全解説と言いながらほとんどがトランプに批判的な記述。確かに負の面が多いのも事実だろうが、トランプが分断を生んでいると論じておきながら全く偏った目線から批判のみを繰り返すのは自己矛盾としか言いようがない。残念。

とても分かりやすい解説だった。トランプがとにかく無茶苦茶ではある事は再認識できた(おそらく池上さんの視点は大きく偏ってはいないと思う)が、トランプだけの問題ではなく、アメリカ社会やアメリカ国民の問題、さらに言うと世界の潮流が、ナショナリズム・孤立主義になっている問題が、背景にあるのかと理解した。 チョコチョコ入ってくる過去の歴史も、良かった。アメリカ民主党は元々労働者の党だったのが、公民権法のジョンソンあたりから、徐々にリベラル・知識人・マイノリティーを中心とした「セレブ・エリートの党」になった、という解説で、アメリカ2大政党のイメージが少し掴みやすくなった。そもそも2大政党体制に限界が来ている可能性も、確かに、と思った。ドイツの極右勢力の台頭なんかも、勉強になった。 混沌とした未来が予想される中で、最後に、「歴史は常に反省を重ねながら、ゆっくりと前へ進んでいくもの、そう信じましょう」、とシメたのも、なかなか良かった。

読めば読むほど、とんでもない時代に突入したと思う。 トランプさんの行動で世界に変化を及ぼしている。 ある意味すごいが、恐怖しかない。 こんな人を選んだアメリカ国民はいったい、何を期待しているんだろう。