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世界の取扱説明書――理解する/予測する/行動する/保護する
世界の取扱説明書――理解する/予測する/行動する/保護する
ジャック・アタリ、林昌宏/プレジデント社
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総合評価

12件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    難しくてわかりにくい。 新たな資本論的な立ち位置になりたいほんなのかな? 前半の歴史の説明もわかりにくい。心臓ってなにを表してたの?経済とか社会の中心的な意味だろうけど、説明あったか? 後半の今後のためにどうするべきかって所は人間本位過ぎな感じがした。皆んなで頑張れば皆んなが助かるよ!って感じだったけど、皆んなは助からないと思う。 将来のためにこうしましょう!って言うだけ言うやつ。「言い出した」って役割をこなしたから後の「大変な実務」はお前らやれよって感じてしまった。

    2
    投稿日: 2025.04.26
  • 人工物の奴隷から人類の消滅に

    著者は、現代を「ポスト工業化社会」ではなく、サービスを新たな工業製品に変えることを目的とする「サービスの工業化社会」であると捉え、その最終的なフロンティアとして「自分自身の人工化」という新たな段階に移行しつつあることに懸念を示している。 これまで歴史の転換点ごとに新たな人工物が開発されてきた。自然や動物に植物、そしてついには人間自身が人工化される段階にまで辿り着いてしまった。 自己監視ツールによる常時監視と健康管理の人工化、遺伝子操作から脳の人工化、芸術やライブ興行なども人工化される。 人間関係も人工化され、ヴァーチャルな分身がさまざまな場面で登場し、ロボットが人間を雇うようになるだろう。 自己監視ツールは砂糖の摂取許容量だけでなく、能力低下、違法行為、排出可能な二酸化炭素量まで予測可能とし、管理や制御の対象となる。 世界の人工化の進行に伴い、著しい不正義が生まれ、公共サービスは消滅する。 教育や医療、治安などの公共サービスが儲けの対象となるからだ。 これらのサービスは次第に民営化され、世界的な営利サービスが提供されるようになる。 そしてこれらのサービスを代替する人工物が生産される。 「自己監視」と呼ぶこれらの人工物により、誰もが自分の健康状態、精神状態、教育レベル、環境のパラメータを常時把握できるようになる。 医療、教育、メディアなどの職業は、人工知能によって刷新される。 市場がグローバル化する一方で、政治はローカル化する。 国境の閉鎖、外国人の追放、執拗なポピュリズムが増殖する。 あらゆる形態の人種差別と過激主義が横行するだろう。 2050年の段階は、「《心臓》なき《形態》」の時代か、10番目の「心臓」の時代か、明確な結論は出されていない。

    0
    投稿日: 2025.04.12
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    LEK MONDE, MODES D'EMPLOI COMPRENDRE, PREVOIR, AGIR, PROTEGER https://presidentstore.jp/category/BOOKS/002512.html

    0
    投稿日: 2025.02.03
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    フランスで要職を歴任し、思想家としても有名なジャック•アタリ氏による歴史解釈と未来予測を綴った本です。 年末は今年起きたことを整理し、未来はどうなるか考える良い機会なので、その一助になればと本書を手に取りました。2050年の世界の状況に関する予測とその基となる考え(「心臓」と「形態」)について説明しています。著者は、今から30年前でも現在起こっている多くのことを予測できたため、今から25年後の世界を予測することも十分に可能としていますが、この点は個人的には疑問です。例をあげると、人口動態から中国が発展し、アメリカとある程度摩擦が生じることは予測できたかもしれませんが、自身が覚えている範囲では、二十年ほど前まで、多くの専門家の間では資本主義と一党独裁は相いれず、中国は西側寄りの国になると予測されており、米中の衝突が先鋭化することについては、意見が割れていたと思います。そのため「当たるも八卦」の予測部分より、その予測の根拠となる考え方に注目しながら、本書を読みました。 著者は、各時代の商業秩序を「形態」、その中心となる都市を「心臓」として捉え、それらの歴史的な変遷や将来の展望について論じています。「心臓」については、13世紀のブルッヘから現在のカリフォルニアまで9つの都市があげられていますが、次の「心臓」は分からない(若しくは、ないかもしれない)と書かれています。著者が定義する「心臓」は必ずしも、物理的な都市に限らなくても良いと思うので、ネット上の一部の空間が「心臓」になる可能性も論じて良かったのではと思いました。 結局、次の「心臓」も「形態」もわからないということなので、この考え方は過去の歴史を整理するには興味深い視点を与えてくれるものの、未来を予測する際に著者自身が十分に活用できていないように感じました。ただ、著者が警鐘を鳴らす3つの脅威(気候、紛争、人工化)が高い確率で顕在化するのは、その通りだと思うので、これに対して学び、予見し、行動するべきと言う著者の意見には同意します。

    2
    投稿日: 2024.12.26
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    新たな洞察を期待したが、予測可能な人口動態をベースにした未来予想かカーボンニュートラルへの方針やエネルギー対応を多めに語るので、どこかで聞いたような一般論や通説という感じである。取扱説明書というには言い過ぎな気もした。ただそうした反復学習も重要だと思うので、価値のある読書。世界を学び直す。 ー 気候変動の影響により、GDPは10%~35%減少する恐れがある。とくに、今日の首都ジャカルタの40%は水没するかもしれない。そこで、インドネシアは、ボルネオ島に新たな首都を建設中だ。このヌサンタラ(「群島」)と呼ばれる新首都の完成予定は、2045年だという。フィリピンの人口は1億6000万人を超すだろう。フィリピンは、アジア第4位の経済大国(世界第19位)になるだろう。海面の上昇により、フィリピンの沿岸部(住宅密集地)も水没する恐れがあり、ベトナムにおいても、「米蔵」であるメコンデルタのコメの収穫量が減少する見込みだ。 こんな感じ。ジャカルタの地盤沈下や首都移転は既知の事だし目新しさはない。フィリピンの経済成長は確かに高いが、出稼ぎ依存に対して、政治的な安定性がいつまで保てるか。 ー ロシアが三つに分裂することさえ考えられる。すなわち、ヨーロッパ、中国、イスラム世界で、ロシアが三分割されるのだ。地球温暖化によって永久凍土が融解すると、何千年間も閉じ込められていた数百万トンのメタン(一〇〇ギガトンの二酸化炭素に相当)が大気中に放出される恐れがある。気候変動による大惨事を避けるには、われわれはあと五〇〇ギガトンの二酸化炭素しか排出できない。また、永久凍土の融解により、地中で長年眠っていたウィルスが大気中に放出される恐れもある。海面は、この融解だけで一•センチメートル上昇するだろう。この地域に暮らす数千万の人々に被害がおよぶのは、指摘するまでもない。 ー 日本は、将来的に核保有国になるはずだ。二〇五〇年の人口は一億四〇〇万人くらいになる(二〇二二年はおよそ一億二三〇〇万人)。六五歳以上の割合は人口の三七・五%、八〇歳以上は一五・七%、三〇歳未満はわずか二三・二%だ。現役世代の人口は、およそ三分の一に減る。人口の高齢化にともない貯蓄残高が減少するため、投資能力も低下する。外国からの直接投資額は、すでに対GDP比で1%弱になっている。このままでは、二〇五〇年の公的債務残高は対GDP比で三二〇%以上になる。よって、日本のGDPの成長率は低迷し、一人当たりのGDP は、世界第二六位まで下落するだろう。海面の上昇、沿岸部の浸食、台風の傾向の変化により、少なくとも四〇〇万人が水害の犠牲になる。世界第六位の温室効果ガスの排出国である日本が二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成したとしても、気候変動の影響を蒙ることは間違いない。 本旨と関係ないが、それより何より、表紙のジャックアタリの顔のインパクトが大きい。夢に出そうな占い師の風体である。

    56
    投稿日: 2024.12.07
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    著者の過去の作品と同様に過去の歴史から現在、未来へと綴っていく構成となっている。 2050年の未来を気候、超紛争、人工化という三つの脅威とし、詳細が数値化されている為、より一層、脅威に感じる。 それを回避する為の手段がタイトルの世界の取扱説明書となっている。 これを読んで、自身で何か小さい事でも行なうきっかけにしたい。

    34
    投稿日: 2024.10.28
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    2024年41冊目。満足度★★★☆☆ 知の巨人のジャック・アタリの本は過去に何冊か読んだことがあるが、本書が一番ピンとこなかった 翻訳の問題なのだろうか。理解力の問題なのだろうか

    1
    投稿日: 2024.07.02
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    壮大なタイトルがイメージするほど、難しくもなく分量もコンパクトにまとめられているが、一ページ毎に読み応えのある内容が散りばめられている。とりわけ、2050年に向けての致命的な脅威として、気候、超戦争、人口化をあげており、これらの脅威にどう向かうかあらゆるコミュニティで議論すべきだと言う。自分毎として考えてみると、日々のニュースの見方も変わるだろう。面白い本だった。

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    フランスで要職を歴任し、「欧州最高峰の知性」と称される(らしい)ジャック・アタリ氏による、今後世界が、我々がどこに向かっていくことになり、何をすべきなのか、を書いた1冊。 「『世界の仕組み』を見出し、少なくとも2050年くらいまでの未来は予測可能だ」というフレーズには期待が高まります。重厚な装丁の割に、1ページ当たりの文字量は少ないのと、割に読みやすいのですぐ読み終わりました。 ※図書館で順番待ちになってる本なので、早く読んで返そうというプレッシャーも受けつつ(笑 読了して感じたのは、以下3点です。 ①欧米諸国は、ちゃんと実行できる? ②誰が決めるの?問題 ③日本の「不気味ポイント」はそこ? ①各国は、ちゃんと実行できる? 本著の流れとして、このまま自然体で進むと、気候変動で大きな被害が出て、世界の分断は進み、個人主義のきわめて不安定な社会になる。そうならないために…という処方箋が示される訳ですが、この部分を読んでいて個人的にはモヤモヤを感じました。 処方箋自体、革新的なものではなく、気候変動対策などは既に言われているものをしっかりやっていこうというレベルだと感じましたが、コロナや紛争などの言い訳を並べて未達を正当化する国や、そもそも別の理屈を述べて参加していない国をどう巻き込んでいくかの方が大事なのではないかと思いました。 各国の温室効果ガス排出量の削減実績を見ても、やる気あるの?って国が結構あり、アメリカもフランスもどうなのよ…というグラフになってます。(↓のP.14以降) https://www.env.go.jp/content/000142594.pdf 日本は元の発射台のハードル自体高かった割に、愚直に頑張っていると思うんですが、各国がこの状況だと「やり損」に見えちゃう気がします。(こんなコト言って分断を深めるメリットは一切ないですが…) ②誰が決めるの?問題 著者の処方箋で「死の経済」を排除して、「命の経済」を発展させよう、という話がありました。 ※死の経済:化石燃料絡みの産業、肉食、お酒、タバコ、SNSやゲーム…  命の経済:医療、スポーツ、教育、公共交通、再生可能エネルギー、民主主義… 仮にこれを進めるとして、線引きでとんでもなく揉めるんだろうなぁという気がします。仮に審判者がいるとして、ビッグ・ブラザーに変質しない保証はあるんでしょうか。 ③日本の「不気味ポイント」はそこ? 訳者あとがきで、「日本が核保有国になるという指摘」が不気味だ、という論考があるのですが、個人的には、著者が日本版向けのまえがきで「過去の戦争に関して、日本は隣国と完全な和解に至っていない。」と書かれていることの方が怖いなと思いました。 というのも、政府の公式なスタンスは解決済だったように思いますし、国内での教育も基本?そうなっている。にもかかわらず第3国であるフランス人からそういう指摘を受けているというのは、認識のギャップがあるのでは?と思うからです。 戦中生まれのアタリ氏だからそのような指摘があるのか、一般的な話なのか。今以上に何が必要なのか。手を打つかはともかく、把握はすべきだと感じました。 未来予測本としては長沼伸一郎氏の著作の方が腑に落ちる感覚はありますが、両方で重なるような記述もあり、考えを深める意味では読んでよかったかなと思います。

    11
    投稿日: 2024.03.17
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    経済学=希少なモノの生産、所有、交換、管理の学問  未来に役に立たない  偽りのノーベル賞=経済学賞  経済学≠「世界の取扱説明書」   世界を形成するのは 慣行(常識)と歴史 11世紀~ 帝国秩序から商秩序へ 9の「形態」と「心臓」 1.ブルッヘ     1250‐  すべての「心臓」(中心都市)は欠乏の産物である 2.ヴェネツィア   1348-  権力を確約してくれる軍隊を維持する資金を工面できなくなると心臓は疲弊する 3.アントウェルペン 1453-  心臓はエネルギー、コミュニケーションのイノベーションで権力を把握する 4.ジェノヴァ    1550-  心臓になるには金融と資本の仕組みを熟知しなければならない 5.アムステルダム  1620-  心臓の成功条件の一つは外国からの人材、商品、アイデアに開放的であること 6.ロンドン     1780-  権力者であっても、商品や実業家が必要とする自由を抑制することはできない 7.ボストン     1882-  心臓が権力を握るのは、サービスをモノに変化させることによる 8.ニューヨーク   1945-  何かを売るには、需要喚起と資本調達のす術を学ぶ必要がある 9.カリフォルニア  1973-2008- 危機へ  「形態」の移り変わりにより、工業製品はサービスを代替し、自然を人工化する 商秩序の 12の法則 1.商秩序の2つの重要側面 資本主義と国家  儀礼秩序と帝国秩序が発展を妨げる 2.心臓を中心に形態をつくり出す 富の生産のための若者が必要 3.形態の主人公は自由と民主主義を必要とする 自身の利益を守る法の支配 4.心臓が衰退するのは永遠の繁栄を信じ、計画や未来分析、若さ、防衛を失ったとき 5.心臓と形態の終焉に先立ち、貨幣価値が激減、金融市場が崩壊 6.新たな計画に優秀な人材と資本が集まるイノベーションの場が新たな心臓になる 7.これまでの九つのテクノロジーの誕生により「形態」と「心臓」が誕生した 8.形態が移り変わるたびにサービスと自然の人工化が進行、集団向けから私有材へ 9.労働 権利 教育 寿命改善、自由化、信仰より理性、富の分配より市場と民主主義 10.境界のない市場は国よりも優位に 11.目先の利益を擁護、生産物の多様性増、富の集中、人類の環境破壊と資源枯渇 12.心臓の地位維持には 環境の尊重、自己特徴、長期計画、防衛の術の習得 2050年 「心臓」なき「形態」へ ~富の蓄積をつかさどるのは依然として商秩序 三つの袋小路  ①アメリカの第9の形態は失敗し、  ②第10の形態が中国に登場し、サービスを個別化する新たなツールが導入   しかし、心臓の移動では解決できない激震に見舞われる  ③心臓のない、市場が世界を支配する商秩序の試みも失敗する 3つの致命的脅威  ①気候  :干ばつ、森林火災、海面上昇、サンゴ礁死滅  ②超紛争 :資源、食料、富、領土、独立、征服、信仰対立、移民  ③人工化 :健康管理、教育、情報、人間関係、権力(規範と管理) 「形態」なき「心臓」への急旋回  →「世界の取扱説明書」づくり  1.合理的な利他主義への行動  2.死の経済の製品排除:将来世代と自然を毀損する生産活動  3.命の経済の発展  :将来世代の役に立つ生産活動 今日GDP50%未満→80%  共有材化  教育と医療を商業的消費に向かわせない規制  命の経済へのテクノロジーへ継続投資と 税制含む価格設定   過去に大改革を断行したのは独裁政権・・

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    投稿日: 2024.01.28
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    2050年には伊藤計劃氏の虐殺器官とHRMONYを掛け合わせたような世界になり、ターミネーターかマトリックスのように人工知能に支配される危険のある世界になっているらしい。

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    投稿日: 2024.01.01
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    サステナ的な話はよく聞くが、こんなことになってるのか、、、と衝撃を受けた 分かっていても自己都合を優先してしまい滅びの道へ向かってしまうんだろーなと感じつつ、ブロックチェーン等のテクノロジーを活用して環境に配慮した行動を正しく評価し、矯正していくしかないのかなと感じた あと、最初に定義される言葉がずっと後半に出てくるが、その言葉の定義が難しい

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    投稿日: 2023.12.17