全体的に構成が悪くまとめ下手。展開や台詞等が矢継ぎ早で、テンポが良いのではなく雑で荒削り。そして矢継ぎ早なので構成・展開に緩急・メリハリ付けが不足している。 キャラクターも微妙。表面だけ取り繕った浅いキャラクターばかりで、内面までしっかり個性付けされた「人物」という印象をまるで感じない。作者の表現力が低いのか、原作(者)の時点でこうなのかは知らないが。 読んでいて最も気になったのは台詞回し・言葉選びの拙さ。王族や貴族が多数登場する世界観でありながら、王子に対し「何やってんの！？」なんて口調使っているのはいくらなんでも酷すぎる。ギャグ・コメディならまだ分かるが、真面目(のつもり)な内容でこの口調は違和感・拙さしか感じない。 そもそもその王子に対し、子供が危害を加えて怪我をさせるというまさかの描写がある。王族にこんな事したら子供だろうが確実に極刑だし、子供側も王子にしちゃいけない事は分かるはず。今までいろいろな作品を読んできたが、こんなふざけた展開のある作品は初めて読んだ。もうちょいまともなストーリーを考えられないものか。 そんな訳で、読んでいてとにかく粗が多い作品。貴族物や悪役令嬢物でも、これより面白い作品は腐るほどあるため、そっちを読んだ方がよい。