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冬に子供が生まれる
冬に子供が生まれる
佐藤正午/小学館
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総合評価

85件)
3.2
13
21
21
17
6
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    10代のころ、大きな事故から奇跡的に生還した「UFOの子供たち」。40歳を前にした彼らの記憶を紐解いていく物語りだったと思います。人の記憶の不確かさについて考えさせられる内容だと感じました。秘密が明かされていく様子に読み進めされましたが、私としては何のための秘密なのか、秘密のための秘密のようでそこまで共感できないように感じました。星2つの評価としました。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    おもしろかった と同時に訳のわからない本だなとも思った。 結局、何が起こったのかはっきりと買いてはいないし、数学の先生はどうして杉森さんに執着していたのか分からないし、亡くなったライターの娘さんも何を求めていたのかわからない。 という、主要でない登場人物のことも気になるし。 主人公レベルのマルセイとマルユウに何が起きたのかも想像するしかないし、マルセイが倒した悪がなんだったのかもぼんやりとしかわからない。 でも私はそういった箇所を自分の頭で穴埋めしながら、想像しながら読むのが楽しかった。 想像する余地がたくさんあることでこの作品はより一層面白いものとなっているし、その余白が好きではない人にとっては消化不良の物語になるのではないかと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    2025.5.1 文章が合わなかったのか読み進めるのに時間がかかった。 最初から最後まで話の本質がぼやけていたように思えたし、重要な出来事もファンタジーだった。

    0
    投稿日: 2025.05.28
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    むちゃくちゃ面白い。ミステリーホラーなのかな? かつてUFOに出会った子どもたちが大人になって覚える違和感。中心をあえて外して周りをぐるぐるしていく不安感、一人称がブレるような仕掛け、集中が途切れる瞬間が主人公たちの追体験な風もあり……。好き。

    0
    投稿日: 2025.05.04
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    途中で断念。 丸田優と丸田誠一郎という二人の話で、紛らわしい話の展開に読み進めるのに苦労するようになり、途中で断念しました。記録として残します。

    2
    投稿日: 2025.05.04
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    ※ 初めての佐藤正午さん。 登場人物達は、古い記憶に誤認が起こって マルセイとマルユウがごっちゃなってしまうけど、 彼ら以上に読んでいて混乱してしまった。 誰視点の語りなのか定まらず、 人物軸が混線してしまいついていけなくなった。 あと2〜3回読めば、面白さに気づけるのかな。 描写の細かさも語り口も独特で 自分には少しハードルが高目の本でした。 いつかまた、トライしたいです。

    6
    投稿日: 2025.05.02
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    この小説はミステリーでもあり SFでもあり一つの長い人生の記憶でもある。 マルセイとマルユウの交差した人生は 人の記憶の曖昧さと、この世の不思議 を同じく交差させた人生だった。 人生全てがifの世界であり、人はいつも その事を考えずにはいられない。 肉体は無くなっても魂は何処かにあると 信じたい。

    0
    投稿日: 2025.05.02
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    人生の記憶、人々の記憶、あいまいさで満ちているこの世界、何が正しいのか分からなくなることも多々ある。 人々が感じているこの世界の不思議さや、儚さを、見事に面白く小説にしてしまったような。 読んでいる間中、2人の少年を混同し、分からなくなってしまう。 最愛に人たちを亡くした者たちの後悔や、寂しさが痛烈に響き、考え込んでしまう。 静かな夜に読み終え、この作品を反芻するひとときがずっと続いてほしいと願う。

    10
    投稿日: 2025.04.09
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    佐藤正午のお話は、純文学とミステリーの間くらいにいつも感じます。ちょっと不思議不合理。けれど純文学よりは腑に落ちる 要はこれもどんどん読み進めてしまいました

    0
    投稿日: 2025.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    マルセイとマルユウという親友が事故により人生が変わっていく。いろんな視点で話が展開し、パラレルワールド?みたいなSF感もでて最後はよく分からない感じだった。わかる人教えて

    47
    投稿日: 2025.02.15
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    タイトルの不気味さに惹かれて読み始めた。 よくわからない話なのに途中まではスイスイ読めた。 SFっぽい話と分かってからは、 解けない謎を、どうにか解こうとする登場人物たちが好きになれず、最後まで謎の答えは、おそらく読者に委ねられ、すっきりしない読後感だった。 自分は何も悪くないのに愚痴を聞かされているような気分だった。 真相がわからない、解けない謎なら、それなりにもう少しドキドキする展開が欲しかった。そういう話じゃないのかもしれないけど。

    0
    投稿日: 2025.02.07
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    ある夏、丸田君のスマホに届いた「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」というメッセージ。 心当たりはないものの、それをきっかけに、彼は遠い記憶の中から失った過去を少しずつ取り戻してゆく。 第三者である語り手(これもまた物語のキーになります)により明らかになる過去の不思議な事件。 丸田君そして周囲の人達はどう受け止め、未来へつなげてゆくのか。。。 なにか長い旅をしたような気分です。 二人の丸田君が作り出す混沌とした世界観と、困惑する登場人物たちに読者が巻き込まれるような形で物語が進んでゆきます。 好き嫌いが分かれそうですが、自分はとても好きな作品です。 直木賞受賞第1作まで7年とは、なかなか時間をかけましたね。

    18
    投稿日: 2025.01.18
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    前作に引き続きライトな超常現象もの。SFが絡むと少し醒めてしまう。時系列がバラバラで進み徐々に内容が明らかになっていくのは佐藤さんらしい。中盤までは先をどんどん読み進めたくなるような展開が乏しいと感じたが、最終盤の引き込むように読ませる力は流石だと思いました。

    5
    投稿日: 2025.01.14
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    丸田君、マルユウ、マルセイ。今誰の話をしているのか?ある事件で二人は入れ替わったような、そうでないような。 文学的に深読みすれば新たな発見もありそうだが、途中なかなかページは進まず、自分にはその奥深さは読み取るだけの技量はなかったです。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」 こんな気になるオープニング、この始まりで充分星5つ、そのまま一気読み。 最後まで読んで、、、期待した着地とは結構違って、最後の方は星3つくらい。 うーん、先生がこんなに前面に出なきゃダメ?? 私は、4人の同級生たちの物語をもっと読みたかったよーーー。 まぁ、こんな本もあり、でもちろんいいんだけどね。 (いや、でも未消化、、、、)

    7
    投稿日: 2024.12.25
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    難易度が高く、冬のこたつで読むにはどうにも睡魔が勝り、他の方の感想によると最後もはっきりしないような様子なので久々の積読入り(・_・; マルセイとマルユウ、、、

    0
    投稿日: 2024.12.18
  • 記憶と身体の齟齬がテーマ

    読者に相応の読解力が求められる本。 あと、忍耐力も。 例えば、高校の同窓生との会話。 彼は共通の友人の渾名を間違って記憶しているが、どうせ無駄だと訂正もせず会話が進行する。 読者はこの会話中の誤解を脳内で変換しながら咀嚼しなければならない。 さらに語り手の問題。 この小説中に唯一「私」と出てくるし、語り手は湊先生なのだろうと見当つけて読んでみるがどうもしっくり来ない。 例えば、自身が脳梗塞に襲われる場面では、自分のことを「先生」と呼び、奥さんは「妻」とする。 マルユウが実家に戻る場面では、「丸田君」と「父」という具合に。 一人称とも三人称とも読める曖昧な視点は意図したものなのだろうが、果たしてどのような計算に基づくものなのか。 湊先生が脳梗塞の前兆現象を感じる場面の文章が素晴らしい。 そのあと、マルセイが駆けつけ不思議な力で先生を癒し、思念の伝達のみで会話を続ける場面も。 周りでは微かにパクチーの匂いのする霧が漂い、手のひらの温もりが瞼から喉、肩へと移っていく。 意識は混濁状態にも関わらず、徐々に不安が減じ、外の雨音まで聞こえるようになる。 痺れから声にもならない状態で、思念のみの会話をどう成立させ、文章にするのか。 相変わらず凄いなと感心したし、この場面だけでも小説の元をとったような気持ちになる。 この場面では、本書のキーとなる重要な事実も明かされる。 考えてみるとずいぶんと風変わりな物語だ。 読者は何となく過去の天神山の出来事の謎を解くのは、東京から来た雑誌記者なのだろうと思う。 だけど実際には二人の先生である。 それに謎も最終的に明らかにはならない。 天神山での事故の際、三人は何を経験したのか? マルユウに痣の転移は起こったのか? マルユウと佐渡君にも特殊能力があるのか? マルセイはなぜあんな死に方をしたのか? N先生はなぜ行方不明になったのか? 杉森のお腹にいる赤ちゃんの父親は誰なのか? これらはすべては曖昧なまま終わらせているので、あとは読者の想像に委ねることに。 ただ本書の主題は、入れ替わり体験が中心ではないことは確か。 本人も認めている通り、その入れ替わりは部分的であり、全般的なものではない。 「自分がしたはずのことに自分で実感が持てないとか、自分がした覚えのないことの記憶が残っているとか」や、「全部が全部じゃなくても、記憶の半分くらいが混ざり合ってしまった」とあるように、ある人の記憶の中に、自分じゃない人間のしたことや望みが混じってしまった時、人はどのようになるのかがテーマである。 これは、記憶の一貫性や、記憶と身体の齟齬の問題に関わり、別に宇宙船に出会わなくても起こりうる普遍的なテーマでもある。 おばあさんが孫に囲まれ、それぞれに愛情を感じつつ、自分の親族だという実感を伴わない時、あるいは自分の記憶の中に誰か他人の思い出が混じっているように感じられる時、もっと平易に言い換えれば、自分が自身の人生を生きている実感を感じられない時の様々な情景を映し出した作品なのではないか。 各章の冒頭は著者らしい独特のリズムがある。 「その年の七月、七月の雨の夜、」、 「八月、八月初旬、八月初旬の炎天下の午後、」、 「九月、九月に入ったある月曜の朝、」というふうに。 最後の杉森先生がマルユウに諭す"夫婦の心得"もいいな。 大事な話をすることが"夫婦の大事"ではない。 「いちばん大事なのは、小さくて平凡な話をすること。何年も何十年も、倦まずに小さな話を続けること。だから覚悟しなさい。きみが仮にジェダイのフォースパワーの使い手だとしても、そんなものは夫婦の間では何の頼りにもならない」

    0
    投稿日: 2024.12.18
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    子どもの頃にUFOを見た3人の男の子… 不思議なできごとの真相を知りたいと、読みながら一緒に追いかけていたはずが、するりするりと視点が変わり彼や彼女らの心のうちを知るほどに、真相なぞどうでもよいという気持ちになってくる。 生きていくってこんなに曖昧で、記憶も自身の存在も。 そんななか、みんなよく生き続けているよ、えらいことだよ。と周りを見渡して思う。

    2
    投稿日: 2024.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤正午、昔けっこう読んでいたような気がしたんだけれど、こんな風だっけ? とにかく読みにくい。 これ、誰が書いてる文章なの?って感じの文章で、もちろんそこも狙ってのことで、この読みにくさ、2人の区別のつけにくさ、あいまいさ、すべてがワザとそうして書いているんだろうけれど、読む方としては面倒くさいことこの上ない。 マルセイが屋上から転落死した理由も分からないし、 N先生の悪事(たぶん)も明確には分からないし、どうやって成敗したのかも分からない。 最後も消化不良だなぁ。 不思議系の話、ファンタジーでもSFでもいいけれど、最後にはカタルシスが得られるような、そんな話が好き。これはなんだかもやもやしたまま。

    2
    投稿日: 2024.12.03
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    そんなに佐藤正午さんの作品をたくさん読んでいるわけではないけど、きっとこれが佐藤正午ワールドなんだろうなぁと感じた。 心がざわつくような、煙に巻かれているようなところから、読み進めていくうちに少しずつ登場人物の思いや状況の解像度が上がっていく感じ。 私たちは、家族とか近しい人みんなと必ずしもお互いに解りあえるわけじゃない。 かといって一人で生きていけるわけでもない。 そんな私たちに、しんどいけどしょうがないよね、やっていくしかないよねって言いながらそばにいてくれる、そんな一冊だと感じた。

    2
    投稿日: 2024.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語終盤で、既に亡くなっているマルセイが今しがた書き残したとしか思えないメモを手にした湊先生が「なぜこれだけなんだ。なぜこんな愚にもつかぬことしか書けないんだ〜わたしに伝えることならもっと他にあるだろう。きみの肉体はすでに火葬に付され、遺骨は墓に納められたというのに、それなのにわたしの腰の心配などしている場合か?だいいちきみはどこにいるんだ。〜パラレルワールドか。遠い宇宙の星か。肉体は死んでも魂としてそこらを浮遊しているのか。」と涙にくれるところで漸く本作はマルユウ、マルセイが宇宙人に攫われたかはともかく、オカルティックな不思議体験をした物語だったのだ、と理解、判断できる構成。 兎に角、この終盤まで、マルユウとマルセイの入れ替わり?誰の話?先生ってどの先生?、などなど、わざとかもしれないが、??という描写が続き、読んでてしんどく、頑張って最後迄読んだ割にカタルシスなく終わり残念。

    0
    投稿日: 2024.11.27
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    なんとも、らしいのか? 佐藤正午、そういえばこういう語り口調で摩訶不思議な、結局なんだった?というような話なような… 好みが分かれるのかな? UFOを見た少年、マルユウとマルセイ、佐渡くん、杉森先生の子どもの真秀まほ、登場人物は少ないのだが誰の話?とこんがらがる。主語もないような、誰の語り口なのかすぐわからないのも紛らわしい。そういう手法なのだろうがなんとも… 冬に生まれる子どものことも結局なんだ? ??しか残らない。もうこの作家さんはいいかなー

    2
    投稿日: 2024.11.27
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    村上春樹に似せた細かい描写、が切り取られて出てきて設定がよくわからない。UFOとかフォースとか何?読むのが億劫。最後までなんだったのか分からずじまい。

    0
    投稿日: 2024.11.25
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    また、失敗した。 362ページも読んできて、最後の最後にこの先生がどうして、何もかもが悲しくて泣いているのか。成功すれば、その感情が理解できて自分も泣けていたのかもしれない…

    0
    投稿日: 2024.11.09
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    彼はこう思っていた。僕は大事なことを忘れているのかもしれない。何かとてつもなく大きな約束を果たさないまま生きているのかもしれない。漫然と、平気でいままで生きてきたのかもしれない。そしてそのせいできっと誰かに歯がゆい思いをさせている。失望させている。誰か、顔は見えないけれど、どこかにいるその誰かを、深く失望させている。 あの事故さえなければマルセイは有名バンドの一員になれたはずだと、同級生たちの噂話を認めさせたいのか。マルセイだけではなく、ほかの二人の未来も予定が狂って失敗だったと言わせたいのか。ではあの事故さえなければ、ひとは災難さえ避けて生きていれば、誰もが思い描いた未来をまるごと手にできるというのか十八蔵で予定していた未来を。 去年、きみに会って、実際に言葉で自分の思いを伝えるつもりでいました。あの事故の騒ぎが落ち着いたあと、連絡がついたらすぐに飛んでいって、もっとほかにもきみが望むことや、わたしにできることがあればそれもやるし、わたしにできることは全部やる、そう言おうと心に決めていました。 でも思い描いていた機会は、思い描いていたようには訪れませんでした。 「自分勝手な先生でコメン。でも、夫に早死にされた人生をもう一回生きたいとは思わないわ。夫に死なれた妻がつらいのは、独り言もそうだけど、なんてことない小さな話を聞いてくれる人がいなくなることなのよ。大事な人が亡くなって気づくのは、その人に言いたいことがもう言えないということ。今日一日の出先での出来事とか、もののはずみでよみがえった学生時代の思い出とか、伝えたくてももう伝えられないということ。宇宙人に愛された特別な子供の話とかじゃなくてね、ほんとにもっと平凡なこと、他人にはどうでもいいこと、たとえば若いときのわたしは真秀みたいに痩せてて、それから運動神経が良くて…」 「まあいいわ。とにかくそういう話ができなくなるのよ、先に夫に死なれると。ピンとこないでしょう?もっと大事な話をすることが夫婦の大事だと思うでしょう。でもそうじゃない。いちばん大事なのは、小さくて平凡な話をすること。何年も何十年も、まずに小さな話を続けること。だから覚悟しなさい。きみが仮にジェダイのフォースパワーの使い手だとしても、そんなものは夫婦の間では何の頼りにもならない。それはマルセイが証明したでしょう?きみにできるのは、せいいっぱい長生きして、真秀の話を聞くこと、そして自分も話すこと、平凡で小さな話を、来る日も来る日も。飛べるからって、決して飛ぼうなんて考えたりしちゃダメ。真秀とふたりで子供を育てると決めたのなら」

    0
    投稿日: 2024.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中から大混乱、マルユウとマルセイ?この独白は本当は誰なのか、など。わざとなんだろうけど混乱が収束するまではイラッとしてしまった。そして、UFOが思いがけず重要な要素だった。ムーを読んでいる人には、わかるわかる!という内容が後半増える。よくわからない記者とか失踪した元教師の行方だとか、回収されないエピソードもあるのだが、それでも最後の語り手である湊先生のエピソードは泣けた。会いたかったマルセイが応えてくれてよかったなぁ。 人生後半に訪れるであろう孤独との向き合い方とか夫婦の意味とか、個人的には本筋ではない文章が心に残った。もう一度読むともっと理解できるかもσ(^_^;)

    15
    投稿日: 2024.10.31
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    主語の混同、設定のややこしさから読みにく~~ て思いながら読んでたのに、最後にはなぜか涙。結局何だったの?と聞かれると答えられないし小説でも答えを描いてないけど、なんかそこがわたしは人生のままならなさ、説明の出来なさを感じて好きだった。 映画化もされた月の満ち欠けと比較して評価をつける感想文が多く見られるけどわたしはむしろこっちの方が読み応えがあって(大して知らないけど)佐藤さん作品ぽさというものに触れられた気がする

    11
    投稿日: 2024.10.16
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    何を書いてるのかよく分からなかった。 誰の語りなのか、よく分からず。 主語も入れ替わるのでピンとこない。 40ページくらいで断念・・・

    2
    投稿日: 2024.10.08
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    UFOに遭遇した子供3人の話。 有崎有吾さんの『地雷グリコ』を読んだ後だったからか、前半の80頁で挫折しそうになった。テンポの良い頭脳戦の後の、のんびりした思わせぶりな展開はつまらなく感じて、古くてダサい印象を受けた。 中盤から少し展開し出して、後半は佐藤さんらしいうるっとする内容で、良い読後感。 でもやっぱり、今っぽくない、一昔前の感じがした。 好きな作家さんだから期待度が高かったせいもあるかも…。

    2
    投稿日: 2024.10.06
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    これは本当に過去にあったことなのか それとも夢で見た出来事なのか 時々、自分の夢がリアルすぎて、パラレルワールドを生きてるんじゃないか、と思う時がある。 この小説を読んでると、その考えがずっと心を支配していた。

    2
    投稿日: 2024.10.06
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    佐藤正午節、大好きですが、最後まで難解すぎてよくわからなかった!誰か教えてください。 でも、湊先生が山に登りマルセイのメッセージを受け取ってから涙するくだりは、泣けました。

    0
    投稿日: 2024.10.05
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    感想をざっと見た限り、多くの人の評価の通り面白くなかった。 直木賞を受賞した「月の満ち欠け」が本当に面白く期待した分、残念。 まず、語り口が定まらない。今は誰が話しているのかわからないから視点がぐちゃぐちゃになる。これは直木賞受賞作家による高度な文体なんだよ、と説かれても読者は知ったことないし、なにより歩み寄りが感じられない。 そして、物語の根幹部分が最後まで明らかにならない。そりゃ読後に、誰かの考察記事でも解説動画でも見りゃ見落としてた部分がわかりすっきりするかもしれないが、小説単体で物語を明らかにしていくのが本来の取り組みだろうと思う。 「月の満ち欠け」は、世界の不思議さや人間の可笑しさや運命や愛といった抽象的事象が文字によってこんなにも鮮やかに伝わるのかと感動したのに、これは結局、誰かの妄想話に過ぎないというか精神世界を描きすぎてるというか、色々はっきりしないで終わる。 「月の満ち欠け」に作家の世界観の渾身の一撃を詰め込んでしまった故、残り火でこれが出来上がってしまったのではないかとすら思った。 また違う作品も読んでみようと思う。僕は駄作だと思ってるこの作品だが、彼の世界観を深く知ってもう一度読んでみたら、見えてくるものがあるかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.09.17
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    「冬に子供が生まれる」(佐藤正午)を読んだ。 
奇跡のような一冊。 
途中までは《これはちょっとしんどいな。肺腑を抉られる感じの物語なんだよ。マルセイの、マルユウの、真秀(まほ)の、胸の内を思うと、もう心が折れそうなくらいに辛い》という感じ。 
でも読み終わってたどり着いたそこには・・・。
 なんかとんでもないものを読んでしまったよ。 
傑作だと思うのは私だけではないと思う。

    5
    投稿日: 2024.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    7月、『月の満ち欠け』で受けたのを味を占め、またもや同じような名前(綽名)の登場人物を使って最初から最後までピントのぼけた写真のような物語。もう途中から何を訴えたいのかわからない時間の無駄な文字列を延々と読み続けて完読した7月中に間に合わなかった本。

    1
    投稿日: 2024.09.06
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    最後まで読んで、著者が言いたかったことは何となーくうっすら分かったんだけど、(本当に??) 設定をSFっぽい非現実的なものにしてしまったせいか、 文章も、シーンごとに誰視点なのか変わる場面も難解で、(内容は決して難しくない。) それぞれの言葉や場面の描写は頭に浮かぶが それまでの話の流れに結びつけることが難しく 自分としては 抽象画を見て、この作品の《テーマ》と《元になった被写体》を絵の解説を見ずに理解する に近い読後感だったかな。 好きな人は好きなんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2024.08.26
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    実際何が起こったのかは伏せられて、読者の想像の範囲になる。最後の最後に謎を秘めながら小説は終わる。 うーん。

    0
    投稿日: 2024.08.24
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    UFOを見たとされる3人の子供たちに起こるあるいは引き起こす超常現象など交えた作品。不思議な内容なので好みはそれぞれあると思う。個人的には配偶者を亡くした湊先生や杉森真秀の母親が、残された時間を一人で生きていく気持ちを切々と語る内容に共感した。大事な人が居る時間は幸せだけど、失ったときの虚無感と無為に感じる時間はしんどいなあと思った。

    2
    投稿日: 2024.07.19
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    「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」丸田くんは身に覚えのないメッセージを受け取り、しばし考えた後、かつての幼馴染に連絡を取った。 そこから始まる一連の出来事と、はるか昔に彼らの身に起きた出来事を起点に続いてきたことごとが、事実の不可思議さと記憶の不確かさとを撚り合わせるようねもどかしさで眼前に繰り広げられ、捕まえようとするほどにするりとすり抜けて遠のくようなもやもや感に終始包まれる。最後まで読んで、一応の理解が得られた心地にはなっても、何かはぐらかされているような心細さにつきまとわれているような気がするのがかえって現実というものなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    今は亡きリバーフェニックス君主演の「Stand by Me」と、大林監督による尾道3部作の一つ「転校生」を思い出させる内容でした(後者は、最近で言えば新開監督の「君の名は」でもいいですね、入れ替わり系!)。あと、もう一つ上げるとしたら「未知との遭遇」ですね! 結局、疑問に対する答えは語られないし、現実的でない出来事もなんら種明かしされないのですが、それはそれでよくて、なるほどこういう話か、という風に納得できる作品でした。 小学生や中学生の頃って、なんで”裏山”とかに登りたくなるのでしょうね。かくいう私も、小学校の裏にあった”潮山”に登った覚えがあるのですが、それが本当だったのかどうか記憶がぼろげになってしまっています。

    0
    投稿日: 2024.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人生で遭遇する謎のすべてが解明や伏線回収はされるわけではないし、なんなら解決した事柄なんてほぼ無くて、なにか不可解なことや理不尽なことが起きてもそれを抱えながらその後もそれぞれの人生を生きていくしかない、でも生きる為だけには生きることはできない人間という生き物の哀れさと愛おしさに対する賛歌に感じた。

    0
    投稿日: 2024.07.08
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    とても読みにくかった。話し言葉もまどろっこしくて、とにかく頭に入ってこなかった。 主人公が誰なのかもよくわからないし、マルセイ、マルユウというあだ名が似ているのが話のポイントなんだろうけど、読み手にとっても混乱する点だった。誰が何なのかよくわからないまま読み進めるのが苦痛で、途中とばしてしまった。 普段は、ん?と思った部分は戻って読み返すけど、読み返すことすらできなかった。久しぶりに出会った苦手な作品。

    3
    投稿日: 2024.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物の丸田くんは…湊先生が…佐渡君 といちいち敬称がつくことがわずらわしい。 誰の目線から語られているのかわかりにくか読みづらく感じた。 マルセイとマルユウという呼び名も最後までしっくりこず、2人が入れ替わりしていたことに対して佐渡君の存在は必要あるのか? なぜ湊先生はラストに号泣するのか? 「月の満ち欠け」の時空のねじれ感のある不思議な内容はとても面白かったが、この本は私では理解できなかった

    1
    投稿日: 2024.06.22
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    38歳の丸田優のスマホに「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」という起こり得るはずのないメッセージが届くところから物語が始まる。 登場人物たちの記憶が曖昧だったり、明確に語られなかったりして、最初はもやがかかったような感じだったが、読み進めるにつれて、登場人物たちの小学校や高校、大学の頃の過去の輪郭がだんだんはっきりしてきて、また、謎の語り手の正体も明らかになり、話に引き込まれていった。 ただ、最後はかなり尻切れとんぼな感じで、結局何だったの、という思いを拭えなかった。おそらく白黒はっきりさせないというところが著者の持ち味なのだろうが、自分はすっきりしない読後感だった。 また、オカルト要素も物語の重要な部分を占めているが、なんでもありみたいになってしまうので、個人的にはあまり好まない。 だが、本書を読んで、自分も小学校時代や高校時代、大学時代などの記憶が呼び起こされ、記憶というもののつかめそうではっきりとつかめないような曖昧さ、不思議さに思いを馳せることができたのは、よい読書体験だった。

    1
    投稿日: 2024.06.16
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    佐藤正午「冬に子供が生まれる」 提示される世界は最初から揺らいでるし語り手も誰なのか信用できるのかもわからないし、ミステリなのかファンタジーなのかなんなのか、どういうふうに読んだらいいか判らないまま進んでいって、中盤あたりでふと、これは人の一生についての話なのかと気づいた。佐藤正午だもん。不確かな記憶、埋もれた真実、憶測と誤解で作られた事実、人の一生なんてそんなものかもしれないし。 中心の4人を除くあらゆる人物が下衆で多くの人物が精神を病んでいる。取り巻く死。終盤に向かうにつれ、その不快で下世話な世界が急に瑞々しく透明になっていく。桜の木の下のラストシーンは圧巻。余韻よ。。

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    小学生の時に不思議な体験をした三人、佐渡理、マルセイ、マルユウは高校に入り別々の進路を歩んでいく。だがマルセイの謎の死とマルセイの真秀の妊娠により同級生達そして謎のライターが佐渡に近づき真相はどうなのかと詰め寄っていく。映画になりそうなお話しだった。

    0
    投稿日: 2024.06.04
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    本の雑誌で気になったのと、氏の久しぶりの著作ってことで、それなら読んでみましょ、と。SFなのか、ミステリとしての謎なのか、何だか落ち着かない雰囲気が終始漂う。それが緊張感として上手く作用していて、頁を繰る手が止まらなくなってしまう。皆まで描き切らないラストで、しばらく余韻に浸る。良い作品。

    0
    投稿日: 2024.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ぐいぐい来て先が気になって仕方なくなりつつ読んだ。面白かったけど最後が私には難しかった。はとげきの方が好きかな。

    0
    投稿日: 2024.05.30
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    謎めいた感じのストーリー展開、語り手の「私」が終盤までわからず、先が気になり一気に読んだ。 読了後の余韻もいい。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不思議な小説だった。 「僕は大事なことを忘れているかもしれない。〜そしてそのせいできっと誰かに歯がゆい思いをさせている。」p16 丸田君が自分の過去をうまく思い出せないように、登場人物の誰もが茫漠とした靄の中にいるようで掴みどころがない。 いっそすべて超常現象と言ってほしい。 大切な人に届かない手紙も、「おまえはいったいだれだ」p244 という父親の叫びも、母親の後悔も、教師の無力さも、何もかもUFOのせいですと言ってもらえたら、どんなに救いがあるか。 けれど、「不思議な出来事って〜手に取ってほらと見せられるようなものでもないです。たぶん普通の顔をしてもうそこにあるんですよ。」p354  どんなに言葉を尽くしても伝えきれない思い。理解されるはずもないと諦めている真実。他者に踏みこんでもらいたくない記憶。 人間は自分自身のことでさえも不確かだ。それでも誰かを理解したい、伝えたい、守りたい、と願うのもまた人間だ。 ラストの湊先生のとめどない涙は、そんな曖昧で不確かなすべての存在を「愚かしく悲し」p361 みながら、深く愛おしむ涙のように感じた。 朝日新聞  私の信頼する書評家、藤田香織さんによる紹介。

    3
    投稿日: 2024.05.15
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    結局何が言いたかったのか 何の話なのか 最後まで頑張って読んだけどUFOがどうとか… 理解の範疇を超えていた 一人称もコロコロ変わるし時間もやたら前後するし とにかく読みづらかった

    2
    投稿日: 2024.05.14
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    読み終わったあと、なんとも感想を言えない、そんな気持ちになりました。 スッキリしない、というか。 ファンタジー?ミステリー?? 小説の中の話だから、ファンタジーであろうとなんであろうと、気にしなくていいのですが。 子供たちの不思議な体験やそれを取り巻く親や関係者、その遺族たちの絡み合った感じ、なかなかに不思議な話。でも読んでよかったとは思います。

    2
    投稿日: 2024.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題材  超常現象 テーマ  人生は不思議な出来事に満ちている 最も伝えたかったこと  =テーマ 何が新しいのか  題材やテーマではなく、佐藤正午の書く文章そのもの キャッチコピーは何か 「みんなには内緒な?〜人生は不思議な出来事にみちている〜」 「記憶の足音が聴こえる、数奇な半生の物語が再生される」 その他(心に残ったことなど)  すっきりする話ではない  謎に満ち溢れている  マルセイ、マルユウ、どっちがどっちなのかもわからなくなる  わからないことだらけ  でも、正午さんの文章が味わい深い、興味深い、ずっと読んでいたい

    0
    投稿日: 2024.05.04
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    Xで見かけて表紙が酒井駒子さんだったのに惹かれて読んでみた。 人の記憶の曖昧さを逆手にとったSFって感じがした。最初は、ん?ちょっと…と思ったのに、途中から一気に読んでしまった。 噂話は怖い。子供はいくつになっても自分の言うことを聞くものと思い込んでる親、子供の頃はなんでも話してくれたのにと子供に自分の知らない部分があることを嘆く親も怖い。 あんなに自分があんなことをしたからこんなことをしたからと嘆いていたのに、最後にまた余計なお世話を焼こうとしている杉森先生w

    0
    投稿日: 2024.04.29
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    記憶があいまいになって認識が揺れるというのはカズオ・イシグロの世界を想起させます。また、二人の人格が入れ違うという「とりかえばや」的な要素もちょっとあり、おもしろい。湊先生は作者そのものなのでしょうか。少なくとも私にとっては現実感が乏しいストーリーで、感情移入はしなかったけど、ところどころリアルなので、そのアンバランスが魅力なのかもしれない。すごーくおもしろいというわけではないけど、一気読みさせられる佐藤正午ワールドです。『身の上話』のときも、”そんなわけないだろー”と思った記憶があります。

    0
    投稿日: 2024.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小学校からの友達、マルセイとマルユウと転校生だった佐渡くん。彼ら3人がUFO を見たことによって何かが変わる。記憶と人格の入れ替わりと混在、噂と過去の創造でますます世界とズレを生じる主人公たち。過去がどんどん改変されていく様子が不気味だった。そしてマルユウたちは不思議を受け入れそれでいいのだ世界観でハッピーエンド。

    0
    投稿日: 2024.04.17
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    小学生時代の親友といつの間にか疎遠になって、同窓会で無責任に噂話をして…というのはよくある話だけど、UFO見た仲となるとなかなか無い。ミステリーのような、SFのような不思議な物語。

    0
    投稿日: 2024.04.16
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    これは読みにくい小説ですねえ。 最初は、何とも曖昧で、一人称の当人も入れ替わり立ち替わりで事態が呑み込めません。勿論、これは意図的な書き方であり、上手いのですが、その分鬱憤が溜まります(^_^;) 読んでいくうちに分かってくる?いえいえ、ますます混乱が増すばかり。えっ、丸田君が入れ・・・ 終盤になってようやくこういうことらしい、とは分かるものの、とんでもない内容なので。 今まで見たことのない小説でした。決して読みやすくはないものの、途中で放り出すわけにもいきませんでした。少しでも真実、いや話の本質を知りたくて・・・

    14
    投稿日: 2024.04.16
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    人の存在が混ざって、彼らを知る人の記憶の中でもそうなってしまう? 時空と共に読者の脳みそかシナプスか何かも一緒に歪みました

    0
    投稿日: 2024.04.13
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    なんとも不思議な物語だった。これは誰が語っているのか?マルユウ?マルセイ?と頭の中でグルグル回ってた。UFOが出てきたり、謎のメッセージが届いたり謎だらけの物語で解読が難しかったけど、これは解読しなくてもいいのかもしれない、この世界を楽しんで読むことにしようと考えた。そしたらやっぱり再読したいと思った。

    0
    投稿日: 2024.04.11
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    ある夜、丸田優は誰かわからない謎のメッセージを受けて…。 その後、丸田誠一郎の葬儀があり…。 丸田優(マルユウ)と丸田誠一郎(マルセイ)は、幼馴染であり、そこに佐渡理が転校してきたことにより、似ている丸田の区別をつけるための呼び名がマルセイとマルユウになった。 しかし、高校になると2人を間違って覚える同級生もあって…それが大人になってからもあり、混同しがちである。 だが、それはこの3人の男児が小学生の頃に「UFOの子供たち」と呼ばれていたからで、そのあと18歳のときに天神山の事故で何かあったのでは…と。 この事故の後からマルセイとマルユウの違いが明確でなくなるような不思議な感覚になってくる。 不思議といえば、なにかしら車に関係してきて… 運転免許を持たないままだったこと。 そういえば湊先生も…だ。 最後も気になるメッセージが残されていた。 これは誰から…。 最後まで謎めいている。 今、UFOなのか?という気持ち。 そして、なんとも捉えどころのない不思議な感覚にどう消化したらいいのかわからないでいる。

    52
    投稿日: 2024.04.10
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    佐藤正午らしい読者を翻弄するギミックは健在だが、『鳩の撃退法』『月の満ち欠け』ほどの興味を掻き立てられなかった。 今さらUFO?という題材の新鮮味の無さにまず興醒めするし、マルユウ・マルセイとその周囲の人々の運命をもって何を描こうとしたのかが伝わりにくい。 偶然に左右される人生の不確かさという普遍のテーマを描こうとしているようにも思えるが、それと双子のような同級生、UFOという特殊な要素の食い合わせが良くない。 途中で語り部の正体が明かされるトリックも、人称が徹底されていない印象で、鮮やかさに欠ける。

    0
    投稿日: 2024.04.05
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    僕は、UFO(未確認飛行物体)を見たことがある。 小学5年生の冬、夕方5時ごろ、運動場でサッカーの練習をしていた。 「あれ!」 と、友達が北の空を指さした。一斉に見上げる子供たち。円盤状の物体が5~6機、直線状に飛んで行った…という僕の記憶がある。そして、同窓会のたびに、この話になる。 「あれって、絶対UFOだったよね」 「うんうん、北から飛んできた」 「いや、南から丸いのが」 「いや、四角の物体だよ」 などと、それぞれに記憶は違っており、話すたびに記憶は捏造され、今となっては、本当にUFOを見たのか怪しいし、単なる同窓会のネタとなっている。 また、同窓会ではこんなことも起こる。 「山口君って、今フィリピンにいるらしいよ」 「うそ、東京じゃないの」 「いやいや、長崎で商売しているよ」…。 クラスに何人もいる苗字だと混乱して、どの山口君のことを話しているかわからなくなる。 さらに、欠席している場合は、いろんなことを言われる。 「浜田君って、水害で流されて…」 と、僕は浪人時代「死んだ」ことになっていた(苦笑)。インターネットもSNSもない時代だから、同窓会はある意味、噂や物語が生まれる場所だったのだ。 今回の佐藤正午(佐世保市在住、直木賞作家)の作品も、そんな同窓生の記憶の曖昧さや噂話から生まれた物語。3人の似たような名前の同級生が、小学生の時にUFOを見た体験が核になって物語が展開される。時間が経つにつれ、同級生やその友達、先生の記憶が交錯し複雑化する。たびたび同窓会の場面もあり、読者は「あるある」とうなずきながら、日常から不思議な世界へ引き込まれてゆく。 直木賞受賞から7年ぶりの長編となる本書について、彼はあるインタビューでこう述べている。 「人は感情を解放して泣いたり笑ったりしないと生きていけない。だから、どうしても感情をコントロールできなくなるような出来事を書きたかった」 なるほど。大人は、子供の頃のように無邪気に泣いたり笑ったり、青春時代のように純粋に人を好きになったり嫌いになったりすることは難しくなる。むきだしの感情を取り戻したいがために、人は同窓会に行きたくなるのだろう。 さらに、佐藤は、こうも言う。 「誰にでも書けるストーリーを誰にでも書けるようには書きたくない。読むのに忍耐力が必要かもしれないけれど、こういう小説を書く今の佐藤正午のままでいいと思う」 同意!と、佐藤ファンの僕は深くうなずくが、新刊が出るまで7年は長すぎる。せめて、4年に1回くらいは…と、願っている。 先日、久しぶりに同窓会の案内状が届いた。出席すればUFOの話をし、欠席すれば今度も抹殺されるかもしれない(笑)。さて、さて、どうするか…ホッホホ~~次回をお楽しみに。   (※以上は2024年3月24日掲載の長崎新聞記事「この本読んでみた!」を再編集したものです) PS: 佐藤正午は、筆一本で生きてきた。それだけ本が売れて稼いで食べてきたということなのだろう。ある芥川賞女性作家が、日本には純粋に書くことだけで食べていける純文学系作家は両手の指くらいだろう…といっていたが、それが本当なら、佐藤正午はその中に入っているのだろう。 彼は、テレビに出て新刊を宣伝したり、YouTubeやSNSで情報を発信することはない。たまにインタビュー記事は見かけるが、ほとんどマスメディアに出ない。自分自身も、筆一本で生きてきた、と述べている。カッコいいし、凄いと思う。 土曜日のTBSテレビ「王様のブランチ」は毎週観ている。作家が出て、インタビューされたりして、新刊本を宣伝するのだが…、ちょっと寂しい気もする。本が売れない時代だから、それも必要なのだろう。出版元の要請もあるのだろうし、出たがりの作家も増えたのかもしれない。SNSを頻繁に更新する作家もいる。もちろん、それで本が売れたら、それはそれでいいと思う。 でも、僕はなんとなく、作家のことを知って本を読もうと思ったりしないし、本を読んで、その作家のことを知りたいとは思わない。書き終わった作品は、作家の手元から旅立ち、読み手のものとなる。読み手が手に取るのは偶然だし、読んでしまえば、それぞれのイメージを持つ。それが、本なのだ。と言っても、やっぱり売れないとね……(苦笑)…ホッホホ~次回をお楽しみに。

    0
    投稿日: 2024.04.01
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    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79643250Z20C24A3MY5000/

    0
    投稿日: 2024.03.30
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    うーーーーん、直木賞というので読んでみたが、なんだかよくわからない内容だった。 中盤までは読んでいて重く暗い感じで、後半はけっこう読めたけど・・・うーーーーんとしか言えない。

    1
    投稿日: 2024.03.26
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    途中はどうゆう事、どうゆう事、考え続けるけど到達出来ないループに陥る気持ち。 鬱々としてるようで表現出来ないけど、先に進んで良かったと言うべきなのか、、、

    4
    投稿日: 2024.03.25
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    丸田優(まさる)と丸田誠一郎は小学生の頃からの親友でいつも一緒にいた。二人は髪型も背格好も履いている靴まで一緒。まるで双子の兄弟のようで同級生や先生たちもよく二人を間違えた。 転校生の佐渡くんは 二人の丸田くんを前にして困惑した。そして二人に「マルユウ」「マルセイ」と渾名をつける。三人はすぐに仲良くなる。 高校生になったマルユウとマルセイは同じ高校に進学するも、部活や趣味の違いから段々と口もきかなくなり 卒業してからは思い出すこともない程に疎遠になっていた。 大人になった「丸田くん」の携帯に1通のメールが届く。 『今年の冬、彼女はおまえの子供を産む』 全く身に覚えのない内容、差出人のわからないメール。『彼女』とは誰のことなのか? その頃、佐渡くんは「丸田くん」の葬儀に参列していた。 小学生の頃『UFOの子どもたち』と呼ばれる経験をした三人。 そして十年後、不思議な体験を再現しようと集められた三人を襲った不運な交通事故。 第三者の目から語られる「マルユウ」と「マルセイ」の数奇な人生。 【自分の人生の記憶は、本当に自分が経験してきた人生なのか?】 ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ うーむ。実に不思議な物語だった。 これは「マルユウ」と「マルセイ」どちらの人生の話なんだ?と何度も混乱した。 この話を語る「私」の正体も途中までは明かされず。そして訪れるUFOの存在。読んでる間ずっとモヤモヤと霧のかかったような感じだった。いや、話の核心にふれてからも「『事実』とは一体 何なんだ?」と思っている。 一読しただけでは読みとれない。(でもきっと再読はしない笑) 常識では説明のつかない不思議な出来事。それは普通の顔をしてとなりにあるのかもしれない。それに気づくか気づかないか。 UFO見たことある? 佐藤正午さんの本は初読みでした。 「鳩の撃退法」が本棚にあるんだけど、下巻しか持ってないから読めない笑

    41
    投稿日: 2024.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出来事だけを追うならーーUFOをめぐる子どもたちの空想、それが遠因となって起きた交通事故と、狂ってしまった彼らの未来ーー突飛とまではいかない、実際にありそうな筋書き。 しかし現実を一皮むいた裏側では、人智を超えた「不思議」が人生の歯車を動かしている。それを知ってしまったマルユウ、マルセイたち。彼らに何があったのか解き明かそうとする語り手・湊先生もまた奇妙な運命をたどる。 SFだと思って読むうちに、こんな不思議が本当にないとは言い切れない気もしてくる絶妙な浮遊感。

    3
    投稿日: 2024.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校時代のバンドが売れたのだが、売れる前にグループをやめた男の取材。小学校時代にUFOを見た友達、佐渡が昔話を聞かれる。高校時代に交通事故にあったが奇跡的に助かった。バンド仲間が言った綽名が間違えている。 小学生の時にUFOを見た二人の少年。姓名が同じ、丸田。転校生、佐渡がつけ仇名がマルユウとマルセイ 二人とも野球部。高校時代に週刊誌の記者が、UFO少年の記事を書く為に、目撃地を訪ねる。交通事故が起き、バイクを運転していた記者は死亡。少年達は奇跡的に軽症だったが、マルユウは利き腕を痛め野球部を辞めてバンド活動 大学時代は疎遠。二人の共通の友人、佐渡は学年一の秀才。 雑誌の取材を受ける 記者がマルユウとマルセイを間違えている。マルユウが抜けたバンドが成功し、セレブ生活をら逃した元メンバーを取材。 マルセイは死んでいる。 マルセイはかつて仲良くしていた幼馴染で杉森先生の娘、真秀(まほ)と結婚。 母はマルユウとマルセイを間違えいる。 マルセイは会社を辞めて実家に戻る。少年野球監督の父から大学野球部を退部した頃から顔をあわせたくない。酔った父から、家に宇宙人を連れてきな?からまれる マルセイが転落死。原因は妻の浮気? 妊娠している。相手がマルユウ?という噂 父に問われる蹴られが覚えがない 数学の先生と昔話。UFOを見た時、マルセイの痣が自分にうつった。バンドが売れるように祈ると実現。 先生が自宅で倒れる。マルユウが助けにきて助かる。不思議な力を得たが、これが最後 痣が転移して、マルセイとマルユウの未来が入れ替わった?佐渡は交通事故で体が宇宙空間に浮遊していた記憶があるが、二人とその話をしていない。 マホの母は孫子の父親がわからない。マルセイを就職させた会社社長の専務が強姦して妊娠?社長と専務は行方不明。マルセイが殺して、警察に声をかけられた時に飛び降り自殺?マルユウは否定。

    0
    投稿日: 2024.03.21
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    導入のつまらなさが最後まで続いている感じ。文章も展開も持って回って読みにくくしているだけの感じが否めない。多分もう読まないだろう。

    3
    投稿日: 2024.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二人の登場人物を巡る数奇な物語。 周囲が同じ「丸田」という名前のしかも小学生まで似ていたという二人を混同しながら話すため、中盤くらいまで(わざとそのような書き方をしているのだが)どっちの話をしているのか混乱するような構成になっている。 いくら似ているからと言って間違えるのは流石にないでしょう、と思いながら読み進めると実は本当に入れ替わりのようなことが起きていた…という展開。 終始核心にはなかなか触れず、想像の余地を残したまま終わる。 SF的なテーマの中で、家族との別れによる孤独、虚しさといった苦しみが書かれているのが印象的だった。

    3
    投稿日: 2024.03.17
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    「今年の冬 彼女はお前の子供を産む」こんなショートメールをある男が受け取ったところから話は始まる。 彼女とは誰なのか、ある男とは誰なのか、 それは後程つまびらかにされるとしても、この物語を語っているのは誰なのか? 彼らの関係者であることはわかるのだが、第三者が語るというのはなんか現実味がないというか、つかみどころがないというか、心許ないのである。 「私」とは? まあこれも後程明らかにされる。 小学校時代からの幼馴染少年と後から加わる、少年と小女のつながり話が中心になって、ある二つの出来事が合わさって話が展開されていく。 幼馴染の少年二人の名前を「丸田くん」と言いこれがキーワードにもなっているし、ややこしい。 佐藤正午は昔から全部読んでいるけど、だんだん難解になっていくなぁ。 今作も何が言いたかったのかなぁ。感じ取れなくてすみません。

    1
    投稿日: 2024.03.17
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    丸田くんが「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」という身に覚えのないメールを受け取ったところから物語は始まる。そこからたくさんの不思議な出来事が展開されていく。それが断片的に語られていき、その中に記憶の曖昧さ、不可思議さがある。小学生の丸田くんが同級生と体験したUFO騒動とそれを体験したことによって生じたその後の人生の変化。どこへ向かっているのかわからないまま、でも読者を置き去りにはしていない配慮のようなものが感じられる。7年ぶりに読めた著者の作品だけれどとても満足感の高い一冊。

    1
    投稿日: 2024.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今年の冬、彼女はおまえの子供を産む スマホに届いたメッセージ。 丸田君には、まったく身におぼえがない。 2人の丸田君のあだ名は、マルユウとマルセイ。 読み終えたいま、頭の中を整理して 再度、ページをペラペラとめくり確かめてみる。 やはり、ハッキリとしたことは見つけられなかった。 そこは曖昧でいいのかな。 変な言い方だが、曖昧が気持ちいい。 12章 その夏、 湊先生のエピソードがしっくりくる。 P364 〈凡人も、非凡な人間も、すべての人間が悲しかった〉 メモを見た先生。 〈なぜこれだけなんだ〉 そうなのだ。 私もこのひとことを言いたい。 (マルセイ、どうして) すべて分かったと言わなくていい。 読み方は自由なんだ。 そういう安心感がある。 やはりいいな、佐藤正午さん。 今作も、待っていた甲斐があった。

    1
    投稿日: 2024.03.12
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    マルユウとマルセイが混乱してしまうし、読後感ももやもや…。 結局何なの?誰なの?どうして? はっきりとしたことは書かれていないため、読者の想像でしかない。 だから、読む人によっていろんな解釈ができるのかもしれない。 考え出したら止まらない所とか、謎すぎる所が面白いかも。

    5
    投稿日: 2024.03.10
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    独特の雰囲気の中で淡々と進んでいく物語。 マルセイとマルユウの違いで混乱したり、難しめではあったけれど、謎が謎を読んで面白かった。 考察しだすときりがなくなりそうな奥深い話。

    12
    投稿日: 2024.03.08
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    何回か読んでもよく分からなかった。マルセイとマフユウが入れ替わった?SF?子どもは誰の子?N先生?宇宙人?スッキリせずに終わった。

    2
    投稿日: 2024.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『鳩の撃退法』では、どこまでが現実の話で、どこまでか小説の話なのか理解するのに苦労した。 『月の満ち欠け』では、誰が誰の生まれ変わりなのか理解するのに苦労した。 そして本書『冬に子供が生まれる』では、どれがマルユウでどれがマルセイなのか理解するのに苦労した。 でも仕方ない。作者がそういう風に書いているのだから仕方がない。小説は、一度で理解できるように書かなければいけないという決まりはない。あえてミスリードするように書いているとすれば、それは登場人物たちの混乱を、そのまま伝える意味もあると思う。 しかし、それでもやっぱり謎は残る。この小説の書き手である湊先生も真相は知らないし、マルセイとマルユウの証言も不明瞭だ。作者は古くからの文学の作法に則り、読者に解釈の余地を残してくれている。長くなるが、以下はこの作品に対する私なりの考察である。 〈要点整理〉 ★マルユウ(丸田優) 子供のときから野球が得意 右利き左投げ 高校では野球部のエース 大学進学後、野球への興味を失う 現在は医療事務の仕事に就く ★マルセイ(丸田誠一郎) ギターが上手く、高校で注目を集める ワッキーと一緒にバンドを結成するが、上京後に突如脱退 大学を中退して職を転々とする ビルの最上階から転落して死亡 〈考察〉 小学二年生(8歳)のとき、2人の丸田少年と佐渡君は、天神山でUFOを目撃する。それが地元の新聞に載り、ちょっとしたニュースになる。 (補足すると、新聞の取材は当然ながら目撃の当日ではなく、取材時に佐渡君は入院のため不在だった。だから写真には2人の丸田少年しか写っていない。) 高校卒業間近(18歳)、当時取材した記者が再び3人を天神山に連れ行く。しかし、そこで事故が起き、記者とバイクで先導した先生が死亡。3人だけが無事に助かった。 この事故のとき、マルユウとマルセイが「混線」した。明白な「入れ替わり」ではなく、本人たちも混乱していた。マルユウは真秀と親密な関係になりつつあったにも関わらず、大学進学後に高円寺まで尋ねてきた彼女を冷たくあしらった。そのときの彼の態度は明らかに「マルセイ」だったが、本人には自覚がないようだ。そのため、2人のやり取りはちぐはぐなものとなる。 マルユウが「マルセイ」になったとすれば、マルセイも「マルユウ」になっていたはずである。マルセイが突然バンドを辞め、マルユウも野球を辞めてしまった理由はここにある。そして「マルユウ」が乗り移ったマルセイと、真秀は結婚する。 マルセイが湊先生と再会したときも、彼は同時に「マルユウ」だった。しかし、本人はやはり混乱していて、「自分が自分じゃないような気がする」「マルユウの人生を代わりに生きてるんじゃないか」などと語る。 その後、湊先生を脳梗塞の危機が襲う。マルセイはそれを超自然的な力で救う。その力は右手首の痣がもたらしたものだった。この痣は、もともとマルユウのものである。それが18歳のときの天神山の事故で、マルセイに複写された。この痣には不思議なパワーが宿っており、マルセイはそのパワーを使ってバンドをメジャーデビューさせ、また真秀と結婚した。だが、パワーを使ったせいか痣は薄れていき、「マルユウ」は再びマルセイに戻っていく。 マルセイはその後ショッピングモールの駐車場から転落して死亡する。理由はわからない。事故なのか自殺なのかもわからない。ただ、マルセイは自分の死を予感していたようだ。 マルセイが語った「悪を成敗しました」というのも、何のことなのかはっきりしない。もしかしたら杉森先生が想像したように、真秀はN先生にレイプされ、子供を孕ってしまったのかもしれない。それを知ったマルセイが、ジェダイのフォースパワーでN先生を消し、お腹の子供を遺伝的な意味でもマルユウの子供に変えてしまったのか。それが冒頭の「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」につながるのか……。 いやいや、それは穿ち過ぎだろう。お腹の中の子供はマルセイの子で、マルセイは「マルユウ」でもあったのだから、「おまえの子供」でもあるという意味なのだ。そう思いたい。 この物語に正解はない。マルセイは死んではいなかったのか。そうでなければ、ボルボとメモの書き足しはどう説明すればいいのか。しかし、本文に書かれている通り、不思議というものはそれに気づいた者にとってのみ不思議なのだ。弁当箱の握り飯が柏餅に変わっていたとしても、「いやいや、自分が入れてきたのは柏餅だ」と言い聞かせてしまえば、不思議でもなんでもない。ボルボとメモ書きにしたって、他の人なら何か理屈をつけて説明してそれで終わりだろう。 人生は結局、無意味なのかもしれない。湊先生が誰に何をどう説明したところで、それを信じてもらうことができないとしたら、無意味ではないか。またマルセイやマルユウたちにとって先生は部外者でしかなく、真実を共有できる相手ではないとしたら、なんと無力なことだろう。しかし、無意味でも無力でも生きるしかない。それが人生なのだ。先生は、マルセイからそういうメッセージを受け取った。だから泣くしかなかった。シジフォスのように、転がり落ちた岩を何度も押し上げるしかない。愚かしくも悲しい涙だ。

    12
    投稿日: 2024.02.29
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    終始、不穏な空気感が漂う物語だった。 ラストはこんな感じだろうなと途中でみえてきて、実際にそのようになるんだけど、なんだかすっきりしない読後感。 でも、これが佐藤正午さんらしさという気もする。

    33
    投稿日: 2024.02.28
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    つくづく思うのは、 佐藤正午さん(と矢作俊彦さん)の作品は、35歳過ぎてから読むと、心に沁みるのです…と言うのは、個人の感想です。 とはいえ、やはり上手い!

    1
    投稿日: 2024.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者独特の不穏な気配を感じさせながら、ストーリーが進んでいく。この感じが読み手(私だけ?)にはなぜか心地よい。 今回は名称が君で始まる捉えどころのない展開。 湊先生が登場して、ようやく輪郭が見えてくる。 マルユウとマルセイの不思議な同期と一人の女性を巡る愛の物語なのだ。

    4
    投稿日: 2024.02.22
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    CL 2024.2.19-2024.2.21 最後まで読んでもスッキリした解決はない。語り手の湊先生と同じでわたしたち読者ははっきりしたことはわからないけど、なんとも奇妙な味わいの作品だった。 ずっと、何があったのか?マルユウとマルセイの関係は?佐渡は知っているのか?等々いろいろ考えながら読んで、でもミステリのように真実が披露されるわけでもない。 ただふたりに関わった人たちの心情が細やかに語られていて、心に沁み入ってくるものがある。

    1
    投稿日: 2024.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤正午さんの作品を読むのは、“鳩の撃退法”を読んで以来の2作目でした。 まず第一に感じたのは、佐藤正午さんワールド!という感じでした。 小説を書いているのはこの物語の中の登場人物だという設定のため、これってこの書き手の主観が入っているのかな?とか、この書き手はどうやってこの情報を手に入れたんだろう、どこまでが確実な事実なんだろうということを考えながら読めるのが面白いです。 文中の、自分の人生ではなく他人の人生を代わりに生きている、というようなことが筆者のメッセージなのかなあと思いながら読みました。 惹き込まれる文章でおもしろかったです!

    2
    投稿日: 2024.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冬に子供が生まれる…と謎のSMSを受信したマルユウ。彼は小学校時代にUFOを友達2人と目撃しており、高校時代に同じ場所で友達二人と事故に遭っていた。 その事故でマルユウとマルセイは混ざり合ったようになって、マルセイは超能力のようなパワーで恩師を助けて、自身は謎の飛び降り自殺をした。 マルセイの妻の幼馴染はマルユウと再婚して子供を産んだ。妻の母親との仲は悪かった。みんなが自分を悪いと責める。 なんだか、よくわからない話だった。

    2
    投稿日: 2024.02.04
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    7月の雨の夜、丸田君の携帯にSMSが届いた。「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」。まったく身に覚えのない内容に彼は戸惑う。そこから始まるノンストップスリラーだ。 『月の満ち欠け』で第157回直木賞を受賞した佐藤さんの、実に7年振りとなる長篇小説である。もともとが寡作の人だし、直木賞作家という気負いもあまり感じられない本作はしかし、小説を読む愉しさに満ちている。あちこちに仕掛けられた伏線やミスリード、読者を煙に巻くような章題、そして謎に満ちた真相。 ……でも、一般受けはしなさそうだなあ(^_^;)。

    8
    投稿日: 2024.02.03
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    ●なぜ気になったか 実用書ばかり読んでいたときに直木賞受賞された佐藤正午さん。20年以上前に『ジャンプ』を読んで名前を覚えていた。ずいぶんと時間経ったけど直木賞受賞後の一冊目読んでみたい ●読了感想 読み進むにつれ話に入り込めない感がどんどん膨らみ、まったくおもしろくなくなり読了を途中あきらめ。その後アマゾンレビューで同じような感想を持った方も多いのを知りなんか安心。佐藤正午さんの作品、ひとまず区切りとしよう #冬に子供が生まれる #佐藤正午 24/1/30出版 https://amzn.to/3Oouz1h

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    投稿日: 2024.02.01