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右園死児報告
右園死児報告
真島文吉/KADOKAWA
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総合評価

120件)
3.2
17
27
38
21
11
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    宮部みゆき今年の3冊2024に入っている一冊 本屋さんでタイトルは気になってたけど、園児のホラーってイヤだなとか思って手に取ってなかった 読んでみたら、右園死児(うぞのしにこ)という怪異にまつわる有害情報を集めた報告書形式のモキュメンタリーだった One of the works selected for Miyabe Miyuki’s Three Picks of 2024. I had noticed the title at a bookstore, but the notion of a horror story involving kindergarteners made me reluctant to pick it up. Yet it turned out to be a mockumentary, framed as a dossier compiling harmful reports surrounding a mysterious apparition known as Uzono Shiniko.

    71
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーーーー報告書1つ1つがあまりにも短すぎて、 個人的にあまり合っていなかった(汗) 登場人物や物語の流れはわかるのだけれど、 客観的すぎるのもひとつあるのかも…… あと描写がグロい!!! ホラーというよりスプラッタ方面の作品かなぁ 映像よりも、想像しちゃうのでより気持ち悪くなっちゃった。けれど逆に描写力すごすぎるッッ あと全体的に暗い雰囲気の作品なので、 『呪術廻戦』を読んでいる気持ちになったよね… 結局、どんな姿でも形でも貫く意思があって、 その意思が合わさりあって世界を動かすのか……… 続編があるらしく、 機会があったら読んでみようかなぁ〜と思った。

    1
    投稿日: 2025.11.12
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    【短評】 当世流行「モキュメンタリー・ホラー」に再び挑戦である。 良質な素材を揃えて「物語」を浮かび上がらせるという手法は明確に好みだが、未だ実験段階或いは発展途上の領域という印象であり、巷間に上る名著を摂取しながら「これぞ」という逸品を待ち望んでいる私である。 本作は「右園死児(うぞのしにこ)」という名称を冠する人物、動物或いは無機物が、狂気猟奇を励起した一連の事象を「報告書群」という体裁を取って纏めたものである。 以前読んだ『近畿地方のとある場所について』が種々の媒体に由来する「寄せ集め」であったのに対し、本作は一定の体裁のもとに記述された「報告書」である。どちらが優れているということではないが、本作は無味乾燥な文体と相まって読みやすく、そして不気味である。 仕立ての良い椅子に座りながら、怪奇的事象に関する報告を「ふむふむ」と読む読書を望んでいたし、最序盤はそれが実現されていたと思う。発狂や人体損壊と伴う事象を簡素な表現で読むと、否が応でも忌まわしい想像が膨らむというものだ。 それは上等なお菓子を摘む感覚に近い。 「残念ながら」というべきか、本作は終盤に掛けて「モキュメンタリー」であることを放棄する。個人的にはそれが実に惜しい。お菓子を取り上げられた気分になった。 「右園死児」の管理ひいては軍事利用という観点は、見え隠れする分には興味深いのだが、それが華やかに全面に押し出されるのはやや興ざめだ。「報告」も次第に速報性が増していき、臨場感を得た一方で、静かな不気味さは霧散してしまった。 3点評価としようか迷ったが、後半部もそれはそれで面白かったので4点とした。 【気に入った点】 ●「乾物」「猿」「花ヒグマ」辺りが好みだった。淡々と事実を示す手法が奏功し、かなり不気味である。モキュメンタリーは徹頭徹尾淡々と摘めば良いのではないか、というのが今時点における私の意見だ。物語を無理に落とそうとしなくて良いと強く思う。 ●一部例外は除くが、体言止めの多用など報告書然とした表記で統一されており、非常に読みやすい。粛々と進める読書は楽しいものである。 【気になった点】 ●序盤をかなり良い感じで進めた末、終盤で予想外の方向に舵を切り、盛大に風呂敷をぶち撒けてくる。正直「違う。やめろ。そっちへ行くな」と思わなかったと言えば嘘になる。相応に面白かったのが幸いだが、期待したものではなかった。 「何故、奇を衒う」というのが正直な感想だ。 「モキュメンタリー・ホラー」は好みなジャンルなのだが、どうにもあらぬ方向に射出されて消失する傾向にあるように思う。一心不乱に舐め浸っていたいのに、何故か途中で取り上げられてしまうのである。嗚呼。

    11
    投稿日: 2025.11.09
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    読書会で紹介されたことをきっかけに読みました。ジャンルでくくれない感じというか、映画を観てる感覚なんですが、情報が集約されていくにつれてどんどん面白くなります。一気読み。とにかくおもしれええええ!です。おすすめです!

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    次々と断片的な報告が積み重なっていくことで、少しずつ全体像が立ち上がってくる構成が印象的で、読んでいてワクワクしました。モキュメンタリーのような「調査報告」形式の体裁や、SCP風の異常存在の報告書のようなリアリティがあり、その形式自体が作品の魅力になっています。 各報告は短いですが、そこに描かれている怪奇現象がどれも鮮烈で魅力的です。また、「右園死児(うぞのしにこ)」という名前も強烈で、一度聞いたら頭から離れません。架空の怪異としてのネーミングセンスも、SCP的な「固有名を与えられた異常存在」としての存在感を強めています。 別々に行動していた登場人物たちが、最後に集結して共闘する展開も痛快で、バラバラだった報告が一つの物語へと収束していく流れが心地よかったです。 一方で、最後に現れる敵の存在がそれまでの物語からやや飛躍して唐突に感じられたこと、その動機も十分には理解しきれなかったことから、やや消化不良な印象も残りました。さらに、全ての謎が解き明かされたとは言い切れない部分が残ったため、評価を1ポイントだけ減らしました。 それでも、モキュメンタリー的手法やSCP的世界観を思わせる構成が功を奏し、全体としてとても刺激的で楽しい読書体験ができました。

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    ホラーだと思って読み始めたけれど、これはジャンルはなんだろう。SFか……?一番近いのはSCPだと思う。 かなり好きだけど、人に勧めるのも、説明するのすら難しい。

    5
    投稿日: 2025.11.03
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    出だしはモキュメンタリーというか、SCPみたいな報告書を読んでいる感じ。所々でエピソード同士のつながりを見せつつも、基本的には淡々と進んでいく……のですが、中盤から思わぬ方向に全力で舵切ってきます。自分の場合、予備知識なしで読んでいたので完全に予想外でしたが、このタイプの小説でこの展開に当たったのは本作が初めてだったので滅茶苦茶面白かったです。終盤は激アツ、〆方も良き。 残る謎や曖昧な部分がかなり多いので、スッキリした読後感を求めている時に当たるとモヤッとするかも。

    1
    投稿日: 2025.11.03
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    これは…モキュメンタリーホラーになるのだろうか? とても壮大な群像劇、ある種の歴史ものを読んでいるかのような。 その名を付けられたモノが怪異的に変質してしまうという現象にまつわる報告群。 他の作品でも見たことがあるけど、この国で恐れられているモノが、国外への牽制・脅威にもなるという部分がやけに好きで、嬉しくなってしまう。 まったく味方というわけではないのに。 不可解で抑圧的な報告が多いなか、アイスランド特殊部隊ウグラの部分の爽快感がすごい。 あとみんな好きだと思うけど神谷さん好きです…幸せになってほしいけど永遠に活躍してほしい。

    1
    投稿日: 2025.10.24
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    すごく好きな作風というかテーマの扱い方だった。 序盤はモキュメンタリーホラーって感じで、中盤以降に歴史的な経緯とか政治的な思惑が交錯するような話、そして最後には巨大な異形の怪異との直接的な戦闘という感じで、いくつかのストーリー展開が見え隠れするような印象。 ちょっと小林泰三を思い出す感じで、後半の生々しくてグロテスクな異形な怪異たちとの戦闘シーンはけっこう熱いものがあった。 主人公サイド?も怪異の集団って感じだし、こういった異能力者集団みたいなところでは、どうしても手に汗を握ってしまうという感じ。 まさかこういう展開になるとは読む前には思い至らなかったので、驚く気持ちもしたしなんだか感心してしまった。 一方では徹底して話を小出しにしながら、あくまでもモキュメンタリー的な表現において物語ろうとしている点も特徴的で、体裁へのこだわりにはすごく好感がもてた。 ただ、やはりどうしても話が断片的にはなってしまうので、こうなるといっそ終盤は一般的な物語の形式の中で語られた方が、さらに具体的なイメージで、熱い気持ちになって読むことが出来たかもしれない。 そういう感じがしないこともなかった。 良し悪しというか、さまざまな報告を断片的に書き連ねる形であることによって、中盤までは読むスピードがぐんぐんあがっていく感じがしたんだけど、終盤にはそれがかえって少し感情移入しにくくて、ちょっと読みにくい感じがしてしまったかも。 それでも、明らかに異質な作品で、読めて良かったなと感じさせられた。 続編もある?っぽいので、そっちも見てみたい。

    10
    投稿日: 2025.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SCPの類が好きな人はたぶんこれも好き。 「右園死児」という文言をめぐる異常現象の報告書群が、最終的に肥大化した異常現象とのバトルに収束していく。 報告書形式が肌に合わなかったり、ホラーからアベンジャーズ的なバトルものに変わるのが予想と違ったりと万人受けはしないかもしれないが、私はかなり好きだった。 人間讃歌に着地するとどうしても好きになってしまいがち。

    2
    投稿日: 2025.10.12
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    人智を超えた厄災の数々に関する報告書を通して、厄災と人類との戦いを描く。 途中までは基本的にSCPの亜種のようなモキュメンタリーホラー作品。 ところが中盤からはその様式、文体を放り投げて、突如としてSFバトルアクションの様相を呈する。予期しない味変だったが楽しめた。

    2
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が思っている小説の様式かと思いきや、確かに報告書だった。戦時中っぽい雰囲気で私にとっては読みにくかった。ホラーの棚にあるが、コレはホラーなのか?

    2
    投稿日: 2025.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SCPすきだから最初からワクワクした 後半は各報告書に出てきてたネームドキャラのアベンジャーズ ノリが少年ジャンプ 大満足

    2
    投稿日: 2025.10.02
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    最初はどう読むかもわからず、字面だけで何かよくないものというのが伝わってくる。 序盤は右園死児案件として報告された事象が淡々と記載されていて、得体の知れなさが早く先を読みたいという気持ちにさせた。 後半では怖さがなくなり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやアベンジャーズのような話になって、うーん。 ラノベっぽい展開だなーと思ったら、ラノベ作家のようで納得。 漫画も読んだが、話が漫画と相性がよいようでマッチしていた。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    右園死児と呼称されたものについての報告書 先が読めない内容にて、面白く読み進められたものの 私の理解と想像力が及ばず、理解できない部分も多くあり 読み終わってすぐのため、報告書形式の文書になっているが、こんな感じでずっと進むので、この形式が合う人にはむしろ読みやすいのでは 2日程度で読み終わったからいいものの、時間を空けたら確実に、後半に出てくる出来事、事象、人物の意味と前提がわからなくなること請け合いです。 私もよくわからずとりあえず読み進めたところが多い!多い!! 正直最後まで読んだけど、これ、考察が見たい。 今から他の人たちの感想読み込んできます。

    1
    投稿日: 2025.09.28
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    右園死児という実態のない言葉が何を指すのかは分からない。でも、今日の社会にも言えるが、目に見えない何かに人として抗う姿勢を貫くことの大変さと大事さを垣間見ることができた。 途中、めちゃくちゃグロテスクなアクションがあり、ちょっとだけドラクエみを感じた。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    途中まではじめっとした怪異の報告がたくさん出てきて面白かったが、途中からSF展開になってしまい、純粋にホラーを読みたい勢としてはうーん…という感想になってしまった。

    1
    投稿日: 2025.09.22
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    3.5点 少年ジャンプの企画書をたくさん読んでるような、アイデア満載過ぎて、ひとつにまとめちゃうのもったいなく感じる 報告書ベースだから、なかなか人物への感情移入が難しかったけど、ちゃんと怖くて、読み終わった後には、ちゃんと悪夢を見ました。 ラストは熱い戦いが待ってる!まさにジャンプ笑

    11
    投稿日: 2025.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分には合わなかったなあ。 中盤くらいから読むの止めようか何回も思ったけど、惰性で読了。 登場人物多すぎて誰が誰だか分からなくなる。 ホラーっぽい導入だけど中盤くらいから物語が壮大になってSFのバトル物みたいになる。その辺りから滑稽に感じてしまい惰性化しました。 考察好きな人は楽しく読めるのかなあ?ホラーは頭空っぽにして読みたい。

    12
    投稿日: 2025.09.15
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    「近畿地方のある場所について」のようなモキュメンタリーを想像したが…。 平安から続くであろう呪いのような類。もう少し巨大化などの機構が解明されると良かったなー。 結局、なんで勝てたのかは分からん。 その意味で後半はなんだったのだろう? 作者の中では報告書の中身が連綿と繋がっているのだろうが、ちょっと理解が追いつかない…というか報告書がありすぎ。合間に紛れて重要人物がおり、それが後半に活躍というていなのだろうが、そんなに機動力ある人たちでしたっけ?

    6
    投稿日: 2025.09.14
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    最初の雰囲気が好きだった。 誰が誰か分からないし、関係性とかも難しい。 途中からは惰性で読んでました。

    3
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カクヨム3作目 2作目は『このショッピングモールはどこにありますか』 非現実的すぎてホラーというよりぶっ飛び系

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    一言で言うなら和製SCP。ホラー・ミステリーかと思ったらホラー・バトルだった。沢山の視点から物語が進んでいくのが面白かった

    1
    投稿日: 2025.09.11
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    思ってたホラーとは違うSCPホラーだった。 最初はずっと報告を読んでいくので面白くなるのか不安だったけど、読み進めていくと思ってなかった方向に展開していって面白かった。

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    前半の雰囲気が好きだった。 人物相関図が複雑で何度か振り返りながら読み進めた。 思ってたのと違う感じはあった。

    1
    投稿日: 2025.09.07
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    2025年8作目。 このままホラゲとかにしたら結構面白そうだなーと言う印象。それか「シン・ゴジラ」並に手間と金かけて映画化するとか。読み物としてはまーうん、まぁうん…SCP好きなひとはめちゃくちゃハマると思うが、私は詳しくないからなぁ。でも「んん?これはなんの死児だっけ??」ってなっても、大体「報告〇〇の〜」って書いてあるからさくっと遡れて確認できて、ストレスなく読み進められたのは良かったなぁ。報告書形式の強み存分に発揮している。 そういうわけで報告体系部分は物珍しいし面白みもあったんだけど、ストーリー部分になると台詞回しがやけに古風な感じしてちょっと読むときに突っかかっちゃったかな。近いか遠いかはともかく未来の話だという設定だもんね?「あたしゃ」「ご老人」「女給」なんかの言葉がぽこぽこ出てきてそれにいちいちびっくりしてしまった。メインストーリーとは直接関係ない部分なだけに、なんかそこはもったいなかったな。

    1
    投稿日: 2025.09.06
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    思っていた内容の作品と全く違った。 SCPに全く耐性が無かった為、どうしても厨二病のSFモノのように感じてしまった。。。 自分には楽しめなかった。 久も同時に買っていたがおそらく読むことはないだろう。

    0
    投稿日: 2025.09.06
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    2025.9.3読了 ⚠︎ネタバレ含む&めっっっちゃ長文&めっっっちゃ個人的な感想を垂れ流すのでスルーしてください!⚠︎ ↓↓↓↓↓↓↓↓ 右園死児報告を読んで、筆を取らずにはいられませんでした。そのくらい俺にとって心に響いた作品だった。数日にわたって考え続けた自分の感想をまとめました。とても長い。感想に文字数制限を設けていないブクログ運営のおかげである。 書店で表紙を見た時は、よくある報告書形式を模したホラー作品だと思っていた。SCP財団ものに似ているというレビューも目にしていたので、そのせいもあるかもしれない。人の知らないところで何食わぬ顔で世界の皮を被った未知の脅威を、淡々と語る作品だと思っていた。 でも、そうじゃなかった。これは単なるホラー作品ではなかった。うまく言えないのだけど、少なくとも俺にはその言葉だけで終わらせられる作品ではなかった。 未知の不可解な脅威があって、それを治めようと奮闘する人々がいる。確保し、収容し、保護する。これだけを見るとよくあるストーリーだし、これがもし脅威を確保するだけの話だったらここまで動揺していなかったと思う。 これほどに心が動かされたのは、最大の脅威として立つエツランシャが『一般人』だったからに他ならない。 でも心が動かされたと同時に、怒りもあった。 俺はエツランシャに、なにひとつ共感できなかった。彼のやり方は、国に異議を唱えるために取るべき方法ではなかった。 『もはや右園死児は根源的脅威ではない。あとは我々人間の問題だ。人間同士の闘争なのだ』 そう言った彼が許せなかった。この戦いを、悪意と戦ってきた今までの犠牲を無駄にする、そんな悲惨の最たる『人間同士なんかの戦争』に変えてしまったのだ。 俺は未知の脅威(例えばウイルスとか、怪獣とか、宇宙人とか)と人類が相対して、人間性を以て抗う物語が好きだ。でもそこに、対人間の構図が入ると途端に嫌悪に変わってしまう。力を欲するがゆえにその脅威を兵器化して、人間へと向ける人間が嫌いだ。前述した『人間同士なんかの戦争』という感想は、きっとその感情が根底にあるからだと思う。 俺の好きな某怪獣映画の中に、こんなセリフがある。 『誰かが貧乏くじ引かなきゃなんねえんだよ』 戦争を経て国のやり方に不満を覚え、唾を吐いて、それでも同じ世を生きる者のために誰かが特攻を選ぶ。本音を言えば、そんなことしてほしくない。誰かが犠牲になることはあってはならない。でも悲しいかな、道を繋ぐために必要な無謀というものは存在する。選んではほしくないけれど、選びたくはないけれど、それしか方法がないことが、現実にはどうしてもある。 この報告体系は、そんな選択の積み重ねだった。そうして散っていった人々の積み重ねだった。 現場はどうしたって一瞬の内に生死をかけた判断を求められる。兵士たちはずっと命の計算をしてきたのだと思う。もちろん自分の命も含めて。それくらいしないと、この悪意とは戦えないのだ。誰の命を落とさないことを誇りとしたかった。その通りだ。その決意を胸に、次こそは、きっと次こそはと、現場の人間は血反吐を吐いて進んできたはずなのだ。数多の屍の上で、死人の十字架を背負って。それなのに、報告書だけを読んだ人間が現場に身を投じることもせずに判断をしたことが悔しかった。 『私は、ただ、あなたの戦いを見てきた。傷つきながら、見ていたんだ。ただ、ただ、見ていた。見ることしかできなかった』 だとするならばエツランシャの考えは、行動は、筋違いだとしか思えなかった。 安全な場所から報告書を読むだけの人間にあれそれと言う資格はないのだと思う。当事者としてその地獄に身を投じて初めて、惨状を見て初めて、脅威と相対して初めて、物申す資格が与えられる。 冴島父は、そういう意味で当事者だった。息子を失ってから、この戦いに自ら飛び込んだ。その上でもし冴島父が異議を唱えて反旗を翻したのであれば、俺は心底から納得しただろう。その人の痛みや怒りはその人だけのものだ。寄り添うことはできても、触ってはならない。代弁などできないし、してはいけない。 そこが冴島とエツランシャの違いだと思う。俺は冴島親子の姿が一番に悲しくて、そして眩しいと思った。そして作品の終盤、冴島父が語った言葉が俺の気持ちそのままで泣いてしまった。 エツランシャは傷ついた心のままに国を戦犯として選び、選んではいけない方法を選んでしまった。他に取るべき方法を考え続けなければならなかった。どんなに残酷なことだとしても、それが生きるということだと思う。 民衆は戦犯を求める。復讐がまた復讐を生む。人間は愚かなことこの上ない。エツランシャが戦犯を煽り立てたように、この国は戦犯を求め続ける。今までもこれからも。聖域が解除されて終わりではない。それで終わらせてはくれない。戦いは終わらないし、恨むことも憎むことも呪うことも終わらない。それが人間だ。 『もう、人間を愛しいとは思えない』 エツランシャは人々を導くつもりなどなかった。大衆の殺戮されない世界の住人になれ、なんて宣ってその実、彼の目的は人間に対して地獄を体現することだけだった。右園死児と同じだ。 人間なんて総じてクソだ。 俺も、この世なんてクソ喰らえだと思う時はある。人間はみんなクソだし、世界も国もクソだ。上に立つ人間なんてクソばっかりだ。そこは理解できる。 元軍人である神谷も、この国がクソみたいな国なんてのは嫌というほど味わっていたはずなんだよな。暗殺まがいなやり方で撃たれているし。それでも彼は戦った。不死のような身体になっても、なお戦った。それは何故か。神谷は国を守りたかったんじゃない。彼が守りたかったのは『人』なんだと思う。姉の子を、大切な人を守りたかったのだ。姉の子孫が生まれてくる世界を、生きていく世界を守りたかったのだ。仲間が生きている世界を守りたかったのだ。 誰しも大切な人がいる。その人を失うことは壮絶な痛みを伴う。 大切な人がいた世界で、失った世界で、いなくなった世界で、それでも生きていくしかない。前を向く覚悟。エツランシャに足りなかったのはその覚悟と勇気だった。 悲しみの中でも、それでもそれぞれが雄々しく前を向いて歩く姿が、とても誇らしくて、とても悲しくて、それが人間の美しさだと思った。その姿を見ると、まだこの世界は歩いていけると信じさせてくれる。まだ人間は歩いていけると信じさせてくれる。そんな彼らが好きでした。 読み終わってしばらくして、寺山修司の詩の一節が思い浮かんだ。 『おれは歴史なんかきらいだ。思い出が好きだ。国なんかきらいだ。人が好きだ。』

    0
    投稿日: 2025.09.03
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    SCP財団が好きな人にはおすすめ。 前半は短編の報告書形式になっているけど、全体としてはストーリーがあり、後半には物語の謎というか問題を解決する流れに集約して行く。 そのあたりは好みが分かれるのかも。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    内容はSCPっていうのかな、危険な生物、現象への対象報告書って感じ。 前半の報告書形式のとこはそこそこ楽しめた、後半はまた違った展開になるが… 内容はともかく文体が稚拙というか、読んでてこそばゆく感じる場面が何度かあった。

    3
    投稿日: 2025.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の数ページを読んで、この調子で不気味な話が続くと思ったので、興味を持って購入。 しかし予想外にもボス的な存在とのバトルが始まり、期待したものとは違う展開に。 個人的にはがっかり。

    1
    投稿日: 2025.08.30
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    確かにSCPっぽかったし、こういう報告書形態の本は苦手な人があるかもしれない ただ私はとても好きな作品 得体の知れない何かを観察、対処し報告する フィクションだけどもほんとにあるんじゃないかと考えてしまう没入感 終わり方も色んな意味でゾワってした

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    奇書認定してええんじゃないですか? 内容すごく好み。 こんな小説?報□□?見たことない!!! 中身を読み進めていくと見の右□が□者、□側が報□ みたいなテイストが斬□だし□□□□としても心惹かれる□□みたいで。 この調査報告体系は安全である。

    7
    投稿日: 2025.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     古くから人類社会へ多大な影響を及ぼす禁忌の存在“右園死児”に纏わる報告書―の体裁を取る。中盤までのモキュメンタリー+SCP風味がアベンジャーズばりの伝奇SFアクションへ変容していく、まさに異形のエンタメ小説。  本作のレビューや考察は既に出揃っている感があるので、今更蛇足な感想は省略。前半と後半の落差?について毀誉褒貶はかなりあるようだけれど、自分は嫌いじゃない、とだけ。寧ろモキュメンタリー仕様の前半部から予定調和的な結末を迎えるよりも意表を突かれた分愉しめた―気もする。

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    いやー、思わぬ出会い。 なんとなく読んだら、大当たりで面白かったー。 前半の怪異レポート形式でから、激アツ展開。 後半はまるで、「新世界より」!! あらすじとしては、 右園死児という名前をつける事で発生するおぞましい怪異。それは、生物や無生物を問わないどころか、火事などの災害や事象ですらも対象となりえる。。。 その怪異を防ぐべく日本国は、世における事件や事故を右園死児案件としてして調査していく。。。 というあらすじかな。 前半と後半で内容がだいぶ変わってくるが、自分はどつちも楽しめた! 最終的な対策として、まさかこんな方法とは。。。 「化け物には化け物をぶつけるんだよ!」

    35
    投稿日: 2025.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物が多すぎて、あれ?この人何した人だっけ??が多発してしまい、ノットフォーミーのやつでした。楽しみきれずざんねん けど、話が大きくなりすぎでは?ってタイミングで、ハリウッドのゾンビ映画的なストーリーにガラリときり変わるのは凄いなと思ったし、人間ドラマも展開してて、ちゃんと各キャラクターの整理をしながら読める人ならとても楽しめそう

    1
    投稿日: 2025.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半の報告パートは面白いなぁと読んでいたんだけど、だんだん登場人物が増えて複雑になっていくにつれ理解できなくなり、関係性がわからないまま戦闘パートに突入し意味不明すぎて脱落。ハマる人にはハマるし、そうではない人には全く。ハマってみたかった。残念。

    6
    投稿日: 2025.08.06
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    心霊怪異のようなものを想像というか期待して読み始めたが、いい意味で期待を裏切られた。前半は謎の右園死児に関する短い、それでいて不気味で怖い報告書を淡々と読み進める。得体の知れなさが興味深くて面白い。徐々に報告書の雰囲気が変わっていき、グロくて悍ましいバイオ・モンスターホラーと化していったのも悪くはなかった。前日譚らしい久も気になる。

    10
    投稿日: 2025.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    報告書形式だから仕方ないのかもしれないけど、全員人物像が全く掴めなかった。 イメージもわかず… だから最後の戦闘?シーンもほぼ想像できず、なにこれ??感しかなかった。 怖いとも違うし、全体的に思っていたのと違った。 よく分からないまま終わった。 そして好みでもなかった。

    2
    投稿日: 2025.08.04
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    前半、3分の2くらいは、「右園死児」という名前を冠した人物、動物、無機物が引き起こす規格外の現象とその対策の記録。なんか知らんが、「右園死児」と名前をつけると人でも物でもバケモノ化する。  scp財団のような、バイオハザードで出てくる日記のような淡々とした報告書を読み進める。私はこういうの好き。報告書なので、感情がなく、無機質な表現だが、結構残酷なことが書いてある。報告の羅列は終わりに向かう伏線になっていく。  後半、アベンジャーズさながらのバケモノ同士の胸熱バトル小説になった。なんだそれ!おもしろかったぞ!でも意味分からん!時間をおいてまた読もう。

    0
    投稿日: 2025.08.01
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    前半の得体の知れない不気味さはすごく良かった。 ただ後半にかけての失速は否めない。 前半だけならめっちゃ良かった

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    こういう時、4.0-4.9で細分化して評価したくなりますね。4.5とかの気持ちです。まず読んだことないテイストの文章?報告書?で、しばらくずっと何の話?って思って気付いたら話がかなり進んでる!しかもホラー小説だと思ってたらディストピア異能バトル小説だったなんて。もうちょっと海外勢力が深く描けたら良かったけど、足りない筆致で描かれてがっかりするよりは、ここまで詰まったもののまま、解釈が日本人にしかちゃんと出来ないみたいな設定で防御するのも良かった。読み終わってAIと解釈確認してたら、めちゃくちゃ褒められてなんか新しい自分を発見した。

    3
    投稿日: 2025.07.30
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    『右園死児(うぞのしにこ)』なる名を冠した生き物や物質、場所や現象は未曾有の災害を誘引するため軍による管理、処分が行われてきた。 本書はその右園死児案件の報告書をまとめたもので、SCPのような雰囲気のホラー。 内容のほぼ全てが報告書の羅列で展開し、ただ右園死児関連の怪異が並べられるだけでなく、段々と軍内部や政府での力関係が変化してくる様子や、テロリストや新興宗教勢力の台頭など社会構造が変化していく様子も感じ取れる。 そして終盤はこの国の存続をかけた戦いへと発展するSFホラーな展開へ。 情報量が多くて何度も過去の報告書を読み返したりしていたから時間はかかったけどSFホラーとしてとても読み応えがあった。 序盤の得体の知れない気持ち悪さも、終盤の胸熱展開もすごく良かった。 謎の残る終わり方ではあるけど…右園死児って結局何だったのか…脅威は本当に去ったのか…

    0
    投稿日: 2025.07.27
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    普段SF?を読まないからか、序盤はこの世界観にびっくりした。 よくこんな訳のわかんないの思いつけるなと感心しながら読んだ。 が、途中で疲れ、かなり時間を要してから後半に。 後半は戦いの場面が続き、それはそれで飽きてしまい、やはりなかなか飲み終わらなかった。 (中弛みは電子書籍だったことも影響してるかも)

    1
    投稿日: 2025.07.24
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    何なんだこれは。いったい私は何を読んでいるんだろうというのが感想。いったん考え直したく、何度も中断して他の本を手に取っていたので、読了にとても時間がかかった。 結局「右園死児」とは何だったのか。私は「業が具象化した姿」だと捉えた。正義という名で仕方なく切り捨てられた人々の無念、憤怒、憎悪、そういう塊だったのでは。「昨日の敵は今日の友」では済まない怖さが残った 。

    1
    投稿日: 2025.07.21
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    何が書いてあるかわからない気持ち悪さから来る興味。それは面白かった。 ただ後半は、期待した方向には進まず、少年漫画っぽい話になってしまいややがっかり。それなら気持ち悪い謎は謎のまま終わっても良かったかな、と。 設定や理解不能な気持ち悪さは良かっただけに、惜しい作品。野心的、意欲的な作風としては評価。 作品の雰囲気が、サマータイムレンダに似てると思った(個人の感想です)

    6
    投稿日: 2025.07.16
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    存在自体が呪われている名前、右園死児 報告書ベースで話が展開していくため、題材の雰囲気も含めてSCP好きはすんなりと入り込めるだろう …と思ったら急にジャンプのバトルが始まった すっげえビックリした たぶん賛否が分かれるとしたらここ ただ、内容も丁寧に描かれているため読んでいる中でのワクワクドキドキは止まらなかった 新刊が出るため非常に楽しみ

    1
    投稿日: 2025.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★1.5 ■概要 本作は「右園死児」という呪詛的な言葉が引き起こす災厄を描いた作品である。報告書形式で始まり、異能バトル、そして戦後の述懐へと展開する構成を持つ。タイトルの禍々しいインパクトとは裏腹に、作品全体としては統一感に欠ける結果となっている。 ■構成と文体の問題 作品は大きく3つのパートに分かれている。前半の報告書パート、中盤の異能バトルパート、最後の「戦時と平時」述懐パートである。しかし、これらの内容と展開は一貫性を欠き、単一の作品として読むには無理がある。 特に問題となるのは文体の変遷である。冒頭では報告書という形式的制約を活用し、感情を排した淡々とした語り口で不気味さを演出していた。この手法自体は近年のモキュメンタリー作品の流れを汲む優れたアプローチであった。しかし、物語が進むにつれて報告書形式は放棄され、一般的な三人称小説のスタイルに変化してしまう。タイトルが「右園死児報告」である以上、最後まで報告書のスタイルを維持すべきであった。 ■設定とストーリー展開 「右園死児」という言葉が人間、動物、さらには物質にまで災厄をもたらすという設定は新鮮である。グロテスクで残酷な描写も、報告書形式で語られることで逆に不気味な禍々しさが増すという効果を生んでいた。この部分においては論理性よりも雰囲気の醸成が重視されており、オカルト作品としては適切な判断といえる。 しかし、50ページを過ぎる頃から似たような報告が続き、ストーリーとしての展開が見えなくなる。そして突如として「我は国民の代表である」と宣言する理由不明のラスボスが登場し、ホラークリーチャーによる異能バトルモードに突入する。この展開の唐突さは作品の統一感を大きく損なっている。 ■文学的完成度 登場人物の描写は表面的で、感情移入できる人物は皆無である。文体はライトノベル的な軽さを持つが、それが作品の重厚さを求める読者には不適合となる可能性が高い。また、作者が伝えようとしたテーマやメッセージは不明瞭で、ラスボスの台詞や最終パートのポエム的な文章も取ってつけたような印象を与える。 ■総評 本作の最大の問題は、優れた導入部分を活かしきれなかった点にある。報告書という制約を「装置」として徹底活用し、短編として完結させていれば、評価は大きく異なったであろう。タイトルの持つインパクトと初期設定の面白さが、中盤以降の展開の混乱によって台無しになってしまった作品である。 バトル系漫画やゲームを好む若年層には受け入れられる可能性があるが、多様なジャンルの小説に親しんだ読者には推薦しがたい。オカルト小説としての期待値を大きく下回る結果となった。 ※本記事は対話型生成AIから私へのインタビューをもとに構成 それを加筆・修正して作成しました

    8
    投稿日: 2025.06.19
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    前半はシンプルな報告、もしかしたら現実世界でも起こっていそうなリアルな事件性を感じる小さなものだったが、中盤後半から報告内容が大きくなっていく。 リアルなホラー、怪異などを求めているなら後半から少し思っていたものとは変わってくるかも。 全体的には、単語が難しくてもひとつの報告が短いので読みやすく感じた。 人物が多くて誰か忘れがちだけど、報告番号が振られてる場合が多かったので巻き戻ってあ〜ね!と思い出せたので良かった。 ただ、グロテスクな表現が後半多くなってくるので、個人的にはだんだんと没入感は薄れたと感じる。 ↑淡々と書かれる浄化に麻痺しただけかも

    2
    投稿日: 2025.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は単語や現象の説明で世界観を提示し、途中から人物視点になるかと思いきや、ほぼ全編報告書形式なのは挑戦的だなと感じた。 設定の端端で、なんとなくゲームのSIRENを思い出した。 右園死児関連の造形は言わずもがな、後半は特に人間の内面の醜さもバーゲンセールで、ここまでくるといっそのこと清々しいまである。 大西真奈美と歩く遺体はスタ○ドみたいで面白いし、まさか最終決戦のパーティにまで参戦するとは。一番キャラが立ってて印象に残った。

    0
    投稿日: 2025.06.14
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    前半は面白かったけど後半はちょっと思ってる感じではなくなってきて???ってなってしまい不完全燃焼みたいな感じ。 ワタシの理解力がないのが原因かも。

    1
    投稿日: 2025.06.06
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    ・内容をよく知らないまま表紙に一目惚れして購入 3時間くらいで一気読み ・前半は右園死児(うぞのしにこ)に関連した怪現象を報告書形式でまとめている。 右園死児に改名した人が無惨な死を遂げたり、村人たちを食べた役場職員が右園死児と発言したりと とにかくその名前を使ったり関わったりすると大変なことが起こるらしい。 ・この報告書形式が結構新鮮で惹き込まれた。 会話ではないので、淡々と事実を羅列していくだけなのが心地よい。 なんかこう、厨二心をくすぐられるというか。。 思春期にこの本出会ってたら教科書に右園死児って書いてる姿が容易に想像できる。 ・中盤に「エツランシャ」なる者が登場し、後半にかけて彼らと戦うことになる。 ここからバトル物?に路線が変わる。 ホラーやモキュメンタリーとかそういうのをイメージしてた自分にとってはこれじゃない感が否めないが、世界観はすごくよかった。惜しい。 ・SCP財団が好きな人は絶対好きだと思う。 右園死児っていう単語が良すぎたね。 これは漢字にしか出せない魅力だと思う。

    1
    投稿日: 2025.05.29
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    右園死児(うぞのしにこ)という謎のワードに対する各地から寄せられた報告書。 読んでいるうちにどうやら右園死児というのはその文字列自体に厄災を呼び込む力があるらしいというのがわかってくる。右園死児と名付けられた人やモノは汚染体として軍部に秘匿されているが、後半でその汚染体を盗み出し反旗を翻す勢力が現れ、日本中を巻き込んだ大抗争が始まる。 うぞのしにこ、ってなんかゴロが良くて思わず口に出して言いたくなる。 前半は都市伝説めいた秘密の報告書を盗み読んでいるようで面白かったけど、後半はどんどんわけがわからなくなっていってぐちゃぐちゃの異能バトルが始まって地獄だった。この地獄を早く終わらせたくて何とか読み切った感じ。 カクヨム発ホラーあるあるのこれを読んでしまったあなたも右園死児!みたいなオチじゃなかったのはよかったけど、結局なんだったのかよくわからなかった。文章がわかりづらくて、空白が多いにも関わらず読むのにすごく時間がかかってしまった。疲れた。

    1
    投稿日: 2025.05.28
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    SCPっぽくて面白いと、友人から勧められて読み始めた。 中盤から様子が変わってどんどん新しい視点が入ってめちゃくちゃスピードアップした。 これは2週目読みたいやつだ!

    0
    投稿日: 2025.05.28
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    真島文吉著、「右園死児報告」読了。 ウゾノシニコホウコク 明治二十五年から続く非公式調査報告体系。「右園死児」という名の人物あるいは動物、無機物が巻き起こした規格外の現象の報告。都市伝説から因習ホラー、そして。なかなか新鮮な読書体験。中盤からは怒涛の展開です。 にげろ、かずや

    0
    投稿日: 2025.05.21
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    得体の知れない報告書、不思議なものとか薄暗いものとかジメッとしたもの好きの私の好物です。 好きなんだけど、報告書の羅列で終わってしまうと、なんだかちょっと物足りない… なので、報告書の羅列から始まって、報告書同士の関連性も浮かび上がってきたり、大きな争いごとに発展していったりと色々展開があった本書、とても楽しめました。 あと、カクヨムで読むよりも、紙の本で読んだ方が読みやすかったです。 報告書同士の関連性があったり、報告者が同じだったりで、前の報告書と行ったり来たりで読んでいたから、カクヨムだと探しづらくて。 書籍化してくださってありがとうございました。 右園死児に色んな人やモノが影響を受けて、最終的には戦争に発展しちゃうんだけど、双方に言い分はあって… 「時間切れ」とか「冴島時男の述懐」とか考えさせられるものがありました。 あと、カクヨムでは楽しめないもの。 表紙も中身も一見地味なんだけど、 報告書の左下、ハンコが押してあるようになってて報告書の体になってるのと、報告書の「報告〇〇号」っていう字体から少し古い時代を彷彿とさせる、そこがほんとにツボでした。 ハンコも、右園死児報告と右園死児報告甲は古い感じなのに、鳳凰の報告はそれに似せてあるんだけどなんだか丸文字で… リーダーのキャピキャピ感も相まって、鳳凰のとこだけ平成初期っていう感じがして、もっと危機感を持て!!って腹立たしくなった(で、それも込みで楽しめた) ただ一つ…結構グロテスクだった… 「頭部が花のように割れて」とか「蛸のような触腕」とか寄生獣連想してしまう(泣) どうしても頭の中で映像化してしまう… 映像化してしまうような真島さんの表現力、それにやられてしまったのかもしれない(泣) グロテスクな表現が思いのほか多かったので、星を一つ少なくしました。 読後も気になること。 錯覚的首吊り死体…どこ行った? タクシー運転手さんは探偵さんになってるし… というか、元々探偵さんで仮の姿がタクシー運転手だったのかな?? あと、三田倉さんもどこ行ったんだろ? 頭をヘルメットごと引きちぎられたってあったけど…生き残りの謎の大男がそうなんだろうか… それとね、かずやって?誰? にげろ かずやって、誰が書いたのかな… 7月に右園死児報告久が刊行されるみたいだから、謎をひく棚主さんと三田倉さんの活躍が見れると嬉しい。 期待してます。。

    13
    投稿日: 2025.05.20
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    右園死児という名前、文字列によって起きる変異や事件を報告書の程で短く読めるSCPのようなホラー。 大きく前半と後半の2部制になっていて、前半は報告書として、右園の名前があることによる災厄、それに対する軍の動きとうまく本体を切り抜いた周りだけを描写する事で、右園が何かを想像させるパート。 後半はその右園利用しテロを起こした集団とそれを鎮圧しようとする軍、裏切られたり騙されたりと隠されていたものが露になっていく戦闘シーンのパート。 前半はとても好き。A→Bへ報告という固い文章で書かれたものを読者が覗き見をしているような感覚で、モキュメンタリーではあるけれどまた違った形で見せられているようでとても楽しい。 後半の戦闘シーンの多さと、報告書といいながら小説の一部としか思えない構成というか纏め方がなんだか前半と違いすぎて興味が長続きしなくなってしまう。 右園死児がどうでも良くなって、それを取り巻く人の方に視点がいくが、前半でそこまで書かれてもいないので多すぎるなとしか受け取れない。 なんで前半と後半でここまで大きく変えたのだろう。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    全く新しいジャンルだとは思う。和製SCPみたいに言われていたけれど、そう言うことでもない気がする。 まず、「軍」が出てくるので現代の日本ではない訳だが、おそらく世界線も日本ではない気がする。別の高次元に位置する宇宙規模での話。 何かしらの法則性が垣間見える一方で、報告書に書かれた概要では伺えない不規則性が、なんとも気味が悪く、恐らく著者はその描写を狙っていたのではないかと推察する。 モキュメンタリーとも異なる、どこか世界全体が怪異になった話だと思えば、これほど想像力を駆使した話は浮かばない。 SCPというより、ラヴクラフトの作品の中で起こった出来事を見ている気持ちになりました。

    77
    投稿日: 2025.05.17
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    長い割に中身がない。 謎多き「右園死児」についての報告書が延々と綴られていく。最初の方はこの報告書が興味深くて読んでいたけど、そのうち戦争が起こったりなんかして、最終的になんか「良い言葉」で締めくくられた。陳腐。

    0
    投稿日: 2025.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SCPとかが好きな人には刺さるかもしれない、それとSFアニメとか。 とにかくこれを中学生とか多感な時に読まなくて良かったかもしれない、それくらいオタクに好きな要素が多すぎる。 右園死児っていう謎の文字列(物や人)が最初は不気味で人類の敵って感じだったのに最終的には日本滅亡の危機に立ち向かうのが右園死児の要素が加わったメンバーとか、興奮するでしょ。最後はもうめちゃくちゃな世界になってしまったけれどちゃんと夜明けは来て脅威は過ぎ去っていてちょっと清々しさすらあった。ちゃんと後日談もあっていい。あと不穏で終わらせる感じ、この小説はなんか映画で観たいな〜とすら思った。 ただ人が死にすぎている、人類大丈夫??体が爆散したり臓器がめちゃくちゃになる場面はさすがに強すぎだろって思って笑ってしまった。 個人的に好きな人物は売春婦。醜女って書いてあったけど要所要所に出てくる場面では良い女すぎる。右園死児のマザー。

    5
    投稿日: 2025.05.11
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    右園死児について、報告書ベースで記載して進んでいく小説(?) 報告書なので割と端的なのに、ものすごいエピソード数があって考えるの大変そう たんたんと描写しているのでサラッと読んじゃうけどだいぶグロテスクな事が起きてる

    8
    投稿日: 2025.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は和風ホラーっぽい感じだったけど、最終的な感想としてはSCPっぽいと思った。 登場人物もまあまあ多いので、話を理解するのと、登場人物の動向を把握するのが難しかった。 最後は歴史は繰り返すということが言いたいのかな、という感じで終わった。

    0
    投稿日: 2025.05.03
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    不穏なSCP感は面白かったが全体的に好みではなかった。特に後半がラノベ過ぎてついていけない。 何かが少し違えばめちゃくちゃ面白いんだろうなと思わせてくれるものはあった。

    0
    投稿日: 2025.04.28
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    報告書の体裁を取ったホラーSF。 私は初めて読むタイプの作品でしたがかなり好きです面白かった! 序盤の報告書内容を踏まえてラストの決戦を読むとかなり胸熱。これは映像化来るかも知れないけど相当グロくなりそうなので難しいか…

    1
    投稿日: 2025.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    理解出来なかった…っていうのが感想。 前半の報告案件一号ごとを丁寧に読んだのでどう展開してゆくのかワクワクし過ぎで、後半のスピーディーさにちょっと引いてしまう。そもそも、分からなかった。という印象。エンドレスホラーなんだろうな、きっと。

    9
    投稿日: 2025.04.05
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     個人的に思い入れがある作品。  というのも発売日から近所の書店はどこを探しても全く置いておらず、それこそ大型書店も回ったのに見つからず、毎日探し続けて最終的にショッパーズモールに入っている書店で買えた。人気だったみたい。  報告書形式で語られる本作はかなり細かい章立てでテンポがよく、また読者に想像を抱かせるための必要最低限な描写で組まれているのでサッと読みやすい。  ネット怪談に近い導入から、意外性のあるストーリー展開には度肝をぬかれた。(ネット怪談はよく最初の投稿者の手から離れ世界観が不特定多数の手によって壮大に拡張されやすく、本作もそんなエッセンスを感じる)  正直記憶を消してもう一度読みたいほど。ただネタバレは避けたいのでこういう表現しかできないが、ショートホラーのかき集めを求めている人や、硬派なホラー小説が読みたい人はノリが合わない場合もあるかもしれないので、ご注意を。

    1
    投稿日: 2025.04.03
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    得体の知れない右園死児に関する 報告書や音声データなどがならべられ 年代がすすむごとに その謎と不気味さは深まっていくばかりで いったい、これはどこへいきつくのだろう と静かな緊張感があったけれど… 報告者たちが動き始めてから 世界が広がりすぎ 誰もが想像でき得る限界を越えてしまい 結局、何があったのかわからなかった。 この世界観を理解できないならしょうがない と取り残されてしまった感じ。

    7
    投稿日: 2025.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半は某財団の報告書のような書体で不可思議な事例に対する短めの報告が淡々と書かれる。 私はこの報告書ベースの文章が好きだ。 自分の想像力を遥かに越えていく怪異事例をいくつも読み進めるのが楽しかった。筆者の想像力に感嘆する。 しかし、怪異との戦いを書いた後半はちょっとイマイチ。 なんだかライトノベルの超能力バトルのよう。 物語として結末が気になる内容だったので、普通に読み終えられたのがまぁ良かったかなと。 前半の報告書に後半の描写に対する伏線なども散りばめられていそうなので、できればもう一度はじめから読みたいなと思う。

    0
    投稿日: 2025.03.22
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    これはホラーなのか? ホラーかもしれないが、よくわからない感じだった。 明治二十五年から続く、政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。 対象が右園死児(うぞのしにこ)である。 これが何なのか読んでいてもわからない。 これが引き起こした現象の報告書であるが、正体が掴めないから怖いのである。 姿が存在しないので液体?浮遊物?かと想像していたが、最重要汚染体レベルの個体のようだ。 そうなると人は人として存在できなくなるのが必至だと想像すると…。 だれかに何を繋ぐことは…。

    52
    投稿日: 2025.03.19
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    右園死児が不気味でわけわからなくてとても良かった。途中で報告書形式では無いのでは?という箇所が出てきたのが残念。 SCPが好きな人なら楽しめるかも。

    0
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は不気味な現象が起こっていることの報告書って感じでミステリーホラーとして読んでたけど徐々に右園死児とは、その過去は、と全貌が明らかになっていき、思ってた方向性とは違う内容へ。 途中の戦闘?部分は想像力が刺激されて楽しかった。 思ってたんと違うな〜と思って止まってたけど、 再度読み出して途中からはノンストップで読み切りました。 おもしろかた〜 もう一回読む

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    これはなんでしょう? 訳分からないし、読むの大変だったのに 頭の中が右園死児に汚染されて ずっと右園死児のことを考えたり、無意識に「右園死児…」と呟いたりしてしまう。 訳分からなさすぎて頭の中での映像化不可能。 絶妙な言葉あそびのような報告書は素晴らしい。 登場人物や登場生物?登場物質?などの設定がおもしろく、切羽詰まってる時にも その設定は絶対なのがおもしろかった。 読むの大変で挫折しかけたし、 読んでよかった!とは思わない。 やっと終わったって思う。 なのにこんなに感想が溢れ出てくる。 自分や周りの人が右園死児化してないか心配。

    11
    投稿日: 2025.03.06
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    とにかく構成が面白かった。 報告という形を取って色々な角度から【右園死児】というものが語られ、徐々にその像が形作られていく。

    1
    投稿日: 2025.02.26
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    右園死児彗星あたりで嫌な予感がして、UZONOSINICO議定書あたりで確信に変わり、最終決戦は真面目に読むのも虚しくなり流し読み。悪い意味で前例の無い読後感が味わえた。

    3
    投稿日: 2025.02.26
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    ホラー小説のジャンル。冒頭で読めるお化け的な怖さを求めて読む本ではない。ヒトの怖さを知る本である。そう、本当に恐ろしいのはヒトなのである。それに抗うは、意志であり、終わりはないことを教えてくれる物語であると感じた。 報告書形式で語られる流れは、独特の没入感があり、個人的には、非常に良い。混沌とした話を読みたい時にもおすすめ。

    1
    投稿日: 2025.02.23
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    様々な報告書形式で、右園死児について様々な謎の事件が発生してストーリーが展開していく。 報告書形式でストーリーが進んで行く所が面白かったです。 それぞれの事件が短めに報告書で書かれていて、サクサク進んで行き、一つの事件が前のページに繋がっていたりと、所々の伏線が関係しているのが特徴なのが良かったです。 右園死児にも様々な形式で出てくるけど、最終的にどんな物なのかが分からなかった所が残念でした。

    15
    投稿日: 2025.02.19
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    ジャンルでいえばモキュメンタリーなのだろうけれど、報告書が淡々の並んでいて、それを読んでいくうちに、「右園死児」という謎めいたものについてだんだんとわかってくるという感じ 小説的なストーリーで進行していくわけではないし、好き嫌いが分かれると思う。 体裁や雰囲気も含めて、SCP財団みたいな感じなので、財団好きな人はきっと好きだと思う。

    7
    投稿日: 2025.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    右園死児(うぞのしにこ)という呪物的?な存在の現象と、引き起こされる問題の報告書、の形態をとった小説。 起こった事象を淡々と書き連ねてあって、それが逆に恐ろしくておぞましい。 とはいえ、最後の方は、なんかバトルものみたいになった。そこまでに、主要キャラの認識が甘いと、正直楽しめないかも。自分は面白かったけど、何回か前ページを読み直したりした。 映像とかにした方がわかりやすいし、エンタメ感でるかも。監督のセンスで、出来の良し悪しが分かれると思うけど。 ありがちな設定だが、エツランシャの存在は不気味だったな。 購入時、小説の内容説明が短くて、全然説明になってないなぁと思ったけど、博打と思って購入した。結果、面白かったから良かった。そして、これ以上の説明文は難しい作りの本になっていた。そういう意味で新鮮な体験をした。

    1
    投稿日: 2025.02.12
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    明治より続く、「右園死児」という名の人物・動物・無機物による異常現象に関する調査報告書というスタイルのホラー小説。 「右園死児」(うぞのしにこ)という名称の語感や、序盤のエピソードなど面白いなと思ったが、割とそうそうに「実話怪談系ホラー」から伝奇バトル物へ。 作者的にはモキュメンタリー的な手法で、昔の夢枕獏や菊地秀行、友成純一的な伝奇物を書きたかったのかなぁという感じ。それが巧くいってるかどうかは微妙な感じだが。 作中で意図的に報告から時系列などは曖昧にしていることが説明されているけど、その曖昧な時系列故に明治から連綿と続く怪異というクロニクル的な側面がスポイルされてしまい、中盤以降は報告書というより伝奇物の粗筋だけ読まされているような感じになってしまうのが残念。

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    「近畿地方のある場所について」と並んで評されるのをチラホラ目にしたので同じ感じかと思ったら所謂モキュメンタリーという形式だけで内容は別物 報告書の内容が淡々と記載されてこのまま続いていくのは厳しいなと思いながら読み進めて行った中盤からの展開は個人的にあまり合わず最後は流し読み

    1
    投稿日: 2025.02.10
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    さっきまで読んでいたホラーはどこに……??というくらい急に展開して何をされたのかわからなかった……。面白いは面白いんだけど、最初の感じを好んで読み始めると読了後の違和感がすごい。

    9
    投稿日: 2025.02.07
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    僕にはちょっと難しかったです。 右園死児と呼ばれる得体の知れない存在によって起こされた事件の報告書という形で進んでいく点はすごく面白くて読み進めていけたけど、報告書がなかなかの量あり、登場人物も多いため少し読むのが大変でした。右園死児から人間を守るためにたくさんの人間を犠牲にするという矛盾やそれぞれの正義について考えられる本でした。個人的に全部の報告書の内容が回収されたり納得出来たりしたらもっと面白かったのになという感じです。

    2
    投稿日: 2025.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホラーゲームのtipsって、とってもワクワクしますよね!それが体系化され、ストーリーになった一冊です。 個人的には、とっても面白かったです! バイオハザード、サイレン、コズミックホラーが合わさったような世界観に、ブラインドマンあたりのSF味も加えた感じもド好みでした。 後半は賛否両論みたいですが、多分前半と同じことを積んでいっても、凡作になって埋もれてしまうと思うし、バラバラの話が収束していく気持ちよさが個人的に勝りました。 限りなく長大な話のはずなのですが、この体系にすることでスマートになってますね。 で、ラスボスが、その行間で死んだ者達がいるんだよ、と皮肉ってて、小説自体にリンクしてて、ここが綺麗でしたね。 そして、個人的にとても評価しているのが情報の小出し、省きの妙ですかね。最低限の描写しかされないのに、他の報告とあわせることで、各キャラの相関性、何があったかを想起させるつくりになってるので、いくらでも脳内保管ができますね。この想像させる余地が適度で見事です。削りすぎると、何が何だかわからないになるし、言い過ぎると陳腐になりやすい。 ホラーゲームにしても、映像化しても面白そう…とも思ったのですが、右園死児報告自体、 『調査報告体系は安全である。』となってますが、 どういった状態で安全なのか、どうした処理のもと安全なのか、どういった感じで閲覧できるのか、まで省かれているので、未来的なガジェットを自由に想像しても構いませんし、小説であるところが一番かもしれませんね…

    5
    投稿日: 2025.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人名、動物、物、無機物、無形など関係なく「右園死児(うぞのしにこ)」と名前を付けてしまうと、その周辺で異常事態が発生。 異常事態とは行方不明、変死、失踪、殺害、人体の変貌、無機物の異常動作、説明のつかない現象などが挙げられる。 この右園死児が起因で発生する異常事態を「右園死児現象」と呼称している。 しかし「右園死児報告書」など、別の文字列と合わさって使用される分には異常事態は軽減されるらしいけど、完全ではない。 本自体は分厚いが1ページあたりの文字数は少なく、サクサクページをめくっていけるので、めちゃ読みやすい。 本書は「右園死児」に関連した異常事態の報告書という体系で記述されてる。 我々は、提出された報告書を時系列順で読み進めていく感じ。 「右園死児」は概念かと思いきや、得体の知れない生物として人間に寄生し、思考や行動を乗っ取ることができる生物もいると判明した。 「右園死児」は寄生生物でもあった。 最初は日常に潜むリアルな恐怖をイメージしていたが、非現実的な要素が強く、中盤からはバイオハザードの様なSFの世界観MAX。 「右園死児」関連の回収物は、持ってるだけで周囲に異常事態が起きたり、人間を変貌させたり、死亡させたりするからそれ単体で兵器になるみたい。 その「右園死児」を巡って日本国内で内紛が起きてしまう。 思ってたのと違う感が否めない。 背筋さんも推奨してた本だし読み進めるか……と最後まで読んでみた。 趣旨は違うけど、バイオハザードみたいなやつだと思って読めばそれなりに楽しめると思う。 最後は続編を匂わす形で物語が終わったけど、うーん……続編が出ても読みたいとは思わん。

    1
    投稿日: 2025.01.29
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    前半の報告部分は右園死児がなんなのか、それがどう繋がってくるのかと考えながら読んだ。後半からは、予想だにしない展開だった!映像化や漫画化が望まれる理由も分かるなと思った。

    0
    投稿日: 2025.01.25
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    報告書も途中で飽きてくるし、 最後らへんめちゃ戦ってるし、 頭の悪い私にはついていけなかったなーん。

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    1.報告書型モキュメンタリーという新しいジャンル 2.最初は結構乗り気だったが、慣れてくるとちょっと長く感じた。 3.書籍だけじゃ、もったいない! アニメ化したらめちゃくちゃ面白そうなので、希望!

    0
    投稿日: 2025.01.18
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    報告形式のスタイルで斬新でした。 後半は毒を制するには毒をって感じでしたね。怒涛の展開です。 報告は一つ一つ短く、読み込んでいけば繋がり等が見えていきます。 首吊り死体の所が分かりませんでした。 後半のパーティーは私の脳内だと、滑稽なものになっちゃいました(笑)

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    『双亡亭壊すべし』的な世界観…嫌いじゃない。 そして、 閲覧者なる者の国への蜂起。 確かに起こる怪異は甚だ尋常では無いがそのロジックが全て破綻しているかと問われれば…国の脆弱さが露呈し、それを補填する為の強権を発動、結果、国民を弾圧する事は現実世界の至る所に垣間見える。 民意の側から考えれば、その時国家は簒奪者にしか感じられないだろう。 虐げられた者達にも返す刀はあり、それが彼らの大義となる。 怪異はそのきっかけに過ぎない。 『戦争』のメタファーとしての作品…考え過ぎか? しかし、怪異モノとしても充分に面白かったと思う。 最後に毎度の事だが、これだけ忌まわしい化け物達ですら元を辿れば人間の浅はかさが産んだ悲劇に端を発している(作中では確認はされなかったが)ことが殆どだ。 それこそが最も恐ろしい。

    0
    投稿日: 2025.01.11
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    最初はSCPっぽくてワクワクするなって思ってたんやけど、この報告書的な文体に途中から飽きてしまった。 後半からちょっとついて行かれへんくなった、そんな壮大な話やったんやって、なんの話これ? 首吊り死体の件を重要なことのように書いてるけど、私がその伏線回収仕できなくて誰か分からんかった、あれ何? あと後半「報告23で書いてあった女の件について」みたいに、前の報告の内容端折ったりしてて「いつの話?」ってさかのぼって確かめたりしなきゃいけなかったのがめんどくさかった 結局右園死児ってなんやってん

    0
    投稿日: 2025.01.09
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    古くから突如として現れる謎の存在「右園死児(うぞのしにこ)」に関する報告を集めたという形式の一冊。実に気味の悪い一作です。 この「右園死児」とは何なのか。具体的な正体は一切不明です。謎めいた語感からしてなんともいえない不気味さがあり、それはいつのまにか自然に発生していたり、あるいは人間が「右園死児化」したのだったり。そしてその災害誘引力によって巻き起こる数々の惨事と壮絶な戦いは、こちらの想像力を軽く超えてきます。異形の神話といった感が。 読後も残るのは不気味さばかり。そしてこの「右園死児」という言葉も何だか、しばらく頭から離れそうにありません。

    0
    投稿日: 2025.01.05
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    ネット記事を読んで興味がわいたので購入。前半は淡々と報告が続いていき、いい感じだなと思っていましたが、徐々に過去の報告からの引用が増えていき読むのが億劫に感じ始めました。その後唐突に異能バトルが始まって完全に置いてきぼりにされ、報告でも何でもなくなってしまいついていけなくなりました。 個々の報告だけ見れば不気味なものも多く、いいと思っただけに残念でした。

    6
    投稿日: 2025.01.03
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    前半と後半で起こっていることが分かれています。 前半はわけの分からないモノの報告書。 後半はアクションです。 人名や対象物がたくさん出たりするのでページを行ったり来たりしながら読み終わりました。まだスッキリしないところがあるのでもう一度読み返して見たいと思います。

    0
    投稿日: 2024.12.29
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    めちゃくちゃ面白かった、読んでほしすぎるしこの良さが100%伝わって欲しいからもう、逆に何も書かない

    4
    投稿日: 2024.12.23
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    なんか壮大に訳分からんかったが、嫌いじゃない 最初は怪異、オカルトだったのが最終的に異能バトルになった お前は誰だ、錯覚的首吊り死体 お前だけ1ミリも理解できん

    1
    投稿日: 2024.12.09
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    読んでいていつの時代? 未来、過去、SF? となってしまい途中で断念しました モキュメンタリー好きとしては 現実離れしすぎかなと 題名がおどろおどろしくて買ったので 残念です

    3
    投稿日: 2024.12.07
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    他の人の感想にもあったけど、日常に潜んでいる怪異の話かと思いきや突然国単位の大きなバトルが始まっておいてけぼりにされた感じ。帯で期待していたし、前半部は面白かっただけに後半部の急すぎる路線変更で正直読み終えるのが苦痛だった。 設定を詰めて詰めて詰め込んだ結果風呂敷広げすぎて収拾つかなくなったから、なんとなく綺麗な形で終わらせた小説って感じがする。 そもそも、例えば「残穢」みたいなゾッとするようなジャパンホラーやいわゆるモキュメンタリーであるかのように見せかけているのがダメな気がする。「近畿地方のある地域について」と似た感じかなと思って読んだが、そう思って読んでがっかりした。「SFファンタジー」として捉えて読むとがっかり感はまだマシかなと思う。 結局「右園〜」の正体ってなんだったのか。問題そのものが完全に解決しないとしてもせめてそれは知りたかったのに一つも出てこずに終わった。想像の余地をあえて残しておくのと一切語らないのはまた違うと思う。無念。

    13
    投稿日: 2024.12.04
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    右園死児という怪奇現象というか、厄災に関する報告書という体裁をとった小説。 報告書なので、通常の小説のような臨場感があえて排除されているのが斬新。 報告書には記載されなかった事態があるんだろうなと想像させる余地を露骨に残せるフォーマットだなと思った。 内容はラノベ的。考察を促すところは最近の小説らしいが、やや食傷気味かなという感がある。

    1
    投稿日: 2024.12.03
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    右園死児という存在、現象のようなものがもたらす様々な怪異を、各種報告形式でまとめた擬似ドキュメンタリー形式の書籍。 終盤はまさかこのような、展開になるとは! 熱い。

    1
    投稿日: 2024.12.01
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     『右園死児(うぞのしにこ)』という人間あるいは動物、無機物だと考えられる存在を調査していくモキュメンタリーホラーで、政府や謎の組織、探偵、一般人の調査報告で構成され、綿密に作り込まれた世界観や終盤に向けて盛り上がる展開が良い意味で予想外だった。またあくまでフィクションではあるが、どこか現代社会と結び付く部分がみられるのも印象的だった。

    1
    投稿日: 2024.11.30