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透明な夜の香り
透明な夜の香り
千早茜/集英社
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総合評価

452件)
4.2
174
184
70
8
0
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    香りと色を感じる本。 千早茜せんせいの本にしては、料理の描写気持ち少なめ(それでもハープティーやら朔さんの指示するメニューは美味しそう)。 どこか人間離れしている登場人物ばかりなのに、誰も彼も親しみがあったり、共感できる痛みを持っているんだよな〜。読み終わった後も、彼らが健康に生活していることを願うばかり。

    0
    投稿日: 2025.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    独特な雰囲気を持つ心理描写だった。主人公の気持ちがとても近くにあるようで、さも我が身に起こったことであるかのように、朔さんの一挙一動に心を動かしていた。 想った人に想われる、しかも常識的ではないかもしれない形で…という物語の締め括り方が「神様の暇つぶし」と似ている、と思った。 「神様の暇つぶし」を読んだ時にも思ったが、主人公は構築した自分の世界に深く沈み込んでいて、簡単に言えば乙女チックな部分がある気がした。その点において、彼女に心底から共感することは難しかった。

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    ゆっくりと時間が流れる1冊 とにかく「香り」に惹かれる作品だった なにかと、色や香りで感情や物事を表現するところが好みだった 美味しそうなご飯や飲み物、嗅いでみたいなぁと思う香りも出てきた 孤独、執着、愛情、記憶、色々な方面から考えさせられる作品です

    10
    投稿日: 2025.11.22
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    久しぶりに再読。 本から香り立つような、深い森の中にいるような、静謐で濃厚で新芽を触った時のようなしっとりした世界観が好き。 私自身、香りに弱いので香水が強い人と一緒にいると酔って気持ち悪くなってしまうけれど、朔さんの調香してくれた色んな香りを嗅いでみたいなぁと読む度思います。

    1
    投稿日: 2025.11.19
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    調香師が主人公の香りをテーマにした物語。 とっても暖かみの感じる本でした。登場人物全員がいい人。文章で読んでるだけなのに、あの館はきっといい香りがするんだろうなって感じられる。ゆったりと時間が流れる優しい本を読みたい方におすすめ。

    15
    投稿日: 2025.11.18
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    目に見えない香りは記憶から消えやすいと確かに感じる場面は多いですね。 大切な人の香りがいつかは周りから消え、記憶からも消えてしまうことは形が消えるよりもっと存在が消えてしまうような気がします。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    ★3の中かな~。 初読み作家さん。 読んでも読んでも減らない初読みさん。 次々新しい人が出てくるなー。 前から気になっていた作品ですが、なんでこの表紙? 瓶の中に手首が入っていて怖いんですけど。 作中にはそんな描写なかったし、ホラーでもグロでもなかったんだが? これは……、少女マンガだね。 馬鹿にするつもりでなく、少女マンガの論法をうまく文章化してると思う。 良くも悪くも。 おまえがどんだけ少女マンガを知ってんねん、というツッコミはさておき。 もう出だしから少女マンガっぽい。 過去に訳ありの二十代女性が主人公。 務めていた書店を辞め、近所のスーパーで見た募集の貼り紙に応募し、森の中の洋館で家政婦兼事務員として働くことに。 そこにいたのは線の細そうな調香師の男と、粗野っぽい探偵。 いい感じのバディの間に主人公は収まります。 この3人で香りにまつわる事件?に関わったり解決したり。 長編ではあるけど、全8章に章立てされていて、それぞれに事件が起きて読みやすい。 連作短編の方がイメージ近いかな。 もっと話の数を増やして連続のテレビドラマにでもすれば受けそう。 甘過ぎず苦過ぎず、ちょうど良い味加減の話だった。 好みを言えばもっと切なかったり、陰惨だったり、黒かったりしてる方が好きだな。 はい、お幸せにー。

    44
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いつか、今自分が大切にしている時間を忘れてしまったとしても奥深くにきちんとしまわれているらしいので߹-߹ 美味しそうなご飯が沢山出てきてお腹空いた〜〜

    2
    投稿日: 2025.11.10
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    読んでいていい香りがしてきそうな本だった꒰⁠⑅⁠ᵕ⁠༚⁠ᵕ⁠꒱⁠˖⁠♡(笑) 自分も日常のふとした匂いで過去の記憶が蘇るときがあるので、香りの記憶は永遠なんだと思う。 一香の兄のところはこちらも辛くなるところだが、ハッピーエンドでよかったなと思う!

    3
    投稿日: 2025.11.10
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    香りは記憶を呼び覚ますものだと思う。 けれど物語は静かで日常の描写が多く、半分ほどで離脱。 雰囲気は好きだが、テンポよく読み進めることはできなかった。

    1
    投稿日: 2025.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    秋に読書を初めて最初に手に取った作品です。 香りのないはずの「透明」や「夜」をも朔は深く深く手に取るように感じ取るんでしょうね。 朔を現したような題名で素直に綺麗な言葉。。 千と千尋の神隠しの銭婆のセリフ 「一度あったことは忘れないものさ 思い出せないだけで」 終始このセリフが頭にあったなあ。 朔の今まで閉じ込められた瓶の蓋が微かに緩められた、そんなラストに感じました。どんな隙間にも入る、一香は煙のような存在なのかなとも。 透明の香りのする素敵な本でした。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    最後には自然と涙が出てきていた。 寝る前に読むには魅力的すぎて寝不足だけれど。 あたたかいのにどこかひんやりとした、素敵な話だった。

    10
    投稿日: 2025.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体を通して落ち着いた雰囲気があって、尚且つただ淡々としているだけではなくて暖かさを感じる描写が多くて何だか心休まる本だった。 そんな中で、少しがさつに感じる新城も良いアクセントになっていた。 どこか掴みどころがなく、底も見えない朔が、最後少し素直になっていたのは「変化」が感じられて良かった。 タイトルの「夜」が前面に出た話ではなかったと思うけど、確かに透明な夜の雰囲気を纏った本だった気がする。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    庭園や料理、匂いなど、私の好きな要素が詰まった作品でした。文章からは大きな洋館や薔薇の花など、風景や香りが鮮やかに浮かび上がります。穏やかで和む場面もあれば、ワクワクするような場面、そして目を背けたくなるような場面もあり、最後まで引き込まれました。とても面白かったです。 あまり関係ありませんが、朔さんのセリフがエヴァのカヲルくんの声で脳内再生されました。

    4
    投稿日: 2025.11.04
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    小説なんて中学から読んでなかったけど、毎日デスクワークで、仕事の事で頭いっぱいいっぱいで急に小説を読みたくなって手に取った本がこれ。 物語の展開がコロコロ変わることもなく一定の空気感で、静かな夜に1人で読むのに最適な本。心動かされたとか、気付かされたとか、そーゆーのは特に感じなかったけど、読み始めるとすぐに物語に吸い込まれる感が好きだった。日常で人の香りが前よりも気になるようになった。香りって一生記憶に残る。今思い出せなくても香った瞬間にフラッシュバックする。いい意味でも、悪い意味でも。そー感じること前からあったから、共感できる事が多かった。

    1
    投稿日: 2025.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて香りが想像できるような素敵な文章で読みやすかった。 一香が館に入るのと同じように、この本を開くとスッと香りの世界に引き込まれていく。 「執着と愛着の違いはなんですか?」 執着は変化を嫌う。一方、愛着は変化を含めて愛する。変化を認めて受け入れることはとても難しいことだと思う。そして大抵の人は変化を嫌う。朔さんも変化を嫌う人。でも、一香と関わり、会話をしていくことで、変化を受け入れられるようになる。 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」 「君の命が終わるまで。」 確かに、不意に嗅いだ香りから昔の記憶を思い出すことがある。良くも悪くも。私たちは不意に思い出すだけだから、そんなこともあったなと流せるけど、常にそれを感じられてしまう朔さんでは情報処理ができなくなっても当然だと思った。 朔さんと一香の距離感が絶妙でとてもよかった。

    1
    投稿日: 2025.11.03
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    2025.11.2.読了。 自分も匂いに敏感な方だか、犬のような嗅覚を持つことは不幸なことなのでは。

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    久々に、続きが気になって追うように読んだ。 読むのが得意ではないジャンルの本は挙げられるけど、 それ以外は基本的に何でも読むので、 どんなジャンルが好きかと言われるといつも分からずにいたけど 多分こういうのが自分は好き。 こういうの、とは 「あまり現実味のない設定を抱えながらも 現実社会から乖離し過ぎない世界観のフィクション」 これ続編あったら読むわ〜と思って読み終えて、 帯の後ろに続編情報あって喜んだ。 どうか変な注目のされ方をして 変な実写化されないことを望む。

    7
    投稿日: 2025.11.02
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    香りを軸にもっと激しい展開にもできるであろうが終始穏やかな進行で物語としての雰囲気が好きだった。とんでも能力ではあるが、現実感は常に残りつつ、日常の延長線上の物語であった。想像以上に一香が思ったことを口にしていた。内気な印象があったが、社交性はしっかりとあると感じた。作者が女性だからこその繊細な小説であったと思う。アスパラガスを食べたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでて文字から香りがする、風景の色が見える、美味しい料理の味がする素敵な作品 一文の情報量が濃くTopNoteからLastNoteへ移り変わる章とともに、漂う雰囲気や主人公の内面の変化が感じられるのもいいし、登場人物の距離感が心地いい 1pと260pでは同じ鮮やかな赤の蔓薔薇を見た時の反応が違う主人公の心情の変化に胸を打たれた 嗅覚に秀でた天才が味覚で寂しさを感じたラスト、お洒落すぎ 好きなフレーズ↓ ー逃げてはいけない、なんて道理を聞かなくてもいいよ。そんなのは人を殺す正義だ。

    1
    投稿日: 2025.10.31
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    期待に胸を膨らませるというわけではなく、何気なく買った一冊だったが、思いもよらぬ収穫だった。 みんな何かしらキズがあってちょっと歪んでる だからか、新城が登場すると空気が変わる 日常が戻る感じ ミステリアスな朔の魅力は元より、周りを取り巻く人たちがみんな個性がバラバラで、それがかえって調和がとれていて心地よい雰囲気になっている シリーズ化してほしいし、登場人物が魅力的なので、ドラマ化とかしそう…して欲しい

    1
    投稿日: 2025.10.29
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    全体として、千早さんの言葉の置き方がとても好きだなあと思った。しっくりくる表現が多くて体にすっと馴染む感じ。   朔の天才と言われるが故の生きづらさと不器用さが、一香の人と深いところで対峙する怖さが共鳴してたんだなと。そしてその共鳴は人にはあまり共感されないからこそ、2人の間の結びつきを強めていったんだと思ったし、「2人にしか分からない何か」はやっぱりひどく憧れるけど、脆く、怖いものだとも思った。 こんなふうな出会いをして、紡いでいけるのはどちらの思いやりも大切なんだと改めて実感した。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    ああ、深くて脳の奥の方を刺激された感じのする物語だった。それはきっと嗅覚のお話だったからだな。読んでいる間はどこからか香りがするような気がして、お布団の柔軟剤の香りがいつもより強くするような気がした。あっという間に読んでしまった。 香りは人を壊し、人を再生させる。味覚はショッキングなことがあるとしなくなる。五感が鋭くなるように、小説の中の音も大きく聞こえるような気がした。こんなものを作り出せるのは、ほんとうにプロの技だ。 p.104 「当題なことはね、みんなそうだろう。でも、嘘をつくというのは気力のいることだか ら」 「気力、ですか」 「自分を騙すにしろ、相手を騙すにしろ、それなりに身体にストレスがかかるからね。 ある意味、たくましいってことだよ。もちろん息を吐くように嘘をつく、病的な嘘つきもいる。そういう人間の嘘はわからないこともあるけど」 優しくしてくれるさつきちゃんを思いだす。彼女にも話していないことが、私にはある。 「私、友人にも本当のことを話さず、欺いています」言ってから、これではまるで懺悔だと思う。目をそらす。湖さんが身じろぎした気をがソファの軋みで伝わってきた。ソファのスプリングはどうやって手入れをすればいいのだろう、と見当違いなことを考えてしまう。 「一香さんは」 深い紺色の声で名を呼ばれた。 「取り繕っているだけ。もしくは流している。おそらく、あなたの中にはいま気力がない。人の言葉や出来事を受け止めて、呑み込んだり弾き返したりするのが難しい状態にある。だから、感情を抑制してやり過ごす。それは嘘とは違うよ。欺いてもいない」 自分の手を見つめた。いつの間にか、膝の上で握っていた。 p.202 木場は口を結んだ。ややあって「そうだ」と低い声で言う。「運動会だってまともに見にいってやれなかった」 なにかを言いかけてやめる。走る姿を見ておけば良かったと目が語っていた。 「翔くんは不安でいっぱいですよ」 「当たり前だろうが!あんな病気なんだぞ」 声を荒らげる。「そんなことお前に言われなくてもわかってる!」と怒鳴る木場をさんはまっすぐに見つめる。 「違う。彼はあなたに見捨てられないか不安なんです」木場が呆然と口をひらく。 「俺が?翔を見捨てる?そんなことあるわけがない」「そう思っているのはあなただけです。子供はいつだって親に嫌われないか心配なんです。大人になってそのことを忘れてしまうのは、一人で生きていけるようになるからですよ。あの子はまだ違う。あなたはあの子のことをまるでわかっていない」「お前、お前に…••・・」と木場の顔が真っ赤になった。朔さんに掴みかかる。私が止めようとする前に運転席から新城が飛びだしてきた。 「だぁー!もう、あんま挑発するなって。はいはいはい、木場さんも落ち着いてくださいねー。こいつ、こういう無神経な奴だってよく知っていますよね」 ぐいぐいと木場と湖さんを引き離す。朔さんはそれでも喋り続ける。 「木場さん、どうして翔くんに触れないんですか。触れてませんよね、彼にあなたの匂いがまったく付着していなかった。抱き締めなくても、頭を撫でるとか、背中を叩いてやるとか、できるでしょう。他の人間には平気でばしばし触るのに、息子さんには近づけないのはなぜなんです。どんな事件にだって食らいついていくのに、人の内面や過去にずかずか踏み込もうとするのに、どうして彼には向き合えないんですか。罪悪感ですか?それとも・・・・・・」 新城を押しのけて木場の腕を掴む。ずんぐりした笑に香水瓶を握らせる。 「これを嗅がせれば翔くんは喜ぶでしょう。あなたからのプレゼントだと言えば、元気にもなるかもしれない。けれど、こんなもの一時しのきですよ。シトラス系の香料は軽やかで好まれやすいけれど、すぐに増えてしまう性質があるんです。それと一緒です。あ なたにはもっとやらなくてはいけないことがあります」 「朔!」 聞いたことのない声で新城が叫んだ。「もうそれくらいにしとけ」たしなめているのに、自分が傷を負ったような悲痛な顔をしていた。朔さんは新城を横目で見て、口をつぐんだ。風の音だけが抜けていく。 やがて、木場が「そうだな」と地面を見つめながら言った。香水瓶を握り締めている。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    HSPの人は朔と一香の感覚が少なからず分かるのではないかと思う。 繊細で、読後感が良かった。 続編も早速読みたい。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    すごく繊細な本だ、と感じた。 文章や登場人物などに儚いイメージを抱いた。 特別に繊細な言葉を使っているとか、繊細な人ばかりが登場しているとかではないのに。 香りをモチーフにした話だからだろうか。 香りは未来永劫残るものではない。 けれど、確かに人の記憶の中には残り続ける。良くも悪くも。 恋愛でもミステリーでもない。 心温まる話でも感動する話でもない。 けれど、私の心の中に残る一冊だった。

    1
    投稿日: 2025.10.21
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    自分には見えない世界 特殊な才能、そういうのに憧れてしまうけど きっと疲れちゃうんだろうな、大変なんだろうな 分かってはいるけどやっぱり憧れちゃうな そしてそんな人の近くで過ごしてみたいと思ってしまった

    1
    投稿日: 2025.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    始終いい香りのする本。あと千早さんの文体が好きすぎる。 館の扉を開けた時の清涼な香りは、生の香りなんじゃないかな。それが日を追うごとに体に染み込んで一香は自分を取り戻していったように思えた。 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから。」なんて素敵なフレーズだろう。 良くも悪くも香りが記憶を呼び覚ますことってあるよね。 それにしても、『透明な夜の香り』はどの香りを指しているんだろうか?気になるのでまた読む。宝物の本が増えました。

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    この本を読んでいる間、ずっと花の香りがしているような錯覚に陥った。香りの名前を聞いても全然わからないのに、そんな気がして。香りって、こわいなっておもった。忘れたい記憶も、そのひとつの香りで、ぶわっと当時の記憶が呼び起こされてしまうから。それでもわたしは香りが好きだし、すきなひとができたら、香りを知りたくなる。あとから苦しむことなんて考えないから、なんだろうけど。わたしたちが朔さんの嗅覚の可動域が未知であるように、彼もわたしたちの感情の起伏はきっと未知であって。こわいと思う気持ちは共通で。それでも朔さんが物足りないと思うほどのなにかが一香にはあるし、そのスイッチが押されたきっかけは当人同士しかわからないけれど。いつか嫌われてしまうのがこわい。変化がこわい。そんな人間らしい感情を抱ける朔さんであってよかったって、おもいました。

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川湖が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。一香は、人並み外れた嗅覚を持つが、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き。香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。 紺色の声の朔…どんないい声のイケメンなんだろうと妄想しながら…金木犀の香りのいい時期に読みました…

    1
    投稿日: 2025.10.17
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    ハーブやスパイス、草花など香りを想像しながら、不思議な感覚になれました。 小川洋子さんの薬指の標本を想い出す箇所があるなぁと思ったら、解説が小川洋子さんで、おっ、となりました。最後の終わり方がとても良かった。

    1
    投稿日: 2025.10.13
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    繊細な描写で丁寧に読み進めたい1冊。小川洋子さんの解説も含めて素晴らしかったです。香りを思い出そうとすると全然思い出せないのに、その香りに出会うと当時の記憶が戻ってくる感覚は共感できて、この本を読んで改めて気がつき日常で意識するようになりました。嘘までも嗅ぎ取ってしまうのは苦しいだろうな...信用できる人に出会えたとき、自分だったらいつか離れてしまうことへの不安か喜び、どちらを先に感じるのか考えてしまいました。新たな関係性となった後、洋館を訪れることでどのような変化が起こるのかが気になります。

    1
    投稿日: 2025.10.13
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    淡々とした話のようなそうでないような。 起伏があるようでそうでないような。 香りに関わるミステリーの雰囲気で進む。 嘘は嘘だとわかってしまう朔に、一香は過去の罰を与えてもらい、自分の輪郭をはっきりさせられた。また洋館に通うと、一香は朔に何を感じるのだろう?

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    初めて文章がおしゃれだと感じました。言葉の表現が多彩で、読んでいてとても心が豊かになる本でした。 朔さんと一香さんは複雑な過去があってつながるものがあるなと思っていましたが、読み進めていくうちにお互い分かりえないものがあって、けれど良い距離感で必要としあっているのではと感じました。本に登場する人物それぞれ濃い設定で面白かった。

    2
    投稿日: 2025.10.03
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    ハーブで香り付けをした苺スープ、烏龍茶と金木犀の花のジュレなどの香りたつメニュー、色んなハーブを使ったお茶やオイル。こんなに香りが感じられた読書は初めて!人並外れた嗅覚を持つがゆえに闇も抱える調香師の朔。知らず知らずのうちに記憶に蓋をした一香が朔の調香した香りで記憶と感情を解放し、過去に向き合うのだけど、そこに至るまでの朔や新城、源さんとの交流や関係性がとても良くて、ラストもとても素敵だった。

    1
    投稿日: 2025.10.03
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    作品紹介を読んでワクワクしながら読みました 感情の香りを読み取る そんな嗅覚を持つ調香師のもとで アルバイトを始めた一香 人はそれぞれ孤独を抱えていて それをどう受け入れるのか 香りと色で表現された素敵な小説 とても好きなお話しでした

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    香りがテーマなので、香りの文章表現が多彩。登場人物達も魅力的ではあるのだが、肝心の主人公が生い立ちのせいか感情が抑えられているため少し弱い。ラストは綺麗な終わり方で良かった。

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    見えないものについて、もっと感じとること。今の自分に見えてる世界だけが全てでは無いことを肝に銘じて、もっと見える世界を広げていきたいと思わせてくれた小説だった。 香りを文に起こすってスゴすぎる。

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    天才的な嗅覚を持つ調香師の朔、朔の幼馴染で探偵をしている新城、洋館の庭の手入れをしている源さん、その洋館で働くことになった暗い過去を持つ一香 その中でも私は新城の持つ役割について語りたいと思います。 新城は朔に香りを作って欲しい依頼者を朔に繋げる橋渡し役なのですが、この新城は読者と作中の世界との橋渡しも兼ねているのではないでしょうか。 朔と一香はどこか人間味がなくとっつきにくい空気も持つ中、人間くさくてどこか親しみやすい新城が読者を物語の中の世界に引っ張っていってくれてるような気がしました。 子ども相手でも老人相手でもなぜかすぐ打ち解けあってしまう新城の人柄によって、私たちもこの物語を一層楽しめたのかもしれません。 続編も必ず読みます。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    香りのお仕事×ミステリー 一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が幼馴染の探偵、新城とともに客の望む秘密の「香り」を作っていた。 どんな香りでも、未知の香りでも嗅ぎ分けられ、それを再現できる朔の元にはさまざまな秘密からある香りを作って欲しいと言う依頼がやってくる。 ⚪︎おすすめ 人が死なない・動物が悲しまないので、日常ミステリーが好きな人におすすめ。 少しダークな雰囲気もあるけれど、そこが良い! ⚪︎感想 朔の性格や孤独、人とはちがう価値観や考え方、世界の見え方が興味深かった。

    7
    投稿日: 2025.09.27
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    朔さんとは違い、一香は色を感じる感覚が豊かで、朔さんの声やハーブティーの味を色で表現していた。香りや色の表現が素敵でした。五感を使いながら物語を楽しんでるような、読書体験だったなぁと。 最後のシーン、すごく良かった、、 新城のキャラクター、いい。お気に入り。

    1
    投稿日: 2025.09.27
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    読んでいる間中、私もずっと、シンとした澄んだ空気の中にいるようだった 登場人物は、世の平均からすると偏った人ばかりだけど、みんなの中に好きなところがあったし、 それぞれの価値観でそれぞれが好き同士なんだろうなって思って、みんなの関係性が心地よかった 最後、読者に余韻を残すような終わり方で、 不思議な香りに包まれたような気分で読み終わってしまった。 私はこの後も想像して、勝手にハッピーエンドと感じた。みんな不器用だ。愛らしい。 この本好き。

    2
    投稿日: 2025.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

     声優の津田里穂さんが、ご自身のYoutubeチャンネルでの配信中にめっちゃ面白かったとお話されていたので、興味を惹かれて購入し、読んでみました。  まず、その端麗な文章に引き込まれました。読了して、改めて文章を噛みしめると、この静かな物語を紡ぐ文章としてこれ以上ないほどジャストフィットしているなと感嘆します。  お話としては連作短編で、深い心の傷を負ってしまった女性が、エキセントリックな天才調香師のもとで家政婦として働くことになり、ゆっくりと回復していく、といった内容です。と書くと、よくあるお話のような感じですが、このシンプルなお話を、先に書いた端麗な文章で紡がれていくことで、"la senteur secréte" の空気感のなかに読者が引き込まれていく、そんなお話に仕上がっています。  登場人物たちは多くないため、一人ひとりの人となりをゆっくりと掘り下げながら物語が進んでいきます。皆、何かしらの葛藤を心に抱えながら、ときに衝撃的な事件も起こりつつも、静謐で穏やかな時間が流れていく、という感じです。  昨今よく耳にする「タイパ」の反対にあるもので、分かりやすい「あらすじ」や、ざっくりとした「まとめ」といったものから零れ落ちてしまう、「行間」や「空気感」を愉しめる作品でした。何より、2人のメインキャラが本当に良いです。最終話の展開とラストシーンが、この物語の閉じられ方としてパーフェクトで、素晴らしく綺麗でした。  著者の別の作品も読もうと思います。

    2
    投稿日: 2025.09.25
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    原題:朔の香り 朔とは、新月を意味し、月が出ていない(地球の影に隠されている)と言うことだ。新月の夜を「透明な夜」と呼んでいるのか。 もしくは夜の香りを透明と言っているのかも知れない。 作中、一香が朔の部屋を暗いと感じ、自分の記憶に落ちる。 朔の感じる香りを、一香から色や光で写される。 朔の声は紺色で、白い手に色の薄い髪。透明を思わせる。 思えば、一香は朔、本人の香りについて語らなかった。 さて、作中で美しさや魅力について、朔と一香、それぞれから語られる。同じ美しい人でも異なる魅力を見るし、かたや、醜くさえ映る。どちらが正しいと言うこともない。 一方で、一香の魅力について、健やかさからもたらされる生物としての魅力であると言い、これは朔以外の人にも伝わった。 それからどう言えるかを、私はうまく語れないのだけれども、異性に対して抱く魅力とは、確かにそう言うものだ。 ところで、私自身がこの作品とは別に、最近気付いたことがある。 人の観る世界が、どうして同じものだと思うのだろうか、と。 人は幼い頃からの経験や感情の積み重ねにより、世界のモデル(認知モデル)を作り上げる。 五感によって受けた情報をそのモデルに当てはめることで、世界を捉えているのだ。 そして、その世界の形、それぞれの歪な世界に合わせて、人は選び、そのように生きる。 言ってしまえば、人それぞれに世界を持っているし、世界はそれぞれの人のものだ。 これは豊かで幸福なゆえの傲慢だろう。 しかしながら、自分を捨ててまで外の世界に生きる必要はなく、自分の求めに応じて良いと思うのだ。 朔の言葉。 「逃げてはいけない、なんで道理を聞かなくても良いよ。そんなのは、人を殺す正義だ」 「僕は別に美しく生きなくても良いと思うけどね」 私自身が、自分の世界の歪みを持ち、それによりさらに自分の世界を歪め続けていることに気づいた。不要の規定、正義を作り上げ、自身をそれに縛り付けている。 私も、海馬に記憶された永遠の香りに囚われていたのだろう。 今、心地よい香りに縋ればよい。 そうしていけない理由など、あろうものか。 もう一つ。 本屋にいるとトイレに行きたくなる、とよく聞くけども。あ、紙の匂いか、と思い当たる。 そう言えば、今夜は満月だ。←新月でした。

    6
    投稿日: 2025.09.22
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    いわゆる「官能小説」では全くないのに、なんだかとても官能的でした。香りは本能と深く関わるからでしょうか。素敵な雰囲気を纏った小説です。

    0
    投稿日: 2025.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    千早茜さんの描く作品は、登場人物、風景、温度…どれも想像ができるので大好きです。 それに加えて今回の作品は「香り」まで。 アロマやハーブが好きなので、さらに小説の世界観に引き込まれてしまいました。 それにしても調香師の朔さん…。過去が辛すぎる。 そんな朔さんに居場所を与えた新城さんもすごい。 「執着と愛着の違い」…考えてしまいました。 嫌われることを恐れて自分から離れたのに、その後に存在の大きさに気が付くのは切ない。 それは強さでもあるし弱さでもあるな、と思いました。 「あなたが居なくなってから紅茶の味が違う。香りは変わらないのに」って言うセリフがとても大好きです。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    香りは永遠に記憶される。これは本当にその通りだなと思った。執着と愛着の違いというのは常日頃考えなければならない題であると思った。変化を受け入れられず期待する姿を押し付けてしまうのが執着だと思うけど、自分の為に香りを変えている人をもし好きになってしまったらそれは執着との違いに迷うだろうなと思った。

    1
    投稿日: 2025.09.16
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    香りは永遠に記憶される。 街中を歩いていて、思わずなるほどなと思ってしまいました。 工事現場の下水の香りに、再開発が盛んだった前職の職場の通勤路を思い出し、強い塩素の香りに子どもの頃の学校のプールを思いだしました。特に特徴的な出来事でも強い思い入れがあるわけでもない香りで不意に記憶が蘇るのだがら、その人の人生に大きな影響を与えた出来事に付随する香りは、再現されたらその衝撃は半端ないのだろうなと感じた。 どんな香りも正確に再現できる調香師と、一つの後悔に気力をなくした女性の、香りをめぐる物語。

    2
    投稿日: 2025.09.16
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    「執着と愛着の違い」 朔さんにとって一香さんは初めて一緒にいたいと思った人だったのかな?でも心が離れていくことを恐れて突き放してしまった朔さん。なんとも切ない。 「あなたがいなくなってから紅茶の味が違う。香りは変わらないのに。」 なんてめちゃくちゃ愛の告白じゃない?でも一香さんは冷静に「友人として。あの洋館に遊びに行きます。」と答えてる。それは本当の意味で朔さんを理解することはできない、理解できないことが朔さんを傷つけてしまうかもしれないと危惧した結果なのかと思った。それが二人の距離感なのかなと思った。とにかく香りがたってくる読後感だった。 それにしても新城ナイスアシストだよね。

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    図書館の本112 情景描写や登場人物に単純に魅力を感じた。 もっと香りの天才さんのことを知りたくなった。シリーズの他の本も読んでみようと思う。

    10
    投稿日: 2025.09.14
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    どんな香りでも作り出せる調香師のお話 とても繊細な世界観で、時折不穏な空気も纏いつつ 静かに物語は進んでいく 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」 甘い過去も、悲しい過去も、香りは思い出させてくれるんですね 一香と朔の悲しい過去に心がギュッとなりました 二人のこれからが、沢山のいい香りに包まれて幸せでありますように 源さんが育てた植物たちの香りや、一香が作る美味しそうな料理の香り、 それぞれがとても近くに感じられて癒されました 薔薇のジャムや金木犀のジェル・・・ どんな味なのだろう 想像が膨らみます 毎日が慌ただしく過ぎて行くけれど、 普段の生活でも心静かに香りに向き合う時間が あったら素敵だなと感じました

    6
    投稿日: 2025.09.13
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    香りということが好きだったり興味がある人におすすめ。登場人物の朔の生活には大変さもあるけどこんな生活してみたいと思った。情景描写がとても丁寧で想像たくましく読めました。

    0
    投稿日: 2025.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」「誰もが永遠を持っているんだけど、なかなか気がつかない。ひきだしとなる香りに再び出会うまでは」 この小説のなかで最も印象深かった文章です。 私は、7才の頃に父を亡くしています。それから3.4年後に偶然街中で亡くなった父と同じ香水の香りが香ってきたことがありました。父の香水の香りなどそのときまで忘れていたのですが、その瞬間に懐かしい香りとともに父と過ごした時間の記憶が蘇ってきたのです。この文章を読んで、「ああ、あのときの感覚だ」と強く感じました。 また、小説のなかで度々登場する庭で栽培したハーブを使用したお料理は本当に美味しそうで食べてみたくなるし、俗に言う「丁寧な暮らし」をしてみたくなりました。思うだけで実行することはなさそうですが笑 さらに、安易に朔と一香の恋愛物語に帰着しなかった点が個人的にとても好きです。きっと、朔が一香に抱いた感情は「愛」だと思うのですが、それは恋人同士における性愛でなくて人が人を思う純粋な愛なのではないのでしょうか?(純粋な愛とは何かよく分かっていないのですが他に表現する言葉が見つからず…) 最後に、この小説はとても好きなのですが、1つだけ。個人的には、朔や洋館での出来事は一香にとっての懐かしい思い出としておいて、再開するのは30年後…なんならもう一生交わらない方が物語として美しかったのではないかな?と思ってしまいました。が、人生は美しさではないですよね。朔たちの人生を思うならばこの終わり方で良かったのですかね。と、まとまりのない文章になってしまいました笑 追記 元来、嗅覚は優れている方かと思うのですが、この小説を読んでからというもの周りの匂いにより敏感になった気がしています。他にも私と同じ方いるのではないですかね?

    0
    投稿日: 2025.09.08
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    良い香りを纏いたい。ずっと自分にぴったり合う、自分自身から香りたっているかのような香水が欲しいと思っていた。私も朔に香りを作ってもらいたいなーと思ったけど、依頼内容が思いつかない。それって私が幸せだということなのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朔さんは主人公に恋したんじゃないのか、これは恋愛には発展しないのか、なんてことが読み終えて思った感想。想像するところまでがセットなのかな。 静かな読み心地が良かったし、またこの作者さんの作品をみたいな。今までに味わったことのない読後感。余韻に浸ってる

    0
    投稿日: 2025.09.08
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    小川洋子の「薬指の標本」は大好きだけど、この本にも近しいところがありながら全然刺さらなかった… 文章は癖がなく読みやすいし、連作小説あるあるの香りで誰かの心を癒すみたいなテーマではなく事件性のあるものや後味の悪い結末の章があったのも良かったけど、兄についてのくだりが最初の章で大体わかってしまったから、後半に一香と一緒のタイミングで記憶が蘇るようなざわつきを感じることができなかった

    0
    投稿日: 2025.09.07
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    特殊能力があると些細な事にも気づきやすく、それで嫌な思いをしたり傷つくこともあるんだろう。 でも好意や素直さにも気づきやすく、自分の好きという感覚も確かなものを持っていて、合う合わないを選びやすいんだと思う。 変わった人と思われがちだが、野生的でピュアだと思う。一香目線ではなく、朔さん目線で読むとまた面白い。続編を早く読みたいです。

    19
    投稿日: 2025.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今のわたしは、この部屋はどんな香りがするんだろう、とふと思った。「香りは脳の海馬に届いて永遠に記憶される」そう言われてココナッツの香り、古びた校舎の香り、潮風と日焼け止めと汗が混じったような香り、派手に着飾った日の母の香り、そんないくつかの香りと一緒に何人かの人を思い出して胸の奥がきゅっとなったりもした。 最初はなんの感情もなく変わった3人だな、と思っていたのに自分でも気が付かない間に朔に心を奪われ、新城に信頼を置き、一香を応援してた。 「嫌われる可能性」に怯えて遠ざけてしまうのはすごく共感できたのと同時に、それじゃだめなんだよ、その不変は損失なんだよ、って心がざわざわしながら残りのページ数を確認した。笑 香りは同じなのに味が違う、そんな変化にもっと過敏でいたいなって思わされた。歳をとると自分を守るためにいろんなことに鈍感になってしまうし朔もすごく生きずらいだろうとは思ったけどそれでも、そういうことをちゃんと感じとって生きていたいな。 ざわざわさせながらも優しい香りで包んでくれるお話でした。

    1
    投稿日: 2025.09.02
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    匂いによって思い出す記憶ってあるよね。 自分の場合は大抵はノスタルジックな感情と繋がってる気がする。 昔の恋人とか学生時代の楽しかった出来事とか

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    ページを捲る度に色んな温度感を香りと共に感じられてあっという間に世界観に飲み込まれていった 朔の言葉でいつかどこかで知ったプルースト効果を思い出した。香りは永遠に記憶されるってロマンチックでもあるけど、忘れたくても忘れられないものも永遠に残り続けるってよく考えたら残酷すぎる人間の仕組み それでも香りを求めてしまうのは本能なのかな 朔と一香のこれからの関係の変化も気になるし一言一句目が離せない一冊だった

    1
    投稿日: 2025.08.27
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    匂いが懐かしい記憶を呼び起こす。 私にもそんな経験がある。 香りは永遠に記憶されるというのは、確かにそうかもと納得させられた。 香りそのものを記憶しているわけではなく、その香りを嗅いだときに記憶がよみがえるのだと思う。 もしそんな思い出の香りを調香してもらえるなら、私もぜひ頼んでみたい。

    2
    投稿日: 2025.08.26
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    時に鋭いけど、あたたかい物語でした。キャラがとても立っていて映像化に向いている気もします。穏やか、だけではないけど想像力を掻き立てられます。

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    千早さんの作品初めて読ませていただきました。 ページを捲るたびに匂いや風景がふわっと香るような穏やかで綺麗な言葉達。 朔と一香は互いを必要としているが変に恋愛へ移行しない関係性がとても素敵であたたかいなと。 〜は記憶に残るという言葉がなんだか素敵でもあり残酷でこの物語の中で大切なワードになっている。 続編もあるということで、楽しみ。

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    美しい洋館で美しい青年に雇われる、暗い過去をもった主人公…という昔の少女マンガのような設定かと思いきや、そう簡単な話ではない。 まず主人公一香の過去が辛すぎる。お兄さんの事もそうだけど、両親もひどいものだ。 一方、天才調香師の朔は嗅覚が並外れていて、ただの香りではなく、その人が使っているシャンプーや洗剤はもちろん、生活習慣までわかってしまう。とても生きづらそう… 肝心な調香の仕事も普通の依頼ではなく、特殊なモノばかりだし、一香と朔の関係も危うくなってくる。 てっきり続編も一香が帰ってくるものだと思ったけど違うらしい。一香はもう大丈夫という事だ。

    0
    投稿日: 2025.08.22
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    1日で読み終わっちゃった。 香りってその人を表すもののひとつになるの素敵だなあと思うと同時に残酷だなあと思ってみたりした。 香水に興味あるから本当に面白くてこんな生活してみたい!ってなった。 てか朔が叶すぎる。

    0
    投稿日: 2025.08.22
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    題名に惹かれて読み始めました。 『香り』を軸に描かれた静謐な世界という感じ。人並み外れた嗅覚を持つ朔の苦悩、兄との問題を抱える一香。二人の間にある思いは複雑で、またその他の登場人物も明るくない問題を抱えているけれども、読んでいて暗くはならず、むしろ清々しく読了できたという不思議な作品。 続編もあるようなので、早速読んでみようと思います。

    16
    投稿日: 2025.08.20
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    本から香りを意識するようになるのは初めてでとても楽しかった。 人よりも優れた嗅覚を持つゆえの苦悩があるのだと感じた。 愛着と執着の違いは何かを考えさせられた。

    0
    投稿日: 2025.08.18
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    2025年のナツイチで購入。千早茜さんの作品を初めて読んだ。 調香、洋館、大きな庭、元書店員、ハーブ、、、 間違いなく好きなテイストが詰まった物語、活字からも匂いややわらかい風、朔さんの紺色の声が伝わってきた。 小川朔という人並外れた嗅覚を持つ調香師のまわりで起きるさまざまな香りに関する依頼や出来事。普通では解せない膨大な匂いの情報を扱うということは、かなりストレスがかかるということは容易にし想像がつく。 静かな匂いを纏う一香に初めて抱く他人への好意。これが「執着」なのか「愛着」なのかわからず、それぞれの過去を打ち明けながら、それでも何か変わろうとしている二人をいつまでも応援したい気持ちになった。 続編が出たらいいなと思うほど館にいる登場人物がみんな可愛かった。

    2
    投稿日: 2025.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暗い印象はあるけれどジメジメした重苦しい感じはしない。匂いと風通しがいいから詰まらずに読めた。 恋愛オチにならなくてよかった。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    匂いを主題とする本作では、 言葉そのものから淡い香気が立ちのぼるように感じられ、登場人物の佇まいや言葉遣いさえも一つの香りとして広がり、互いに溶け合いながら物語を形作っているように感じた。 物語の中で季節が程よく移ろい、さまざまな風景が描かれているのも印象的だった。移り変わる景色と香りが重なり合い、作中の時間の流れや、舞台の広がりを感じられた。 「香りと記憶が結びついている」という描写にも強く共感でき、確かにある匂いを嗅ぐと、その時の出来事や感情が一瞬で蘇ることってある。 読みながら自分自身の思い出まで呼び覚まされるような気がした。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」 文字から香りがするような美しく翳りのある物語だった。 朔のようでなくとも嗅覚が人に与える情報は多いと思うし、読み終わった後は日常で感じる香りを大切にしたいと思った。 また、話の中で出てくる食べ物が自分にとってあまり馴染みのないものなのに、すごく美味しそうでいつか食べてみたい。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    敏感な嗅覚を持つ調香師のもとで働く女性のお話。 耽美な世界を、香りの感覚を頼りに味わいました。 静かに心に残る物語でした。

    4
    投稿日: 2025.08.16
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    本を読んで、嗅覚を意識したのは初めて。イメージが膨らむ。香りがテーマなので、第一印象は華やかなかんじ。ふんわり穏やかな空気感。読んでいると、時々影を感じ始める。 依頼者の秘密や事件を通して、朔と一香の関係が変化していく。傷つきが癒えて、でも、癒えたからといってすぐに共に生きることもできなくて。ゆっくり人と人が関係をつなぐ過程が印象に残った。単純ではないから、相手にも自分にも慎重に丁寧に。とても優しい小説。

    18
    投稿日: 2025.08.12
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    軽く読めるし、とても没頭した内容でした。 自分自身、香りと記憶が結びつく、という部分が非常にしっくり来ましたが、それ故にいろいろな人がいて、いろんな思いを心に抱えていて、興味深く読み進めることができました。 お気に入りの一冊です。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    「香りは永遠に記憶されるから」その通り、過去に嗅いだことのある香りに出会うとブワッと記憶が溢れあることがある。それが幸せだった記憶でも辛い記憶でも。私も人より少しだけ匂いに敏感で感受性を左右させられる。そのこともあってか物語にとても引き込まれて、あっという間に読了した。ちょっとの謎やロマンスのようなものも含まれた深い物語で、登場人物のその後を読んでみたい。

    1
    投稿日: 2025.08.11
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    今この本の中で起きている状況を、ひとつひとつ鮮明に想像しながら読みました。 実際にその場にいる訳では無いのに、本から香りがするような感覚がありました。

    1
    投稿日: 2025.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    類まれなる嗅覚をもった天才調香師の朔と、そこで家事手伝いのアルバイトを始めた一香の話。一話ごとに様々な人が客が依頼にくる、という内容。 亡くなった夫の香りを作ってほしいと嘘をついて依頼にきた客。実は不倫相手の香りで、その香りを嗅いで殺人未遂を起こしてしまう。 目が不自由なミツコさん。目が見えないからこそ何もかもを見透かしているような老女。朔と親しげに会話していた。ミツコは余命いくばくもなかった。 オリザという有名女優が朔の店の存在を同業者に話し、面倒なことに。しかし実はオリザが話したのではなくマネージャーが横流しにしていた。 新城の人探しの仕事の手伝いをしていたら、朔が逮捕されてしまう。新城の探している人が誘拐事件に巻き込まれていた。髪に異常な執着を見せる美容師と出会う。 刑事の木場さんの息子を元気づける香りが欲しいという依頼。息子が欲しいのは香りではなく……という話。 人の傷口を見るのが好きな女性が、好きな人ができたからその人を傷つけないために傷口の香りを求めに来る話。 それぞれの依頼人ごとの話をしながら、一香と朔、そして源さんと新城が日々を過ごす様を書いている。 朔には親に捨てられた過去があり、一香にも兄が自殺した過去があるが、それを知っても互いに傷を舐め合うわけではなく、変に同情しすぎない、いい意味で他人行儀な雰囲気だったのがよかった。 一香と朔のテンションの低さが読みやすかった。新城はあのぶっきらぼうな感じで愛煙家で女好きで、人によって態度を使い分けてるの萌えキャラすぎた。 最終的に一香は館を離れるけど、それは朔の試し行為に近いもので……という最後の流れ、そういう感じでいくのか……と思った。恋愛っぽいけど恋愛っぽくない、そんな終わり方だった。 文章は綺麗で好きだった。が、それぞれの依頼人の話が面白かったかと言われると普通で、オチもそういう感じか~という感じだった。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    千早茜さんの「透明な夜の香り」読んだ めっちゃくちゃ良かった!情景描写も香りも、背景もキャラクターもすごく鮮明に見える。キャラクターの関係性もすごい良い。朔さんと、一香の焦れったい感じもいい。ハーブティーや、ご飯も美味しそう。短編の話で、ストーリーも分かりやすくてどんどん読み進めてしまった。続きあるみたいなので早く読みたい!!

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    香りは脳の海馬に届いて、永遠に記憶される。 人の感情の揺らぎさえも香りでわかってしまう、 とても鼻が効く調香師のお話。 彼の元には「前の恋人の香りを再現して欲しい」というような特殊な香りの調合依頼がやってくる。 とても静かな世界観だけれど、読了後はとても温かい余韻が続きました。 本なのに香りを感じる…と思える不思議な一冊。 続編もあるようなので、絶対に読みたいと思います。

    14
    投稿日: 2025.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    調香師・朔の存在が危うすぎる。一香に対する愛着と執着の違いはなんなのか……となるあたりからほの暗いねっとりとしたものを感じた。 千早さんの小説は言葉が短くて、すっと入ってくる。 朔・一香・新城のトリオものとして続編やドラマも見てみたいなと思わされる(映像は香りがメインだから難しいですかね)。

    1
    投稿日: 2025.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんタメのあかりんがずーっと千早茜さん紹介してて気になって買ってみた! 香りがメインに来る話だけど、臭覚以外にも視覚、聴覚、味覚、触覚がページを開く度にふんわりと伝わったり、想像したりできた。 小説でこの体験ができるのかと改めてしみじみ思った。 一香が過去と向き合い、朔もまた自分と運命と向き合う。 これからの関係がワクワクする!! 他の作品や続編の小説も読む◎

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    あらゆる香り・匂いに敏感なチート級の嗅覚を有する調香師と、アルバイトでその家事手伝いをすることになった女の子を取り巻く物語。いくつかのエピソードを交えながら、二人の一風変わった労使関係が展開していきます。どんなエンディングが待ち受けているのか。 二人それぞれの過去や内面に触れるエピソードが作品の世界観を形作っていますが、割とあっさりしている印象でした。 好みの分かれるところですが、個人的にはもう少し重厚に作り込んでも良いように感じました。

    0
    投稿日: 2025.07.29
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    直木賞受賞作の「しろがねの葉」がとても面白かった。作者の別作品が気になっていたところ、角川文庫ナツイチ2025対象の今作を発見。天才から見える(香る?)世界を想像して、ワクワクしながら読了。きっとヒトリ千早茜キャンペーン期間に突入すると思います。

    28
    投稿日: 2025.07.28
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    静寂の中にゾワっとした感覚が残る読後感。 五感ごと連れ去られるように情景が浮かぶ。 私にはやや読みづらい文体だったけど、それでも読み進めたいと思える作品でした。 きっと現実にあるならば、「異質」とみなし知ることのなかった世界を、小説を通して知ることができて幸運でした。

    12
    投稿日: 2025.07.26
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    香りを主軸にした作品。 夏のむせかえるような空気のなかで読めたのはよかったかも。 一香の抱えている過去と、朔の抱えているものが香りを通して静かに静かに繋がっていくようなお話でした。 ものすごく好みだった。千早茜、もっと読んでみる!

    2
    投稿日: 2025.07.21
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    嗅覚で色々目の前の人の感情などわかってしまう。朔さんの心情。自分だったら、、いいことなら耐えられるが普通に暮らしていくには苦しい。 パフェや食べ物がちらっと出てくる千早さんらしい作品。続編が読みたい。文庫派なので待とう。

    9
    投稿日: 2025.07.19
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    千早茜さん、初めて読みました。 めっちゃ好み。 1行1行大切に読みたくなる文体で 登場人物もみんな愛おしくなる人ばかり。 朔さんが本当に素敵で、続編も必ず読みます。

    2
    投稿日: 2025.07.19
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    本から伝わる沢山の匂いが心地よい一冊だった。 匂いに対して、登場人物たちが抱く 葛藤や欲望、赦しや念がそれぞれ違くて、 正解はなく、それを強要しないところも すごく良かった。 読者の捉える価値観を否定しない一冊。 この小川朔の天才的な嗅覚が 自分に欲しいかと問われると、個人的には 絶対にいらない笑 潔癖症な私にとって、閉じこもりたくなる気持ちが 痛いほどわかるし、それが匂いによるものであれば なおさら防ぎようがないため、日々辛いと思う。 千早茜さんの作品はどれもシチュエーションが細かく書かれるため、想像しやすくのめり込みやすい。 そして、食べ物が美味しそう笑 景色も鮮やかで読んでて心が浄化される。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    感情の起伏の少ない穏やかで静かな空気 その肌馴染みが心地よく 彼女の紡ぐ断片をもう少し垣間見たいと感じた

    0
    投稿日: 2025.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嗅覚という、ある種原始的な感覚を主軸にしつつ、生々しすぎず、詩的にもなりすぎず、微妙なバランスで語られた小節。 病的に嗅覚が優れ、幸せとは言えない子供時代を過ごし、少し浮世離れした調香師と、世俗そのものみたいな周りの人達との関係も微妙なバランスの上にある。 調香師が主人公をスパッと切り捨てたところは、かなり気持ちが冷やっとしたけど、そのまま捨て置かれる方が話の展開としては好みだったかも。 と言いつつ、続きが読みたい。

    0
    投稿日: 2025.07.14
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    匂いをもとに繰り広げられる物語がとても新鮮だった。本の中に登場する香りをひとつひとつ実際に嗅ぎながら読み進めていきたいと思わせてくれるような繊細な描写がたまらなく良かった。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    再読。 初めて読んだのは2年前の8月。 その8月にコロナ感染し、後遺症で1ヶ月ほど、ほぼ嗅覚が無くなった。 そんな嗅覚を失っていたときに読んだのが、香りがテーマの本作。なかなかない体験だったかも。 千早さんの小説の中ではいちばん好き! 香りをかぐことで記憶が呼び起こされることあるあるだよね。カビくさい本の匂いは、子どもの頃に親の本読んでたことを思い出すし、墨の匂いは子どもの頃通ってた書道教室を思い出す。 身近ななところにそんな香りがあるんだ…と気付かされるし、ハーブにも興味わくし、千早さんならではの料理の描写がとても美味しそう! 結末がすごく好き〜〜!生きていくって変わることだと思うからこの結末は納得! でも更に好きなのは一香と新城の掛け合いだったりする!もっと読みたい〜〜! 赤い月の香りも早く読まねば^ ^

    11
    投稿日: 2025.07.10
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    一香も朔も新城も源さんも、洋館の人々の人柄がとても好きだった。大変そうだけれど働かせてほしい。キリがないので読み終わった本はすぐに手放してしまうが、この本は手元に置いておこうと思った。心がザワザワしたときに読み返したい。

    4
    投稿日: 2025.07.07
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    繊細な描写で香りを表現していて、静寂な世界観が漂っています。ギョッとするような角度から「香り」をもとに他人の状況、思考を把握してしまう主人公の発言とそこから転がり始める展開は独特で、惹き込まれました。不穏な雰囲気のまま終了するかと思いきや、そのままにしない作者さんの締め方がとてもありがたかったです。

    3
    投稿日: 2025.07.07
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    タイトルとあらすじからの印象は仄暗い系で、そういう物語はちょっと苦手なこともあるのだけど、評価が高いのでナツイチきっかけに読んでみた 結果、仄暗さと清涼感が良い感じにブレンドされていて、良かった 洋館の庭の描写がとても好き 虫さえ克服できれば緑の指の魔女になりたかった私には、憧れの庭、食、生活 源さん最高(庭に注目しすぎ) ナツイチ2025

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    投稿日: 2025.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一番の愛読書。装丁にもこだわりを感じて素敵。 自分は嗅覚や聴覚が敏感なので、調香師である小川朔に 一種の共感のような気持ちを覚えました。 千早茜さんの書く繊細な表現からは香りが漂ってくる。 天才的な調香師である小川朔の傍で、助手のような形で働く若宮一香さんの視点で書かれているので本に入り込みやすかった。 『人に香りを作ること』がこんなにも奥が深く、人を幸せにも不幸にも変えてしまう、様々な人間ドラマが繰り広げられていて面白くて、美しかった。 千早茜さんもおそらく嗅覚などが人より過敏だそうだけれど、そんな感性が存分に引き立てられていた。 小説家になってくれてありがとうと言いたい。 こんなにも香りを感じて心を癒してくれる本に出会えるなんて思っておらず、この本のおかげで千早茜ファンになりました、ありがとう。

    1
    投稿日: 2025.07.04
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    静かで悲しくて綺麗な物語。 並外れた嗅覚を持つと、さぞ生きにくいだろうなぁ。 私もちょっと匂いに敏感なところはあるけど、それだけでもたまにキツいもんな。

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    投稿日: 2025.07.03
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    並外れた嗅覚を持つ。あまり良いことはなかろう。私もわりと人も、場所も、自分さえも臭くて嫌だ。 そんな嗅覚の、天才である朔の仕事が調香師。ただし現実離れをした依頼に応じた香りを作るなかでおきる様々なエピソードと、朔のまわりの人物や庭や記憶や後悔が織り交ぜられた秀逸の物語だった。 美しさと怖さと希望のバランスが見事。

    1
    投稿日: 2025.06.23
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    静かで美しい文章。 その中にも、人間の生々しさ?が描かれている物語でした。 香りって、本当に記憶に深く刻まれますよね。 香りで記憶が呼び起こされて胸がきゅっとする感覚(良い意味でも悪い意味でも・・)が個人的に好きなので、読んでいて感情移入できました。 そして、香りは人を狂わせることもあるのだという場面がいくつかあり、そこも面白かったです。 香りの表現、調理や食べ物の描写、風景の描写などがきめ細やかで美しく、千早さんの作品は今回初めて読みましたが、他にも読んでみたいと思いました。 個人的には新城のキャラクターが結構好きでした。 ぶっきらぼうだけど、根は優しいのだろうなというのが垣間見えて、、 朔と一香という穏やかな2人の間に彼が入ることで、ちょっとアンバランスなようで意外とバランサーになっているところがよかったです。

    4
    投稿日: 2025.06.13
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    静かで良い感じのお話だった。 屋敷での生活が羨ましくて、丁寧に家事とか料理とかしてみたくなるお話でした。 雰囲気のいい小説だけど、ストーリーとしてもきちんと面白くて、一気に読めました。 自分はハーブ系苦手なものも多いんだけど、チャレンジしてみたい

    2
    投稿日: 2025.06.09
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    物語の時間がゆっくりと流れている感じがしたので、読書にも時間をかけてゆっくりと読了。 お花や香草、お料理や体臭まで色んな香りが広がる小説でした( ꈍᴗꈍ) 苺とミントのスープ味わってみたい˖˚˳⌖

    16
    投稿日: 2025.06.06