
総合評価
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powered by ブクログ2019年第1回山中賞受賞作 同年『週刊文春ミステリーベスト10』 国内部門第1位 2020年 ドラマ化 初出は2004年から2006年にかけて月刊誌「旅」に連載 物語の中でも、主人公は趣ある土地を訪ね歩き、建築家としての目線で風景と人の営みを見つめる。 タイトル“ノースライト”は、北側から入る自然光。建築や写真などで使われる用語。 直射日光が入らず、一日を通して安定した柔らかい光を得る。それが、ノースライト。 この光は、作品がラストに向かうに伴い、心を照らす象徴としても描かれているかのよう。 本作は、ミステリーというより、 ひとりの建築士が設計と施工にかける生き方を、タウトの椅子から導いていく物語のようです。 現実の旅と、心の奥に潜る精神の旅。その二つが静かに重なります。 施主の詳細が見えないまま進む展開や、やや強引に感じられる新聞報道の要素など、 納得しきれない部分も残ります。 けれど、地方と東京を行き来しながら展開する物語は、「旅」という雑誌に連載された作品として、ふさわしい構成だったのではないかと思う。
115投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ横山秀夫氏の書く小説がやけに心に刺さるようになった。 それは自らの年齢も相まってかもしれない。 建築士である青瀬稔の最高傑作である信濃追分のY邸。 だがその最高傑作の家に、 引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないことを知る。 消息を絶った施主の吉野の痕跡を追ううちに 日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。 物語の前半はゆっくりと状況を我々に説明してくれる。 そのスローテンポさに少し飽きを感じてしまうのだが、 ところがどっこい、後半に差し掛かるにつれ、 散らばった点と点は見事に線となり繋がっていく。 そして何より後半にかけての青瀬の決意にはグッとくるものがあった。 若い頃に読んでいたら青瀬の気持ちの何一つとして 理解も共感もできなかったかもしれない。 だが、今となってはそれが全て自分に置き換えて読むこともできる。 若い頃のほろ苦さとはまた違うのだが、種類としては一緒かもしれない。 残像を追う今の痛みをしっかり認知させてくれる。 これも成長なのだろうと自分に言い聞かせるしかなかった。
1投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ好きな作家は、と聞かれたら横山秀夫と答えるほどなのだが、この小説とは相性が悪かった…。 よく作り込まれていて、描写が細かいが、物語の本筋とはさほど関係の無い建築のくだりが長く、読み切るのがしんどかった。 横山秀夫らしく最後にあっと驚く展開があるかと思いきや、そこまででも無く…、残念だった。
2投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ少し前図書館へ行った時に読んだ。 一見派手さのない表紙とタイトルでしたが、なんで手に取ったのか。 でも読んでみるうち、どんどんゆったりとした世界に引き込まれてしまった。 建築の分野も面白い。、
75投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ面白かった。表紙から、少し怖そうな暗そうなイメージを持って読み始めたが、そんなことはなかった。 謎を追う展開だから、これはミステリーなのかな。 中盤、なかなか話が進まなくて少し中弛みしたけど、最後はとにかく面白かった。 主人公の建築士が、自分の設計した家にブルーノ・タウトゆかりの椅子を残し姿を消した一家の謎を追うミステリー。恥ずかしながら、ブルーノ・タウトという人物を初めて知った。タウトの椅子、実物を見てみたい。そして主人公の代表作となるY邸も、実際に訪れてみたい。
1投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ文章が美しかった。ただ、相性の問題で面白くなかった。もっとハラハラする展開があったら楽しかったかも。全体的にだらだらと進む感じ。それと、別れた女性が自分のことをいつまでも好きでいるという男性の誇大妄想によった作品て感じがしちゃった。 伏線回収は綺麗にしてるので、読み終わったらスッキリはするかな。でも淘汰みたいな奇行、普通しないでしょうと思ってモヤる。
3投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ様々な大人の人生が垣間見える。 謎が想像していたより人間味があってなんかいい映画を見た感じ。エンディングも好き。
9投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ横山秀夫のミステリーだよねと思って読み始めたら、想像とは異なる展開に驚かされた。読後、静かに本を閉じると心が洗われるような感覚に包まれた。これはきっと、「再生の物語」なんだろうな。前を向いてまた頑張ろうと思えたし、ブルーノ・タウトという建築家を知れたことも、嬉しい発見だった。
2投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ自分が設計した新築の家に、顧客が引っ越した形跡がない謎を追う一級建築士のミステリヒューマンドラマ 以下、公式のあらすじ ---------------------- 横山ミステリー史上最も美しい謎。 熱く込み上げる感動。 一家はどこへ消えたのか? 空虚な家になぜ一脚の椅子だけが残されていたのか? 『64』から六年。待望の長編ミステリー。 一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに……。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた古ぼけた「タウトの椅子」を除けば……。このY邸でいったい何が起きたのか? ---------------------- 大学の同期の事務所に所属する一級建築士の青瀬稔(45) 妻のゆかりとは離婚し、中学生の娘 日向子とは月に一度面会をする程度 そんな青瀬は、吉野陶太夫妻から信濃追分に3千万円で「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」という好条件の案件を依頼される そして完成した「ノースライトの家」通称Y邸は雑誌にも載るくらいの会心の出来 しかし、その物件を見に行った他のお客さんによると、人が住んでいるようではないとのこと 吉野に連絡を取ろうとするが、返信がない 訝んだ青瀬は実際にY邸を訪ね、吉野夫妻が引っ越してきていない事を確信する また、室内にはブルーノ・タウトのものらしき椅子がひとつ置かれているだけだった 吉野夫妻の謎 それに伴うブルーノ・タウトにまつわる情報 青瀬の幼少期からの来歴 大学時代の友人 岡嶋設計事務所が挑む、非業の死を遂げた孤高の画家の記念館「藤宮春子メモワール」コンペ 終盤まで吉野夫妻の存在が物凄く怪しいように見えるし 岡嶋が裏で何やっていたのか、どんな心境なのかとか不穏なものを感じる でも、最後まで読んでしまえばとても人情味に溢れたヒューマンドラマという不思議 これは恐らく再生の物語なのだろうな バブル期の調子に乗っていたところから。崩壊後の転落、そして離婚 そこからの自分の人生の見直し 再生は青瀬だけでなく、作中の登場人物たちはそれぞれ何かしらの喪失を抱えていて 娘の日向子もそれを何とかしようとしているし 岡嶋の事務所の面々もコンペの修羅場を通じて新たな人生を見つけている 吉野さん達もやっと肩の荷の一部が降りたようなものだろうか その再生のためには、それぞれが自分の過去と向き合い、自ら前に進んでいく必要があるのですよね 東洋新聞の記者 繁田満もある意味で変わったのだろうな 青瀬稔が言った一言から、後に記事になった部分に他社との違いが出てて それが物語の中で誰かへの救いにもなっているという構造はよい あと、ストーリー意外にも、戦前日本で工芸指導をしたドイツの建築家タウトに関する説明が多数あって 建築に然程興味がないので所々流し読みしたくなったけど 多分、タウトも含めて喪失と再生の物語なのかと思うと納得した
4投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログバブルが弾けて理想を忘れた建築家の話。日々のタスクに追われながら自分の理想、虚栄心などと向き合う建築家の気持ちが生々しいし、新鮮だった。あと、恋愛もコンペで勝つにもストーリーが重要だと実用的な知識も得た。勿体ぶらず、伝えたいことがよくわかる文体で安定感がある。中盤、展開が少なくて読むのに時間がかかった。
2投稿日: 2025.03.21
powered by ブクログ久しぶりの横山さん! D県警シリーズ思い出してたのに、警察出て来んねんな。 今回は、建築士が主人公! まぁ、天才なんやろな。 バブルの洗礼浴びて、今は腐ってるけど。 そこに、好きに作ってくれ!との依頼! めっちゃ、ええ出来やん!と自画自賛! 依頼主どうしてるかな? で、噂で、ええ出来の家に誰も住んでいない! 失踪したのか? なんか、元から住んでない? 一緒にいた家族仲良しに見えたのに、別居? 長身の女性の姿が? 謎が謎を呼ぶ! まぁ、回りくどい事せんと、はじめから、キチンとした対応してたら、それで終わってる話やと言えば、それまでやけどね。 建築士が、建物をデザインしてるとこは、凄いなぁ… アーティストって感じで、カッコいい! 何か、天から降って来たように、閃くとこがね。こういうの持ってないから、羨ましい… 創作物見ても、「う〜ん…」とか唸らんし、多分。分からんから(^◇^;) 注意! 人は死にますが、殺人はありません! 失踪はします!
95投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログ25年1冊目。安定の横山秀夫クオリティ。 建築士の仕事にも興味持てたし、やっぱり読んでてアツい気持ちになれる。
3投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ一級建築士の主人公が建てたY邸は雑誌にも紹介され自身も最高傑作の手応えを感じる家であったが、引き渡しから1年後Y邸には誰も住んでいないことが明らかになる。 住まれなかったY邸の謎を追うミステリーであり、建築士を題材にした職業小説でもある。安定の横山秀夫、地味な話を徹底したリアリティと小説の上手さでグイグイ読ませる。 正直Y邸の謎は惹きつける力が弱いというか、この謎が明らかになったとして面白いか?と途中までは半信半疑だったけど、最後まで読むとちゃんとした結末が用意されてるから面白い。 ただちょっと綺麗にまとまりすぎていてフィクション感が強いので、その辺をリアリティのある建築士描写でカバーしてる感じだった。それにしてもタウト関連の描写は細か過ぎる。
3投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログ建築士の青瀬稔が空き家となった理想の家をめぐり、真実を追うミステリー。特に印象的だったのは、家の中に「椅子一脚だけ」が置かれていた場面。青瀬が設計したはずの“完璧な家”に住む人がいないことが謎を深め、物語全体を象徴するように感じられた。また、主人公が「家は人を幸せにするものなのか?」と自問するシーンも心に残る。家をつくる仕事に誇りを持ちながらも、彼は家族を失い、自分自身もまた居場所を求めているのだ。 物語を通じて、人が求める「理想の場所」とは何かを考えさせられた。外見が完璧でも、そこに人の心や絆がなければ本当の意味での居場所にはならない。この作品は、物や形よりも、そこに込められた思いが人を支えることを教えてくれた。
4投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ主人公の建築家が渾身で建てた家に施主が住んでいないようだ、から始まる 家族の再生とミステリ 主人公の幼少期の時代背景やバブル期の建築業界 実際した有名建築家との関わりなどは 史実の部分もあるから情景がリアル ミステリの謎解きは後半かなり急ぎ足で きっとミステリ自体に重きはないのだろう それはそれで良いようなストーリー 著作刑事物が印象的なのでどんな感じかと 思ったけれど、優しい物語 ああ確かにノースライトだと
1投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ今年も最後、やっと出会えた。 名著です。日向邸、桂離宮、洗心亭。 筆致も多重的で、情景に想いが乗ってて言うことなしです。ありがとうございました。
34投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログ建築士 建てた家主が失踪 話は少し間延び感があった この著者の話は大体夫婦仲が悪い オチは物足りないが引き込まれる文章
12投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ謎が謎を呼ぶ展開で、遠回りをしますが、最後にはスッキリしました。 家そのものや家族がテーマの人間ドラマありのミステリーです。
3投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ何の予備知識もなく図書館で借りてみたが、北向きの窓からの光=ノースライトがキーワードだった。 我が家も北向きに窓がたくさんあって、良いとされる南や東からのハイテンションな光よりも断然好きだ。 本の内容は、会心の出来の「Y邸」に住んでもらえなかった謎解きと、ある絵描きの美術館の設計に心を燃やす、2つの話が交互に進んでいくというもの。 どちらかというと物静かに見える主人公が、終盤へ向けて一気に熱くなる様子が面白かった。
4投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ個人的には「64」以来の横山秀夫さん。懊悩や葛藤、願いなど、心の機微を掬い上げて深掘りされた心情描写に人間ドラマが相まった長編。がっぷり四つに組んで、読ませていただきました。 実はハードカバー版が出た頃に読んでみたものの、当時は挫折していた作品でもあるのですが、あの頃ではこの作品を味わえる感性は育ってなかったなと感じてます。例えるなら、ビールを美味しく感じられるようにはなってなかったというか笑 時間が経ってから読める作品もあることを教えてくれた大切な一冊になりました。
6投稿日: 2024.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いきなりのネタバレ。 「殺人のないミステリ小説。」 人は死ぬけど。。。 前半はちょっと休憩しながら読んでたのもあり、読み進めるのが少しつらかった(集中力がもたないという意味で) 青瀬の苦悩や過去。 元妻、ゆかりやライバルとのエピソード。 吉野家の失踪の謎。 実在する建築家、タウトの成し遂げたこと。 画家、藤宮春子の作品。 ものすごく長かったからこそ、終盤の事務所が一体となったシーンで胸が熱くなった。 個人的には馴染みのある地名がたくさん出てきたのも、ストーリーに入り込めて楽しかった!
3投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
バブル崩壊の負け犬建築家の青瀬稔。 そんな青瀬を拾ってくれた大学時代の親友の岡嶋。 「あなたが自身が住みたい家を建ててください」と依頼され、青瀬が魂を込めて作った家。Y邸(吉野邸)。 しかしその依頼主は一度も住むことなく行方不明になっていた…吉野の消息を追っていくうちにつながる自分の過去… 前半なかなか進まなかった…この展開いるのなぁー…みたいな………途中でお!?って思ったけど、予想的中しちゃったのもあり盛り上がれず… あと主人公の青瀬が元妻に未練タラタラなのも、モヤっとしたし… 親友で雇い主の岡嶋の弔い合戦はよかったし感動した。
5投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ2024.09.15 自分が住みたい家 施主の失踪 タウト 芸術家の記念館のコンペ バブル期 真相 前半はなかなか進まなかったが後半は怒涛の展開。久々の清々しい読後感。さすが横山秀夫。
1投稿日: 2024.09.15
powered by ブクログ初、横山秀夫。横山秀夫っぽくないという声もあるけど、個人的にめっちゃ良かった。 バブル崩壊以降、ずるずる生きてきた建築家の青瀬稔。渾身の建築、Y邸と、そこに残された一脚の椅子を巡る壮大なお話だった。 最初の方はどういう方向に落ち着くの?って思いながら進めていって、途中から、まさか、まさか、、?ってなってって最後泣けちゃった。 ミステリーと人間ドラマ要素がいい感じに入り混じってて、終わり方も明るくて好きだな。 岡嶋の最期と、建築事務所メンバーで一丸となってコンペに挑むところと、ラストがとても良かった。泣ける。アツい。 そこまでうまくいく?とかはナシにして、純粋に感動できた。 過去の自分を脱却して、自分が住みたい家を建てた青瀬が、いつか元奥さんと娘に素直になって、ノースライトが降り注ぐ家で幸せに暮らしていてほしい。そして吉野淘汰とカリエを招待してね。
1投稿日: 2024.09.11
powered by ブクログ横山秀夫っぽくない小説。 横山秀夫=警察or新聞記者ではなく、主人公は建築家。 北側からの採光を取り入れ、自分が一番住みたい家を設計施工し、引き渡したが、空き家になっている様子。 おまけに施主は行方不明... 小説自体は面白いのだが、横山秀夫感を期待すると裏切られるかも。 映画化されているが、面白いのかな?
0投稿日: 2024.09.11
powered by ブクログ少し流れに無理があるところもあるかなという気がするのと、シーンが大きく変わるので、理解しながら読むのに時間がかかったが、後半は面白く読み進めることができた。 最後に頑張った岡嶋設計事務所の面々もそれぞれに報われるといいな。
6投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物皆が美しく、読後感が良い。 岡嶋の死に対し、設計事務所を守るべく皆が一丸となってコンペに立ち向かう場面は感動した。
1投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ横山秀夫さんの書いた本だからというきっかけで読むと、違和感がある作品だと思う。 途中離脱しそうになったが(タウトの痕跡をたどるくだりなど)、後半は一気にドラマチックになる。 伏線がどんどん回収されていくのは気持ち良い。 読むのに少し時間がかかったが、最後まで読んでよかった。
1投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログ25/07/29 山あり谷ありの人生で、自分が手がけたモノに謎が起きた事を知った。なぜそうなったのか?自分が全霊を傾けたモノならば、事情が知りたくなるだろう。 最後の方は主人公の気魄と謎の解明、明るい兆しが見えてイッキに読了
2投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログ家の中のいつもの場所で、寛ぎながら読んでいると、家に護られているように感じた この家も、誰かが図面をおこし、色々の人の手を加えて、建てていただいたのだ 改めて感謝 優しい思いも交差する人間味深いミステリー
3投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ半年前に父を亡くしたので、ことさら刺さる作品だった。 生前の父の背中を思い出して何度か涙が出た。 それぞれの登場人物にそれぞれの守りたいもの、愛や信念が詰まっていて、内側が紐解かれる度に、心で温かいものを飲み込んでいた。 次の本を読み始めるのに少し時間がかかりそうな、いい意味で余韻の残る一作。
2投稿日: 2024.06.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
十数年前、我が家を建てたときのことを思い出した。ハウスメーカーが所有する土地を購入したので、設計したのはそこに所属する建築士、こいつが嫌な野郎だった。 昔ながらの“夫は外で仕事、妻は家にいるもの”という感覚を持ったおっさん(たぶん私たちと同じ世代)で、私や子どもたちを施主である夫の従属物としかみなしていなかった。打ち合わせの際に言われた言葉の数々が、悔しくて忘れられない。 不思議そうに「奥さん…、聞くところによると、仕事を持っておられるらしいですなぁ?」と訊く。確かに子どもたちは未就学で経済的にも(家を建てようってくらいだから)余裕はあるけれど、平成十年代にそんな言い方はありえない。ちなみに、妊娠出産で正社員からパートタイムになるまでは夫より収入が多かったし、頭金の一部は私の貯蓄から出ている。他人から“食わせてもらっている家族”扱いされる筋合いはない。 更に、見取り図を見ながら私が「本棚やパソコンはどこに置こうかな」と呟くと「そんなもん、何に使うんだ」と言い放つ。2階のトイレに、トイレ本体についている手洗いとは別に小さな水栓が欲しいと言えば「そんなもん必要ない」と頭ごなしに否定する。 水栓の件は今でも悔しい。2階の掃除の際に雑巾を濯ぎたいときとか、ベランダの植木に水をやりたいときとかに、いちいち階下の洗面所に行かなきゃならないから。 入居した後、洗面所にタオルハンガーがついていなかったので電話したら「それ、必要ですか?」と言って(当たり前だろう)、自分のミスを認めない。結局ハンガーはつけにきたけれど、リビングを見て家具の配置にいちゃもんをつける。 奴にとってお客様は夫だけで、妻である私に敬意はなかった。そんな奴が設計した家で、家族の中で一番長い時間を過ごし、日常の家事を行う訳。 夫は、奴のような考え方は一切ない。お互いに対等なパートナーとみなし、敬意を払っている。だからこの件は、建てた当初に伝えて以来、夫とは話していない。ほんとしょっちゅう、思い出し怒りしちゃうんだけどね。 本作の主人公(ようやく物語に触れるぞ)となら、どんな家になったのだろうと思う。少なくとも、あの不快感はなかったんじゃないかなと。 ネタバレです 横山秀夫のミステリ、だと思って読み始めたが、半ばまで読んで、あれ、殺人事件が起こっていないぞ? 否、失踪した人物が実は殺されていて、主人公が素人探偵になるパターンだな? ……素人探偵は素人探偵だけれど、結局過去にも現在にも、事件は一切起こっておらず、悪人がひとりもいなかった。(あ、不法侵入と器物損壊は事件っちゃ事件だけど)そんなパターンだったのね。 建築業界の話は、いままで触れたことがなかったので、とても興味深かった。美術は好きだけれど、絵画や音楽にしか眼が行っておらず、建造物や家具に興味はなかった。たぶん私が視覚で美を感じるのは2次元どまりなんだろう。これから建造物への見方が変わるかどうかはわからないけれど、設計の意図に興味を持つことは、あるかもしれない。 ラストシーンの希望に涙した。みんな幸せになれ! (2024-06-18L)
1投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログ本の表紙にそそられて購入したものの、数ページ読んで一年程放置。久しぶりに手に取り読み進めると引き込まれた。横山秀夫の作品は初めて読んだが、人間の描写が細かくかつ多彩で驚いた。横山秀夫は建築家だったのか?と思わせるほど、建築に関する記載も細かい。 岡嶋と青瀬のやりとりが好きだ。表面的には多く言葉は交わさないが、お互いを信頼し合っている。(途中)
1投稿日: 2024.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
連載してたやつかな? 同じ話を繰り返されているようで少しイライラ。 登場人物のセリフは、ほぼテレビ向けかな。 最後はハッピーで終われてよかったのかな。
1投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これは、出版社の戦略だと思うのだけど、いろんなレビューのどれもが最初の謎を提示しているものだから、私もそちらメインで読み始めてしまった。 だから途中から「あれ?」ってなってしまったのだ。 よく考えてみるとそんな理由でそこまでする?って思えるんだけど、横山秀夫の文章力に乗せられて「ふんふん、なるほど」と納得しながら読まされてしまう。 最初の謎からどんどんそれていくように思えたけれども、最後はきちんとその謎が解けるようになっている。 警察ものでも、刑事ものでもないので、推理によって導き出されたものではないし、正直「そんな理由で!?」と思わないでもなかった。 でも、作者が書きたいことが圧倒的な筆力で迫ってくるので、総じて満足な読書になった。 これは家族の再生の物語だ。 主人公の建築士も、その上司の岡嶋も、施主の吉野も、それぞれに家族に対して問題を抱えている。 愛情があるゆえの悔い。 だから切ない。 ただ、これは小説で、挿絵がついていないもので、設計された建物が上手く脳内でイメージできなかった。 こんなに左右上下に奥行きがある美術館って、躯体の強度は大丈夫なのだろうかとか、外見がドームに見えるのこぎり屋根の建物ってどういう作りなのだろうとか、読む手を止めて考え込んでしまった。 とはいえ、それは些細なこと。 ブルーノ・タウトという人物にも興味が持てました。
4投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子どもが親についてどう認識するかを大切にしてるところが印象に残った 離婚の原因の話 自殺と事故死で子が持つ認識は全然ちがう話 そして事故の原因がその子どものためだった 陶太と香里江 逆さ気づかなかった! 家がもし、人を幸せにしたり不幸にしたりするのだとしたら、建築家は神にも悪魔にもなれるということだ。 青瀬と岡嶋のやりとりがいい コンペのためにで青瀬に力を貸してほしい デスマスクを被る瞬間、最後の意識が向かう家を遺したい 「お前がふっかけてきた話だ」「謝ったはずだ。忘れろ」 入院してる時が最高潮 でもやっぱりこれが 1、吉野はなぜ新築の家に住まなかった?残されたタウトの椅子は?吉野の行方は? 2、青瀬の家族 3、岡嶋事務所のメモワールコンペ どれも微妙に関わりながら話が進む 謎よりも真相に近づくにつれて登場人物の動きがどんどん熱持ってく ノースライト 渡り 建築 タウト 椅子 鳥 事故 自殺 親子 旧日向家熱海別邸は検索するとすぐ出てきて写真見ながら読むとよくわかる 木村由花さんに捧げる 辻村深月先生「ツナグ」の人
46投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログドラマを観て、小説を読んで、またドラマを観ました。 ドラマの西島秀俊さんが、小説の雰囲気をとてもうまく伝えてくれてます。
3投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログ読み始めは心理描写とかが細かすぎる?と思ったけど、読み進めるうちに必要な要素だと気がつく。 あと、小説の後半になるまで全く推理ができなかった... 意外すぎるラストに痺れました。
3投稿日: 2024.02.09
powered by ブクログ謎の入り口はシンプルだけど、途中に出てくる文化・教養知識の描写がかなり細かく、複雑で難しさもあった。エンディングではスッキリできる。ドラマ化されてるのでそっちも見てみたいと思う。この長い話をどう映像にまとめたのか。
2投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログ大人になり歳を重ねていくにつれても それぞれが意地や理想を持っていること、 またそれを通しずらい現実の中でももがいている姿がとても印象的だった。 「大人になる」ということがお金や世間体、家族やプライドなどから描かれているようにも感じた。 ただその中にずっと変わらない思いがあるということ、それにこだわっている様子は自分もそういう人になりたいと思えるものだった。
2投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
☆2.5か。「クライマーズハイ」→「ルパンの消息」と読んで横山秀夫が気に入り、これを読んだ。いまいち。 謎を調べていく過程が冗長、ヒントが示されない。そして、最後の謎解きが安っぽいテレビドラマのよう。あの理由で3千万円を使えるのか?吉野陶太は青瀬稔本人に会ったことがなかったのに。 一番の盛り上がりは、岡嶋の弔い合戦。そこをメインに展開された話の方が読みたい。
1投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログすーっと引き込まれて、後半は手が止まらない。気づいたら読了。描写が細かくて頭で映像を想像しながら読めた!今まで読んだミステリーとジャンルが違った。
2投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログタウトの説明多かった… 建築家って施主にあそこまで肩入れするの普通なのかしら。 後半のペースアップと結末はさすが横山秀夫でしたね。
0投稿日: 2023.11.07
powered by ブクログ母に薦めてもらいました。 横山秀夫さんの著書は難解だという印象があったため読み切れるか心配でしたが、あっという間に引き込まれていき3日ほどで読了です。 物語は、長野県信濃追分の新築一軒家(通称:y邸)に住む予定だった家族が謎の失踪を遂げるところから始まります。 y邸に残されたものは、ブルーノ・タウトという建築家が設計したと思われる椅子一脚のみ。 y邸の建築を担当した青瀬は、タウトの椅子を手がかりに失踪した一家を探すことをなります。 このブルーノ・タウトという人物は、実在したドイツの建築家なんですよね。 1933年、ナチス政権の台頭により身の危険を感じたタウトは、エリカ夫人と共に日本に亡命し、日本の工芸や文化に触れながら3年半ほど滞在していたようです。 日本でのタウトの足跡を辿ることで、タウトとy邸が結びつき、さらには青瀬自身の過去との繋がりも…。 物語の後半、様々な点と点が結びついていく展開は見事でした。 建築とミステリーの融合…読みごたえのある大作だと思います。
20投稿日: 2023.10.06
powered by ブクログ読んだばかりで書くよりもちょっと経ってからがいい気がするけど、そうすると忘れるので今書く。 私にとっては、大筋が複数ある感じがした物語だった 帰るところ、過去からどう生きるか、そして人の気持ちを未来の人間が受け取るこのできる創作物。 過去から未来への時間軸と、青瀬や吉野岡嶋の家族という軸のふたつが絡み合って、とにかく素敵。
2投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログとても面白かった。 なぜ施主の吉野は自分が住まない家を建てたのか。 そこを起点にさまざまなヒューマンドラマが織り成して上下左右に物語が進んでゆく。 500頁超も引き込まれてすぐ読了。 タウトはまったく知らなかったがそうなんだぁと少し調べてみたくもなった。 こちらの著者は初読みでしたがこの作品は他とは少し毛色がちがう風なことも見たので他の作品も読んでみたいと思う。
19投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログ濃厚な一冊。 設計し200選にも選ばれた家に誰も住んでいなかった。 ミステリーでありヒューマンドラマでもある。 コンペに参加するところからさらにスリリングになっていきました。 とても良かった!
2投稿日: 2023.08.27
powered by ブクログ家をめぐる物語。奇妙な、真相がどうなるんだろう?と続きを読みたくなる。この落ち着いた光の差す表紙が、内容とマッチしていて良い。
1投稿日: 2023.08.03
powered by ブクログ素晴らしかった。 正直、前半・中盤・後半と、読み進めるのが苦痛なくらい、感情移入ができなかったが、最後の最後で、とても・非常に・すごく、素敵な物語になっていきました。 著者の他の作品とは、明らかにテイストが違いますが、エンディングの良さを感じるためにも、ぜひ最後まで読んでいただきたい作品です。 読了後、温かな気持ちになり、満足感を感じられました。
6投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ「あなたの住みたい家を建ててください」何があったのか、先を知りたくて、どんどん読み進めた。読後感が良い。
0投稿日: 2023.06.17
powered by ブクログタウト必要か?タウトうんちくだけ読み飛ばした。なぜひとはタウトを長々語りたくなるのか。今度タウトについて勉強します。
2投稿日: 2023.06.03
powered by ブクログ建築士の建てたいように一軒家を依頼した家族が行方不明になった。その真相を紐解いていく話。面白かった。
0投稿日: 2023.05.31
powered by ブクログ買いたいときが買い替えどきと同じで、やりたいときがやり始めどき。 すでに遅いかもしれないが、今が一番早く始められるとき。
3投稿日: 2023.05.27
powered by ブクログ映像を先に観たのでドラマのキャストで脳内再生できた。ストーリーは殆ど忘れてしまっていたため、ミステリー仕立ての展開も気持ちが萎えることなく読んでいけた。テレビドラマを観たときに疑問を感じた事柄もすべて書いてあった。矢張り、本は情報量が桁違いだ。テレビと違い、ぺージを遡ることも容易い。Y邸の場所もかなり詳細に記述してあり、ドラマで実際に建てられた場所とそう離れていない。というか、執筆に当たって綿密に取材したのだろう。撮影後は即撤去されて更地に戻っているらしいが、浅間山の眺めは変わらない筈。行くしかないな。
4投稿日: 2023.05.18
powered by ブクログ新潮文庫紅白本合戦に惹かれて購入しました。 あらすじを見ると、いかにもミステリーだったけど騙されました。ずっと靄があるというか、ザラザラしたというか、今になって昔のドラマをみたときのような映像をイメージしながら話が進んで…あるとき、さっとクリアになる。そんな感じの展開。 現実だと物悲しい、映画とかのフィクションと思うと美しい。そう思える作品でした。 読んだ人には伝わると嬉しいです(笑) メモワールの造形を脳内で具現化できなかったのは残念。映像化されたら、こうだったのかぁと思いながら見てみたいです。
3投稿日: 2023.05.11
powered by ブクログ『自分が住みたい家』を建てさせたクライアントが家族ごと行方不明に。 その理由は?自分自身の過去に関係があるのか? 私が『建築』関係に無知すぎちゃって…難しかったかな?タウトの部分はさっぱり分からんかった〜。 私には少し難しかったようです…
1投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログ初めての横山秀夫。ブルーノタウトにまつわる幾組かの二人関係を組み合わせながら、ひどく情感のあふれる展開と、もしかしたら幸せな結末に進むかもしれないと思わせる物語。個人的な事情もあり読み始めてから1ヶ月近くかかって読み終わったが、切れ切れの読書時間であったにもかかわらず鮮明なストーリー展開が続き、一度も読み返さずに読み進められた。ちょっと失敗した人生の裏側の辛酸を知る、私とほぼ同じ世代の作者の甘いかもしれないが暖かい目線が心地よかった。
0投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログ2023.4.17読了。 (デジタル書籍で登録していたので、改めて登録し直しました) 「ノースライト」とは、建築用語で北から入る柔らかい日差しのことを言うらしい。この題名に表されるように、建築家と建築物をめぐるお話です。 ブルーノタウトという実在の建築家が登場するので、藤宮春子という画家も実在かと思いましたが、こちらはどうやら架空の人物らしい。 前半はブルーノタウトの椅子と依頼人の失踪を巡るお話で、この先どうなるんだろう?と思いつつ、あまりのめり込めずに読み進めていったけど、後半、藤宮春子の記念館を巡る癒着と設計事務所の所長の死をおり混ぜながら、依頼人の失踪の謎が明らかになるところでは、全く予期せぬ展開に ぐいぐい引き込まれていきました。 とても面白い作品でした。 横山秀夫さんって、「64」の作者だったんですね。「64」も前後編で、なかなか読み応えもあったけど、 忍耐力もいった作品でしたが、この作品もやはり前半は忍耐力が要りました(笑) でも、歴史上の実在の人物と架空の人物を登場させながら謎解きをしていく、しかもかなりの長編って、ほんとに力量のある作家さんだなぁと思いました。 私にも、せめて感想が上手に書けるくらいの力量が欲しいなぁ。 NHKで、2020年にドラマ化されているらしいのですが、いつか縁があって、観ることができれば良いな、と思います。 最後に… 「アオセミノルクーン」が復縁できますように♡
14投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログ久しぶりの横山先生。色んな愛情のカタチが交差するミステリー。ミステリーなんだけど、最後はちょっと温かい気持ちになれる。
2投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み始めから、不思議な謎に魅せられ、想像力が掻き立てられ、引き込まれた。 そして、ギアチェンジの瞬間からは、ノンストップで読んでしまった。張り巡らせた伏線がガンガン回収されるのは、気持ちよく、細かい仕掛けも関心させられ、とても面白かった。 ひとつだけ、そこはどうにかならなかっただろうか…という展開があったが。
4投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログ横山秀夫作品は自分の知る限り刑事物、記者物が多くて、テーマが 建築となるとどうなるんだろう…?と思いながら読み始めたけど、やっぱりとんでもなくよかった! 建築は美術史学の中でも重要な一角を占めるほどの芸術性もありつつ、実用にも耐えなければいけないということや、バブルという強烈な波、そしてブルーノタウトという巨匠からの刺激、などなどが相まった、青瀬をはじめとする建築家たちの複雑な内面が見事に描写されていた。 また、こういった心理描写の緻密さと深さは横山作品共通の魅力だと思うが、今回はそれだけではなく、度々登場する建築物の描写も非常に美しかった。 信濃追分の広大な窓に面した部屋にポツンと置かれた、シンプルながらも存在感があり心地よさそうな椅子。 タウトが3つの部屋にそれぞれことなる趣向を凝らし、独特の存在感を放つ旧日向邸別邸。 1人の画家の、その生涯を通じて見てきた世界と、内面に秘め続けたであろう純粋な想いを具現化した藤宮春子メモワール構想。 これらの建築物が作り上げられたその過程に、一体どれだけ多くの人の憧憬や原体験、ナルシズムと挫折、そして愛が重なり合っているのだろう。 そしてそんな目に見えない感情をカタチに表すために、どれだけの苦しみと、何にも替え難い生みの興奮があっただろう。 そんなことまで思いを馳せてしまうような、まさに圧巻の筆力を感じた。
4投稿日: 2023.03.18
powered by ブクログ実在するものとしないもの 検索しながら読み進めていった。 個人的に藤宮春子の作品が見たかった。 そしてY邸も。 腑に落ちない点があったけれど、未来のある終わり方は好きなのでよかった。 建築関係に詳しい人なら、もっと楽しんで読めたのだろうと思う。
1投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ導入からがっつりミステリーかと思ったが、進むにつれて人間ドラマ色が濃くなっていく。専門用語も問題なく受け入れられるし楽しい時間を過ごせた。 自分の中では「クライマーズ・ハイ」「ルパンの消息」と共に『3大横山秀夫』に入る一作。
4投稿日: 2023.03.09
powered by ブクログ読み終わった時は全ての謎が解けてスッキリしたが、そこまでがかなり長い。 『タウト』の話の部分で何回か読むことを放棄しようと考えた。 だが、300ページ以降は話の進みがスムーズで一気に読み終わった。
4投稿日: 2023.03.04
powered by ブクログ建築家のお仕事ものであり、本格的なミステリー。施主の失踪という謎を芯に据えながらも建築に関する数々の要素を取り込み読んでいて興味が尽きない。建築家ブルーノタウトや画家の記念館設計における暗雲等、バランスよく配合されています。時折胸を熱くさせる要素も盛り込まれ読み応えがあります。真相については、吉野の行動に若干強引さはありますが、受け入れられます。 作者の言葉遣い、多彩な語彙が好みで実生活で使いたくなります。 過去の横山作品を漁りたくなりました。
7投稿日: 2023.03.03
powered by ブクログ中盤のブルーノタウトのくだりは読むのに手こずりました。建築、芸術系統は無知なので頭に入ってこづらかったです。 吉野夫妻の謎、その子供たちの謎、Y邸の謎、色々な謎が最後に回収されていて、中盤から終盤にかけて一気読みでした。 青瀬が想像する一家蒸発とは、全然違った着地の仕方でまんまと引っかかりました。 中盤の描写の仕方が読み進めにくかったので⭐︎3に留めておきます。
0投稿日: 2023.02.24
powered by ブクログ建築家が主人公 個人的には建築にまつわる話がピンとこなくて、読むのに苦労した作品 好みの問題だと思う 家族の絆を考えさせられる作品
1投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログミステリーと思っていたけど、思わぬ人間ドラマだった。 バブル崩壊後の建設業界の話しや建設、設計など知らなかった世界も知れて面白かった。
2投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログ幾人もの人生がギュッと凝縮されたような一冊に感じた。主人公だけでなく、過去から関わってきた何人もの人たちの。 過去にどんな事があっても、長い年月を経ると、最後は受け止める人の『気持ち』の問題になるのだろうか。 大きなヒントに気付けなかった自分が悔しい!
1投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「あなたが住みたい家を作ってください。」 建築家青瀬のもとに舞い込んだ奇妙な依頼。 しかし、依頼者はその家に住まうことなく、消息不明に… ノースライトが差し込む美しき作品とも言える家は、青瀬の代表作として本への掲載もされ、沢山の人の目に触れることになる。 家に一度も住んだ形跡が無く、代わりに置かれた一脚の椅子の意味とは。 依頼者を探そうとする青瀬だったが、この一連の家の建築に至るまでには、青瀬の過去に深い繋がりがあった─ 青瀬の、そして周囲の人々の生への葛藤、作品への執着、愛情の映し方までもが丁寧に描かれた長編。
6投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログ横山秀夫作品だが、「深追い」などの警察小説ではなく、建築士青瀬稔の自分の建築した「y邸」に絡むお話。自信を持って作った「y邸」だったが、施工主の吉野は一度も住んでいない。行方をくらましている.その謎は何か。青瀬の別れた妻子も絡ませ、ドイツの建築家ブルーノ タウトの椅子も絡ませ 最初は物語性があって良いと思ったが、長すぎる気がした。横山秀夫は 第3の時効など非常に面白かったが、これはぼくにはいまひとつでした。
2投稿日: 2023.01.26
powered by ブクログ横山秀夫を読んできてよかったなと。群像にしてもミステリー作家なので一癖も二癖もあって読み応えが凄かった。謎が解けてからも、胸が熱くなりました。
2投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログ図書館で。 会心の作品を作った!と思った家が空き家になっていた…というのは確かにショックなのかも。建築士も大変だな… 個人的には奥さんとの離婚の過程がイマイチよくわからない。単なるコミュニケーション不足ってことなのかな? 良い話ではあるのだろうけれども、会社の社長とか、父親とか色々話が飛ぶので個々のエピソードを追いかけているうちに終わったなぁという感じでした。結局椅子はどうだったんだっけかな…
1投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
哀しくて儚くて、でも明るさや救いも感じる内容で、凄く面白かった。 主人公・青瀬に基本的にはスポットライトが当たっているけど、青瀬を取り巻く様々な人の境遇や生き様も鮮明に描かれており、重厚なストーリーになっているなと。 前半は、バブルで凋落し妻とも離婚し、どうしようもない哀しみ・侘しさをかかえる青瀬が、Y邸の設計、あるいは娘との接点を通じてもがきながら少しずつ自分を取り戻していく様子に胸を打たれるし、後半は、端役だと思っていた岡嶋のこれ以上とない悲劇、そしてその後の怒涛の展開に心を揺さぶられた。 一貫して本の根底、主題である吉野一家の行方、ブルーノタウトの椅子はゆらゆらと展開しながら、最終盤、急転直下で悲しい事実にたどり着いていくし。。 うーん、すごい。岡嶋と青瀬の父の死の真相。どちらも事故(と信じることで救われる)、そして転落死。この奇妙な繋がりが一層、物語全体に数奇性を与えて一本のストーリーに仕上がっているのだなと。 大変面白かったです。
4投稿日: 2022.11.27
powered by ブクログ横山秀夫!節ですね。 切ない系ミステリ。登場人物の誰もが悪くないミステリ。 自分が設計した思い入れのある家が実は誰も住んだ形跡がない、というところから始まる物語。それにしてもこの方は文章が独特。「変わったはずだ。逃げ込んでいた負け犬の巣穴から這い出し、自虐のポーズをかなぐり捨て、授かった新たな生命のおもむくまま自分が創りたい家を希求した。」やや大袈裟な、でもそれでもしつこく感じないのは横山秀夫の成せる文章力だろう。
0投稿日: 2022.11.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「あなたが住みたい家を建ててください」と言われた建築家の青瀬が建てたY邸は「平成すまい200選」に選ばれた。しかし、主の吉野一家はそこには住んでいなかった。家の中には「ブルーノ・タウト」の椅子が残されていた。 建築家青瀬の私生活と吉野の過去に隠された秘密。 ノースライトを利用した家を見てみたくなった。
0投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログ行方不明のクライアント ビッグプロジェクトへの挑戦 ふたつの大きな柱を軸に謎の真相が明らかになって 進展する物語 細かい枝の部分も一つになって物語が完結する さわやか、スカッとする読後感
1投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ久しぶりにミステリー小説を読んだがとても面白かった。主人公の建築士青瀬稔が渾身かけて作った家に、何故か引き渡し当初から依頼主が住んでいないことから始まるミステリーは、深く謎が広がる。ミステリーとしての不可思議さ、男女関係の微妙、仕事人同士の厳しいぶつかり合い。色んな面白さが溢れていた。ミステリーにありがちな暗さが少ないのも良かった。巻末の参考文献、建築家ブルーノ・タウトに関する書籍の多さにも驚いた。横山秀夫は初めて読んだが、緻密な情報を元にして空想を膨らませていると感じた。
0投稿日: 2022.11.02
powered by ブクログ後半は展開が良くなったが前半は動きがあまりなく正直イライラしました。長編だから仕方がないと思うけど、もう少しテンポが良ければ評価は変わったのかもしれません。ラストももう少し驚く結末だと良かったな~
1投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログ横山秀夫さんの本を初めて読んだ。 文章がすごく綺麗で読みやすかった。 ずーーーと気になってた本でやっと読めた。 タイトルのノースライトって何だろうってずっと思ってたけど、北からさす日差しで「あぁ。そのまんまだ。」ってなった。 謎の電話は恐怖だなーって思ってたけど、ホラーではなかった。 文章が綺麗だったなー。
0投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログ本屋大賞のランクイン読んでみようかな&横山秀夫さんって本当に凄い長い間一線級で活躍されてるなぁと言うことで読書。 ・あらすじ 主人公が設計した家に引っ越したはずの仲睦まじい夫婦。しかし住まれた形跡のない家に残されたのは「タウトの椅子」。彼らは何処へ消えたのか? 色々と建築系の専門用語が多いのでそこらへんは飛ばし読みしましたが割と面白かったかなと。こういうテーマで話を広げられるなんて、小説家さんは凄いなぁと感心して読みました。
1投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログ2019年週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、2020年第17回本屋大賞第4位に選ばれた作品。 警察小説が多い印象がある作者であるが、こうした読み応えのある作品も面白い。「クライマーズ・ハイ」もそうだが、かなりガツンと心に響いてくるものがある。この作品は他の作品同様、映像化もされている。個人的には映像化された作品は原作を読んでから映像に行くのだが、本作に関しては映像が先のほうが面白いかもしれない。建築物や家具調度品などが詳細に記載されているが、複雑な部分もあり、なかなか像として結ぶのに苦労する。
0投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログ建築士の青瀬が信濃追分に建てた自信作、Y邸。ところがここに住むはずだった家族と連絡が取れず、邸宅を訪れた青瀬は一度も人が住んだ形跡がない状態に驚く。残されていたのは、ドイツ生まれの建築家ブルーノ・タウトのものとみられる椅子。 なぜここにタウトの椅子が?そして家族はどこに? 消えた一家を探すというミステリー的な展開、主人公自身および周囲の人々の家族をめぐる物語、そして仕事に対する矜持といった、読んでいて熱くなるような要素の数々がうまく融合している。 建築様式や図面の記述は驚くほど精緻。読んでいると実際の建物の構造が目に浮かんでくるようで、これはこれで素晴らしいと思う。思うんだけど、イメージが固定化されすぎて逆に想像の翼を自由に広げられないような感じもしたりする。 また終盤近くに、物語のキーパーソンにあたると思われた人物に起こったあの悲劇は、うーん、どうなんだろう。確かに芸術的な色気を感じさせる部分と、人間の泥臭い部分の両方が浮かぶ作品ではあるので、この展開は後者の部分を突き詰めた結果だとは思うけど、ちょっとかわいそうだなという気はした。 著者の作品は毎度重厚で読みごたえがあるんだけど、今回は息が詰まるような重苦しい展開というわけではなく、芸術的な描写が多いせいかいつもより「陽」の雰囲気が感じられたのは新鮮だった。
0投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログうーん、期待していたのですがイマイチでした。 一級建築士の青瀬は、吉野という夫婦から「自分が住みたい家を建ててほしい」との依頼を受けた。 施工した家はバブル崩壊以降信念を持たず仕事をしてきた青瀬自身も満足のいく仕上がりで、吉野夫妻も大変喜んでいた。 だが、あることを機に吉野家がそこに越してきていないことを知る。 吉野はなぜ、新居に越してこないまま姿を消したのかー。 50ページ読んでも100ページ読んでも200ページ読んでも面白さが見出だせず、惰性で読み進めました。 最後に分かる吉野が青瀬に新居の設計を依頼し、姿を消した理由はまずまずでしたが、このストーリーじゃなくてもよかったのでは?と思います。 タウトを中心とした建築作品の描写は専門書にも(きっと)勝るとも劣らない素晴らしさなのだろうと推測しますが、だとしたらミステリーの要素が邪魔をします。 ミステリー中心に描くなら、建築に関する細かすぎる描写が邪魔になります。 吉野家失踪と、作品のほとんどを占める建築物の描写の因果関係がないに等しい故にまとまりがない印象を受けました。 肉付けの仕方が下手。 ただの本好きの感想ですが、その一言に尽きました。 2020年12冊目。
2投稿日: 2022.09.10
powered by ブクログ久しぶりに読んだ横山秀夫さんの作品。 最初感じた謎に対する恐怖心が段々なくなっていき、事実は美しい謎だった。 作品に出てくる建物を想像すると、心地よい。 実際に存在する建物もるあるので、いつか行ってみたい。
0投稿日: 2022.09.02
powered by ブクログ「美しい建物」が好きだ。質実で、堅牢で、守ってくれる、という安心感がある。土地に根付き、愛され、必要とされている。それはきっと、人物像に対しても言える。 かつて見た映像化作品では網膜に浮かばなかった、愛が見える。活字を通じて物語る。
1投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログノースライト 背負ってきた過去 今を生きる 少し先の未来も考える 主人公の家族仕事人生 何かしらどこかしら自分の人生と重なる ミステリー!?なのかどうかはよくわからないけれども
1投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
建築家と家と家族のお話。最初はめっちゃ仕事の話するやんと思いながらも読み進めていったけど、最後は家族の話になって、主人公が救われた感じになった。 ノースライトの家、すごく素敵なんだけど、やはり地理的にあまり行けなさそう…と現実的なことを考えてしまった。
0投稿日: 2022.08.17
powered by ブクログ久しぶりに横山秀夫の本を読んだ。 横山秀夫らしい読みやすく引き込まれる文章は健在。 たた横山秀夫らしくないミステリーだと感じた。
0投稿日: 2022.08.09
powered by ブクログ素敵なミステリーだなと思いました。 最初はなかなか読み進められなかったけど、 後半につれて、どんどん色んな事がわかって、 それぞれが繋がって後半は一気に読みました。 美しい小説だなと、読んでよかったと思いました。
1投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ前半は、青瀬の心の動きが歯痒くて、卑屈だったり猜疑心や傲慢さに囚われている姿を見て(読んで)いられないと、なかなか読み進まなかった。 でも次第に過去をちゃんと振り返り、見つめ直し、気持ちを再構築し、相手の心を想像し、寄り添い、柔らかくなっていく姿に胸が熱くなった。 人は過ちを犯す生き物だけれども、挽回のチャンスもきっとあって、軌道修正出来ることだってあるよね、と読み終えた後には清々しさも感じられた。もちろん、上手くいくことばかりではないけれど。
5投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログ前半は、主人公の青瀬さんについて行けなくて、厚い本だし、やめよかなって。レビューでも途中でやめたって書かれている方もおられて、自分だけではなかったんだと。でも、後半の展開でだんだんお話に引き込まれていって、どうなっていくのか終わりまでハイペースで読んでしまいました。結局、私にとっては、Y邸のお話より、設計事務所のコンペ騒動の方が楽しかったということでしょうか。私の理解力では、2つのストーリーを一つの小説に組み込んでいるのは、単なる合わせ技で、どちらか一方ではちょっと物足りないからかなと、思ってしまいました。 というのも、青瀬さんにとってのY邸と岡嶋さんとっての藤宮メモワール、双方が互いの大切に思っている対象を自分のことのように受け止めて行動できるところが、少し違和感がありました。ほんとう友人であれば、そこまでなれるのかあな、残念ながら、私にはそこまでの友人がいないということなのかなと考えさせらました。 それと、最後の能勢さんもそうですが、建築士ともなると、崇高なものを目指す志は共通なものがあって、自己犠牲もいとわないものなのかと、自分のレベルの低さを感じました。 さらに、青瀬さんの元奥さまのゆかりさんの行動もどうなんだろうと思いました。全体のお話をどこまで理解できたら、吉野さんとふたりでY邸を見に行ったりできるのだろうかと。作者と読者以外、そこまで理解できるのはちょっと無理かな、と思ってしまいました。
2投稿日: 2022.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中身が濃く、内容も長く、 コンペの話と施主の行方不明の話とブルーノタウトの椅子についてと主人公の家族の話(現在と過去)が入り混じるので あ、そういえば施主行方不明で探してるんだった! だったりそういやコンペが不穏だったんだなと思い出すような不思議な読書体験だった それぞれ内容が濃いのでターンごとに読み込んでしまい背景を忘れてしまうというのが原因かなと思った 恥ずかしいことに建築関係はからきしなのでブルーノタウトの話もこの本で初めて知った 軽井沢と熱海に行きたくなってしまった 最後の謎解きは途中からそうなんだろうな〜と思っていたので驚くことはなく 両者に悔恨がほとんど残らないようで良かった 最後の終わり方がまた最高で、岡嶋さんの作品がこの世に残るといいなと思った
1投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ建築家の主人公の設計した家を巡って様々なストーリーが絡み合い、最後に一つにつながる。 タイトルのノースライトはオーロラのことかと思ったが違った。家を設計するとき、北からの光をメインに取り入れるようにすることらしい。 本筋とは異なるが、離婚した主人公の娘さんの気持ちを主人公が推測している個所が何か所かあり、それがとても切なかった。 横山秀夫さんの本は何冊か読んだが、この本も面白かった。 不幸な出来事を通して、そこから立ち上がっていこうとする前向きな終わり方をするところが良い。
0投稿日: 2022.06.22
powered by ブクログ横山秀夫の作品は警察モノに関しては誰もが知っていて高い評価をしているが、こういう警察とは関係ない作品も私は大好きだ。 また本作品で改めて伏線の張り方が上手い作家だなぁとも感じた。 恥ずかしながらタウトについては名前さえも知らなかったのでいい勉強にもなったし、いつか作品も見てみたいと思った。
4投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ主人公自身が手掛けた最高傑作の建築物 その建築物に住人が住んでいる様子が無いと聞きつけ様子を見に行くがもぬけの殻 これは一体? 建築関係独特の専門用語、言い回しが多く読みづらい点もあるにはあるが作品自体は面白い もぬけの殻の謎に迫るのと平行してコンペの動向、タウトにまつわるあれこれ それら各々の線が最終的に一本の線へと捻れ交わり真相に迫っていく様は正に帯popにあるように"美しい"の一言に集約されると感じた
1投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ面白かった。 信頼できる作家の小説はだいたい何読んでも面白い。リサーチが徹底していて、組立てや構成にいつも感心する。 男(主人公)はだいたいいつも何かしら大きな後悔を抱えているね。横山さんもそうなのかな。
3投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ久しぶりの横山秀夫。 面白い。 見事な導入、飽きさせない展開、納得のラスト。 やや、芸術面での表現がくどい気もするが、人に勧めたくなる良作。
0投稿日: 2022.06.07
powered by ブクログ横山秀夫が建築家・建築士を描くとこういう物語になるんだな。最初は、ちょっと冗長な感じもあって、すっと世界に入れなかったけれど、徐々に引き込まれて、最後はきちんと浸り切って読了しました。
0投稿日: 2022.06.06
powered by ブクログ横山秀夫作品は、どうも読むのに時間がかかる。 今回の作品は、予備知識なしで読み始めてしまった。 建築に造詣があるわけでなく、ブルーノタウトも名を聞いたことがあるくらいでほとんどよく知らない。 そんなわけで、今回は更に読むのに時間がかかった。それが苦痛というわけでは決してないが、テンポもゆっくりで話もなかなか進まない。しかし300ページを過ぎた辺りから、グッと面白くなる。そこからはもう夢中だった。 横山秀夫作品史上、最も美しい謎。 まさにその通りでした。
12投稿日: 2022.05.23
