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沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
沼地のある森を抜けて(新潮文庫)
梨木香歩/新潮社
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総合評価

191件)
3.6
34
61
58
15
3
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    先祖代々のぬか床から卵が出来、人が出てくる…ファンタジーともホラーとも哲学とも言える内容。最初はファンタジーホラーでどんどん読み進められたのだけど、途中から菌とか有性生殖、宗教というか科学的でもないし、哲学?みたいなよく理解できない内容だった。個人的に結末がはっきりせず、だから何?という感想。梨木さんとは相性が悪いみたいです;

    1
    投稿日: 2012.03.27
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    叔母から引き継いだぬか床から卵が生まれる。 この設定だけでもう大好きになってしまった。 有り体な自分探しの旅ではなく本当に字義通り自分のルーツをたどって、自分とはというよりかは自分という人間は何か、自己と自己じゃない部分の境目には何があるのかを酵母菌やらアメーバやらテツガクやらで探っていく壮大な旅物語。(主人公は研究所務めで成分分析の仕事をしている独身女性) 死者も生者一直線上に存在として描かれている。

    2
    投稿日: 2012.03.24
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    梨木さんの本だなぁとしみじみ思った1冊。 でも菌類の話はついていけなかった(笑) ぬか床が一体何なのか、主人公の一族はなんなのか、は最後まで明確にされていないからこその読後感。 家守奇譚もう一回読みたくなった。 どこに仕舞ったけかな。

    1
    投稿日: 2012.03.23
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    220ページで断念。 間違いなく話は面白いと思うが、タラタラタラタラ人と人が会話する場面が多く、私には文章を受け入れられなかった。文字を目で追うだけで、なかなか楽しんでは読めず...残念です。

    1
    投稿日: 2012.03.23
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    およそそういうことを信じそうにない主人公が 糠床の不思議を受け入れる妙。 凄い設定なのにわたしも釣られて受け入れてしまう。

    1
    投稿日: 2012.03.07
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    作者の発想力に脱帽。生命の起源、成立について、こんな考え方、表現ができる方がいることに驚きです。様々な知識を持ちながら、『オリジナル』な考えをもてる作者をただただすごいと思いました。男性、女性をやめる、と言う生き方の提示にも考えさせられました。でも、私には難解な部分もあるため、★4つで。また、読み返したいおすすめ本です(*^_^*)

    1
    投稿日: 2012.01.30
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    まさか「ぬか床」から生命の起源に持っていくとは。。。梨木さんの懐の深さに脱帽。梨木さんの頭の中はどうなってるのだろう。 不可思議な話しだけど、ぐいぐい引き込まれてとんでもないところに連れてかれて、読み終わってなんか分からんけど幸せな気持ちになる。 私の語力ではこの話しの良さを表現できないのが歯がゆい。。。 「リカさん」がまた読みたくなった。

    2
    投稿日: 2011.12.25
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    正直評価は低めです。私の理解力が乏しいのでしょうがいまいち楽しめませんでした。一応完読しましたが、なんだかもやもや~。

    1
    投稿日: 2011.11.16
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    おもしろかったです。命、というか生きるということをテーマにして読んでしまします。 ぬか床と酵母で話が進んでいくあたりにおもしろさを感じました。  途中に挿話される、“かつて風になびく白銀の草原があったシマの話”についてはよくわかりませんでした・・・。あれかな?とおもうことはあるのですが、本文中では一切言及されるところがないので疑問のままです。  そして本書はエンタテイメントよりも文学に近いので、なかなか久しぶりの体験でした。

    1
    投稿日: 2011.08.15
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    はじめ、なんじゃこりゃと思ったけど、読むほどに深みにはまってくような不思議な魅力。生命の神秘にじわじわと満たされる感じ。

    1
    投稿日: 2011.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意外にも壮大になっていく展開 オススメの一冊にしようと思いました。 この本の内容について興味を持ってくれる人はいったい自分の周りにどれだけいるだろう。 梨木香歩はやっぱりすごいです。 いつも私を救ってくれます。 「孤独」について、違った方向からの理解の仕方を与えてくれました。 そして最後はとてもロマンチックでした。・・・状況が状況じゃなかったら、ですが^^ そもそも前置きは長すぎますね!!>< まだ自分がそこまで達してないので分からない部分もたぶんたくさんありました。 もう少し大人になってからまた読むときは、また新しい発見がたくさんあるだろうなと思いました。

    1
    投稿日: 2011.08.12
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    ぬか床ファンタジー! 面白かった、最後のほうがだいぶ崩壊していくけど。 古いSFの、世界が崩壊していくイメージと同じなのかな。

    1
    投稿日: 2011.07.19
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    ぬか床からはじまり、続いていくはなし。 考えかたひとつ、自身の感覚で捉えているか、しかし独善的ではないか。常に問いをはらむ作品。 まだ主人公も若さがあって、へんくつではなくて、頑固なとこがかわいい。

    1
    投稿日: 2011.07.09
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    叔母の時子が心臓麻痺で亡くなってしまったので、家宝のぬか床を引き取ることになってしまった久美。まぁ、押し付けられてしまった風なんだけれどもね〜。ぬか床とそれを世話する人間に相性というものがあるらしい。なんとも不思議なぬか床。 微生物がわんさかいるぬか床ですから、そこがひとつの世界ということは分かるし、それぞれの家の味というものがあるのだから、きっと世話を世話をしている人との相性もあるのでしょう。 が、卵ができて人が出てきたりするのは不気味。 自分に馴染みのある人なら、それはそれで受け入れられるのかもしれませんが。 ええー! と思いつつ、好きなタイプの話だった。

    1
    投稿日: 2011.06.10
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    ファンタジーと呼ぶのだろうか 梨木さんらしい不思議なお話 我が家にも糠床がある 毎日毎日 悲しい日も 嬉しい日も 元気な日も 元気じゃない日も かかさずに かならず混ぜなければいけない なんともいえない その中に じかに手を突っ込み 底から混ぜる 毎日 毎日 祖母の日々も 母の日々も その糠は知っているのかもしれない そう考えたら 糠って 女の業の塊なのかもしれない

    1
    投稿日: 2011.04.18
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    おばが亡くなった日に受け継いだ「ぬか床」。世話をするうちに「ぬか床」からは人が現れた。すでにその人は死んでいるはずなのに。「ぬか床」を元の場所である沼地に返すため島へと出掛ける。梨木さんらしい独特の落ち着いた雰囲気で、それでいてどこか悲しい空気が漂っていました。それにしても生命に対する知識と考察の深さには驚かされました。自然や生命を題材にここまで深く書ける作家さんはほかに知らないです。自分自身が何か大きなものの一部であるような感覚を受ける、そんな作品。

    1
    投稿日: 2011.03.26
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    はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ?「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。

    1
    投稿日: 2011.02.19
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    色々どうかと思うところが少なからずあるけれど、読後感はそれ程悪くない。 が、どうかと思うところをとりあえずそのままにして読み続けるという我慢を補って余りある読後感ではなかった。

    1
    投稿日: 2011.01.30
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    不思議な話。とりあえず前半はとてもお漬物が食べたくなるww 最後の方はなんかよく分らなくなってしまった…理解力不足(^_^;) 今度読むときはもうちょっとじっくり…。

    1
    投稿日: 2011.01.03
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    梨木さんの作品の中で一番苦手意識ができた本。 ぬかとことか芸術家たちが出てくるから 「からくりからくさ」に似たものがあるのかな?と思ったら そうでもなかった。 ちょびっと残念。

    1
    投稿日: 2010.12.11
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    梨木さんにしてはアンバランスな作品 ・妙にポップは文体ではじまり、途中からは 重たい文体になり、そのアンバランスさが違和感として残ります。 ・読み終わったあとに梨木さんの作品らしい、後味、納得感や救われた感が少ない、分りにくい作品です。 ・「からくりからくさ」と似ていて、話し言葉が多く、そこが軽さをかもしだしています。 面白いところがないわけではないですが、少なくとも、 もう一度読みたいとは思わない作品でした。

    1
    投稿日: 2010.11.24
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    不思議なぬか床の話がアダムとイブにまで壮大になるとは・・・。前半の不思議な話の部分のほうが好きだったけど、最後まで面白く読めました。

    2
    投稿日: 2010.11.06
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    糠床と細菌、酵母等の話。 女の家に伝わる糠床を巡ったサスペンスホラー感動大作みたいな。 「糠床は 生きている」みたいな。 酵母とか菌とかのはなしは面白かった。 木々を繋ぐ菌のネットワーク、利他的とも言える菌のいくつかの性質はとても不可思議で魅せられる。それを通して生命の自他の境界がどこまでなのかとか、自己を残したいという個〜種の欲求に考えが及んでる。 そういう話が多岐にわたるから、読みながら自分でも生命は何かを自問自答するけど先に作中で一定の答えが示されちゃうから悔しかったり。 でも、なにはともあれ糠床なのが滑稽で可笑しい。 こんな神秘的で真面目でたまにホラーとハートフルが入ってるのに、全ては糠床かと思うと、なんか笑えてくる。 女性的なダイナミズムかな、と思う。 挿話のウォールに囲まれたシマの話は、正直あまりにも具体的というか、示唆的すぎるといか…という感じの物語で、入っていきにくかったけど。 自分の中の謎を解いていく物語だから、そういうとこは面白い。

    2
    投稿日: 2010.10.09
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    梨木さん作品の根底にある、命を廻るぞわぞわした感じが最もよく出ている本。結局人間はイキモノなんだ、それが在りようなんだ、と感じる。ただし、それを放棄するのも人間なのだと。でも、実はオチがあまり好きではない。

    2
    投稿日: 2010.10.07
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    恐るべき沼の話。代々の女たちの執念がしみこむぬか床。女の本当の恐ろしさと力を感じる。カッサンドラは怖い。

    2
    投稿日: 2010.09.24
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    大好きな、梨木さんの本。 こちらはまた、引きずり込まれるかのように世界に引っ張られていった印象があります。これまでの梨木さんのものよりも、さらに、非日常が侵食してきている。 けれども梨木さんの怖いところは、それなのに、「もしかして通り過ぎる人がそれぞれにこうした家の秘密を抱えているのかもしれない」と思わせることだと思いました。それは、主人公が「普通の社会人生活」を営んでいることに加えて、ところどころに登場する、やけに現実的な人たちだとか、科学用語だとかのせいかもしれない。 エンディングは、意外とあっさりで驚きました。 あと、挿入されるもうひとつの話を読んでいて、昔の村上春樹さんを妙に思い出しました。タッチとかは全然違うのだけれども、なんとなく世界観が。

    2
    投稿日: 2010.09.17
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    やっぱり梨木さんの描く世界観はいいですね!! 発想も面白いです!! けど最後らへんがうーんだったかなぁ・・・ でも素敵な作品でした。

    2
    投稿日: 2010.09.12
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    途中まではホラーっぽい面白さを感じて読んでいたのですが。 ホラーのような怖さとは違う、畏れ?のような壮大なものに対する身のすくむような怖さを感じる物語でした。 細胞レベルで語られてしまったらもう、ただただ、その前に立ち尽くすしかないですね~ 足元からずっとずっと繋がっているものを、感じずにいられない。 生とか意識とか、説明がつかないものに対する無限の可能性を思わせられる、壮大な物語です。 賛否両論だろうな、って思いましたが、あくまで可能性の一つなわけだしね。

    0
    投稿日: 2010.08.17
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    これ読んでから、八百屋さんの前のぬか床を何度も見つつ通ってしまう笑。何か入ってないかな~。 これを英訳できたらすごいだろうな。ぬか漬って日本人ならでは!!ラストの映画チックなとこはどうも馴染めないけど。あんなかけるの凄い。

    2
    投稿日: 2010.08.12
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    一族の女たちが代々かき回してきたぬか床を受け継いだ主人公の久美が、この不思議なぬか床を沼へ返しに行く。 「シマの話し」は、最初始まった時があまりにも唐突過ぎて飲み込めなかった。 男を捨てた男、風野さんと久美がそんな関係に!?男と女でなければ子供はできないからか。 結局、人は孤独であるけど、個人と個人が結びつくことにより新たな生命を誕生させることができる。そして、それは連綿と繰り返される、たぶんそんな話。 ぬか床から生物学や遺伝子、果ては宇宙規模にまで話が発展してて、ぶっ飛んでた。 久美と風野さんの菌や酵母の議論はとても面白かった。

    2
    投稿日: 2010.08.11
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    "先祖伝来のぬか床が、うめくのだ―――" なんて文庫裏のあらすじに書いてあったので、その言葉に惹かれて読みました^^* ぬか床?!呻く?! 初めてあらすじを見た時に受けたあの衝撃は忘れられない・・・^▽^笑 ぬか床が言葉の通り呻いたり、 ぬか床の中から卵がでてきたり、 その卵から人みたいなものが生まれたり・・・・^▽^ 最初は、そんなファンタジー?シュール?な物語。 でも途中から、ちょっと重くなってきて 男・・・女・・・いや人間・・・・、っていうか生物全体の在り方って何よ 自己って何よ みたいな議論があって・・・ 最後は何と言うか、壮大な・・・・・・・結末。 「ぬか床」の話も、「生物」の話も、「沼地」の話も「シマ」の話もその多全て・・・ 本当に全てが凄く面白くかったのだけれど、 一気に読んでしまったのが勿体なかったな・・・ もっとゆっくり読めばよかった・・・・ と、今ちょっと後悔しています。^^← 「ぐるり~」とあわせて読むとより面白いかも

    2
    投稿日: 2010.07.31
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    自己と他の境界って難しい。自分って遺伝子の思惑にのせられてだけだったり、環境と要因で変化してしまうほど単純なものなのかもしれない よくわからなかったけど内容のディープさに満足

    2
    投稿日: 2010.07.31
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    う~ん、この物語は KiKi にとってはかなりビミョーです。  恐らく梨木さんがこの物語で語りたかったことは「ぐるりのこと」のそこかしこで匂わしていらした、生命の神秘と命をつないでいくということに対する1つの視座みたいなものなんだろうと思うんですよね。  そしてそこに絡めて生命の連鎖という我々個々人がどうこうできるわけではないストリームの中での「個」、「個体」とは何か? ということに対するこれまた1つの視座みたいなもの・・・・・。  それは漠然とは感じられるんですよ。  でもね、何もそこに「ぬかどこ」が出てこなくたって・・・・・・・(ため息) 家宝とまで呼ばれる「ぬかどこ」を相続した久美がぬかどこの世話を始めるあたりまでは、かなりゆったりした気分で読み進めることができたんです。  でも、そのぬかどこの中にある日突然卵ができちゃったり、その卵から男の子やのっべらぼうの女の人が出てくるあたりから、何となく気分はホラー調へ・・・・・(実は KiKi はホラーというジャンルが苦手なのです ^^;)  そしてそのぬかどこがどこかの島の泥からできているとか、そのあたりでほぼ精神的にはギブアップ・・・・・。  (いえ、一応、読了はしましたけれど・・・・・)   さらには、メインの物語の間々に挟まれている「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」I~III がこれまた難解で・・・・・。  いえね、これ単独で読む分にはちょっとした「異世界ファンタジー」って言う感じで興味深いんだけど、間々に挟まれているだけにどう読んだらいいのかわからない・・・・と言うか。  まあ、恐らくは久美の一族の出てきたシマ、沼地を人間目線ではなく、別の目線で見たときの風景・・・・・のようなものなんだろうとは思うのですが、要するによくわからない・・・・・ ^^; (全文はブログにて)

    2
    投稿日: 2010.07.19
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    はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ―「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。 うーーむ。 なんというか、最初はとっても面白かったのだけど、ラストに向かうにつれ… ラストは円環と再生をあらわすのでしょうね…でもちょっと不自然なような、俗っぽいような…でした。

    2
    投稿日: 2010.07.19
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    酵母と微生物と精神と宇宙へと広がるけっこう壮大な物語。 端的にいえば先祖から受け継いだぬか床に秘められた謎を追いかけていく話。 梨木さんの世界感・空気感にひたれる、良作。

    2
    投稿日: 2010.07.17
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    2010.06.29 読了 途中まではそれなりに面白かったけど。 途中から意味不明で、最後は全然分かりませんでした。 残念。

    1
    投稿日: 2010.06.29
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    久々の、梨木新刊。 といっても単行本ではすでに発売されていて、 文庫の新刊、という意味だけど。 久しぶりにライトノベルでない小説を買ったので、 読み始めるのがちょっとおっくうだったのだけど 読み始めたらとまらなくなって 結局2日で読み切った。 開始2ページくらいでもうひきこまれたのは、さすがという感じ。 ファンタジーというかSFというか。 パラサイト・イヴ気味な。 「からくりからくさ」にもちらほらと理系的な雰囲気はしたけど、 今回はがっつり理系だ。 途中挿入される、草原の話が、 わかるようなわからないような、もどかしい感じ…… 生物系統の知識がもっとあればソレとわかることがありそうな。 誰かに解説してほしい気分。 でももしかすると創作かもしれないしな。 どこまで元ネタアリなのだろう、それすらわからないや。 いままでの作品とは趣向が多少異なるものの、 空気感とか文章の構成とかはやはり心地よくて、 おおむね好意的に読めた。 謎解きもわくわくしたし。 フリオにはイラッとするし。(←いいこと?) でも 最後の落としどころには若干のもやっと感… 普段から本能的であることはよいことと思ってますが、 それにしたっていくらなんでもその展開にはさすがに、 ねぇ、ちょっと、どうなの?! まぁ主人公はともかくとして、 風野さんは「利用された」感がぬぐえないと思いませんかね……ぬか床一族に。 せめて 「おまえもぬか漬け食ったのか」 のやりとりがなければ、 自発的行動とみてそこまでひっかからなかったのかもしれない…。 でも、それはささいなことというか、 この小説の流れをくんだら、 そのやりとりはあってもなくても変わらない、か…そうか…。 でもなー そこにきて急に「ぼくできます」的にそうこられてもなー。 なんかなー。 生物学上OKならばだれでもいいんかい!て感じがなー。 (ぶつぶつ) ぼくらは所詮遺伝子の乗り物。 ということか。 にゃー。 しかし、全編通して、おいしいぬかづけが食べたくなる。 キムチで代用できるかと思ってキムチ買ったけど、 やっぱきゅうりかなす、食べたいなぁ……。 こんな人におすすめ: ・生物学系の理系 ・恋愛に意味を見いだせない、ぴんとこない ・ジェンダーやら性(とくに女性性)について思うところがある ・ぬか漬けもてあましてる (2008年11月27日)

    2
    投稿日: 2010.06.16
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    いのちの源泉。 最近微生物とか植物とか宇宙とか歴史とかに興味が出てきたのは、多分梨木さんの影響が大だと思う。

    2
    投稿日: 2010.05.31
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    この作品を☆1つ減にするあたり、私は本当に、小説に、表面的な面白さを、一番に求めるみたい。まあいいよね、芸術って、そういうものじゃなもないし; でも、梨木香歩をあがめ奉っている私なので、この話が、私の哲学に与えてくれた、新たな答えの重要性は、計り知れないです。 この本読んで、考え方が変わった。梨木香歩の本読むと、大抵そうだけど。 これを読めば、彼女の人生観、というより、現時点では悩み抜いた末の人間論を、少なくとも、理論としては、伺い知ることができる。私はバカすぎてまだ全然理解できないけど。 ていうか、梨木香歩って、いつも考えて、悩んで、常に自分の価値観を磨いているんだと、この本を読んで、改めてショックを受けた。そして、結局は、それにより、どうにか世界を救いたいと望んでやまないんだろうな。 凄すぎる。

    2
    投稿日: 2010.05.13
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    梗概の「先祖伝来のぬか床の世話をすることになり」に、思い切り「?」となりましたが、本気でぬか床の話でした(爆)。 しかし、さすが梨木さん! とゆー話。 ものっそい説明がむつかしい話だと思うので、気になった方は読んでください(そんな)。 アラサー世代の女としては、「出てきた」女の言葉がぐっさりきました。ほっといてくれ。 久美じゃなくても、捨ててやろうかと思う人はきっといるよ! と、物語の本筋とは思い切り外したところに共感しました。

    2
    投稿日: 2010.05.04
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    先祖伝来のぬか床の世話をすることになった久美の命を巡る不思議な物語。 卵が生まれなくなってから、小難しくなってきた。 段々自分の中で消化しきれなくなったので、もう一度整理しながら読み返したいなと思いました。 フリオと光彦、どうしたんだろう?風野さんと久美はどうなるんだろう?沼は?加代子伯母さんは?

    2
    投稿日: 2010.04.14
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    おもしろくなかった。 それは設定される虚構がもっともらしく聞こえないせいだと思う。 主人公の女性が、言いたいことをズバズバ言ってて、そこが爽快というか、羨ましかった。

    1
    投稿日: 2010.04.14
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    『裏庭』みたいな雰囲気だと思いました。 『村田エフェンディ滞土録』や『家守奇譚』みたいなものが読みたかったのでそれはちょっと残念でしたが それはそれで面白かったです。特に結末とか。 作品と作者を結びつけて考えるのは良くないかも知れませんが;

    2
    投稿日: 2010.04.07
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    最初のフリオの話とカッサンドラの話にすっかり虜になってしまい一気に読んでしまった。代々受け継がれたぬか床を混ぜながら女たちが考えていたことが固まってそこから何か生まれてくる。もしそんなだったら単なるホラーの話だったろうけれど、そこに何か梨木流の妖しい世界が交差していて不思議感満載だった。ただ、「シマの話」は何を意味しているかよくわからなかった。ぬか床と関係しているのか、ぬか床の元のシマと関係しているのか、どうにも不思議な話で、また別次元の話なのだろうか。

    2
    投稿日: 2010.03.29
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    変だけど面白い話。哲学的なホラー。 キノコに「自分」はあるのか、分からないけど「自己規定」はあるんじゃない?というくだりが好き。理科は嫌いだったけど、生物やり直してもいいかなっと思えます。

    2
    投稿日: 2010.01.28
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    【あらすじ】 始まりは「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、呻くのだ。変容し、増殖する命の連鎖。連綿と息づく想い。呪縛を解いて生き抜く力を探る書下ろし長篇。 【感想】

    2
    投稿日: 2010.01.06
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    はじまりは、「ぬかどこ」だった。 先祖伝来のぬか床が、うめくのだ― 「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。 そこで何が起きたのか。 濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。 久美が感じた命の秘密とは。 光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。 連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。 (「BOOK」データベースより)

    2
    投稿日: 2010.01.01
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    ぬか床の中から人間が生まれてくる!? 曾祖父母が故郷の島を駆け落ちした時に持ち出したという、いわく付きの「ぬか床」 もう読み出したら他の事が手に付かなくて、没頭してしまいました。 代々の女たちの手で毎日かき混ぜられ、台所でひっそりと引き継がれて来たその「ぬか床」が、母親や叔母の手を巡って、回り回って長女の長女である独身の主人公の元に引き取られます。 初めは面倒臭がっていた主人公ですが、とりあえずキュウリやナスを漬けてみると、これがなかなか美味しくて、職場でも好評。 ところが、そんな「ぬか床」に変化が… 「ぬか床」が産んだ(?)卵から出て来た不思議な人たちとの奇妙な共同生活!! 梨木香歩さんの作品は好きなので、新作が出るたびに読んでしまうのですが、このお話にはのっけからやられました。 代々の女たちが朝に夕に繰り返した来たぬか床をかき混ぜるという行為に、伝えるもの、引き継ぐもの、食べる、命、果ては生命の根源といった意味まで彷彿とさせて、生と死についての物語が読めるようになっています。 物語のほとんどと、間に挿入される「寓話」のような「シマの話」も好きなのですが、主人公が「ぬか床」の故郷の島に渡るラストはちょっと不満足。 書きすぎじゃない? そこがインパクトがあるのかな? 「ぬか床」に染み付いた女たちの情念とか、いやらしさとか、涙や強さとか、女性がリアルに描かれています。 そこがリアルだからこそ、主人公が恋愛を冷静に見つみてしまう気持ちや、他人との距離感を感じる気持ちに共感できました。 自分の殻(ウォール)を解き放って他者を受け入れる… 理屈で言われると小難しいですが、常に様々な立場、視点で物事を捉える作者が書くとこうなってしまう「愛」の物語…なのかな? でもさすがに細菌や酵母の立場から愛を語られるとは思わなかった(苦笑)

    2
    投稿日: 2009.12.19
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    先祖から脈々と受け継がれてきた「ぬかどこ」の世話をするはめになった久美は、時折うめく「ぬかどこ」やそこから卵が生まれるという奇妙な出来事に振り回される。 「ぬかどこ」を返すためにやってきた故郷の沼地で知る命の仕組みとは。 梨木さんの本を読むのは初めてだったけど、もしかしたらかなり好きかもしれないと思う。 生命の最初は微生物から始まった。その説明のあたりは小難しくなってしまったけど、重くはない。ラストも予想外。

    2
    投稿日: 2009.12.19
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    うーん…。読み終わったーという達成感はあり。だけど、いやぁ面白かったーという感じはいまいちしない。いやいや、面白くなかったわけではない。もちろん面白かったわけだけど、なんかこう…実はLoveな小説だったんか!という衝撃が強くてなんとも…。

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    投稿日: 2009.12.08
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    結局キミ達なんなのさ?同じ動物でも理解できないことが沢山ある。毎日糠をかましていても、理解できないことはある。

    1
    投稿日: 2009.11.13
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    はじめのほう、カフカの『変身』的な不思議感(個人的に・・・)が、疲れる感じで読むのをやめようかと思ったが、 読み進んで行くとおもしろくなってきて一気に読めた。 とはいえ、なんとも不思議な世界観・・・・・・・・・。

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    投稿日: 2009.09.19
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    ぬか床からはじまる、不思議な話。 最初思ってたのと違う内容に驚きました。 さすがは梨木さんです。

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    投稿日: 2009.08.12
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    あたしたちはどこから来たんだろう? 細胞レベルの過去に思いを馳せたら、宇宙につながった。 壮大で、土臭くて、ファンタジーな物語。 こうゆう話ってきっと苦手、と思っていたのに、意外なほど引き込まれた。

    2
    投稿日: 2009.08.03
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    『家守綺譚』が非常に面白かったので、表紙が不思議なこの本を読むことにしました。ぬか床から始まるのはファンタジー?ホラー?途中、何度か躓きながら読み進む。それなのに、最後のほうは強く引き込まれました。

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    投稿日: 2009.07.30
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    ぬか床がうめくって???みたいに、あらすじからして意味が分からないんだけど(笑)、 文字通り、キュウリとかナスとか漬ける「ぬか床」がうめき声をあげて、 さらにそこから「人」のようなものが出てくるという。 ファンタジーというよりシュールだなあと感じてしまう話。 でもこの話は、そもそもファンタジーなんじゃなくて、ヒューマンドラマ的だと思う。 梨木さんは、染め物とかぬか床とか(こう言うのも申し訳ないけど)地味な題材が多い気がする。 そこから優しく物語を広げていって、読者を包んでくれる。私の一番好きな作家さん。 あ、ただし今回は、優しいながらもなんか重い。読み進めるのに、体力というか精神力が必要だった。

    2
    投稿日: 2009.07.22
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    糠床から現れる「ひと」のエピソードは面白かったけど、 後半のたびが始まってからは置いてけぼり感が強かった… 読み込みが足りないかもしれない。

    1
    投稿日: 2009.07.20
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    呻くぬか床。ぬか床から卵が生まれ、卵から人がかえる。沼地、ぬか床の一族の物語。だけど、不思議だけでは終わらせない。そして、梨木作品の根底に流れているものは変わらない。私の中をぐるぐると駆け巡り、収まりきらないものを残していく。この作品との出会いが引き起こした化学反応なのかもしれない。こうやっていろいろな事が相互に作用しあって変容し、続いていくのだろう。生命って不思議。

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    投稿日: 2009.07.18
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    「裏庭」もそうでしたが、私はちょっとファンタジーな感じが苦手で、 読み進んでいくのにかなり時間がかかったのですが、 なぜか両方とも後半には物語の波にのみ込まれ、一気に読んでしまう。 不思議だ・・・。 うちには先祖代々からのぬか床はないですが あれって人の手によって味が変わりますね。 祖母の美味しいぬか漬けを思い出した。。。 ぬかから始まり、酵母菌、そして人類の始まり・孤独と 壮大なスケールの展開に驚愕でした。

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    投稿日: 2009.07.16
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    はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ―― 「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。久美が感じた命の秘密とは。光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。

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    投稿日: 2009.07.09
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    はじめて著者の本を読んだのは、 海外一人暮らしの折、遊びに来た友人が持って来てくれたものだった。 そこから始まって、 すこしずつ読んで来ているが、今回は難しい。 主人公の年齢が近いことと、ぬか床というキーワードに 興味を抱いていた。思った通り、毎日くりかえされるぬか床の世話というなかに 物語が潜んでいて、心躍る。 が、それと同時にとてもとても難しい。 酵母菌やら乳酸菌やら最近やらが登場し、 有性植物だの粘菌だのとにかく世界観がすさまじい。 あまりにも日常とかけ離れたテーマに 著者らしさを感じつつも、きちんと消化しきれない。 物語としてのペースはとんとん読みすすめられるのに、 自分の中で消化されないままラストまで来てしまった。 もうちょっと辛抱強く読めば良かったかと少し反省。

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    投稿日: 2009.07.03
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    設定はファンタジーでも夢見がちではない。 個人的には、 ぬかみそから人が出てくる、というトンデモ展開が気に入っている。 この設定、もう少し長く楽しませてくれても良かった。

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    投稿日: 2009.07.02
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    先祖伝来のいわくありげなぬか床を継承してしまったばっかりに、身のまわりに不思議な出来事が次々と・・・ 世界は最初、たったひとつの細胞から始まった。この地球上に最初に生まれた細胞は、ずっと夢を見続けている。未来永劫、自分が在り続けること。。。。。細胞が死ぬほど願っていたのは、ただひとつ、増殖すること。しかし・・・・・全宇宙にたったひとつの存在。そのすさまじい孤独が遺伝子に取り込まれて、延々伝わってきたとしたら。。。。。 ぬか床の秘密を探るうちに、物語はとても美しいラストシーンに向かって壮大な展開を見せ始めます。

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    投稿日: 2009.04.29
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    梨木香歩の沼地のある森を抜けてを読みました。親から伝えられた「ぬか床」は、その一族の命の秘密が隠されていたのでした。そして、ぬか床の伝承者の女性はそのぬか床を先祖の発祥の島に返しに行くのでした。なぜか諸星大二郎の物語を連想させる設定で、微生物や粘菌の生態もからませながら、その一族の命の物語が語られていきます。命とは何だろう、という梨木香歩らしい視点からの問題提起でいろいろ考えさせられます。ちょっととっつきにくいし、理解しにくい物語でしたが、骨太のファンタジーとして楽しめました。

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    投稿日: 2009.04.03
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    買ってから昨夜手に取るまで、ちらちらと気になりつつも手が伸ばせないで居た一冊。 ようやくこの本を手に取る土壌が出来たということなのでしょう。あるいは「呼ばれた」ということか。 奇しくもこの本を手に取る前に母から電話があったのも感慨深い。 『ぐるりのこと』に近い印象を受けました。 主人公の年齢が「中年未婚の女性」であることに戸惑いつつ恋愛小説の風味も楽しみながら読めました。 独身の中年女性(というととても抵抗があるのだけれど)の単調な生活が、 叔母の遺品の「ぬかどこ」という有機物を受け継いだことによって変化してゆく…あらすじを説明すればそんなストーリィ。 結婚していないから愛情がないわけでなく 子供が居るから愛情深いわけでもなく 母だからという理由だけで無償で子供が愛せるわけでもない 当たり前のことなんですけど、それが受容れがたくて人は苦しむんでしょうね。 「カサンドラ」の毒のような言葉に物凄いダメージを受けた。 自分の未来を言い当てられたようで恐ろしかった。 丹念な描写がじわじわと境界をあいまいにさせて、「自己」と「他」を融合させていく…とても不安を引き起こしそうな話なのに、それが決して不快ではない不思議な感覚。かといって幸せな印象もないのですけれど。 これまで読んできた梨木さんの作品とは一線を画する作品のように感じます。 児童文学には登場しにくい世代を主人公に据えたことからもかなり実験的な試みが施されているように感じます。 難解。 難解だから面白い。 簡単に解ってしまってはいけない物語。 世界は複雑に入り混じっているんだよ、簡単に解ったつもりになってしまってはいけないよ、と囁かれている。 ねじ伏せるでもなく、巻き込むでもなく、こちらに振り向かせる。押し付けがましくないが根気強い訴え。 解きほぐしたいから読み直そうと思う。 それが相手へ共感へ繋がることを願いつつ

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    投稿日: 2009.03.01
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    2009/2/15読了 出だしは結構好きな感じだったのだが、後半に向けてうーん。 ちょっと今までと感じが違うな。。

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    投稿日: 2009.02.15
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    構成は、若干村上春樹の『ハードボイルド・ワンダーランド』に似てる。二つの世界が交錯していく。 先祖伝来のぬか床から、不思議な人達が出現するという最初の展開は、まるでファンタジー。だけど、そこに科学のリアルを絡ませていくのがこの人の上手いところだと思う。『からくりからくさ』なんかも、織物や染色の専門知識がぎっしり入ってて、そういう意味でも面白い。この作品では、菌とか酵母とかかな。その手法が、結構好きです。 しかし、最後フリオ達とかも集まってくるとこまで描かれるかと思ったけど、そうでなかったのはちょっと拍子抜けでもあり?『命の繋がり』を考えるには非常に面白い題材でありました。

    2
    投稿日: 2009.02.12
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    一言で言うと、村上春樹の世界の終りとハードボイルドワンダーランド。 ですが、テーマは違うし、ラストの昇華の仕方はほとんどま逆と言ってもいいような感じなので、それなりに楽しめましたし、味わい深かったです。 とりわけ、変性菌たちや酵母、そういったものの生命の脈動が読み進めるにつれて強く感じられてきました。なぜか、常にぬか床のにおいを感じながら読み終えた小説だったりもします。 彼女の小説は、日本人形、面、染め物、ジャム作りなど、古くからの営みのようなものが強く印象に残ります。この古くからの営みは、とても魅力的に書かれているので、彼女の作品を読むと、必ずその分野について深く知りたい、と言う気持ちになります。そしてまた、小説の中でもわかりやすく魅力的にそれらが活躍してくれるので、ストーリーとはまた別に、そのような部分について深く知りたい気持ちがページをめくる手を促すような気もします。 私たちはなぜ、この地球に存在し、また一人ではなく、男と女があるのだろうか。そのような誰でも一度は抱えたことのある、素朴な疑問に対して変わった切り口から答えを見せてくれた小説だと思います。もう一度読みたい。

    2
    投稿日: 2009.02.11
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    どんな哲学書よりも、間違いなくためになる哲学書。 と、私は思う。 哲学と言うか、倫理と言うか、摂理と言うか、生命と言うか、 とにかく繋がっている、そしてひとつである。 ひとつであれ。 光であれ。 私もいつかそんな出会いができるだろうかと悩む今日この頃。 2013.7.21追記 改めて読んだけど、読むほどに謎が深まる。 けど、改めて思ったのは、 「ひとり」であっても、「孤独」ではなくて、 「ひとつ」であっても、生命はすべてつながっているということ。 『あなたの手のぬくもり/命ということ』とは谷川俊太郎さんの詩だったかしら。なんだかふと思い出した。

    3
    投稿日: 2009.02.03
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    梨木香歩に、はずれなし。おばからぬか床を受け継いだばっかりに不思議な出来事に見舞われる主人公。およそありあえないことが起きているのに、おおらか、というか、まあ、なんだかわかんないけど受け入れるしかないよね的に日々過ごそうとする様子がなんだかとってもいい。ぬか床を守る主婦(または嫁)ってあたりから、フェミニズムっぽい展開に陥るのかなと思いきや、危ういところで戻り、で、最後は、ああ、こうなるのか。んー。もう一回読まないとだめだな。こりゃ。

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    投稿日: 2009.01.26
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    うーん,難しかったなー. 生物学?哲学?なんだなんだなんだ? 梨木さんの「西の魔女〜」を以前読んだことがあって,すごく素敵で,「こんだけ厚い本なら,その素敵さが長く楽しめるんでないかなー」みたいな感覚で買ったのだけれど. なんか違った. いや,結構違ったw ぬか床をめぐるウンチャラカンチャラって「いい感じに謎を持って素敵に納得させてくれる」ような感じだと思ったのです. 最初はリアルな生活感の中にすごく奇妙なものが入り込んできた感じでよかったけど,後半はそれが奇妙というよりは「こーゆーもんだから受け入れろ」的な感じが好きくなかったなー. ぼく自身の読解力の乏しさが大きく影響しているけれど,終盤は言葉が難しくて作者の意図がうまく汲み取れなかったような気もします. あと,途中途中に挟まれる「シマの話」がなんか「?」って感じ.最後の雰囲気とかアニメにありそう(←勝手なイメージw) さて,生命って何だ? 難しい部分があったけど本自体が悪いわけじゃないだろうし☆3で.

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    投稿日: 2009.01.23
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    ありえないだろうけど、発想としておもしろいお話。 沼地はぬか床。 ぬか床から不思議な人たちが産まれる というのも不思議。

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    投稿日: 2009.01.23
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    家に代々伝わるぬか床の話からはじまったので「菌の話?」とワクワクしていたら菌の話が生命の話、自分と他者の話になり、加速度つけて物語が広く深く進んでいったので、途中からもはや梨木さんの世界に連れ去られるがまま、時に"置いていかれる〜"という気持ちになりました。 ===以下、ちょっとラストに関する感想=== まさか最後の最後にあんな結末になるとは思っていなかったのでかなり驚いたんですが、ともにあのぬか床のぬか漬けを食べていた主人公と風野さんがおそらく子供を生したというのは、あのぬか床にいた未知なる進化を遂げた菌にあやつられてのこと、としか思えず読み終わってぞっとしました。。

    2
    投稿日: 2009.01.19
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    読後感は不思議な気持ちで満たされた。いったい、「存在する」とは、どういうことなのか?あえて、主語を言わない。それがこの本のテーマなような気がするから。これは中高生の頃読んだSFに通じるような?それともファンタジーか?無理に分類することが無意味なこともわかっている。

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    投稿日: 2009.01.18
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    別に特別暗い話でもないのだが、何となく”重い” 梨木さんの本全体に言えるかもしれないが この本は本自体から重いオーラを感じました あらすじだけではさっぱりなんのことかわからないと思いますが 最初のうちは、SF風味の女性の日常の苦悩話ぬかみそ風 途中からぬかみそがメインの自分探しの旅が始まり 挿入小説で抽象的きわまりない世界の話が入って 最後は壮大なテーマでエンディングを迎えて、 唐突に恋愛も完成する… 自分と他人や生命をテーマにしている様だが、 読み手が私(男性)であるせいか女性という性を描いているように 読み取れてしまう あとちょっと国語の教科書に載りそうな本です(イメージ) 児童文学も書いていた作者だから、言葉が難しくても ストーリーを無茶ぶりしないからだと思う 一気に読ませる面白さも、ラストの美しさも、テーマの重さもあるが それを含めても評価に困る 好きな作家なんだけど、次々に手を出すにはなんか気後れします。。。

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    投稿日: 2009.01.15
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    この手の壮大な物語が好きな人は大友克宏のAKIRAもお薦め。個人的には「生命の偉大な勇気」という想像力に賛辞。WEBでレビューしました。http://www.first-priority.yi.org/~siza/blog/2009/01/post_100.html

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    投稿日: 2009.01.12
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    途中で 「ああ、そうか、『裏庭』の作者だっけ」 とふと再認識させられるような 『裏庭』と同じ空気が流れているような なつかしい感じがしました あえて比較するなら個人的には 『裏庭』のほうが好きですが H21.1.11読了

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    投稿日: 2009.01.12
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    ぬか床と遺伝子と沼地の話。 要約すれば命とかそういったものになるんかな。 最初は軽い短編として読んでいたけど。 徐々に粘着質で絡み付いてくるような感じ。 遺伝子とかの話はすごく面白かったけど。 メインのぬか床の話は湿っぽくてあまり好きじゃない。 西の魔女が死んだはすごく読みやすかったけど。 この作品はちょっとおどろおどろしかったかな。 ラストが予想外の展開かつ腑に落ちない。 読了後も何かと引きずられているような気がする。 悪くないけど、少しずつずれていくような感じ。 後半は読み進めるのがしんどかったです。

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    投稿日: 2009.01.11
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    単行本で読んだときに理解できなかったところを文庫本で読み返すことによってわかってきたような気がする。 死があるかあら、私たちは存在できる。

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    投稿日: 2009.01.07
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    うーん・・・ ぐるりのことでちょっとついていけなくなった私には読み辛かった 前半面白く読んだけど、終盤になるにつれて理解できなくなった ぬか床から壮大な生命の流れみたいなものに行き着く流れはすごい。 でもよーわからん 特にオチ、なんでそうなるのだ 結局そうなるしかないのか EOEみたいなのって、人類の普遍的なテーマなんだな 主人公をはじめとして、少し説教臭い感じがした

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    投稿日: 2009.01.05
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    先祖伝来(といってもそんなに昔からではなかったけど)の「ぬか床」を受け継いだことで始まる物語。すごく不思議でおもしろかった。のかな?うまく言えない…

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    投稿日: 2009.01.03
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    「ぬか床」から始まる自分探しの旅のようなもの。 ただの自分探しではありません。 間に挟まれる幻想的な話が印象的です。 話に飲み込まれることが怖くて少しずつ読んでいましたが、 最後の方になると「飲まれてナンボ! 乗ってやる!」という 心境になって一気に読みました。 「無性(むせい)」も一つのキーワードかも。 微生物の話は好きだなぁと改めて思いました。

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    投稿日: 2008.12.31
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    ネタバレを避けて簡単に説明するなら”ぬか漬けと細菌が出てくるはなし”っていう意味不明な説明になってしまうけど、梨木さん特有の世界観がすごく濃密に詰め込んであるお勧めの本 読んでから大分経つにもかかわらず印象が色あせない この人は”命”を奇麗事でも生臭く汚いものでもない、何か温かいものとして表現するのが凄く上手

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    投稿日: 2008.12.29
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    5に近い4。 繊細で女性らしい文章書く人だなーって思ってたけど、本作はちょっと毛色が違ったな。抽象的ながらも思索的で、主題を前面に押し出した作風。男性的といえるかもしれない。抽象的な割に、書こうとしてることが分かりやすくてとっつきやすかった。 つーか風野さんが大弁舌を振るうシーンに甚く共感した。特に195ページのシーン(笑)常々考えていて、時に口にもすることと完全に一致した。俺の男性に対する嫌悪感(もしかしたら近親憎悪)はそこから来ているのだし、頭で知ってはいても実態を理解していない女性が多いと思われる中で、よく書けてると思った。 にしても性を捨てるとは思い切るなー。主義に従ってある種のちょっとした制約を自身に課したりはしているけど、その発想はなかった(笑)妥協ではなく拒絶か。でも自分の性ならコントロール可能だし客観的な意味はないよな。自己もそれに属するって嫌悪感が昂じたら、その選択もありえなくはないかもしれんが。 と、重要だけど物語の核心部分ではないところに字数を割いてしまった(笑)イデオロギー的なことに過剰反応してしまう悪癖が・・・。 そんな風野さんだけど最後は受け入れたわけだ。色々気になるとこもあるし、物語の落とし方としては好きでなかったかな。 でも表現手法も神秘的だし、他の有名作家のような下世話な印象は受けなかったな。なんというか、品があるよね。

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    投稿日: 2008.12.16
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    梨木さんの本ですが題といい表紙といい・・・躊躇しましたが読み始めると一気に読みました。生命、性、家族・・・いろんなことを考えされられるお話。

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    投稿日: 2008.12.12
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    着眼点が面白い。ぬか床で生と死、繁栄と衰退を表し、人類の発生時点から現在への過程を転化するなんて・・壮大すぎて途中で迷子になりそうでしたが。 しかしぬか床がその家に代々受け継がれていくように、命も受け継がれていく・・そんな命のリレーというか営みについてあまり考えたことがなかった自分には、挑戦的で刺激的な作品。

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    投稿日: 2008.12.10
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    ぬかどこー!でもりかさんとかのほうが好きー! 出てくるひとが穏やかなのが、このひとの作品の好きなところ。時代のつながりが簡単に100年200年存在するのが、もっと好きなところ。

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    投稿日: 2008.12.08
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    ぬかどこから人が湧き出てくるというファンタジーが、生物全体のありようを描くソーダイなテーマへ繋がっていく。これは本当に彼女なのか?というくらい今までの作風や雰囲気が違うような気がしました。春樹的な作風?

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    投稿日: 2008.12.07
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    うーん・・・・ なんか、恩田陸読んでる気持ちになった・・・ ぬかどこかき回してたら卵生まれる話w 単細胞生物が、とかのくだりがすごい面白かったけど 一番はじめのフリオのところが一番すき。 だんだんなんか、ヒトの存在についての議論みたいになったなあ あ、あれだ りかさんの次の話みたいなんだ。 あーあそこからそういうことになったのね なるほど。

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    投稿日: 2008.12.06
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    この作者の作品では、女性の在り方や社会との関わり方が描かれることが多いのですが、ここではそれに加えて女性性と男性性の関わり方、そして連綿と続く命のつながりが描かれています。しかもぬか床を介して、酵母や菌類にSF的解釈を加え展開させるのが巧いですね。

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    投稿日: 2008.12.05
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    情報科教員MTのBlog(『沼地のある森を抜けて』を読了!!) https://willpwr.blog.jp/archives/51178314.html

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    投稿日: 2008.12.02