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月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)
月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)
北村薫、おーなり由子/新潮社
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総合評価

179件)
4.1
62
54
40
2
0
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    ほっこり……のようでほっこりだけではない。 はじめにに読んだときは、学生だった。いつのまにかもう20年も経っていて、とっくにさきちゃんのお母さんの歳も超えてしまっただろうが、意外なほど読後感は変わらなかったと思う。 自分が来た道をやってくる子どもへのまなざし、というのは、今思えば、自分もまだ子供だったのだろうけど、若い時から持っていたような気がする(たぶん)。 おーなり由子の絵がかわいい。単行本だともっと絵が多いかな?こちらも読み返してみたい。 そして、『ひとがた流し』もまた読み返したい。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旅行の帰りに読む本として購入。9歳のさきちゃんと作家のお母さんの暮らしの中で起きる12の物語。さきちゃんは感性が豊か。また、物語の中から仲の良さやお母さんの優しさも伝わってくる。教わり方は違うだろうけど、自分の両親も試行錯誤しながら色々教えてくれていたのかなと思うとほっこりしたし、何気ない親の言動が忘れられないことが自分にもあって、親子の関係を見つめ直すきっかけになった。何より場面場面に添えられているイラストが素敵で、ページ数的にも読みやすかった。

    0
    投稿日: 2025.09.05
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    すごく温かい小説だった。絵ともマッチしてて、よりほっこりした感じがした。 さそりの井戸が好きだったなぁ。生まれ変わって、でもまた逃げちゃったら、神様おこる?っていうのはその通りと思ったし、そこ気づくさきちゃんも聡いし、お母さんの返しもやさしかったなぁ

    0
    投稿日: 2025.05.31
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    シングルマザーで作家のお母さんと小学生のさきちゃんの日常を切り取ったお話。 おーなり由子さんの挿絵が可愛らしくてお話にピッタリです。

    0
    投稿日: 2025.05.29
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    又吉直樹さんのお勧めの本だったので興味を持って読み進めました。9歳のさきちゃんと作家のお母さんの、ほのぼのとしたハートフルな短編が12篇。おーなり由子さんのメルヘンティックな挿絵が心を癒します。 読書心を刺激したのは、母と子の二人の会話や、さきちゃんの想像力が、なぜかサン=テグジュペリの星の王子さまを想起したからです。内容は全然違いますが、星屑のように言葉にきらめきやウィットがあるところです。 二人の日常はありふれた何気ない日常であるにもかかわらず、お母さんや さきちゃんの想像力によって、まるで魔法をかけたように新鮮で好奇心に溢れた楽しい世界へと誘う。それは時に怖かったり、哀しかったりすることもあるけど、それさえも宝物に思える瞬間が散りばめられています。 読み手一人ひとりの心に眠っていた幼い頃の家族との幸せな時間を、ふと思い出すのではないでしょうか。こんな本があってもいい。 これは人に勧められます。 特に心がささくれた時に‥。 ___________________ 蛇足ですが‥ 巻末で解説をされた梨木香歩さんの解釈の仕方は酷でした。この本をエロスと結びつけたり(エロス的なことはぜんぜん出てきません!ご安心ください)、的はずれな難しい解釈をされていて、せっかくの優しい読後感に水を差すような解説でした。人に勧める時は、梨木さんの解説のない単行本の方をお勧めします。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    北村さんの作品は好きだから全て読んでるけど、これはなんかジャンルが違う気がした。こういうのもいいなぁ。和む。

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    おとぎ話みたいでかわいい物語。とても癒された。野良猫の話は自分の子どもの頃と重なって、思わず泣きそうになってしまった。

    0
    投稿日: 2025.02.16
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    人に贈りたくなる本だった。 絵も文章もやさしい。 温かいお風呂に入ったような気持ちにさせてくれる一冊。

    1
    投稿日: 2025.02.06
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    9歳のさきちゃんと作家のお母さんとの毎日の生活を覗いてみたら…。 2人の会話がまるでお話を紡いでいるかのようで…。 少女とお母さんの12の物語。 「くまの名前」から始まり、「聞きまちがい」もあるあるだなぁとほっこりさせられた。 「ヘビノボラズのおばあさん」も優しくて好きな話。 「さばのみそ煮」を作っているときにお母さんが歌い出したのが、このタイトルになったのか…と。 「月のー砂漠を さーばさばと さーばのーみそ煮が ゆーきました」 「猫が飼いたい」は、ちょっと哀しくなる話。 とても温かくて優しくて楽しさもあって、ずっとこの母子を見ていたいと思った。 2人の会話の何気なさも雰囲気もとても感じがいい。 合間におーなり由子さんの挿し絵がとても優しくて可愛らしくて素敵。

    67
    投稿日: 2025.01.30
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    イラストがかわいくその世界観は好きだし、さきちゃんとお母さんの関係もかわいらしくクスッと笑ってしまった。9歳の娘とはこんな感じだったっけーと懐かしくなった。自分にとっては過ぎ去りし遠い日だけれど、、孫ができたら確認したくなった。

    2
    投稿日: 2024.12.14
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    母と子の儚くて愛しい日々。 いつかふとした時にお母さんとこういう話したなとかこうやって過ごしたなって思い出す時が必ず来てそれは悲しくなる時もあるかもしれないけどきっと自分の心を支えてくれる。 母と子の愛しい日常が綴られた一冊かな。

    0
    投稿日: 2024.09.19
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    さきちゃんと作家であるお母さんの日常。 さきちゃんは6年生でいろんなことがわかってきて、大人の会話もできるけど、まだ子どもらしさが残るところもある。そんなさきちゃんにまっすぐ向き合うお母さんの言葉が自分の胸にすっと届くし、もうすぐ親になる自分はこうあれるかと考える。 梨木香歩さんのあとがきもよかった。「産毛」による「幸福感知能力」

    2
    投稿日: 2024.07.25
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    9歳の女の子の軽やかな在り方と、それを暖かく大切にするお母さんのお話 作者の半エッセイかと思えるような、丁寧な日常の切り取りはさすが北村薫 こんな風に優しく、楽しんで、子どもの心を慎重に扱えるお母さんになりたい

    0
    投稿日: 2024.03.12
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    おーなり由子さんの優しい絵。 9歳のさきちゃんと作家のお母さんとのユーモアがあって想像力豊かな会話。素敵な親子だな。 絵本を読んでいるようなとても優しいお話だった。

    17
    投稿日: 2024.01.05
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    わたしもいつか子どもに巡り会えたら、 こんなふうに接したいって思いました。 小さくて優しいさきちゃんの心を受け取って さきちゃんの感性を喜ぶおかあさんがとってもステキ あたたかい二人の時間に おじゃましました

    3
    投稿日: 2023.11.10
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    9歳のさきちゃんと作家のお母さん おーなり由子さんの挿し絵 優しく、穏やかで2人の会話に癒される 可愛い中に 時々どきっとするさきちゃんの言葉 子供はまさに可愛くも時に どきっとする大人な目線をもつ 横並びに近い縦並びの我が子との関係 いつでもあなたの見方だよと伝え続けている ユーモアと愛をもって子育てを続けたい

    10
    投稿日: 2023.11.02
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    とても優しい小説である。 だけどそれだけではない、悲しい家族の事情や丁寧に生活することの尊さが感じられた。 ふわっとした生活ではなく、地に足のついた生活をしていることが読んでいて伝わってきた。 日々は同じことの繰り返しではない、たった一度きりのものである。当たり前のことだけど、普段とくべつに意識はしない。わたしには子どもがいないから、それを感じる機会が少ないのかもしれないけれど。 親と子どもの関係は、難しいと思う。 良好な関係を築くことも、何をもって良好とお互いが感じるかも、一概には云えない。 親が子どもに教えられることには限りがあるし、子どももいつか、親が何でも知っているわけではないことや、真実だけを伝えてくれるわけではないことに気づく。 さきちゃんはきっと、まだ、お母さんの話に素直に受けとめることができる年齢だし、お母さんもさきちゃんをそうやって育ててきた、現時点での結果が、この物語のふたりなのだ。 ずっとこのままでいてほしい、と願いたくなるような。 だけどさきちゃんは成長するし、お母さんだって老いる。さきちゃんはいつか家を巣立っていくだろうし、お母さんもどうなるかはわからない。 地に足がついたふたりだからこそ、その先のふたりについても考えずにはいられなくなる。 優しいだけではない小説だった。 梨木香歩さんの解説もとてもよかったです。

    2
    投稿日: 2023.09.05
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    あっという間に読んでしまった。 題名にもある「月の砂漠をさばさばと」が好きだ。その家の言葉って年をとっても不意に口をついて出てきて、それが嬉しくて恥ずかしくて今は少し切ない。 「猫が飼いたい」の、「さきは蛙をくれたのに」の一言が刺さる。

    1
    投稿日: 2023.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表紙絵とタイトルで読みたくなった『月の砂漠をさばさばと』(北村薫)。 1人のお母さんと1人の娘のほのぼの話で、 彼女らの会話のやり取りは時にプッと笑えて微笑ましくもある。 お母さんが「この分野苦手であんまり知らないんだよね」と言えば、 娘が「じゃあ、私が学校で習って教えてあげる」と返す話なんかまさにソレ。 娘かわいい。 《親子》というと、「親が子を守らねば!」「親が子にいろいろ教えなければ!」っていうイメージ強いけど… この【教え合う関係】っていうのはいいなー!と思いつつも、まだあんまし経験したことはない。 ただ、【対等(多分)の関係】というのはあった。 それが小学生の甥っ子にパズル対決持ちかけられた時の事。 「大人だからちょいと優しくしよう」なんて考えてたら、 「むっちゃん、わかってると思うけどボクは小学生だからね」なんて言ってきた時にゃ笑ってしまった。 「まさか小学生に負けないよね?」とナマイキにも挑発してやがる!!(激笑) 「よぉし、やってやろうぢゃないのォ!!」とバトった末に… 敗北しました。 小学生すげぇ。 「優しくしよう」なんて考えてたワタクシがアホでした。 でもこういうの何か好きなんだす。 「まだ小さいのに超レベルアップしてる。小学生すげぇ」というのがわかるから。 「私この分野の苦手なんだよねぇ」って今度言ってみようかなぁー。

    2
    投稿日: 2023.04.18
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    さきちゃんとお母さんの、温かくて、切なくて、愛情あふれる12の物語。 寝る前のお母さんの読み聞かせにより、毎日を大切に楽しく過ごしている事が伺えて、さきちゃんの気持ちに寄り添うお母さんが容易に想像できてとても幸せになる作品でした。 この作品を読む前に、「いなくなれ群青」という河野裕さんの作品を読んだのですが、その中の主人公 七草が自己紹介をする場面で、春の七草以外に、夏の七草、秋の七草があることを知ったんです。 12の物語の中に「ヘビノボラズのおばあさん」のなかで、「秋の七草、藤袴」、「乾かすといい匂いがするのよ。」と話していて、なぜかおばあさんに親近感がわいたのと、覚えたての言葉が出てきて嬉しくなりました。

    0
    投稿日: 2023.03.24
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    お母さんとさきちゃんの、温かくてちょっぴり切ない日常のお話。 さきちゃんの話をしっかりと聞くお母さん、そして一緒になって考える姿勢が素敵。 さきちゃんは、少し大人びてて、空気を読んで我慢している部分もあるのかなと感じた。 お父さんの関係性は推測しかできないけれど、 家族だからこそ話せないこともあるよね。

    0
    投稿日: 2022.09.18
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    北村薫さんって、こんな作品も書くんだ、とビックリした。 同一人物ですよね、「私」シリーズの北村薫さん。「ベッキーさん」シリーズの北村薫さん。 母子家庭の二人の心情がホッコリと時には寂しく伝わってくる。 まるで母親目線。 女性が書いたように感じてしまう。

    8
    投稿日: 2022.09.08
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    久々に心が暖かくなる小説を読んだ気がする。 小学3年生の女の子とその母との物語という設定だけで、心が暖かくなった。 なんだか小学生に戻って、あの頃の家庭をもう一度経験したいと思った。 この小説は残酷な現実も匂わされている。 しかし、それも気にならない程の温かい小説なんだ。

    0
    投稿日: 2022.06.10
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    日常よりも日常らしいけれど、嘘くささがない。何気なくて、家族と過ごす幸せや温もりを感じる瞬間を丁寧に書き起こしていて、疲れた時に読んで癒される本。 お母さんとさきちゃんのほのぼのして温かい日常には、ごく稀に、スウっと風が吹き込むように、父の不在(離婚と思われる)が現れます。無理だと言われてもさきちゃんが野良猫を連れ帰ろうとする話がありますが、お母さんは猫だけでない色々なものを重ねていたのかも。 猫を飼うのは無理だけど、お母さんはいつだってさきちゃんを想っていて、一瞬一瞬、一緒に過ごす時間を大切にしていて、それが端々に描かれています。文章であの空気感をこんなに表現できるんだ……と、びっくりするくらい、子どもの頃の自分を呼び起こしてくれました。 家族との関係にもよると思うけど、家を出て1人で頑張っている人とかに読んでほしい。それも心がザラザラした日に。もうスマホなんて置いて、ソファとかベッドとかに体を包んでもらいながら、静かにのんびり読んで、それで次の休みになったら実家に帰って、家族となんでもないけど大切な時間を過ごしてほしい。

    4
    投稿日: 2022.05.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作家のお母さんと、9歳のさきちゃんの物語。 ふとした日常を切り取っているだけなのに、なんだか母と子の暖かい愛情と暮らしが見えてくるような。 子供のいない私でも、幸せってこんな日常なんだろうなって想像できるような。 お父さんがいないのは想像できる。母と子の繋がりがとても深く思えるのは、皮肉にも母子家庭だからなのだろうか。 小さな仕掛けがたくさん仕掛けてあって、気づかなかったことも多数。後書きを見て、あぁ、と思いました。 ほっこりしたい時に読みたい。

    0
    投稿日: 2022.02.04
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    『月の砂漠をさばさばと』というタイトルのリズムの良さにひかれて、本書を読みました。9歳のさきちゃんと作家のお母さんの優しくてあったかい物語です。さきちゃんとお母さんの、親子というより友達みたいな関係にほっこりします。それから、おーなり由子さんの絵に癒されました。

    5
    投稿日: 2021.12.03
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    9歳のさきちゃんとお母さんとの日常を描いた短編集。 良かった。 暖かく、優しく、ユーモアに溢れた、さきちゃんとお母さんの日常に心が和む。 さきちゃんの子供ならではの疑問、質問に対するお母さんの柔らかくユニークな返しが面白い。 作家のお母さんがとてもユニークなんだけど、ちゃんとさきちゃんのことを見て、想っている描写に愛情が感じられる。 ほんわかな雰囲気で描かれた日常に柔らかく微笑ましいイラストが良くマッチする。 特に「さばのみそ煮」と「連絡帳」が好き

    0
    投稿日: 2021.11.04
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    小学3年生のさきちゃんと、作家のお母さんの毎日をていねいに、ていねいに語ります。心優しくユーモアあふれるおかあさん。どんな母子にもあるはずなのに、やっぱり特別な母子の12のお話。 「連絡帳」に出てくるムナカタくんに会ってみたい。 「ふわふわの綿菓子」のさきちゃんが切ない。

    2
    投稿日: 2021.09.11
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    9歳のさきちゃんとお母さんのささやかな日常。 お互いに友だちみたいな関係って素敵。 こんな風に2人の生活がずっと穏やかで幸福感に満ちたものであり続けて欲しいと願ってしまう。 おーなり由子さんのやわらかいタッチの絵が2人の空気感にぴったりでとても癒される。

    3
    投稿日: 2021.08.02
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    もう何度読み返してきたかな。お話を書く仕事をするおかあさんと、9歳のさきちゃん、2人の日々の記録。 小学生のときに、母親から「読んでみたら」と手渡されたのを憶えている。 さそりの井戸、川の蛇口、さばの味噌煮。文章、挿絵のままの空想や光景を、まるで今目にしたばかりかのようにありありと思い出すことができる。台風一過の水たまりにうつるお日さまのキラキラを、私はさきちゃんとまったくおなじ瞳で見てきたのだ。 そして、夕飯がさばの味噌煮だったときに母と交わした、共犯者のような目配せ。 それから20年近く経ってもこうして読み返していて、今や私に9歳の娘がいるんだから驚いてしまう。母親から娘へ、伝えたいこと、共有したいこと、そういうのはきっといつまでも変わらないんだろうな。娘がいつか大人になってふりかえる今のこの日々を、ひとつでも多く楽しいものにしてあげたい。母もきっとそう思っていたのだと思う。 (2021.5.21 再読)

    11
    投稿日: 2021.05.21
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    さきちゃんとお母さんのちょっとした日常にほんわかした気持ちになる。でもその一方でとても切なくなる。「ふわふわの綿菓子」や「猫が飼いたい」でこっちまで泣きたくなる。お父さんがいたら猫が飼えるわけでもないけど、ことさら悲しい気持ちになる。猫をなんとかして自転車に乗せようと一途なさきちゃんも、大きくなったら「それは無理だよね」ってわかるときがくるだろう。そしてなんでさきちゃんにはお父さんがいないのかを知る日もくるだろう。お母さんはきっとさきちゃんに寂しい想いをさせないようにいつも頑張っている。でも頑張っても頑張っても切なさがやってくるんじゃないかな。こんなに元気で健気なさきちゃんだから、お父さんがいたらもっと可愛さ全開だと思う。それをさせてあげられないのは両親の問題だ。そんな大人の事情を知らないさきちゃんの子どもらしい言葉や振る舞いに涙が出そうになる。離婚って子どものためにすることもあるのかもしれないけど、基本的には浮気とか親が互いのことを、あるいは一方的に好きでなくなることが原因だろう。父親や母親は離婚すれば、「もっと幸せになれる」って考えるんだろうど、果たして子どもは幸せになるんだろうか。離婚すれば子どもは仲が良くない両親の姿を見なくて済むようになるけど、それ以上のメリットなんてないんじゃないかな。晩年離婚を迫られそうなオイラは必要以上にセンチメンタルだな。

    1
    投稿日: 2021.01.30
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    とても素敵なお話でした。 さきちゃんとお母さんの二人の日々を短編にしたものです。 お父さんはいません。死別なのか離別なのかは定かではないけれど、たぶんさきちゃんの独り言で離別なのかな?と思われます。 親子の素敵な関係が描かれていて、とても心がほっこりしました。 「さそりの井戸」「ふわふわの綿菓子」「連絡帳」「猫が飼いたい」が特に良かった。

    3
    投稿日: 2020.12.11
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    ・母と子の物語で何気ない日常をていねいに描いて書いている印象の作品。 ・感性を磨いても、子供の発想力には遠く及ばないと思っていたが、それを平然とやってのける作者には嫉妬すら覚える。 ・作者は普段からアンテナを張って、どんなことに対しても常に意識しているのだろう。 ・3点リーダーやダッシュをよく使っており、会話の間や心の声も大切にしたいと思っているのだろう。 ・温かい雰囲気で物語は進むが、父親の存在はいかなるものかは言及されない。ただ、母子にとって少し暗い過去なのであろうと想像できうる。父親について回想シーンで一度しか触れないことで、逆に母子にとってのタブー、暗い過去ということが際立たされている。 ・表現、文章の書き方、絵がとっつきやすく読みやすい作品だった。

    0
    投稿日: 2020.11.06
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    母親と娘の日常のほのぼのとしたユーモアあふれるやり取りと、おーなり由子さんおやさしい挿し絵が相まって、温かい気持ちになります。 子ども向けかもしれませんが、林家たい平さんや又吉さんもお気に入りらしく、ほっこりしたい大人にも良いかも。

    0
    投稿日: 2020.10.14
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    幸せな本だなぁ。とても素敵なお母さん。 軽くて綺麗なお話だけど、お母さんの一言一言の裏には深い考えがあるのが感じられる。 くまの名前なんか特に。 母と過ごしたたくさんの時間のうち、忘れてしまっているものがほとんどだけど、何故かしっかり記憶されたものってあるよね。すごくどうでもいいことなのに、何か特定のものをするたびに思い起こされて、ふふっとなるけど、誰かに言うわけでもない。 それがさきちゃんにとってはさばの歌だろうな。 さきちゃんも忘れたくなくて、寝る前に呟いたんだと思う。 そしてさきちゃんはきっと、つらいことも経験しながら、芯はあるけど柔らかな女性になって、娘の前でさばの歌を歌って…繰り返されていくのかな。 もともと梨木香歩さんの本が好きなのもあるけど、最後のコメント?書評?の考察は流石でした。 それも併せて読むと、この本の深さがより一層分かるのでは。

    0
    投稿日: 2020.08.04
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    今日のご飯おいしかったの覚えてるかな 今日話したこと覚えてるかな お母さんと大人になっても 一緒に寝るって言ったの覚えてるかな わたしも毎日そう思いながら 娘たちと過ごしている さきちゃんとお母さんと同じ 母子家庭だからこその共感も あったとは思うけれど 子どもとの何気ない日常に もっと気付きを持ちたいと思った おすすめのお話は 猫が飼いたい 心がきゅっとなるけど それもいつか2人のいい思い出に なることを信じて。

    1
    投稿日: 2020.06.18
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    いつか読もうと思っていた本をやっと読む。 お話を作る仕事をしているお母さんと9歳のさきちゃんの毎日。 寝る前にお母さんが話してくれた宮沢賢治の童話。(銀河鉄道の夜で、車中で語られる「さそりの火」ですね。) さきちゃんの問 「さそりが、≪いたちに食べられた方がよかった≫と思うでしょ」 「神様が≪それじゃあ≫っていって、井戸から上げて、いたちの前に置いたら、さそりはどうするんだろう」 (略) 「‥‥そしたら、神様は、さそりのこと、≪嘘つきだ≫って怒るのかな」 子供って型にはまったようにお話を受容しないんだな。そして、こんな凄い感想を口にしたのに、翌日の夜、お母さんは、さきちゃんが昨日の話をどのくらい覚えているかな、と思う。 「さあ、井戸に落ちたさそりはどう思ったでしょう。」 この後のさきちゃんの一言。 子供が傍にいる日常が無ければ書けないと思う。 本のタイトルになった一篇も終わりが印象的。 さきちゃんは、口の中でつぶやきました。 「月の砂漠をさばさばと……、(略)……」 そして、小さな手を伸ばし、お母さんの指をそっと握りました。 よく、なんで北村薫さんは女性の気持ちが書けるんだ、あの著者近影は嘘じゃないのか、と云われるけど、更にもう一つ。なんでこんなに子供が書けるんだろう。 一篇一篇短いけれど、胸にじっくり文章が落ちた。

    0
    投稿日: 2020.03.02
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    私はよく、心がじんわりと暖かくなった時に「ほっこりする」という表現を使うが、まさにそんな一冊。 作中の、お母さんがさきちゃんの優しさを感じ「温かいお風呂に入ったような気持ちに」、とい表現にまさにそれだ!と納得!

    2
    投稿日: 2020.02.15
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    女の子とおかあさん、二人暮らしの日々を優しく描く、かと思いきや、少しどきっとするところもあり。やっぱり北村薫はほんとは女性なんじゃないかと思ってしまう。

    3
    投稿日: 2020.02.11
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    お母さんとさきちゃんは二人暮らし。おかあさんはお話を作る人なんだけど、悪戯が大好き。そんなお母さんをさきちゃんは大好き。 というほのぼのとした日常のお話が12編ある。 「くまの名前」 小学校三年生のさきちゃんはお母さんのお話しを聞くのが大好き、寝る前にお母さんがお話を見つけた話をしてくれた。 でもお話は、先に三毛猫さんに拾われ、そこで引っ張り合いになってお母さんは「お話!おはなし!」と叫んだのよ。 でもこのお話には熊さんがでてくるの、乱暴者でね、新井さんのおじさんが任せないさいって、くまさんを連れて行ったの。 それでくまさんの名前が変わって「アライグマ」さんになったわけ。 はしょった、かいつまんだ話ながら、こういうことをさきちゃんに話して聞かせるお母さんなのです。 母子家庭の日常の影もうっすらと漂う話なのです、おかあさんは上手にそんなお話にしてしまいます。 賢いお母さんの愉快なお話を聞きながらさきちゃんはすくすくと育ちます。 お母さんは、さきちゃんの連絡帳の書き込みに返事を書いてお友達になったりします。 お母さんはよくCDを聞いていて、自分でも歌を歌います、でたらめの。 「月の 砂漠を さばさばと さばの味噌煮が ゆーきーました」 さきちゃんはさばの味噌煮が砂漠を歩いていくのは可愛いといいました。お母さんは「……なるほど」といいました。 簡単に言えばこういう話が、又言いますが、12編あります。みんないいお話です。 どれも温かく時にはジンと来ます。 お母さんとさきちゃんの、言葉にしない賢さと優しさがたまりません。 この味はお読みいただければたっぷりと楽しめます。

    0
    投稿日: 2020.01.13
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    女の子さきちゃんとお母さんの物語。 ふとした日常のひとこまを優しくクスッと笑わせてくれたり、時にドキッとさせられるようなお話がたくさん描かれていてほっこり温かい。 娘のさきちゃんがお母さんにつっこんだり、さきちゃんの間違いをお母さんが微笑ましく見ていたり。 ふたりのやり取りが可愛らしく、親子のような友達のような素敵な関係だ。 そして更に、いろんなことを楽しみ喜ぶふたりはとても素敵だ。 優しい世界が広がっている。 挿絵もとても可愛らしい。

    0
    投稿日: 2019.11.30
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    ‪親子の日常をほっこりと描いた作品。とにかく娘のさきちゃんが可愛らしくてにこやかな気持ちにさせてくれたり、少しばかり切なくさせてくれたり、さきちゃんを見る母親の視点がありのまま全てを包み込むように優しい。暖かいココアによく合います。#‬

    0
    投稿日: 2019.09.29
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    読了。なんとなく、お母さんは離婚しているようだ。シングルマザーのようだ。なんで離婚したのかなと思った。いろいろあるのかな?

    0
    投稿日: 2019.08.03
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    すごく可愛くて優しい12の短編集。 サキちゃんは子どもらしくてかわいらしいし、児童作家のお母さんの発想力もすごい。 これを書ける北村薫というオジサンはかなりツワモノであると心から尊敬の念。 そして梨木香歩さんの解説とても素敵です。

    0
    投稿日: 2019.07.15
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    優しくて美しい。 ストーリーも、それを綴る文章も。 そして、会話が本当に現実的で生き生きとしています。

    0
    投稿日: 2019.06.19
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    《でも、聞きまちがいって面白い》と、さきちゃんは思いました。普通では考えられない世界をちらりとのぞくような、不思議な感じになります。めちゃくちゃに絵具を振りまいて、そこにできた、奇妙な模様を見るようです。ー「聞きまちがい」 9歳のさきちゃんと作家のお母さんの日々の物語。 毎日を丁寧に生きていて、とても好感が持てた。 こんなお母さんになりたい。

    0
    投稿日: 2019.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず、絵がいいですね。おーおなり由子さんとおっしゃるんですか、 なんどもなんども眺めました。 特に両ページいっぱいにある、嵐の後の川を見に行ったところがいいです。 うわっと広がっていますよね。 湿った空気、川の音、ぬれた草、さきちゃんとお母さんのスカートのはためき。 さきちゃんとお母さんのぎゅっとつないだ手。 それから、涙なくしては読めないつながり、 「くまの名前」「さばのみそ煮」「ふわふわの綿菓子」「猫が飼いたい」 が何ともいえないです。 「くまの名前」でドキンとします。さきちゃんのお父さんは…いったい…思いがけないことが人生には起こるのでしょうか。はっきりとは書かれていないけれど、「さばのみそ煮」には「月のー砂漠をさーばさばと♪」と歌うお母さんが哀しい。「ふわふわの綿菓子」でちょっと複雑を想像し、「猫が飼いたい」にくると涙がとめどもありませんでした。 いい物を書いてくださいますね、北村薫さんは。この本を大切にしたいと思います。

    0
    投稿日: 2018.10.13
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    お母さんの目線と、さきちゃんの目線、どちらも感じられたことにホッとした。 どこにでもあるような日常。 それが幸せな部類だと自覚できるか。 梨木さんのコメントで、この本を書いたのが「お母さん」ではなく、北村さんだと思い出し驚いた。

    0
    投稿日: 2018.09.29
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    時々ふふっと笑ってしまう話を入れつつ、作家の母と娘の家庭の日常を描いた12の短編集。 大人目線でありながら子供の世界に片足を突っ込んで共有している感じがよく出ている。挿絵も話の雰囲気に合っている。 以前、小学生の息子さんを持つバツイチ母が隣の席だったことがある。あまり家庭の話はしない人だったが、垣間見える親子の様子はこの本の雰囲気とよく似ていたように思う。父親の存在が微妙なところまで。。。 いい意味で淡々としていて読みやすい。作者が男性だからこういう雰囲気で書けるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2018.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小学3年生のさきちゃんとお母さんの日常を描いた物語。 作家の仕事をしているお母さんから毎晩出来立てホヤホヤのお話を聞かせてもらえるさきちゃん。 だからこんなに想像力豊かで素直な子供に育つのだろう。 さきちゃんの聞き間違いには思わずくすり。 うちの娘達とまるで同じ。どうして子供ってわざわざヘンテコな言葉に変換するのだろう。 そして作品のタイトルの由来がとても微笑ましい。 お母さんもさきちゃん位の年齢の頃、お父さんからとても可愛がられていたことの分かるエピソード。 さきちゃんもきっとこの可愛い替え歌を大人になっても忘れることはないだろう。 親子のようで友達のような仲良しの二人。 大人になったさきちゃんは、きっとさきちゃんのお母さんのような母になるのだろうな…。 おーなり由子さんの挿し絵が物語全体をほのぼのと優しく包み込む素敵な素敵な物語。

    7
    投稿日: 2018.03.30
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    とてもすてきなお話宝箱。 小学3年生のさきちゃんとお母さんの何気ない日常。 そのなんとあたたかなこと。 なんでもないやりとりの中に、たくさんの愛情がつまっていて、心がくすぐったくなったり、ほんわかと暖まったり…なんてすてきな時間なんだろう。 それにおーなりさんのイラストが見事にマッチ! ほんとに優しい。大好き。

    1
    投稿日: 2017.11.21
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    2017.09.03読了。 今年13冊目。 毎日を大切に積み重ねていくさきちゃんとお母さん。 2人のやりとりがほっこり優しく、たまに切なく、癒される。 こんなお母さんになりたいなぁと思った。 どれも好きだけどお母さんとムナカタくんのやりとりがたまらなく好き。

    0
    投稿日: 2017.09.03
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    「さきが大きくなって、台所で、さばの味噌煮を作る時、今日のことを思い出すかな、って思ったの」 (お母さん) 娘の同級生の男の子と交換日記したり、素敵なお話を聞かせたり、ユーモアのあるお母さん。読後はとてもほっこりとした気持ちになれた。

    1
    投稿日: 2017.08.04
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    とてもよかった。 9歳のさきちゃんとお母さんの2人だけの生活の中に詰まったいろいろなもの。 優しさ、楽しさ、温かさ、時々切なさ・・・挿絵もすごく合ってて。 これは買ってよかったなぁ。すぐ読み終えちゃうけど、きっとまた読むと思う。 こんなお母さんになりたかったなぁ。まだ間に合うかしら(笑)

    0
    投稿日: 2017.06.14
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    母と子の関係がほのぼのと、それでいて力強く描かれている。日常の些細なできごとの中に溢れる大きな愛を、少しずつかみしめながら生きている感じがたまらなく愛おしい。

    0
    投稿日: 2017.05.27
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    直接言わなくても伝わってくるお母さんの愛と、さきちゃんがはっきりとそれが何だかわからないまでもその温かさを確かに感じている様子がくすぐったくてほっとする 日常の中に大事なことはたくさん隠れていることを改めて思い出した

    0
    投稿日: 2017.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    北村薫の小説を久しぶりに読んだ。といっても1999年に刊行された本。今このような感受性をもって作品を作れる作家はどれくらいいるだろう。  友達の亜理沙の漢字を説明するときに「悪魔の悪の心のないやつ」と説明する娘のさきちゃんに「違う説明にした方がいいよ」という母。 この感覚。

    0
    投稿日: 2017.05.05
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    読書芸人オススメで読んでみた。 初めて出会う感触。清々しさの中に少し悲しみや毒があって、でも基本的に優しく深い。

    0
    投稿日: 2017.03.27
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    お母さんとさきちゃんの柔らかくて優しい12話の物語。さきちゃんの愛くるしさは然ることながら、北村氏が描く9歳の目線とおーなりの暖かいイラストが印象的だ。さきちゃんのユニークな視点と素直さにほっこりさせられながらもお母さんの時々の行動が一抹の切なさも香らせる。二人の掛け合いは親子でありながら友達のようでもあり、そうした一つひとつの日常の大切さを各エピソードが教えてくれる気がする。 児童小説ながら父親母親の読んでほしい本である。

    1
    投稿日: 2017.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容紹介 9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな――。どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。 母子家庭の日常を絵本のような文章で綴った短編集。ユニークな母親の日常会話の中に、子供に伝えるべき言葉をしっかり考えて選んでいる様が伺え母親の愛情を感じる。こういう母親に育てられた子供はどういう大人になるのか想像する。 本好きに好かれる文章だから、きっと本好きの子供になるんだろうなと思った。

    0
    投稿日: 2017.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

     お話を作るおしごとをしているお母さん。小学3年生のさきちゃん。ふたりの暮らし、ふたりの会話は、ほっこりすることウケアイ。  子どもの行動は時に不可解であったりするけれど、子どもなりの理屈があり、またそれをうまく表現できない。親がすべて理解してあげられればいいけれど、いつもそうはいかないかもしれない。  必要なのは、共に生きる喜びを感じることなのかな。ふたりの生活が、これからもずっと春の陽気に包まれたようなあったかいものでありますように。

    0
    投稿日: 2017.01.04
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    『ああ、神様。わたしは、こうして誰の役にも立たないままに、死んで行くのでしょうか。これなら、いっそ、いたちに食べられていればよかった。そうしたら、いたちは腹を満たし、今日一日中を、生き延びたでしょう。神様、わたしは今度生まれて来る時は、自分のことだけでなく、人のために苦しむようになりたいのです。』 『違うの。あんまり風がすごいから、心配になったの。それでね、ここで、うちの中に風を入れておけば、少しは違うかなと思ったの。食い止められるかなって』 『子供のやることにも、理屈があるのね。』

    0
    投稿日: 2016.12.14
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    小学3年のさきちゃんとお母さんの話。 12作品。 母の娘に対する愛情と娘の信頼が伝わってくる。なんか泣きたくなる。 すべて短かくてすぐに読み終わってしまいますが、手元に置いておいてまた読みたいと思うような1冊です。 絵本のようにきれいな挿絵も良いです。

    0
    投稿日: 2016.11.03
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    お母さんとさきちゃんの2人の生活。ほのぼの。さきちゃんにいろんなお話をしてあげるお母さんが素敵だし、さきちゃんがとっても可愛い。おーなり由子さんの挿絵もぴったり。「月のー砂漠を さーばさばと さーばのーみそ煮が ゆーきました」大好き。

    0
    投稿日: 2016.10.30
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    母子家庭の仲の良さ,お互いを思いやる愛情にほっこりさせられました.また絵も雰囲気にぴったりで,詩を読んでいるような連作短編集でした.

    0
    投稿日: 2016.06.28
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    母娘の優しくて可愛らしい日常のお話かなと思ってたので、時折のぞく現実の辛みが余計に胸に迫りました。 直接的な言葉で表現しなくても、ストーリーの雰囲気をこういうpauseで変調させるのって、作家の力量の見せ所だよなァ(何目線? それでも、この物語の底に流れているのは、二人の間に確固として存在する愛情なんですね。だからこそ安心して彼女達の物語を読み進めていける、心地よい作品です。 お子さんを持つ方はもちろんですが、 「私もお父さんお母さんが読んでるオトナの本読んでみたいよー」 ってオマセなこと言っちゃう子にも読んでみてほしいな。読み終わった後に、親子で本を語り合うって、とても素敵な思い出になるんじゃないでしょうか。

    0
    投稿日: 2016.06.25
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    母と娘。子供の無垢な疑問や発想を大切に、また、暖かく見守る母。 ほんわかとした気持ちになると同時に、そういった無垢な子供の考えを邪険に扱ってきた自分にがっかりもする。

    0
    投稿日: 2016.05.17
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    #読了。 さきちゃんと作家のお母さんの、ほのぼのとする二人暮らしを描く。二人のやりとりや会話からあたたかい気持ちや大切なものが何なのかを考えさせられる12の話。 何気ない生活の中に、少しの寂しさや切なさを感じさせる場面もあるが、それも生活の1コマとして大切にしている様子が伺える。読後感はよく、あたたかな気持ちにさせられると同時に、子供の感覚や感情表現の素晴らしさを再認識する作品。

    3
    投稿日: 2016.04.24
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    可愛らしい母と娘、 こんな日常が素敵だなと思う。 こんな日常を大切にしたい。 何度でも読み返したい。

    1
    投稿日: 2016.04.18
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    9歳のさきちゃんとお母さん。 お父さんは、いない。 はじめからなのか、途中からなのか、どうしていないのかはわからない。 それは敢えて書かれていない。 だって、二人にとって、二人でいることは楽しいし、それが普通だから。 子供の聞き間違いも、柔軟な発想も楽しいものだ。 ピカソは子供のように絵が書けたらと言っていたそうだが、本当にその通り。 先日、テレビで頭にリーゼントのようなものをつけて登場人物たちが遊んでいた。 子供はそれを見て、「なんで頭にナスつけてるの?」 確かに半分にしたナスみたい。 「聞きまちがい」「ダオベロマン」はそんな日常の小さな面白さを思い出して、口元が緩んでしまう。 「川の蛇口」ではお母さんとさきちゃんの心の中が覗けて少し切ない気持ちになった。 「子供のやることにも理屈があるのね。 (中略) でも、あなたの理屈が見えないことはこれからだってきっとある。 そちらから、こちらが見えないことも。」 (99頁) 私なんか母親になるべきじゃなかった。 そう思いながら何度泣いたことだろう。 いたずらばかり、困らせてばかり、自分に余裕がなくて、子供に怒鳴ってしまう。 いけないとわかっているし、直そうとも思って努力もしている。 でもできない。 彼には彼の、私には私の理屈があって、お互いにそれをすり合わせることができない。 きっとこれからもこんなことはたくさんあるのだろう。 一番近いのに、一番遠い。 言わなくてもわかることもあるけれど、言っても、言われてもわからないことがたくさんある。 まま、抱っこ.....そんな言葉に愛しさと切なさが込み上げてくる。

    1
    投稿日: 2016.04.15
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    現実を見がちなわたし。 でも娘たちにはこんなワクワクがいっぱいの生活が楽しいに決まってる。 私ならこうしちゃうなってとこも、ちゃんと向き合ってあげて一捻りもふた捻りもできるこのお母さんがとっても素敵に見えた。 試しに寝る前のお話を1話みたいにしてみたら、娘たちの目が爛々とした! キラキラしてた。 おーなりさんの挿絵がすごくほっこり。そして少し切ない。 楽しい嬉しいだけじゃない、日常のいろんな感情を、それでも愛情あるフィルターで見つめる2人。これって人生において一番大事なことなんじゃないかと思う。何が起こるか、よりどう感じていくか。 楽しく生きれば楽しい人生になる!

    3
    投稿日: 2016.04.05
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    母に勧められて読んでみた。 子供の発想はとても自由で素敵でかわいい。 私にもそういう時期はきっとあった。ほわほわしてて、あたたかい。

    1
    投稿日: 2016.03.20
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    母と娘のささやかで優しい日常がつまった短編集。とにかく可愛い印象なんだけど、ふとした瞬間にひんやりとしたさびしさとか切なさが見え隠れするあたり(そしてそのさびしさや切なささえあたたかい何かに包まれてるあたり)、さすが北村薫というか…。いまもってこの人が男性ということをたまに忘れてしまいます。個人的には表題作の月の砂漠をさばさばとが一番好きでした。

    1
    投稿日: 2016.03.12
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    じんわり、あたたかい。 さきちゃんと、お母さんの二人暮らしの空気が、優しくて、ちょっぴり切ない。 世の中、日々虐待とか、母親の同居男性が、みたいなニュースがあって、 こんな風に親子で思い合って暮らせたらいいのにな…と思った。 子どもだって、人間だし、心もあって、生きている。

    0
    投稿日: 2016.01.31
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    文体が軽いので、タイトルの通りさばさばと読み進めてしまいそうになるが、母娘のやり取りをじっくりと読むと、いろいろと示唆に富んでる事に気付かされる。スルメのように、噛めば噛むほど味がある作品。

    0
    投稿日: 2016.01.28
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    日常の小さな出来事が集まった素敵な本。 お母さんと子供の感性が紡がれていくお話です。 自分にこどもができたらもう一度よみたい本!

    0
    投稿日: 2016.01.24
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    読み終わった後、心が暖かくなりました。 こんな風に子どもと同じ目線でいれる大人になりたいですね。 眠れない夜読み返すのもおすすめです。 心が穏やかになります。本当に。 おーなり由子さんのファンでこの本を買いましたが、北村薫さんのファンにもなりました。優しい穏やかなお話だと思います。

    0
    投稿日: 2016.01.14
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    たまに大人のダメなとこをさきちゃんがついたりして、どきっとさせられる。この親子の距離感よかったなぁ。読んでいて微笑ましかった。子供と同じ目線でものを見る視点って大事ですね。

    0
    投稿日: 2015.12.22
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    さきちゃんと話を書く仕事をしているお母さんとの日常を綴った12話の短編集。母と子の繋がりや日常の幸せやせつなさがひしひしと伝わってくる。読者にはお父さんとの関係は知らされていないけれども、苗字などの話からなんとなく想像できる。日常の至福に気付いてもっと大切に、子供が後から思い出してくれるように、と思わせてくれるお話でした。 彼の作品を読むのは実は初めてだったけど、とても好きな文体だったから、他の作品を読むのが楽しみ。

    0
    投稿日: 2015.11.30
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    なんだかちょっと疲れてて、なんだかちょっとほっとしたくて手に取った。 お母さんと娘という組み合わせで江國香織の神様のボートを思い起こした。あの母娘にもこんなゆるやかな時間はあったのかな。 私の中ではもう一つの「神様のボート」の本。

    1
    投稿日: 2015.11.20
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    さきちゃんはおかあさんと二人暮し。日常にある小さな出来事がとても愛おしく過ぎていきます。何か事件かあるわけではないのだけどとても優しい気持ちになる本です。一緒にかいてあるイラストもとてもかわいらしくて雰囲気ぴったり。

    2
    投稿日: 2015.11.18
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    童話風だけど大人向けのストーリー 母と娘の何気ない日常 さばさばとすすんでいく あちこちに挿入されるイラストがいい! 北村薫さん、男性なのにこういう心情描くのうまいなあ ≪ 後になり きっと思い出す その言葉 ≫

    1
    投稿日: 2015.11.02
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    久しぶりにこういう作品を読みました。 さくさく読めて、ほっこりしました。 けど、なんだか、切なくなるんですよね。 久しぶりに味わった読後感でした。

    1
    投稿日: 2015.10.17
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    母子家庭の何気ない日常を描いた作品。母と娘のリアルで温かいふれあいがある。 北村薫は初めて読んだが、どうやらミステリー作家らしい。他の作品はこれとはかなり違うのではないか。読んでみたい。

    0
    投稿日: 2015.09.24
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    童話?でも大人向けかな。母と子の会話中心で、北村薫の他の小説を知っていると、すこし物足りない気もしてしまう。

    0
    投稿日: 2015.09.23
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    はじめての北村薫さん。ミステリーを書かれる作家さんのようだが、ちょっと意外な気もした。こちらは絵本作家さんの作品のようなあたたかさだったので。写真の笑顔もとても穏やかそうに見える(というと、ミステリー作家は怖そうな風貌ということになってしまうが)。 9歳のさきちゃんとお母さんの日常を描く短編12篇。 お母さんとのことしか出てこないなあ、などと若干の疑問を感じながら、結局出てこないお父さんのことは本文中では明らかにされない。 ここがちょっとミステリー。 おおよそ想像はつくけれど。 どの話も面白く微笑ましく読むことができた。 その中でいくつかの感想を記す。 「聞きまちがい」 これ、あるあると笑ってしまった。 わたしもトンデモ聞きまちがい名人なので、よく夫に笑われる。 とんでもない聞きまちがいするよね。原型残ってないよね。 さきちゃんの聞きまちがいの、『般若大行進』には、乗っているバスの中で笑ってしまい、気持ち悪いひとになってしまった。 般若大行進は怖い、怖すぎる。 「川の蛇口」 この文章を読み、不快に感じられるかたがいたら申し訳ございません。 今回の大雨での被害に遭われたかたには、心よりお見舞い申し上げます。 台風ってドキドキワクワクしたものだ。 台風来い、学校休みになれ、そんな願いをこめて外を見ていた。 災害は、被害に遭ったかたには冗談にならないと思うが、ちょっと日常と違うくらいだと楽しかった。 子供には子供なりの考えがあって行動をしている。大人は自分もそうだったのに、いつの間にかそれを忘れてしまう。そして自分の価値観を押し付け怒ったりしてしまう。 さきちゃんのお母さんのように、子供の考えを認め、その上で間違いは正すことが出来ると良いだろうと思う。きっと、心の余裕の問題なのだろうが、大人には大人のやらなくてはならないことも多いし、余裕など簡単に持てないだろう。でも、本書のようなものを読んで思い出すだけでも、子供との距離が近づくだろうと思う。 子供のやることにも理屈があるのね。あなたのことはとっても可愛い。 でも、あなたの理屈が見えないことは、これからだって、きっとある。 そちらから、こちらが見えないことも。 いい悪いではなくて、そういうものよね。(p99) こうお母さんの心の声が書かれているが、本当にそうなのだと思う。 「猫が飼いたい」 こちらは胸に詰まった。 わたしも猫が飼いたくて、拾ってきたりした。母親に叱られて、泣いて泣いて戻しに行ったこともある。一日中泣いて、食事も風呂も拒否して不貞腐れた。 あの猫は、その後どうしたろう。かわいそうなことをした。 さきちゃんの気持ちがよくわかる。 それとともに、お母さんの涙もわかる。 あのとき、わたしの母親はどう思っていたのだろう。 おーなり由子さんの挿絵も、やわらかくあたたかで、本書に合っておりとても良い。 梨木香歩さんの解説もわかりやすく、ミステリーの部分の考察もあり面白く読めた。 出会えて良かったと思える一冊だった。 疲れたときに、さきちゃんとお母さんにまた会いたいと思う。

    0
    投稿日: 2015.09.17
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    作中の言葉を借りれば『温かいお風呂に入ったような気持ち』になれる作品、かな。 さきちゃんとお母さんの姿そのままに、やわらかでまあるい空気に包まれているよう。 そしてちりばめられたかわいいユーモア。 お母さんの交換日記(相手はさきちゃんではありません)、できることなら自分も参加させてほしいところ(笑) また「猫が飼いたい」では胸がキュンとなってしまった。 北村薫さんは、長く高村薫さんとごっちゃになっていた方で(すみません)、これが初。 推理作家でありつつ、こんなふうな作品もかかれるとは。 おーなりさんの絵もじつにピッタリ!

    0
    投稿日: 2015.09.12
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    書き方が、なんとなく児童文学っぽいなと思ったら、解説の梨木香歩さんによると、本作品に収録されている「くまの名前」は児童文学系雑誌に掲載されたとのこと。納得です。 短編連作で読みやすいです。 さきちゃんとお母さんは二人暮らし。 (お父さんの存在は出てきませんが、なんとなく、亡くなってしまったのかな?と推測) 物書きのお母さんとさきちゃんの、ほのぼのとした日常が心地よいです。 おーなり由子さんのイラストも可愛らしくて味わいがあります。 物書きのお母さんは、さきちゃんにいろいろお話を聞かせてくれます。それを聞いてわくわくするさきちゃん。 発想力を高めていく様子が素敵だなと思う。 ただ、ひとつ。「川の蛇口」の中で、台風の収まった後、川を見に行くのだけはやめてほしかったなぁ。増水したりして危険なんですから。

    0
    投稿日: 2015.08.27
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    小さい子をみると、無性に切なくなるときがある。私自身、なんだかわからないもやもやに対面して憂鬱な気持ちになったり、乗り越えなければいけない現実があったり、そういうことをこの子たちも経験して大人になっていくんだろうなと思って、なんだか小さい子をみて切なくなる時がある。お母さんがさきちゃんを見つめる眼差しもそれと少し似ているのかな。さきちゃんは、哀しみを理解しはじめる入り口に立っている。いま答えてあげられる全力の優しさでお母さんはさきちゃんの質問に答える。世界がほんの少し優しく見えた。その優しい眼差しを持ち続けることは難しいけど、小さなことも大きな発見のように感じられる感受性をさきちゃんが持ち続けて素敵な大人になっていってくれることを祈ります。

    0
    投稿日: 2015.08.26
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    ほのぼのとしたイラストと文章でほっこり。 作家のお母さんの作るお話がおもしろい。こんな、お母さんと一緒だと毎日楽しそうね。 子供の頃、父親が寝る前にいいかげんな作り話を聞かせてくれたことを思い出した。

    0
    投稿日: 2015.08.23
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    読んだあとに、ふふっと抱きしめたくなるような本。川の水が溢れないように、家の蛇口を真剣な顔でひねるさきちゃんに、なるほど感心。小さい頃に考えついたであろう私の『そういう発想』は、どんなものだったかなって考えてみた。この本を、身の回りのいろんな人に読んでもらって、いろんな反応をみてみたい。

    1
    投稿日: 2015.08.22
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    又吉さんがおススメしていたので読みました。 あったかいような寂しいような、不思議な気分。月夜にまた読みたいですね。

    1
    投稿日: 2015.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    9歳のさきちゃんとおかあさんのお話。 さきちゃん視点の話とおかあさん視点の話とどっちかわからない感じだけれど、絵本みたいな雰囲気。

    0
    投稿日: 2015.07.14
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    さきちゃんとお母さん 可愛くて、心がほっこりあったかくなる。 月の砂漠をさばさばとの由来が可愛いったらない。癒される。

    0
    投稿日: 2015.07.03
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    北村薫の「月の砂漠をさばさばと」を読みました。 絵本のような絵本でないような童話です。 とは、言いながら北村薫らしさもしっかりと持った読み応えのある小説です。

    0
    投稿日: 2015.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章の量から言うたら1冊にカウントするのはちょっとズルいのかなぁ(笑 でも、これ凄くいい。最初は「おっ、北村薫がミステリー以外の絵本書いたなぁ」と思ったんだけど、読みながらちょいちょい引っかかったところがあり(ももちゃんシリーズ的な展開とかね)、そらまぁ完全子供向けではないわなぁとか感じつつ 解説読んで、なるほど。「そーいう手の日常ミステリーか」とうならされる。伏線ではトリックを、含みという形で謎解きさせる。これかなり高等なテクニックちゃうのん? 普通に読んでもほんわかしてオモロいけど、解説読んだら「うわぁー」となって再読、そうすると色んな含みが見え隠れして… アライグマの話、わざわざこの苗字を選ぶって事は、そんな含みまでもたせるの?とかね。 北村薫、あなどれんわぁ

    0
    投稿日: 2015.05.01
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    「円紫さんシリーズ」や、「時と人の三部作」などミステリー小説で知られる北村薫が描く、9歳のさきちゃんと作家のお母さんの、12の物語。 くまさんがある日新井家に養子に入りあらいぐまになってしまう「くまの名前」や、テレビの向こうの洪水の水を逃がしてあげようと策を講じる「川の蛇口」など。 ふたりの言葉遊びや掛け合いそのものが楽しくユーモアに富んで、優しくて甘い「ふわふわの綿菓子」みたいな日常です。それでいて、時折どうしようもなく切ない場面がありたまらない気持ちにさせられる。 「日常は守護されなければならない。例えばこういう物語で、幸福の在処を再確認する」。梨木香歩の解説が素敵でなんとも的確で、何も言えなくなってしまいます。 寝る前のホットミルク(的な何か)の代わりにどうぞ。(担当S)

    0
    投稿日: 2015.04.21
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    行きつけの図書館で、司書さんお勧めのコーナーにあった一冊。北村薫によるお話と、おーなり由子のほんわかとし雰囲気のイラストが続きます。 想像力豊かな作家のおかあさんと、ちょっと大人びたさきちゃんの日常のやりとり。新井さん宅に住み着いた白熊が”アライグマ”になってしまったり、初めの数話では「おちはどこだ!」と期待しながら読んでいました。 読み進めると、二人の会話にほんわり、しんみりとされてきます。親子と言うよりは友達同士のよう。お父さんが登場しない理由もそれとなく理解。こんな感受性豊かな親子の関係っていいですねえ。 「聞き間違い」では笑みがこぼれ、「連絡帳」ではニンマリ。「猫が飼いたい」では少し切なくしんみり。 月の砂漠をー さーばーさーばと さばのー 味噌煮がー ゆーきーました さばが歩いている?どんな風景なんだ!

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    投稿日: 2015.04.19
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    10年前に初めて読んで、母になって、また読みたい!と探したら廃盤で...古本屋でやっと探してもらって、こうしてまた手の上にあって読めて本当に嬉しい。 猫のところ、やっぱり泣いてしまう。当時もまるでお母さんの気持ちになったかのように、お母さんの気持ちにも同調できたけど、今だと逆にさきちゃんの気持ちになったかのようにもどかしくて、不思議。やさしいやさしい大好きな本。

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    投稿日: 2015.01.25
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    とても読みやすく、きれいで優しい作品。その一方で、厳しい現実もきちんと向き合って書かれている事に好感がもてる。 とても北村さんらしい日常の謎とも言える「聞き間違い」、ラストが印象深い「くまの名前」、とても考えさせれる「さそりの井戸」がお気に入り。

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    投稿日: 2015.01.11