Reader Store
飛ぶ教室
飛ぶ教室
エーリヒ・ケストナー、池田香代子/岩波書店
作品詳細ページへ戻る

総合評価

116件)
4.3
50
27
21
1
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生の頃に一度読んで 20年以上経って読み直してみました。 細かい内容は忘れていたけど ずっと頭の片隅にタイトルが残っていました。 挿絵が素敵だというのも記憶に残ってました。 大人になって読み返すと 大人だから気づくこと 脇役の小さな言動にも ケストナーのメッセージがある 子どもを持つようになって 読み返して、素敵な本だと再確認。

    1
    投稿日: 2010.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     ギムナジウム五年生(14歳くらいかな?)の男の子たちの、クリスマス休暇までの三日間のお話です。「飛ぶ教室」は主人公の5人がクリスマスに上演する劇のタイトルですが、お芝居そのものよりも彼らのやんちゃな日常がメインな感じ。  柵を乗り越えて無断外出するのはもちろん、仲の悪い近隣の実業学校に人質をとられて喧嘩したり、紙くずかごに級友を入れて教室の天井近くに吊るしたり、高いはしごから飛び降りて足を折ったり。  腕っ節が強くていつも腹ぺこのマティアス、怖がりでちびのウーリ、正義感の強い奨学生のマルティン、皮肉屋で大人っぽいゼバスティアーン、身寄りがなく作家志望のジョニー、という5人の少年が魅力的です。  が、同じくらいかそれ以上にいいのが「禁煙さん」と「正義さん」というふたりの大人です。昨今は物語のなかにあってさえまともな大人が減ってきましたが、このお話で出てくる先生たちはみんなすごくまっとうで、責任をもって生徒たちを愛しているところにすごく感動しました。 「正義さん」は寄宿舎の舎監で、言いつけをまもらなかったら「二週間、自分にあいさつをしてはいけない」と少年たちをおどしたりします。この「変わったおどし」に「ききめはあった?」と尋ねる禁煙さんにジョニーが「おおありです」と答えるのですが、信頼関係があれば力なんかなくても男の子に言うことを聞かせることができるんですね(笑)  個人的な恨みもないのに「学校の歴史をひきつぐだけ」で大げさな喧嘩をしたり、「いくじなし」とみんなに馬鹿にされて自分でもそれを気に病んでいるウーリが勇気を見せるために傘を持って高いところから飛び降りたり、「女の子」だった私には入っていけない、「男の子」の世界の出来事なんだろうな、と思いました。だからすごくまぶしくも見えるし、何でそんなことするんだろう……とついあきれちゃう気持ちもちょっとだけある(笑) (私が読んだ岩波少年文庫版の訳者あとがきで、映画では喧嘩相手のエーガーラントという少年が少女に変更されていた、と好意的に書いてありましたが、私はこういう「男女平等」はどうも小手先っぽく見えてしまうなあ……その世界に「女」がいないならいないでいいじゃないですか)  死ぬ気で高いところから飛び降りる、みたいな通過儀礼が男の子の成長には必要なのかな、やっぱり。ウーリは劇で女装して女の子役をやるはずだったのに結局足のケガで舞台には立てなくなり、その役を下級生に譲ることになった、というのも何だか象徴的だ。  マティアスとウーリのあいだの友情が美しい。そのぶん、ゼバスティアーンがちらっとほのめかす孤独がせつない。  あと、書かれたのは1933年で、ケストナーはナチスに目をつけられていたそうです。作中でドイツ語のクロイツカム先生が生徒に書かせる「平和を乱すことがなされたら、それをした者だけでなく、止めなかった者にも責任はある」という一文が重い。  少年たちの合言葉「あったりまえ!」は原語だとどうなってるのか、気になる。    

    3
    投稿日: 2010.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本に出会うのは、子供のころでもよかったし、今でもよかった。最高の作品。何度も、何度も読み返したい。 どのページでも、ぱっと開くと、少年たちが元気に走り回って、相談している。男の子って、けんかがあっていいな、と心から思う。私にこんなけんかのシーンが書けるだろうか。 通学生もいれば、寮生もいる。食いしん坊がいれば、弱虫もいる。優等生もいる。貧乏な家もあれば、親がいない家もある。 振り返ればみんな違う立場で、違う考え方なのに、ずっと一緒にいたし、何もおかしく思わなかった。たまに嫌いになったけれど、やっぱり仲間だった。大人になっても忘れられない友達と毎日話している、鳥肌が立つほどぜいたくな時間。その時間が、めいっぱい体中を過ぎていく感覚。 出てくる大人は、もともと子供だった大人や、負けた大人や、おおらかな大人、いろいろいるけれど、みんながあたたかく子供を囲んでいる。学舎だけでなく、学舎のある街ぜんたいが子供が大きくなるのを知っている、そんな街っていいなと思った。私も、大人になって、子供の味方をしたい。

    1
    投稿日: 2010.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    [ 内容 ] ボクサー志望のマッツ、貧しくも秀才のマルティン、おくびょうなウーリ、詩人ジョニー、クールなゼバスティアーン。 個性ゆたかな少年たちそれぞれの悩み、悲しみ、そしてあこがれ。 寄宿学校に涙と笑いのクリスマスがやってきます。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    1
    投稿日: 2010.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感動とかいう言葉で言い表せないくらい、かなりの勢いで心揺さぶられます。心が荒んだときに読む。自分の語彙不足に恥ずかしくなるくらいぐっとくる言葉満載。

    3
    投稿日: 2010.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    だれもがいくばくかの鬱屈を抱えながら、なお輝く思春期の子どもたち。そして彼らを支えるよき大人たち。ドイツの寄宿制学校のクリスマス前のひとときを描く。 読んだつもりで読んでいなかった本で、20年以上前に出会っておきたかった。小学校の図書室で冬のおすすめにラインナップしてみたが、群像劇ではあるし、ストーリーよりも細部に魅力がある本なので、小学生向けのレビューを書くのに四苦八苦。感じる力のある子に読んでもらえますように。

    1
    投稿日: 2009.11.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドイツの児童文学。 正義と友情と勇気と。 ケストナーの作品は、忘れてた子供の心を取り戻してくれる作品です。大切なものは、何なのか。

    1
    投稿日: 2009.05.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義先生は驚いてそばに立っていました。彼はしばらく待っていました。はやまって慰めを言ってはならないことを彼は知っていました。〜 時代背景があって、この本の中の気持ちを理解できる子供が今の日本にいるかなあ?と思うが私自身は非常によく理解できた。現代のいじっぱり、貧乏、プライド、勇気、信頼等の言葉自体持つ意味がこの時代とは違う気がするが。

    2
    投稿日: 2008.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ケストナーの代表的な作品。 出てくる少年達は、みんな生き生きとして、頬をばら色に染めて走り回っているのが見えてきそう。 でも私は、先生同士の深い友情の方に心が動かされた。 ケストナーの小説は、登場人物が多くて覚えるのが大変。 『エミール』シリーズの方が、自分的には好き。 前から謎だった『飛ぶ教室』という言葉の謎は、結局解けないままだったのが残念。

    1
    投稿日: 2008.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ケストナーの名作。 何故もっと早く読まなかったんだ…と思った…。ゼバスティアーンが好きです。正義先生と禁煙さんも。

    1
    投稿日: 2007.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    未読;ケストナーの代表作ですよね。めっちゃ読みたいのですけど…。 なんとなくはイメージできるけどなぜこのようなタイトルなのか?気になる。

    1
    投稿日: 2007.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ケストナーの名作と謳われている、この本。 実は、最初の方で、何度か挫折しそうになりました。 これぞ青春!という物語。あまりの爽やかさ、眩しさに、くらくらしてしまったのです。 「ごもっとも!わかるんだけど・・・・・。ちょっと、美しすぎて、眩しすぎて、ついてけないかも。」 そんな感じでした。ヒネクレテいるせいかなあ。 子どもと大人では、全く違う感想が生まれそう。男と女では、全く違う感想が生まれそう。そんな一冊でした。 勇気とか正義とかに敏感な子どもの頃に、読んでみたかった!

    1
    投稿日: 2007.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子どもだって、ときにはずいぶん悲しく、不幸なことだってあるのだ…。20世紀初頭。孤独なジョーニー、頭の切れるマルチン、腕っぷしの強いマチアス、弱虫なウリー、風変わりなゼバスチャン…個性溢れる五人の生徒たちが、寮生活の中で心の成長を遂げる

    1
    投稿日: 2007.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生の時に読み強く共感したのを 覚えています。 子供には子供の世界があり、大人には立ち入ってほしくないと思うことがあるんです。 全ての少年少女へ。

    2
    投稿日: 2006.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    たしか私が読んだ物は岩波のだったと思います。古典児童文学は、少年たちの名前を紙上で発見するだけで、もえもえしてしまうのですが…(末期)この本を読んでいると心が洗われる気がします。

    1
    投稿日: 2006.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子どもだって、ときにはずいぶん悲しく、不幸なことだってあるの だ…。20世紀初頭。孤独なジョーニー、頭の切れるマルチン、腕っ ぷしの強いマチアス、弱虫なウリー、風変わりなゼバスチャン… 個性溢れる五人の生徒たちが、寮生活の中で心の成長を遂げる

    1
    投稿日: 2006.12.10