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かたみ歌(新潮文庫)
かたみ歌(新潮文庫)
朱川湊人/新潮社
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総合評価

284件)
3.7
36
118
98
11
2
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    舞台は昭和40年代の下町、アカシア商店街。この街には人ならざる者が見える事がある。幸子古書店の店主がナビゲーターのような役割だが、最後のお話で店主の謎も解ける。少しホラー要素のある物語もあるが、温かい物が多いので読みやすい。個人的には夏の落し文の兄が登場する奇跡がほしかった。良い人は救われる世の中であれ、と思う。他の作品も読みたい作家さん。

    9
    投稿日: 2025.09.03
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    読書のリハビリ2冊目。 初めましての朱川湊人小説。 静かで穏やかでほんのり切なくて、少しホラー要素のある不思議な連作短編集でした。

    0
    投稿日: 2024.11.19
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    平成生まれだけどどこか懐かしい感じがする。映画Alwaysが好きなので街並みはそれを想像しながら読んだ。

    4
    投稿日: 2024.03.13
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    死者との関わりがあるという寺とその周辺で起こる短編集。 本の帯が大きい文字で「涙腺崩壊」とかハードルをエレベーター使わなきゃ超えられないぐらい上げて来て、その状態で読んだからか涙腺をガムテープで補強してる状態でも決壊しなかった。 全体的にしんみりはするのだが、これから踏み込もうとしてるところで次の話に行き、最終話で全ての伏線回収が行われるのかと思いきや、さらっと撫でる程度で終わっていく。 ライトで良いんだけど、私にとってはもう少し踏み込んだものを読みたかったなと読了後に思った。

    3
    投稿日: 2024.02.01
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    昭和だ〜 しかも“ゴリゴリ”の高度成長期 「環境」なんて二の次、「チクロ」入りのお菓子を食べ、光化学スモッグの中で子供が育つ。 道ではダンプカーか我が物顔で行き来し、白黒テレビからは、石坂浩二の「ウルトラQ」のナレーションが聞こえてくる。 「これから30分、貴方の目は貴方の体を離れ……」 そんな“怪しい”ノスタルジー香る連作短編集。 もう一つのお楽しみとして、短編ごとに昭和の名曲?が幾つか入る。 「紫陽花のころ」には布施明「シクラメンのかほり」(超有名) 「夏の落とし文」にはドラマ「愛と死を見つめて」テーマソング(マニアックだけど大ヒット、マコ、甘えてばかりで……) 「栞の恋」にはザ・タイガース「モナリザの微笑」(超超有名、ジュリー〜) 「おんなごころ」は佐良直美「いいじやないの、しあわせならば」(渋いですねー) 「ひかり猫」は藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」(独特!娘は宇多田ヒカル) 「朱鷺色の兆し」にはアニメタイガーマスクB面「みなしごのバラード」(とんでもなくマニアック、でも心に染みる名曲) 最終話「枯葉の天使」にはチューリップ「心の旅」(超超超有名、超青春だー!) あまり過去を振り返ると戻ってこれないので、注意……。

    2
    投稿日: 2023.09.11
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    昭和40年代頃を中心にした時代、都電が走る下町のアーケード商店街がある街を舞台に、生と死の間を行き来する不思議な体験を軸にした連作短編の構成。 昭和50年代に子供時代を過ごした自分からすると少し前の時代で、どんぴしゃノスタルジーを感じるには今一歩なのだが、人と人の距離が今よりも近かった素朴で小さな世界の雰囲気はよくわかるし、伝わってくる。 ハートウォーミングな筆致の中に、人の世の業が織り成す、今となってはやや生々しく感じられる件りも所々に盛り込まれる。令和の時代の日本社会の深層にも生き続けるウェットな人間関係の負の側面を意識させられ、やや重く感じられたというのが正直な印象。

    0
    投稿日: 2023.06.29
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    今回、読書にハマるきっかけとなった本です。 不思議な町へ自分も入り込んでその場にいるような気がするくらい昭和のノスタルジックな情景が浮かんできて、短編集で読みやすいというのもありますが、あっと言う間に読み終わりました。 しばらくしたらまた読みたくなると思います!!

    0
    投稿日: 2023.06.04
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    読者は不思議が起きる町へ招待される。 死者の世界に通じる場所がある覚智寺、町で起きる摩訶不思議な出来事の目撃者であり証言者である古書店主をキーに7篇の死にまつわる話が語られる。 そしてそれぞれの話の底流にあるストーリーは最後の一篇によって鮮やかに語られる。 戦禍を免れて古くからの町並が残ったこの町には訳あって他所から流れて来た人達も多い。彼らは過去に責め立てられながらこれからの自分達を立て直すためにこの町にやってきた。そして昔ながらの商店街でスーパーマーケットの便利さとはひと味違う買い物にむしろ居心地の良さを感じる。 この町には便利さと引き換えに私達が失ってしまったものが残っている。 それは人々が心地よく暮らしていくためにどうしても必要な事なのだろう。 人間は生きていく上で後悔する事を、長く生きていけばいくほどそれだけ多く抱え込む。 それに対する懺悔の気持ち、特に死んでしまった愛する者に対するその気持ちはなかなか辛いのだが、もしも死者に今この懺悔の気持ちを伝える事ができたならどんなに気持ちが楽になるだろう。 古いこの町はそんな願いが叶うかもしれない不思議空間。

    1
    投稿日: 2023.05.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     東京の下町、アカシア商店街というアーケードのついた300mぐらいの通り。古本屋、ラーメン屋、酒屋、スナック、お寺、アパート・・・。その商店街を舞台にした昭和30~40年代の物語。連作短編7話。霊や魂をテーマにした朱川ワールドが拡がっています。「かたみ歌」、2008.2発行。 

    0
    投稿日: 2023.04.22
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    なごり歌を先に購入してしまい、こちらのかたみ歌が先の作品と知り慌ててこちらも購入し、読破しました。  非常に良くできた短編集……かつ、それぞれ少しずつ人物が被るように絡んだストーリーの構成………あ、ここでこの人物が関係してくるのか!と意表を突かれたりで、じっくりゆっくり楽しめる読み物って素晴らしいなぁと感じました。

    0
    投稿日: 2023.03.27
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    朱川湊人作品の中で大好きな一冊です。 どこか懐かしい昭和のあの頃に連れて行ってくれます。 一つひとつの物語に切なくも温かい美しさを感じます。

    1
    投稿日: 2023.01.24
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    アカシア商店街での話。 地域密着、という感じの話ではありますが 時代も主人公も別々。 ただ、古本屋の主人だけが出てきます。 少しずつ分かったり、かけらだったり。 そこに繋がるのか、という小さな驚きがありました。

    0
    投稿日: 2022.12.26
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    朱川湊人 著 朱川湊人さんの本はこの作品が初読書です。 ブク友さんのshukawabestさんの本棚のご紹介で手に取り読むことが出来て良かったです( ˘͈ ᵕ ˘͈ )ありがとうございます。 情緒あるって言葉がぴったりくるような作品に出会えた気がして、とても良かったです。 下町の商店街を舞台にして起きる物語りは下町の情緒溢れるというだけなく、そこに息づく人間や得体の知れぬものの正体にさえ現れる雰囲気と感覚が情感に触れてくる。 不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包んでくれる7つの奇蹟を描いた連作短編集。 古本屋の芥川龍之介似の店主である老人が、ストーリーテラーのような役割で物語りは進んでゆく。 そしてラストでその鍵を握る人物こそ…、、 短編でありながら連作の形をとっているこの物語の中ではアーケード商店街アカシアと覚智寺のお寺近くに住む町の住人に起きる日常に、まさかの現世と黄泉をつなぐ謎が静謐に描かれている。 時代背景や流れる歌などは知らなくて懐かしいという感覚ではないにしても、時代が変わろうが、人がもつ切なくて悲しい思いは変わらないと感じさせてくれる。死に別れた人にもう一度会いたい気持ちも…幽霊という魂の不滅にゾワリ背中が冷たくなる感覚もそれすら越えてしまう忘れられない感情が切なくて温かい。 アーケード商店街って憧れる。 色んなお店が軒並みにあり商売人の顔やお店独特な顔が見えるようで…人と人の温度が感じられる気がする。 文中にあった古本屋の店主が言った 「袖擦り合うも他生の縁ですから」言葉が印象的だった。 今どき、そんな言葉を聞いたこともなければ、昔からある酒屋さんや野菜屋さんやお肉屋さん等、色んなお店が軒を並べるアーケード商店街も見かけなくなり、大型スーパーやモール店に変わるはやさと言ったら尋常じゃない(-_-;) 私は15年位前にバスで15〜20分くらいのところに、アーケード商店街を見つけた๑⃙⃘'ᵕ'๑⃙⃘ 寂れた感じはあったが、私の理想とする野菜、果物屋、薬屋、お肉屋、衣料品店、お菓子屋、帽子屋、お茶屋etc…そんなお店が軒を並べており、商店街の横道それると市場まであったのだ꒰◍︎⍢︎◍︎꒱۶(地元の方に聞くと、随分昔から100年前くらいからあったのではないかと思う) 一気に盛り上がりましたよ♪独りごちて(^.^) 何の用もないのに、時々訪れては、果物買ったり、珍しく豆腐屋さんが自家製豆腐を綺麗な水の水槽みたいなところから一丁取ってくれるのには感激した( ˶ˆ꒳ˆ˵ )お肉屋でコロッケをその場であげてもらい、紙に一個ずつ包んでもらい、商店街近くの公園で食べるのが至福の時だった⁽⁽ଘ( ˊᵕˋ )ଓ⁾⁾ あ〜懐かし、いやしんぼ(๑´ڡ`๑)だった頃を思い出す。 とはいえ、自分も近所は大型スーパーが沢山あり、駅に隣接のモール店などの近場で一度にすべてが揃うお店で買物する方が多く、簡単だし、自分の中でも商店街への魅力を感じなくなる頃…久しぶりに訪れたアーケード商店街は昔からの商店はなくなり侘しくなっていた( ᵒ̴̶̷̥́ _ᵒ̴̶̷̣̥̀ )もう、5、6年前?もう少し前なのか…(コロナの時期の空白のような時間が最近では時をはやめ年数時期感覚がかなりおかしくなっている) 市場はすべて閉店していた( ˙-˙ ; ) 打って変わり、そこには新築マンションが建ち並んでいた!このマンションに住む人たちは目の前に商店街があっていいなぁ…(´・з・`) と思いたいところだけど、その商店街さえ15年前に見つけた時のなりをひそめ、様変わり…荒んだ状況だ( ・᷄-・᷅ ) 変わっても当たり前のようになる時代だ。 長々と私情挟んでしまったが、本作の中には変わらぬ心情や人同士の身近な付き合いがあり思いやりがある。下町商店街の良さを引き出しているが、近い存在であるからこそ、嫌な気分になったり辛く切ない思いも近いのかもしれないって思った。 でも、人に素直に興味を持つことや親しみを感じることがすんなりと自分の心に沁みた。 そして、やっぱり人は不思議な感情を持つことは大切だって気がした。 ブクログで紹介されている朱川さんの他の作品も読んでみたいと思いました。 7つの連作短編集、どの作品も切なく哀しいけれど救われた思いにもなる良作でした。 ただ、”夏の落とし文”の啓介のお兄ちゃんのことがずっと気がかりのままだった。

    47
    投稿日: 2022.12.08
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    なんとも言えない寂しさと温かさが味わえました。 移り変わる時代が流行歌に反映されているのもいいなと思います。 じんわりと全貌が明らかになっていく感じが素敵でした。

    1
    投稿日: 2022.10.29
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    東京の下町にあるアカシア商店街。その近くにある覚智寺はあの世とこの世をつなぐ寺だと噂されている。その商店街をとりまく人々、特に幸子書房の店主が、7つの短編全てに関わりながら、そして、最後の物語では その店主の過去が明らかになっていく。殺されても家族を守ろうとする中華屋の主人、弟の代わりに突然行方不明になる血の繋がらない兄、古本に手紙をはさむ文通で、いつの間にか時代を越えて 若くして特攻隊で、亡くなった著者と交流する娘、亡くなった猫の魂に救われる漫画家、見えないものが見えることで 後の奥さんを助ける大学生、そして最終章では母に殺された幼い女の子が、古本屋の主人を救う。今は少なくなったご近所の心の交流と昔は感じていた死者との交流が、描かれていて 懐かしいようなほっとするような。もちろん、残酷な死があるのだが、それでもなお温かい気持ちが交差する。

    2
    投稿日: 2022.09.11
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    不思議な出来事が起こる「アカシア商店街」を舞台にした短編集。「かたみ歌」というタイトルは一体どう言う意味なのかと思ったが、なるほど「死人の想い=かたみ」の話なのかと納得。全ての話が死に関わる話で、少し物悲しく、少し恐ろしく、どこか懐かしい感覚がする。後半になるほど様々な事情が一気に明らかになるストーリーは爽快だった。またそれぞれの話に出てくるその時代を代表する曲もいい味を出していた。

    1
    投稿日: 2022.07.30
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    初めて読む、朱川湊人さんの作品。 7つの連作短編集。 舞台は昭和40年代の東京下町、“アカシア商店街”というアーケード通りとその周辺の街。 この時代は子供も沢山いて、商店街も大変賑わっている様子。 レコード屋のスピーカーからは古い歌謡曲が流れている。 私の頭の中は、セピア色の古い昭和の街にタイムスリップした感じ。 でもこの作品は、そんなノスタルジックなだけの作品ではない。 黄泉の国と繋がっているらしいお寺があり、7編それぞれ、死や霊にまつわる不思議体験のお話。 どの登場人物も、幽霊を普通に受け入れている(怖がらない)のが良い。 本来こうした“不思議”は私達の身近なところあり、共存しているのかな、と思った。 私が好きなのは、次の3編。 「栞の恋」 古本に手紙を挟み、文通する話。 「ひかり猫」 漫画家志望の男と猫の魂の話。 「枯葉の天使」 最終話、全てのストーリーが繋がる。 最後に全ての謎が解け、ひとまとまりになる様は、見事です。 この本を紹介して下さったshukawabestさん、ありがとうございます! 他の朱川さんの作品も読んでみたいです!

    35
    投稿日: 2022.06.28
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    昭和40年代半ばくらいかな、アーケード商店街を持つ東京下町。その周辺に住まう住民たちと死にまつわる短編集。 下町で日常を暮らす人と不思議な存在との共存。昭和のどこかまでは、まだそんな雰囲気があったようです。郷愁という言葉が、一番しっくりくる作品でしょうか。 “栞の恋”は、古本屋(この作品全体の主要舞台ですね。)の一冊の古本で、栞を使った短い往復書簡。素敵な恋の物語です。以前、映像化されましたね。これが、一番好きでした。そのうち電子書籍での恋なんかも書かれるかしら。 朱川さん初読みかなと思っていたら、「白い部屋で月の歌を」ですね!作風違って気が付かなかった。こちらもすごく良かったです。 shukawabestさんご紹介ありがとうございました。

    36
    投稿日: 2022.06.18
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    ’21年11月14日、読了。 いやぁ…只々、ため息。素晴らしかったです! 哀しさ、恐ろしさ、あたたかさ…色々な感情が、見事なバランスで混ざり合い、一冊の連作短編集を形造る様が、交響曲全集を聴き終えた様な圧倒的な感動と満足を、与えてくれました! 最終話「枯葉の天使」、泣けました。でも、お見事! たった一つの不満足点は…巻末の、諸田玲子さんによる解説。ネタバレ、凄いです。本格ミステリーではないから、いいのかな?(以降、ネタバレ含む、と表記してある解説をよく見ますが…本書では有りませんでした。)解説を先に読むという方、ご注意を!

    6
    投稿日: 2021.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    商店街を舞台に短編がおさめられています。『栞の恋』が世にも奇妙な物語20周年スペシャル・秋〜人気作家共演編で堀北真希さんが印象的でした。切なくて不思議な恋のお話でした。

    6
    投稿日: 2021.10.09
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    ある商店街を舞台にした連作集。 何らかの形で死を扱っているが、不思議と重く感じさせず、むしろせつない。 登場人物は外見的にこう見えると思わせておいて実はそうではなかったというものが多い点は、とても参考になる。

    0
    投稿日: 2021.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東京の下町、アカシア商店街の7話。 僕は朱川さんの紡ぐ、別の物語がちょっとだけつながっている、その構成が好み。③、⑤、⑥、⑦が特にお気に入り。 ①紫陽花のころ 初読はそれなりに楽しめたんだがなぁ、なんだかなぁ、そんな結末だったとは。 ②夏の落とし文 電柱の貼り紙に自分の未来が予見されていたら。いいお兄ちゃんだな、せつないな。 ③栞の恋 ひねりも不思議さもあってとてもいい。結末が意外だったが2読目以降も飽きない。 ④おんなごころ かわいそうだが、悪い作品とは思わない。他の編ではケバい初恵の正気さのためか。 ⑤ひかり猫 猫2匹と「私」と古本屋の店主しか登場しないが、朱川さんらしい味わいの短編。 ⑥朱鷺色の兆(ときいろのしるし) おっさんの一人称の語り口。予兆モノはいくつかあるがハッピーエンドで一安心。 ⑦枯葉の天使 他の6作全てに登場する幸子書房の店主が実は主役。締め括りとして珠玉の作品。

    7
    投稿日: 2021.08.04
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    連作短編集。いずれも死にまつわる話で、確かに背筋がひやりとするところもあるのだが、不思議と優しい気持ちにさせられる。死を、一方通行に終息していく、やるせない結果として扱わない。むしろ、未知の可能性として、世界の広さとして描かれている。

    0
    投稿日: 2021.03.27
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    幽霊を通して語られる短編集。死者は様々な思いを残し、今生きている人に直接現れたり、痕迹を残したり。それらのメッセージを様々な形で受け取る主人公達。心温まる話もあれば、切ない話もあり。読みやすくてよかった。

    0
    投稿日: 2021.02.08
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    ある商店街を主題にした短編小説 親子愛、兄弟愛に感動した。 ただそれぞれの話に霊の力のようなものがあり、 怖くなってしまい3話目の途中、読むのを断念した。 特に2話は感動も大きかったが恐怖も大きくトラウマになってしまった ただ最後まで読むと全ての話がつながるみたいなので、すごく興味がある もっと大人になったら読みたい本

    1
    投稿日: 2020.04.10
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    直木賞受賞作家の実力発揮の好著です。 7つの連作短編集は、個々の作品は独立していながらも最後の作品を読めば全体がつながるという趣向ですが、1960年前後生まれの読者ならさらになつかしさとほろ苦さが倍加されること必定です。 タイトルの「かたみ」とは形見のようですが、結構悲しい話もありながらも陰鬱に終わらない優しい小説です。 とはいえできれば、行方不明になった秀則兄ちゃんの元気な姿がこの小説のどこかで登場してくれればという私の願いは欲張りすぎでしょうか? 涙腺の弱い人には要注意です。 最後に、小説のPR告知です。 不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した"かたみ"の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。

    2
    投稿日: 2020.04.06
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    昭和40年代の郷愁と、異世界との繋がりを上手に織り交ぜた短編集。最終章は、ああそうなるだろうね、とネタバレだったが、そこに落ち着いて良かった...。ほっこりする一冊。

    0
    投稿日: 2020.01.21
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    死にまつわる短編集なのに、決して暗くないのはなぜだろう。最後の一編に、それまでの話がうまく掬われる手法が、沁みる。 小説を読まなくなった大人に似合う。

    0
    投稿日: 2020.01.09
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    ほんわかはする。 でも世にも奇妙系の恐さがじわじわ来る怖がりの自分にはちょっとあとを引くものが………。 最後の女の子の言葉とか、それぞれのつながりとかは良かった。兄弟の話のお兄ちゃんにも出て来て欲しかったな。

    0
    投稿日: 2019.09.11
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    いやゃぁぁ、それはずるい… あちらとこちらの世界の境界線が曖昧な下町の商店街。ノスタルジックでミステリアスで少し怖いような気もするけれど、人と人の想いが交錯するどこまでも暖かくて少し切ない短編集。 で終わると思ってたのに、ラストのあれはひどい。それはずるい。暖かすぎて切なすぎる。彼はあんなにひどいことをしたのに。 要は幽霊と呼ばれるものが現れたり超常現象が起きたりするお話ばかりなんだけど、それがなんでもないことのように描かれていて面白いと思った。

    2
    投稿日: 2019.08.06
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    ・ ストーリーテリングがお上手で 取りようによっては怖くもなり得る内容なのだけど、ノスタルジックで心あたたかくなるのが、朱川作品の特徴。 ・ 短編集なので、合間合間にサクサク読めるのも好き。 ・ 「花まんま」「かたみ歌」など、 タイトルのつけ方も好みです。 ・ ・

    0
    投稿日: 2019.08.04
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    7編の連作短編集。 心霊現象的なものをからめながら、人間の生き方がちりばめられています。 特に最後の「枯葉の天使」はこれまでの謎がすべて明らかになります。 全体の構成がよいので、どんどん引き込まれていきます。 とても面白い本でした。

    19
    投稿日: 2019.07.17
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    読んでよかった。 短編集になってるけど、繋がっていて読みやすかった。 私のように、普段小説読まない方にお勧めできます。

    0
    投稿日: 2019.06.30
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    「涙腺崩壊」という帯の文句にひかれて手にした一冊。 いつどこで泣かせてくれるのかと思ったけれど、結局 泣けなかった。 内容は、タモリがナビゲーター役でやっているTV番組 『世にも奇妙な物語』の脚本になりそうな短編の連続。 話自体は決してつまらなくはないのに、この惹句が 呼んだイメージとのギャップが大きすぎて、最後まで 入り込めなかった。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    「アカシア商店街」という古いアーケードで起こるいくつかの物語を短編にしたもの。 物語にはどれも、この世とあの世をつなぐ出来事が登場するが、怖いものではなく、不思議で、どこか暖かいものである。 すべての話が時を超えて繋がっており、古本屋の店主を中心にひとつの大きな物語となる。 本当に素晴らしい作品だった。

    0
    投稿日: 2018.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和40年代半ばの東京下町にある「アカシア商店街」で起こる摩訶不思議な物語。 アーケードのついた長い道に、様々な店がぎっしり連なる昔ながらの商店街の一角にある、ある有名作家似の古本屋の主人を中心に人々と物語は交錯する。 奇妙な「栞」の文通をしたり、あの世と繋がるお寺があったり、突然懐かしいあの子が「お使い」に来たり……。 どのエピソードもとても切なく、じわりじわり涙を誘うものばかり。 時代も変わり、流行る歌が変わっても、人が感じる幸せって昔も今も同じようなものなんだな。 不思議な懐かしさと、温かな気持ちになる物語。

    2
    投稿日: 2017.08.20
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    ゼミでやったやつ。 全く事前知識のないまま読んだが、予想以上に面白く読みやすかった。すんなり入っていけるような作品、ということで先生が選んだらしいので、その目的は達成されたと思う。 短編だがそれぞれ繋がってるのも全体を捉えやすい。 不思議な話が多いが、「かたみ歌」というだけあって時々ゾッとする話もあって楽しめた。

    0
    投稿日: 2017.07.12
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    小さな言霊が詰まった短編集。連続していそうで、していない。連続していなさそうで、している。 最後、女の子が出てきて、おじさんに伝えた言葉が胸に染みる。大切な人は、その時大切にしなきゃだな。

    0
    投稿日: 2017.05.22
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    短編集。 どの物語も優しさに包まれている。 ほんの少しの優しさが、誰かを、何かを、慰めていく。 「おんなごころ」は少し怖かったけれど、後の物語でちゃんと後日談が語られていてホッとした。 誰かのために…そんな思いがあるかぎり、きっと人は優しくなれるのだろう。 最後の物語で、ずっと登場していた謎の古本屋店主の過去が明かされる。 後悔だけを胸に生きてきた人生。 どうしてあげることも出来ずに、ただ黙って見守ってきた人。 心が通じ合えたとき、止まっていた時間はようやく動き出すことが出来た。 たくさんのお土産を集める日々が、まったく違う心持で始まるのだろう。 派手でなくてもいい。 綿密に組み立てられた物語でなくてもいい。 読んでいるうちにほんわりしてくる、そんな物語もときには読みたくなる。

    0
    投稿日: 2017.03.19
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    奇妙だし、全ての話はすっきりする訳ではないが、ジワジワと記憶に残る、切なさが心地よい。 この小説でアカシアの雨がやむときを知って、お気に入りの曲の1つになった

    0
    投稿日: 2017.02.13
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    初読みの朱川湊人。長編も読んでみたい。 ひとつの商店街で起こる不思議な出来事を綴る連作短編集。 ・紫陽花のころ ・夏の落とし文 ・栞の恋 ・おんなごころ ・ひかり猫 ・朱鷺色の兆 ・枯葉の天使 【夏の落とし文】のその後が気になる。

    0
    投稿日: 2016.10.19
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    物哀しくも後味はあったかい短編集。テーマソングとも言えるアカシアの雨がやむときをかけながらの二周目もあじわい深いです。 「夏の落とし文」「ひかり猫」、この二編がどうにも切なくて枕がびしょびしょに(笑) 「栞の恋」は昔、世にも奇妙な物語の中でドラマ化してましたね。読み進めていくうちに、あっこれは!と。 結末は違っていましたが、どちらも素敵でした。古本屋の店主を若き日のサリーこと岸辺一徳さんがやられていたのも面白かったです。

    0
    投稿日: 2016.05.15
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    最初は悲しいだろうが、やはり去る者は日々に疎し。人間は、忘れてしまう生き物だ。喜びも悲しみも、月日が経てば過去のものになる。心の整理がついたら、また歩き出せばいい。 世の中には、寂しい思いをしているものが、たくさんいる。 「面白いものですね、世の中と言うものは。日々誰かが去り、日々誰かがやってくる。時代も変わり、流行る歌も変わる。けれど人が感じる幸せは、昔も今も同じようなものばかりですよ」

    0
    投稿日: 2016.02.29
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    ホラーものは苦手ですが、これは大丈夫でした。「栞の恋」と「ひかり猫」が良かったです。「夏の落とし文」は、例え小説とは言え、子供が大人に傷付けられるのはやりきれないです。

    0
    投稿日: 2016.02.25
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    ファンタジックのようでいて、よく考えるとかなり不条理な「死」の物語。 「死」の不条理さがあるから、絶対的にちっぽけな者たちがの「生」が、愛おしく思えるのか。 個人的には、猫の話が好き。

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    投稿日: 2016.01.08
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    どうしてこの人の話のオチはこんなにも心地良いのだろう。此処しかないという着地点にピタッと落ち着き、同時に胸をカッと熱くさせる。僕はこの人の作品は本作入れて高々2作しか読んでいないのだが心の琴線は震えっぱなしだ。胸に染みっぱなしだ。昭和の哀愁、アカシア商店街、覚智寺、50度の眉毛の古本屋主人。これらがキーワードになった今回の作品も僕の心をノスタルジックな世界に運んでくれた。現世と黄泉の不思議で切なくて哀しい話も人間の想いや愛で浄化させてくれる。2015〆に相応しい作品であった。

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    投稿日: 2015.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    海外特に西洋の怖い話って、とことん怖かったり悲しかったりやりすぎてたりするんだけど、日本の妖怪話ってどっかに油断があるというか弛緩する部分があって、それが妙味になってたりする。 その妙味を醸し出すのがノスタルジックな雰囲気。市井人情江戸もんでも大正ロマンでもエエんだけど、戦後からバブルくらいまでの昭和テイストってのは、俺らの郷愁をかきたててタマらない気分にさせる。あの頃はまだドブも汚くて、街灯も薄暗くて、夜は怖いもんだった。何かがいそうな気がした。 朱川作品はその妙味をしっかり含有しているのは読んだ人には分かってもらえると思う。本書もまさにそれ。アカシア商店街に「アカシアの雨が止むとき」が鳴ってるんやで。ノッケから「さぁ郷愁とちょびっとの怖さ味わってやぁ」って感満載。そして最後まで期待を裏切らず、飽きるまで味わってくれとばかりに、商店街とそこにある古本屋と神社を中心にした短編全てに妙味が詰まっている。 ラスト収束の仕方に少々あざとさを感じたものの、これは個人の感じ方の範囲かなぁと思う。上手いよなぁ朱川湊

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    投稿日: 2015.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いっぺんさんという短編を読んで作者に興味を持つ。 この人、オチがいいなぁ。。 毎回主人公は違うけれど、 登場人物は年代は違えど被ってくる。というか、毎回登場する人物こそ真の主人公だと最後に気づいた。 作中で紹介される音楽が昭和で馴染みが無いけれど 聴いてみたくなる。 作中の少女が憧れているサリーなる人物がどんなにイケメンなのかと検索したら 岸部 一徳さん という事実が一番衝撃的だったけども。 女性目線、男性目線の時もどちらもすんなり感情移入できるのが凄い。

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    投稿日: 2015.12.04
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    なぜか不思議なことが起こる街の商店街を舞台にしたオムニバス作品集。 どれも不思議なんだけど、哀しく切なく、どこか優しい素敵な作品でした。 必ず出てくるのが古書店の店主さんというのが、また直前に読んだ作品とリンクしててなんとも… 芥川龍之介似の店主さん、とても素敵です。過去が明らかになっても、素敵です。 紫陽花のころ…近所のラーメン店で起きた悲しい事件とその被害者、そして主人公夫婦の秘密。靴を隠す場面で「?」となりましたが、最後は納得。ただただ切ない… 夏の落とし文…ちょっと怪談風。哀しすぎます。いつかまた、出会えますように。 栞の恋…どこかで見た…と思ったら、世にも不思議な物語で映像化された作品。当時から大好きでしたが、原作もとにかく良かった。栞で交わす心。救われる人。とっても好きです。これが入っているだけで、☆4 おんなごころ…哀しいけど、それより悔しい。幼い子どもは本当に純真で、一途で、可哀想… ひかり猫…可愛くて切ないです。誰もが愛されたいし、寂しさを抱えているというのは…真理すぎて切ない。 朱鷺色の兆…誰かが命を落とす印が見えてしまうということ。淡いピンク色というのが、逆にとても切ない。かなり好きな作品です。 枯葉の天使…まとめとして素敵。やっと店主さんのお話。読後感がとっても優しくなりました。

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    投稿日: 2015.11.26
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    久しぶりに「もっと読んでいたかったな」と思える本に出会えました。 7つの短編から成っています。すべてに「死」が絡んでいるので、ゾクリとする場面がありですが物語全体が優しさに満ちているので怖い反面良い話だなぁという印象を受けました。平成生まれの私ですが、昭和の時代に生きてみたかったなと思います。ちなみに、一番好きなお話は「ひかり猫」です。朱川湊人さんの他の作品も読んでみます。諸田玲子さんがすごく丁寧にこの作品を解説していたのもよかったです。初めて知った作家さんですが、諸田さんの作品も読んでみたいです。

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    投稿日: 2015.10.17
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    これ全く期待していなくて、例によって表紙がいいなあと思って買いました。家で読んでいたら何故か嫁が反応しました。この表紙の版画作家さんのファンらしく、コレクションを色々見せてもらいました。なかなか面白い偶然でした。 さて、表紙から想像するに3丁目の夕日的なものを想像すると思うのですが、実際はホラーだったりするんです。 昔ながらの商店街で色々な人々が不思議な体験をするのですが、その核になっているのが町の神社ととある古本屋さんで、その不思議な体験は全てが霊体験。連作なのに全部霊体験なんですよ。全然予想していなかったので正直びっくり。 話し的には切ない話が多いのですが、中にはぞくっと来る話も有って飽きることなく読めます。 「なんだよほんわかしたかったのに、ケッ!」 とか思いながら読んでいたらば、どれもこれも懐かしい風景と、胸に迫る情感が素晴らしくて、結局は大感動してしまいました。 商店街なので、一つ一つの話しがさりげなくリンクしていて、ああ、そういえば昔は誰かが誰かに関わってみんなすこしずつ数珠つなぎだったなあと思いだしました。 都内ですが僕も商店街の生まれだったので、優しい人々に見守られて大きくなった子供でした。商店街を歩いて買い物するとみんなが声かけてくれて、えらいな!買い物か!とか言っておまけしてくれたりしました。 虫捕まえて餌が欲しくて果物屋さんの前ででかい声で「腐った果物下さい!」と叫んで「うちには腐った果物なんて無い!!」と怒りながら色の変わったバナナくれたり、畳屋さんで一日畳作るの見ていたり、喫茶店のおねえさんにチーズケーキごちそうして貰ったりと思い出してもみんな優しかった。 なのでダメ親父は全然家に帰ってきませんでしたが不思議と寂しくなかったです。 話し逸れましたがこれは心に残る本になりました。

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    投稿日: 2015.09.21
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    平成生まれなのになぜか懐かしい アカシア商店街を中心にした様々な 不思議なお話が集結してます 特に本屋の店主はいろんな方向から ほとんどの話に関わってきます。(笑) 今ではあまり ”ご近所さん”との関わりは 薄いですが、昔ならではの 人間関係や、発想があって でも、どの時代になっても 変わらない物もある。 こーゆー世界観好きよ。

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    投稿日: 2015.09.21
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    「幸子書房」と「覚智寺」を軸に、展開する物語。どこか懐かしく、ちょっぴりもの悲しい。少し不思議な物語。

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    投稿日: 2015.07.17
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    まぁ面白いな。 って読んでたけど、最後にやられた。 感動しました。 温かい気持ちになれたので 人にオススメしたい本。

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    投稿日: 2015.07.08
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    お化けの話。怖かった。 泣ける本とのことでしたが全然泣けませんでした。7編の連作短編集ですが、最後の話で最も出番の多い古本屋のオヤジの過去が明らかになり、そこがきっと泣けるところ。でも全然。独特の雰囲気はあるものの期待はハズレで欲求不満に。

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    投稿日: 2015.03.30
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    カバーや読み始めの印象から、てっきりほんわかノスタルジックな話かと。 「夏の落とし文」に顕著なホラーテイストに、そんな軽いものではなかったことを思い知らされた。 どちからといえば、日本語で「郷愁」と表す方がぴったりかもしれない。 故郷に限らず過去は美化されがちだけれど、本当の所、こういうどこか鬱屈としたものが含まれているのだろう。

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    投稿日: 2015.03.07
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    古き良き雰囲気のアカシア商店街で、ちょっと変わったことが次々に起こる短編集。 まぁまぁ。 せっかくの題材なので、もっとすっきりしない話も入れて良かったのでは?と思った。

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    投稿日: 2014.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンソロジーで読んだ「死者恋」が面白かったので、 この人の作品を何か・・・と読んだ『都市伝説セピア』がイマニだった。だもんでしばらく放置していたのだが、先日どなたかにオススメされてて、久々に読んだら・・・すんません、イマサンだった・・・ つまんなくはないんだけど。期待値が高すぎたのかなあ。 連作集ってのがダメなのかなあ。 最終話で繋がる、なんて予定調和だけじゃ。どないもこないも・・・

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    投稿日: 2014.09.29
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    切ないけれども最後はなんだか心が温かくなるお話だなと思った。 栞の恋とひかり猫が好きだった。枯葉の天使は感動したな。夏の落とし文とおんなごころは子供が犠牲になってしまうからか読んでいてすごく悲しくなった。 全話少しずつ繋がっていて、幸子書房の芥川龍之介似の店主がこの物語の聞き役なのかなとも思った。読み進めていくうちに、幸子書房の店主に会ってみたくなる! 読み終わった後、アカシヤ商店街と覚智寺に行ってみたくなった。

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    投稿日: 2014.09.18
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    【本の内容】 不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。 殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。 古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。 7つの奇蹟を描いた連作短編集。 [ 目次 ] [ POP ] かたみ-死別や別離の後、当人を思い出すよすがとなるもの。 題名から想像されるとおり、本書では東京の下町を舞台として、死者がいろんな形でよみがえってくる様が描かれております。 愛する人を失って傷ついた人々をを、よみがえった死者がやさしく癒して去ってゆきます。 あなたの心の中にある願望を本書によってかなえてください。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2014.09.02
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    ブクログで薦めて頂いた一冊です。 何かおすすめの本はないか?と、どういった要望を出したのかは薄っすらとも覚えていないけれど、いざ読んでみると 「あぁ、あの時はこういう本が好きだったよね。」 と振り返ることが出来ました。 提案を頂いたタイミングからかなり時間が経ってしまったけど、 読んだタイミングとしてはこれ以上ないんじゃないかと思うくらいピタリとハマった。 怪談然とした雰囲気もありつつも、その背筋ゾクゾク感はいやらしさが全くない!気持ちよく読み進めることができました。 いつかおれがこの本を紹介してもらったように、おれも誰かに薦めたくなってしまう…そんな一冊です。

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    投稿日: 2014.08.31
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    時代を越えたり、ほかにもいろいろ世界をこえたり。ゾっとしたりほっこりしたり。みんな幸せになればいい。

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    投稿日: 2014.08.26
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    読みやすかったので、あっという間に読めてしまった。短編だけど、全て繋がっているので最後まで楽しめたし♪ 怖い内容なのかと読むのを遠ざけてたけど、ほっこり出来て怖さは全く感じなかった。 どちらかというと、私の好きなタイプかも。 朱川さんの他の作品も読んでみたくなりました。

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    投稿日: 2014.08.16
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    昭和40年代、現世と死後の国とを繋げる道があるというお寺のある、アカシア商店街という如何にも郷愁をそそる町が舞台である。 3話の『栞の恋』は以前テレビドラマで観たことがある。 本物のサリーが出演していて、オチが原作とは違った記憶がある。どちらも有りだと思う。 5話の『ひかり猫』、これは愛猫を失ったからこそ感じる切なさがある。 『世の中には―寂しい思いをしているものが、たくさんいる。』 現世で寂しい思いをしていたものは、死後も寂しいのだろうか。いや、思い出してくれる人がいればきっと寂しい思いはしないですむのではないか。 全篇、生けるものと死者が交差する不思議な話だが、恐怖感とか絶望という負の感情はなく、穏やかに自分の来し方、行く先を想像するゆとりを感じる物語である。 こんな小説を書く作家に興味がわいた。

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    投稿日: 2014.07.09
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    昭和40年代のある商店街を舞台とした少し不思議な話を連ねた短編集。 まるで当時の小説を読んでいるかのように自然と昭和の雰囲気があり、それだけでもなんとも不思議な感覚があります。殺人事件が起こった家を眺めている男、本に挟まれた恋文、死の予兆が見えてしまう怖さ、猫の魂とのふれあいなど、「死」を扱うため悲しい結末のものも多いのですが、おしなべて読後感が温かいのです。これは作品がもつ味なのでしょうね。

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    投稿日: 2014.05.29
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    綺麗なお話。 使者と通じることができると言われている神社のある小さな町のお話。 その神社と、そこにある古書店の店長をストーリーテラーとして進んでいく全てがつながっている短編集。 使者と出会ってしまったり、死神らしき少年に魅入られてしまう話などちょっと怖いような怖くないような・・・。 素敵なお話たちでした。 同じ作者の他の小説はどんななんだろう?

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    投稿日: 2014.04.25
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    読み終わった後、なんだか暖かい気持ちになりました。 「ひかり猫」という話に、一番心を打たれました。 世の中には、寂しい思いをしているものが、たくさんいる。 動物だって、人間だって、みんな、どこかで寂しさを抱えて生きている・・・。 深く、暗い闇の中に落ちてしまった者を救い、そして、その隣で、自分も癒される・・・。 誰かを支えることができる。愛することができる。 どんな人にだって、平等にその力は与えられていると思う。 人間は闇にも、光にもなれるということを忘れてはいけないと思った小説でした。

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    投稿日: 2014.03.12
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    アカシア商店街を舞台に、7篇の「死」が綴られる。強盗殺人、神隠し、神風特攻、無理心中、動物(猫)霊、死神、そして死者の使い。恐ろしくて哀しくて切ないのに、温もりと優しさを感じる世界が描かれている。そして、最終篇での感動の謎解きにより、7篇の「死」が見事にリンクした。降参。

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    投稿日: 2014.03.07
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    ようやっと読了。並行して何冊も読んでたので数ヶ月かかった… 以前、短編テレビドラマに収録作品の「栞の恋」が原案として使われており、ハナシの内容がとても気に入ったので読むことにしたのですが、個々の作品は独立してるのではなく繋がっていました。最終話で謎だった古本屋の主人の正体が判明するのですが、ホラーとファンタジーが上手く融合した独特の雰囲気で引き込まれました。 作品ごとに異なる文体も、どれも非常に読みやすい日本語で、情景がありありと浮かんできます。難解な言い回しや独りよがりな表現は皆無で、それゆえこれといった個性は感じないのですが、極力アタマを使わなくていいのでこれはこれでエンターテイメントとして良質だなァと思いました。とくに読書しない若い人たちにはもってこいなのではないでしょうか。

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    投稿日: 2014.01.30
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    本来なら怖いはずの超常現象が、とても身近に、親しみを持って受け止められる。 昭和歌謡やフォークソングやらの話題がちらほらと。実に違和感なく。

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    投稿日: 2013.12.18
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    あの世と繫がっている寺に隣接した商店街で起こる出来事の短編集。怪奇譚と言うほどではなく、いくつか後味悪いものもほのぼのしたお話しがメイン。

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    投稿日: 2013.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。 昭和の香りと死の雰囲気が漂う少し怖くて、でも優しい連作短編集。 どの話も胸に染みるものがありました。特に気に入ったのは次の2つです。 「夏の落し文」…天狗の落し文が貼られ、子供が行方不明になってしまう。 弟の目線から描かれた兄が、強くて優しくて、かっこいい。 「兄ちゃんは、なんでそんなに優しいの?」 「優しくされて嬉しいと思ったら、お前も誰かに優しくしてあげろよ。」 兄には出生の秘密もあるのだが、そんなことは関係なく弟にとっては、ヒーローのような絶対的な兄だったんだろうなと思います。 「栞の恋」…古本に挟んだ栞で文通を始めた。その相手は何十年も前の人で、時空を超えた恋をしていたのだ。 何年も前の世にも奇妙な物語で使われたエピソードだと思います。とても印象に残っていた話で、偶然パラパラとめくった本書にこの話があったため、購入しました。 好きな人に手紙を送るって、文通をするって、いいなーと思いました。

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    投稿日: 2013.09.26
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    連作短編集。 最終話で少し救われた様な救われない様な複雑な読後感。他の話の登場人物のその後が気になる。 カブに喩える父親のセンスと「イッパチマン」って名付ける兄のセンスが好き。小学生の頃の自分なら「テンエイトマン」と名付けたと思います。

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    投稿日: 2013.09.23
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    昭和の、とある商店街あたりに暮らす人々を描いた短編集。人情ものかと思ったら、そうではあるんだけど、軽くホラーだった。 おもしろかったです。

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    投稿日: 2013.09.03
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    ある下町の商店街を舞台にした7つの物語からなる短編集。どの話も<死>が関係しちょっと背筋のゾクッとするようなエピソードだが、舞台となっている商店街の雰囲気や個性ある登場人物達がその怖さをほんのり暖かく切ないものに変えてくれている。他の話の登場人物が再登場したりと小さな仕掛けをして最終話でとてもきれいにまとめていて読後感がとても良い。

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    投稿日: 2013.08.25
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    同じ場所を舞台にしたちょっと不思議な雰囲気を持つ短編集 少しずつ違う味付けがしてあるのに 包む空気が似ている 冒頭の作品が一番心に残った 自分の時間が欲しいと思うと ちょっと後ろめたく感じるもの

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    投稿日: 2013.08.09
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    積読だった本、いつ買ったのか、どうして買ったのか記憶にない。不思議な短編集。解説にあるように、もの哀しいけれどほのぼのとした、ぞくりとさせながらも郷愁を誘う、そんな小説。最初は読みにくかったけど、どんどん惹きこまれました。

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    投稿日: 2013.07.19
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    作品の一つ、「栞の恋」を紹介され興味を持って読んだ本。 昭和が舞台なので平成生まれの私は想像で補いながら読むのだけど実際にこの時代の昭和を生きた人が読んだらもっと楽しめるのではないのでしょうか。 「紫陽花の頃」はどことなく漂う悲しさに抒情性を感じ、 「夏の落とし文」に切なさと怖さが混ざり、 「栞の恋」は思っていた結末と違ったが、恋する少女のトキメキを味わった。 3作も読むと「幸子書房」が次の話ではどう関わるのか楽しみで楽しみで。 次の話を読むたびに「幸子書房」キタ!と思いましたね。 「おんなごころ」は本当に亡くなったまちこちゃんがかわいそうで、ラストの初恵さんの嘆きとイラつきにぐっときました。 「ふざけるんじゃないわよ!」この一言に全てが込められていると思います。 「ひかり猫」もどんでん返しがされましたが私も動物を飼っている分、もっと可愛がってやろうという気になりました。 「朱鷺色の兆し」も怖かったですね。人の死ぬ予兆が見れるなんて精神的に辛いな。 「枯葉の天使」でやっと謎めいた「幸子書房」の店主があきらかにされ、読者もすっきりしました。きちんと全編を通してちりばめた伏線を見事に回収しましたね。 「幸子書房」の店主は生と死の中間にいるようなイメージがありました。この街で起きる不思議話を難なく受け入れていたので、異界の人間かなとも思いましたが彼も普通の人間の一人だったんですね。 どの話も甲乙つけ難くって、あえて一番私が切なくなったのは「夏の落とし文」でしょうか。弟がいるので余計に感情移入をしてしまったのだと思います。次に「おんなごころ」。遠い事件の様だけど実はありがちな事件であるとも言えるでしょう。 「死」が続く作品ゆえにそれに伴うもの悲しさがあるのだけど最後の話で「生」が生まれた。正に一周した感じですね。 いろいろ考えさせるところも多々あり、どの話もしんみりと切なくもおもしろかったので朱川さんの他の話もぜひ読んでみたいです。というより読みます。

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    投稿日: 2013.06.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時は昭和40年代、東京の下町にあるアカシア商店街で起こる出来事を中心とした連作短編集。 ノスタルジックな雰囲気でちょっとホラー。

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    投稿日: 2013.05.23
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    初めて読んだ作家さんです。勧められて読みましたが、読んで大正解でした。幽霊にまつわる話ばかりで怖さもありますが、それ以上に切なくて深い感動が心を満たしてくれます。舞台が昭和レトロの街なのも懐かしさがあっていいですね。たくさんの人に読んでもらいたい作品です。

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    投稿日: 2013.04.27
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    <情報学部 3年 N> 企画コーナー「わたしの本棚」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2013/4/16-5/31まで】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1585146

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    投稿日: 2013.04.18
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    昭和40年代の下町のアカシア商店街を舞台とした7編の連作短編。 40年代の流行歌が所々に登場したりとノスタルジーを感じさせます。 人と人の繋がりの温かさと心淋しさが同居した、黄泉の世界と現世を繋ぐ不思議なお話です。 言葉のひとつひとつに込められた想いが胸に響く『栞の恋』、なんともいじらしくいとおしい『ひかり猫』がお気に入り。 途中途中心に引っ掛かりを残した部分が最終話で鮮やかに回収され、不思議と心に温かいものを残してくれた作品です。

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    投稿日: 2013.03.18
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    なんとなく怖いタイトルだと思いながら読んだところ、どの話も心揺り動かされ、引きずられるような余韻の残る短編集でした。 現実と彼岸がぼんやりと入り混じったような、なんとも不思議な感覚に包まれた世界。 第一話目では、主人公が不思議な男を見かけますが、途中でどんでん返しが起こり、さらに最後にもう一度話がひっくり返ったので、ウルトラC級的な話の構築力に驚きました。 きっちりとまとめあげており、本好きが想像するストーリー展開を、あざやかに裏切っていく点に、やられたと思いながらも、さわやかな爽快感を味わいます。 昭和の空気が匂ってくるような物語世界。 平成の世ではもはや失われた、「袖摺り合うも多生の縁」的な人間関係が、時に暖かく時にやるせなく、ゆっくりと展開していきます。 舞台は「アカシア商店街」。すべての話に共通して登場するのが、古本屋とその主人。 最後にその彼の隠されたほろ苦い思い出が登場します。 気持ちの落とし所のない虚しさ、侘しさを引き出されるため、読んだあとはしんみりと、かなり自分の感情を持て余してしまうような感じに。 時空を超える存在や、人外の存在を登場させるなど、かなり非現実的ではありますが、ファンタジーものにはせず、あくまで現実世界での話としているところに、著者の力量を感じます。 「泣きたくないけど、切なくなりたい」という時にお勧めの一冊です。

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    投稿日: 2013.01.28
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    久しぶりに、なんか、物語、読もー…と思っているところにたまたま行った本の森でみつけた、朱川湊人のこの本。高校生の時に「花まんま」を読んでフニャッとした気持ち悪いけど気になる感覚を覚えていたので、そのフニャッとした感覚を期待して読んだ。 でもこの「かたみ歌」はフニャッとした感覚ではなくフワーとしていた。映画にしたらええのに、と思った作品だった。 古本屋のおじいさんを軸にその町で起こる不思議な(でも登場人物は皆、納得してしまう)できごと。

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    投稿日: 2013.01.14
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    ぞっとするような出来事の中に、じんわりと温かみや優しさを感じるお話ばかり。 読後はしんみりして、後味が良いばかりではないけれど、確かに救いはあるのだと思える。

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    投稿日: 2012.12.04
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    不思議な物語七篇でできた短編集。少しゾクっとする内容だけど、一昔前の下町の商店街が舞台だからか、全体的にほんわかとした温かみがある。 ちなみに、文庫本の帯に「涙腺崩壊」って大きく書いてあったけど、その言葉はちょっと違うかなぁと思う。書いた人はこの本をちゃんと読んだのだろうか?

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    投稿日: 2012.11.25
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    世にも奇妙な物語で映像化された「栞の恋」がキッカケでこの本に出会った。本を読んでもっとこの物語を好きになった。ぜひ、みんなにもこの本を読んで欲しい‼

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    投稿日: 2012.10.19
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    短編集。 その中の「栞の恋」が世にも奇妙な物語にでてたということで購入。 わたしもテレビで見ていた。 世にも奇妙な物語で期待してということなら、一冊としてみると少し物足りない気もする。 この世とあの世の間があいまいになった?そんな商店街のお話。 少し寂しさを感じさせる。

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    投稿日: 2012.10.14
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    読み味がよろしくて、ファンタジーが苦手なわたしでも十分楽しめた。 いわゆる昭和の商店街といったイメージのアカシア商店街の、お寺と古本屋界隈で起こる不思議なお話たちが、ほんのりと切なさを喚起させる。これがまた昭和という時代にノスタルジーを感じてしまう世代としては、雰囲気がマッチしていていいんだよなあ。しんみりとしてしまう。 「紫陽花のころ」:引っ越し同棲を始めた男女と、ある事件が絡み合う。事件の全貌と謎の男の正体に迫る内に、彼女との関係にも変化が表れて――。この話だけは入り込むのが難しかったなあ。 「夏の落し文」:身体が弱い弟とリーダーシップがありそして優しすぎる兄の話。商店街に弟の虚弱体質を揶揄るような張り紙が貼られたことを初めとして、ある事件が起きるのだが――。これはいい。話は見えてるんだけど、やはりファンタジーやホラーではなくて、どこか民話的な色合いが濃い設定で、王道はやはり強い。 「栞の恋」:古本屋に現れる彼に恋した女の子の話。一つの本を通して、彼との秘密のやり取りが始まったが――。おお、そうきたかっ。真相が突き止められるシーンでは、カタルシスの度合いが強い。 「おんなごころ」:近頃までスナックのママが雇っていた女の夫が死んだ。酔っぱらっては子供にまで無体を働く最低な奴がいなくなってせいせいしたとママは思っていたが、元従業員の女は夫が帰ってくるという。徐々に家事育児がおろそかになり――。ただの精神状態が不安定なための妄言なのか、それとも……。ママのセリフがたまらなく響く。うん、上手いわ。切なさやりきれなさにあふれ、そして死者の(への)執着が怖くもある。 「ひかり猫」:漫画家志望の青年の家に寄りつくようになった猫がふいに消えた。そして代わりに現れたのは光り輝くまあるい物体で、あの猫にそっくりの動きをするのだった。そうだこれはあの猫の魂に違いない。男はこの光りを可愛がり出した。何ともかわいらしい。宮部みゆきの「あんじゅう」を思い出してしまった。なんとなく話の展開は読めるのだけれど、何故彼の家にこの猫が来たのか……。切なくて哀しくてかわいらしい。満足な話。 「朱鷺色の兆」:レコード店の店主が話し出した死の兆しが見えてしまう男の話。それゆえ恐怖に付きまとわれていたが――。何度も言うように展開の予想はつくのよ。でも面白いんだから。切なくほの暗い話が多かった短編の中では、異色で、それだからこそスパイスが効いてる。 「枯葉の天使」:夫がこの度出版することになったのは、日の目を見ることはなかったが素晴らしい才能を持った女流詩人の詩集だった。仕事人間の夫に不満を持ち、なかなか子供が出来ないことを不安に思う妻は、自宅アパートの近くのお寺に毎日現れ謎の行動をする男を日々観察していて――。もちろんこうだろうと予想できる展開もあるけれど、「あ!」と思うシーンもあるわけ。ならいいじゃない、これで。連作短編集の締めくくりとして、しっくりきて、そしてすっきりする。 正直結構読める展開が多いけれど、本当に面白い本ていうのは、内容が解っていようともやっぱり面白い。不思議で切なくて幸せで。泣き笑いをしそになった。

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    投稿日: 2012.09.23
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    「直木賞」作家とは知っていたが、ノスタルジックホラー、レトロホラーとは何だろう、そんなジャンルがあるのか、と読むのを躊躇っていたが、読んでみると、「三丁目の夕日」の郷愁と「水木しげる」の感性をあわせたような作品。 昭和40年代の風物やヒット曲が次々とちりばめられ、「アカシア商店街」とその周辺に起こる不思議で死にまつわる体験の短編連作。 作者は1963年生まれとなっているが、ここに描かれている世界の多くは、それより前の世代のような気がするが、それを生き生きと描いている。 全く新しいジャンル小説。直木賞「花まんま」も続けて読みたい。

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    投稿日: 2012.09.12
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    一つの街を舞台にして物語がつながっていく連作短編集。 涙腺崩壊なんていう大げさなものではなく、じわじわと胸に響く感じ。

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    投稿日: 2012.09.09
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    昭和40年代半ばの東京下町を舞台にした連作短編。各短編の主人公は下町の商店街にて不思議な体験をする。しかも死にまつわる体験。鍵を握るのは必ず各編に登場する古本屋のご老人。最初の編では背中がぞくとする感覚しか残らない。感動という帯に引かれ手に取った作品なのに??しかーし巧みな文章に引かれ読み続けた先に見えたものは‥。各編の物語が一気に集約され一つの美しい物語が浮かび上がる。物悲しいけど胸にしみるな~。夏の終わりに寝ながら読むにはうってつけの作品。更にその時代に流行していた音楽が物語に彩りを与えている。あのねのねの"赤トンボ"は懐かしかった(^^;

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    投稿日: 2012.09.08
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    ずいぶん前のドラマに惚れて(笑)原作を読みました。「栞の恋」はドラマのほうが良かったなぁなんて・・・ 十分おもしろかったけど、期待が高かった分ちょっと残念。帯に書いてあるほど泣けなかったぞ!

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    投稿日: 2012.09.03
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    素敵な本に出会えた、そんな読後感。 7つの短編の連作で、 一つ一つの話は無さそうで有りそうな昭和のお話。 穏やかであるが淡々としていて、ガツンと響くような話ではない。 しかし、最後の最後ですべての話の繋がりが巧みに説き明かされている。 あ~~、こういうオチなのかぁ~~。(いい意味で) 文庫本の帯に、『涙腺崩壊』と書いてあったけれど、 正直、そこまでではなかったが(苦笑)、 心がアタタカクなって、涙ポロリ…と頬を伝った。

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    投稿日: 2012.08.31
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    アカシア商店街の古書店を核にどこか懐かしい不思議な出来事を描く連作短編集。この世とあの世の境界なんて無いのかな。なんとも優しい登場人物だろうか。まるで長岡弘樹や内海隆一郎を彷彿させる作品だ。 昔はもっと不思議が身の回りに多かったような気がする。最近は現実だけで手一杯。年を取るとは、こういうことなのか。

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    投稿日: 2012.08.15
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    【ブッククロッシング待機本】読みたい方はご連絡下さい。 アカシア商店街のある 東京の下町を舞台にした短編集。 幸子書店 という古本屋さんが、話を繋いでいく役割なのだが 全編読んでいくうち、謎が増えたり謎が解かれたり 悲しみが増えたり 心暖まることがみつかったり 不思議な でも 本当に あったような あるような 街にも思えてます。 じゅわ〜っ とくる本です。

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    投稿日: 2012.08.05
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    ちょっと古い昭和の、とある商店街において 日本情緒にあふれる『ちょっと奇妙な話』の短編集 この世に未練はないが、ある方はどうにかこうにかして出てくるのだろう そのまでの『想い』をもって日々を自分は生きているのだろうか? 別の意味で寂しくなったお話でした。 紫陽花のころ 夏の落し文 栞の恋 おんなごころ ひかり猫 朱鷺色の兆 枯葉の天使

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    投稿日: 2012.07.29
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    朱川湊人氏3作目。 「あした咲く蕾」と同時期に読みましたが、私はこちらのほうが好きです。 (それぞれの好みがあると思いますが) 相変わらずのレトロホラー=人情ホラーです。大好きです。 東京の下町=アカシア商店街を舞台にした短編連作。 ほとんど全短編好きですが「 栞の恋」は何度も読みました。 テレビでドラマ化されそうな(もうされてるかも?)、切ない物語。  紫陽花のころ、ひかり猫、枯葉の天使 も良かったです。 これは読んだほうがいいでしょう!!な本です。

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    投稿日: 2012.07.20
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    不思議な事が起こる、アカシア商店街での連作短編集、ちょっと怖くて切ない話もあり。時空を超える「栞の恋」って話がよかった。伏線、連作、最終話でちょっと納得。

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    投稿日: 2012.07.04
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    シチュエーションや登場人物が好みで楽しめた。 昭和48年生まれの私よりも若い人たちには、分かりづらい世界観かもしれない。(私よりももう少し上の人の方が、よりぐっとくるのかも) 終止ほんわかした世界観が包んでいるためか、異次元の存在が登場しても許せる。

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    投稿日: 2012.07.01