
総合評価
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powered by ブクログこんなに色っぽいお伽草子があるなんて! 太宰の事が嫌いな三島由紀夫が、大藪春彦に「それなら君は『お伽草紙』を否定できるか!」と詰め寄られて、一言も言い返せなかった、っていう逸話を知って読んだ作品です。日本語が艶やかで展開は淡々とテンポが良くて登場人物は野暮ったい。これはどう考えても太宰にしか書けません。 中でもカチカチ山の秀逸さったらない。「惚れたが悪いか。」なんて言いのけるのは実に面白いし「ああ可笑しい、ウンコも食べたんだつてね。」っていう台詞には全く以ってぞくぞくしました。 防空壕云々はどうなったのか、私にはいまいち理解できなかったけど導入としては素敵だったと思います。後、舌切雀のはじめでくどくど言い訳を始めた時にはやっぱりきゅんとした。 しかしこの表紙びっくりするほどセンスないね。
0投稿日: 2010.03.17
powered by ブクログ「人間失格」「走れメロス」しか知らない人がいて、太宰をすすめるとしたら、間違いなくこれ。きっと意外な側面が見えるはず。自虐的だったり滑稽だったり、たくさんの色彩にあふれている。文学作品なんて…と敬遠する方にもおすすめかもしれないです。
0投稿日: 2010.02.08
powered by ブクログ******引用****** 曰く、惚れたが悪いか。 古来、世界中の文芸の哀話の主題は、一にここにかかつてゐると言つても過言ではあるまい。女性にはすべて、この無慈悲な兎が一匹住んでゐるし、男性には、あの善良な狸がいつも溺れかかつてあがいてゐる。作者の、それこそ三十何年来の、頗る不振の経歴に徴して見ても、それは明々白々であつた。おそらくは、また、君に於いても。後略。 ――『お伽草子 カチカチ山』 p.365-366
0投稿日: 2010.01.07
powered by ブクログ面白かった!! 太宰は他に数作品読みましたが、どことなく暗く何か切なくそれでいて共感できるところもある、そんな作品の印象が強かったですが、この作品は自分が持っていた太宰の印象を大きく変えました。 この人はかなりのユーモアのセンスがあったのでしょう。 どの作品をとっても、文学的というかそういった部分ではすごいとは思っていたものの、なぜそれほど異性を惹きつける魅力があったのかと少し疑問に思っていたけれど、この作品を読んでなんとなく それがわかるような気がしました。
2投稿日: 2009.12.07
powered by ブクログ「太宰は暗い」とかのたまう人間に読んで欲しい。 あなた、ああ可笑しい。うんこも食べたんですってね。
0投稿日: 2009.10.17
powered by ブクログ太宰が嫌いである。三島の口を借りずとも太宰の『人間失格』のような作品を傑作とするような輩を私は文学を愛する者と思わない。しかし、今年は太宰の生誕100周年か何かで太宰太宰と太宰の洪水である。カラ兄、蟹工船の次は太宰。いつでも太宰は人気がある。ただ、今回のブームはどうもそうした「人間失格・太宰治」とは一線を画すところがある。それは正しい。太宰は何と言っても初期・中期作品にこそ最上の作品で、晩年の作品ではない。太宰が嫌いだと言っても、この初期・中期作品のような流れるようなユーモア・風刺・諧謔・自虐のオンパレードは、三島には逆立ちしても書けない。 『お伽草紙』は1945年の小説である。太宰が本領発揮するのはパロディであることはこの中の一編のどれを読んでもよい。
0投稿日: 2009.06.12
powered by ブクログカチカチ山がいい!16歳の少女にいたぶられる37歳の中年男の醜さがいい!37歳の中年男を死においやる16歳の少女の冷酷さがいい!
0投稿日: 2009.03.14
powered by ブクログ太宰に嫌味なナルシストというイメージを持ってる人は多いと思うが(まあ、そうだったんだろうけど)、そういう人にこそ読んでほしい。物語を換骨奪胎する才能と、明るく軽妙な語り口。すばらしい。
0投稿日: 2009.03.04
powered by ブクログ友人に勧められて購入してみた。『カチカチ山』『浦島太郎』には恐れ入る。「貧の意地(だっけ?)」も好き。
0投稿日: 2008.09.15
powered by ブクログ「人間失格」「斜陽」「走れメロス」などと比べると知名度は劣りますが、これは面白いと思います。『新釈諸国噺』は西鶴から題材を借りた短編集で、太宰らしい現代語調と自意識、ユーモアによって丁寧に新訳されています。太宰らしさが感じられない作品もありますが、もととなる時代の雰囲気に、太宰の言葉がひょっこりと顔を出すと妙に可笑しくなりました。 『お伽草紙』は特にお薦めです。カチカチ山や瘤取り爺さんなどの昔話を独特の想像力で広げて、人間の有り様をユーモラスに書き出しています。どの話もまとめ方が絶妙に上手いので、教科書の『走れメロス』で止まっている方や、『人間失格』で暗いから嫌だと敬遠されている方もカチカチ山だけでも読んでみてください。ああ、狸が憐れだ。いくらなんでもあんまりだ、となりますから。
0投稿日: 2008.07.27
powered by ブクログお伽草紙が読みたくて再読。 カチカチ山の素晴らしさったらないわぁ。 12.02.14 再読 既存の話を太宰がアレンジ。 この人は本当にすごいなぁ。 08.02.19
0投稿日: 2008.02.19
powered by ブクログ浦島さん、瘤取りなど、誰もが知ってる御伽草子を太宰流にアレンジ! ユーモアたっぷり。笑えますよー。 太宰=『人間失格』、暗い、廃退的という印象を人はこれを読むとイメージ変わるかも。
0投稿日: 2008.02.01
powered by ブクログかちかち山が一番好きです。 ウサギの残酷さは、女性なら大なり小なり覚えがあるのでは。 惚れたが悪いか。
0投稿日: 2007.03.30
powered by ブクログ文学作品ってあんまり好きではないです。暗いし、重くてよく分からないので。 でも、時々はこういうのも読まないとなぁと思い、たまたま手にとった1冊。 意外に面白くてびっくりしました。誰でも知っている話を太宰風にアレンジ(?)してあります。
0投稿日: 2007.01.05
powered by ブクログ筆者がおとぎ話を読み、筆者なりに解釈をした話が載っている。 解釈によっては可愛らしい御伽話もこのようになってしまうのか、と、笑ってしまった。
0投稿日: 2006.08.28
powered by ブクログ清貧譚と竹青がすきだ。太宰の女の人はいじらしくて清潔感があって凄く素敵だと思う。憧れる。昔話のパロディがいっぱいあるんだけど、どれも登場する女の子が可愛い。カチカチ山のうさぎさんの残忍な美少女っぷりはそういうの好みの人にはたまらないんじゃないかと思います。どうだろう。わたしは乙姫様と竹青ちゃんのほうが好みですが。
2投稿日: 2006.07.29
powered by ブクログ第11回: 太宰治 『お伽草子』 http://ameblo.jp/pippu-t-takenoki/entry-10002575379.html
0投稿日: 2005.08.23
powered by ブクログ研究者たちに「太宰最高の傑作」といわれる作品。「人間失格」なんかより全然とっつきやすくて健康的。寝っ転がって気楽に読める。誰もが知ってる昔話の、太宰的パロディっぷりが非常におもしろいです。それまで本なんてまったく読んでこなかったわたしが、これで卒論を書きましたw
0投稿日: 2005.07.22
powered by ブクログ本当に驚くのですが、この本は笑えるんです。この本を読んで、太宰さんがこんなにも緻密で、ユーモアな文章も書けるのかと感動しました。個人的には、走れメロスや人間失格よりも面白いと思います。
0投稿日: 2005.05.07
