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採用の問題解決
採用の問題解決
北野唯我/ダイヤモンド社
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総合評価

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    人材採用を企業戦略実行の核となる重要なものであり、会社の全体像を把握しながら、全社的に考えるべきことを学べる本です。 人口減少も進み、採用は買い手市場から売り手市場に変わったと言われる中、人材を確保できないという悩みを多く聞くようになりました。 「転職が普通」、「入口から」の年収格差、社員体験・選考体験の「透明化」、の3つの変化の中で、以前と同じ方法は通用しなくなりつつあるようです。 企業の根幹は人=共通目的を持って働く仲間で、採用活動は経営の根幹に関わり、企業にとって最も重要な仕事だと著者は言います。 会社全体として課題を共有し、企業イメージや現場を改善して魅力を高めることなどの大事さと、その具体的方法を教えてくれています。 現に採用で困っている経営層の方以外の方も、これからの採用競争激化や事業拡大に備える上で、知っておくべきことが多そうな1冊です。 【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】 「自社の戦略を立てる前に、事業特性を客観的に分析し、採用戦略を立てる。事業成長には、事業特性に合う人材が必要。考慮すべきは『事業サイクル』の長短と『産業の歴史』の長短で、これで自社の人事ポリシーの大まかな最適解や選択肢が決まるし、採用すべき人材のスキルや要件も変わる。」 「『優先順位と担当者』、『利用するサービス』の2つを決める上で、採用活動を全体像で把握すべき。経営の課題に直結するエグゼクティブ採用は経営陣単体で、現場の課題に直結するメンバーは現場側で解決すべきだし、経営と現場両方に関係する特殊な採用は、経営陣手動で現場を巻き込む。」 「求人票の改善はすぐ実行できる。求職者が何を求め、どういう表現なら申し込みたいと思うのかを考えるかで、クリック率や申込率は変わる。タイトル、目を引くデザイン、手続き簡素化にはこだわるべき。少し出して反応が悪ければすぐに修正のトライアンドエラーで、デザインはお金をかけたい。」 【もう少し詳しい内容の覚え書き】 ・企業の根幹は人で、言い換えると共通目的を持って働く仲間。採用活動は経営の根幹に関わり、企業にとって最も重要な仕事。新しいことを始める時、困難にぶつかった時、仲間がいたほうが心強い。人生を楽しく、前向きに行きたいと思うなら、「仲間集めの技術」は身につけておきたいスキル。 ・求職者の価値観(「転職が普通」)、経営環境(「入口から」の年収格差)、情報インフラ(社員体験・選考体験の「透明化」)、の3つの変化が起こる中で、今の時代に合った「新しい採用方法」が必要になっている。10年前と同じ手法を続けている企業は多く、問題が起こるのは当然。 ○採用の「ゴールと全体像」 ・いい人を大量に素早く集められる、危機になると「お金」だけでは人は動かない、という2つの理由で、給与だけでなく企業イメージが重要。企業イメージは、評判(クチコミの点数)×認知率(お気に入り数)の2つのデータで可視化できる。 ○どの会社にも共通する「採用の法則」 ・自社の戦略を立てる前に、事業特性を客観的に分析し、採用戦略を立てる。事業成長には、事業特性に合う人材が必要。考慮すべきは「事業サイクル」の長短と「産業の歴史」の長短で、これで自社の人事ポリシーの大まかな最適解や選択肢が決まるし、採用すべき人材のスキルや要件も変わる。 ・事業特性把握に続き、「人事ポリシー(軸となる考え方、施策を実行する上での価値基準)の言語化」をすべき。組織づくり(中心が新卒or中途)、登用・報酬(年功序列or実力主義)、業務管理(規律or裁量)、雇用(終身or転職許容)、配属(ジョブローテor職種・職能)、の5つの方針を整理する。 ○自社の「採用課題」を見つける ・組織上のどの採用に課題があるか可視化する。誰から見るか(経営or現場)×投資の期間(短期or長期)の2軸で、中途のメンバー採用、中途のエグゼクティブ採用、新卒の通常採用、特定ターゲットに絞った採用、メディア資産、体験(評判やクチコミ)資産の6つのどれで困っているかを考える。 ・「優先順位と担当者」、「利用するサービス」の2つを決める上で、採用活動を全体像で把握すべき。経営の課題に直結するエグゼクティブ採用は経営陣単体で、現場の課題に直結するメンバーは現場側で解決すべきだし、経営と現場両方に関係する特殊な採用は、経営陣手動で現場を巻き込む。 ○「企業イメージ」の問題解決 ・企業イメージの構築は、「質的ゴール」(自社がどういうイメージを持たれたいか)の決定→「フェイズ」(構築・調整・変革)の決定→「体験施策」(言語化・数値化)の設計→「コンテンツポートフォリオ施策」(情報を、抽象的/具体的×固定的/変動的の2軸で分類)の設計、の4ステップで考える。 ・ポートフォリオは、抽象的×固定的なら「質」、抽象的×変動的なら「鮮度」、具体的×固定的なら「網羅性」、具体的×変動的なら「量」、がコンテンツで重要となる。まず、自社サイトや外部サイト上に、足りない情報がないか、強化・更新すべき情報がないかを把握する。 ・企業イメージの変革とは、結果的に戦うべき採用競合を変えることを意味する。「どこからシェアを奪うのか」を考え、新たな採用競合が決まったら、「誰に、何を、どうやって伝えるか」を決めていく。誤解の把握→アンサーづくりで、期待値をいい意味で超え、塗り替える「ギャップ萌え」が必要。 ・企業イメージが「ない」場合、根本的な原因を突き詰めると、人事ポリシー不在、競合視点不足、採用カルチャー不足(社内が非協力的)、採用ターゲットエラー、メディアバランス不足(場当たり的なSNS)、従業員満足度不足・インナーコミュニケーション不足(内部の不満)、の6つのどれか。 ○「採用現場」の問題解決 ・全社を巻き込むプロジェクトである採用は、採用活動のKPI→打ち手→計画化(スケジュールと予算)→考えるべき6つのトピックス→改善時の順番の5ステップで全体像を設計することで、リソースの最適配分の実現、進捗管理と成果評価のしやすさ、部門間連携強化、といった効果がある。 ・採用の成功率を高めるために考えるべき6つのトピックスは、競合他社と業界の採用動向、入社後の活躍、自社の事業戦略、採用チャネルの設定、社内の採用プロセスとフロー、候補者の求める雇用条件やキャリアパス、である。 ・採用マーケティングに投資するかどうかは、採用予定人数の規模が分岐点。100名以上だと、投資は極めて重要で、オペレーション改善より多くの予算をかける。50名未満であれば、オペレーションの改善を優先する。その間であれば、バランスを重視したい。 ○「新卒・中途採用」の問題解決 ・いい人材に内定を出し、入社してもらうのに最も大事なのは「タイミング」と「頻度」。採用活動のターゲットは「全員、既に見込み客」なので、採用したい人物を追い続け、接触頻度を落とさずに、相手が動く(転職を考える)タイミングを待つ「オンタイム」戦略が有効で、知名度がない場合こそ必要。 ・ターゲティングは、徹底した求職者理解、ターゲットのことを解像度高く理解するのがポイント。所属するコミュニティ(求職者が時間を一番使う団体や集団で、「年代」は大きな要素)、採用スケジュール(コミュニティで違う)、求職者インサイト(採用競合とキャリアの悩み)、の3つを具体的に知る。 ・求人票の改善はすぐ実行できる。求職者が何を求め、どういう表現なら申し込みたいと思うのかを考えるかで、クリック率や申込率は変わる。タイトル、目を引くデザイン、手続き簡素化にはこだわるべき。少し出して反応が悪ければすぐに修正のトライアンドエラーで、デザインはお金をかけたい。

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    投稿日: 2025.09.30
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    日々企業の採用に関わる身として、俯瞰して採用活動を眺めることで頭の中を整理してみようと思い読んでみた。 採用に関しては様々なノウハウやメソッドなどが世に溢れているが、業種や採用したいターゲットなどが異なる中でどの企業にとっても有効で絶対的な解はない。 ただ、どのような解を選択するにせよ、「徹底的に求職者を理解する」ことはどの企業においても普遍的に重要だと感じている。 どの企業でどのように働くかは一人ひとりの人生に大きく影響するとても大きな意思決定。だからこそ求職者視点で徹底的に考え、試行錯誤し続けていきたい。

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    投稿日: 2025.01.05
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    普通の問題解決のフレームワークを採用に当てはめた構成。 そのため、情報の整理はしやすい。 開発室内に採用Uが来たので読んだが、人事ポリシーを明確にしないと、その後の議論に進めないので、自社の採用課題を解決するためには、人事ポリシーを確認するところから確認する必要があると感じた。

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    投稿日: 2024.12.31