
総合評価
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powered by ブクログ本書は、MSOL独自の経営システムについて、その根幹となる戦略、組織、プロセスの三要素が相互に関連し合う全体像を示す。理論と実践を融合させ、知識社会におけるマネジメント課題に対応することを目指す。 戦略面では、ミッション・ビジョンに基づき競争優位性を拡大するフル・オーシャン戦略を展開。ポーター理論などを学び、「やらないこと」を決める重要性も強調。戦略的に重要な評価に時間をかける。 組織面では、「組織は戦略に従う」を基本としつつ「戦略は組織に従う」も考慮。サイモン等の経営理論を土台に標準化・明文化を進め、新卒採用中心の組織作りを重視。ミッション達成力としての組織文化醸成に注力する。権限は部下の受容で成立すると捉え、責任強化に用いる。現場主義を貫き、非公式な関係性も重視する。 人財育成では、厳選採用(特に新卒)と長期育成を志向。アクセンチュアを参考に「金太郎飴式」の体系的教育研修を自社開発・実施。社長自ら新卒研修を行い、OJTやナレッジ共有も重視する。評価は年功序列ではなく実力主義で、キャリアバンドに基づき明確な基準で実施。成果に応じ飛び級昇格や給与差も設ける。 マーケティング・営業では、創業当初PMOの認知度が低く苦労したが、書籍出版で認知度向上。営業コストより採用・教育・ナレッジへの投資を優先し、顧客との信頼関係構築と「MSOLのファン」作りを重視。 プロセスとIT活用面では、PMOの経験を社内にも活かし、業務プロセスの標準化・効率化を推進。創業時からITを重視し、コミュニケーション円滑化や意思決定支援にBIツール等を活用。人事・財務等のDXを推進し、システム導入は費用対効果を厳しく評価。セキュリティと利便性を両立させる。 経営管理では、KPIとバランス・スコアカード(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4視点)を活用し、経営を可視化、戦略実行を支援。KPI定義や運用の壁にも言及。 日本的経営については、「家の論理」(滅私奉公、家族主義)が終身雇用等の源泉であると分析。現代企業において無意識に重視される点が改革の阻害要因になりうると指摘し、客観評価と取捨選択の必要性を説く。 経営者の役割として、組織全体を俯瞰する視点、カルチャー醸成、社外ネットワークを通じた研鑽、方向付け、幹部人事、リーダーシップ(山本五十六の言葉を引用し、育成と委任)の重要性を述べている。
0投稿日: 2025.04.19
