
総合評価
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powered by ブクログ人はふたつの人生を生きることはできない。でも、そのチャンスが与えられるとしたら...... 結婚相手を間違えてしまったと感じている佐々木蒼子。昔の恋人、河見との偶然の再会。彼の隣にいた女性、自分と似ているというか、同じ顔をしている!しかも名前まで同じ!!同じ人間? 蒼子Aと蒼子B。“1ヶ月入れ替わって暮らす”ことを決意した! ハラハラ、ドキドキ、2人の動向が気になって、途中から一気読み。あっという間に読了。 “隣の芝生は青い”“自由って?満たされるって?” 色んな言葉が頭を駆け巡り、最強にして最高の読後感。刺激的でした。色々あっても、最後は希望の光が差している。やっぱり山本文緒さんてスゴイ! タイムラインで、Lisaさんが高評価されているのを目にし、“この本読もう!”と決めていました。 ありがとうございました。
30投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ不倫旅行の帰り、荒天による飛行機の針路変更によって、たまたま一泊することになった福岡で、自分と全く同じ姿かたちの、記憶まで共通した、名前も一緒の女と出会う。女は、結婚を決める時、男Aと男Bとで悩み、自分はAと結婚した。出会った女はBと結婚した自分なのだった。自分以外に愛人のいるAとの暮らしに倦んでいた女は、一カ月間、互いの家庭を入れ替えて生活してみないかと、Bと結婚した自分に提案する。モラハラDV夫のもとを離れ、Aの身分を手に入れたBは、このままAとして生き続けようとし、Bの身分を押し付けられたAは、それを阻害しようとする。最終、もとのかたちに戻るのだが、二組の夫婦は完全に破綻している。 結局必要なのは「声をあげる」ということなのだった。Aと結婚した方は、愛人に向かうAの気持ちを自分へ取り戻すべく努力すべきだったし、Bのモラハラに耐えていた方は、夫の暴力に抗うべきだった。だけど、Aのほうには金銭的余裕が、Bのほうには愛されているという実感があり、それでいいと自分を納得させて、生きてきた。それぞれに、魅力はあった。だから、入れ替え生活の最初のころは、相手の持っていた生活こそ自分の欲しかったものだったと、思ってしまうのだ。隣の芝生は青いというやつ。それがわかった二人は、元の自分に戻って、現実を変える努力をする。 難しいな。これは携帯もない時代に書かれた小説だ。女が自分の人生を生きるということは、この三十年、声を上げる人たちが出てきたおかげで、社会的には、ずいぶんと認められてきてはいると思う。でも、一つ一つの家庭を覗いてみたら、現在もちっとも変わってないんじゃないか、とも思う。
1投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログとにかく怖かった。 静かにじわじわ迫ってくる恐怖。 「もしあの時、違う選択をしていたら?」——誰もが一度は考えること。 その“もしも”が現実に形を持って現れる感じが、本当にぞっとした。 日常のすぐ隣に、もう一つの自分の世界がある気がしてならない。
16投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分とそっくりなもう一人の蒼子。過去の選択しなかった方を入れ替わって演じてみる。あのとき選んだ夫は間違いだったのか?もう一人の彼と結婚していたら…経験したいようなしたくないような。多分誰しも戻りたい地点はあるよね…どちらの人生も経験して正しい方を選べるなら、相手もそれをする可能性はあって、うまくマッチングしないこともあるのか? やり直したい選択もたくさんあるけど、選んできた人生を正解にできるようにしたい。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ結局人はないものねだりをする生き物なんだなと思った。自分であることに日々感謝なんてしないけど、羨ましいと思う誰かに自分が入れ替わった時、きっと私も私に戻りたいって思う気がする。誰かは私を密かに羨ましがってるかもしれない。そう思うことは恵まれてて幸せなことなんじゃないかな。
0投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ面白過ぎて一気に読んでしまった。 こういう人生の内面への描写に深く入り込めるのは小説ならではだし、後半はサスペンス的な面白さでページをめくる手が止まらなくなった。 人間、あのときこうしていたらと思うことがあっても、その選択肢の先でも大変なことは沢山起きる。そして、現状への不満は、現状への満足と紙一重だということ、そしてただ抱えるのではなく行動に移して自分の人生をよりよくするべきだということを改めて実感した。 山本文緒作品、もっと読んでみたくなった。
3投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
続きが気になり一気に読んでしまった。だけど、読んでいてイライラ感もあったなと。。 父に再会したシーンで、自分の人生を生きるのを諦めている感じがなんで??と思った。 自分の人生なんだから、前向きじゃないなら結婚しなくても良いのに。。と思ったり、生活を交換してから行くなと言われたデパートに行ったり、カードを使って良い=豪遊して良いと思って使いまくる所とかそんなわけないだろ‥。と思ったり。個人的にはミシン工場で働いている蒼子の方は好きじゃないなと思った。なんかイライラしてしまって もう片方の蒼子が好きって訳でもないけど。。 最後はお互い発見があった、という形で本人たちはプラスに捉えているみたいだけど、殺されそうになった相手に対してよくそう思えるな‥。私なら無理!と思った。
1投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログすごく好きなお話だった。 「ないものねだり」を軸として、蒼子A蒼子Bが がむしゃらに生きていく物語。 どちらが悪でどちらが正義とかは問わず、 ただひたすら、一人の女性が自らの生活に 疑問や不満を持ち、そこから逃れようともがき、 葛藤する物語。 いや〜、良い。 この展開は考えさせられるものがたくさん。 比較的短くて、2人の心情がイメージしやすいので、 読書初心者にも、おすすめ。 それぞれの蒼子の想いの中に、 共感できるものが多々あったし、 2人とも頑張れと、応援したくもなった。 山本文緒さん、いい。!
5投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログあまり読み応えがなかった、、どちらも自分勝手だなぁとイライラしました。自転しながら後転するがおもろしろすぎて同じ作者さんの作品を読みましたが、全然テイスト違いました、、!
0投稿日: 2025.04.24
powered by ブクログもし、あの時、違う選択をしていたら…と誰しもが思うであろうことを体験できるなら… ちょっと変わってみたいという気持ちも分からなくない。 そして、結末には驚いた。 このお話自体、約30年前の話だから、今とは時代背景も異なるし、現代は多様な考えが少しずつ浸透している世の中になっている気がした。
7投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
さくさく読める。読みやすくて1日でほぼ読んだ。 主人公にあまり共感できなくて、感情移入できなかったところが残念
0投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログ“あのとき違う選択をしていたら”…? パラレルワールドで生きるふたりの蒼子が同じ世界線で生活を交換する話 冷えきった関係性の夫と束縛の強いDV夫、欲しいものは自由か愛情か 結局はないものねだりなんだなぁ 蒼子Aがわがままで自分勝手でおもしろかった
0投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログ意外と批判的な感想が多くて、共感してしまった私は蒼子に似ているのかもしれない。 人生に選択肢が多いほど「あの時違う道を選んでいれば」と思ってしまうのはよくある話で、それが結婚相手ともなるとどうしても隣の芝は青く見えるもの。 実際私自身、完璧なものなど存在せず、みんな足りないものに折り合いをつけて生きているんだと気づいたのはごく最近だった。 普段佐々木蒼子側の立場になりがちな私には、河見蒼子の到底勝てそうにないしたたかさに、「あぁこういうあざとい女の子いるよね」という敗北感と、突き刺さる数多の反省点。やっぱり素直な女の子がかわいいよね、わかる。結局何もかも手に入れるのはそういう子なんだよね。とはいえ自分を殺してまでそうはなりたくない自己中さ、相談できる友人の少なさとか、誰のことも愛しきれていない幼なさ、今更変わることはできないので受け入れて生きていくしかない。 この話ではそれぞれが不器用ながら誰かを愛していて(DVは到底許せるものではないけれど)、「完璧に他者を愛せる人など存在しない」中で、それでも自分の選んだ相手には誠実でいたいと思った。 ラストシーンは、いっそ2人の蒼子で手を取り合って逃げ出して楽しく暮らせば良いじゃんなんて思ったりもしたけれど、そうもいかない現実の中でそれぞれが折り合いをつけて生きていくというのがとても山本文緒さんらしいと思う。 たくさん辛かったあの時の自分へ。きっとあちらの道も同じくらい不幸だったよ、という安堵とともに、今の道を選んだ自分も、あの時違う道を選んだ世界の自分も、どちらの未来も幸せであってほしいと願っている。
1投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログわたしだって、環境や周りの人に恵まれたらもっと良い人生が送れるのにな〜という妄想が打ち砕かれました。結局、わたしが変わらないと、努力しないとわたしの人生は好転しない。蒼子はその辺りを検討したりとか、内省をしなかったので読んでてもどかしかったです。
12投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
著者のダークでディープな雰囲気が好きなのだが、今回は若干の肩透かし。 都内で冷めた夫婦関係のなか、好き放題しつつもどこか虚しさを覚える蒼子Aと福岡にてDVを受けながらも辛抱強く生きる蒼子Bによるドッペルゲンガーの物語。 この設定が、どこか期待してたものと違って刺さらなかった感が否めない。入れ替わろうと提案をして次第に相手の生活が羨ましくなり乗っ取ろうとしたり…みたいなダークな感じはあるものの、やっぱり根本にあるドッペルゲンガーだとか、片方は影だとか、そういうファンタジー要素が若干の軽さを生んでて不完全燃焼。
2投稿日: 2025.02.12
powered by ブクログ女の幸せってなんだろう? どうして自分の幸せを男性にゆだねるのだろう? 出版された当時は女性が家庭において声をあげることができなかった時代だったということもあるのだろうが、主人公の蒼子は自分の人生の選択肢として「どの男を選ぶか」という点だけ考えているよう。 んでまぁそもそも性格もあまりよろしくなくて、自業自得とも思えてしまった笑
1投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ホラーって、別に心霊現象とかスプラッター映画だけでは無いよな、と思う。 今生きている現実を生き抜くことの方が、先が見えない不安のほうが、よほど恐怖に感じる事もあるだろうし。。 自分が二人いて、残りの一人に嫌なことをやらせようとしてもやりたがらずに喧嘩になる、という少年漫画もあるけれど、本作でも、個々の人間として生きればそうだよなぁ。 。と (藤崎竜氏の短編で影が入れ替わる読み切り作品はむしろ異彩を放っているというか。。) 読み始めた最初はないものねだりというか、隣の芝生は青く見える、そういった結末になるかと思ったが そんな簡単な話では無かった。。 解説柚木麻子氏の文章が興味深い。 一見わかりやすいようにドラマ化して結末を変えられるの、そういえば当時はよくあった。。(最近はSNSで個人の声が大きくなり炎上するようになったけれど) 『ミステリというなかれ』でも男性社会の同調圧力に女性がいることの意義を伝えるシーンがあったけれど 女性の敵は女性、というがわざと結託させないように構造化されているという見解。 『最初は…可愛いなどと思っていた。ところが今では、それが一番癇に障る。恋の終わりとはそういうものだ…』 優しい→束縛が強い、よく話を聞いてくれる→何も話さずつまらない、という別れ方をする人がいたなぁ。。 『恋は旅に似ている。非日常の楽しい毎日。けれど、それはいつか必ず終わる。そしてまた日常が始まるのだ。退屈な日常があるからこそ、刺激的は非日常がある。』 『努力して愛する、それは演技ではないか。うまい演技をすれば、素晴らしい人生の舞台が出来上がるとでもいうのだろうか。』 主人公に同性の友人がいないのがこの一文に表れている気がする。円滑に、波風立てないように、女性同士のコミュニケーションというのは 下手するとわざとらしいくらいでちょうどよい時もある。。
0投稿日: 2025.01.29
powered by ブクログこれを30年前に書いていたことが驚き。拭いきれない女の相対的な弱さや生きづらさは今もそう変わらないのではないかと思う。もちろん男女平等の世の中になってきているけど、どこかで結婚や出産をしない女は欠けているという意識がまだあり、男ありきの人生がスタンダードにある気がする。それが悪な訳ではないが、自分だけの気持ちによって選択すればもう1人の自分が生まれるほどの後悔はせずに済むのでは無いのかなと感じた。
1投稿日: 2025.01.17
powered by ブクログ人生の中で自分が選ばなかった方の選択を美化して現状を悔いる事は誰にでもある事で、でもこの本を読んで「足るを知る」だなぁと。 序盤は双子のような、自分と全く同じ人間と偶然出会い、互いの事が手に取るようにわかる2人が羨ましくて「私にも、もう1人の私が存在したらなぁ」と思ったりしながら読み進めていたのですが、どんどんと不穏な雰囲気になってくのがある意味ホラー小説よりも怖かったです。 全体的にどちらの蒼子にも共感できる部分が多く、中でも「余るほどの自由があれば心の拠り所がほしくなり、強く愛されればそれは束縛に感じる」という蒼子Bの思いが共感せずにはいられませんでした。
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ不思議な本だった、、 ハッピーエンドでもないし、何かが解決したわけでもないし、わがままな人たちが集まった物語って感じで、九州男児との結婚に対する恐怖心だけが芽生えた(全員がそうではないと思うけど、、!)
1投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログ後悔の岐路に立ち、歩んでみたかったもう一つの人生を体験する。面白そうな設定から、新しい生活への期待感、そしてやはりスリラーな展開へ。 蒼子Aと蒼子Bのそれぞれの心情が交互に書かれ、先が気になり、一気に読んでしまった。 あのときああだったら、と自分も思うことはあるけれど、確かに自分が自分である以上、どちらの人生を生きても変わらないとはちょっと考えると行き着く答え。自分自身を変えないと。 それがすごく難しい。しかし、それに向けて動き出すことは大事なのだろうなと感じた。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ後半にかけて余裕がなくなり、スリリングな展開となってからは面白く読めました。 山本文緒さんの著す感情はなんと言うか、生々しさがあって好きですねー。
1投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ2021.06.29 結局人は皆ないものねだりをしながら生きている。 実際、憧れていたものを手にとった時、きっとさらに欲しいものがでてくるのが人間なのだろうと思う。 幸せになろうともがき続けても、幸せにはたどり着けない。そんなむず痒さを感じる作品だった。
0投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ面白いー! 山本文緒の一筋縄ではいかない毒のある話大好き こういうの書ける人はそんなにいないと思う 亡くなってしまったのが悔やまれる…… もっと作品沢山読みたかったです
1投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログもしあのときこうしていればというのはよく考えることだ。 そんなタラレバをやり直しても、自分は変わらず自分で、嫌なところが特に目に付く。 どこに行っても自分は自分で、自分の選択を後悔しないように自分が変わるしかないのだろうと感じた。
0投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログ自分と姿形が同じドッペルゲンガーと出会ったら‥ から始まる物語。 自身にベクトルを向けて生きる。 与えて欲しかったら、先に与えよ。 がメッセージかな? 隣の芝は青く見える(ブルー) とはこのことか。 個人的に印象に残っているのは 蒼子が自身の「殺意」に気づく場面。 人生の中で初めて誰かを殺したいと感じるまでの数行がリアル。 ここで理性が勝てなければ人を殺すという行動になるんだと感じた。 もう少し年齢を重ねてから読むとまた印象は変わりそう。
0投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブルーもしくはブルー 山本文緒 ∞----------------------∞ ドッペルゲンガーって同じ人物だというのを初めて知った。 自分の分身に会ったら、気味が悪いなぁ。仲良くなれるかは分からないけど、自分の深層心理を知れるかも。 でも究極の2択を迫られたこともないので多分居ない。 蒼子Aと蒼子Bは考えてる事はきっと同じで、自分の嫌なところが相手に見えてた。 男の見る目のなさももちろん共通してる。DVとかモラハラとかはもちろん酷いけど、最後に分かったのは2人とも愛されてるけど愛していないということ。それが夫達にも分かってそういう行動を導いてしまったから、悪いのは夫達だけでは無い。 なるほどなと思った。確かになぜ夫をずっと苗字呼びしてるのかも気になってた。 最後に蒼子Bは離婚を選択するけど、夫はそれを拒否し、逆に蒼子Aは離婚はしたくないが夫に迫られてる。ちょっと違う道を選んでるところが、同じ人とはいえ環境が違えば考え方が変わってくるのかなとも思えた。 2024/08/31 読了(図書館)
2投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログ「君の顔では泣けない」 の瀧井朝世さんの解説に 君嶋さんが小説を書き始めるきっかけの本と紹介されていた 先日、ひまわり師匠が読書していると時折思ってみない繋がりがあるとかなんとかそんな事を書いていたと思うけど ほんとそういう偶然だか必然って時々ありますよね 私もつい最近「ブルーもしくはブルー」を読んでいたんです♪解説読んでて ほおってなりました 1992年出版で30年前の作品 読み始めて山本文緒さんとしては思い切った設定に驚き タイムトラベルでなく 並行世界でもなく 自分が決めた結婚相手が違った場合の ドッペルゲンガー的if 自分の今に満足するかは、自分次第ということか 相手の男性達に当然否定されるべき事実があるにも関わらず、敵対していくのは、自分同士 女達の戦いになっていく ファンタジーにあらず、ですね 自分にわからない幸せに奔走していき瓦解していく 怖! 幸せは相手によるものだけでないというところだけど 高収入、愛人あり夫 vs 低収入、DV込深愛男 私は 前者で(*☻-☻*)
84投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ自分とそっくりのもう一人の「蒼子」が過去に選ばなかったもう一つの人生を生きてて、ある時その二人が出会い、互いにもう片方の生活を1ヶ月間生活していく物語。「過去に違う選択をしていたら?」という自分にないものを相手が持っていることに人は揺さぶられ、でも実際試してみると「やっぱり元の方がいいや」となったりして、すごく蒼子という人物の感情が揺れ動く文章に惹かれた。相手に求めるが故に不満が大きくなりすぎて、与えてもらったことに感謝しないこと(当たり前になっている)がないようにしたい。
1投稿日: 2024.05.13
powered by ブクログ佐々木を選んだ蒼子と河見を選んだ蒼子が出逢い、互いの生活を入れ替えるストーリー。2人の蒼子と河見、佐々木の嫌な部分が強烈に描かれており、特にDV夫・河見のクズぶりが酷い。ドッペルゲンガーという題材が懐かしく、終わり方も希望がほの見えて好き。巻末の柚木麻子さんの解説もまた良い。本書とドラマ版のラストの違いに対して感じられた違和感の正体。女性の不平等を礼賛するドラマ版は観ないでおこう。
4投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログもう一人の自分が、過去に自分が選択しなかった方の人生を生きていた、そして自分ともう一人の自分が期間限定で入れ替わって生活してみる、と言う設定がまず面白くて、内容も期待を裏切らないストーリー展開であっという間に読めた。 エンターテイメントを期待していた自分としては、もう少し入れ替わり期間中の様子、ハプニング、ドタバタ展開などがあったら良かったなぁと思ってしまった。 どちらかと言うと、しっかりとしたメッセージ性のある社会派小説といった感じかな。 人生に満足感を見出せるかどうかは気持ちの問題、隣の芝は青い、的なことなのかなとも感じだけど、解説を読むに、社会での女性の在り方など、社会的もしくは時代的背景といったもう少し大きな問題を取り扱っている様だった。
0投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログ蒼子が入れ替わるまでは、あまり面白味を感じなかったけど、入れ替わってからはハラハラする展開で、結末も気になり一気読み。 身勝手でヒステリックな蒼子Aにかなりイラついた。 あの時あっちを選んでいれば‥も結局は、 隣の芝生は青く見えるというだけ。
1投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ主人公、自分勝手過ぎる。実父とかありえない…!DVは許せない。DVを諦めているのももどかしい!好きになれる登場人物が見事に一人もいない!! だけど、ミステリーやサスペンスのようなドキドキ、ハラハラがありストーリーは面白くて引き込まれた。最後の終わり方は主人公にもやっとしたけど、そこも妙に現実的で良かった。
7投稿日: 2024.03.07
powered by ブクログその昔、NHKでドラマをやっていた。覚えていたのはタイトルと主題歌の『元気を出して』で内容は全く覚えていなかった。 大人になって改めて原作を読んでみたが、結末が悲劇的だ。記憶の断片的には明るい幕引きだった印象がかすかにあったので、解釈違い?記憶違いだった。 ただそれも解説を読んで納得。結末が原作とドラマで違ったのだ。 『恋愛中毒』の時も思ったが、主人公の性格が必ずしも良くない分、等身大の生身の人間が描かれている、山本文緒の作品は。 自分を成り立たせているものは、本来の性格的な要素と今おかれている環境下での思考が多分にある。
1投稿日: 2024.02.27
powered by ブクログ人生において、「もしあの時、別な選択をしていたら? あの人を選んでいたら?」 それを知ることが、幸せなのだろうか? メビウスの輪のように表が裏で、裏が表になる自分自身への問いかけの物語。 自分と、もう一人の自分 そんな2人の主人公を通じて心を痛め、想いや後悔があればあるほど、つのる気持ち、、 そんな揺れる心の内を山本文緒さんは輝く言葉で描いてくれています。 「別な選択をした自分」それも紛れもなく自分自身、、「どうして、そんな事するの? 何で分からないの?」 その言葉はまさに自分自身に対してなのでした。 光の当たる方と影、自分の本当の気持ちが上手く表現できないからそこ、誤解があり、後悔があり、、 そして本当に大切なものに辿り着く2人の自分。 そこには小説の中の登場人物でありながら、自分自身であるように感情が移入してしまいます。 そんな素敵な作品を残してくれた山本文緒さんに、心から感謝です。
5投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログストーリーはやや現実性に欠けるけど良く練られていて、読み進めるのは苦になりませんでした。 ただ、個人的に内容が好きか嫌いかと言った点から見ると、苦手かな… 隣の芝生は青く見えるというのが分かる本だと思いました。 本のタイトル「ブルーもしくはブルー」とてもしっくりくるネーミングです。
0投稿日: 2023.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「もしあの人と結婚していれば」の人生を選んだ方の自分とばったりあった主人公。 相手の人生が羨ましくて入れ替わってみるが…って話。 結局はメビウスの輪みたいにどっちの蒼子さんも本物でどっちもドッペルゲンガーで、なんか不思議な感じだった。 たられば、もし県内で就職してたらとか考えたことあるけど、たぶん結局一人暮らしなとこ就職してたらとか考えてるだろうし、 そんな感じでどっちの人生選んでても他の選択が羨ましくなることあるんだろうなって思った作品。 どの選択してても男性の好みとか嫌いになるポイントとか一緒で、自分は自分なんだなっておもった 蒼子Bさんの方が本物に変わったときに、相手殺しちゃう…?ってナイフ持って押しかけたり結局自分だから殺せなかったりしたあたり、すごいサスペンス始まったなっておもった 解説でもあった通り、ホラーとか恋愛とかサスペンスとかいろんな面がある話 Twitterでいってた 世にも奇妙な話ぽいってのすごいわかる
1投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログ蒼子Bが出てきたところから面白くて引き込まれて読んでしまった。もしあの時ああしていれば、という妄想は時々するが、実際に起きて出会ってしまうところがよかった。でも別の人生を歩いていても、結局自分のずるいところ悪い性格も当然相手も持っていて、対面したらうんざりするよなぁと納得。隣の芝は青いけど、今の自分がしてきた選択は間違ってないと思いながら過ごしてこうと思った。
0投稿日: 2023.11.18
powered by ブクログ読んでいて悲しくなったりむかついたりするシーンもあったが、すごく現実的でそれゆえに辛さもあった。 作品名が「ブルーもしくはブルー」だが、「隣の芝は青い」という意味も込められているのかな?と読んでて感じた。
0投稿日: 2023.11.04
powered by ブクログ誰しも「もしも今の配偶者と違う人と結婚していたらどうだっただろう」と思うことがあると思う。 自分が選ばなかった別の人生。別の人から求められる、愛される嬉しさを味わえる?そんな脳内お花畑な想像をしてしまうけど、これはただ配偶者を、結婚生活を交換してみました。という話じゃないのが恐ろしかった。 蒼子Aは頑張りたい仕事もない、家事も求められない。夫は公然と不倫をし、自分も気軽な年下の恋人を作る。ただお互いに無関心であることを自由だと思い込み、うるさく言わないパートナーがいいのだと思っていた。自分に興味関心がないことを寂しいと言えなかった。向き合えないって怖いよね。 蒼子Bは自分の力を細々と生かした華やかではないけど小さく満たされる仕事と家事とをきちんと両立していた。夫もそのことをひたすら感謝してくれ尽くしてくれるが、気が小さく、勝手なことをした途端に暴力を振るわれてしまう。自分の気持ちを言えない、支配された夫の顔色を伺う生活。 男がいないと女は生きられないのだろうか? 結婚をすると女は羽根をもがれ、生きる力を失ってしまうのだろうか。 山本文緒さんは息苦しい結婚生活を続けるくらいなら離婚しよう。と"男からの解放"として離婚を描くけど離婚が本当に素晴らしいものだと言えるのか私はまだ不安だ。 私は蒼子Bが少し羨ましかったかもしれない。河見の愛情表現、あれを愛だとは言えないと客観的には思えるが、自分が当事者になってしまったら私は抜け出せる気がしない。好きな人のために仕事をして家事をして、一緒に過ごすことをひたすら求められる。顔色を伺うのは嫌だけど、穏やかな河見との生活は限りなく私の理想だった。 蒼子Aのような生活を送ってる私には彼女の寂しさがひたすら沁みてしまい、つらかったかな。
0投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
周りから見れば幸せそうでも その本人は不満があったりする。 瓜二つの蒼子Aと蒼子B いまの人生を選んだのは自分なのに 自分のわがままに気付かず愛されることばかりを望む蒼子A。 殴られても普段は愛しに愛しまくってくれる旦那なのでさして不満なく過ごしていた蒼子B 蒼子Aと出会って彼女から1ヶ月の人生交換を提案され、交換してみたら自分の人生に我慢ならなくなる蒼子B ちょっとそこからホラー。 結局はどちらを選んだとしても 自分を持ってない限り不満は募って行く 最後は旦那と離婚し、自分の人生として生きる2人は昔よりも自由ではあると思う。
0投稿日: 2023.10.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もっとファンタジー系かと思ったけど想像以上にリアリティある設定だった。違う選択をしたもう一人の自分、会ってみたいな〜と思うけどやっぱ怖いなあ。 すごく読みやすくて1日で読み終わってしまった。山本文緒さんの小説は物語の世界にすんなり入れてあっという間に読んじゃう。
0投稿日: 2023.09.10
powered by ブクログあの時、ああしていたら。あのころ付き合ってたあの人と結婚していれば、、、。と思うことは誰にでもあることと思います。 しかし、どちらを選んでも変わらないことはひとつで、自分はしょせん自分なのです。 どちらも体験してみるということは現実的に出来ないので、分からないのですが、この小説を読めば、分かります。 この小説の主人公の蒼子さんはいずれの道を選んでも、似たような人生を歩んでいたのでは無いかと。 人生で選択を迫られる時は度々訪れますが、道筋は多少違えど、結末は決まってるんでは無いかと思いますよね。 そう、いずれにしても、ブルーもしくはブルーなのです、、、笑 ハッピーもしくはハッピーと置き換えて考えましょう!
0投稿日: 2023.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分が別の人と結婚してたら 確かに入れ替わって生活したいと思うよなぁ、、 どっちを選んでも何を選択しても後悔することってあるもんなぁ
0投稿日: 2023.08.09
powered by ブクログ退屈した日常生活を送っている中、人生の重大な岐路にたった時に別の選択肢を選んだ人物が現れたらその人が現在置かれてる立場、境遇は気になる。 そして入れ替われるもんなら入れ替わって退屈してた人生を変えたい。 でも結局いいのは最初だけでやはり隣の芝生は青く見えると思った。 自分が選んだ人生なのだから言い訳せずにちゃんと現実と向き合わなきゃ行けないと思った。
0投稿日: 2023.07.28
powered by ブクログ“隣の芝生は青い”というように、自分には無いものを持っている人を羨ましいと思ってしまうのは、人間である以上避けられないことなのかもしれない。 ただ柚木麻子さんの解説を読むと、さらに深く切り込んだことが書かれていて、自分の思想の浅さを実感した。 「自分自身を正しく愛することは搾取から逃れる最良の手段であり…」 今でこそ、◯◯ハラスメントという言葉が広まって、 女性の立場が徐々に確立されている最中なのかもしれないが、一昔前にはそんな言葉はなく、ただその場をやり過ごすしかなかった女性も本当に多かったと考える。 男と女が並べられると、どうしても女の立場が弱くされてしまう世の中は、少しずつ改善されているのだろうか。
0投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃的な出来事をきっかけに今までの人生とか自分の欲しかったものについて考え直した2人。 結局死ぬことは選ばない、生きることを選ぶ姿に人間とはなんだろうと思った。 結婚した時はあなたが好きだったのよ。それを捻じ曲げたのは私たちなのよ。愛されてたのに愛し返さなかったのよ、私達。 苦労して離婚したところで、この先いいことがあるとはとても思えません。けれど、死にたいわけでもないのです。 この生きることへの執着は、どこから来るのでしょうか。きれいに死ねたらさばさばするだろうとも思うのに、私はリボンをに鋏を入れることができないのです。
0投稿日: 2023.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
選ばなかった選択肢への執着がテーマかなぁと思いましたが…柚木麻子さんの解説を読むと、執着せざるを得ない、日本での女性の立ち位置にまで着目されていて、あぁ、深い。と感慨に浸りました。子どもを失った途端、本体からドッペルゲンガーへと逆戻りする流れも、女性の存在意義を考えさせられる部分だったかなと思います。
0投稿日: 2023.05.29
powered by ブクログ帰省中、たまたま手に取りボーっと読んでいたら、なかなか良かった。 たた、柚木麻子さんの後書きを読んで、読みが浅かったかな、と反省。 も一回読みたい。
3投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ文庫版の初版が、1996年5月 私が手にした本は2021年11月改版3版発行 2023年の今からすれば、27年前。 当時の単行本の帯に、 「ホラーより怖いファンタジーである」赤川次郎 とある。 2021年11月改版3版の解説が、柚木麻子さん。 以下、巻末の柚木さん解説からー 「怖い物語りだが同じ人物である蒼子Aと蒼子Bが偶然出会ってしまうから怖いのではない。 どちらの男を選んでも、結局モラハラかDVに苦しむはめになるからでもないし、蒼子Aと蒼子Bが互いに激しい憎悪を抱き殺し合いに発展するから怖いのでも無い(中略) ドッペルゲンガーを見た事を打ち明ける相手さえ 皆無である。蒼子は同性とは敵対関係しか築けず、 だからこそもう1人の自分とさえ、上手くやれない。 こうした状況に蒼子は疑問を持たないがゆえに、 メビウスの輪から逃れられない」 「発売された当初正しく読み解くには もしかして 私も含めて読者が成熟していなかったのかな、とも思う」 「私事で恐縮だが、私がデビューした2010年でさえ、まだ女同士の関係だけを描く事は異端者で、 なぜ男女の恋愛を扱わないのかと、首を傾げられていた時代だった」 *…… 私には読み解けなかった部分を柚木さんの解説で深く納得。 作家の方達の今の時代の今の問題点への気づきや、 考え尽す姿勢に、脱帽です。 ……*
18投稿日: 2023.04.19
powered by ブクログ本質的な「愛されることに対する返答」の難しさという問題を2人と3人で描くことがとても新鮮だった。また、蒼子たちのやり取りを見ていると悲しくなってしまった。自分が1人でも葛藤という意味ではたくさんするから。
1投稿日: 2023.04.16
powered by ブクログもし今の旦那と結婚しない人生を歩んでいたら、元カレと結婚する人生を歩んでいる自分と交代できたらっていうお話。結局隣の芝は蒼く見えるからブルーもしくはブルーなのかな。一度きりの人生自分軸をもって歩んでいきたい。誰々のせい、〇〇のせいって考える人て幸せになれない気がする。
7投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ・初めてドッペルゲンガーの小説を読んだが結論 面白くてあっという間に読んでしまった。この小説が1990年代に発売されたと読んだ後に知って驚いた。どちらの蒼子の生活にも良いところ悪いところがあって、少し救いのなさを感じてしまった。愛人のいる夫と普段は優しいが酔うと暴力を振るってくる夫、どちらも最悪だ。これからの2人の蒼子の行動で何か変わり2人とも幸せな未来になると良いなと心から思います。
0投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログ自分の分身と出会った蒼子は入れ替わって生活してみることを提案するが…。 めっちゃオモシロかったー‼️ あの時の私の選択は正しかったのか、もう1人の自分の方が幸せそうだったら、さぁどうするかな?
0投稿日: 2023.03.25
powered by ブクログ2人の生活を入れ替えるワクワクする話かと思いきや、もっと妬みや憎しみなど重苦しい感情が表現されていた。2人の蒼子に共通していたのは、人生に対する主体性が無く、うまくいかない原因を自分でなく相手に作っていたことだと思う。ただそのことに気づいてすらいないことが怖い。蒼子Bは自分の人生を生きることに踏み出している。「この先いいことがあるとはとても思えません。けれど、死にたいわけでもないのです。」という文章があるが、それでも自分の人生を貫いていってほしい、と願うばかりであるし、自分へのエールにもなる。
1投稿日: 2023.03.09
powered by ブクログドッペルゲンガーと生活を入れかえる!?なんだそれって思いながら読みすすめ...というか止まらなかった。気になりすぎてずっと読んでた。まぁドッペルゲンガーじゃなくても人間って隣の芝生は青いとかないものねだりだったりするから、そういうことを表しているのかな? それにしても最後怖かった。
0投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
NHKドラマの原作 立場が入れ替わっても、自分の本質や他人との関わり方を変えなきゃ、結局は幸せは掴めない
1投稿日: 2023.02.08
powered by ブクログ2023.1.3 読了。 偶然立ち寄った博多で昔の恋人を見かけた蒼子が見たのは、彼に寄り添った自分そっくりの「蒼子」だった。名前も顔も同じなのに、ある時から別々の人生を歩む2人となり1ヶ月だけ互いの生活を入れ替わる試みをする。 グイグイと引き込まれ一気に読んでしまった。 色々な意味で怖い。 「もしもあの時〜」がの願いが叶い憧れの生活を互いに手に入れたように見える2人の蒼子だが、舞台の照明には必ず影ができると言わんばかりの結果が待っている。 2021年時点の現代社会の問題も踏まえつつ的確で秀逸な柚木麻子の解説も読み応えがすごくある。 この作品は男性読者と女性読者でも好みや心に残るところが変わってきそう。 自分を殺しながら生きることと自分を大切にしながら生き抜くことの難しさも描かれているように感じた。 自分を大切にしよう。そう感じる一冊。
2投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログもしあのとき、選ばなかった方の人生はどうなっていただろう。 知る由もないそんなifを体現するこの小説。 誰もが羨む暮らしを送りながらも、夫に愛されず満ち足りぬ日々を送る佐々木蒼子は、昔の恋人・河見を偶然見かける。彼の傍には自分そっくりのもう一人の「蒼子」。 彼女の生活に興味と羨みが膨らみ、佐々木蒼子は河見蒼子に一ヶ月だけ入れ替わる提案をするが……
3投稿日: 2022.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
無い物ねだりの主婦(愛人のいるハイスペ旦那と都内のタワマン住み)が、同じく無い物ねだりの自身のドッペルゲンガー(自分だけを愛してくれるDV男と福岡でひっそり暮らしている)と出会い、お互いの生活を入れ替えることになる。 人間全てを手に入れることは不可能なので、自分が本当に欲しているものは何なのか、それまでの人生に想いを馳せ今の自分の心に問いかけてみると良い。 意外ともう持ってたりするからね。 (この本の主人公たちはそもそもそれすらも持っていなかったわけだが、生活を入れ替えたところで手には入らなかった。だって入れ替わった相手が自分だもの。) ✏自分自身を正しく愛することは搾取から逃れる最良の手段であり、それはそのまま身近な場所にいるよく似た誰かの手を取ることに直結する。
2投稿日: 2022.11.30
powered by ブクログこの人といたらどんな人生になるのかな、あの人といたらどんな人生になっただろうか、と一度は考えたことがあるけどいざ手の前にその、選択しなかった自分がいたらどんなに怖いだろうなって思いました。 いいところだけを見てしまうからきっと羨ましくなったり、失敗したなって思ったりもするんだろうなぁ。
0投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログこの小説の舞台って 少し前の時代の日本の話なんだけど 女性の生き方って、この20年くらいで 自由になったよね… 出産育児介護で振り回されることはあっても やり方をまだ「選べる」時代になった。 男性優位で振り回されても我慢するしかない そんな時代が確かにあったんだな。。 解説にそんなこと書かれてて はっとした。 納得して選んだ相手でも やっぱり不満が出てしまうのは いつの時代もおんなじ( ´-`) 二人の蒼子の心理描写に共感して、 最後まで手に汗握る展開で面白かった。 蒼子が好きな事を思い出して 自分らしく羽ばたいていく未来だと いいなぁ。
1投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ何かを決め、選択する場面は日常に溢れている。そんな中で、人生の岐路の大選択は1、2度あるかないかでは? 蒼子は満たされない結婚生活を送っていた。 選ばなかった男性との人生の方が、幸せになっていたのではないか⁈ そんな強い思いが引き寄せたように、もう1人の自分に出会う。 もしあの時…と過去を振り返る人は多いに違いない。私も然り(≧∀≦) 幸せな想像と妄想に浸っているだけのほうが正解のようだ。 初版は1996年、モラハラやDV、ネグレクト…大きく改善されていないことが悲しい。2021年新装版、解説:柚木麻子氏。
11投稿日: 2022.10.28
powered by ブクログあの時、もし自分が別の男性を選んでいたら…そんな彼女はある日、もう1人の自分に出会ってしまう。 ある意味SF 面白い〜
0投稿日: 2022.05.22
powered by ブクログ視点を変えながら交互に進んでいく物語は続きが気になってなかなかやめ時が難しかったです。こういう物語(ホラーでありミステリー)は初めて読みましたが、面白かったです。どのような結末を迎えるのだろうと思いましたが、自分としては納得の結末でした。
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ面白かった〜! 隣の芝生はどうしたって青いし、特に蒼子Bは足るを知らないとずっとぐるぐる何かを追う羽目になる。 初めて読んだテーマだったけどドッペルゲンガーについて興味を持った。
0投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ実生活である、あの時こうしていれば、あの時こちらを選択していれば。結婚という大きな選択を目前にした時、迷っていた彼女は分裂したのか。 自分自身、選択を後悔することもあり、そちらを選んでいた人生を想像することもある。 こんな不思議な世界に紛れ込まれることはないけど、もしもの先を知れた感じがして面白かった。
1投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログ自分が2人いて、同じ小さい頃の記憶をもっていたら少しこわい。いや、かなり怖い。2人のそれぞれの生活があり、お互い羨ましがって交換するはいいものの、その後の蒼子Bは行動はなかなか過激。 隣の芝生は青く見える。 自分は自分に似ている人を苦手に思う傾向がある。自分の存在価値がその人がいることで半分になったように感じる。その意味でもこの話は、不思議な感覚になった。 1996年のストーリーとは驚き。もっと新しいものかと思ってた笑
1投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中々、重たい内容でしたね。 無いもの強請りの末のドッペルゲンガー同士の殺し合いに至る流れが(−_−;) 落ち込んでる時には余り勧められないですね。
8投稿日: 2021.11.13
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった ホラーでありサスペンス しかも日本の女性の置かれた状況を鋭く指摘 約30年前に書かれたとは思えない新鮮さ これは傑作だと思います もっと早く知っておけば良かった
1投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ先日亡くなった山本文緒の本がろばたにあったので早速借りた。 この人の本は読んだことがあるんだろうか? 以前読んでうんざりした恋愛お得意作家は誰だったんだろう? 自分が二人いたらという願望は忙しい時にはよく思ったりすること。ただ、どの自分になったら一番メリットがあるだろうと比較してしまいそうになるとしたら、やっぱり自分は一人で十分。 でもたらればを味わおうというのはいいアイディアだね。
0投稿日: 2021.11.08
powered by ブクログ違う相手を伴侶に選んだ自分のドッペルゲンガーと出会ったら?そしてその人と入れ替わった日常を送ることができるとしたら?そんなお話。途中から蒼子Bが怖くて震えましたが、これ、最初が蒼子Aの視点で始まっていたからそう思ってしまっただけで、蒼子B視点から始まっていたらまた違う感じ方になっていたのだと思う。自分に打ち勝つ、自分の選択を肯定する、自分と向き合うってとても難しいんだなぁと。ないものねだりしている蒼子がしんどかったし、河見さんは本当にもう近づかないでほしい。読んでて息切れしそうになる話でした。
0投稿日: 2021.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
同じ容姿で、同じ過去を持つ 佐々木蒼子と河見蒼子が入れ替わって生活する ドッペルゲンガーのお話 お互いを羨む様もよく似ている フィクション感が強く、 ファンタジー的な感じで面白かったけど 2人の蒼子の揺れる気持ちは 考えさせられるものがあった なんとなくスッキリしない最後も これはこれで人間のリアルな気がした
0投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログ「ドッペルゲンガー」…分身、一人の人間から影みたいにもう一人の人間が分かれて、どこか別の場所に生きることがある。 その「ドッペルゲンガー」と偶然会ってしまったら?そして入れ替わりたいと思ったら? つまり自分が選んだかもしれないもうひとつの人生を経験できるとしたら? そんなやってみたい、恐いような経験が出来たとしたら、楽しいか、新しい発見ができるのかというお話。 主人公は女性で、人生の分かれ目は結婚とくれば、結婚論でもある。 そういえば昨日見たアンジェリーナ・ジョリー(ダークエンジェルでファンに)主演の映画「ブロンド・ライフ 」(LIFE OR SOMETHING LIKE IT) も、ニューヨークでの華やかな人気レポーターか、地方で愛する恋人と静かに地道な暮らしをするのかの選択のコメディーだった。 ひとつしかない人生。どう選ぼうとその人の器。と言ってしまえば、みもふたもないかな。 どうして結婚はしてもしなくても問題なのだろうねー。 ---------- 以下スターチャンネルのHPより 「ブロンド・ライフ 」LIFE OR SOMETHING LIKE IT(2002 米) 監督 スティーヴン・ヘレクSTEPHEN HEREK 出演 アンジェリーナ・ジョリーANGELINA JOLIE エドワード・バーンズEDWARD BURNS アメリカ、シアトルのローカルTV局の人気レポーター、レイニー。彼女は、ブロンド・ヘアにブランド物のスーツを着こなし、豪華なマンションに住んで、恋人はメジャー・リーガーというゴージャスな人生を送っていた。そんなある日、全米ネット番組の新キャスターに推薦されるチャンスを得た彼女は、ある優秀なカメラマンと組んでスキルを磨くことを上司から命じられる。ところが、そのカメラマンとは、なんとレイニーの昔の恋人ピートだった。仕事と割り切り、取材に向かうレイニー。だがその最中、彼女は予言者と称するホームレスの男に、あと一週間の命と宣告されてしまう…。余命一週間と告げられた野心家のキャリア・ウーマンが、改めて自分の人生を見つめ直していく姿を綴ったロマンティック・コメディ。
1投稿日: 2021.09.14時代背景も
この作品が書かれた当時の時代背景も分かっていないと理解が難しいかも。女性が不自由であるのは今も同じですが,今よりずっと社会的制限が当たり前のようにきつかったから。 まぁでも救いがないなぁ・・・。
0投稿日: 2021.08.28
powered by ブクログ自分と全く同じ顔、生い立ち、名前を持つ人が現れ、「あの時こうしておけば良かった」ということを二人が入れ替わってやり直す話。 二人とも自分の事ばかり考えていて、なかなか共感は出来なかった。 今の人生は全て自分の選択の結果であり、「あの時ああしておけば良かった」という選択も結果それほどいいものではない。結局、今の人生を導いたのは自分自身の責任だ。 話は次どうなるのか気になってあっという間に読み終わりました。
50投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“あの時こうしていれば別の人生を歩めたのでは” “もっとこういう風にしていれば結果は違ったかも” 日々後悔を続ける人間という生物である以上、別の人生ではこんな風に生きているという妄想はついついしてしまう行為の一つである。 そんな別の人生を生きている自分が実際に目の前に現れたら? そんな疑問を描いた作品がこの「ブルーもしくはブルー」である。 あらすじは置いておいて、以下に感じたことを記す。 自分が今、満足していない状況であっても客観的に見れば十分幸せな生活を送れているのかもしれない 後悔しない人生などない、他人の芝は青く見える、妄想に浸る前に自分のすべきことをやり続けるのみ。 男女とも平等に生きていくことができる社会の実現に貢献したい。(仕事、結婚などなど)
2投稿日: 2021.08.18
powered by ブクログ発想は面白い。 望む形にならないのは、自分が本当に欲しいもの(あるいは必要なもの)が何かを、見極めていないからじゃないかと思う。恋人の選び方も、表面的というか ステータスとしてしか見ていないんじゃないかって感じだし。
1投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
発想は面白いです。 あのとき、もし、別の道を選んでいたら、、、誰もが考えることだと思います。 主人公の蒼子は、高級マンションに住み、周りが羨む生活を送っていたけど、旦那には若い恋人がいて夫婦関係は冷めていました。 過去に悩んだ恋愛。あのときあの人についていったなら、、、。 大きな決断をしたとき、ドッペルゲンガーが生まれていて、あの人と結婚していたもう1人の自分がいたという、ホラーのようなファンタジーな話。 入れ替わって生活してみて、ないものねだりに気付く蒼子。滅茶苦茶ワガママです。 あのときこうしていれば、、、と何度も思うけれど、自分の決断したことに向き合って生きていかないといけないなと思いました。
4投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログ他に愛人を持つ旦那との生活に嫌気が差した蒼子が、自らのドッペルゲンガーと生活を入れ替えてみる、という話。 人生で大きな選択を迫られた際(今回の話では結婚相手)、自分のドッペルゲンガーが生まれるらしい。2人の蒼子は互いの生活に不満を感じていたが、その不満は選択を間違えたことが原因ではなく、自らが互いの旦那に愛情を返していないことが原因であった。 大きな選択を迫られた際、重要なのはどちらを選んだかではなく、選んだ後どう生きるかなのではないだろうか。2人の蒼子の生活を読んでみて、そんなことを思った。
1投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
隣の芝は青い的な話かと思って読み始めたが、思っていたストーリーとは少し違ったかな〜なんて思いつつ、柚木さんの解説を読んで目から鱗が落ちた。 「販売した当初、正しく読み解くには、もしかして、私も含めて読者が成熟していなかったのかな、とも思う。」 この本が発表された頃に産まれた私も、まだ成熟が足りなかったようです。ほっこり楽しい話ではないかもしれないけど、解説まで含めて私は好きでした。
1投稿日: 2021.07.19
powered by ブクログこれ、読んだことあるやつだった。 でも、まぁ、「そんなことあるかいな?」と思いながらも面白かった。
1投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログ「全裸監督」を観ながら、「全裸監督」を観ながら書くような感想じゃないなと思いつつ書く。 結婚6年目の蒼子。共働きの夫は蒼子公認状態で長年不倫を続けている。ある日、自分と瓜二つの「蒼子」と名乗る女性と遭遇する。彼女は専業主婦で、蒼子が今の夫の前に付き合っていた相手と結婚していた。パラレルワールドに生きるドッペルゲンガー。二人は期間を決め、入れ替わって生活することにする。 1時間くらいで読了。読み終わって、なんかもう私はこの蒼子的な悩みのフェーズを通り越してしまったのだなという気がした。結婚6年目。その設定がこのストーリーにおいて実に秀逸だと思った。3年でも10年でもなく6年。まだ現状を変える可能性があるという希望が少しだけ残っている時期。夫婦関係にタラレバがまだあった時期。わたしは結婚10年が過ぎたけれど、そういうのはもう何もないもん。こうじゃなかった人生も、あーしていたら、な選択も。今の現実があるだけ。夫と結婚する前に好きだった人と結婚しているドッペルゲンガーに遭遇しても、変わって欲しいとは言わない。うまくいかなかったという結末も含めて綺麗な思い出で、その続きを見てみたいという好奇心はない。 書きながら気付くのは、私は、あのとき結婚しなきゃよかったと思うことはあっても、誰かと変わりたいと思ったことはほとんどない。まぁなれるなら一旦アンジェリーナ・ジョリーにはなっておこうかなと思うけれど、現実的に友人の誰かの夫はいいなとか、働きまくってるあの子の人生が欲しいなとか、そういうふうに思ったことはない。今の私に残っている唯一の「タラレバ」は、あのとき結婚をしていなかったら、の一つだけ。たぶんこれもいつか消滅するのだろうけれど、今はまだ辛うじて残っている。あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、もっと自由だった、もっと優しい人に会えた、もっと愛のある家庭が築けた、もっと会話ができた、もっと、もっと。でもそれは誰か理想の相手がいるとかお手本がいるとかじゃなく、単発的に不愉快なことが起きて、それを自分の力ではどうにもできないと知ったとき、とにかく今の現状を否定してみたいだけ。今のこの満たされない部分が完全に満たされている、架空の世界に生きる自分を想像してみたくなるだけ。それって何の意味があるんだろうと思うけれど、考えてしまう。それってどうなんだ。結局、今ないものを全部手にしている世界を、人生を、全力で取りに行く力とか勢いとか思い切りが、今の私にないだけ?それがあれば、行動を起こせれば、もしかしたらその理想の世界が手に入るかもしれない?今更?あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、今頃もっと満たされていた? 書いているとどんどんアホらしくなってくるので、きっとそんなことは無いのでしょう。あのときはあの選択しかなかったし、何の迷いもなかったし、正しいと信じて疑わなかったし、ゆえにもし時が戻ってもきっと同じ選択をするのでしょう。自分の選択によって今の自分があるというのは間違いなくて、今までしてきた一つ一つの選択に後悔はないという謎の自信だけはある。過去のそのときどきで他の選択をしている自分は想像できない。つまり今と違う「今」が欲しいなら、生まれ直すか一度死んで生まれ変わるしかなくて、それは無理だし。 とりあえず強く思うことは次の人生ではもっと素直にもっと素直な幸せを獲りにいきたい。いたって純な心で叶った恋を抱きしめて好きだとか無責任に言いたーい
4投稿日: 2021.05.29
