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両京十五日2 天命
両京十五日2 天命
馬伯庸、齊藤正高、泊功/早川書房
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総合評価

40件)
4.5
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11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国が舞台ということで、とにかく規模が大きい。明代の紫禁城がどれほどの規模だったの確かめていませんが清代の紫禁城ラストエンペラーのイメージでアレが水浸しとはなかなか壮観。戦闘シーンは前巻から立て続けで食傷気味でしたが、張泉の治水に関する実学くだりはおもしろいと思いました。

    3
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリやSFに面白い華文小説がどんどん増えてるけど、鳴物入りで発刊されたこの冒険小説も先月の1巻ですっかり魅了され、待ち望んでた2巻目は正にページをめくる手が止まらない圧巻の面白さだった。 中国の明時代の正史に虚構実々の味付けをした、熱量一杯のエンタメ小説で、魅力的なキャラ総立ちの活躍による王室簒奪事件の見事な解決を堪能。しかし、回収予定の復讐譚がこんな結末になるとは。冒険小説だったはずなのに最後は重厚なミステリ小説。表紙絵も帯文も暗示してて、気になりながら読んだが納得した。どこか懐かしいラストも秀逸。

    3
    投稿日: 2025.10.07
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    中華歴史ミステリーといったところか。このミス2024海外編1位作品とのことで期待して読んだら、期待通り楽しかった。 中国歴史小説は学生時代に宮城谷作品に親しんでいたので抵抗はないものの、中国人による中国歴史ものを読むのは初めてで楽しかった!用語がいちいち難しいのには難儀したが、読み飛ばしつつ、この作品は地理的な感覚も持っていた方が絶対に楽しいので、google mapと付き合わせながら読んだ。 家の復讐にかける想いは歌舞伎のようで、とはいえ、友情との狭間で悩む登場人物の感情の動きは理解できて、そこは現代作品と同じように楽しめた。読了が残念なくらい。楽しい作品でした。

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻読み終わりました。ラストはこうなのか…。 太子が帝位を継ぐために期日までに北京に戻らないと…というストーリーで進んでましたが、下巻の3/4くらいで北京にたどり着いたんですよ。え?着いちゃったけど、この後どうなるの??と思ったら、もう一捻りがありましたね。 伏線の復讐劇なのですが、大切な人が理不尽なことで亡くなったので復讐するという流れはまぁ分かるのですが、家族でもないようなので、そこまで人生と命をかけてまで??とちょっと首を捻ってしまったのが一つ。あとは亡くなったことに関わった者は全て殺す流れで復讐を進めるのですが、え?そのレベルの関わり度合いの人まで殺す必要あります??という感じで極端というか違和感が。。それと復讐劇の部分が駆け足すぎて、クライマックスの後の一捻りにするなら、もう少し丁寧に書いて欲しかったような。 「ひごさお」が北京に前乗りするところは本当にカッコよくてドキドキで楽しかっただけに最後の最後が残念でした。いっそのこと復讐劇のあたりはなくても良かったような気が。どんでん返し的な読者をびっくりさせる的な要素なんだと思いますが。好みの問題もあるか思うのでご参考まで。 この話は実際の歴史をベースにしているようですが当然フィクションの部分も多分にあって巻末に作者の方が当時の状況を書いたものが付いてるので、そちらも併せて読みたいと思います。

    19
    投稿日: 2025.09.08
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    キャ~! 蘇荊渓(そ・けいけい) 様~ ! (*´∀`)ノ ギャ~! 昨葉何 (さく・ようか)様~ ! (*´艸`)ノ  も~、女子たちに大人気! いまならカリスマ・インスタグラマー?だと思います。だって、妖艶で華麗、かっこよすぎます!  作者の馬伯庸(ば・はくよう/マー・ボーヨン)さんは、物語を終えて、蘇荊渓さんを「任侠のひと」と表現されていました。  任侠とは、「仁義を重んじ、弱気を助け強きをくじくために体を張る」ひとだそうです。そして、彼女は深い知性のひとでもあります。  この本は、中国の明(みん)の時代を舞台にした「冒険歴史ミステリー」である『両京十五日』上・下巻の下巻です。まだのかたは、上巻『Ⅰ 凶兆』を読んでね。  南京から北京へ「急行」する明(みん)の皇太子一行、この『Ⅱ 天命』では、その唯一の女性である蘇荊渓さんだけでなく、登場する女性のみなさん、全員の魅力が爆発しています!  女性たちの魅力のひとつは「現実主義」です。自分の軸を持ち、知りえた情報から深く思考して、最善を選択していきます。  それを強く感じたのが、仏教結社「白蓮教」指導者「仏母」の語り部分です。とっても合理的なんです。感銘を受けました。  その「合理性」に気づいたら、物語に登場するどんなひとたちにも、それぞれが「合理性」を持って行動しているように見えてきました。  そんなバラバラな「合理性」がからまって「因果」となります。それを「運命」だとか「天命」だとかで片付けず、あきらめずに「因果」に立ち向かう姿がよかったです。  一方、かっこいい女子たちの陰にかくれ、わたしには主役感うすめに感じられた男子たちですが、この「十五日」での成長がめざましかったです。  しかし読み終わて思うことは、どんなに成長しようとも、しょせん男子はおバカちゃんなのです。人のふり見てわがふり直せ。わたしも男子なので、ちゃんと自分がおバカちゃんであることを俯瞰的に認識しないといけない、と強く思いました。でも、自分で分かれば苦労はないです。(笑)  おもしろい元男子?も登場して楽しかったですよ。建築の「痴絶」と言われていました。「書痴」なんて言葉もありますが、「痴絶」って「オタク」とはまた違うのでしょうか?奥深い「痴」の世界です。  そして、わたしがびっくりだったのが、戦いが「武闘」だけじゃないことです。「冒険小説」なのに、「儀礼」で争います。皇城のひとたちの「儀礼」への異常なこだわりに本当にびっくりです。こんなにびっくりするのは、わたしの勉強不足なんでしょうけどね。  そもそも武力によって、王朝を確立し、権力を手中にしてきた人たちなのに、度が過ぎていて滑稽にみえるし、不思議です。しかし同時に、儀礼的であることの恐ろしさも感じてしまいます。  楽しみしていた、巻末の 馬(マー)さんによる「物語の周辺について」、35ページにわたって書かれています。内容は、物語のもとになった史実を検証していくものです。創作ノートみたいな感じです。  史実といっても、よくわかっていない部分もあり、馬(マー)さんが「虚構」をぶち込むポイントを探っていきます。  馬(マー)さんは、明(みん)の時代で「冒険小説」を書こうと、歴史をどんどん深く調べていったそうです。特筆すべきは、そのとき、馬(マー)さんが「小説」として、どうしても書いておかねばならない、と強く感じた事実に行き当たる点です。  この「物語の周辺について」で、その辺りの事情が詳しく書かれており、ぜひ読んでいただきたいです。  楽しく、ワクワク・ドキドキの冒険物語でした。  小説ですが、史実がベースになっており、まったくの虚構ではありません。だからこそ、歴史を感じ、心に留めておくべき、歴史的事実に向き合える物語でもあるのです。

    64
    投稿日: 2025.08.17
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    15世紀の中国、明の時代。 洪熙帝が都である北京の紫禁城で突如として病に倒れる。その容体の重さからすぐに後継者争いが始まる。第一位の太子である朱瞻基は南京にいて、すぐに帰還させるために皇后である母が手紙を送るが、朱瞻基の乗った船は何者かによって仕掛けられた爆弾によって大爆発をおこす、、、。 南京で酒色に溺れているが、腕は立つ捕吏の呉定縁、生真面目で口数も多く、人一倍の正義感に溢れた役人の于謙、謎めいた女医蘇荊渓という仲間を得て、十五日のうちに北京まで帰ろうとする朱瞻基。そして、それを阻もうとする者たちとの戦い。 在位一年での仁宗洪熙帝の急死という史実、実際の人物と架空の人物を交えてまるで中国版インディ・ジョーンズと言ってよいような大活劇が上下二巻に渡って繰り広げられる冒険活劇。 面白い!面白いのだが、長い。インディ・ジョーンズは面白いが、あれが3時間の映画で、やってやったり、やられたりが何度も繰り返されると流石にちょっと。 というわけで、「面白いけど、、、」という括弧付きの星4つ★ ★ ★ ★です。

    8
    投稿日: 2025.07.06
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    2025年版「このミステリーがすごい!」海外版第1位の作品。 今年はまだ半分しか過ぎていないが、恐らくこの作品が自分に取っても今年のベストワンになる。 中国の歴史小説ということで敷居が高く感じて手を出しかねていたが、食わず嫌いはダメだと実感。 とにかく、やたらに面白い。 実在の歴史上の人物をキャラクターに設定した、中国発の超大作エンタメ冒険小説。 政治的陰謀に巻き込まれ、命を狙われる皇太子が、心に傷を持ち、役立たずと呼ばれながらも実は切れ者の捕吏、ひたすら忠実な下級役人、ミステリアスな美人女医ともに、南京から北京までの決死の逃避行を試みる。 敵味方入り乱れてのどんでん返しに次ぐどんでん返し、大爆発、火災、洪水とスケールの大きな見せ場の連続に、ユーモアあり、ロマンスあり、衝撃のラストと、物語の娯楽要素をすべて詰め込んだかのようなサービス精神たっぷりの一作。 映画でも小説でも、素晴らしい作品に出会うと、いつまでも終わらず、この世界に浸っていたいと思うことがあるが、これもそんな小説だった。 読み終わってみれば、悪い奴が誰もいないんだよね・・・。

    1
    投稿日: 2025.06.19
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    白蓮教徒の手に落ちた呉定縁を救うべく、済南へと辿り着いた皇太子一行。しかし、各人がその地で驚くべき事実を知る。はたして北京で進行する陰謀を阻止することは出来るのか。巨大な陰謀の背後で糸を引くのは誰か。ぎりぎりの戦いが続く。そして4人が最後に見たものとは…。 中国•明王朝の歴史的事実を下敷きに描かれた本書。皇太子•朱瞻貴(後の第五代皇帝•宣徳帝)や南京行人司•于謙(後に『土木の変』で王朝継続に貢献)らは実在の人物です。それ以外にも『靖難の役』に関連した人物など、多数登場します。色々と調べながら読んだので時間はかかりましたが非常に面白かったです。明王朝の歴史なんて、高校時代の世界史以来に“復習”しました。 それと偶然、読み始めたのが5月18日だったのもラッキー。ほぼ物語と同時進行で“十五日+α”を楽しみました。 なお、本書はハヤカワ•ミステリの“ポケットブック版”ですが異様に分厚い!上下2巻構成で1000ページを超えます。中国小説の翻訳だから、本文の“漢字率”も滅茶苦茶高いです。読み通すのはなかなかハードルが高いかもしれません。でも、面白さは保証します! …あ、あともう一つのハードルはお値段ですね。上巻2420円、下巻2530円。ハヤカワ•ミステリがこの値段!…高くなったなぁ…。

    47
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 途中難しいところもあったので、なかなか読み進められなかった。 呉定縁のキャラクターが特に好き。 それぞれの人生の歴史があるから、それを無き物にする事は難しいとは思うが、復讐がその人を幸せにするわけではないところが切なかった。

    1
    投稿日: 2025.06.07
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    面白かった!けど色々ありすぎて疲れた〜 最後の最後までどこに落ち着くのか、落ち着けるのか、そわそわした 話が終わってからのち、作者の注釈が続き、明代をふわふわ彷徨っていた心を落ち着かせてくれたのもとても良かった この注釈がまたすごい量で、読み応えがある 個人的記録として (「」内タイトルは中国時代劇) 鉄鉉 「永楽帝」での鉄鉉の生き様ととてもスムーズにリンクした 于謙 「大明皇妃」(永楽帝時代から宣徳帝の後の代まで描かれる)でも違った苦労を重ねた上で出世して、于謙の于謙らしさを最後まで存分に発揮 殉葬 皇室の殉葬は「尚食」で、市井の殉葬は「玉楼春」で描かれている 玉楼春はたぶん時代がもっと後の方 (図)

    1
    投稿日: 2025.06.04
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    めっちゃ面白かった!もう下巻なので、大ぶりなアクションや怒涛の謎解きパートに宣徳帝と愉快な仲間達の大冒険が終わろうとしている…と、しんみり読んだ。読み終わって寂しい。 怪しい人達が混沌と共に湧き出し混沌と共に去るのは、水滸伝的な中国創作物語の美学よなぁと思った。

    2
    投稿日: 2025.03.12
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    最後がちょっとだけスッキリしない気もするが、途中の様々な危機と、それをどうやって乗り越えて行くか、ハラハラしながらも楽しめた。全ての人に過去と思いがあり、どこまで掘り下げるのか興味深かった。

    1
    投稿日: 2025.03.05
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    薄々勘付きながらも下巻の途中で、あ、これは韓流歴史物のメロドラマをやってるな、と確信し、読み進めるテンションが下がっていった。 また、随所に散りばめられる格闘や、ピンチを奇跡的に乗り切る描写は、Netflixドラマ化にはうってつけのチープな演出に感じた。 最後まで読み切った事は、エンタメとしてのクオリティの高さを認めざるを得ないが、ミステリーとしてのラストはイマイチ揺さぶられるものもなく、歴史物として読んだとしても、やたら長い筆者本人のあとがきを読んだほうが有意義に感じた。  

    2
    投稿日: 2025.02.24
  • 凶炎と熾熱が人を窒息させる

    下巻に入り一気に情勢は錯綜し複雑化する。 かつての敵は友となり、かつての追っ手が助力の相手に切り替わる。 両京を結ぶ運河での十五日は彼らの考え方を変え、人生の目的を悟らせる。 道理は明々白々、頭ではわかっても感情がすぐに追いつくことはない。 和解も妥協もできない路を行く者たちに身の栄達など眼中にない。 「痛快に死ぬか、さもなくば、ぜんぶ終いにするかだ」 本書を読みながらたびたび漢詩の魅力にページを繰る手を止めた。 「進むに必ずしも媚びず 居るに利を求めず 芳るに人の為ならず」 瓦松賦の一節もそうだが、つい声に出し朗唱してみたくなる美しい賦。 漢王の権力簒奪の陰謀の筋書きも実に奥が深い。 単に帝を暗殺するのではなく、死ぬことも生きることもできない状態に追いやることで、自身を平時では叶わぬ跡目争いに加わえることができた。 この手があったかと思わずにいられないが、その策謀のさらに上を行くのがまたも蘇荊渓だ。 言葉でいかに人を動かすか。 蘇荊渓の人心掌握術の要諦は、相手にしてもらいたいことを直接言葉にするのではなく、悟らせ、裏を読ませ、自らが主体的に信じ、判断したと錯覚させること。 例えば、一行が徳州手前の十二連城で追手に捕捉された際、折よく張泉と于謙が救援に駆けつけることができた場面。 昨葉何が事前に鳩を飛ばして臨清の白蓮教の分壇に次のような指示を与える。 「太子が臨清にまもなく到着する、信徒はみんな城から出て、迎え撃て」と。 これを于謙にも伝わるように流すことで、白蓮教からの襲撃に先んじて、臨清から出て救う方策を自ら講じさせることに成功する。 これは于謙という男が極めつきの忠義者であることを利用した策でもあるが、かつての敵の白蓮教を間に挟むことで、表の話を裏読みさせることで、真の目的を成就させる。 済南府衙へ行き山東都司が白蓮教と結託し謀反を起こそうとしている訴え出て、官府の軍を動かした策は、いかに荒唐無稽、天衣無縫の通報であろうとも、立ち上る黒煙や爆発などバラバラの細部を相手が自ら勝手に組み立て貼り合わせさせることで、こちらの意図通りに行動させるよう仕向けている。 極め付けは、漢王が用いた続命奇方という奇跡的延命の処方と、蘇荊渓らが作った四逆回陽湯という劇薬を同一と誤認させた場面だろう。 まったくの別物を同じものだと確信したのは太子本人だが、関連があるように仄めかしたのは彼女だ。 「人の心というものはまず定見があると、往々にしてそれに合う事実だけを信ずるものです。陛下の心にまず定見を植えつけ、重要なところをねじ曲げて伝えれば陛下が自然に残りの物語を組み立ててくれます。難しいことではありません」 本書はこれでもかというくらい荒唐無稽な因果が満ちている。 病仏敵という異名をもつ梁興甫の戦いの目的もそう。敬愛する鉄鉉の旧臣であるはずの男が、比類なき忠誠心に導かれて、鉄鉉の息子である呉定縁を殺そうと追い回す。 あるいは朱瞻基は、自らを仇と思っている呉定縁や蘇荊渓に命を救われ、京城まで送ってもらっていたというのもそうだ。 これなど例えて言えば『西遊記』で知られる三蔵法師が、苦楽を共にし、道中に散々命を救ってくれた孫悟空や猪八戒から、天竺に着いた途端に「お前は絶対に許さぬ仇だ」と罵倒されるようなもの。 天の定めとはいえ、宿縁の因果とは恐ろしい。 「まるで闇の中で不可視の巨手が数十年をかけてゆっくりと動き、次々に衝突が連鎖して今日の皮肉にして荒唐な場面を作りだしたようだ。まことに業には必ず因があり、必ず果をまねくものだ」

    0
    投稿日: 2025.02.22
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    展開も早く、続きが気になる面白さ。色々な謎が解き明かされ、その内容に驚かされた。ぜひ映像化を希望します。

    10
    投稿日: 2025.02.17
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     途中、難しい言葉や例えが多くて、挫折しそうになったが、なんとか最後まで読み切った。どうせ、朱せん基が目的を達成して、四人の結束が強くなりめでたしでしょう?などと想像していたが、ラストの展開は、衝撃だった。  また、殉葬というしきたりやそれに対する著者の思いを知ることができ、読んだ甲斐があったと思った。

    19
    投稿日: 2025.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『Ⅰ凶兆』に続く下巻。やはり地理などがわからず、Ⅰに続いて詳細は飛ばして約12時間で一気読み。冒険譚に最後はミステリー要素を入れて締めくくられました。期待通りの面白さでした。 Ⅰで気になっていたことが明らかになります。そして敵が…  こんな展開ありなん?→なんでもありです! 朱瞻基のピンチの脱出の仕方に涙しそうになり、呉定縁の大胆な作戦にスカッとし、病仏敵を『行け、やってまえ!』と心から応援し、昨葉何が自分のあるべき場所を見つけたことに感動しました。 そして時間がなく逼迫した場面で登場する新キャラ・阮安に苦笑。 唐賽児、漢王、周徳文、海寿なども、敵も味方もサブキャラも全部面白い。登場人物全員が苦しみながらも熱く生きていて、読んでいる私も熱くなりました。 中国の歴史ものを読むのは初めてだったけれども、ほんと読んで良かった。蘇荊渓が昨葉何のために暗誦した崔融の「瓦松賦」の一節は何度も読み返しました。出てくる他の詩の意味ももっと知りたいなぁと思いました。 映像化して欲しいです。

    36
    投稿日: 2025.02.06
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    全てにおいて素晴らしかった! 上下巻あわせて圧巻の960頁! 小説におけるエンターテインメントの要素を全て備えており、物語完結までダレることなく持っていきます。 そして、北京到着後から始まる壮絶なミステリーも繰り出し、ハヤカワミステリー史上!?最高のフィナーレによってこの長い物語の幕が閉じます。 凄いな〰華文娯楽小説!!! あっぱれ〰!華文❢

    25
    投稿日: 2025.01.31
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    ピンチに次ぐピンチ。というか、ずーっと生きるか死ぬかの大大大ピンチの連続。ハラハラし通しの冒険活劇。上下2冊でボリュームたっぷりだったが、楽しく読み切った。ミステリー的な要素もあり、奥も深い。ちょいちょい中国の古い文書が引用されていて、私には理解できないので読み飛ばしたが、それでもちゃんと面白かった。 作者の気持ちの発露であると思われる蘇荊渓の悲痛な叫びは、読後も胸に残る。

    1
    投稿日: 2025.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国、明朝4代皇帝治世の時代、首都を北京から南京に遷都することを計画した皇帝はその先ぶれとして皇太子を南京に派遣する。皇太子朱瞻基は南京到着すぐに御座船を爆破され命を狙われる。 白蓮教徒、遷都反対派、行程の座を狙う派閥が入り組みあって、朱瞻基の命を狙う。彼は皇帝皇后の命も狙われると知り、南京から北京への逃避行を試みる。仲間は若いくせに理想を追い続けるお堅い官僚于謙、酒浸りのやさぐれ捕縛人呉定縁、謎多き美人の女医蘇荊渓。 次々に襲い来る絶体絶命の危機、彼らは無事に北京にたどり着き陰謀を防げるのか? とこんな筋書きなんだが、とにかく長い!そういえば初めて完訳版の西遊記を読んだ時も長いと感じたが、中国の良質な歴史冒険小説ってのは特有の長さがあるなぁ。漢詩や四書五経を引用したり、仏典を引用したり…そういうとこも似てる。 その長さと飽きてくるくらいの危機の到来とご都合主義的に助かる展開に「これはちょっと期待外れ」と思いかけてたのだが… 最後の最後のどんでん返しが圧巻。力任せの感はあるものの、この結末は予想できなかった。歴史を覆すことはできないのが歴史小説の縛りなんだが、その中では最大限のどんでん返しではないだろうか? 大変だろうけど(笑)是非最後まで読んで欲しい。でないとこの本の醍醐味は味わえないぞ

    2
    投稿日: 2025.01.22
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    拉致された呉定縁を救うため、決断する太子。一方で自分の出自について知らされる呉定縁。タイムリミットを前にして、事態はますます複雑に、そして盛り上がりも加速します。 ここに来て予想外の展開に衝撃。いやまさか、あの人が味方に付くとか。頼もしすぎるでしょうよ!!! まだまだ次々と危機は襲い掛かり、謀略の大本は見えてきたものの、それでもスリルは減じることがありません。ひそかに蘇荊渓を間にしての太子と呉定縁の関係がどうなるのかにもどきどきしちゃいますしねえ。 あとは多くを語らず、とにかく読めとしか。すべてがまとまり大団円、に思えたところでまだけっこう残りページがあるんだけど? というのにもどきどきさせられます。その後の展開ももちろん目が離せませんよ。ここに至って、これは冒険サスペンスであるけれどミステリでもあったのだな、と実感。 全てのキャラクターが魅力的なのも、読み進めるうえで重要なポイントでした。数々の敵方キャラも魅力的なんだよね。やはり梁興甫のインパクトは最強。まるっきり化物じゃないか、と思えますが、少し人間らしいところも見えると切なくなります。そして地味に凄まじく思ったのが靳栄。あれで生きてたのか、と梁興甫以上にびっくりしましたよ。

    2
    投稿日: 2024.12.28
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    両京十五日の下巻。馬伯庸氏の作品はドラマで2本見ていますが、面白さは折り紙つき。スケールが大きく、テンポがいい。畳みかけるような続く絶体絶命シーンの連続は、中華版インディジョーンズのよう。冒険活劇&ミステリー。大運河でのバトルや追跡劇が今回の売りですが、これだと映像化は難しいのかしら。魅力的なキャラは白蓮教のメンバーでした。幾多の苦難を乗り越えたのだから、ハッピーエンドで読了したかった。宿縁解け難し、とか小難しさは要りません。

    9
    投稿日: 2024.11.21
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    ポケミスは、たまに化け物みたいな作品があるよなぁ。こちらもモンスター級に面白かった。 梁興甫の物語も大変に悲しい。 解説にあるように、冒険小説としてのクライマックスの後に、ミステリのクライマックスが控えている。 なぜ謎解きが、朱セン基が皇帝になった後でなければならなかったのか。 一分の隙もない、スゴイ作品。

    1
    投稿日: 2024.10.05
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    第二巻も509ページで二段組みの厚さであるが、やはり面白くて先を読みたくてページをくる手が止まらない。皇太子の朱瞻基(しゅせんき)達が乗る進鮮船は一路北京を目指して運河を進む。淮安から兗州に入って船の進む具合が遅くなった。土地の形が弓反りになっていて川の水を多くの水門を使ってうまく流すようにしているため度々の水門で止められてしまうという。皇太子が運河の仕組みに興味を持ってくれたことは于謙にとって嬉しいことだった。さて期限までに北京に到着できるであろうか…。思いもしない出来事が起き、なんと太子と呉定縁との縁は切れずに悪縁となるのか?

    2
    投稿日: 2024.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・あらすじ 梁興甫によって連れ去られた呉定縁を救出するべく朱瞻基と蘇荊渓は斉南城、于謙は朱瞻基の叔父である張泉に援軍を求めるため臨清へと向かう。 白蓮教徒に捕えられた呉定縁は仏母から衝撃的な事実をしらされる。 朱瞻基、呉定縁、蘇荊渓の三人に絡まる因果の糸と十五日の旅の結末。 ・感想 幾度も危機を乗り越えてきた三人の結末がこれなのか…。 こういうのめっちゃ好き。読み終わった後とても切なくてやりきれない思いになった。 三人ともひとりひとり「人間」同士なら或いは違う結末もあったかもだけど、でも朱瞻基は「皇帝」になってしまったからもう三人の道は永遠に交われなくなってしまった。 それぞれの信念、立場、断ち切れ無い呪いの様な因果によって始まって、そして終わった旅だった。 ただの一族の殺し合いに過ぎないのに、争うものが「皇帝」というだけでこんなにも甚大な影響を及ぼしてしまう。 1日を生き延びる事に必死な下々の民には全く関係ないのに犠牲になるのは結局そういう民なんだよね。 外野からすれば傍迷惑な話でしかないわぁ。 でも立場や権力にはさまざまな思惑や利益、忠義や歴史など人を縛り付けて手放せないものが絡まってくるからね…。 白蓮教の言い分、そして悪役の漢王とその息子である朱瞻域の気持ちも分かってしまう。 最後はちょっと漢王に同情しちゃったし。 梁興甫の最期なんてちょっと泣きそうになってしまった。 本当にどのキャラクターも本当に魅力的だった。 朱瞻基は孤独な人だ。壊れてしまった香炉を作り直してきっと何かある度にあの旅を思い出すんだろう。 辛く悲しい結末だったけど、彼がひとりの人間として過ごすことができた大事な日々。 呉定縁と蘇荊渓。 いやもうこの2人が最高に良かった!!! 荊渓に定縁が居てくれて良かったなぁ…なんか呉定縁に感謝したいよ。 荊渓を一人にしないでくれてありがとな。 あのどっちとも取れるラストも良かった。 あの陵墓でのシーンは今後何度も読み返してしまいそう。 蘇荊渓の身を切るような慟哭と呉定縁の覚悟。 朱瞻基に向かって「お前は朋友だけど何百万の兵がいる。荊渓には俺一人だ。俺は荊渓と最後まで一緒に行く」というセリフに呉定縁!最高!!!ってなった。 でも朱瞻基にも部下は沢山居ても朋友は呉定縁ただ一人だったと思うから…辛いね。 最後に見せた微笑みで荊渓の呪いも解かれたんだと思いたい。 私が二次創作書きだったら定荊転生パロで二次創作してるわ〜。 于謙は後半脇役になっちゃったかな。口うるさくて真面目な于謙が好きだった。 作葉何もとっっっても魅力的で好きなキャラクター。 しなやかな強さを持った凛とした人だった。 中国の作品は三体と天官至福しか読んだ事ないけど慣れない人名、地名などに加えて故事成語が頻出したり知らない語句や漢字も沢山あったのにすごく読みやすかった。 わからない漢字や語句の意味などを調べてノートに書きつける語句帳というもの作ってるけどこの作品だけで数ページ使ってしまったw すごく好きな文体だったし、翻訳日本語の美しさ?を感じる訳でした。 きっと中国の風習などに詳しかったらより深く物語を理解できるのだろうけど、冒険小説として娯楽で十分楽しめる絶妙さ。 とっても面白かったーーー!!

    5
    投稿日: 2024.09.11
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    おっと、いきなり前編までの物語世界が裏返ったような感覚に捕らわれた。 歴史(故事)があって、詩があって、三国志が好きな人は気に入るんじゃないかな。

    1
    投稿日: 2024.09.03
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    上下巻だけど一気に読んだので、面白かったのだと思う。 歴史的な事実とフィクションがあるのだろうけど、中国史に詳しく無いので、登場人物の会話に使われる故事も楽しめた。日本漫画の影響、ハリウッド映画の映画を受けてそうなところが面白いのだけど、ちょっと深みが無いかなあ。

    19
    投稿日: 2024.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとか読み終わった。 うけん視点パートが少なめになったせいか、引用も少なくなった感触。 北京について、ハイ終わり、じゃなくて、その後の謎の解き明かしもあって面白かった。画面映えしそうな描写がいっぱい。 漢王の次男と五男とか。 香炉の破片とか火事とか。 内容と関係ないけど、中国語読みの名前で良いんじゃないかな?と思った。三國志などで、日本語読みに慣れちゃってるけど、中華BLだと中国語読みになってるし。三体では両方明記されてたし。中国語読みは慣れないけど、日本語読みしたって、日本でしか通じないから、やっぱ名前の読みは原語のままが良いなと感じた。

    3
    投稿日: 2024.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1巻で得体のしれない敵だった白蓮教が頼るべき味方になるなど、展開にワクワクが止まらない。数々の困難を乗り越えて、朱瞻基が北京に到着し漢王の策略を打ち破ってハッピーエンド、かと思いきやラストでこれまでの謎が全て回収される。15日間の旅をしてきた仲間たちとの結末がこれか、と切ない気分にもなったが、後書きを読んで作者が描きたかったテーマがこれなんだとわかった。 大長編だが読み終わるのが勿体なくなった、大傑作の冒険譚!

    3
    投稿日: 2024.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国の長い歴史の中の明という時代、その中の実在する五代 宣徳帝の皇太子時代〜の たった十五日間の冒険 なのにこんなに 激しく長く感じられる 誰が味方か敵なのか、読み進めるうちに驚きの連続 読む方も 登場人物と共に何度も溺れかけたようだ  そしてまさかまさか!のどんでん返しも

    9
    投稿日: 2024.06.12
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     題名にある「両京」とは、北京と南京のことである。時代は明、約600年ほど前のことである。明の初代皇帝は都を南京においた。そして第3代皇帝は、北京に遷都した。  しかし第4代皇帝(本書の時代)は、南京に再遷都を考えていた。そこで皇帝は、皇太子を南京に派遣する。皇太子は南京の到着するが、乗っていた船が粉々に爆破される。九死に一生を得た皇太子は、ひねくれ者の捕吏(いまでいう刑事)に救出される。その頃、北京では皇帝が人事不省となる事態に陥っていた。  これらは、皇位簒奪を狙う何者かの仕業か。皇太子はこれを阻止すべく、15日以内に北京へ戻らなければならない。しかし、陰謀と裏切りのなかで、誰か味方で誰が敵か全くわからない。信頼できるのは、例の捕吏と生真面目で頭の切れる下級役人。そして、矢傷を負った皇太子を成り行きで助け、彼らと同行することになった女医(美人)の3名。彼らは無事北京へ到着することができるのか?  A地点からB地点まで期間内に移動しなければならない。行く手にが数々の困難が待ち受けている。これは、まさに冒険小説の王道を行くストーリー展開ですね。しかも、捕吏と女医はそれぞれにいわくありげの様子。最後にどんでん返しというか、驚愕の展開が…

    55
    投稿日: 2024.06.10
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    前作『凶兆』編の終盤、呉定縁が白蓮教徒の梁興甫に捕まり“旅の仲間”は離れ離れに……。 そしていよいよ京城へ。 呉定縁、蘇荊渓、于謙の運命は 朱瞻基は生きて京城へ入城できるのか? 中国に現存している歴史的建造物や文化風習の多くは明・清の時代のものである。 にもかかわらず、明朝はあまり物語の舞台には登場しない(明末清初は別)。 巻末には、舞台となった明朝初期の歴史解説が、作家本人により記されてる。登場する人物はかなりの割合で実在(作者の創作では無いということ)しているようで、この時代のことが少し垣間見えた。 それにしても、出来上がった物語は随分と“冒険活劇”で、ドンデン返しの連続だった。 ただ、それがかえってマンネリ気味になったのが少しだけ残念でした。

    6
    投稿日: 2024.05.25
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    前篇の『Ⅰ:凶兆』とくらべて没入感が減ったかな。 まったく関係のない対比だが『三体Ⅲ』の読後感と似ているような消化不良。 期待感が絶頂になったホラ話の収束には少々不満かな。諸手をあげて称賛している書評家の意見には同意しない。

    0
    投稿日: 2024.05.18
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    10連休だとー!ふざけやがってヽ(`Д´#)ノ こちとら休みなしだわ! むしろ普通の日より忙しかったわ! もういいわ、言い訳は聞きたくないです 10連休の人は全員並んでください 順番にビンタします(暴君誕生) というわけで、読書の時間が取れんくて、めっちゃ面白かったけど遅々として進まず時間かかってしもうた いやー、いいね やっぱり中国の時代小説おもろいわー ポケミス記念すべき2000番の節目に選ばれただけはありますよ! そしてこの微妙に漢文チックな訳文が素晴らしいのよ この文章でこの疾走感、只者じゃないですよ あ、中身ね 冒険小説を読んでる時のクライマックスってさ、やっぱりあの瞬間よね 色々あったけど無事にことを成し遂げ、めでたしめでたしの大団円!みんなお疲れ!良かったね〜 しあわせになってね〜 ふぅ〜面白かったな〜〜〜 Σ(゚Д゚) え?めっちゃページ残ってるんだけど!なんで?!←ここ いや〜この大々冒険活劇の裏にそんな恩讐が隠されたいたのかー 全くなんてこった! とりあえず明の皇帝ね 洪武帝、建文帝、永楽帝、康煕帝はそこに並びなさい!順番にビンタや!ヽ(`Д´#)ノ

    65
    投稿日: 2024.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    馬伯庸の初翻訳作品。記念すべきポケミス2000番と2001番。 1400年代の中国、明時代が舞台。 大皇帝の永楽帝を祖父に待つ朱瞻基、切れ者の不良警官である呉定縁、才能はあるが運がない下級役人の于謙、秘密を抱えた女医の蘇荊渓。この四人が導かれて出会い、南京から北京へと向かう。 現皇帝と皇太子を狙ったテロ、暗躍する教団、絶望感を抱くほどの狂敵、それぞれの隠された過去、旅を通しての成長等、これでもかというほど様々な要素を盛り込んだ超弩級のエンタメ小説。ポケミス上下巻で非常に長い作品だが、飽きさせない展開で読ませる。 個人的には、最後の謎と展開は意外性はあったものの、もう少し爽やかな感じでも良かったかなと。逆に、下巻冒頭の展開は非常に熱く良かった。最狂の敵が味方になると、ここまで頼もしいのかと。ヤバイ奴だとはわかっているものの、その最期が無性に泣ける。 冒険小説としては近年稀に見る大作ではないだろうか。おすすめ。

    16
    投稿日: 2024.05.03
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    後編は金陵から北平を目指す怒涛の展開。もう何でもアリの大スペクタル。敵対する白蓮教の護法の梁興甫の異常な程の強さと昨葉何の賢さ等キャラクターが際立っていてまさに映画を観てる様。 私的には前編の方がまとまっていて好きだった。

    13
    投稿日: 2024.04.22
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    京城への途上中間から入城後まで。大満足で読了。ただ没入度は前半の方があったかな。 キャラクターもみな丁寧に描かれていて、物語の進行につれ変化もある。後世の史書に賢帝と書いてほしいが為に頑張る太子は物語とともに成長していくし、道中を阻む悪役巨漢梁興甫は変態といわれながらも、いつのまにか頼もしい助っ人に立場が変わり、危急の場面に登場するとほっとしたり。梁興甫はお気に入り。 最後の最後に明かされたテーマの一つの核心が心に残った。

    4
    投稿日: 2024.04.21
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    壮大な仕掛け、ジェットコースター的事件の連続。それで史実と矛盾していない。登場人物達のキャラクターがまた一人ずついい。 前半の最大のテーマは南京への再遷都と大運河であった。。後半の後半に明らかになる最大のテーマは殉死であろうか。もっと詳細眼科多く語られてもいい話だろう。

    4
    投稿日: 2024.04.17
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    SL 2024.4.9-2024.4.12 下巻は何でもありの怒涛の展開。 敵方も含めてその背景を丁寧に描き出しているところもいい。 終盤は思いもよらない方向に話が転がり、やや戸惑いもあったけど、作者による解説を読んで、そこに作者の誠意を見た気がした。 それにしても一大巨編。小説、物語の面白さが詰まった作品でした。

    3
    投稿日: 2024.04.12
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    鬼★5 今年イチ推しの超ドエンタメ歴史冒険小説、人の絆と運命にもまれる彼らに胸アツ! #両京十五日 以前のレビューは上巻にて https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4150020000 ■愛着わきわきのキャラクターたち こんなキャラクター陣をだされたら絶対面白いでしょ。もはや友達くらい愛着が湧いてしまって、一緒にご飯を食べたくなっちゃっいました。 〇朱瞻基(しゅせんき) 明の第5代皇帝である実在の人物、本作では皇太子時代。 国のトップがいかに大変か分かりますね、むしろ可哀想そすぎる。しかしこれまで世間知らずだった彼が、この旅で市井の民たちの現実や、地方高官たちの横柄ぶりを知ることになる。彼の成長ぶりが見所で、終盤には男前になっていてカッコイイ! 〇于謙(うけん) 明時代の実在の人物、政治家。本作では官僚時代。 皇太子朱瞻基との会話が超面白い、まさに思想の強い政治家とお堅い官僚のやりとりで、失礼ながら笑ってしまう。終盤、自身の立場もありながら友情を重んじた場面にホロリ… 彼もまたこの旅で一皮むけましたね。 〇呉定縁(ごていえん) 金陵(現在の南京)の警察官、いつも酒に溺れている落ちこぼれ。 もう一人の主人公ともいえる彼。あまり詳しく語りたくないので、ぜひ読んで彼の人生を体験して欲しい。ただ何度も死線を越えていく様に何度も胸を打たれのは間違いないし、悩みや苦しみ、悶絶ぶりがホントよくわかるの。 〇蘇荊渓(そけいけい) 皇太子朱瞻基の担当医、たぶん美人。 薬や医療の知識を持つ、頭脳明晰なお医者さん。最初はツンとしてますが、実は優しい…これは男なら惚れる、ヤバい。彼女も何度も危機に見舞われますが、静かな覚悟がエグくて愛せる。 〇梁興甫(りょうこうほ) 馬鹿力の大男、白蓮教徒の一員。 まさにバーサーカー、闘いだしたら死ぬまで止まらない。しかも意思が明確というのがタチが悪く、敵に回したら超怖い相手。ただ彼の闘いっぷりは読み手を熱くさせるし、物語をドエンタメにしてくれる名脇役でしたね。 〇昨葉何(さくようか) 本作イチ推しキャラ、大好き!いつも団子やお菓子を食べてるキュートな女子、しかし仏教結社である白蓮教徒たちのブレーン。 世間を舐めてるようなギャルっぽさ満載な素振りをするのに、実は行動力があって、抜群に頭が切れる。カッコイイ…これは惚れる(惚れてばっかり)。いつの世も男どもは力や欲をふりかざすばっかりで、難局を切り開けるのは、しっかり者の女性だと思うわ。 他にもいいキャラがいっぱい出てくるんですが、推したいのは高官や王族ではなく一般の街の人々。その日その場所をただ懸命に生きていて、困った人がいたら助けてあげられる。そんな人に私もなりたい。 ■ぜっさん推しポイント ここまでたくさん語ってきましたが、ひとことも触れていない重要なテーマがあります。本作は歴史大冒険小説ではありますが、終盤にこの物語はどう帰結するのか。そして、ひとりひとりの未来は… いつも知らなかったことを教えてくれる読書体験、本当にあった史実…またひとつ勉強になりました。約600年前の出来事を思いながら、春の光が差し込む中、ひとり祈らせてもらいました。

    81
    投稿日: 2024.03.31