よくある努力物。神から与えられる才能が絶対視される世界において、主人公は到底使い物にならないような才能を与えられてしまう。しかし苦痛を伴うもののやり方次第では高い可能性を秘めていて…というあらすじ。 スキルや職業等のゲーム的な要素が登場する典型的な内容。ただし構成・展開自体は決して悪くなく、意外にもストーリーはしっかり作られている。特に主人公が最強を目指すと決意したシーンは、心理描写や演出・表現の上手さも相まって、とても良く描けていた。戦闘描写もバトル物として一定の水準を満たしている。 欠点は画力で、描き込み量自体は多いものの、お世辞にも高い画力とは言えず、癖自体も強い。キャラクターの頭身バランスが5頭身だったり6頭身だったりとバラバラで、それが1ページ毎に、下手すれば1コマ毎に発生する。デフォルメも利いていたりいなかったり、頭がでかかったり足が短かったり、パースがおかしかったりと、とにかく作画が安定しない。戦闘描写も構図や勢いは良いが、やはり画力の低さでかなり損をしてしまっている。この点さえ良ければそれなりの良作だっただけに勿体ない。 少し鼻に突くなろう臭さ、微妙な画力、この2点が本当に残念。しかしこの2点以外を除けば粒揃いの作品なので、受け入れられるなら問題なく読めるかもしれない。