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この世界の片隅に 下
この世界の片隅に 下
こうの史代/コアミックス
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総合評価

123件)
4.5
67
24
11
1
0
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    なんの結論も無いような戦争もの。ただ普通にダラダラと時が過ぎていく中で、何かを思ったり考えたり。 だからとて、思想を強要したりせず。 不思議な物語。 それでも戦争ものが悲しいのは、何故なんだろう。

    14
    投稿日: 2025.12.29
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    普通のありふれた日常が少しずつ戦争の色に変わっていく中でも、すずさんは明るく楽しく暮らしていて、きっと本当に日本の戦時下の家庭ではそんな風にみんなが過ごしていたんだろうなと思った。本土攻撃が始まるまでは、少し遠くの出来事のように苦労しながらも明るく過ごしていたのかもしれない。原爆ですずさんの両親や妹は亡くなってしまった。悲しくても前に進む逞しい人達が生きていた。 戦争反対は当たり前だけど、世の中がどうなっても、人々の営みはどんな時にも力強く健気に続いていくんだと思いました。

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    ああ、この表紙の笑顔が、悲しい。さみしい。 この漫画には、世界の片隅で一生懸命生きている人たちが描かれている。 たとえ戦時下であっても、現代の私たちと同じ人間なんだってことがひしひしと伝わってくる。 ぼんやりしていて、おっちょこちょいで、でも小さな幸せを感じ取れるすずさんが、「死んだ人が転がっていても平気で通り過ぎた」自分を「歪んどる」と感じてしまう。 そんなふうに変わってしまうのが、悲しい。 すずさんには、下巻の表紙のように、ずっと笑っていて欲しいのに。 久しぶりに再読して、やっぱりずーんと落ち込む。でも、読めて良かった。 私たちの日常も、いつ壊れるかも分からないのだ。毎日、何の心配もなく生きていけることが、一番幸せなことだと思う。

    10
    投稿日: 2025.06.06
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    戦火の日本。 自分は、すずやその周りの人たちのように、強く生きていく自信がない。 世界中の人々が、平穏に暮らせる世の中であれば良いと切に願う。

    0
    投稿日: 2024.09.21
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    最終巻。 戦争の空気というには、不謹慎ながらゆるさを感じていたすずさんの暮らしにも災厄は降りかかる。 爆弾で右手を失い姪っ子を失い、故郷は空襲で焼け野原に。 これまでの自分を支えてきたもの、表紙の笑顔を生み出してきた源が容赦なく失われてゆく。 周りの優しさは虚しく、夫の愛情も疎ましく、自らの価値をなくすために今の場所から逃げ出そうとしているすずさんを見るのは、本当に辛い。 読者であるこちら側も、これまですずさんの笑顔とはずれた調子に救われてきたのだと気づかされ、読み進めるのが辛い。 終戦の日。信じてきたものに裏切られてしまったと憤慨するすずさん。これまでの彼女の言動から強烈な愛国心を感じなかったすずさんでさえ、大日本帝国というものを疑わず信じていたということに、驚きを隠せない。この怒りは、ただただ生き残ってしまったという罪悪感、無力感みたいなものから来てるようにも感じます。 帝国主義がどうとか大東亜共栄圏がどうとか、そういうことではなく、ただただ生まれ育った国を、そこにあるからというだけで信じてきた。そのある意味で無邪気さが、これまでの自分を許せなくなってしまったのではないか、と思います。 終戦後の暮らし。日々を過ごすことに精一杯で、精一杯にしていることで、少しずつ戦争の記憶を薄めていこうとしているのか。立ち止まると、暗闇から逃れることはできないから、あの時のように。 広島で出会った戦災孤児を新たな家族に迎え、すずさんたちは未来へと歩みだします。その前から、笑顔は増えてきている様子は伺えますが、この出会いは新生活の象徴。 「この世界の片隅に」 誰もが皆、世界の片隅に生きていて、それぞれの世界の中心。 喜び怒り悲しみ笑う日常を過ごしている。理不尽な苦しみは襲いかかることもあるし、望外な奇跡が訪れることもある。 そんな小さな日常の繰り返しが、どれだけ幸福にあふれていることで、失ってはいけないことかを教えてくれる漫画でした。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    いよいよ最終巻である。本篇20年4月〜20年9月、その後にタイトルの異なる5篇(20年10月〜21年1月)が収録されている。 さすがにここまで来ると戦時色が強くなり、読み進めるのがつらくなってくる。そして20年6月22日に呉工廠を襲った爆撃により起きた悲劇で涙があふれた。 20年8月6日に広島に投下された原子爆弾、それに続く8月15日の玉音放送で、物語は一応の結末を迎える。だが、戦争が終わったからといって平和に、幸福になるはずもなく、人々の苦しい暮らしは続いていく。すずの家族の消息も明らかになる。 なんとなくこういう話だというのは知っていたような気がする。にしても、これをどのようにミュージカルにするのか。期待は高まる。 BGMはアンジェラ・アキさん『この世界のあちこちに』。

    3
    投稿日: 2024.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    定期的に読みなおさないといけない本。 日常の当たり前がいっきに破壊される! 晴美ちゃんとの一瞬での別れ…! すずさんの家族の別れ…! リンさんとの別れ…! 右手との別れ…! 別れ…! … 世界の片隅で生きてくれたすずさん…ありがとう!  すずさんみたいに当時はたくさんのかた達がいろいろな思いをしたがらも、前に歩んできたから今の日本…我々の今があるんだね。 亡くなった…たくさんのキラメキを忘れず、生きて、生きて歩んできた先人達の生き方を記憶して毎日を感謝していこう。 涙があふれるな〜 ぜひ〜

    6
    投稿日: 2024.02.24
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    昭和20年4月から21年4月。 戦争激化。義姉の娘、晴美が亡くなってしまう。晴美をかばったすずも、右腕を無くしてしまうのだった。 そしてついに広島に原爆投下。そして終戦。 連日の空襲や原爆、台風による被害で散々なことになり、人々は生活に困窮していた。 でも、そのような状況の中でも、手に手を取り合い、懸命に生きていこうとする逞しい姿が随所に見られた。

    2
    投稿日: 2024.01.27
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    途中で不意に出てくる「暴力」という言葉に小さな違和感を覚えた。ここでだけ主人公の言葉ではない気がしたし、広島弁ではない気がした。 この小さな点を除けば、事実を淡々と積み重ねていくからこそ生まれる感動に浸れました。

    0
    投稿日: 2023.08.07
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    後半のすずさんとすみちゃんの会話に耐えきれません。 戦争を知らない世代が多くを占める今の時世、語り継がれるべき作品だと胸を張っておすすめできます。

    0
    投稿日: 2023.05.02
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    素晴らしかった! 映画を先に観て遅ればせながら漫画を読んだ。 戦争というテーマもあるが、家族や地域の中の人の暮らしが様々あるがままに描かれている。時代の中で生きようとする人々の生き様が時に切なく、時に力強く、時にユーモラスにも描かれている。 惹きつけられて一気に読んだ。

    0
    投稿日: 2022.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    晴美と右手を失う。 終戦までを描く。 ラストの色がついていく風景、明日への希望。 行方が分からない人、失ったもの、この先きっと失うであろうもの。 とても辛い思いをする。 繰り返してはいけない。 それを知っているのにどうして繰り返すのだろう。

    0
    投稿日: 2022.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    突然の出来事に言葉を失った。 ついさっき目の前で微笑んでいた人が、骨壷に入って仏壇の前に置かれている。 顔もわからない程酷い怪我で帰ってきた人が、息子だったと気付いたのは、ずっと後だった。 元気に広島に支援に行った人は、謎の体調不良に見舞われ始めた。 里帰りで会った三人の家族は、戦後の再会ではたった一人になってしまっていた。 久し振りに帰った実家にいた人影は、8月6日に行方知れずになったお母さんでも、お骨もなく戦死したと言われていた鬼いちゃんでもなく、戦災孤児だった。 お母さんのご遺体に寄り添っていた女の子は、ウジが湧き始めてしまったお母さんから離れるしかなく、すずさん達と出会うまでどれだけ苦労したのだろう。 すずさんにしがみ付く小さな手。 涙が止まりませんでした。

    0
    投稿日: 2022.06.05
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    昭和の戦中。広島市から軍都呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に徐々に溶け込み日々を過ごす。やがて戦争の暗雲が周囲を色濃く染めていく。大空襲、原爆投下、終戦。歴史の酷い歯車が一人の女性の小さな世界をゆがませていく。そして…。映画も大ヒットした、読む者の心を揺さぶる傑作マンガの最終巻です。

    0
    投稿日: 2022.05.08
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    男は男、女は女。人は人。 生まれた時代に出逢った人々。 自分に誠実に生きよう。 それでいいし、それしかできない。

    1
    投稿日: 2022.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    悲しい。 悲しい。 戦争の話しは、やっぱり悲しくて、やりきれない。 最後の見開きカラーのページが、温かい絵で 心動かされました。

    1
    投稿日: 2021.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争が恐ろしくて 平和が良いよねぇ ってそんな話で終わらない どこかで 誰かが 何かをやっていようとも 私は私で この世界の 私がいる場所で そこがたとえ 片隅だとしても 精一杯生きていく 何かは失ったかもしれないけど その中で 何かを得て 何かを考えて 何かを感じて 生きている そんな場所は 至る所に こんな人が 集まって 今の生活に 繋がっている

    1
    投稿日: 2021.08.29
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    読んだのは映画が上映されて、それを見に行って 漫画も読みたくなってすぐ買って読んだ。 それを、何回か読み返してる。それぐらい、気に入っている 戦争でたくさんのものを失ったけれど、それでも生きている 正直めちゃくちゃ泣けるとか、涙が溢れるとかそんなことはないのだけど 胸がすごく締め付けられる。当時の方々、皆いろんな人生がありそして亡くなった方が沢山いる そんな亡くなった方を沢山見ながら、前を向いて未来を進んでいく そんな世の中の現在で、私は生きている

    2
    投稿日: 2021.07.09
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    本格的に戦争が厳しくなる中で色々起きる。原子爆弾の話も出てくる。ああそれでも人は強く生きるんだなあり

    1
    投稿日: 2021.05.29
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    悲しい。上巻、中巻と戦争の中だけど穏やかな日常が描かれていた分、下巻でくっきり心を抉ってきて、とても悲しい。

    1
    投稿日: 2021.02.24
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    主人公のすずさんは大正14年生まれ。今も生きていれば93歳の年齢となる。物語の中では戦時中の生活の様子が描かれており、当時の人たちがどのように暮らしていたのかを知ることができた。 物語の中で、「隣組」の歌が出て来る場面がある。もともとドリフの曲かと思っていたが、元ネタがあったとは知らなかった。 この歌を知っているか職場の利用者さんに聞いてみると、知っていると言われ歌ってくれた。 本当に物語で描かれていたような生活を送られてきたのかと思うと、胸にくるものがある。 高齢者に関わる仕事をしている人は必ず一度は手にするべき本だと思った。その時代を生きてきた人たちを見る自分の目や気持ちが変わると思う。 物語では、「居場所」という言葉がよく出てくる。 普段の生活を安心した気持ちで過ごせ、日常となる(とする)こと。それが幸せなのかもしれないと感じた。

    3
    投稿日: 2020.08.09
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    淡々とすぎていく日常を描いているのが、余計に穏やか毎日を重ねることの奇跡を感じさせる。 呉には仕事でしばらくいたので、少し海の匂いのする風が吹くこととか、静かに時間が過ぎていくところとかを思い出した。 アニメは見てないけど、すずさんはやっぱり能年玲奈さんのイメージ。りんさんは橋本愛ちゃんだったな。アニメは誰だったんだろう。

    1
    投稿日: 2020.07.11
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    映画は見ておらず映画との比較は出来ない・・・のに、すずさんの声は「CV:能年玲奈」で聞こえてくるから不思議。 戦時中だって常に日常はあって、その日常の中に前線は忍び込んでくるけれど、そして何ということもなく命も奪われていくけれど、それでもなお日常があって、悲しみも含めて淡々と時は過ぎていく。 流されるままに生きるすずさんを通して記述されるので余計にそう見えるが、末端の市民にとっての戦争とはこのようなものだったのだろう。 生前、戦時中はどうだったかと祖母に聞いても、まあ、大変だったよ、というくらいしか返ってこなかったが、こういう日々だったのかな、と。 井の頭公園に松脂取りに駆り出された際、「こんなことして勝てるのかしらねぇ」と言って大問題になった、とか面白おかしく語ったりしてましたが、それも特殊なエピソードというわけでもなかったのかもしれない。 死がすぐ隣にあるだけで、市民にとってはそれもまた日常、と。 徹底して他人事のように描くことでかえって戦争の異質さが浮かび上がるしかけは、玉音放送の一瞬と戦後に太極旗を見たときのすずさんの反応とのコントラストとあわせ、心に残った。

    2
    投稿日: 2020.07.06
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    一気に戦争色。飛行機や地形の描写が細かくなってきたと思ってた。この日に行かなければ。この場所に来る時間が少しでもずれていれば。いろいろ思うけど。晴美さん…。径子お姉さんとは最初からいろいろあったけど、これがきっかけでどちらにでも転がったのかもしれないと思う。でも本当にいい人たち。そしてみんなたくましい。そういう時代。辛い中にもほんの少しの微笑ましい出来事と優しい記憶。それで人は生きていけるのだな。

    2
    投稿日: 2020.06.13
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    普通の庶民が 当たり前に普通に生きていく それがかけがえのない 素晴らしいこと 多くのものを亡くしながらも 胸の温かさを失わぬ それが世界の片隅ならば 片隅にこそ愛はあるのです

    6
    投稿日: 2020.04.27
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    2020.01.16 映画を見た後に、原作を再読できてよかった。 映画がいかに、原作を大切にしているかがよくわかったし そして「平和が良い」「戦争は良くない」とかいう一般論ではなく どこか抜けている、ほのぼのとしたすずさんという女性を こうも絶望と変貌させるだけの脅威をはらみ 生活と命を根こそぎ奪っていく愚かさを、ありありと見せつけている。 漫画は限られたページとシンプルな絵ながら、それが痛いほどわかってしまった

    6
    投稿日: 2020.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦況が激しくなりとうとう呉市にも戦火が及び始める。 広島の呉市は軍港があったため、空襲警報が鳴りやむことはなかった。そして広島と長崎に原爆が落とされる。 すずとその嫁ぎ先の家族やご近所さんにも普段の生活があり、戦争下だからこそお互いに助け合っているのがよくわかった。 すずも時限装置付きの爆弾右手を失い、姪の晴美は爆死するという悲しみに暮れながらも焼夷弾で家を全焼した人たちを助けるすず一家。 広島市の方向に奇妙な形の雲を見る。 すずの実家を心配するが、すず自身も負傷しているため小林夫妻に様子を見てきてもらう(後に放射能の影響が出る)。 すずの妹すみからも手紙が届き、無事が判明。すみは原爆症の症状が出てきていた。 すずはこれまで正義の戦争と信じていたものの正体が、ただの暴力に過ぎなかったことに思い至り、「何も知らないまま死にたかった」と独白し泣き崩れる。 ここの場面が一番深く刺さった。 正義と信じていたのに裏切られてしまっていたすずの気持ちは当時の日本国民の嘆きだったんだろう。 その後世界の片隅で周作に見つけてもらえて感謝して、北条家に帰るとき、戦災孤児を拾い、連れて帰る。 最後に、上巻でファンタジー?と思っていたあの化け物だが、鬼いちゃんだったのか???鬼いちゃんの冒険物語から飛び出してきたのか???最後の最後にまた登場していた!!!

    2
    投稿日: 2019.11.21
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    一歳にも満たない母を置いて戦死した祖父との小さな思い出を一つ一つ幸せそうに語った祖母。私が食べ物を残すと、疎開先で年下の女の子よりも食べてはいけないと思っていた、と涙をためて怒った父。私にはそんな思い出がありますが、今や戦争の知識は、知らない世代から伝え聞く時代に。当たり前だけれど、あの時代だって、みんな精一杯「日常」を生きていました。平凡な日常を続けようとする人たちへの身近すぎる死が、理不尽な死が、悲しみ以上の痛みで伝わってきます。こんな戦争や原爆の伝え方もあるのだと読書中ずっと圧倒されっぱなしでした。

    1
    投稿日: 2019.06.14
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    空襲で多くを失った、けれどその中でも挫けず生きようとする強さを持った人々。 全ての謎が解き明かされた瞬間、心が締め付けられました。最後の終わり方もとてもよかった。

    3
    投稿日: 2019.05.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで読んだあと表紙を見るとつらい。春美と右手を失って、径子に責められて、やっと持ち直したと思ったら、戦争が終わって、価値観が反転して、一般市民は気持ちの持って行き場に困る。翻弄されるても、普通の人たちなりの幸せで、生活は続くのです。ラストがカラーページになってほんと良かった。

    3
    投稿日: 2019.05.04
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    20年4月 20年5月 20年6月 20年7月 20年8月 20年9月 りんどうの秘密 晴れそめの径 水鳥の青葉 人待ちの街 しあはせの手紙 著者:こうの史代(1968-、広島市西区、漫画家)

    2
    投稿日: 2019.03.06
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    ええ話じゃったのぅ。 広島弁を継承するのに小学校の必須書にすりゃええ。 原爆もサラッと流しとるけぇ小さい子でも大丈夫じゃ。

    2
    投稿日: 2019.02.20
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    2017年1月17日(火)にbookstudio姫路店で購入。周りの人が映画や小説を評価していたので、まずは原作からということで買って読んでみた。結局、あまりよくわからないままだった。

    1
    投稿日: 2019.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「この世界の片隅に(下)」こうの史代著、双葉社、2009.04.28 155p¥700C9979(2018.12.30読了)(2018.12.27借入)(2018.07.17/29刷) 昭和20年4月から昭和21年1月までのお話です。 アメリカ軍の空襲に備えてどのようなものを用意して、どのように対処したらいいのかが描いてあります。「夜間は白ハチマキをしめると安全である。」とも書いてあります。 焼夷弾のなかまも紹介してあります。(7頁)「油脂焼夷弾」しか知りませんでしたが、「エレクトロン焼夷弾」「黄燐焼夷弾」「焼夷カード」というのもあります。特徴や対処法も書いてあります。 呉工廠の明治から昭和20年までの歴史的変遷が紹介してあります。日本の軍部拡張とともに発展していっています。(11頁) すずさんの夫の周作さんが文官から武官になり3か月間軍事訓練を受けることになりました。昭和20年5月ともなると、兵隊が足りなくなっているんですね。 北條圓太郎(周作の父)が、空襲で負傷して海軍病院に入院しています。すずさんと晴美さんが圓太郎さんの見舞いに行き、アメリカ軍の投下した時限爆弾の爆発で、すずさんは右手を失い晴美さんは死亡してしまいました。(37頁) 昭和20年7月、呉も空襲で多くの家が焼けてしまいました。北條家は何とか残り、周作さんも訓練途中で帰ってきました。すずの妹のすみがすずの怪我の見舞いにやってきました。すみは帰るときに、右手がなくなって、北條の家の仕事ができないことでいづらくなったら広島に帰っておいでと言っていきました。 アメリカ軍の呉への空爆は、7月24日から28日まで連日行われました。すずさんも機銃掃射で危ない目に遭いました。周作さんに庇ってもらい助かりました。 広島の実家に帰ろうと思いましたが、ここに留まることにしました。 8月、ものすごい地響きがして、広島方面の空に大きな雲が立ち上りました。ラジオは雑音で聞こえず、新聞は配達されず、汽車も広島方面は途中から不通になっています。電話も通じません。広島方面の情報が入りません。 すずは、広島に行ってくるというひとに、実家の人たちの安否確認を頼みました。 アメリカ軍は、伝単(降伏呼びかける宣伝ビラ)も大量に撒いています。すずさんは、落とし紙に使わせてもらっています。(90頁) 8月15日、正午に重大放送がありました。「最後の一人まで戦う」と言っていたのに、降伏してしまったことに、すずは納得がゆきませんでした。(92頁) 9月には、枕崎台風が通り過ぎて広島や呉にも大きな被害をもたらしました。 戦争が終わっても食糧不足は続いています。衣類などを食料に代えてもらって食いつないでいます。(123頁) 昭和21年の1月になって、すずさんは、叔母さんの家や実家の方に行くことができました。妹は、叔母の家で臥せっていました。母は、8月6日にお祭りの準備で広島に出かけ行方不明、父は、母を幾日も探し回って、10月に倒れて死亡。妹も原爆病で具合が悪そうです。 広島の街では、みんなが行方不明者を探しています。探している人にちょっとでも似ていれば、〇〇さんじゃろうと尋ねています。切ない。 広島の街で出会った身寄りのない少女を呉に連れて帰ってみんなで面倒を見ているところで終わっています。周作さんの勤め先も見つかったので、先の見通しもよくなったところです。 浦野(北條)すず 主人公 浦野すみ すずの妹 浦野要一 すずの兄、戦死 浦野十郎 すずの父 水原哲 すずの同級生 北條周作 すずの夫、呉工廠の技師、軍法会議の録事 北條圓太郎 周作の父 北條サン 周作の母 黒村徑子(径子) 周作の姉 黒村晴美 徑子の娘、爆死 黒村久夫 徑子の息子、実家へ 黒村さん 黒村時計店・主人、病死、徑子さんの夫 白木リン 二葉館従業員 【目次】 この世界の片隅に 第29回 20年4月 第30回~第31回 20年5月 第32回~第33回 20年6月 第34回~第36回 20年7月 第37回~第39回 20年8月 第40回 20年9月 第41回 りんどうの秘密(20年10月) 第42回 晴そめの径(20年11月) 第43回 水鳥の青葉(20年12月) 第44回 人待ちの街(21年1月) 最終回 しあはせの手紙(21年1月) おもな参考文献 あとがき ☆関連図書(既読) 「夕凪の街 桜の国」こうの史代著、双葉文庫、2008.04.20 「この世界の片隅に(上)」こうの史代著、双葉社、2008.02.12 「この世界の片隅に(中)」こうの史代著、双葉社、2008.08.11 (2019年1月8日・記) 内容紹介(amazon) 昭和の戦中。広島市から軍都呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に徐々に溶け込み日々を過ごす。やがて戦争の暗雲が周囲を色濃く染めていく。大空襲、原爆投下、終戦。歴史の酷い歯車が一人の女性の小さな世界をゆがませていく。そして…。読む者の心を揺さぶる最終巻!

    3
    投稿日: 2019.01.08
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    戦時中のストーリーでしたが、ある家族の出来事。 画風もほのぼのチックで、時代の流れを想像しつつ読む感じ。 すずのぼんやり(おおらか)さと、時代の辛さ哀しさ、どこにでも宿る愛、居場所、記憶の器として生きていくこと。 いろんな想いが描かれてます。 ドラマの方がラストの持っていき方とか好みでしたが、原作を読んでドラマも厚みを増しました。 ドラマ見てなかったら絶対に読んでないマンガですが、読んで良かったです。

    4
    投稿日: 2018.09.28
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    読み残していた最終巻を読む。時間軸は着実に原爆投下、終戦へと進んでいるが、呉も軍港として米軍にとって重要な爆撃拠点なのだ。私の父もグラマンの機銃掃射で危うく命を失うところだったと聞いたことを思い出した。そして、管見にして知らなかった時限式爆弾で、愛する姪と自身の右手を失うすず。彼女は生涯この右手を失う事件を悔いていくのだろう。戦中の描写は説明にコマを多く割き、終戦以後はすずの回想・妄想シーンが流れ込み、混沌とした印象。しかし、これは当時を生きた人々の混乱とは比べるべくもないものなのだろう。

    2
    投稿日: 2018.06.30
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    中巻までは本土に戦争が入ってきて無いのであるが、ついに住んでいる場所が戦場となる。それもほぼ反撃できない一方的な戦いだ。状況は一変し、坂道を転がるように全てが破局的に悪化。終戦となる。 陛下の玉音放送を聞いたすずさんが、敗戦を受入れられず言う。 この国から正義が飛び去っていく ああ、暴力で従えとったいう事か じゃけえ暴力に屈するいう事かね それがこの国の正体かね うちも知らんまま死にたかったなぁ・・・ 彼女の無念さが良く現れていて、涙がでました 少しでも多くの人が読んでくれたら嬉しいです。

    4
    投稿日: 2018.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで。 1巻と比べると線が細くなってる。 1巻はいかにも濃い鉛筆で描きました!みたいな感じだったけど。 この辺りになると、やっぱりメタ視点で原爆の投下が近づいてきてるのがわかるので、読んでて気が気じゃなくなってくる。 漫画版では橋の上での怪物との再会でお嫁さんのワニが顔を出さないなど、映画版の方が素敵な演出をしてる場面も多い。 1巻で「いい歳して洋装なんて」と言ってモンペっぽいのを作ってたけど、そこから更にアッパッパー?になってたり、服装が何気に細かく変化する。 すずさんの着てる服がカタチは違うのに以前と同じ柄だったりして、「アレを仕立て直したんだな」なんて観点から読むのも面白い。 他にも、あの時計は姉さんの店の形見みたいなものなのかな、とか、いろいろギミックが仕込まれてて、そういう観点からも楽しめる。 (題材的に楽しんで良いのか微妙な気もするけど。) なんとなくほのぼの感で終わったけど、実際は両親も兄も亡くなってるし、すみちゃんも小林夫妻も原爆症で先は短いだろうし、今後もいろいろありそうなことを考えるとね。 昔から闇市はどういう経済圏だったのか不思議で仕方がない。 商品は隠し畑とか横流しとか戦前からの在庫とかだろうか? 売ってる側はどうやって仕入れてるんだろう? あんなのバレないワケがないのだから、国はお目こぼしをしてたんだろうか?(見逃さないと国民生活が破綻するし。) どんな人が闇市の店主になり、そして戦後の人生はどうだったんだろう?

    2
    投稿日: 2018.03.26
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    (飛び去ってゆく。この国の正義が飛び去ってゆく...ああ...暴力で従えとったいうことがじゃけえ暴力に属するいうことかね。それがこの国の正体かね。うちも知らんまま死にたかったなあ)すずさん。あなたが死ななくてよかった。。。

    5
    投稿日: 2018.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画で結末を知っていたのだけれど、やはり人の亡くなるシーンはつらい。 特に子供は。 当時は、すずさんのような思いをした人がたくさんいて、それは自分ではどうしようもないことで、受け入れるしかなかったと思うとやり切れない。 とはいえ、そんな状況にときに矛盾を感じ、葛藤したり。 やはり平和が一番。 平和なうちでないと、どうしようもできなくなる。 平和なうちに、どうしようもできなくなるような方向にいかないように、戦争の悲惨さを忘れずにいなければと思う。

    2
    投稿日: 2018.02.08
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    以前、なにかの本で、『はだしのゲン』を 「普通なら絶対に分からないことを、何がなんでも分からせようとする物語」 と論じているのを読んだ。その表現を借りるなら、『この世界の片隅に』は 「普通なら絶対に分からないことを、誰にでも分かるかたちで描いた物語」 と言えよう。 今も昔も、人は世界の片隅で、誰かを見つけ、誰かと一緒に生きている。

    2
    投稿日: 2017.10.05
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    子供の頃、叔父一家が住んでいた呉が舞台。きっと読まなければと思っていた本。あとがきを読み、こうの史代さんの想いに深く共感した。この物語を読むことができて本当によかったと心から思う。映画はまだ見ていないがぜひそちらも観てみたい。戦争反対。

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    投稿日: 2017.10.03
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    評判になっていた映画を先に観ました。 その後,小説版を読んで,最後にようやく原作漫画を読みました。 小説版を読んで,映画では重要ポイントが省略されていたことを初めて知ったのですが,原作漫画を読んでも,やはり映画版がその点を省略したのはもったいなかったと思いました。 ただ,映画を先に観たからこそ,原作漫画のフレーズが心に残った側面があり,小説版を読んでよく理解できたこともあったので,私は全部読んでよかったです。

    3
    投稿日: 2017.09.29
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    下巻にて、この本のタイトルの意味が分かるようになっています。先に映画を観たため、その場面での感動は薄れてしまいましたが、それでも私の中では、一番のお気に入りのポイントです。個人的には、このクライマックスを迎える下巻は、映画で観た方が、雰囲気が伝わると思いました。でも、漫画では文字でセリフを認識できるので、併せて楽しむのが一番良いと思います!

    3
    投稿日: 2017.09.24
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    親の趣味。平成生まれの人間だからか別世界の出来事のように感じるけれど、こんな時代が実際にあったのだと知る事は大切なんでしょうね。

    3
    投稿日: 2017.08.26
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    普通の市民の視点から捉えた「戦争」。日常が少しずつ変わっていく。でも生活は続く。淡々と描かれる日常と、そこに時に何気なく、時に唐突に戦争の影が落ちる。理不尽で、恐ろしくて。それでも生活は続く。 日常をひたすら淡々と描くことが徹底されていて、派手なシーンはほとんどないものの、それが戦争の理不尽さを際立たせる効果を果たしていて、ずっしり心に響く作品です。 終戦を知った時の主人公の反応が私には意外で、でもそのあとじっくり噛み締めるとだんだんと分かるような気がしてきて、でもまだしっくり来ないような気もして。すごくリアリティを突きつけられたような気がした。 時代考証にすごく時間をかけたことが伝わる、丁寧に作られた作品だと思いました。

    3
    投稿日: 2017.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日常の延長にある戦争。 右手のところなど泣いてしまう。 ほのぼの描かれていた日常からの戦争の悲惨さが衝撃的で、リアルだ。 「暴力で従えとったいうことか じゃけえ暴力に屈するいう事かね それがこの国の正体かね うちも知らんまま死にたかったなあ……」

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    投稿日: 2017.07.24
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    泣いた。 今を生きる自分には、想像の世界。 人が生きるという事の逞しさ。 戦争が日常である非現実さと違和感。 なぜ戦争は起こるんだろ? 国の力を全部使って、国民が疲れ切ってヘトヘトになってしまうまで終わらない。 漫画のコマとコマ、自分が読み取る間。 リアルでした。

    3
    投稿日: 2017.07.17
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    一気に、「かわいそうな」「気の毒な」シーンが連続します。 泣けるといえば、涙がでて当然です。 それでも、過剰に演出されていない画で描かれているせいか、余計な演出音がない、静けさの中で作品が進んでいくように感じられます。 ハッピーエンドと言えるかどうかは、わかりません。 けれど、読み終わったら、自分も、しっかり、生きよう、一度の人生なのだから、と静かに強く思えるはずです。 力強い作品です。

    3
    投稿日: 2017.06.13
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    アニメ映画が話題になっていたので気になっていたのですが、見られないので原作本を読んでみました。戦争中のお話なのに、主人公のすずさんがおっとりとした性格でユーモラスな感性を持っていて、暗くなくてなんだかほのぼのするなぁ…などと思っていたのですが、後半、戦況が悪化して、大切な人やものが失われていく様は、戦争のリアルを静かに残酷に描き出していて、とても胸が痛みました。一コマ一コマが印象的。 戦争はだんだん過去のことになってきているけれど、今ある平和が当たり前のことではない。奇跡の連続なのかも。大切な人と共にある時間を心に刻んで1日1日を生きていきたい…などという余韻が残りました。読んで本当によかったです。

    3
    投稿日: 2017.05.11
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    映画が話題だったので気になっていたのですが、その原作本を読む事ができました。 本当に面白く、切なく、楽しく、ツラく、心に沁みる話で名作だと思います。 登場人物たちが意外と狭く、複雑に関係しあう伏線がそこここにあり、読み返してもハッとさせられます。 戦時中、苦しい時代・世界・現実をほんわかとした画と主人公でほのぼのと読ませるところがすごい、と思いながら読んでいたのですが、そのほんわかの中で戦時中の歪んだ世界観を描き切り、逆に読んでいる我々にここまで苦しさを伝えることができる作者の力量に脱帽です。

    2
    投稿日: 2017.05.03
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    昭和9年の幼少期を経て主に昭和18年から昭和21年1月まで、広島県江波から呉の北条家へ嫁いだ主人公すずの日常を描いた全3巻の漫画です。 映画も素晴らしかったですが、漫画の方が登場人物のより深い関係性が描かれ読み応えがありました。途中途中にある当時の日常コラムも程良い小休止となり思わずニヤリとします(特に中巻の径子お姉さんの問答集)。 ちょっと抜けたところもある主人公すずの話し方と性格が、この時代の喧騒を少し落ち着かせてくれます。国自体は戦争の渦にありますが、そこで暮らす人々はあくまでも自分の生活が中心。配給や物資の不足、故郷を離れる寂しさや人間関係の気苦労はあるけれど、モノの少ない生活に工夫を凝らし、何より一日一日を穏やかに過ごそうとする人々の姿が生き生きと描かれています。 しかしその気持ちを裏切るように、読み進めていく度に戦争の影は刻一刻と日常に迫ってきます。それはすずも例外ではありません。 私は戦争を歴史としか知らない世代です。この作品を通し、戦争のなかで“普通”に生きようとする人々の“普通”さと、その度量の深さと強さの一端に触れられた気がします。 多くの人に、長く読み継がれてほしいと願ってやみません。 ================== 「みんなが笑うて暮らせりゃええのにねえ」

    10
    投稿日: 2017.04.28
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    下巻。21年1月までの広島。この巻で物語は終わる。 すずさんの意思がいままでになく伝わってくる。 姪も自分の右手も家族もなくしていく。戦争までなくしたとき激しく感情を爆発させた場面では、胸をギュッとしめつけられた。あのすずさんが吼えたのだ。 一番悲しい巻だった。戦争の延長線上に現在があるということ、私たちは忘れてはならないんだということを。

    3
    投稿日: 2017.04.14
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    帯文:”日本中で大反響!!” ”累計90万部突破!” ”第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞ほか数々の漫画賞を受賞!” 目次:第29回 20年4月、第30回 20年5月、第31回 20年5月、第32回 20年6月、第33回 20年6月、第34回 20年7月、第35回 20年7月、第36回 20年7月、第37回 20年8月…他

    2
    投稿日: 2017.04.10
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    戦時の広島・呉を舞台に描かれた、一人の女性と周囲の人々の日常の物語です。 ほのぼのタッチで描かれているからこそ、戦争の厳しさや惨さが鮮やかに伝わってきました。こんなに辛いことが当たり前の日常となってしまうような時代は、二度と来て欲しくはない。私がもしこの時代に生まれていたら、きっと前向きに生きることはできなかったと思います。

    2
    投稿日: 2017.04.03
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    上・中は今まで聞いてきた戦争の話とは雰囲気がまるで違う、ごく普通の「日常」の話だった。絵柄が可愛いし何よりすずさんがとても可愛らしい。ずっとほのぼのしていただけに下巻で不意打ちを食らってしまった。右手を失ってから背景が左手で描いたようになっていて演出が凄い。映画も観たいな。

    2
    投稿日: 2017.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    P12 赤城の艦影:昭和2年だと3段甲板 P62 中巻でスルーに近い扱いでしたが、「鬼いちゃんが死んで 良かったと思ってしまっている」の言葉に衝撃でした P94-95 B-29の代わりにトンボ、焼夷弾の欠片、掲揚された太極旗(朝鮮の解放)=終戦による大転換 最後のカラーページは街灯の点灯・灯火管制の無い電灯とで、平和と復興の予感。汚れた戦災孤児は、焦土と化した日本そのもの。でも、生きていると。で、それの絵筆を持つ手が失った右手なのは、カバーのすずに右手があるのと同じなのでしょうか。要は、実際は無いのですが、心情的には失っていない、な感じで。

    2
    投稿日: 2017.03.14
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    戦時中の日本が舞台で、いつ死ぬか分からない状況のなか日常生活を送る。この暗い背景でも、主人公の可愛らしくけなげな性格に癒される。生きることと死ぬことが身近に感じる本。

    2
    投稿日: 2017.03.09
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    映画を見てから漫画を読んだ。 正直重いテーマなので、手に取るのに時間がかかった。話の経過を知っているとなお、またあのつらさを味わうのか、とためらってしまう部分もあった。 読んでみて、やはり映画の完成度がかなり高かったのだな、と感じた。原作本は3冊に及ぶが、かなりうまく話をまとめている。遊廓の女性とのエピソードはかなりばっさりと省略されていた(監督がすずさんにこれ以上辛い思いをさせたくないとインタビューで言っていたと目にしたが、本当かどうかはわからない)。このエピソードがあるかないかで周作に対する印象はかなり異なってくるため、どちらが良いかは一概に言えないが、無い方が話としてまとまりやすくなるのは間違いないだろうから、時間の限られた映画では省略するのが正解かもしれない。 また漫画では漫画だからこそできる様々な表現が試みられているが、うーん、正直自分にはごちゃごちゃして感じられた。そこで凝らなくてもいいのでは、と感じた。ストーリーがしっかりしているので、それ以上盛り込まなくても良かったのではないかと思う。 映画もまた観たいと思うけれど、やっぱり重いので、いつになるかな…。

    0
    投稿日: 2017.03.05
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    ぼんやりしているからわかることがある。最近は「自分は利口者だ」と思っている輩がやたらとネット上で駄弁を弄している。(あっ、俺もそうか。)

    3
    投稿日: 2017.03.05
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    70年後に今の世界はどのように描かれるんだろう。 「あのころは良かった」と描かれるのがいいのだろうか?または「あの頃は大変だった、貧しかった」と描かれるのがいいんだろうか。 後者であるとしたら、どんな70年後か想像もつかないが、70年後の人に「あの頃は大変だった」と思われる現在であるほうがいいと思う。

    2
    投稿日: 2017.02.16
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    終戦の年の4月~戦後までを少々。 時期的に不幸な出来事も多いですが、そうでもない出来事があったりも。 あとがきで先生が書かれている 「誰か」の「生」の悲しみやきらめきが感じられる1冊でした。

    2
    投稿日: 2017.01.30
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    映画を観て、厳しい時代の中でも 人が生きていくということは、 笑ったり、恋したり、 嫉妬したり…。 あぁ、そうだよなぁ。 けれど、それがもっと、穏やかで 人それぞれのよさや、のびやかさが いきいきとするのが「平和」ということ なのだろなぁ。 と、悲しみの中で、笑い、切なくなりながら 一気に読了。 何度も読み返したい作品だ。

    2
    投稿日: 2017.01.24
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    「この世界の片隅に-上・中・下-コミック」(こうの史代作:双葉社) 先日、読んだ小説バージョンに刺激を受けて、コミック版を購入。一気に読みました。柔らかい絵で、主人公である「すず」の人柄や周りの人たちの温かさ、爆弾によって引き裂かれた生命等、日常の息遣いや悲しみが心に染み込んできました。「くすっ」と、笑えてしまうシーンが多くあります。数々の「戦争」をテーマにしたコミックに接してきましたが、今までとはまた違う力を持った作品だと思います。 家族にも読むことを勧めたいと思います。読み終わった時に、感想など話し合えればいいかなと考えてみます。 みなさんも、ぜひどうぞ

    2
    投稿日: 2017.01.23
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    ある出来事によって、大きく日常が崩れる。 失くしたものは大きいが、失くさなければわからなかったこと、手に入れられなかったものもある。

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    投稿日: 2017.01.21
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    ずっと周作さんとのことでモヤモヤしていたが、最後の方は何も言えなくなった。 不幸の中にも幸せってあるんだったと、久しぶりに思った。

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    投稿日: 2017.01.17
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    私にとっては戦争漫画であると同時に恋愛漫画だなぁと思っていて、すずと周作のやり取りに苦しくなって何度も泣いてしまう。

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    投稿日: 2017.01.15
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    映画を先に見たので、最初のうちはのんちゃんの声が聞こえたり、音楽も色彩もあった映画の方がやっぱり良かったかな、と思いつつ読み進めましたが、下巻に至る頃にはそれもなくなり…。モノクロの世界に描かれるメッセージの一つ一つが刺さり、電車の中でなかったら号泣していたところでした。そして、最後の最後のカラーページの鮮やかさ。またゆっくり、思い切り涙を流しながら再読したい作品です。

    2
    投稿日: 2017.01.07
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    すずさんの転機のところからずっと涙が止まらんくて誌面がろくに見えやしない。こんなにも切なく、温かい作品には今日なかなか出会えないのではないか。この作品が今、描かれ、誌面に掲載され、出版され、映画化されてヒットしていることの意味を考えると、まだまだこの世界も捨てたもんじゃないって思える。もっともっとたくさんの人がこの作品を知り、世界中に広まればいい。

    3
    投稿日: 2017.01.03
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    戦争を扱った作品だが、描かれているのはあくまで一人の人の生き方。どんなときでも幸せは足元に、目に入る世界にあふれている。そんなことを感じさせられる作品。フランクルの夜と霧と共通する部分があるかもしれない。 映画版の冒頭、コトリンゴカバーの悲しくてやりきれないが流れる。この作品の空気をよく表していると思う。

    2
    投稿日: 2017.01.01
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    クリスマスに大人買い・その1 ようやく読み始めたら一気に引き込まれて最後まで読んでしまった。 こうのさんの作品にでてくる女の子が好きだ。思考のテンポがゆっくりめで、ちょっと抜けてるところも多々あるけれど、自分というものがしっかりあってだれにたいしても誠実で。

    1
    投稿日: 2016.12.29
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    近々アニメ化される作品なので、夏のうちにまとめ読み。 昭和19年、広島から呉へ嫁いできた「すず」さんが主人公。絵を描くのが好きな彼女の日常生活が淡々と、でも情感豊かに描かれている。日常に覆いかぶさる戦争の影、爆撃、広島に落ちたという新型爆弾の噂や影響も丁寧に書き込まれ、何の誇張もないかわりに、生きることのやるせなさや重みが染み染みと胸にしみとおる。 どのくらい深くしみるかというと、「きっと自分はすずさんと同じ時代、同じ世界を生きてきたことがある」と思えるくらい。

    1
    投稿日: 2016.12.27
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     読み終えたときに、すずさん少し寄り添えた気がする。また、あの時代そのものに、ほんの少し近づけた気がする。そんな作品です。  ストーリーでぐいぐい読ませる作品ではないので、途中で読むのを止めてしまう方もいるでしょう。そんな方には、高評価の数々を信じて、ぜひ最後まで読んでいただきたいと思います。  戦争を描いた作品や戦時下の暮らしを描いた作品を読むと、「戦争」とか「戦時下の人々」というものが対象化される、というのがこれまでの読書体験でした。つまり戦争の「悲惨さ」「恐怖」「暴力」「破壊」またこれに対比される「絆」や「愛」といったイメージを、具体化して見せてくれるのが、いわゆる「戦争モノ」の作品だったのです。  この作品は、過剰に「悲惨さ」を見せることも「絆」を見せることもしません。だからこそ、読者は、すずに、あの時代に、素直に寄り添えるのでしょう。

    1
    投稿日: 2016.12.25
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    2016.12.19 上中下一気読み。 なぜこんなにも評価が高いのか今ひとつ解せない。内容は良いのだけれど、★5つ付けるほど心動かされるものはなかった。 原爆を題材にした作品だと、どうしてもはだしのゲンと比較してしまう。マンガの方向性が全く違うから仕方ないけど、深く激しい感情のある物語を期待して読み始めたので物足りなさが残った。 評価の高さは、映像作品の良さを反映してのものだろうか??観てみたい。

    1
    投稿日: 2016.12.19
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    烏兎の庭 第五部 雑評 12.11.16 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/kono.html

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    投稿日: 2016.12.17
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    戦争の否定ではなく生を肯定する物語。右手を失ってから歪んでいた背景が、最後の最後に、呉を自分の選んだ場所とした時に鮮やかに優しく輝いた。背景は歪んでも終始、人物の姿は歪まなかった。人間の強さか、すずの心か。

    1
    投稿日: 2016.12.13
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     激動の下巻ー。 戦時中とはいえ、ささやかでほのぼのとした日常で、とうとう大切なものが失われる、哀しいシーンが・・・。 右腕を失い、目の前で晴美ちゃんを亡くし、終戦を受け入れられず、慟哭するすずさんの姿に胸が痛む。 戦争が終わっても、命ある限り生きていかなければならない。 その後の日常がしんみりせず、逞しく生きていく様子にほっとする。 周作さんみたいな人に思われて、すずさんは幸せだな。 それにしても、鬼イチャン冒険記は可笑しかった。  ほぼ、原作の通り映画化されている印象。 ただし、白木リンさんと周作さんの関係は、原作を読まないと映画ではよくわからなかったような気がする(見落としているのかもしれないけれど)。  また映画が観たくなってきた。

    0
    投稿日: 2016.12.02
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    すずさんの叫びが非常に良かった。 暴力で従わせていたから、暴力に屈する、というのはその通りだと思う。

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    投稿日: 2016.11.30
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    <戦争の中の日常.日常に割り込んできた,戦争> 三刊合わせた感想. 映画をみて,そのあとマンガを上中下で買った. 日常で戦争を描く. 戦争の日常を描く. 嫌いな人物が,出てこない. 私たちの優しい世界に,戦争なんて余計なものはいらない.

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    投稿日: 2016.11.27
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    これまで積み重なってきた「普通の日々」が一気に覆され、 喪失感だの絶望感だのが押し寄せる下巻。 でも、そこに残るのはやはり「一所懸命生きていくこと」。 歴史を顧みれば、この先に訪れるであろうさらなる苦難が 想像されるのだけれど、それでも人はしっかり生きてきたのだなぁ、 これからもそうなのだなぁと思います。 あとがきに、僕が映画版を観て感じたこととほぼ同じことが 書き連ねてあって、「ああ、間違ってなかったんだな」と感じました。

    0
    投稿日: 2016.11.27
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    なんという大作。あまりにもどこにでもある日常。その中に入り込む残酷な出来事。そしてそれすらも日常になる。淡々とかかれているにも関わらず愛に満ちている。映画化をきっかけに読めてよかったと思う。

    0
    投稿日: 2016.11.17
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    上巻 http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4575941468

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    投稿日: 2015.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    #この世界の片隅から見た戦争。本作に原爆投下直後の広島の描写はないが、それはすずが呉に留まることで、広島にいなかったから。この作品では、特殊な効果を狙った回(20、23、30回など)以外はすべて、常にカメラはすずに寄り添い、すずが見たものだけを描く構成になっている。 #カメラとはつまり、彼女の右手だ。描かずにはいられなかった人の右手だ。だから35回以降、背景は落書きのような世界に変わり、P96ですずに別れを告げた右手は、41〜45回において、これまですずの身体が見てこれなかった世界を、旅して回る。 #口紅、石、羽根ペン、鉛筆。こうだったろう世界、こうあったかもしれない世界を描き出すのは右手と、P67の機銃掃射で失われたものたち(石は、鬼いちゃんの石だろうか)。最終回。かつての右手からすずに宛てられる手紙。すずの代わりに広島を見た一人の少女が、すずにたどり着き、すずのご飯粒を取る手となり、そしてもう一度、すずの代わりに世界を描き出す右手となっていく。 #読了後、上巻の献辞に戻って1話を読み、さっきの2人を結び付けたのが海苔巻きだったことに気付いて、また泣きそう。物や場所の流れに注目して再読しても発見が多い。 #たとえば、すずと水原の関係において象徴的に使われているのが椿の花。上巻P48ですずが描き、水原から手渡された椿は、P57では花嫁衣装の柄となる。着物を抱えたまま水原との再会。咲かない椿を着物に咲かせ、縁談を迷うすず。P67では髪に椿を挿して嫁入り。けれどこの着物はその後使われることはなく、下巻P123で食料と交換される。帰り道、水原とすれ違うすず。でも、声はかけない。そしてこのすずと水原の椿に対応するのが、周作とリンのりんどうの花という構図。(ちなみに椿は呉市の市木。花言葉は理想の愛、謙遜、だそうです) (2009/05/09)

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    投稿日: 2015.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終戦の年を迎え、過酷な展開が待っている。葛藤するすずの、独白が心にしみる… けれど、強くはかなくたくましく、生きていく。 戦争を生き抜いてきた人たちは、やはりすごい。かなわないと思う。 しかし、作者は左手で描いてもうまいな!

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    投稿日: 2015.02.25
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    こうの史代のこのマンガ、だいぶ前から「よみたいなあ」と思い、「買おうかなあ」とも思っていたが、いただきものの図書カードの残額がまだあるし、リアル本屋でみつけたらと思っていた。しかし、そう思ってから、なかなか本屋でみつけられず(駅前の本屋は、『長い道』が消えたあと、こうの史代作品がまったくない状態)、昨日ようやく実家の最寄り駅の本屋で3冊そろいであったので購入。 買おうと思っていたのに、タイトルど忘れ。「こうの史代の、上中下と3冊のマンガで、広島の呉が舞台の作品」と本屋の人にたのんで探してもらった。 戦中の広島、得意なのは絵を描くことと海苔をすくことだけという浦野すずは、軍港のある呉の北條家へ嫁ぐ。夢中になると、まわりのことをすぐ忘れてしまうすず、おつかいに行けば迷子になるすず、がさつともおおらかともいえる性格で、すずは日々を生きてゆく。空襲が頻繁になり、食糧事情はわるくなっていき…そんな昭和18年の暮れから20年に戦争が終わるまでの戦時の暮らしを、こうのはだらだらと描く。 戦死したという兄がおさめられた、あまりに軽い骨箱のなかにあったのは、冴えない石ころだった。その石を見て、すずの母はこう言ってのける。 冴えん石じゃねえ せめてこっちのツルツルのんにしとこうや やれやれ 寒い中 呼びつけられて だいいちあの要一がそうそう死ぬもんかね へんな石じゃ 帰ったとき笑い話にもなりやせん (中巻、pp.104-105) すずは、夫との帰り道「お母ちゃんがあんな具合では気の落としようもありやせん」とつぶやく。『ああ保戸島国民学校』の洋太の母のように、息子の戦死の知らせにショックを受けて寝込んだ母も、きっと少なからずあったのだろう。そして、すずの母のように、そうそう死ぬもんかね、やれやれと言った母もあったのだろう。 こうの史代が「戦時の生活がだらだら続く様子を描く事にした」(下巻、あとがき)のは、こんな母や、あるいは村の隣保館で行き倒れていた「どこの誰か顔も服もべろべろで判りやせん」姿であった兵隊さんが原爆にやられた「うちの息子じゃったらしい」「自分の息子じゃと気づかんかったよ うちは」と言う苅谷さんや、そんな人たちを描きたかったからかなあと思った。 配給帰りに迷子になったすずが、遊郭に迷いこみ、道を訊ねたときに、友だちになったリンさん。 子どもができたかと思いきや、栄養不足と環境の変化で月のめぐりが悪うなってるだけとがっかりしているすずに、子どもは楽しみかね、うちの母ちゃんはお産のたびに歯が減ったよ、しまいにゃお産で死んだよ、それでも楽しみなもんかねとリンは訊く。 出来のええアトトリを残すのがヨメのギムじゃろうと言うすずに、男が産まれるとは限らん、出来がええとも限らん、ヨメのギムが挫折したらどうなるん、とリンは言う。 うーーんと悩むすずに、「ああ でも」とリンはこう続ける。 子供は居ったら居ったで支えんなるよね 困りゃあ売れるしね! 女の方が高いけえ アトトリが少のうても大丈夫じゃ 世の中 巧うできとるわ 子供でも 売られても それなりに生きとる 誰でも何かが足らんぐらいで この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ  すずさん (中巻、p.41) 他のまんがもそうだが、こうのまんがには「ほとんどセリフがない話」が時々出てくる。『この世界の片隅に』でも何度か絵ものがたりのようなのが出てくる。それを、じーっとながめていると「まんがをよんでるなあ」という気分になる。 広島弁がなつかしい。 ◆上巻の51ページまで"試し読み" http://sokuyomi.jp/product/konosekain_001/CO/1 ◆こうの史代の「平凡倶楽部」(まんが) http://blog.heibonsha.co.jp/heibonclub/

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    投稿日: 2014.04.03
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    この時代のこと なにも語れない、どう語っていいかわからない。 でも、たくさんのひとに読んで欲しい それだけ・・・。 わたしは幸せだ。

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    投稿日: 2013.11.13
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    「わたしは死んだ事がないので、死が最悪の不幸であるのかどうかわかりません」 「この作品では戦時の生活がだらだら続く様子を描く事にしました」 「この作品はひとつの解釈にすぎません」 この著者のあとがきの潔さ。ストーリーは断片的であまり物語性はない。だからちょっと分かりにくい。関係者へのインタビューや資料収集をベースにシーンを切り貼りして書いたんだろう。 時代に翻弄され、非日常が日常化し、感覚が麻痺していく中でも平然と生きていく名も無き人々の力強さ。そこに悲壮感はない。起こった事実を宿命として受け入れている。その事に圧倒される。何かが足りなくてもどこにでも居場所はあるんだろう。

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    投稿日: 2013.08.30
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    未レビュー消化。戦争で失ったものもあれば、育んだものもある。ただ戦争の悲惨さを描いてるだけではなく、そこにあった幸せも描いてるからこそこの作品はとても美しく儚いんだと思いました。最終回のしあわせの手紙は変わりゆく世界の片隅に宿る愛を描いていて、読み終わった時この作品を読めて良かったと思わせてくれる締め方でした。  こうの史代作品も余裕があったら集めたいです。

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    投稿日: 2013.01.12
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    マンガを読んで初めて泣いた。 本を読んで泣いたのは、これで2回目。広島に帰る、というくだりですずと周作が話すシーンで、通勤列車の中で泣いた。 普通の人がいかに戦中を生きたか。マンガにはトーン等使われておらず、主人公の心情があらゆる手を使って、マンガという制約の中で細かに描かれている。作品完成度としては、『夕凪の街 桜の国』より高いかもしれない。

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    投稿日: 2012.09.24
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    漫画史に残る「戦争漫画」の傑作。傑作中の傑作。これ以上に語ることばはない。ぜひ多くの人に触れて欲しい作品。個人的にこの作品は、3巻積み重ねたからだけれど、「夕凪の街 桜の国」を上回ったと思います。 あまりにも素晴らしい要素が多すぎて、語りつくせないが、作者の真摯な「時代」への、そして「漫画」への探究心が生み出した数々の傑作エピソードが、一気に物語の後半で花開く。36度5分の温もりで描かれる人間の生活と尊厳。残酷で幸福なラストシーン。「誰を殺すか」でついつい考えられてしまう戦争漫画において、たった一人と“一つ”だけを殺した作者の決断。そして時間は進む。戦争が終わってもなお。 戦争に限らず、時代と、悲劇と、災害と、もしかしたら人種も国籍も超えてゆくかもしれない、普遍的な何かを描き出した傑作。傑作中の傑作。(二度書いちゃったよ)。伏線も本当にうまい。個人的には鬼イチヤンの“最後のあれ”でぞくっときちゃったよ……。

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    投稿日: 2012.08.09
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    この人は、きっとヒロシマのことを描かざるをえないんだろうな。 終戦後、たった二十数年しか経っていない広島に生まれたが故に。

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    投稿日: 2012.03.11
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    いろんな人の行く末がしっかり描かれているわけではない。だけど朝ドラや韓ドラと違ってラッキーな奇跡なんて起こりっこないので、そういうことなんだろう。

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    投稿日: 2011.10.30
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    何度目かの再読。昨日のドラマを見てあんなだったっけ?と思い、本棚から出してきた。奇しくも、本日は8月6日。心の中で黙祷を。

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    投稿日: 2011.08.06
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    呉と広島。今なら電車ですぐの距離だけど、遠かったんだなぁ。戦争中の普通の人の生活を、何かを失った時の虚脱感を、でもやっぱり光もあるんだってことを淡々と描いている。呉に行ったばかりなのでしみじみとした。

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    投稿日: 2011.07.19
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    上中下通して。たぶんこうやって私の命は今につながっている、そのことに本当に感謝します。やさしく悲しく、そして力をもった漫画でした。読んでよかった。

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    投稿日: 2011.06.25
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    懐かしい広島弁。戦時中のことに思いを馳せると、どうしても僕は暗くなりがちです。 けれど主人公や周りの人々の(そんなにしたたかでもない)生活が見えてきます。 争うことのない世界は本当に素敵なこと。

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    投稿日: 2011.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくよかった! 昭和20年、広島県呉市に暮らす普通の人たち。戦争は日々のど真ん中にある。 さっきまでいた晴江がいなくなる。つないでいた右手もなくなる。自分が生きている意味はわからない。それでも、記憶の器として、世界の片隅に生き続ける。 ぬくもりや懐かしさを感じさせる手描きらしい絵がたまらなくいい。作者の利き手が描く、この世界の片隅の手触りは心地いい。すずが、周作が、生きている皆が、記憶に生きる皆がいとおしい。

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    投稿日: 2011.06.03
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    戦時下の広島。描かれるのは、純粋で愛らしい少女すずの成長。 彼女の日常を追ううち、緊張がほぐれていくように穏やかな気分になる。 驚くような展開はないが、素敵な絵の一コマ一コマに感動する。文学のような緻密な美しさがあると思う。やはり暗さがない。 ついに伏線が回収される。

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    投稿日: 2011.02.09
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    悲惨な歴史の傷跡、湿気と粘り気が強く暗い、我々が知っている戦争時代とはそんな印象だ。 とにもかくにも、人が生き物があちこちで死んで、貧しくて、理不尽で。 「二度と同じ過ちを繰り返さないため」ということを後世の者に伝える。 より生々しくてより衝撃の強いもの。そうでないとその惨たらしさを、現実にあったもの、一歩間違えればまた現実にしてしまうもの、と真摯に受け止めないだろうと与えられた情報であり教育だ。志しは間違ってはいない。 しかし、よりリアルであればあるほど、遠いむかしの遠い地でおきた出来事でまさか今現在おきることではないだろう、と錯覚してしまう。そこで殺されている人たちに思想などなく、殺している人たちに家族などない。そんなふうにも。 なぜなら、怖すぎるからだ。逃避である。 でもそれは当然の逃避なのだ。おきて欲しくはないことだからこそ、御伽噺のように単なる人形のように受けとめてしまうのだ。 「あんな悲惨な事実はおきてはならない」 そう思わせるために、ときに生々しい衝撃があるのも必要だろう。 しかし、違う見方もあるのだと思う。 寒い冬でも家族一緒に漁をして、ふかしたお芋にのどを詰まらせ、おこづかいでキャラメルを買い、つまめるくらいにチビたエンピツでお絵かきを楽しみ、着物をほどいてまた縫い直し、そこらで摘んだ野草を美味しく料理し、家族総出で家を改築し、足の悪いお姑さんを自転車に乗せ集会に出向き、隣組で配給係の当番をし… 現代では苦労ととられることでも、当時の人たちにはいたって日常の出来事で、それが辛くなかったのは、家族の絆がきつく結ばれていたからで。 焼夷弾が降ってきたり、家が焼けてしまったり、友だちが空襲で亡くなってしまったり、片手が爆弾で吹っ飛んでしまっても、明るく生きなくては、そうしなくてはならなかった。 それでも幸せはあった。 悲惨な歴史の傷跡という大きな大きな側面からではなく、個人の小さな小さな幸せと悲しい出来事。 外側からズームアップするのではなく小さい個人からズームバックする。 そうすれば、自分とまったく変わらない、感情のある血のかよった人々の悲しい出来事だったのだと、捉えられるのではないだろうか。 この作品は、まさにそれ。 ほんわかとやわらかいタッチの作風で、一体どれだけの悲惨な状況が語れるのだ?と思ってしまいそうだが、それがギャップとなって、グロさがないのに、胸がぐっと絞めつけられる切なさを抱いてしまう。 もしこの悲惨な環境が今、自分の身におきたら、どれだけ辛いだろうか。 もしこのあたたかな人たちが今、自分の周りにいたなら、どれだけやさしい気持ちになれるだろうか。 そんなふうに読んでもらいたい作品です。

    2
    投稿日: 2010.11.17
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    現時点で漫画でひとつ選べといえば、たぶんこの本を選ぶと思います。 戦時中の広島の小さい家庭に生まれた主人公、絵を描く事が好きな少女すずが、世界の片隅でほのぼのと生きて行く話。戦争という残酷な世界の中での日常/非日常の出来事を、等身大のスケールまで降ろしてきて、喜びや怒りや哀しみや楽しみを描いています。その等身大、普通であるがゆえにとても読み手の胸を打つ名作です。

    0
    投稿日: 2010.11.17