
総合評価
(67件)| 34 | ||
| 19 | ||
| 7 | ||
| 0 | ||
| 1 |
powered by ブクログ本当に資本主義は間違えていないのか。 コモンの考え方について記述されている。 斎藤幸平氏の著書を想起させる。 サピエンス全史と共通した部分もあるものの、 人間は善なのかという問いをテーマにしている点で 独自性がある。 現実主義のすすめ。 性善説のすすめ。 下巻は示唆に富んだ、いい一冊だった。
1投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログこの下巻では、上巻で、人間が本来性善であるという証明を試みたものを、今の社会が利己的・性悪説に立ったシステムの中で、本来的な性善を取り戻し社会に拡めるにはどうしたらよいか書いている。 同じ主観をもつ共感よりも、私の主観的な視点からの思いやりを持とう。 対立には、会話、質問による交流が時間がかかるが一番効果的。 遊びこそ自由への希求と自由を利他として使えるようになる行動。 権力者は利己的でないとなれないか、権力を持った途端利己的になる。そのための権力の譲渡が必要。 この本で学んだことは、 ・シニカルな見方ではなく、性善説に立ったうえでの理性と現実直視からなる思考と行動をせよ。 →シニカルな見方は頭良さそうに見えるけど、自分を卑下したりプレッシャーをかけすぎることにつながる。現実的であるとは、観察の結果の合理的思考であり、冷笑的にみたり悲観的にみたりすることではない。 ・他人は私がどのように扱ったかで変わる。 →優しくした、目をかけたという意図ではなく、どのような存在とみなしたうえで接したかが返って来る。ピグマリオン効果とゴーレム効果。プラセボとノセボ効果。
6投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログメモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1936786947017744437?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
0投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログ上下一気読み。 誰もが幻と思う人間の性善説について、まさに希望の証拠。 分断なんてしている場合じゃないよね、と世界に対してめちゃくちゃ客観的になれた。
0投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログ● 2024年10月6日、勝間和代さんのYouTubeみてて出身大学を検索したら、ブログの情報が出てきて「激推し。この数年で1番の本」みたいな紹介記事があった。読んでみたい。 ● Yahooフリマで上下セットが値下げされて2500円になった。
0投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ世界の全ての人に、今すぐにでも、読んでほしい一冊。まさしく、人生観の変わるものです。 ノルウェーの刑務所の話。1914年のクリスマス休戦の話。南アフリカ民主主義誕生を支えた二人の双子の話。 勇気を持って、人間について新しい見方をして、新しい現実主義を始めなければならない。
0投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ上巻では、人間の本性は善であると結論づけた。ではなぜ人間は、戦争やテロを起こしたり、ガス室を作ったり、虐殺を行ったりするのだろうか。筆者は「共感が目を塞ぐ」と表現する。共感は、仲間意識や困っている人を助けよう、全なるものを見た時に理解できたり、自分もそうなろうとする原動力にもなるが、一方、狭いコミュニティや同種の者に対する贔屓をも誘発する。これが嵩じるとナショナリズムやヘイトにつながるわけで、この説明は納得。ではどうすべきかについて、「対話」であるとする。第一次世界大戦のクリスマスの逸話、ネルソン・マンデラの改革を後押しした全く正反対の立場に立った双子の話など、いくつかの興味深い事例を挙げている。相対主義や悲観主義にならず、良い意味での現実主義を持って行動することが大事。
0投稿日: 2024.11.24
powered by ブクログすごく感銘を受けた。 私はかねがね、性善説を信じていたけど、やっぱり間違いじゃなかったと思った。 尊重されれば、尊重する。 期待されれば、期待されたようになる。 たくさん思ったことがあるけど、私は愛の塊みたいになりたいし、みんなもそうだと信じている。
0投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ共感はブラインドスポットを作り出し、それは即ち悪を生み出す。 繋がりが多様になった現代。自分ではない存在を知ることは容易で、自他の境界が数多存在する。それは自分にスポッとを、他者がブラインドスポットになることにも繋がり、また、繋がりがある者同士でしか共感しないことに拍車をかける。 そうして悪が加速した。 そして、共感しない人がトップに躍り立つ。 ブラインドスポットに共感しない者が、ブラインドスポットを敵とみなし、そこに共感力が高い人がフォローし付いて行く構図になる。 それで正しいのだろうか? そうして起きた戦争、迫害、犯罪…はこれらの延長線上にある。 しかし気付いた。私たちには理性がある、と。啓蒙主義。 理性があるなら間違いは防げるはずなのでは、、、? だから手に入れた民主主義の概念。 一人ひとりが存在し、人権を持ち、民意を創るのだ。が駆動しているのか。 そもそも駆動させられるのか? つまり、またブラインドスポットを生み出し、同じ過ちを繰り返すのではないだろうか? 『非相補的行動』 右の頬を打たれたら左の頬を向ける。 物を盗まれたら、盗んだ人に食事を与える。 刑務所でリゾートのような暮らしを送り、再犯率を下げ、警官のモチベーションも上がる。 そんなことが可能だろうか。 可能なことを本書は証明してくれる。 人は本質的には善であるがゆえに、非相補的行動がとれる。 そして、人は互いを思いやることで、全体的にプラスに発展することができる。 臭いものに蓋をして、見て見ぬふりふりをして、距離をとるとますますブラインドスポットが広く深くなる。 だから、著者は交流することを勧める。 交流することで他者を知り、自分を知る。 至極当たり前だが、その当たり前を理解できなかったから過ちを犯してきた。 だから今日から、今から、思いやりを持って交流をするのだ。
0投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログー 良いことをすると、気分が良くなる。世界に生きていると言うのは、素晴らしいことだ。私たちは食べ物を好むのは、それがなければ飢えるからだ。セックスを好むのは、それをしなければ絶滅するからだ。人助けが好きなのは、他者がいないと自分もいなくなるからだ。良いことをすると気分が良くなるのは、それが良いことだからだ。 これが本書の主張の全てだろうなと思う。最強の説得力。生まれながらに「気持ち良く」感じる行為は、本来人間に期待され備わった性質なのだから、良いことした後の爽快感は、性善説の証明になるという事。 著者は「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラムの電気ショック実験」など、人間が服従により悪意を果たすような実験、傍観者効果のように、自己防衛本能を発揮する利己的な存在である事に反証するが、何もこうした議論をせずとも、前述の内容で語れてしまえそうな破壊力がある。 では、なぜ悪事は存在するのか。 人間は、生まれつき脳内に同族意識の芽を備えている。同じ色の実験だが、確かに、スポーツではユニフォームの色で敵と味方を分けている。また、乳幼児は生まれながらに外国人恐怖症の傾向を備えている。共感こそが、私たちを最も親切で最も残虐な種にしているメカニズムだという。〝善事は、味方にしか及ばない“ ならば、敵と味方を区別する境界線を知っておきたい所。それこそが、共通の「物語」だ。数百万人の人々とともに、並外れた規模で協働するために、宗教や資本主義、国家主義を創造した。これはユヴァル理論だが、しかし「物語」には、強制装置が必要だと著者はいう。いや、必要とは言ってないが、現実的に、暴力とセットだと言うのだ。暴力の脅威によって強化されている。例えば、お金はフィクションかもしれないが、請求を無視すれば、当局が追いかけてくる。強制装置には、相互監視社会や同調圧力もあると思う。 自発的、そうでなくても強制的に、敵と味方は分かれていく。限定的な善意は、この境界線の不安定さに揺さぶられ、時に暴走する。正義の快楽、とは敵や違反を罰する事だ。気持ち良い事は、本来人間に備わった性質。ここでの暴力は正義ではないか。なんと真逆。これを知った上で、この二面性と境界線の克服こそ、必要な論点である。
36投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ人間の善性が見失われる現代への布石を投げかける一冊。 これは本当に不思議なことで、人間の悪性を前提にした設計があまりにも多いことに気づき驚かされるとともに、かなりの勇気を伴う作業にもなるが、こんなにも平和な、甘温い世界が目の前にあるのかもしれないとの希望的な話もない。
0投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ上下巻の感想 上巻は過去の実験、論文が嘘、誤りだったという内容がメイン。 多くは以前、聞いたり、読んだりして、信じていたもので衝撃を受けてしまった。 下巻は人を理解する事でこんなに素晴らしい事が起きたという例がいくつか紹介され、邦題の通り、希望を抱く内容だった。 読み終えて、 これまで信じてきた物が嘘なら、この本も嘘? 一体、何を信じればいいの?、? と、思いつつ、どうせ騙されるなら、希望を持った方がいいよねという結論にしました。
33投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ高揚する本だった。 世界は大いなる善意で回っている。 ドイツ軍の人間ばなれした戦闘を可能にしたものは「友情」 テロリストにさえ当てはまる 自由を与え、あらゆる年代と能力の子どもが入り混じったコミュニティの中で、コーチやプレイ・リーダーが支援すれば、子どもは最もよく学ぶ 大人は、子どもに自由を与える勇気を持っているかどうかだ ベネズエラの自治体トレス、とある候補者が、当選したら権力を住民に譲り渡すとして、本当に当選して、わたした。 そこから急速に発達していった。 次にブラジルのポスト・アレグレで起きて、今は世界中に広がっている ノルウェーの刑務所システムは再犯率が世界最低 割れ窓理論はベニヤ理論の一種 オールポートの接触理論、交流には効果がある 著者の人生の指針10ヶ条 1. 疑いを抱いた時には、最善を想定しよう 疑わしきは罰せず 2. ウィン・ウィンのシナリオで考えよう 3. もっとたくさん質問しよう 自分がしてもらいたいと思うことを他人にしてはいけない。その人の好みが自分と同じとは限らないからだ 4. 共感を抑え、思いやりの心を育てよう 瞑想によって思いやりを鍛錬できる 5. 他人を理解するよう努めよう。たとえその人に同意できなくても 6. 他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう 7. ニュースを避けよう ネット、SNSを制限 8. ナチスを叩かない 9. クローゼットから出よう、善行を恥じてはならない 10. 現実主義になろう
0投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログブレグマンは、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずだ」と語る。 (訳者あとがきより) 巷(いまや巷といえばSNSか)に溢れるうんざりするようなニュースを、毎日のように目にしすぎていた。知らぬうちに。人間は善か悪か。さらっと質問されたらさらっと「そりゃ悪よ」と答えてしまいかねないくらいに。でも本書を読むと、そんなことはないんだ、と、心の底から沸々と、まさにそれこそ「希望」がわいてくる。歴史的な事件や、人は悪だと思い込んでしまいそうな実験をひっくり返す真実に迫りながらページは進む。あちらこちらに人間の善行が光る。人間に生まれたからには、正しくありたい、と背筋が伸びる。人を信じよう、優しくあろう、と思う。いやそれが難しいんだよ、といつもならひねくれてしまうけど、それが人間の本質なんだと、信じさせてくれる。とはいえ現実は…とまだごねてみたくなる日々だが、この本を読めたことを無駄にせずに過ごそう。忘れないようにしよう。オススメ。
0投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログ日ごろから「たぶんそうなんだろうな」と思っていて、それとは違う出来事に出会うと、「きっとこれは稀有な出来事なのだ」と思うようにしていた自分の考えが、根底から覆された、自分にとっては衝撃的な書物であった。
0投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログ上巻に続き、ヒトの良い面についての耳障りが良く信じたくなるお話。根拠はないがこれまでの経験則として耳障り良い話の後はヤバい未来が待っていることが多い。著者が求めるバキバキリベラルで社会保障天国な世界を作る目的から逆算された主張に読者を誘導してるようにも見える。 いっぽうで日々の生活の中で、コンビニの外国人店員、通勤電車で隣に座ってる人などよく知らないという理由でうっすら怖いと思ってしまうが、実はみんないいヤツと思うことにするだけで世の中が少し良くなりそう。体制やビジネスの仕組みはこのままでも普段接触の少ない人にも思いやりを持って接する必要があると感じた。
0投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログ人間は性悪説ということをとるとそれがマスコミや論文によって広まるとそれに基づく社会形成になってしまい、逆もしかり。ただマスコミはセンセーショナルな性悪説を取り上げがちになる。 また人間の共感力が強く、船上で他人を殺すのは、遠隔の武器であればあるほど良いし、殺戮の目的は占有や家族といった身近な人を守るためであり、共産主義やナチズムではない。もちろんトップの人間はそのようなことも考えない目的のためには何でも行うタイプであることは多いが、彼らは共感力を利用して人を動かす。 そのことを利用させないためには、直接の対話が必要となる。
0投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログ善は伝播する。本書に触れて人間の本質に関するシニカルな見解を見直し、本来の現実主義になろうという呼びかけがまさに、人を良い方向に向かわせる伝導書にの役割があるんだなと。 しかし、少し気を抜くと欺かれるな、出し抜かれる前に蹴落とせなんていう競争社会に飲み込まれそうになるこの時代。自分の心持ちは本書で得ることのできた知識を糧に、人の善を信じるよう留めて行けるように邁進すべし。少し欺瞞的になりそうですが、ぎちぎちに追い込まず自分のできる範囲から。
1投稿日: 2023.10.19
powered by ブクログ上巻で、人は性善説に基づいていると説いており、この下巻では、現在の戦争などがなぜ起こっているのかを解説し、どうすべきなのかが説明されています。 狩猟採集時代には、人は皆平等であったのが、農耕が始まることで、なぜ身分差や貧富の差が発生したのか。それは、元々肥沃な河川流域で、安定した生活を始めた人々が、人口が増えることにより、得られた食物等を巡って争いが起こり、それを統治するために神などの概念を持ち出したのだとか。 現在も資源などを巡って争いが絶えません。しかし、過去に日本やドイツが敗戦が濃厚であるにもかかわらず、兵士が戦い続けました。それは、宗教や思想、統治者への信仰などではなく、仲間を助けるためだったことが分かってきています。仲間意識、つまりよく分かり合えている者同士であることが重要なんですね。争いが起こるのは、その隣人のことをよく理解していないからだと、筆者は述べています。言葉や文化が違えども、それを理解し合う、理解しようと務めることで、争いはなくなるのだとか。その意見には共感するものの・・・
0投稿日: 2023.10.16
powered by ブクログ共感はスポットライト、見たいものしか目に入らない。誰かに共感するということは同時に誰かを否定することにつながる。 真実こそ信じる道。自分の理想が全てではない。 ニュースを信じない。疑ったときは最善を想定する。 結論、思いやりが全て。
0投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分がいかに性悪説の元に立ち、日々考えて行動していたかがわかった。そして、学校という場が性悪説を前提にしたシステムだと言うことも。 完全に同意した訳ではないけれど、性善説もありかも?と思うことができた。 まわりの他人をどう見るかは全て自分次第。世界は自分の鏡なのかもしれない。信じてなければ、信じてもらえないし、信じれば、信じてもらえる。 そして、知った気にならないこと。決めつければ、自分と世界が決まってしまう。いつも問い続けることが大切。疑うとも違う。ここが難しい。 そして、他者との交流が大事だ。勝手に遠くから共感するのではなく、しっかり近づいていけば、他者が自分と同じ人間であること、その人にも愛する人がいることがわかる。偏見はなくなる。
0投稿日: 2023.09.18
powered by ブクログ人は善である。そんなこともない、と思ってしまうのは、誤った情報を浴びせられているからか。では、なぜ、そんなことをするのか。反対のことをしたほうが面白い、うける、という思いを持つ人がいるという性質もあるのだろう。人とは、という哲学、は尽きることがない。自分なりの考えをつきつめるには読書だ!
0投稿日: 2023.06.08
powered by ブクログ下巻では、上巻での見解(人は基本的には性善であるが、騙されて悪に走ることもある)を踏まえ、今後の社会設計をどうしていくべきか、実例を交えながらまとめられている。 人は本来性善的である、という前提のもとに考えられた社会設計(政治、経済、教育等)において、多くがポジティブな結果をもたらしているとのこと。こういった事例を見ていると、人間に対するポジティブな見方が強まっていくのを感じる。
1投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログ希望の書。著者は言う、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずた。」 現在の社会の様々なシステム、民主主義、資本主義、教育、刑務所、介護・・・全ては「人間は本質的に利己的で、攻撃的で、すぐにパニックを起こす」という「最悪な人間を想定した」システムである。 これに対して「大半の人は親切で寛大」だと考えて政治(税金の使い道を決める)、刑務所、介護施設・・その他のシステムを動かし始めた人たちがいる。そしてそれは、前者よりもはるかに上手く機能している。そういう幾つかの実践を記す。 訳者あとがきが本書を完璧にまとめてくれている。
3投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ前巻も楽しかったけど後半は避けて通れないナチスなどの人間史に残る負の出来事と向き合う。 最終章では希望を作るための数箇条が提示される。
2投稿日: 2022.11.21
powered by ブクログ上巻からの続きです。上巻の際には過去に実際にあった実験の結果などを詳細に検証して、例えば捏造や恣意的なものを被験者に前もって伝えるなどで本来の実験があるべき条件で実施されていないために結論は無効である、つまりその試験は結論を導く以前に成立すらしていないと書いていた章がかなりありました。それらが世の中を席巻しているため性悪説が基本となっていると。 下巻ではどのように人は考えて行動すればよりよい世界になっていくのかということが、捏造なき試験や史実とともに考察されていきます。より良い世界とは私が下巻を通じてふわっと感じた感覚であって、実際に具体的に「良い世界」の定義は個人間で違うでしょうが。 16章テロリストとお茶を飲む は特に興味深い章でした。人は右の頬を打たれたら左の頬を差し出す事ができれば最終的には吉となる。それを個人間だけでなく地域や国の規模として出来ればもっと世の中は良い方向に進むのでしょう。 感想を書くのはとても難しいのですが、大半の人は親しい人には優しく、自分から遠くなるほど敵意を持ったり、または逆に無関心になるという事。外国人恐怖症や異民族浄化などはそのせいでしょう。そのような事をなくすためには対話、コミュニケーションがとても大事だということ。書いてしまえば、そんなの当たり前過ぎでて誰でも知ってるわと言われそうですが、大半の人は私も含めてそれがをするのが難しく、出来ていなのではないでしょうか。善い行いも悪い行いも水面の波紋のように連鎖していくものなので自分がよい行いをすることを積極的に人の前でやるという事も大事なようなのでポツポツと実行していこうかなと思います。 本書の中では今の経済や社会の仕組みなどにも多く言及していますが、そこを読むと今の世に絶望を感じてしまいました、残念ながら。
4投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログ人間は元来は平和を好む友好的な生き物であり、通常、対立構造に置かれそうになっても、平和的手段で解決をしようと試みる。 ただ、そうした友好的な性質が故に、集団に対して抵抗するということがやや苦手であり、時として多元的無知と呼ばれる、誤った方向への暴走が見られる。 こうした暴走は、私有財産に端を発した階級社会の登場により、社会構造が歪められたことで発生しやすくなったと筆者は主張する。 これに対する対策として、共有地の設定があるが、長らくこの共有地は、共有地の悲劇と呼ばれ、全くうまくいかないという意見が当たり前であったが、その意見すらも、人は生来的に悪であるという思想からくるものであり、現実社会での共有地は、暴走者が現れれば排除されるように、エコシステムがうまく働き、機能している。 人は、他人から期待されたような人になると言われ、10歳、厳しく囚人を罰するアメリカの再犯率が高く、一方で尊厳を持って接せられるノルウェーでは低くなるという顕著な結果に表れている。 性悪説に立つことは、ネガティブな側面をあらかじめ予測する現実主義として、これまで褒め称えられてきたが、筆者はこれを冷笑主義として、好ましくないものとしている。 そうではなく、人は本来善であり、そうした行動を他人に期待することで、全ての人がより幸せな状態になる、これが一番のメッセージと受け取った。 悪い出来事ばかりを報道するニュースによって、我々のこうした見方は歪んでいるため、ニュースから適切な距離を置き、真の現実を見る現実主義者になりたいと思う。
0投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログ・共感、距離、無知が人を残酷にさせる 仲間のため、友のために前線へ行く兵士 友情と団結と忠誠心を持つナチスドイツ兵 テロリストは、友人や恋人と共に過激化する オキシトシン→他者には警戒心 身近な共感対象以外は敵に。外国人恐怖症。 戦場では空爆や砲弾などの距離がとれる攻撃での死亡率が75%占める ネルソン・マンデラ 何度も話し合いお互いを理解することでアパルトヘイト(人種隔離政策)は解決をみた ノルウェーの刑務所 看守は武器を持たず囚人と会話をし、図書館や売店もあり料理やゲームも行える好待遇ともいえる政策をとっている。罰を与える目的ではなく、社会復帰し良き隣人になってもらう方針に→結果、再犯率減少(厳しく投獄されるアリメカは再犯率No.1)。 ピグマリオン効果⇔ゴーレム効果 周囲の想いが対象に伝わり影響を与える。 先生に、あの生徒は優秀、と伝えると生徒の成績が上がる。 コモンズ(共有財産) コミュニティが共有し、民主的に管理しているものほぼすべて。自然、飲料、wiki コモンズが市場や国家に奪われてきた。 偏見を防ぐ 距離を縮め交流(知る)すること 黒人と白人が居る小隊での差別は1/9 テロリストもゲリラも、精神性や社会性などテストしても違いはみられない 多様な環境は人をより親切にする ポピュリズム 「エリート」と「大衆」に分け大衆の権利を尊重する主張。民衆派、大衆烏合主義。 人の大多数は善である 汚物のように扱えば、人は汚物のようになる
0投稿日: 2022.07.29
powered by ブクログ共感はいかにして人の目を塞ぐか: ナチスの心理の謎を解く 幼児と道徳観ーベビー・ラボの実験 身近な人に共感する 権力はいかにして腐敗するか: 権力が神を生んだ 啓蒙主義が取り違えたもの: 史上最大の過ちへの抗争 利己性にもどつく社会をつくる 疑う意志vs信じる医師 ピグマリオン効果 多元的無知 内なるモチベーションの力: 在宅毛組織の成功 テイラーの経営哲学 マネジメントをしないマネジャー ホモ・ルーデンス: 教育システムの出現 ルールや交通規則のない公園 民主主義派、こんな風に見える: コモンズ テロリストとお茶を飲む 憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策 兵士が塹壕から出るとき
0投稿日: 2022.07.21
powered by ブクログ人は自分の都合の良いように情報を作り出すものだし、ファクトチェックも追いつかない 改めて自分の他人との関わり 寛容でいようと思う
0投稿日: 2022.07.14
powered by ブクログ「人の本質は善である」との観点から、これからの社会について、希望を与えてくれる本です。 確かに、ある集団に対して偏見や嫌悪感を抱いていたとしても、実際に接したことがある人に対しては親愛の情を抱くのが人間の本質であることは、経験則上、理解できるところです。 個人的には、主として北欧の国で実施されている刑務所の改善と、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領誕生に際しての双子の物語に感銘を受けました。 犯罪をする人は、社会に対する疎外感等でやり場のない怒りを抱えているケースが多いと思います。そのような人には、刑務所内での交流による人から尊重された経験が、更生に繋がる大いなる可能性を感じました。 我が国は解決すべき問題が山積みで、刑務所改革まで意識が向かないのが実際のところですが、あとは国民がどのような政治家を選択するかというところでしょうか。 「人の本質は善である」ことが人々の共有認識となり、よりよい方向へ社会が向かうことを祈りますし、自身もそのことを意識していこうと思います。
0投稿日: 2022.07.09
powered by ブクログ下巻138ページでコミュニストの書いた本だとわかるなんて。。。最初から宣言してくれ。そしたら絶対読まなかった
0投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログ少し前にわたしは、2013年に母国語であるオランダ語で綴った自著『進歩の歴史』を手に、腰を下ろした。それを読み返すのは苦痛だった。その本の中で少し前にわたしは、二〇一三年に母国語であるオランダ語で綴った自著『進歩の歴史』を手に腰を下ろした。それを読み返すのは苦痛だった。その本の中でわたしは、フィリップ・ジンバルドによるスタンフォード監獄「実験」を、何の非難もせず、善人が自発的に怪物に変わる証拠として取り上げた。明らかに、あの実験の何かがわたしの心を捉えたのだ。 わたしだけではない。第二次世界大戦後、ベニヤ説の変種がいくつも生まれ、それらを裏付ける証拠はますます堅牢になっていくように見えた。スタンレー・ミルグラムは電気ショック発生器を使ってそれを証明した。メディアは、キティ・ジェノヴィーズの死の後、ベニヤ説を大々的に伝えた。そしてウィリアム・ゴールディングとフィリップ・ジンバルドはベニヤ説に世界的名声をもたらした。こうして、トマスホッブズが三〇〇年前に主張したように、悪はすべての人間のすぐ内側でくすぶっていると考えられてきた。 しかし今、殺人事件と実験の書庫が開かれ、ベニヤ説が完全な間違いだったことがわかった。ジンバルドの監獄の看守は?彼らは俳優のように演技をしていた。ミルグラムの電気ショック発生器の被験者は?彼らは正しいことをしたかっただけだ。ではキティは?彼女は近隣の人の腕に抱かれて亡くなった。 これらの人々のほとんどは、人助けしたかっただけのように見える。人助けできなかった人間がいるとすれば、それは科学者や編集長や、知事や刑務所長といった責任者だ。彼らは嘘をつき、操作した、怪物だった。これらの権力者は自らのよこしまな願望から人々を守るどころか、全力を尽くして人々を互いと敵対させたのだ。 このことはわたしたちを、人はなぜ邪悪なことをするのかという本質的な問いに引き戻す。フレンドリーな二足歩行のホモ・パピーはいかにして、監獄やガス室を作る唯一の種になったのだろう。 前章までで、人の仮面をつけた悪に誘惑されやすいことを学んだ。しかしこの発見は、別の疑問を生じさせる。歴史の流れのなかで、なぜ悪は、わたしたちを欺くことにこれほど熟達したのだろうか。どのようにして、わたしたちを互いに宣戦布告させるに至ったのだろうか。 第3章で紹介した我らが「子イヌの専門家」、ブライアン・ヘアの観察が、わたしの頭から離れない。彼はこう言った。「わたしたちを最も親切な種にしているメカニズムは、同時にわたしたちを地球上で最も残酷な種にしている」 ■史上最悪の虐殺へ駆り立てたのは友情だった この考えをわたしが理解するまでには長くかかった。 オランダで育った一〇代の頃、わたしは第二次世界大戦を、「ロード・オブ・ザ・リング」の二十世紀版、つまり、勇敢なヒーローと邪悪な悪党とのスリリングな戦いとして思い描いていた。しかしモーリス・ジャノヴィッツが明らかにしたのは、異なる状況だった。 彼が発見した悪の起源は、堕落した悪人のサディスティックな性癖ではなく、勇敢な兵士の団結だった。第二次世界大戦は勇壮な戦いであり、友情と忠誠心と団結、すなわち人間の最善の性質が、何百万という普通の男たちを、史上最悪の虐殺へと駆り立てたのだ。 ブルームによると、共感できる相手は、救いがたいほど限られている。共感は身近な人に対して感情である。わたしたちが匂いをかぎ、目で見て、耳で聞き、触れることができるに人に対して。家族や友だち、お気に入りのバンドのファン、そしておそらくは、町で見かけるホームレスに対して。さらにはイヌに対しても。畜産場で虐待された動物の肉を食べながら、わたしたちは、子犬を抱いたり可愛がったりする。また、テレビが映す人々に対しても共感を覚える。悲しげな曲をBGMにして、カメラがズームインする人々に対して。 ブルームの本を読むと、共感は何よりもニュースに似ていることに気づく。第1章では、ニュースがスポットライトのように機能することを述べた。共感が、特別な人か何かにズー ムインしてわたしたちを騙すように、ニュースは例外的な何かにズームインして、わたしたちを欺く。 一つ確かなことがある。それは、より良い世界は、より多くの共感から始まるわけではないということだ。むしろ、共感はわたしたちの寛大さを損なう。なぜなら、犠牲者に共感するほど、敵をひとまとめに「敵」と見なすようになるからだ。選ばれた少数に明るいスポットライトをあてることで、わたしたちは敵の観点に立つことができなくなる。少数を注視すると、その他大勢は視野に入らなくなる。 これが、 子イヌの専門家ブライアン・ヘアが語ったメカニズムだ。わたしたちを地球上で最も親切で最も残虐な種にしているメカニズムだ。そして悲しい現実は、共感と外国人恐怖症が密接につながっていることだ。その二つはコインの表と裏なのである。 権力を握る人々にも、同じ傾向が見られる。彼らは脳を損傷した人のような行動をとる。普通の人より衝動的で自己中心的で落ち着きがなく、横柄で無礼。浮気する可能性が高く、他人にもその気持ちにもあまり関心がない。加えて彼らは厚かましく、人間を霊長類の中で特別な存在にしている、顔の現象を往々にして喪失している。 つまり彼らは赤面しないのだ。 権力は麻酔薬のような働きをして、人を他者に対して鈍感にするらしい。 あるアメリカの人類学者は、狩猟採集民の社会についての四八の研究を分析して、マキャヴェリズムはほぼ常に惨事を招く、という結論に至った。彼はその理由を説明するために、狩猟採集をしていた時代にリーダーに選ばれるために必要とされた特徴を挙げた。それは次の通りだ。 寛大である 勇敢である 賢明である カリスマ性がある 公平である 偏見がない 信頼できる 機転が利く 強い 謙虚である 狩猟採集民の世界では、リーダーは一時的な存在にすぎず、重要なことは皆で話し合って決める。後にマキャヴェッリが述べたような愚かな行動をとる人は、命を危険にさらすことになる。利己的な人間や強欲な人間は部族から追い出され、飢餓に直面する。結局のところ、食料を独り占めしようとする人とは、誰も食料を分かち合いたいとは思わないのだ。 しかし、その後デシの疑念を裏づける研究結果が続々と報告されるようになった。一九九〇年代後期にイスラエルのハイファで行われた実験を紹介しよう。舞台は保育所だ。親の四人に一人は、子どもの引き取りが遅く、保育所が閉まってから来ていた。そのせいで子どもはぐずり、職員は残業を強いられた。そこで保育所は親に罰金を科すことにした。遅刻するたびに三ドルだ。 良いアイデアだと思えるだろう。親にしてみれば、遅刻しない理由が二つになったのだ。すなわち道徳的な理由と、経済的な理由である。 この新たな方針が発表されると、お迎えに遅れる親の数は……増えた。じきに親の三分の一が保育所が閉まってから迎えに来るようになり、数週間のうちにその割合は四〇パーセントになった。理由ははっきりしていた。親たちは遅刻のたびに支払うお金を、罰金ではなく追加料金と解釈し、子どもを時間内に引き取る義務から解放されたのだ。 その後も多くの研究が、デシの発見を裏づけた。つまり、状況によっては、人が何かをする理由は多ければ多いほど良いというわけでないのである。時として、それらは互いを打ち消す。 ■人生の指針とすべき10のルール 1.疑いを抱いた時には、最善を想定しよう 2.ウィン・ウィンのシナリオで考えよう 3.もっとたくさん質問しよう 4.共感を抑え、思いやりの心を育てよう 5.他人を理解するよう努めよう。たとえその人に同意できなくても 6.他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう 7.ニュースを避けよう 8.ナチスを叩かない 9.クローゼットから出よう。善行を恥じてはならない。 10.現実主義になろう
0投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ金銭的インセンティブはモチベーションを下げる、マネジメントしないマネージャーなど、内なるモチベーションの力の章は興味深かった。たしかに、一文も得にならないこと、疲れるだけのことを、自ら望んで継続的にやってますからね。 ナチスの軍人は洗脳されていたわけではなく、戦闘に駆り立てていたのは友情だった。憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策は、アイデンティティを持ち、交流すること。ロシア軍の前線がウクライナの人々が隣人である事を再認識して、自らの過ち、それを指導する体制の過ちに気づき、遠く離れたクレムリンまで逆流する事で、悲劇に終止符が打たれるという歴史が作られれば、この本の主張の正しさが証明される事になると思った。
0投稿日: 2022.05.03
powered by ブクログ人間の本質は善であるということを解き明かした上巻の内容をもとに、ではなぜ現に人類は戦争や犯罪や差別など、悪によってもたらされる事象が起こっているのか?どう対処していくべきなのか?を提案した内容。本質である善は自分が共感する対象に限られており、その対象から外れた存在には向かないから、というのはとても納得できる理由だ。70億人全てに共感することは難しいからこそ性悪説を盲目的に信じることをやめて、性善説に基づいて社会のシステムを組み立てるとともに、共感できなくても理解と思いやりを持つことが大事なのだと理解した。
0投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ寛容に生きること、利他的であることを誇っていい。そういう善なる行為や思いに対して、背中を押してくれる本だった。心に信念の灯火が灯った。 上下通して、一番心に残ったのは、教育とマンデラを扱った章でした。
0投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログ上下両巻を読んで 私は「人間の本質は善である」という考えに懐疑的な人間の一人だ。というのも、私たち人類はその核心が善か悪かで語れるほど単純な生き物ではないからだ。個人的には人間は善も悪も持っていると考えている。 いや、むしろ最近ではより多くの日本人が利己的な行動をとっているように見える。本書でも触れられているように、それは私がネガティビティバイアスに囚われているからかもしれない。だから、自分のそうした観念を払拭するためにも本書を手に取った。 本の帯では「人間観を一新してくれた本」とユヴァル・ノア・ハラリが語っている。たしかに、本書を読み進めていくと、人類がいかに相手に優しさと思いやりを持っているかがわかる。しかし、それは本書を読まずとも経験則として私たちは身につけている。なにも目を見張るようなことを主張しているわけではない。本書は私の人間観を覆すには至らなかった。 本書を読んでいると多くの疑問点が浮かんだ。それは私の理解のキャパを超えていたからかもしれない。「人間は利己的だ」という考えを払拭しきれず、結論ありきで読んでしまったからかもしれない。著者ルトガー・ブレグズマン氏の主張を理解するためにも、もう一度読み直すあるいは別の文献も参照するということが必要なのだろう。 いずれにしても、疑問点やツッコミが生じたことは事実であり、それをこのようなパブリックな場で共有することは良いことだと個人的には考えている。そのことで解決の糸口になりうるからだ。以下その疑問やツッコミの一部を記す。 ・まず、そもそも筆者の考える「善」が何かわからない。「人間は利己的だ」という考えを否定していることから、善=利他心と捉えているだろうか。しかし、ナチスやテロの箇所を読むと「正義」という意味にもとれる。筆者の考える「善」とは何かその定義を明白にする必要がある。でなければ、建設的な議論は不可能である。 ・大災害の後では協力の波が起こる(上巻27頁)と筆者は指摘しており、その事例をいくつか列挙している。それはもちろん素晴らしい。しかし、事後に協力の起こった事例だけを取り上げて「私たちは大災害の後には自発的に協力をする生き物だ」と主張することもできる。心理学で言う「確証バイアス」だ。人間は都合の良い情報だけを収集するきらいがある。したがって反証をする必要が生じる。新型コロナウイルスが流行した初期にはSNSにおけるデマが原因でトイレットペーパーの買い占め騒動が起きた。また、今から100年前に起きた関東大震災では中国や韓国人に対するデマが吹聴され虐殺されるという事件も勃発した。これらの事例はどう説明するのか。 ・「はっきりさせておこう。本書は人間の美徳について説くものではない。明らかに、人間は天使ではない。人間は複雑な生き物で、良い面もあれば、よくない面ある。問題は、どちらかを選択するかだ」(上巻31頁)とある。この主張は人間の本質は善ではないことと同義ではないのだろうか。良い面/良くない面という部分が抽象的でわかりにくいが、良い面=善と捉えるのであれば、私のように疑問符がついてもおかしくない。この文の後ろには、危機に陥った時人は必ず自分の良い面を選択する、というようなことが書かれているが「良い面」が何を意味しているのかあまりにも不明瞭だ。このことはやはり筆者が「善とは何か」をはっきりさせないまま論を展開しているからだろう。良い面=利他心=善であるならば、あまりにも「善」という概念を狭めすぎてはいやしないだろうか。 ・「実のところ、子どもの頃に暴力的な映像を多く見たことと、大人になってからの攻撃性との相関は、アスベストとがん、あるいはカルシウム摂取量と骨量との相関よりも強いのである」(上巻66頁)この指摘については、昔読んだ文献と結果が異なる。たとえば、攻撃的暴力的なゲームをしたからといって子どもがそのような性格に育つわけではない。このように矛盾した結論が出た以上、これらの情報を鵜呑みにせず、慎重に検証していく姿勢が求められる。 ・ネアンデルタール人はホモサピエンスよりも賢かった。それはホモサピエンスよりも脳が大きいからだ(上巻87頁) つまり、知能は脳の大きさに比例するということだろうか。では、しかし人間より脳が大きい動物はいくらでもいる。たとえば、クジラは地上最大の脳を備えている(らしい)のだが、ホモサピエンスのように高度な文明を発展させただろうか。ネアンデルタール人がホモサピエンスより実際に賢かったかどうかは別として、その判断において脳の大きさだけで断定しようとするのはいささか不十分すぎると言えよう。 ・「しかし、300人越えの兵士の中で引き金を引いたことを確認できたのは、わずか36人だった」(上巻114頁) この兵士がどのように選抜されたのか気になるところではある。それによっては、戦場でも相手を殺したくないという優しい人の集いにたまたまなった可能性がなくもない。 ・「第二次世界大戦の退役軍人への聞き取り調査を行い、半数以上が、敵を一人も殺していないことを知った」(上巻116頁) どのように質問したのか。それによっては答えも変わる。ストレートに「あなたは戦時下に人を殺しましたか?」と尋ねれば「殺していない」と答える可能性の方が高い。戦争は特殊な状況であり相手を殺すという感覚がなかったとしても不思議ではない。ゆえにどのように聞き取り調査をしたのか、そこが重要になってくる。また、対象者の選抜もどのように行ったのか気にかかる。 この他にもたくさん疑問点があった。相手を殺すという特殊な環境で芽生えた利他心は、些細な日常生活でも芽生えるものなのか。狩猟採集社会が代表するような平等社会における独占者の追放システムがなぜ機能しなくなったのか。独占者が武器を持つようになり逆らえなくなったという指摘も本書にあったが、多勢に無勢で追放できなかったのか。そもsも武器を持つ前に追放できなかったのか。 自分のメモを読み返してみると、あまりにも多くの疑問点があったのでここで切り上げたい。 私は筆者の「人間の本質は善である」という考えを否定するつもりはない。むしろ賛同したい。しかし、人間の本質がどうであれ利己心の方が利他心よりも社会を覆っているのは事実だ。それは筆者も認めている。だからこそ、人間の本質は何なのかという疑問を抱くことになったのだ。 これほどまでに人間の利己心を抉り出したのは行きすぎた資本主義であろう。資本主義は競争を原理とするゲームだ。私たちはそのゲームにどっぷりと浸かっている。そしてその競争はますます熾烈になっている。ゆえに私たちには相手を思いやる理解するという余裕がない。 筆者は不信感が蔓延る世界を変えるには相手を思いやり理解することが重要だと説く。無知は偏見を呼び、偏見は恐怖を生む。そして恐怖は差別へと繋がる。こうした負の連鎖を断ち切るには相手を理解することが重要なのだ。 しかし過度な資本主義が私たちからその余裕を根こそぎ奪い取る。本書はたしかに多くの人の人間観を根本的にひっくり返す良書になるかもしれないが、喫緊の課題として、この苛烈な資本主義あるいは増幅する格差を何とかしなければならない。現時点で本書『Humankind─希望の歴史─』は世界を変革せしめるほどの影響力はないと思う。しかし、真っ暗闇を孤独に走り続ける私たちにとって、本書は心を温かく照らす希望の光になってくれるだろう。
1投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログ著者の人生の指針10か条 1.疑いを抱いた時には、最善を想定しよう 2.ウィン・ウィンのシナリオで考えよう 3.もっとたくさん質問しよう 4.共感を抑え、思いやりの心を育てよう 5.他人を理解するように努めよう。たとえその人に同意できなくても 6.他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう 7.ニュースを避けよう 8.ナチスを叩かない 9.クローゼットから出よう。善行を恥じてはならない 10.現実主義になろう
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログそもそも人間の本質は「善」であると唱えている。 「性善説」を人類の歴史、集団心理などから切り込んで持論を展開。 人間は善の仮面をつけた悪に誘惑されやすいという。 なぜか。 それは私たちは共感することで寛大さを失い、少数者に対してその他大勢を「敵」と見るからだという。 その心理状態なんとなくわかる。 興味深い実験があった。 子供たちに赤と青のTシャツの好きな方を選ぶ実験をすると、青のTシャツを多く選んだ子達が、赤のTシャツを選んだ少ない方の子達をいじめるようになる。 人間の心理は既に子供のころに、このような心理になることがわかる。 だが、人間の本質は「悪」ではなかった。 過去の心理状態の実験の数々は真実でなかったことをブレグマンは独自目線で解き明かしていく。 無人島に着いた少年たちが残虐な行為をしていく「蠅の王」では、実は少年達は互いに思いやり、生き延びたこと、「スタンフォード監獄実験」では看守役が囚人を殴るのは役を演じていたことがわかる。 他者に寛容でお互いが良い関係であること、 それは、全ての人が勝者になる。 許すことができれば反感や悪意にエネルギーを浪費しないですむ、 「人生の指針とすべき10のルール」の中で人を人として更生させていく矯正施設ノルウェー刑務所の例を挙げている。 刑務所の所長が言う。「汚物のように扱えば人は汚物となる、人間として扱えば人間らしく振舞う」と。 この刑務所の出所後再犯率の低さは世界最高だという。 更生後の人は社会で働き税金を納め、再び犯罪を犯すことが低くなっている。 これぞウィンウィンの関係になると説く。 そして人は思いやりの心をもち寛容である、弱気者に手をさしのべる、本来そういう生き物であると結論づけている。 それでは地球温暖化や凶悪事件など人類が起こした問題はどのように捉えたらよいのか。 歴史が繰り返した数々の問題があるからこそ、人間の本性の原点に目を向けるよう気づかせてくれたのでは。 私たちにできることは何か。 他人の失敗や発言を非難したり、ダメなところが目についてしまいがちな心に、思いやりを持って接していく、よいところを見る、そういうところから始めてみようと思う。 人は人を許し、受け入れて前を向かって歩いていく、人に対して新しい視点に立ち接していくことを教えてくれた、とても良い本に出会えた。 多くの人に読んで欲しい本です。
11投稿日: 2022.02.10
powered by ブクログハラリ大先生の帯文通り「人間観を一新させてくれる」一冊。 「人間の本質は善か?」というシンプルかつ大きな哲学的問い、すなわち性悪説(ロック派)と性善説(ルソー派)どちらに寄って立つべきかを、様々な角度から問うていく。 往々にしてロック派の論拠とされる数多の歴史的通説(ex:イースター島の悲劇、ホロコースト)や心理学実験(ex:ミルグラム、スタンフォード監獄実験)、多くの凶悪事件(ex:キティ殺人事件)の真相を徹底的に暴き出すことで、これらが(あるいはこれらに対する意味認識が)歴史家や教授、メディアがつくりだした虚構であると断言する。 一方で、第一次世界大戦中のクリスマス事件をはじめ、ルソー派に寄って立つべき論拠を多数引用することで、「人間の本質は善である」と一貫して主張する。 有名な学説、実験の数々が実は恣意的に造られたものであったこと、そしてそれが暴かれていく過程に知的好奇心が多いに湧き立つとともに、まさに帯文通りページを繰るごとに「人間観が一新されていく」感覚を得ることができた。 上下巻通して興奮止まらぬ読書体験で、本当に読んでよかった。全ての人に勧めたい、素晴らしい作品。
1投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログめちゃくちゃいい本でした。 「人類の性質は、悪なのか、善なのか」という永遠の問題について、歴史や様々な研究から、丁寧に考察した本で、現代の「希望の書」だと思いました。 ぜひぜひ読んでみて下さい❕
8投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
性善説・性悪説。人類の見方は歴史的に様々な見方をされてきたが、どちらかというと性悪説を元にした見方が多かった。ホッブズの「万人の万人に対する闘争」など、過去の様々な事象はことごとく人間の邪悪な心理によってなされてきたと描かれてきた。しかし、本当にそうだったのだろうかとブレグマンは考える。そして、多くの事象を掘り返していくとことごとく真実は逆で、人々は優しく、協力的で、善人であったことを示す。ネアンデルタール人は邪悪なホモ・サピエンスにより虐殺されたという見方は、単にホモ・サピエンスがよりコミュニケーション能力に長けており、生き延びるための知恵をより多くの個体で共有できたことによってではないかと考える。また、スタンフォード監獄実験の結果は実験者による意図的なシナリオによって狂乱が生み出されていたことが暴かれた。BBCでの再現実験では囚人と看守は協力的な関係を築き、共に和やかに過ごしていた。(番組としては何も起こらないつまらないものとなった)さらに、戦争においては人々が本当は銃を撃ちたくない、戦いたくないと感じており。実際の発砲率が低かったことも示している。クリスマスには休戦し、共に歌を歌い、友情を育んでいたことも示している。本当に多くの事例を挙げてブレグマンは何を示したかったのか。それは現在の社会システムは「性悪説」を前提に人は利己的であるがためにそれを制する目的で設計されているが、そうするよりも「性善説」に依拠した協力と信頼を取り戻すことによって本来あるべき社会システムを目指そうということではないか。狩猟採集時代、人類は常に移動することで様々なグループと出会い、共に生き延びてきた。あるとき、「豊饒の地」を見つけた人々は定住を開始し、農業を始めた。ここから自分の領地であると線を引き出す人が現れ、私有財産が生まれ、闘争が起こり、首長が必要とされた。そしてそれが人種・国境という区切りとなり、よそ者に対する偏見と嫌悪にあふれた世界ができあがった。本当はみんな「普通の人」なのに交流・コミュニケーションがないために相手を知らないだけなのだ。みな、固定観念や幻想に取り憑かれて、多元的無知な状態にあるだけなのだ。だからこそ国境を取り払い、人々が縦横無尽に交流する社会を築き、共に協力・共有して真の「豊饒の地」を目指していくべきだとブレグマンは示したのだと思う。そしてそれを成し遂げることは「性悪説」をはびこらせた人間が少数だったことから、我々が少しずつでも変わることができれば成し遂げられ得るのだと締める。 この本でも多くの事例をこれでもかと示した上で、「本当は何が真実で、何を目指すべきなのか」をブレグマンは書いている。遠目から眺めているだけでは気が付けないことは多くあり、やはり現地現物をリアリスティックに観察することでしか気が付けないことは往々にしてある。現実を直視して見つめ直すこと、「思いやり」を持って物事に接することを重視して世界と対峙していくことで真に必要なことを掴めるようになりたい。
3投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログ"共感はわたしたちの寛大さを損なう。犠牲者に共感するほど、敵をひとまとめに「敵」と見なすようにるからだ。選ばれた少数にスポットライトを当てることで、わたしたちは敵の観点に立つことができなくなる。" 共感より思いやりと説く。
1投稿日: 2022.01.29
powered by ブクログ人の根幹は善である。しかし、本能として見ず知らずの人を嫌う性質も併せ持つ。それを踏まえた上で、異なる者同士が信頼し手を取り合うには、互いに「理解しようとする姿勢」を見せる事が重要である。
1投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログやっと下巻も手に入れ読みました。 【善悪も人が決める】 ― 農耕 ー 農耕を始めたことによるよくないことを下記に示します。 人はもともと筋肉質で無駄な贅肉は無かったが、穀物を食べるようになり体に貯えることができるようになり贅肉がつくようになりました。 また、農耕が始まったのはつい1万年ほど前であり、人類200万年の歴史の0.5%にすぎません。まだまだ農耕に対応できる体になっていないのです。 人は血糖値をあげるホルモンは備えていますが、血糖値を下げるホルモンは備えていません。つまり、人類の長い歴史において血糖値を上げることはあっても下げることはなかったということです。血糖値が上がると肥満につながることはわかっています。そして、血糖値をあげる食べ物が穀物になります。 しかし、人の寿命はここ1万年で長くなったではないか? と反論があると思いますが、寿命が延びた要因が穀物であるというよりも、医療、栄養状態の改善により、乳幼児の死亡率が劇的に改善されたことによる影響が大きいと感じます。 穀物は物理的に保存できることにより、私有という概念が生まれました。基本的に狩猟採取では保存が効かないため、私有という概念はなく、共有という概念しかありませんでした。 穀物だけが悪いわけではないでしょうが、肥満、私有財産による富の差は穀物に要因があると考えます。 富の差が発生することにより、ヒエラルキーも養生されてきたと考えます。 さらに恐ろしいのは、穀物は即効性の毒というより、タバコやお酒よりさらにスパンが長く、じわじわと心身をむしばむ恐ろしく遅効性な毒という言い方もできます。 ー 人の善悪 ー 199万年間、人は争わずに生活をしてきました。共有という概念しかなかったからです。根本的には「善」しかないのです。 農耕が始まり、悪も蔓延るようになりましたが、199万年の歳月をそう簡単に覆すことができず、根っこは善のままなのです。
3投稿日: 2022.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間の本質は善である。人間の本性のネガティブな見方について心理学研究、メディア、ポピュラーサイエンティストが拡散したのは近年の話である。人間が氷河期を乗り越えられたのは、社交的で模倣を行うからであり、本来は友好的な種族である。 一方で、人間を残酷な種にしているのは「共感する能力」だ。共感は特定の人にスポットライトを当てるものであるが、少数に注視をすると大勢が見えなくなる。少数のネガティブな状況に焦点が当たりすぎる。また、「『人間は本来利己的で強欲だ』と私以外は思っているに違いない」とネガティブな「多元的無知」を行っていることで人間は本質的に悪であると信じ込んでいる。 であれば、「最良な人間」を信じ込むことも可能ではないか。私たちが「大半の人は親切で寛大だ」と考えるようになればすべてが変わるはずだ。そう考えるかは私たち次第だ。
3投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログ(上)に続き、「人は基本的に善良である」を証明し続けている。非常に読みやすい。 後天的社会病質者とかピグマリオン効果など、地位や情報で態度が変化してしまう人間の弱さ?ピュアさ?があるんだと理解出来た。 また、(下)でも「コモンズの悲劇」や「割れ窓理論」を反証していて痛快だった。特に「割れ窓理論」で犯罪を取り締まろうとして、ノルマを課したことによって、マイノリティを逮捕するような人種差別が広がった事例は、企業のKPI管理が生む弊害と同じだとの感じた。 ハートフルで人間っていいなって感じたので、現代社会に疲れている知人に勧めたい。
2投稿日: 2021.12.06
powered by ブクログ下巻は、「善人が、悪人になる理由 」からスタートする ドイツの兵士が、勇敢に戦う理由は、イデオロギーではなく、友情から。戦争の死因は、遠隔なものほどおおく、接近戦ではわずかだ。 権力は、麻薬のようなもので、人を鈍感にする。 文明がもたらした、疾病、戦争、圧政を解決するのは啓蒙主義、すなわち理性である。 「新たなリアリズム」、をはさんで、「もう一方の頬で」で、人間が寛大であるためには、対話であり、接触であり、交流が必要であることが示される。 隣人に、危害を加えることは、普通の人には、難しいのだ。 「エピローグ」で人生の指針とすべき10のルール が示されて、著者の主張がまとめられる。 勇気をもって自分の本性に、忠実となり、新しい現実主義を始めよう が、希望の歴史の最後のメッセージでした。
10投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ上巻で主張した性善説を前提にした世界を良くするための提案が素晴らしいです。『ティール組織』で書かれたボトムアップ組織など。共感の裏返しである排他性が残された課題ですが、本書では対話の重要性が語られます。しかし言語、宗教、格差をいかに乗り越えて相互理解するのかは疑問が残るところ。
3投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ「人間は善為る者である」、この立証を試みるために性悪説の根拠として列挙されていた事例や実験を具に調べ事実を以って反証する姿勢は面白い。そしておそらく我々は善の要素が強いのだろうと思わせられる。但し帰納的証明の赴きが強く、善悪をベースに二軸対立で捉えるのもやや無理があるようだ。例えば「共感」。第二次世界大戦のナチスやルワンダのジェノサイドでは確かに横の連携がそうした逸脱した行為を生み出したであろうが、「共感」は善なるパワーも内包していることもまた事実。善と悪はDNAのように螺旋が織り成す人間の資質であり、人はいずれかに軸足が寄った生き物ではなく行ったり来たりの不安定且つバランスをとりながら生きる生命体なのだろう。 とはいえ本書読了後は人間の本質はやはり善であると思えるし、上巻の問題提起と手法、エピソードは興味深かった。下巻で弱まってしまったため☆3。
2投稿日: 2021.11.29
powered by ブクログ人間の本質は善か悪か。著者は、様々な事例を綿密に検証して人間の本質が善であることを指摘する。その内容は、私などにも非常に希望を持たせるものだ。これからの世の中は、もう少し平和で友好的になっていくかもしれない。もちろん我々の努力次第、という条件付きであるが。 一方で、様々な事例を綿密に検証して人間の本質を悪であると導き出そうとすればできなくもないのでは・・?ネガティブな思考を持たない、ことも重要かもしれないと思う。
3投稿日: 2021.11.23悲観的でシニカルな物の見方は現実を見誤る
スティーブン・ピンカーが『21世紀の啓蒙』で、彼と同じように悲観論とは組せず、世界は過去より良くなっていて、今後もさらに良くなりうると考える楽観論の同士として紹介されていた著者の新著。 下巻から読み始めたので、"ベニヤ説"など意味が掴めない単語があったが、ピンカーと比べると驚くほど読みやすく、あっという間に読了。 原書は2020年出版だが、外国人移民による窃盗や殺人など、ヨーロッパで起きている社会の分断や憎しみの連鎖を断ち切りたいという思いが下地にあるため、昨今のコロナ禍や資源高、気候変動に晒され、先行きの見通せない状況への回答ではない。 人間の本性についての異なる見方を前提とすることで、社会の諸問題を解決する驚くほどシンプルな解決策を、各地の先進事例を紹介しながら呈示している。 これまでは人間を怠惰な生き物と見なし、人間の行動を駆り立てるのは、報酬の約束か、罪への恐怖だけだという考えから、人を行動させるには"ニンジン"か"棍棒"しかないと、実は資本主義と共産主義も同じ人間観を共有していた。 共有財産であるコモンズの管理についても同様で、自然に任せていては悲劇的な末路が待っているので、国家の見えざる手か、市場の見えざる手に委ねるしかないと考えられていた。 国家でも市場でもないもう一つの道があるとして、ジャーナリストらしく色々な事例を世界各地から取り上げるのだが、ずいぶんと表面的で簡略な紹介に留まり、腹に落ちてこない。 「人間は生来、他人に対して親切で寛大で、戦争をするようにはできていないのです。そう考え信じていれば、現実が変わり、すべてが変わるはずです」と著者は説くが、ウーンと。 最後には敵対する者同士、顔を合わせて話し合えばわかり合えると、マンデラの歴史的会談を紹介しているが、成功裏に終わったのは二人の年齢や経験といった、時間の協力が大きかったのではないか? 数年前にフィリップ・ジンバルドーの『ルシファー・エフェクト』を面白く読んだ身としては、訳者あとがきも含め、本書で「スタンフォード監獄実験」がインチキのデタラメだった断罪されているのが驚きだった。 後年、実験で看守役だった人物が証言をしていて、「自分でもある種の人間性の実験を行っていた」と語るなど、内幕が語られていたのは知っていたし、著者自身も認めるほど、実験が制御を欠き行き当たりばったりで失敗だったことは知られていたはず。 明らかになった、状況に応じ人間性は急変しうるのだという真理は不変なものだと思っていたし、その後の米軍による戦争捕虜虐待調査でも、裏付けられているはずだが。
0投稿日: 2021.11.13
powered by ブクログまず、この本のメインテーマは、 『人類の性善説を過去の事例により証明する』 です。 これだけ性悪説が信じられている現代に、 「それ本当?証拠は?そのデータは正しいの?性悪説だと言うのなら、この事例はどう説明するの?」 という疑問を持ち、自分の足で取材をして、たくさんの人に会い、話を聞いた筆者が書き上げた本です。 とても興味深く、面白い話がたくさん載っています。
2投稿日: 2021.10.24
powered by ブクログルドガー・ブレグマン「希望の歴史(下)」読了。抑圧から脱却する為に立場の異なる相手を理解する努力を重ねた南アフリカのネルソン・マンデラの例には胸を打たれた。人の潜在的な力を引き出すピグマリオン効果や遊ぶ事の効能を説いたホモ・ルーデンスも大変興味深かった。希望への機微を感じた。良書。
3投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログいろんな方法を駆使して、前に進むことが出来るのは人間という生き物。 時には落ち込み、薬を服用し、そして自身をケアする。 そんな工夫が出来る能力が備わっているはず。 そう信じることが出来るのは人間だから。 この本では、楽観的過ぎる事例や考え方があるかもしれないけれと、この著者のこれからの本も読みたいと思わせてくれた。
1投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ人間の善性/良心/優しさを信じたくなった。 国や人種や信教が違っても、交流しお互いを知り共感する事で、ヘイトは捨てることができる。
2投稿日: 2021.10.11
powered by ブクログゲリラが戦場のクリスマスで武器を捨てた話 南アの危機を回避した双子の話 ノルウェーのリゾートのような刑務所 疑いを抱いたら最善を想定する。人間として扱えば人間らしく振る舞う。疑いとか嫌悪とかの負の感情を人に抱かないこと。人間は本質的には善なのだとこの本が教えてくれたので、みんなが同じように振る舞えばほんとうに世界が変わるだろう。 たくさんの人に読んで欲しい名著です
2投稿日: 2021.10.07
powered by ブクログ「割れ窓理論」「スタンフォード監獄実験」「ノールウェーのリゾートみたいな刑務所」「南アフリカの双子の話」「第一次世界大戦1914年クリスマスイブ」「多元的無知」など一般的な歴史をさらに深く調べ分析しエビデンスに基づいた解釈に説得力がありました。個人的な話になりますが、15年前アムステルダムに行った時、平日でも家族で公園へ行って遊んでいたり、ランチ時間のサラリーマンは、ビール飲んでいたり、レンタル自転車で楽しんだりと、日本の平日とはかなり違った印象でした。いろんな都市、地方、国、文化、宗教に触れていれば、ブレグマンの「人類の本質は悪なのか、善なのか」という問は理解しやすいのではと思いました。多様な社会も含まれていると感じました。共感と思いやりの違いは本当に大事な話だと思います。SDGsや地球温暖化の前に、まずは人間の心を改めたいと思います。
2投稿日: 2021.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「人の善良さ」は事実である。 その事実を恥じること、隠すこと、偽善と悲観的な見方をすることもまた事実ではあるが、本書はその見方・考え方を一新させる『希望の書』だ。 最後、著者の人生の指針10ヶ条を紹介しているが、最後に紹介された指針は非常に大切だ。 下記、引用する! ============================== 10 現実主義になろう 最後に、わたしが最も大切にしているルールをお教えしよう。 本書の目的の一つは、現実主義という言葉の意味を変えることだった。現在、現実主義者という言葉は、冷笑的の同義語になっているようだ──とりわけ、悲観的な物の見方をする人にとっては。 しかし、実のところ、冷笑的な人は現実を見誤っている。わたしたちは、本当は惑星Aに住んでいて、そこにいる人々は、互いに対して善良でありたいと心の底から思っているのだ。 だから、現実主義になろう。勇気を持とう。自分の本性に忠実になり、他者を信頼しよう。白日のもとで良いことをし、自らの寛大さを恥じないようにしよう。最初のうちあなたは、騙されやすい非常識な人、と見なされるかもしれない。だが、覚えておこう。今日の非常識は明日の常識になり得るのだ。 さあ、新しい現実主義を始めよう。今こそ、人間について新しい見方をする時だ。 ============================== 本書は、ネガティブな現実主義からポジティブな現実主義になる、見方・考え方を改めさせてくれるが、同様の本として思い出されるのが『ファクトフルネス』。本当にどちらも最高の本だ。
2投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログ人間の本性が善であることを論証するとともに、性悪説が今日の社会で通説となっているメカニズムを解き明かすことで、冷笑的な人間観から脱却し、信頼に基づく新たな現実主義を提唱する啓発書。 著者は、性悪説の根拠として有名な「ミルグラム電気ショック実験」、「キティ・ジェノヴィーズ殺人事件」、「イースター島の悲劇」などの事例を丁寧に検証し、それらの多くが事実誤認や捏造によるものだったことを突き止める一方、戦争や大規模災害といった非常事態において人々が善意に基づいて行動した数多くの出来事を紹介した上で、そもそも社会的動物として信頼・友情・愛を基盤に進化してきた人間の本質は善に他ならないが、1万年前に狩猟採集から定住に移行したことが私有財産と人口増加による不平等を生み出し、権力や階層構造の固定化、さらには自集団への共感と帰属意識が排他主義につながり、集団間の相互不信が性悪説を「自己成就予言」として定着させているのだと主張する。 性悪説は法制度や企業経営、教育といった幅広い分野において現代社会に根深く浸透しており、そのような中で性善説を唱えることはともすればナイーブな理想主義として批判されるリスクがあることは認識しつつ、それでも著者は、今日においても信頼に基づくマネジメント手法によって成功した複数の企業や自治体などの事例を引き合いに、楽観主義でも悲観主義でもない、人間の本性=善に基づく新しい現実主義を提唱する。決して夢物語ではなく、未来への希望を圧倒的な説得力を持って語る良書。
3投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログレビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12698854566.html
1投稿日: 2021.09.19
powered by ブクログ【感想】 Humankind下巻。 下巻についても上巻と同じように、具体的事例を多少恣意的に使っていたりする。圧倒的なデータで主張を裏付けるというよりも、むしろ個々の際立って強烈な性善説エピソードを採用し、それに寄りかかっている感は強い。本書の内容を全否定するわけではないし、わたしもどちらかと言えば「人間の本性は性善」派ではあるが、論じられている内容は多少薄味に解釈するのがちょうどいいかもしれない。 ただ、ラブアンドピースの一辺倒で締めくくるのではなく、教育システムの正しいありかたといった「具体的な改善案」まで踏み込んで、積極的に自らの意見を出しているのはとても面白いと思う。 筆者は究極的には、「世の中を改善するためには、人々の信念を変えることが重要」だと述べている。ピグマリオン効果を採りあげ、「『人間は邪悪だ』とみんなが信じているから、ほんとうに邪悪になってしまう。ならば、『誰もかれもが善良だ』と信じれば、世の中は良い方向に進むのではないか」と心地よい主張をしている。たしかに、悲観論と楽観論が同列に並ぶ世の中であれば、なるべく他人を信じることで、社会全体が生きやすくはなるのは間違いない。例え人間の本質がペシミズムに寄っているとしても、多少の努力をすれば楽観的に生きられるならば、改善すべきは世の中にこびりつくどうしようもない諸問題よりも、われわれの意識の一端であると言える。まさに希望的な書だ。 上巻の感想↓ https://booklog.jp/users/suibyoalche/archives/1/4163914072 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 1 共感はいかにして人の目を塞ぐか 軍隊にとって重要なのは戦術と訓練とイデオロギーであるが、しかし最終的に軍隊の強靭さを決めるのは、兵士間の友情の強さである。第二次世界大戦では、友情と忠誠心と団結、すなわち人間の最善の性質が、何百万という普通の男たちを、史上最悪の虐殺へと駆り立てたのだ。 赤ん坊を研究する心理学者、ポール・ブルームは次のように言う。「わたしは共感を良いこととは思わない」。 彼によると、共感は、あなたの人生に関わりのある特定の人や集団だけに光を当てる。そしてあなたは、その光に照らされた人や集団の感情を吸い取るのに忙しくなり、世界の他の部分が見えなくなる。 では、一体何が善人を悪人に変えたのか。どのようにして人々は自分と同じ――共感できる人々を殺すことができたのか。 それは「距離」である。 第二次世界大戦で亡くなったイギリス人兵士の死因の75%が、迫撃砲、手榴弾、空爆、砲弾といった「遠距離武器」であった。軍隊は敵との「心理的距離」を広げるための方法をいくつも用いている。軍隊規律では敵を人ではなく「的」とみなし、共感できる人間ではないことへの条件付けを行っている。裏を返せば、多くの兵士は的に近づきすぎると、良心的兵役拒否者に変わるということだ。 2 権力の腐敗 数千年の間、わたしたちは語られる問題に対して、懐疑的になることができた。饒舌な誰かが立ち上がって、「自分は神によって選ばれた」と宣言しても、笑い飛ばすことができた。その人が集団にとって邪魔になると、背後から矢を射ることもできた。 しかし、軍隊と司令官が現れると、これらすべてが変わる。反対すると暴力によって容易に命を落とすようになったのだ。この瞬間から権力者の引きずり下ろしが困難となり、神々と王は容易には追放されなくなったのだ。 階層的な社会では、マキャヴェリ主義者が勝つ。何故なら、彼らは恥を知らないという究極の強みを持っているからだ。 人間は羞恥心を持つように進化した。人に恥じ入らせることは、リーダーの増長を抑制する最も確実な方法だからだ。恥はルールや規制や検閲や強制より効果がある。恥を知る人は自制するからだ。 しかし、現代の民主主義社会においては、恥を知らないことはその人にとってプラスに働く。羞恥心に邪魔されない政治家は、他人があえてしようとしないことを、堂々と行うことができるからだ。 3 ピグマリオン効果 教師に「成績が伸びる」と言われた子どもたちは、本当は伸びしろなんか無かったとしても、より多くの励ましと称賛が与えられることで、実際に成績が伸びる。これを「ピグマリオン効果」といい、逆の減少を「ゴーレム効果」と呼ぶ。ピグマリオン効果は、多くの追証実験によって「有用性がある」と確認されている。 20世紀の2つの主要なイデオロギーである資本主義と共産主義は、とある人間観を共有していた。それは、人は放っておくとやる気にならず、モチベーションを上げるためには報酬が必要だという考えだ。だが、この考えは今や部分的に否定されている。ボーナスと目標には創造性を蝕む可能性があることが分かったのだ。 わたしたちは幾度となく、他人は自分のことしか考えていないと決めつける。英国で行われた研究では、人口の大多数(74%)が、富や社会的地位や権力よりも、思いやりや正直さや正義感といった価値に共感することがわかった。しかし、ほぼ同じ割合(78%)の人が、「他者は自分本位だ」と考えていた。 人をどうやってやる気にさせるかではなく、どうすれば、人が自らやる気になる社会を形成できるかが肝心だ。人間の本性は怠惰や拝金主義といったネガティブなものではなく、自発さというポジティブな場所に眠っているのだから。 現代人は「多元的無知」に陥っている。多元的無知とは、誰も信じていないが、誰もが「誰もが信じている」と信じている状態のこと。つまり、みんなが「人間の本性は利己的で強欲だ」と信じているのは、他の人がそう考えているはずだという仮定から生まれたのではないか。ならば、最悪な人間ではなく、最良の人間を想定することも可能なはずだ。 4 コモンズ 共産主義は最も議論を呼ぶイデオロギーの一つだが、人間は、日常生活の中で絶えず共産主義的な姿勢を見せる。見知らぬ人に見返りを求めず親切にしたり、身の回りにあるものを共有して過ごしたりする。 「歴史が語るのは、人間は基本的に助け合う生き物、つまりホモ・コーペランスだということです」と、デ・モーアは指摘する。「市場開発と民営化が加速した時期の後、わたしたちは、長期的な協力を前提とする制度を構築してきました」。 人間の本性は利己的だ、とわたしたちは経済学の授業で教わった。この生まれながらの性質に、国家は少々の連帯感を付加することができるが、それは高所からのトップダウンによってのみ可能であると。しかし今では、この見方は完全に逆だということがわかる。 5 差別を防ぐ 1956年の春、ゴードン・オールポートが、当時アパルトヘイトが法律として確立していた南アフリカへ向かった。彼は生涯を通じて、次の2つの基本的な疑問を追求していた。 ①偏見はどこから生まれるのか ②偏見を防ぐにはどうすればよいのか 数年に及ぶ探究の後、彼は奇跡的な治療法を発見する。それは見知らぬ人とより多く交流することであった。アパルトヘイトは解決策ではなく問題の原因であり、差別を解決するにはまったく逆の方法を取ればいいのだ。 これは「接触仮説」と呼ばれる。 第2次世界大戦中にアメリカ軍が収集したデータによると、黒人と白人がいる小隊では、黒人を嫌う白人の数が、普通の隊の1/9ほどまで減少していた。また、2016年に英国で行われたEU離脱の是非を問う国民投票では、文化的多様性が少なく、異なる人々との交流が少ないコミュニティほど、より多くの人が離脱に賛成票を投じた。 交流はより多くの信頼、連帯、思いやりを生み出す。さらに、交流はあなたの人間性を変える。多様な友人を持つと、知らない人に対してより寛容になれるからだ。 6 筆者が考える人生の10か条 ①疑いを抱いたときには、最善を想定しよう ②ウィン・ウィンのシナリオで考えよう ③もっとたくさん質問する ④共感を抑え、思いやりの心を育てよう ⑤他人を理解するよう努めよう。たとえその人に同意できなくても ⑥他の人々が自らを愛するように、あなたも自らも愛そう ⑦ニュースを避けよう ⑧ナチスを叩かない(極端なヘイトを行うものにも寛容な態度でいる) ⑨善行を恥じてはならない(親切な行動は伝播する) ⑩現実主義者になろう(現実は悲観で埋め尽くされてはいない)
14投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログまさにジャイアントキリングだった上巻に対して下巻は少し抑えめ。 しかし下巻も一気に読めた。 人類の歴史観が少し変わったかな。 これからの未来に非常に役立つと思われる。
16投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間の本質は優しいよってことを伝えてくれる本 なかなか信じられないけど、歴史を見ているとわかる ただ、優しくできる範囲は自分の仲間だけになりがちだから、理解を深めていこうねって本と読み取った。 ものすごく面白い本だった。たしかに立場の違いで争うことは多いし、敵だと思うことは多い。
3投稿日: 2021.08.29
powered by ブクログ人間の本性は悪なのか?社会で前提とされている性悪説をベニヤ説と名付け、心理学・人類学・社会学・経済学といった様々な分野の研究を概観し否定していく1冊。上巻ではベニヤ説を支える証拠がいかに間違いであるかが分かるようになる。下巻ではそれでは性善説に基づく社会を作るにはどうしたら良いのかという点に、これまた実際の実践などを参照しながら有意義な提案をしている。提案まで含めているのが本書のすごいところだろう。バラバラだった知識が性悪説・性善説という観点で纏まっていき、時にその矛盾から既存の理論の欠点を見抜いてしまう。社会の理解には自らの専門に留まらず幅広い知識が必要であると実感させてくれる。
3投稿日: 2021.08.28
powered by ブクログ<目次> PART3 全員が悪人になる理由 第10章 共感はいかにして人の目を塞ぐか 第11章 権力はいかにして腐敗するか 第12章 啓蒙主義が取り違えたもの PART4 新たなるリアリズム 第13章 内なるモチベーションの力 第14章 ホモ・ルーデンス 第15章 民主主義は、こんな風に見える PART5 もう一つの頬を 第16章 テロリストとお茶を飲む 第17章 憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策 第18章 兵士が塹壕から出るとき <内容> 『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』の下巻。下巻では、人間が霊国であるという証拠とされる、様々な事例が比定される。『スタンフォード監獄実験」「ミルグラムの電気ショック実験」「キティ・ジェノヴィース事件(傍観者効果)」など。いずれも学者やマスコミのでっち上げ。イースター島の話は、すごく面白かった。 それでも人は、この話を信じないだろうな。それが「多元的無知」。いわゆる「裸の王様の一般の人々」だ。変に共感してしまう(もしくはいわゆる「空気を読む」状態)、人間の本性。それを逃れるための10の指針がエピローグに載る。自分も努力したいと思う。最近感じていたことだから。そして、これを進めていくと、いわゆる「資本主義」のグローバリズム化を防ぐことができそうだから。
0投稿日: 2021.08.24
powered by ブクログ【希望の歴史】 ルトガー・ブレグマン 著 これはいい本です! 原題は「Humankind: A Hopeful History」ですが、何となくこちらのほうがしっくり来ます。 「FACTFULNESS」では、人間の歴史は良い方に向かっているとデータで実証するのに対して、こちらでは、「人間は基本的に助け合う生き物、つまりホモ・コーペランスだ」ということをさまざまな事例をもとに語りかけています。 「危機が引き出すのは、人間の最悪の部分ではなく、最善の部分」と、これまで負の側面を中心に語られてきた事実も、実はそうではないと反証し、各章を読むごとに明るい気分にさせてくれます。 知らない事実・側面も数多く紹介され、少なくとも複眼的にものを見ることの重要性を教えてくれます。 コロナ禍で暗い気分が蔓延するなか、寝る前に読み、いい気分で眠りにつくのに最適の1冊(上下2冊)です。
1投稿日: 2021.08.19
