.22
powered by ブクログ太宰の遺作でもあり、タイトルからしてものすごく悲惨なメンヘラ小説を想像していたのだが、読んでみたら明るいコメディ小説で引き込まれた。これはめちゃおもしろい。軽妙で気楽に読めるし、太宰のMCぶりとやらが存分に発揮されていると思う。太宰はこういうふざけたところも持ち味だと思うし、初めて人間失格を読んで引いた私が再読しようと思ったのは太宰の全力でふざけているところに気づいたからだ。かなり続きが気になる。何故最後まで書かないで死んだんだ!ちゃんと書き終わっといてくれ!と言いたくなった。死人に口無し。悲しい。 再読。後期の太宰からは触れれば切れるような鋭さを感じる。「眉山」「男女同権」は人間失格にも通ずる虚無的な暗さがある。「冬の花火」が好き。戯曲を書いていたことに驚かされた。「饗応夫人」はなんだか悲しい。「グッドバイ」は笑えるが中期太宰ののびやかなユーモアより引きつった捨て身の笑いを感じた。返す返すも未完が惜しい。全体的に荒廃的で捨て鉢な雰囲気が漂っていて、太宰は新しい段階に進もうとしていたのかそれとも破れかぶれになり死を決意していたのか。凡才の私にはわかりかねる。
1投稿日: 2016.05.21
powered by ブクログ確認したい事があって再読。十貫を楽に背負うかつぎ屋は永井キヌ子、二十五、六。ほっそりして、手足が可憐に小さく、顔は愁いを含んで、梨の花の如く幽かに青く、まさしく高貴、すごい美人。そして鴉声。トンカツ屋でキヌ子が食べたのは、トンカツ、鶏のコロッケ、マグロの刺身、イカの刺身、支那そば、ウナギ、よせなべ、牛の串焼き、にぎりずしの盛合せ、海老サラダ、イチゴミルク。その上キントンを所望していたからそれも食べているだろう。大食いでも十貫背負って歩けば太らないらしい。 それにしても最後の原稿が『グッド・バイ』とは偶然か狙ったのか。
1投稿日: 2016.03.01
powered by ブクログ「春の枯葉」より (雪がとけて、その下から去年の秋に積もった枯葉が出てきたシーンで、主人公の男性のセリフ) 永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿を現したところで、生きかえるわけはないんだし、これはこのまま腐っていくだけなんだーーーー
1投稿日: 2016.02.27
powered by ブクログ2015/08/08読了 今回、伊坂幸太郎の「バイバイ・ブラックバード」がグッド・バイに影響されたと言うことで、まず読んでみようと思い手に取った。太宰治の本は有名な作品しか読んだことがなかったが、社会等に対する皮肉、ユーモアや会話のやり取り、文章の構成など、現代の作家が大きく影響を受けたことが伝わってきてどの作品も楽しく読めた。
1投稿日: 2016.02.22
powered by ブクログ定番の私小説は相変わらずだが、純粋な創作が実に面白く、作家として熟成していく時期なのに遺作集になってしまったのが何とももったいない。皮肉たっぷりで痛快な「男女同権」、チェホフ風戯曲形式の「冬の花火」は最後にキレまくる女性主人公、遺作となった未完の「グッド・バイ」の怪力美女など逞しい女性達が面白い。逆に「饗応夫人」のような哀しい女性を描いた作品も。そして「眉山」は太宰の短編で最高傑作。ユーモア小説として書いたかもしれないが、トシちゃんの人柄と生き様を思うとせつない思いが溢れる。
1投稿日: 2015.07.24
powered by ブクログ太宰治と同じ時代に生きてそばにいたら 私が一緒に 玉川上水で死にたかった。 どんな美人をみようが私は諦めないと思うけど。 あざとい太宰が大好き。 グッドバイ
1投稿日: 2014.09.12
powered by ブクログ全部おもしろかった。 男女同権も演劇っぽいやつも。 めりいくりすますも。他も。 たまにぷっ。ってなるし。たまに暗いし。たのしかった。 グッドバイの続きが読みたい。。
1投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログ太宰の後期作品16篇。 サービス過剰な「饗応夫人」 遣る瀬無くなる「眉山」 が好き。 「男女同権」は女性の優遇さを引き摺り下ろすことを喜ぶ老人の演説。 太宰はあんなにもてたのに、こんなに女性が怖かったんだとびっくりした。
2投稿日: 2013.12.05
powered by ブクログ終戦後のエッセイのようなものから未完となった遺作「グッド・バイ」までいろいろ収録された本。太宰文学後期の作品になるのかな。それゆえ『人間失格』のような絶望感や悲壮感はあんまりない。でもこの後に自殺しちゃうんだよね。「グッド・バイ」は完結が見たかった、本当に。伊坂幸太郎の『バイバイ・ブラックバード』がこの作品を下敷きにしているとのことなので買ってみたが、小説が少なめだったので少し残念。2013/366
0投稿日: 2013.11.29
powered by ブクログ青空文庫にて。 昔、女生徒を読んだ時、今はどうしてかわからないが吐き気を催して、トラウマでなかなか読み出せなかった太宰治(笑)久しぶりに読んだら、あれ?凄いすらすら読める(笑)最近の中では一番読みやすい作家だなあと感激。すいすい読めるとはまさにこの事か。気づいたら10、20ページ過ぎている。青空だけに字が大きいのもあるかもしれないが(笑) とても読みやすい親しみやすい文の書き方ですね。私はそう思います。キヌ子がおしっこと言うように、田島がバカ野郎!と言うように、少し下品ちっくな言葉を使っても、うわあ…と思うどころか、クスクスっと笑えてしまう。面白いだけに未完なのが惜しい。
0投稿日: 2013.11.19
powered by ブクログ妻子連れて4人戦火を逃れ、三鷹から甲府、故郷津軽へと疎開した太宰であるが、戦時中の疎開生活から日本の無条件降伏によって幕が降りた大戦後の日本、そこに生きる人々、男女、そういったものが、そのままそっくり、描かれている。 そのままそっくり、というのは、当時の表現者たちといえば「偽善的」で「サロン派」な平和主義者ばかり、しかし太宰というひとはそうではなかった。 家族との乞食同然の生活の惨めさ、日本敗戦の口惜しさ、情けなさ、今後への展望、ユートピア信奉、田舎出身の自虐的態度、都会の不変さ。 全てが気取らず(仮に気取って書かれていても、気取り自体をまた如実に告白するのが太宰という男かと)、残酷な程に生々しく投影されている。 グッド・バイは未完のままであったが、他作品に比べ、皮肉的ではあるがユーモアがある。コメディがある。 解説にもあったが、太宰の第四期は花開き掛けていたのであろう。
2投稿日: 2013.09.03
powered by ブクログ表題作「グッド・バイ」は太宰の死によって永遠に未完となった作品。太宰にはめずらしく三人称で書かれ、全体的に軽い調子だ。主人公とキヌ子がユーモアたっぷりな人物で、この二人が物語を進行していくのだが、これはまったく新しい太宰文学なのではないか。タイトルのグッド・バイとは「人間失格」の完成を一区切りにし、今までの自分にさようなら、これからは新しい小説を書こうとする太宰の心の表れではないか。こんなこと言っても一読者の妄想に過ぎず、真相は太宰にしかわからない。
0投稿日: 2013.09.02
powered by ブクログ「男女同権」笑った。現代的だなぁ。なんか掲示板読んでるみたいな。 「饗応夫人」読んだの何回目かだけど、前は夫人にいらついたけど、今回はなぜか深く同情してしまった。 「グッド・バイ」、未完。 これを下敷きに書かれた伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を割と最近読んだんだけど、バイバイされるほうの女はすごく魅力的なのに繭美の描写にいささか無理があるように感じられた。リアリティとかそういう次元じゃなく。 今回「グッド・バイ」を読み返してなるほどと思った。 これより魅力的にはどう考えても書けまい。
0投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログ伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」の元になったのが太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」だと知り、読んでみることにしました。恥ずかしながら、太宰治の作品をきちんと読むのはこれが初めてです。これもひとつのご縁かな。 本作に収められているのは、終戦直後に書かれたという太宰の後期作品16編。戦後の人々のなんとも言いようのない葛藤というか、やるせなさのようなものが伝わってくるものばかりでした。時代の変わり目というのは、さまざまな希望が生まれると同時に、こういう鬱屈した想いも抱いてしまうのが素直な人間の心なんだろうなと思います。なんだか、現代にも通じるものがあるのかなと思ったり。 さて、「グッド・バイ」ですが、正直言って、未完であることがとても惜しい。田島はどんな女性たちと別れていくことになるのか、キヌ子との関係性は……。もし書きあげられていたら、とても興味深い作品になったのではと思います。他に収録されている15編に比べて、この最後の「グッド・バイ」はどこかユーモアの感じられる作品でした。太宰が何を書こうとしていたのか、最後まで読んでみたかった。もしかしたら、同じような想いを抱きながら、伊坂さんは「バイバイ、ブラックバード」を書いてくれたのかもしれない。せめてここにひとつの形を示そうと。まぁ、私の勝手な想像でしかありませんが。 その他の作品でいうと、「男女同権」はなんだか身につまされる思いが。今の世の中にも十分通用する風刺のように思います。男女平等を叫びながら、女性の権利ばかり主張して、ともすれば男性の権利をないがしろにしかねない人々に読んでもらいたいかも。皮肉ですけどね。あとは「メリイクリスマス」「眉山」も良かったです。 初めて太宰の作品を読んでみて、彼の風刺が今でも十分通用すると思えることに驚きました。そこから学べることは少なくないのかもしれません。ちょっとずつ、他の作品も読んでいってみようかなと思いました。
1投稿日: 2013.07.09
powered by ブクログ太宰治が大好きな人は読むべきかもしれない。 主に短編集でほとんどが作者の体験的な話のような気がする。 時代小説というか、時代背景が戦後なので話や心境を理解できないためわかりづらい。 最後のグッドバイは伊坂幸太郎に続編執筆依頼が来て、正確には続編ではないけれどバイバイブラックバードという作品が書かれました。 私はそちらを読んでからこちらを読んだので期待が大きかったせいか思ったより面白くなかったです。 グッドバイは数人の女性と別れるために偽の恋人役を連れて歩くのですが、この偽の恋人役がすごく魅力的です。 怪力で性格も女性らしくないのに見た目が美しすぎる不思議な女性。
0投稿日: 2013.06.21
powered by ブクログ終戦から死までの3年間の作品ばかり16編。好き。面白い。太宰治を初めて読んだ気がした。 思いっきりの主観で、惨めさ悔しさ卑怯さ臆病さ偽善に溢れていて、しっくり来た。
0投稿日: 2013.04.13
powered by ブクログ表題は太宰治の未完の遺作、著者の代表作である「人間失格」や「斜陽」と比べると軽口でユーモラスも富んでいる。 この文庫におさめらている作品の「饗応婦人」を読んでも改めて実感させられるのだけど、太宰治の真骨頂は女性的視点がもの凄くリアルなところだと思う。 女性が読んでどう思うかは不明だけれども、男性の自分が読み進めると、本当に細やかに女性の感情を描ききっていると思う。多くの女性と浮き名を流した著者だからこそ出来る技なのかもしれない。 或る評論で太宰作品は「青年の麻疹」と呼ばれているのを思い出したけど、それは太宰治が目指すところが「純粋な善意」であり、偽善に対する羞恥心を全面にだす著者の青臭さが共感を呼ぶのだと思う。 20代で読む太宰は、ちょっと距離を置いて読めるようになった感じ。
0投稿日: 2013.04.03
powered by ブクログ伊坂幸太郎のバイバイ、ブラックバードがこちらのオマージュということで読んでみた一作。 昔読んだ太宰作品よりは素人にも読みやすかった。 単純に、続きにどんな人達が登場するのか知りたかったなぁと。
0投稿日: 2013.04.01
powered by ブクログ太宰治の後期の作品。 日本人の心を、的確に、しかも平易な言葉で書き表しているのは凄い。 でも、酔っ払いばかり出てくるので、途中で少し嫌になってしまいました。(笑)自虐なんだろうけど…。
1投稿日: 2013.03.13
powered by ブクログ【眉山】 ええ子やないか 超みじかい作品だけど太宰よんで久々に切なくなった 【フォスフォレッスセンス】 これが一番すき マグリットの「光の帝国」を見ているような感じ 病んでるとき、こんなだよなー。 ってことで、この人は病んでいる。 【女族】 個人的にびみょう
0投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログ歪んでるが、はっとする真実がある。特に戯曲の中で、敗戦による喪失感が爆発するセリフは心に残った。太宰は敗北者の代弁者である。
0投稿日: 2013.02.11
powered by ブクログ一体全体、本と言うものはどうやって出来上がるんだろうか。 提供される情報の量と順番、種類と。 それが違っていたらあたしの感想はかなり違っていたのだろうに。 中学生の頃、好きだった男の子が太宰治の人間失格を読んでいて、そうして急にあたしに冷たくなったあの日から?あるいはたまたま探したサイトで太宰治のちょっとけだるげな表情を見て、自殺未遂を繰り返し、挙句の果てには心中を失敗してひとり生き残り、その後に心中を成功させた人なんだなと思ったときに? いずれにしてもどうも、この人はあたし向きではない、と、思ったのでした。 でもあたしももう、いちいち影響されるような子供ではありません。客観的にこの作家がなぜ評価されるのかが知りたいなぁと思ったのも事実。でもなんとなく手が出なかったところに、あたしのブック・ソムリエともいうべきTさんがそっとタイミングよくこの本を推薦してくれました。ありがとう。 本ってそういうことがあって、望んだときに手にはいるのがシアワセなマリアージュだと思うあたし。「走れメロス」とか「駆け込み訴え」くらいしか正直しらなくて、なんか「よろしくお願いします」と、見合いでもするみたいに、文庫本に挨拶してみる。 感想としては・・ と、冒頭に返ります。 この並びがね。 男女同権、冬の花火、春の枯葉などでなんとなくこの人の女性に対するどうも粘着質な思い込み?というか失望をちらつかせた切望がうっとうしいなーと思うにいたる。これはあたしが上記の太宰の生き様に少し嫌悪感を覚えているからなんだろう。いかんいかん。 ぶるぶるぶるっと、アタマを振って、煩悩を払う。だめだめ、ちゃんとピュアに、作品を鑑賞しなければ。 メリイ・クリスマスや眉山で、あたしのもやもやはすっかりはれて、この文章そのものに魅了されはじめた。ふーん。ようやくアタマも冷静になり、作品として本を鑑賞できるようになってくる。 と、確かに描かれる内容は時に、ストレートすぎる時代への失望や周りへの蔑視、世を拗ねた姿勢で飾られているかもしれない。でもこの人の文章には本当に、膝を抱えてぎりぎりと圧迫されたものだけが持つ、鋭い錐のような一刺しがある。なぜ? もしかしたらその表現を生んだのは、太宰の自分に対する非情なまでのストイックさゆえだったのかも、と、あたしは思ったりもする。いじましいばかりに他人に愛されたいと願い、その一方で自分への絶望感(自分の描く自分の理想像と現実の自分とのギャップ)にさいなまれ、そのバランス上でぎりぎりまで絞られた、人間観察に根っこがあるのかもしれない。 この人が死を選んだことを、あたしは決して評価しない。しないけれどもそれでも、この人の残した美しい文章と、子供のようなむき出しな感情を、あたしは愛せると思った。 冬の花火の中に「いやらしくって、にくらしくって、そうして、なんだか淋しくて、思いきり我慢して悪い事をして、そうしてお母さんと大喧嘩をしたくて仕様が無かったの」というセリフがあるけれど、もし太宰がこんな風に思う相手がいて、愛がゆえに喧嘩を仕掛けては仲直りをし、それを相手がわかって受け容れてくれて、毎度毎度埒もないけんかの真似事をできるようだったら。 ね、太宰さん。 そうしたらあなた、死んじゃったりしなかったんじゃないの? もっと、ぶつかってみっともないとこ、誰かに見せればよかったんじゃないの? クールに頬杖をつく太宰の写真を見ながらあたし、少し悔しくなった。 ・・・何があってもね。しんじゃダメだよ。ばーか。
0投稿日: 2013.02.05
powered by ブクログ太宰さんの話は、やはり戦後の最晩年のがいいな。 戯曲『冬の花火』と『春の枯葉』が上手でびっくりした。
0投稿日: 2013.01.30
powered by ブクログ饗応夫人、母をなんとなく思い出してしまって切ない気持ちになった。母は福島の人で、太宰と同じ東北人。 『津軽』にも似たような描写がありました、津軽、太宰の中でも好きな作品の一つです。
0投稿日: 2012.10.18
powered by ブクログ伊坂幸太郎が『グッドバイ』から着想を得て書いたという『バイバイブラックバード』を読むために。 暗い話が多いけど、表題作はコミカルで面白い。 これを未完のまま入水するなんて・・・。 もし完成していたならどういう着地だったんだろうな。
0投稿日: 2012.08.30
powered by ブクログ戦後,疎開先の故郷で書かれた作品を中心に読む. 「薄明」「苦悩の年鑑」「十五年」「たずねびと」「男女同権」「冬の花火」「春の枯葉」「朝」「饗応婦人」「眉山」. たぶん,ほとんどが再読. 少し前の「津軽通信」の軽やかな感じはもうここにはない.どれも戦後に対する失望,絶望が漂っている.今の私には読むのが辛い作品ばかりだった. ここのところ,太宰治を久しぶりに読み返してみて,その文章が平明でとても読みやすいことに感心した.構えずにすっと物語に入っていける.さすが.
0投稿日: 2012.07.11
powered by ブクロググッドバイ。 未完。これを残して死んだのか…というのはまた別の話としても、編集者の自分のストーリーで生きたいらしい様子には絶望的な気分になる。 すべてを思い通りにしたくて、そういかないことをただはかなむ姿勢!弱々しすぎじゃないの!ずるいわよ!と言いたくなった。 自分の気持ちを知ることができないのかも? ありたい自分について考えすぎると、かえって自分が見えなくなると思う。 流される自分が好きなんでしょ!キヌ子を軽蔑する資格はないでしょうよ! 続きがあったとしても、ハッピーではないでしょうなぁ。 眉山。 キヌ子のような眉山。ニコニコして、お節介でうっとおしい。 民衆の代表たる眉山に対する芸術家の目線が面白い。 絶対なりたくない!と思いながら安心感を得たり、ちょっとだけ愛したりするんだろう。
0投稿日: 2012.03.03
powered by ブクログ人間を書く太宰作品はいつ読んでも、何を読んでも、惹きつけられ、深くその世界にのめり込むことができる。グッド・バイの続きを読みたいと思うと同時に、未完であることが彼らしくこの世への余韻を残しているのかとも思える。グッド・バイ
0投稿日: 2011.12.29
powered by ブクログ太宰の小説は一気に読むのが勿体なくて、読むペースが遅くなりますね…。ここでは特に気に入った短編について書こうかと。 『薄明』娘を心配するお父さんの姿にほっこりしました。 『フォスフォレッセンス』「この時期の作品には、なぜか死者やあの世の影が濃い。」と解説にはありますが、不思議と冷たく暗いイメージは無かったです。色で例えると無色透明。あくまでも私にとって、ですが。美しい文章に引き込まれます。つい引用してしまいました。 『グッド・バイ』田島とキヌ子の関係がすごくいい。表題作ということに納得。文章は淡々とリズムよく進んでいきますが、この二人の会話に思わずニヤリとさせられてしまいます。未完なのが残念…。
0投稿日: 2011.12.25
powered by ブクログ戦後まもなく執筆された作品集。戦前、戦中と生きた太宰が、あらゆる事を知り、感じた上でのダメさとユーモア、表現がまた美しい。
0投稿日: 2011.12.25
powered by ブクログ伊坂幸太郎さんの「バイバイブラックバード」を読むためにグッド・バイを軽い気持ちで読んだんだけど、 つづき、つづきが気になる…!!
0投稿日: 2011.12.20
powered by ブクログ表題作が未完で終わってしまったのは惜し過ぎる。太宰は『人間失格』などの暗く重い私小説と並行して、今までに読者を笑わせるような、そんな滑稽な小説も何本も書いてきた。この『グッド・バイ』は、僕が読んだ太宰のユーモア小説の中では、一番おもしろいと思う。ところで、この短編集の中に『美男子と煙草』という作品があって、この出だし2ページくらいにわたって、太宰の「古い者たち(他の文学者たち)」への怒りが吐露されている。これを読んだ当時、「年上だからって威張りやがって」という怒りが同じくしてあった僕は、共感し過ぎて泣いた記憶がある。
1投稿日: 2011.10.06
powered by ブクログ戦後、 まだ人間地獄は終わらず、 たまらなくなったのか、 太宰治は自殺した。 それはこのように、 言っていたのかもしれない。 「俺は先に逝く。 お前らは、 まだこの地獄にいとけ。 『グッド・バイ』」 と。
0投稿日: 2011.09.16
powered by ブクログ明るくぶっとんで、どこに行きたかったのか。 他の作品をめぐってまた戻ってきたい。それまで、積読。
0投稿日: 2011.09.09
