
総合評価
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powered by ブクログ長かった。 この作品は苦手。描写が露骨だし暴力的だし、登場人物みんな不幸すぎる。 世界の枠組みは好きだけど、それに至る方法、描写が嫌いすぎる。 私たちが気づかないうちに、世界がレールを切り替えて別世界に入り込んでしまっているのかもしれない。本筋からズレるが、私が毎日世界のレールを切り替えているつもりで生きていきたい。 村上春樹は世界を作るのが上手いのはすごいと思う。私も世界を作ってみたい。 天吾くんが村上春樹作品の中で一番まともな気がした。一番天吾くんが好きだと言ったら、村上春樹読む男の人は天吾くんとは似ても似つかない人しかいないから、男の人はそれに共感できないと思うよ、って言われた。確かに天吾くんが本好きなのは意外だもんね、 そういえば青豆さんの途中でコメディ全振りみたいになったところはどうしたんだろう。それで釣り合い取れると思ったんだろうか。 というか、この本は最後見直して書き直したりしたのだろうか。明らかに一筆書き感がすごい。 しばらく村上春樹はお休みしようかな。羊をめぐる冒険、買っちゃったんだよなあ。1Q84、挫折しそうになったけど、最後まで読み切ったの頑張ったと思う。
0投稿日: 2025.11.23
powered by ブクログ感想を書くには時間が経ちすぎている気もするが、、 青豆の話が読みたい時期と天吾の話が読みたい時期がまばらに来る感じが海辺のカフカと似ている ふかえりの美しさの描写はダンス・ダンス・ダンスのユキと似ていて好き さきがけの存在が突然シリアスな雰囲気を醸し出していて良い
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログあっけない最後 でもとても楽しく読むことができたので◎ 幹線道路の非常階段を探す、 高架下の工事現場のようなところをキョロキョロみてしまう妙な癖がついてしまった
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ村上春樹の作品を最新作から遡って過去作品まで、代表的なものは抜かさずに読んできたけれど、この本はなかでも幻想的で起承転結がある作品だった。 フィクションっていうのかな、、、良い悪い、面白い面白くないは別として、こんなにファンタジー味が強いのは今作が初めてだったかも。 私的村上春樹の良さって、彼の確固たる世界観なんだけど、だからとのキャラにも似たような言い回しとかあってもむしろ大歓迎なんだけど、今回に限っては「いやーその台詞はこの状況で言うかな」「この心理状態になるか…?」という、物語で勝負したからこその抵抗があった。 なんていうんだろ、もちろん既存の散りばめられた名言や美しい文体とかはそのままなんだけど、物語としての流れがある分そこに逆流としての抵抗が生じたというか。 だからあんまり好きになれなかったなー あとはやっぱり女性主人公の性描写が共感できなさすぎて、例えばノルウェイの森みたいに、あくまでも男目線での理想像を描くとかなら良いんだけど、物語として女主人公目線でがっつりああだとなんか、うーん、、ってなったな。ふかえりの役割とか特に。 まあ、総じて村上春樹節は効いててボリューミーでした。6冊は長かったけど、、笑
0投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
天吾はその光の中に足を踏み入れ、ほっと一息つくことができた。 そこにはもう死者の気配はなかった。 それは生きている人々のための世界だった。 たとえ、それがどれほど不確実で不完全な代物であれ。 この一節が、読後もずっと胸の奥に残っている。 物語の中でふたりがようやくたどり着いたのは、 1Q84でも1984でもない――おそらく“第3の世界”。 完全ではないけれど、ふたりが出会うために必要だった場所。 その世界が良い場所なのかはわからない。 けれど、たぶん、どちらの世界にも留まっていたら、 天吾と青豆は巡り会えなかった。 「不完全で不確実で、それでも光のある、生きている人のための世界」。 そう思うと、ほんの少し、心が安らぐ。 この物語を読み終えたあと、私は何度も夜空を見上げて、 月が一つだけ浮かんでいることを確かめた。 あちらではなく、たぶんここが私の世界。 不完全で、不確実で、それでも。 生きている人のための世界。
0投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログかなり前巻から時間がかかってしまった。 正確に2週間ほど読み終えるまでに時間を要した。 前巻では、世界の秩序やルールは無作為に且つ無慈悲に僕たちに襲いかかる。 それは自分がルールの蚊帳の外にいるというある種現代人じみたデタッチメント的思考である。 自分はルールの外にいるつもりだが、ルールから逃れることは出来ずそれが牙を向いた時にそれを自覚する。当人はゴーストライターや殺人を犯しておりよりルールと結びついた人間でありながら。 しかし、よく良く考得てみると、生まれた時から彼らはルールの中にいるのだ。 家庭であるとか学校であるとか、はたまた公園である。 そんな混在する個人のルールに自分自身が染まっていることに気づき、それを解きに行くのが5巻である。 天吾は父親を紐解き、母親の存在を受け入れ(それは解釈である)父と和解する。 青豆は自分の中に祈りやそれに近い何かが存在しており、それは家族で信仰していたある者をさす神という言葉ではなく、自分の中にただ存在している神である。 しかし、それらは解釈に過ぎない。 牛河が自分が醜い存在であると、自分を自分のルールで縛っている。 それは過去の幸せを家族の幸せを否定してしまうほどに彼を絞り取りそして腐らせてしまう。 まるで油を敷かずにフライパンで炒めるように。 それ自身の油はそれを上手く炒め上品に味付けする。 そんなふうに誰もが、外部、内部、個人のルールに則って生きている。 だからこそ、自分でルールを獲得しようと試みるのが本巻である。 新たに生まれた生命体(2人の子供)はその世界の無秩序なルールに晒されそうになる。 信仰団体さきがけに搾取されそうになる。 だからこそ彼らは自力で世界を変えるしかないのである。 個人や何かを縛り矯正してしまうそれは個人の血のにじむ精神力でしか変化させることが出来ないのだ。 天吾はそれを解釈し、青豆は夢想した。 それぞれがそれぞれの形で何かを見出し変子を求めたのである。 それが出来ないものは死んでしまう。 青豆の旧友、ポリスの友達、タマルが世話を任された人形造りの背が低い偏狭な男、そして牛河。 彼らはみなルールに溺れていきそして何かを見出し解釈を受け入れそして朽ちていったのである。 だからこそ、それに抗い…つまりは絶対に出会うことの出来なかった彼らは出会うことが出来た、彼らは世界を少し形作ることが出来たのだ。 そこにどんなルールが待っているかは知らないが。 そんなことを描いた本作であった。 いや、1ヶ月と半月がかかった。読み終わるのに。 楽しい日々だった。解釈、というか見方が固定されていく実感がありある種、この道を辿ってきただけのように思える。 解釈をする事こそが、つまり自分にとって融通の聞く解釈をして体系性を流し込むことこそが読書のように思えた作品であった。 村上春樹は、わかった気になっているということは何も分かっていないということと、言う。 それは正しく今の私の状況を指すのだろう。 与えられた100ではなく、与えられた50と生み出した50によって物語を作った実感がある。 素晴らしい小説である。 ちなみに、空気サナギ、リトルピープル。 彼らは何者なのか。あるいは何を表す現象なのか。 メタファーなのか。 私は死者が生まれた時に生まれる新たなルールであるとも、思う。 老羊が死に、教祖が死に、父が死に、牛河が死んだ時にサナギは生まれる。 そしてそれはリトルピープルが紡ぐ。 恐らく、いやあるいはそれは、何かのルールによって翻弄された人間が生み出した新たなルールなのだろう。 戦争が生み出した悲しみが戦争を産むように。 きっと死に至らしめる何かは別の形で今の我々に個人に引き継がれてしまっているのだと思う。 それはまだ分からないが。 だからこそ、そんな個人が語るルールや体系的な何かを無秩序に生み出し、それを肥大化した世界をリトルピープル、つまりは我々の中にいる何か個人的な秩序が世界にそれを広げて言っているのかもしれない。 いや、本当に分からないが。
1投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ今まで読んできた村上春樹の作品の中で、一番ストーリー性があった気がする。長かったがスラスラ読むことができた。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ最後までよくわからなかった。 3~6はかなり飛ばし飛ばし読んだ。 私には村上春樹は合わないようだ…。
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ヤナーチェックのシンフォニエッタを聴きながら読みました。村上春樹の本は2年ぶりに読んだけれど、歳を重ねるにつれて面白くなっていくなと感じます。文庫版は6巻までの構成になっていましたが、少しずつ内容がつながっていくところ、同じチャプターのなかで後になって話し相手の名前がわかるところがたまらなく面白かった。村上の作品に出てくる人物は博識な人が多く、つまり彼の知識がふんだんに使われているところも私にとっては素敵だなと感じます。内容に触れるのなら、私は中野あゆみとタマルがすごく好きです。
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログああ~~よかったー!!! 昔あんなに難しくてよく分からないと思ってた本を、楽しかったー!って読了できたの、大人ってこと??
1投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ世界はバランスである。そのバランスをある方向に導こうと働く者があれば(リトルピープル)、その寄り戻しが存在する。(ふかえり)一見偶然のように見えても、それは裏で突き進んでいる何らかの意志の現れである。 理解できないような形而上学的な設定を押し付けられる感じがとても良かった。現実世界に照らし合わせて理解できるような世界観では無いが、だからこそ味わえる不思議な恐怖や納得感がよい。 天吾の暮らしに憧れた。仕事は自分にとって最低限の幸せを手に入れられる収入をもらうためのもので、決まった時間しかなくて、仕事以外の時間で物語を書いたり読んだりする。塾講師いいなと思った。 天吾の元にきたふかえりはマザとドウタどっちだったんだろうか。
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ全部読み終わっての感想。 海辺のカフカに続き二作目の村上春樹。 登場人物たちが次第に寄り合い、ふたつの物語がひとつの物語になること、全部を説明しきらないことが村上春樹流なのだなぁと彼の作風理解がちょっぴり進んだ気がした。 世界が元に戻って、主役2人以外の登場人物の末路には全く触れずに物語が終わる。消化不良感もありつつ、2人がもう1Q84年に戻れないのであれば他の人々がどうなったのかなんてわかるはずもない、そう考えるととてもはっきりした終わり方であり、主役のはっきりした作品だと感じる。 そしてやっぱり手放しで面白かった!とはならないのも私にとっての村上春樹。なのにどういうわけか手に取ってしまうし読み進めちゃうんだよなぁ……文章が美しいというわけではなく(というとハルキストに怒られそうだけど)文章のリズム感と、さらっとクセのある表現にどんどん読まされてしまう、という感覚…… 特に3巻、4巻。展開が面白くてサクサク読んでしまった(マザとドウタがMotherとdaughterだと気づいたのもこの辺でした笑) 解せない、と思いながらも村上作品を読むのを辞められない時点で沼なのかもしれない……それもまた解せない。
1投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・青豆が人々の前で上手く微笑むことができないということにとても共感した。私も笑うことは笑えるが、ずっと歯並びにコンプレックスがあったお陰でいまだに自分の歯をむき出しにした満面の笑みには自信がないから誰かに無条件で褒めてほしい。 ・普段冷静な青豆が天吾のことになると我を失って突飛な行動に出る様を見ていると恋愛や誰かを激しく好きになることはいつだって筋の通らないことなのだと思う。それこそが恋愛なのだと。 ・第27章「この世界だけでは足りないかもしれない」この章が、本当に本当に良すぎた。あまりにも名場面すぎた。あまりにも心揺さぶられた。今まで誰からも本当に愛されたことも抱きしめられたこともなかった2人が、やっと、出会ってくれて本当に言葉には言い表せないほどの深く強い感情が私を揺さぶった名シーンだった。 ・第29章の待ちに待ちに待った2人の美しい再会のシーンは、世間一般に溢れるいかにも世俗的な「このまま時が止まればいいのに」という感情を最大限に拡張し、強く言語化し、濃密にし、読者に素晴らしい味わいをもたらしてくれるまたしても名場面となったと思う。本当に、心の底から相手を愛し、愛され、その人と世界で2人きり、そして時間を永遠に感じるような瞬間はこの世に生まれた最上級の喜び、そして意味そのものではないかと思う。私もそれに出会えることを人生のテーマにしたいくらい、美しく、最高の名場面であった。 ・青豆が天吾と出会ってから自然に笑えるようになったのがとても嬉しかったし、私も一緒にいて自然に笑えるような相手と人生を歩んでいきたいと思った。 ・最終章の2人のセックスシーンは、官能的な趣も多少はありながら、そこには2人が「初めて心も身体も深く繋がることができた」という感慨深さ、感無量の気持ちで溢れかえるような代物だったと感じる。こんなにもエロスより神聖さやハートウォーミングな気持ちが勝つ濡れ場の描写は貴重だと思うと同時に、私も2人のように心も身体も一体化するような愛の営みをしてみたいと強く思った。 ・また、夜の美しい営みの後明け方の窓際で2人が手を繋ぎながらただ一つの月の代わりに朝日が昇っていくのを見つめるシーンは、是非ともEd Sheeranの「How would you feel?」を流したいと思った。 最もエンディングはfull of Harmonyの「I Believe 」を流したい。 【まとめ】 『1Q84』全編を読み終えた感想としてまず言えることは、私の人生史において、至高の、これ以上ない作品に出会ってしまったかもしれないということだ。私はこの物語に出会う為に生まれてきて、この物語は私と出会う為に作られたのだと感じるほど、私の魂を揺さぶり、私の人生のテーマである「心の繋がり」と驚くほど合致したあまりにも素晴らしい作品だった。間違いなく人生一番の小説だと言える。今まで一番好きな小説と聞かれたら『スプートニクの恋人』であったが、それを遥かに上回ってきた。スプートニクでもかなり心を動かされ、生きる糧を得たと思ったが、『1Q84』はレベルが違う。私にとってこの作品は青豆にとっての『空気さなぎ』に値するくらいの代物だと言える。 とにもかくにも、1Q84は家庭環境に恵まれなかったという自覚がある人にこそ読んでほしい。愛着に問題があるような愛が足りていないような人にこそ読んでほしい。私にもそのような自覚があり、青豆や天吾の境遇や心情に深い共感を得ながら所々感情移入しながら読み進めることになった。それを踏まえた上での2人の最終的な深い感動的な結びつきは魂を揺さぶる以外の何ものでもなかった。全てが最高だった。 また、私個人の強い共感や好みだけでなく、ストーリー性にも優れていたと感じる。大筋は壮大なラブストーリーでありながらもミステリー小説のような謎や疑問、緊張感を持って物語が進んでいくため全6巻もあっても飽きずにむしろ次へ次へと期待感を煽られながら楽しく読み進めることのできる作品だった。 結局『1Q84』の「Question」よろしくその世界における謎は解明されきれないまま物語は幕を閉じたものの、それこそが1Q84であると納得できるが故に一般小説における不十分な種明かしによる不完全燃焼のようなものは感じず、完全無欠のストーリーだと感じた。少なくとも私にとっては完璧だった。こんな完璧な小説に出会ったのは初めてだというくらいに。 私はこの物語を愛している。出会ってくれてありがとう。こんな物語に、ずっと出会いたかった。
1投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ天吾と青豆がやっと出会った。時代を風刺したような場面もあり、リアルとフィクションの行き来が不思議な雰囲気を作っているのだと思う。表現が合うのか、おもしろく読めた。
0投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1〜6の感想 とても面白かった!!2人の視点がどこで交わるのか、2人それぞれのリトル・ピープルへの迫り方が予想できないので、ドンドン読み進めたいと思って(ほぼ)一気見してしまった! 度々出る意味深な物語・セリフは、更に私を物語に惹き込ませる重要な役目を担っていたし、何よりも村上春樹さんの文章がとても好きだった!♡ これが初★村上春樹作品なので、これからもっとハマりそう)^o^( 少し心残りなのは、7冊目も出して欲しかったな〜ということ。月が2つある世界からは抜け出せたので、物語は終結となっているが、青豆のお腹にいるのは一体何なのか?2人の周りにいる人達は元の世界(ではない別の世界かもしれない)でも同じような感じなのか?さきがけは元の世界では追ってこないのか?ふかえりはもう一度姿を現してくれるの?疑問がまだある中、物語の外に出されたので、その先の物語も読みたかったな〜というのが読後の最初の感想でした(゚ω゚)
3投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ○ただただ気持ちが悪い。ただの官能小説。 何回乳首すうねん、乳首ちぎれるやろ(笑) ○話がほーーーんとに進まない、どうでもいい妄想や想像の話で引き伸ばされててうっとうしい。 ○一冊に収まるくらいの村上春樹の想像の話は面白いんだけど、さすがにこの長さでかまされると、ほんとにしんどかった。 ○後半になると牛川の話が多くなるけど、牛川の話なんてまじでどうでもいい。それよりも、ふかえり、つばさちゃん、小松さん、老夫人、安田恭子のこともっと書いてくれよ(笑)どうでもいい話はあんなに長いのに、気になるところは読者の想像にお任せしますって(笑) ○牛川は、なんであんなにひつこく援助したがったんだ??よくわからない。 テンゴの何かを探りたかったんだろうけど、もう接触した時には、牛川全部解ってたようだけど。 明らかに、テンゴと接触してた前半とキャラ変わってたよな。
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(全巻同じレビューを入れています) ・・・ なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。 ・・・ 一番感じたのは天吾。 天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。 たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこともできました。 でも今回の天吾は家族構成、身体的特徴(柔道耳!)、大柄でスポーツも数学的センスも(実際は音楽センスも)あり、とにかく器用であることなど、非常に細かい設定であったと思います。よくも悪くも、自分を投影するキャラではなく、外から眺めるべき主人公でありました。 ・・・ もう1人の主人公青豆はややラフな作りこみで、彼女の家族の話は余り描かれず、むしろ柳屋敷の女主人やタマルなど、遊び友達の中野あゆみなど、周囲の際立ったキャラとともに物語を彩り深いものにしていたと思います。 もう1人、やはり出色のキャラは牛河でしょう。本作で一番印象深いトリックスター(という程ではない!?)だったかと。実は司法試験合格者とか医者の家の子だとか。こういうのは初めて読んだときに記憶に残りませんでした。 でも彼のこと、他の作品でどっかで読んだ気がしたけどどこで見たんだろうと、気になって仕方なく、googleで検索したら『ねじまき鳥クロニクル』 (1994)で出ていました。そうそう、「僕」の元を離れた奥様の兄の綿谷ノボルの秘書としてでした。 ・・・ その他、ふかえりの育ての親の戎野先生、編集者の小松など、かなりエッジのたったキャラが自然な形でそのポジションを占めていたと思います。 あと、17歳で文学賞を受賞したふかえり、あれは綿矢りささんが高校生で芥川賞を受賞したことの影響じゃないかとか、さきがけ・あけぼのってのもオウムの影響じゃないかとか、諸々想像させるところがありましたね。 ・・・ もう一つ。終わり近くまで殆ど考えませんでしたが、タイトルについて。 本タイトル、もちろんかのディストピア小説の『1984』を承けたものでありますが、本作は「9」「Q」になっており、一種のパラレルワールドへ迷い込んだという設定です。実際にはパラレルではないとの説明がありましたが。 で、天吾と青豆は会えそうで会えないすれ違いを、結構延々と、最後の最後まで繰り返すのですが、最終巻の第三巻に至ってまだ会えないところで、私気づきました。 そう、この物語は年末までに終わらねばならない。なぜならば、タイトルがそうだから。85年を跨がないように、タイトルが84年となっている。 実は第一巻は4-6月、第二巻`は7-9月、第三巻は10-12月とサブタイトルが振られています。そしてキチンをけりをつけるべく、収束していったことに感心した次第です。 上手く表現できませんが、何というか、タイトルの制約を内容に反映させた?ような作りが面白いと思いました。 ・・・ ということで村上作品でした。いやー長かった。10日間弱、読むのにかかりました。 ところで、私の初めて読んだ村上作品は『ノルウェイの森』(1987)でした。そして帯には『究極の純愛』とか何とか書いてあったと記憶します。 そこから20年を経て上梓された本作、これもまた『究極の純愛』と呼んでも良い作品であったと思います。 堪能致しました。
0投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1Q84のBOOK3~6の感想です。 牛河がメインキャラ入りしているのは驚いた。 哀れな最期だったけど・・・。 ふかえりが出てこなくなってから途端につまらなくなっちゃった。やっぱり動いてる時が良かったね。 青豆ぐらい激しく愛して、でもそれを受けいれる天吾・・・。 なんでだろう、不安にならないのかな。うらやましい。すてき。 以下はお気に入りの文引用です。 「明日の今頃、私はどこにいるのだろう(略)でもそんなのは些細なことだ。天吾がこの世界に存在しているという事実に比べれば。」 「説明されないとわからないのであれば、説明されてもわからない」 「靴は、利用されるだけ利用されて今は死に瀕した哀れな使役動物を連想させた。」 「セブンスターもそれくらいうまそうに吸われると本望だろう」 「ごく当たり前の生活?」 「いろんなものごとがまわりで既にシンクロを始めている。」 「うまく微笑むことのできない青豆をあとに残して。」 「私もいつかそこにあるような、物静かで順当な世界の一部になることができるのだろうか。」 「人は死者に自然な敬意を払う。相手はついさっき、死ぬという個人的な偉業を成し遂げたばかりなのだ。」 「「二人で月を見るの」「とてもロマンチックだ」」
0投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ村上さんの有名な代表作 1度読んでみようと思っていました 騎士団長殺しに似ていると思うところも多く 不思議ワールド スピ的なところも多いので好みが分かれる作者さんだなと思います
0投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ初めてこれだけ長い長編小説を読み終えました。 村上春樹の小説を初めて読みましたが、表現方法やストーリーが独特で、今までで一番難しかった小説であると同時に、何故か読み進めてしまう魅力がありました。 まずは、リトルピープルに関して明言されていなかったので、解説動画を見た上で個人の解釈でリトルピープルに関して書こうと思います。まずリトルピープルとは、「大衆の悪」だと思いました。自分は表に出ずに他者を使って都合の悪いことを排除していく存在。これは、「匿名の存在でSNSで誹謗中傷を行う」という現代のSNS問題に通ずると思います。そして、これに対して村上春樹は1Q84の中で2つの対抗策を提案しています。1つ目が”言葉”での対抗策(天吾)、2つ目が”暴力”での対抗策(青豆)。ただ、この2つの対抗策が有効であったかどうかは不明です。天吾と青豆はさきがけに命を狙われる存在で、実際に周囲の人間は被害を受けています。問題定義と対抗策を提示して、後は各々の思考で考えてみてと丸投げされた気分でした。リトルピープル以外にも、天吾の年上のガールフレンド・戎野先生・ふかえり・あゆみなど、風呂敷を広げて回収しきれていない話が多すぎてモヤモヤが残っています、、、 最後に、村上春樹の考えを書こうと思います。1Q84を読んで、村上春樹は虚無主義だと感じました。実際に天吾も青豆も人生は無意味なもので、ただ生きているだけの人でした。しかし、その中で唯一人生の救い(≒生きる希望)が「愛」であるとも読み取れます。さきがけに命を狙われた青豆が高円寺にとどまったのも、そこに天吾への「愛」があったからです。生きる事は無意味だが、無意味だからこそ、唯一「愛」こそが生きる希望と説いているような気がしました。 ※余談ですが、村上春樹はアンチ三島由紀夫らしいです。この2人は虚無主義ですが、三島が「人生は無意味だからこそ自殺すべき」と説いてるのに対して、村上は「人生は無意味だからこそ価値を見出す」と説いてるらしいです。
0投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログ初めての村上春樹の作品。中2から読んだから、ほぼ10年かけて読んだ伝説の小説 村上春樹の小説の読み方が分からず、抽象的な表現が多い本でもあることから、読み終わった時に掴みどころのない感覚を味わった記憶がある。 もう少し歳をとってから時間をかけて読みたいと思える作品
0投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログ(ざっとあらすじ) 唐突な第三者視点にびびった。読者視点。 牛河、青豆、天吾が高円寺にそろう。公園を監視する青豆がタマルと電話をしてココアを作り直した25分間。その間に天吾は公園をあとにして牛河もそれも追いかけた。見られなかった天吾。再会出来なかった2人。でもそれゆえに牛河にもばれずにすんだ。 牛河の張り込みが続く中、天吾は小松に会って「さきがけ」に誘拐された話の続きを聞く。空気さなぎは絶版。 牛河は天後の尾行をきっかけに月が二つあることに気づく。 公園で月を見る牛河を青豆は発見。思わず後をつけ、そのマンションに天吾がいることまで突き止める。これをきっかけに牛河がタマルにころされちゃう、かわいそう。 天後のお父さんが亡くなる。 牛河も亡くなる。 タマルが伝言をしてくれて、青豆と天吾はやっと公園で再会することに。 2人は手を握り合い、ほとんど話をせず心を通じ合わせる。三軒茶屋の資材置き場から首都高への非常階段を探し、のぼる2人。もとの世界に帰るために。辿り着いた高速道路、月は一つ。でも看板の虎が反対を向いているような気がする。ここは本当にもといた世界?タイミングよく通りかかるタクシー。高速を降りて赤坂の高層ホテルに泊まり、2人は月を見ながら愛し合う。 (感想) おお〜、全6冊、長かった。長かったけどサクサク読めたのすごい、読ませられた。そしてこんだけの長編で、大人になった2人が出会うのがラスト70ページくらいなのすごい。 青豆はこの世界を1Q84と呼び、天吾は猫の町、と呼んでた。それぞれ1人でこの世界に迷い込んできた2人が、2人で一緒にこの世界を出て行く感じが良かった。355ページ。 村上春樹が描く、めっちゃファンタジーの皮を被っためっちゃシンプルな愛の物語。心の奥に愛があれば大丈夫。愛する人が胸にいるから、愛する人と手を取り合うからこそ起こせる行動。 共に生きていきたいと思える人に出会い、その人とどんな世界でも生きていくこと。運命の人ならどんなに時間がかかっても、人力がかかっても、必ず出会える。世界を変えさせて、だな。めっちゃハルカミライやわ。ファンタジーからの純愛。てか純愛のためのファンタジー。 町も風も何もかも、もはや1Q84ていう世界さえも、この2人の愛のために作られたんじゃないかと思う。変わった世界に2人が来たんじゃなくて、2人のために世界が変わったんやぞ。と思えた。 青豆、天吾、牛河はそれぞれ天涯孤独で、親との関係やらを絶って孤独に生きてきた。そんな3人が運命に導かれて月が二つの世界に迷い込んでしまう。 ラスト、1Q84から脱出した青豆が、天吾と一緒ならこの世界がもといた世界じゃなくても大丈夫だって思った。愛だなと思った。この人とならどんな場所でも的なやつ。そのことにすごく長い長い経験を経て青豆が辿り着いた。回り道な気がするけど、経験したことは無駄じゃない。これが必要な年月だったんだ、と2人は感じていた。 天吾とお腹の「小さなもの」がそばにいてくれる青豆は、もう孤独ではない。 先の展開が意味わからなすぎて全く予想できなくて途中から予想するのやめた。(良い意味) そもそも空気さなぎもリトル・ピープルもマザもドウタも猫の町も何もかも意味が分からんけど、青豆がリーダーと対峙するとことか、牛河が着実に天吾と青豆に近づいて行ったところとか、ハラハラドキドキしたな。 天吾は父との関係性、青豆は柳屋敷の老婦人やタマルとの関係性を築く中で自分に向き合ったり人を大事にしたりしていた。安達クミなんだったんや。怖かったなあいつ。 牛河かわいそうだったな~ (すきなとこ) 「なあ天吾くん、一人の小説家として、君なら現実というものをどう定義する?」 「針で刺したら赤い血が出てくるところが現実の世界です。」と天吾は答えた。 人は死者に自然な敬意を払う。相手はさっき、死ぬという個人的な偉業を成し遂げたばかりなのだ。 フクロウくんは森の守護神で、物知りだから、夜の智慧(ちえ)を私たちに与えてくれる。 「論理の通らないことを論理的に説明するのはとてもむずかしい」 「そういうことだ。六本木のオイスター・バーで本物の真珠に巡り合うくらいむずかしいかもしれない。でもなんとか努力してみよう」 「ひとつ質問がある。今夜の七時にあんたと川奈天吾は滑り台の上で会うことになっている」 「うまくいけば」と青豆は言う。 「もし彼に会えたとして、滑り台の上でいったい何をするんだ?」 「二人で月を見るの」 「とてもロマンチックだ」とタマルは感心したように言う。 何を相手に差し出せばいいのか、相手に何を求めればいいのか、二人は力を持たず知識を持たなかった。生まれてから誰かに愛されたこともなく、誰かを本当に愛したこともなかった。誰かを抱きしめたたこともなく、誰かに抱きしめられたこともなかった。その出来事が二人をこれからどこに連れて行こうとしているのか、それもわからなかった。彼らがそのとき足を踏み入れたのは扉のない部屋だった。そこから出て行くことはできない。またそれ故にほかの誰もそこに入ってくることはできない。そのとき二人は知らなかったのだが、そこは世界にただひとつの完結した場所だった。どこまでも孤立しながら、それでいて孤独に染まることのない場所だった。
2投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ自分史上最長の長編だったので読み終えた後は達成感。。となっていた。 最初はどこに向かっているかわからない物語が中盤から青豆と天悟の2人の純愛物語と理解すると続きの展開が気になってページをめくる手が止まらなかった。 村上春樹にしてはかなり綺麗にまとまっている終わり方になっていて読み終えた後はそこまでモヤモヤした気持ちは残らなかった。 まあ1Q84年の世界がなんでもありな設定なだけあってそこまで気にならないというのもあるけど、 もう、クライマックスの展開の気持ちよさよ。。章区分の名前に天悟と青豆の2人が並ぶベタな演出も好き。 あとはタマルが個人的にはとても愛着が湧いた登場人物になった。 冷静沈着なプロなはずの彼だけど、なぜか最後に豆知識てきなことを小言で青豆や牛河に話すシーンが彼の人間性的な部分を表していて好きだった。(メタルギアシリーズの回線通信の会話みたいな。。伝わるかな、笑 読み終えてよかったなと思う作品でした。
7投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログひとつのことがきっかけとして、良くも悪くも大きく世界が変わってしまうことは実際にあると思う。それでも共に生きていけると思えるような誰かと巡り会って、世界も変えてしまいたいよな
1投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ全6冊、読み終わりました。村上春樹作品の雰囲気は残しつつ、哀愁は少なめで、とても素敵な物語でした。物語の解釈はいろいろあるのだろうなと思いつつ、比較的分かりやすい作品のように思います。久しぶりの村上春樹さんの作品、楽しませていただきました。
0投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログ有名現代日本小説のトップ3のような作品なのに、最後はくっつくようでくっつかない、もどかしい少女漫画を読むような気分になり、でもやっぱり読了後の今はいい小説を読み終わった後の心地よさに支配されていて…… 死ぬまでに全部読もうと学生時代から思っていた作品。読めてよかった。
1投稿日: 2025.03.28
powered by ブクログ美味しいものは最後にとっておくタイプです。 本書も文庫化されてすぐに買ったのですが、 読むのが惜しくて ずっと後回しにしていました。 6冊に及ぶ長い物語ですが、 1ページ目から最後のページまで、 中弛みすることのない面白いお話でした。 ひとは自分の進むべき道は 自分で決めていると思いがちです。 でも、そのときどきの環境や状況によって、 自分の意思とは関係なく、 流されているだけかもしれません。 もちろん勇気を奮い立たせたり 努力したりということはありますが、 頑張ったからといって うまくいくとは限らないものです。 まるで 何者かに翻弄されながら生きているようです。 主人公である青豆や天吾、 そして深田絵里子の 生い立ちにしてもそうです。 生まれる環境を選べないように、 その後の進路だって 選り好みできるわけではありません。 ひとり流れに身を任せるしかないのです。 それでも なにかひとつ執着できるものがあれば、 ひとは生きていけます。 それが青豆にとっての天吾であり、 天吾にとっての青豆だったのでしょう。 この物語に登場する人物はみな孤独です。 でも、それは当然のことです。 突き詰めればひとはみな、 孤独に生きるしかないのですから。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
3投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログ青豆と天吾が1Q84年(猫の街)を抜け出せたようで良かった。ふかえりやタマル、老婦人たちのその後が気になる。 読み始めた時はここまでファンタジーだと思っていなかった。ふわふわした感覚で読み進めるうちに面白くなってきて、最後は結構あっさり終わったなと思った。
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
年末年始で一気読み 長編読むのは久しぶり 当時すごいベストセラーの記憶だったからずっと読みたかったけど よかったかと言えば普通だった NHKの集金は天吾の父親? なぜ天吾の家と青豆の隠れ家、牛河のところに来たとか、牛河から出て来たリトルピープルと空気さなぎのその後等。 伏線回収しきってないとこあるけど物語としては完結してくれてよかった。 ただ、おおよそ予想通りの展開とオチだった。 村上春樹作品はもうしばらくいいかなと思った。
1投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログいまいち理解できなかった、、 青豆と天互が結ばれるまでの物語だとしか分からなかった ふかえりは良かった
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ宗教組織や青豆の生業など最後どうなるンだろうかという疑問は多々残るものの結局愛の力に収斂する不思議と説得力あるラストだった
0投稿日: 2024.12.15
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読み切った‼︎達成感‼︎ 物語がゆっくり進んでいって、どこまでも読める感じがすごかった‼︎ タマルやさきがけの人達はどうなったのかなと思う所はあるけれど、それが気にならないくらいに気持ちよく終わった。純愛小説。
2投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログ全館制覇した達成感と、大好きな村上春樹さんの疲労、世界観のくすみを感じてしまいました。 いつかもう一度読んで、自分がどう感じるのか確かめたいと思います。
0投稿日: 2024.11.13
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青豆と天悟、ようやくふたりは巡り会えたんだね。 このふたりでならどの時代でも、どんな場所でも生きていける。なんてロマンチック。
0投稿日: 2024.10.13
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約10年ぶりの再読。 あっというまに読んでしまった。これだけ長い話はけっこう時間かかるが… なんといってもキャラの濃さ。特に牛河。 青豆とてんごは出会えてよかった。世界はもとに戻ったようだが、その世界でどんなふうに生きていくかは想像がつかないな。 全ての流れが、伏線として最後の結末に集約したのはよかった。運命として決まってしまっている物事としての人生。そして、その中にあって、全く予想外のことが起こること。運命と真逆の存在。 その両方が、同時に存在すること。 その中で葛藤しながら生きる人々。 現実と離れているようで、実は現実のような物語。村上春樹の力は偉大だ。
0投稿日: 2024.10.08
powered by ブクログありえないのに、それがあり得ることもあり得なくないのかなってふと思っちゃうくらい自然な描写で描かれていてすごく良かった。 やっぱり村上春樹は、1人の人間についてどんなに描写しても、どこかしらに謎を残したり説明せずに寂しさとか孤独を表すのがうまい。 なんだろう、天吾と青豆は夢想家でもないのに、小さい時の一瞬の感覚をずっと忘れてずに思っていられてることが不思議で素晴らしい、けどそれをあり得ないと思わなせないの
0投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログ村上ワールドが終始すごかった。よくある現実世界に設定が付け足されたようなものではなく、著者によりまったく新しい世界が構築されている。しかしかといって、遠く離れた空想的な世界の物語のようにも感じさせない。まるで自分が主人公らとともにその世界に移動したことを錯覚させる、吸引力がその物語にあった。今夜月を見ようと思う。
0投稿日: 2024.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
10歳の頃恋に落ちた2人が、その後お互いを追い求めて1q84のパラレルワールドに迷い込み再び再開を果たす真っ直ぐなラブストーリー ただその間にさまざまな問題や事件が発生し非常に面白かった 個人的に謎な部分は ・あゆみは誰に殺されたのか ・天吾と会っていた年上女性はどこに行ったのか、スパイだったのか? ・2人が元の世界?に戻ったあとqの世界はどうなったのか ・天吾の父親が植物人間状態の中青豆と牛河の家をノックしていた理由 などなど あげるとキリがないが、再読してみようと思う
0投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログこれが村上春樹作品の良さなのかも知れませんが、最後の方は結構お腹いっぱい、若干間延び感を感じてしまうくらいに描写が細かかった。 5からは牛河視点も入って同じ事柄に対しても見え方が違ったり、絶妙なすれ違いがあったり、そこの面白さは終始ドキドキを感じられました。
0投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログ今まで読んできたいくつかの村上春樹作品とはだいぶ趣が異なる作品だなと感じました。ストーリーや展開がより作り込まれてる一方で、想像力を要する要素はだいぶ抑えられてる感じがしました。これだけ長編の作品を読んだのは久しぶりだったので、心地良い疲労感のようなものを感じてます…
0投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログとにかく長かった。 前半は起きている事に対して同じことを3つの視点でひたすら焼き回しのように語られるので、さすがに省略してほしいと思った。 物語が動き出す後半は一気に読書スピードが上がった。 全体通して表現や演出はとても面白かった。 発想も普通じゃないし、やっぱりこの作者は凄いと思った。 ただ同じくらい苦痛もあった。とにかく回りくどい表現が多く長い。読むのが辛かった。そしてストーリーも正直面白いとは思えなかった。 不思議な世界観に浸れるという意味では良かった。
0投稿日: 2024.08.01
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綺麗でした。 2人が会えてよかった。小さいとき、ただ手を繋いだ経験が焦らされて20年が経って、2つの月に見守られながらもう一度。 20年が必要なものだったのかもしれないし、20年のまま会わない方がいいのかもしれないと思った。 けど、2つ目の月は青豆と天吾の2人のために用意された物だし、1q84年は、猫の町は、ふたりが会うためのモラトリアムの世界だったのだと思いました。 戎野先生も、ふかえりも、穏やかに生きていて欲しい。 ふかえりはとくに、1q84年の道具だけじゃなかったと思いたい。ふかえりに会いたい!
0投稿日: 2024.07.21
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ついに物語を全て終えた。これは天吾と青豆の純愛のお話だった。運命とはとても入り組んでいて、なかなか出逢うのは難しい。けど、強い思いは必ず叶う。それをどれだけ強く、辛抱強く思えるかどうか。あの2人は20年間の歳月を乗り越えて、1Q84、猫の町を抜けて出会うことができた。それは読者として、とても嬉しかった。 感想を書くのも難しい。この作品は読んだ人とあれこれ話してどんどん深めていきたいという気分もある。個人的に牛河は嫌いじゃなかった。あの人間らしさは個人的には好感を持つことができた。 この作品は全員が人間らしくて良かった。読了できた経験はかけがえのないモノです。
0投稿日: 2024.07.20
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天吾と青豆、二人がハッピーエンドで終わって良かった。 1984をもじっていたので、ディストピア的な世界観かと思っていたが、(残酷な描写はあったが笑、)概ね綺麗で美しい世界だったかなと。 結局、空気さなぎが何だとか、ふかえりはマザとドウタどっちだったのか、さきがけとの関係は終わったのかなど、謎のまま残っていることもある。
0投稿日: 2024.06.01
powered by ブクログ読了。引き込まれるように6冊を読み切った。たった9ヶ月の物語とは思えない壮大なストーリー。村上春樹で、惹かれ合う2人がきちんと結ばれる結末は初めてのように思う。 ストーリーを理解した上で、少し時間を空けてもう一度読みたいなと思う。
0投稿日: 2024.05.24
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村上春樹にしてはシンプルで王道な筋だった気がする。起承転結がはっきりしてて、良くも悪くもいつもよりも単純なSFストーリーで、軽い気持ちで読み進めていった。 ただ、再会のシーンからは明らか文章に気合が入ってて、ものすごく美しくて魅力ある文章を楽しめた。 今思ってみれば、長すぎだろと思いつつもなんだかんだ続きが気になっちゃってたから結構引き込まれてたんだな
2投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
著者は、この小説を“短編小説「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」と基本的には同じ物語です。少年と少女が出会い、離ればなれになる。そしてお互いを探し始める。単純な物語です。その短編をただ長くしただけ”と、ニューヨーク・タイムズ(2011.10.23)のインタビューに答えたということだけど。 終わってみれば、本当にそういう話w 呆気にとられちゃうくらい、単純な話だった。 ていうか、あっけらかーんと単純って言った方がいいかも? リトル・ピープルとは? 空気さなぎとは?と考え、 パシヴァとレシヴァ、マザとドウタに頭をこんがらがらせながら読んでいた自分を鼻で笑っちゃったくらい、単純で定番のラブストーリーで。 言ってみれば、昔のトレンディドラマ(←死語w)を、エヴァンゲリオンで味付けしたような話? つまり、日本の90年代サブカルチャーを総ざらいしたような話だなぁーって思った(^^ゞ だって、1Q84世界から1984年に戻った(のか?w)天吾と青豆が泊まるホテルが、“赤坂にある高層ホテル”だよ。 それって、赤プリだよね? (残念ながらw)詳しいことは知らないんだけど、赤プリって、確か90年代くらいはカップルがクリスマスイブにエッチするor結婚式の夜の定番(90年代だと初夜とは言わない?w)だったんじゃなかったっけ? そんなわけで、赤坂にある高層ホテルに部屋を取った天吾と青豆が無事エッチしてw、昔のトレンディドラマのセリフにもなかったようなアホバカな会話をかわしたその後。 明け方にワインを飲みながら一つの月を眺めるシーン辺りから、頭の中でバーシアの「ニュー・デイ・フォー・ユー」が流れ出しちまったじゃねーかよっ!(^^ゞ ♪It's gonna be a new day for you a new day for you The stars have played their part the past is gone and done Have more faith in love the best is yet to come〜〜〜って(爆) ていうか、「ニュー・デイ・フォー・ユー」の歌詞って、この展開にミョぉ〜にピッタリでw 青豆ちゃんも、ジュンコ・シマダのスーツなんて着てないで、バーシアみたいなふわっとしたスカート穿いてクルクル回ってろ! な〜んて思っちゃっいましたとさ。 めでたし、めでたし(^^ゞ ていうかさ。 バーシアもさりながら、このラストに一番ピッタリなBGMって、「世界はふたりのために」だよね? ♪ふ〜たりの〜ため〜 せ〜かいはあるのぉ〜 ふ〜たりの〜ため〜 せ〜かいはあるのぉ〜〜〜って(爆) そういえば、ウィキペディアの『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のところに、“東浩紀は、本作(世界の終りと…)が1990年代後半以降の「セカイ系」の基本フォーマットになったと語っている”と書いてあるけど、そういう意味では『1Q84』がもろセカイ系の話という意味でも、90年代サブカルチャーの総ざらいだと思う。 個人的には、そのラストがいいのか、どうなのかよくわからない。 だって、「馬っ鹿クセぇー、ラストw」と思ったのは確かだけど。 一方で、「まぁー、よかった、よかった。めでたし、めでたし。アハハ」と心の中で拍手しちゃったのも事実なんだもん(^^ゞ そんな風に思っちゃうのは、やっぱり、『1Q84』はジョージ・オーウェルの『1984年』のオマージュとか、オウムや統一教会等90年代に大問題になった宗教の恐ろしさがテーマになっているみたいな、事前の先入観があるからだろう。 ウィキペディア『1Q84』のところに、“ジョージ・オーウェルの近未来小説『1984年』を土台に、近過去の小説を書きたいと以前から思っていた”。 さらに、“地下鉄サリン事件について(中略)裁判の傍聴を続け、事件で一番多い8人を殺し逃亡した、林泰男死刑囚に強い関心を持ち”という著者の言葉があるけど。 それなんかを読むと、この物語における林泰男って誰なんだろう?って思ってしまうんだよね。 普通に考えればそれは「さきがけ」のリーダーになるんだろうけど、リーダーの林泰男的行為って、ほとんど書かれていないわけじゃない? むしろ、女性に不当な暴力行為をしている男を自らの体験に基づく信条で殺しまくっている主人公の一人である青豆と、同じ理由から自分がしていることは正しいと狂信して殺す相手を指示して殺すお膳立てをしている柳屋敷のマダムこそが、この物語における林泰男だ。 著者は、“ごく普通の(中略)人間がいろんな流れのままに重い罪を犯し、気がついたときにはいつ命が奪われるかわからない死刑囚になっていた——そんな月の裏側に一人残されていたような恐怖」の意味を自分のことのように想像しながら何年も考え続けたことが出発点”とも言っているんだけど、つまり「1Q84」世界というのは、自らの正義を信じすぎて人を殺しまくった青豆が一人残された“月の裏側”を表しているってこと? でも、青豆は林泰男と違って、自分がしてきた殺人を後悔してはいないわけじゃない? とはいうものの、ゴルゴ13じゃないけどw、人殺しである主人公に思い入れをしちゃう話なんていくらでもあるわけだ。 それは、設定やストーリー等を現実から乖離させることによって、そこで描かれる人殺しも、たんなる面白く読めるお話と思わせるようにつくっているから、読者は人殺しの主人公に思い入れられると思うのだ。 そう考えると、この『1Q84』は、自分がしてきた人殺しを後悔しない青豆を、運命の相手を探し求めるという定番ラブストーリーのヒロインにすることによって、読者はすんなり二人に思い入れ出来るようにしたということなのだろう。 そういう点でも、この『1Q84』は、”少年と少女が出会い、離ればなれになる。そしてお互いを探し始める。単純な物語です。その短編をただ長くしただけ”、という著者の言葉は正鵠を射ているように思う。 つまり、リトル・ピープルって?、空気さなぎって?、パシヴァとレシヴァ、マザとドウタって?と読みながらいろいろ考えてしまうのは、この小説を読ませるためのエンジンにすぎないってことなんだろう。 それは『みみずくは黄昏に飛び立つ』で村上春樹が言っている、“これまで僕が四十年近く小説を書いてきて(「何だ、この話は」みたいに感じてもおかしくないのに、読者がついてこれるのは)、決して読者を悪いようにしなかったから”、ということに通じているんだと思う(注:カッコ内はインタビュアーである川上未映子の言葉)。 今の日本人は、ある程度の教育を受けているし。また、高度情報化社会ということもあって、誰もがほどほどに賢いから。 馬鹿馬鹿しいストーリー、あるいは、(コンテンツ商品として)出来の悪いストーリーに拒否を示す傾向が強い。 村上春樹という作家は、もしかしたら、そのような、ほどほどに賢い今の日本人が拒否しがちな陳腐な定番ストーリーを面白く読ませることに長けているのかもしれない。 ただ、一方で村上春樹って、そんな単純な善人の作家なのかなぁー?という疑問もある。 『みみずくは黄昏に飛び立つ』なんかを読んでいると、意外なくらい普通の人なんだなぁーって思うんだけど。 普通の人だからこそ、普通に世評に対する反発や怒りを持っていて。それを小説のそこかしこに、一見わからないように散りばめているような気がしてしょうがないんだよね。 もっとも、作家に毒がなくなったら終わり、ではあるんだけどさ(^^ゞ そんなことはともかく、この『BOOK3:後編』は、第19章の牛河のパート〜第20章の青豆のパートの展開が見事だ。 牛河は、天吾が住むアパートの空き部屋を借り、そこに青豆が現れるのではと出入りする人を監視している。 ある日、アパートに帰ってきてすぐまた出かけた天吾を牛河が尾行すると、天吾は青豆の隠れ家が見える公園に行く。 公園の滑り台の上で、天吾はしばらく空を眺めていた。 その様子を不思議に思った牛河は、天吾と同じように滑り台で空を見る。 そこで、月が2つあることに気づいて愕然とする、…までが牛河の19章。 続く青豆の20章では、日曜日の夕方、青豆は隠れ家である高円寺のマンションのベランダから天吾が再び現れることを期待して下の公園を眺めようとすると、タマルから電話がかかってくる。 タマルと電話で話している時、下の公園の滑り台に天吾がいるのだが、青豆はそのことはもちろん知らない。 電話を終えた青豆がベランダから下の公園を見ると、そこにいたのは子どものような男(牛河)。 その特徴的な外見からタマルが言っていた、自分を行方を追っているらしい福助頭だと察した青豆はとっさにその男の後をつける。 その福助頭はあるアパートに入っていく。 青豆はそのアパートで、天吾の名字である川奈という表札を見つける。 いやぁー、この展開はうまい! 思わず、「うっほー!」ってニヤけちゃったくらい。 こういうところは、さすが村上春樹だなぁーと思う(^^ゞ ていうか、ここまでうまい展開って、村上春樹はむしろ書かないタイプなんじゃない? この前に読んだ『ねじまき鳥クロニクル』以外はほとんど記憶ないないんだけど、こういう展開の妙で読ませるみたいなのはなかったように思うんだけど、どうなんだろう? それはともかく、そのあまりに「うっほー!」すぎるこの展開で★一つ増やした(爆) 「猫の町」こと千倉のくだりが、またいい。 第21章と第24章で、天吾は千倉で死んだ父親を見送るわけだけど、「猫の町」である千倉はここでも天吾に優しい。 いや、その優しさは世間の身勝手で無定見、かつ無責任な優しさではなく、天吾を大人の男としてみる、言わば、人生を歩むもの同士の優しさなのだ。 そんな人たちに見守られ、天吾は天吾なりに父親を受け入れる。 ま、村上春樹というのは、『風の歌を聴け』や『1973年のピンボール』のような小説で作家になっていった人なわけだ。 そういう意味で、第21章と第24章のような内容を小説として書かないのが信条の作家なんだろうなって気がするんだけど。 ていうか、そういう小説に反発を感じていたからこそ、『風の歌を聴け』や『1973年のピンボール』のような小説を書いたんだろう。 そういう反抗心や、いい意味でのひねくれ根性はとってもわかるし。 また、あの時代だからこそ、『風の歌を聴け』や『1973年のピンボール』のような小説を書きたかったというのもわかる。 面白いことや気持ちよく読めることは大事だと思うんだけど。 でも、読むことで読む人が自分を顧みる箇所があるかないかっていうのは、それがよい小説か否かの分かれ目であるように思う。 もっとも、天吾は村上春樹の小説に出てくる、いつもの男だから(^^ゞ 安達クミに、「天吾くんにとっていちばん上手にできることって、どういうことなのかな?」と聞かれても、「わからない」「本当にわからないんだ」と言うばかりだし。 「それよりも先のことを考えたほうがいい」という安達クミの言葉を思い出しても、“その理由を正しく知ることによって、おれはひょっとしたらどこかに行けることができるかもしれない”と、相変わらず屁理屈を理由にして受け身のままだ。 牛河は結局、タマルに捕まって殺されてしまう。 村上春樹という作家はそういうところ、本当に冷淡で残忍だ。 自らの美意識に合わない登場人物や価値観に反する物事は徹底的に貶めて描くし、それに対して非情だ。 もちろん、それは村上春樹特有のユーモアで。茶化して遊んでいるんだとは思うけどさw いかにも左がかった考え方をする人がしがちな傾向って感じがしちゃって、正直言って好きじゃない。 その牛河のパートの最後、第28章のラスト、牛河の口が開いて。そこからリトルピープルが出てきて空気さなぎをつくりだすという展開が、なんで著者はそんな風にしたんだろう?と変にしっくりこなかった。 いや。そこがわからない以前に、読んでいてわからないことすらわからなかった展開がいくつもあるんだろうけどね(^^ゞ とはいえ、そのしっくりこなさが無性に気になって。 村上春樹に「そういうのが一番つまらないことだ!」と怒られちゃいそうだけどw、そこについて書かれているネタバレサイトがないかと探してみた。 結局、そのことに触れているネタバレサイトは見つけられなかったんだけど。 でも、それら、いくつかのネタバレサイトに書かれている他の人たちによる『1Q84』の感想と考察を読みつつ考えていたら、ふと、「あ、そういうこと?」と思いついたというのもあって。ネタバレサイトを見るのも、あながち悪いことばかりでもないんだなと考えを改めた。 ただ。 あとで思ったけど、牛河は著者にとっては自らの美意識の外にある登場人物だから、たんにギャグとして貶めただけなのかもしれないとも思う。 そして、そんな『1Q84』も、いよいよ、天吾と青豆が再会する、なんともトレンディドラマな展開に突入するわけだが┐(´д`)┌ まぁー、最後、「めでたし、めでたし、アハハ」だったのはわるくはなかったかな? もちろん、「あー、バカバカしくてやってらんね…」っていうのもあったけど(爆) もっとも、これは著者の言うように、“少年と少女が出会い、離ればなれになる。そしてお互いを探し始める。単純な物語です。その短編をただ長くしただけ”という、たんなるラブストーリーなわけで(^^)/ ラブストーリーである以上、ラストはちゃんと陳腐な定番で締めた方が楽しめるというものなのだろうw ていうか、これって、なんで映像化されていないんだろう? 長い話だから映画だと中途半端なものにしかならないだろうけど、ドラマで、かつラブストーリーに徹してつくっちゃえば、定番過ぎる話だからこそ、映えるドラマになるような気がするんだけどなぁー。 最後は12月なんだから、ラブストーリー定番のクリスマスイブの夜にしてさ(爆) あ、ただ、クリスマスイブだと月齢的にキツイのか? (ちなみに、1984年12月の月齢をネットで見てみたら、24日は新月の次の次の日だった) でも、ま、12月の高級ホテルなら、絶対、豪華なクリスマスツリーはあるだろうしね。 ラストは12月の中旬くらいにして、ツリーでクリスマスムードを盛り上げて。 殺し屋改めラブストーリーのヒロインとなった青豆ちゃんwが天吾に「今年のイブは天吾くんと2人きりよ」とかなんとかかんとかのたまう、「キャー! めでたし、めでたし」みたいなドラマ『1Q84』もいいんじゃない?w だって、この『1Q84』というのは、100%そういう話なんだもん。 きっと、リトルピープルも「ほうほう」祝ってくれるよ(^^)/
4投稿日: 2024.05.02
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ノルウェイの森と同じかそれ以上に有名な村上春樹の名作の一つ。やっと読み終えることができました。おそらく人生で読んだ中で最も長い小説で、読み終えるのに、かれこれ1ヶ月以上かかってしまいました。 世界観や主人公ふたりの関係性は、読んでいて引き込まれるほど魅力的でした。小学生の時にたった2年間だけクラスが同じだっただけで、特に親密な交友があったわけではないのに、20年もの間お互いを想い続けたふたりの運命が、1Q84と名付けられた世界で少しずつ交錯し交わっていきます。 最後はちゃんと再会できて良かったです。村上春樹なら出会うことなく終わらせそうだったので安心しました笑。終わり方も村上春樹にしては綺麗に終わった方だと感じます。 一方で物語自体の進行が遅く途中で読むのが億劫になってしまいました。特に5巻は牛河の視点も増えたため、同じ時間軸の話を別の視点で繰り返すところがあり、ちょっと読むのがしんどかったです。ただ6巻ではサクサク話が進むようになり、気持ちよく読み終えることができました。
2投稿日: 2024.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全てを読み終わった後、他の登場人物(特にふかえり)はどうなったのか少し気がかりになったが、それより2人(3人)が無事に異なる世界へ辿り着いたことに安堵した。 6巻あったが疾走感がすさまじく、いつもの村上春樹の物語より非常に読みやすく、素敵なラブストーリーだと感じた。
1投稿日: 2024.03.10
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「猫の街」は月が2つ浮かぶ世界のことで、2人は離れながらも同じ方向を向いてこの世界を抜け出そうとしていたことが印象的だった。最後に二人がいた世界がどんな世界なのかはまだわからないが、ハッピーエンドを迎えられたのは良かったと思う。 長編を通した2人の思慕の物語の中で、牛河は最後に加えられたスパイスのようなものだったのかと思った...。
0投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ついに完走を遂げた。 フルマラソンを走り切った時の、痛みも疲労感もなく、思っていた以上にさわやかに幕を閉じた。 こんなラブストーリーが他にあろうかと思えるほど、素敵なラブストーリーだった。 大きな大きな、そして危機的な回り道だったからこそ今が尊い。 教育実習から帰ってきたら、近くのアパートに住んでいた友達があちら側の世界に行っとしまった。寂しかったんだろう。月が二つの世界には誰でも入れる。ほんの少しの心の隙間に使者は訪れる。 1Q84.猫の町の謎は解けない。でも、1984と違う論理の世界だから、その矛盾や謎を明らかにしようとすり必要はない。 青豆と天吾、本当によかった。 個人的にはふかえりにもう一度会いたい。
36投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログついに完結。 世界観を楽しむものだから、終わりはどうだっていいんだけど、それにしてもあっけなく終わった。 ふかえりはいつの間にか退場してたし。
3投稿日: 2024.01.17
powered by ブクログ長かった〜!が一番にでてくる感想 世界観に引き込まれ先が気になり6巻まで読み進めたけど、最後はなんとなく不完全燃焼な気持ち。きれいにハッピーエンドでまとまったけど結局わからないことばかり、天吾と青豆以外の人たちはいったいどうなったの…? 村上春樹作品、私には難しかった
5投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ23年秋頃からBOOK1〜を読み始め、24年1月1日にBOOK6を読了。村上春樹特有のお洒落な雰囲気はやはり良い、が、いささか長すぎるかも。個人的に、タマルと牛河がお気に入り。青豆は『師匠シリーズ』の京介や、『よつばと!』の虎子をイメージして読んだ。そのうちもう一度読みたいと思える傑作。
2投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1巻から6巻読み終わるまで、生活の何をしててもこの世界の事が気になってしまって、完全に引き込まれていた。 ずっとこの本の存在は知っていたけど、ここまで壮大なラブストーリーだとは思わなかった。 まさに、青豆が望んでいた運命的な出会いだった。 2人で月を見上げて、手を握り存在を確かめ合う。 その瞬間には時間は無くなり、ただ2人だけの世界が来る。素敵だった。 複数の視点で物語が進んで、世界で何が起こっているかの輪郭が浮かび上がってくるのは現実でもそうだし、むしろ自然な形とも言えるのかなと思った。 今作含めて村上作品を読んでいて感じるのは、過去経験した喪失だったり孤独感を抱えている登場人物が多くて、その人達は大抵タフで優秀な人が多い。 悲しみを背負って生きるにはタフにならなければいけなかったのだろうけど、強く、聡明で、タフで、クールであろうとする人は本当に眩しいし、そうありたいと強く思う。パワハラで社会にでるのが怖くなった自分に勇気をくれた。 2人の居る世界は2人が信じる世界になったところで、 ふかえりと戎野先生はその後どうなったとか、安達クミの再生とは何か、リトルピープルやさきがけの今後など、まだまだ気になる事がある。 今後の人生で絶対再読したくなるタイミングが来る物語だった。その時の自分にとって、この物語はどう作用するのだろうか。
5投稿日: 2023.12.10
powered by ブクログまず初めて村上春樹作品に触れ、完走できたことを良しとしたい。ファンタジー?っぽいものだと思ってなかったから、受け入れるのに時間がかかったかも。最後の方は駆け足で過ぎ去っていって、勝手に置いて行かれちゃった感じがした笑
2投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あー読むの疲れた!初めからファンタジー小説だと思って読めばもう少し楽しめたと思う。解説とか一通り見たけどわかんないものは説明されてもわからないわ。
2投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
10年以上振りに2回目を読み終えた。 村上さんが自身のエッセイで 「1Q84は途中から青豆が勝手に動き出したせいで思いの外長くなってしまった」と仰っていたのを見かけ その目線でもう一度読みたくなったから。 本書の登場人物である天吾も自身の中にある物語を描いていく訳であるが、 自分の中に物語があるというのはどういう感覚なんだろう?村上さんにしても天吾にしても、私のような凡人にはわからない世界が自身の中にきっと広がっているんだろうな。 村上さんの作品を好まない方に理由を聞くと「結局意味がわからない」と返ってくることが多い。 たしかに、本書においても空気さなぎとは?リトルピープルとは?パラレルワールドでなければ1Q84年は何なんだ?と、明確な答えがわからない部分が数多くある。 しかし村上さんの作品においては、それが結局何であれ作品自体は変わらず(捉え方によってはハッピーエンドともバッドエンドとも捉えられてしまうような作品もあるが、それであっても)、なんならもうそれは何だっていい気がする。私はそんな村上さんの作品の空気感が大好きだ。 1Q84はそういった意味では比較的わかりやすいハッピーエンドではないだろうか。読後は穏やかというか、温かいものが広がっていくというか、そんな気持ちになれた。 天吾と青豆が巡り合う描写はこちらも時が止まってしまったかと思うほど、本を読んでいる私の周りの空気も一変させられてしまった。
3投稿日: 2023.11.05
powered by ブクログあまりにもファンタジー色が強くて、自分の好みではなかった。何冊も頑張って読んだから、最後にはクリアな教訓みたいなものが得られることを期待してたのかも。
2投稿日: 2023.10.14
powered by ブクログ物語るということのユートピア性を描いたのだ,そして物語と日常は地続きなのだという主張と解釈する.いやいや,ありのままを楽しめよ,と仰るかも知れないが,咀嚼しないと茫漠として掴み所がなく,サラサラと流れ去ってしまう.嗚呼難しい.
2投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログ長編小説は好きですが、初めての村上作品だったので やっと読み終わった…!!というのが 一番の感想でした。
2投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログ読んでよかった。ハッピーエンドな終わり方に安心した。戻ってきたのか新たな世界なのかは分からないけど… 1Q84はファンタジー色が強くて、軽くさくっと読めちゃった。でも、ファンタジー中心のストーリーの中に、現実にある宗教の問題も絡めていてとても面白かったな。
2投稿日: 2023.09.19
powered by ブクログついに読了。 刊行時、ニュースで話題になってたが 長い時を経てやっと読んだ。 よく、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を自分の事が書いてあると言う 人がいたと言われる。 この本は、まさしく私の事?と 厨二病的に入り込んでしまった。 1984年深田絵里子17歳。(私はこの世代) 1984年青豆30歳 当時大人だった人は青豆のファッションが涙が出る程懐かしい。 高校生から見たら憧れの大人。 10歳の時に青豆は天吾の手を握る。 私に限らず、誰もが初恋の人というものは 忘れられないもので、似たようなシュチエーションを思い出すだろう。 教室の匂いとか、風景とかも。 固定電話しかなかった頃、3回鳴らして 切ってかけ直すなどの合図も、 「あったあった!そうだった!」 何度も出てきたヤナーチェックの シンフォニーエッタも、、 「あ〜これか〜!」と確認。80年代に 流行った洋楽も、、くーっ懐かしい。 頭の中で音楽が鳴り響く。 そして、、 今、問題になってる宗教二世問題。 小児性愛や性加害。 昭和の時代に増加した新興宗教の闇。 NHKをぶっ壊せで明るみになった 集金人問題。 フィクションとしてファンタジー小説。 だがしかし、かなり勇気を持って社会問題に切り込まれている。 「これ私のこと?」ではなくとも 「本当にあったのでは?」と思いたくも なるような昨今の情勢。 現実世界と、異次元の1Q84(猫の世界) もしも、ゲートが開いたら、私なら 別の世界ではどんな人生を送っているの だろう?と思いは馳せる。 そして、最後、これから20年後 50歳になっても、、と言う青豆の言葉。 はい。私が今その世代。 2023年だから、来年は1984年から 40年を迎える。 青豆と天吾は、現在69歳。 孫あたりがまたリトルピープルに狙われたりしてないだろうか?フカエリ世代? 妄想がどんどん広がる。 (毎度思うが、乳房の表現が多いな〜)
2投稿日: 2023.08.26
powered by ブクログいよいよ1Q84も最終章です。本作は新たに牛河編なるものも始まります。牛河は、教団リーダーが殺された件を受け、青豆と天吾の足取りを追う話になっている。 今まで以上に不思議な感覚に誘われるストーリー展開になっていました。 今どんな世界にいるのかが読んでいてわからなくなってきます。村上作品の中でも飛び抜けて不思議な感覚になりました。 結末は言いませんが、ラストはふんわり終わったなというのが印象です。
1投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログものすごい世界だった。 ちょっとまだ咀嚼できてないところはあるけど、 青豆と天吾がこれから守っていってくれるはず。
2投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一見関係なさそうな事がどんどん繋がっていって面白かった!最後の展開は、青豆とてんごのお互いに対する深い愛が生々しくも美しかった。さきがけと呼ばれる宗教団体や、NHK集金人のお父さんとてんごの関係は、実際のこの世界にもある「生きる難しさ」を表しているようで、ファンタジーなのにリアルだった。 マザとドウタの関係は?リトルピープルとは?年上のガールフレンドや仲良くなった婦人警官はどうして彼らの前から来てたのか?
2投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログいやー面白かった。登場人物が魅力的で知らず知らずのうちに引き込まれてしまった。不思議な世界観を伴った話ではあるが、著者のリズムというかセンスというか文章の力によって一気に読んでしまった。
1投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログ■ Before(本の選定理由) 青豆と天吾の物語りを、最後まで見届けたいと思った。 ■ 気づき 彼らは何に巻き込まれ、何に辿り着いたのだろうか。 以前、「海辺のカフカ」を呼んでメタファーに包まれ過ぎてよく分からない、と思っていたがこれは凌駕してきた。 ■ Todo きっとこれは、それなりにハッピーエンドなのだろう。
3投稿日: 2023.07.13
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後半少しだれたものの、熱中して読むことができました。 二人の再会をいかにロマンチックなものにできるか、それにこだわった長い長い話だったように思える。月っていうのが良い。 どこからが実体でどこまでが幻想なのか判別がつかない。ふかえりは本物の人間だったのだろうか、、。リトルピープルは幻想?空気さなぎは? 壮大なファンタジーでもあり「恋愛とは」の答えを村上春樹に教わったような気もする。大恋愛は理屈抜きですよね。 牛河が可哀想なのが心残り。
3投稿日: 2023.07.07
powered by ブクログ約4ヶ月かけて文庫本6冊を読み終えました。作中の時間軸も4月から12月の9ヶ月間と言うこともあり、実際に作品の世界に迷い込み、旅をしていたような気分になりました。あるいは、今もまだ迷子の途中なのかもしれませんが。。 自分の読解力ではこの作品から特定のメッセージを受け取ることは難しかったですが、不思議と読後感がよく、まるで小説と現実の境界が曖昧になっているように感じました。これは村上春樹作品共通の命題ではないでしょうか。 満を持して『街とその不確かな壁』のページをめくろうかと思います。
1投稿日: 2023.07.01
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2010年(第7回)。10位。 牛河はタマルに成敗され、青豆は天吾と再会。さきがけとスモール・ピープルがいない世界へと。月は1つ。その世界が前と同じなのか、違うのかは不明。同じだったら、老婦人やタマルにまた会えるわけね。ふかえりはいないのかなぁ。パラレルワールドではないみたい。ま、ファンタジーだね。三茶の高速に出入口があるわけだね。
1投稿日: 2023.06.27
powered by ブクログ他の小説と同じで、最終章が予想通りすぎて一番面白くないと思うと同時に、このスーパー長編を読み終えた達成感と、素晴らしい世界を活字だけど経験出来た事で大満足。 スリル、サスペンス、笑いと、悲しみ、孤独感、ロマンスドッキングの最高のストーリーをありがとう。 それぞれのキャラクターの存在の意味、繋がりがクレイジーで面白い。
2投稿日: 2023.06.15
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序盤は少しずつ読んでいたけど、後半は先が気になって一気に読んでしまった。 最初は無関係のように見えていた二つの話に徐々に接点が現れ、実は20年越しの壮大な(かつとても不思議な)ラブストーリーだと判明。 登場人物のキャラクター(あるいはその描写)がみんな良かった。敵役として登場した牛河も、最終的にはその死が悲しくなってしまうくらいには好感を持ってしまった(その描写は一貫して酷いものだったのに)。 みんな好きだけど、1番好きなのはタマル。その道のプロであり、心温まる話をたくさんしてくれる素敵なゲイ。セリフがいちいち素敵。人を殺す時さえそれは変わらない。カッコいい(でも牛河は不憫過ぎる)。 安達さんは天吾くんのお母さんの生まれ変わりだったのかな?そんな彼女が天吾くんのお父さんを最後までお世話して、実は彼のことを気に入っていたというのは救いのように感じた。 最後にリトルピープルが作っていた空気さなぎからは何が生まれたのか。それが気になる。
1投稿日: 2023.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村上春樹の長編小説。 都内でスポーツインストラクターとして働く青豆は、ある日、「大事な仕事」に間に合わせるために、首都高で渋滞に捕まったタクシーを降りて非常出口から高速道路を降りる。すると、青豆は元々いた世界「1984年」から少し異なる世界「1Q84」に移動してしまったことに気づく。 一方、塾で数学の講師をしながら作家の卵をしている天吾は、ふかえりという少女が書いた『空気さなぎ』という小説をリライトする仕事を頼まれる。 2人はそれぞれの生活の中で不思議な出来事に巻き込まれながらも、それを乗り越える。そして2人はお互いが幼少期から強く惹かれあっていたことを自覚し、出会うために行動をはじめる、、、というのがあらすじ。 この小説を読破して、村上春樹が伝えたかったメッセージが何かを考えた。そしてそれは「空白」だと個人的な結論に至った。 その理由を書き残す。 まず、青豆と天吾に共通するのは幼少期から現在に至るまでだれかに愛されたことがない(若しくはそう感じたことがない)ことである。これは愛されること・愛することの「空白」だと言って良い。 そしてこの物語の主軸は2人が出会うまでの過程であり、2人はお互いの空白を埋める可能性を持った存在である。つまり2人が相手の「空白」を埋めるためのストーリーだと言える。 失踪した妻の空白を埋めるために天吾を育てた天吾の父も、誰かの(或いは自らの)空白を埋めるために命を落とした青豆の2人の親友も、娘を亡くした空白を埋めるために不幸な女を助けて男を殺す老婦人も、それぞれ空白を埋めるために行動した。 或いは「さきがけ」という宗教にはまりこむ人々も、絶望や恐怖という自らの心の空白を埋めようとしているのかもしれない。 しかしそんなことをしても空白は埋まらない。 人は死ぬときに誰かの一部を持っていくことで空白を作ることしかできない(天吾の父が天吾に空白を与えたように)。 決してその空白は埋まらない。 例外は、「1Q84」に迷い込んだ青豆と天吾、さらに「リトル・ピープル」だけだ。 「リトル・ピープル」は人の空白を埋める(これが「声」)ことで人を支配しようとする。その意味で神のような存在だ。しかし、彼らが「声」を人に届けるためには触媒が必要で、それを生むのが異世界から呼び寄せた異物(今回は青豆と天吾)なのではないか。 青豆と天吾は「1Q84」に来ることで邂逅の可能性を与えられた。元の世界では絶対に出会えなかった。「リトル・ピープル」は触媒に邂逅の可能性を与える代わりに、役割を背負わせることができる。しかし触媒が本当に出会ってしまうと自分たちの手から逃げられてしまうので、妨害する。そんな戦いが人類の誕生からずっと続けられてきた。 牛河はこの妨害のために召喚された兵隊だったが、役割を全うできなかったために除去された。 そして「リトル・ピープル」の敗因は、ふかえりというイレギュラーだった。ふかえりは青豆に『空気さなぎ』というガイドラインを与えた。一時的に青豆と天吾をつなぐことで彼らの命を助けた。牛河に空白を与えることで力を削いだ。 ふかえりこそが青豆と天吾をつなぐ「空気さなぎ」だったのだ。 多少強引だが、以上が個人的に考えるこの小説の解釈である。 この作品を読み終わった直後に抱いた感想は「長い割りにすっきりとしない終わり方で、外れを引いたな」だった。 しかし、読み終わってしばらく経ってこの感想を書いている今、『1Q84』の世界をこれ以上味わえないことが残念で仕方ないと感じている。それぐらい濃密でリアルな世界がこの小説では描かれている。 ストーリーが抽象的で観念的であり、謎を残して種明かしされないのはその通りだが、濃厚な心理描写と確かな裏付けがこの作品の奥行きを広げている。むしろ謎が残っていることが、本当に「1Q84」の世界が存在することを証明しているようにすら感じる。 これは作者の広い知識と深い取材による確信が可能にしているだろう。例えば村上春樹はこの小説を書く数年前にオウム真理教を取材して『アンダー・グラウンド』『約束の地で』の二冊を書いている。この経験は間違いなく今作に深みと確信を与えている。 長々と書いたが、本作は手放しに誰にでもおすすめできるような小説ではない。好みに合うかは人に依る。 ただ、個人的にはまたとない読書体験だった。
2投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログようやく。長かった。現実世界に戻ってきたあ。 難易度 中 感動★☆☆☆☆ 涙線☆☆☆☆☆ 興奮★☆☆☆☆ 感心★☆☆☆☆ 伏線★☆☆☆☆
1投稿日: 2023.04.29
powered by ブクログ村上春樹 ノルウェーの森読んでみて次の作品読んでみたいと思い手に取った作品。 NHKの訪問、団体や青豆、省吾はその後どうなったか、ドウタ、マザについて説明があるのかと思ったけどそこは触れず終わった ドキドキハラハラする場面もあってどんどん読み進められた。面白かった。
0投稿日: 2023.04.25
powered by ブクログ生きてる間にぜひ読みたい作品として考えていた。村上春樹さんの作品は「ノルウェイの森」以来だった。 とても不思議な話だった。理解する、というより味わうのだ、とSNSなどには書かれていて、そういうものなのか、と納得。 正直に言うと…。私にはよくわからなかった。 でも、村上春樹さんの世界を感じられたのはとてもよかった。
6投稿日: 2023.04.22
powered by ブクログただただ牛河が不憫でならない。 天吾と青豆が出会えたのはよかった。が、公園で手をにぎって「天吾くん、目を開けて」に感動というよりかは、 「牛河…目を開けてくれ」のほうが強かった。 それくらい衝撃だった。タマル俺はお前も好きなのになんてことするんだよって。 内容については、わからない点も多々ある。一度読んだだけではなかなかつかめないかもしれない。重要な何かを流し読みしてしまったのかも。 色んなレビューや解釈を読んで考えを深めたい。時間をおいて再読したくなるそんな物語だった。
6投稿日: 2023.04.19
powered by ブクログ純文学というより、 セカイ系であり、不思議の国のアリスである。 1q84年(猫の街)は、昨今の私たちにとって、より一層距離が近くなった概念である。 運命論的で、 いささか不親切でルールが移ろいやすい世界 善悪の判断は容易ではない。 生まれた環境から付けられる傷は、 避けられないものである。 確かに、今ここに愛していると思う私と、 その人がいてくれたら、なんとか生き延びていける。
1投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
遂に完結。完全に村上春樹の世界にどっぷり浸かった。 最後までどうなるか分からない展開で最後は本当にドキドキハラハラしたが、ハッピーエンドになって良かった。1Q84年の世界がどんなものなのか、難しいけれど最終的には結構ハッキリと分かった気がする。 とにかく青豆と天吾の強い愛、純愛が素敵すぎる。これからきっとずっと永遠に一緒に過ごしていくんだろうな。新しい命と共に、幼少時代に自分たちが味わえなかった当たり前とされる幸せを存分に感じながら。 とても不思議な世界に浸らせてくれて読み終わった後もなんか幸せな気分になれた。とても良い本でした。
1投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログ面白かった。だけど読後感は何か足りない。たぶん後半からの非現実的な要素がうまく飲み込めなかったのかも。 3章からは牛河が主観としても登場。彼がふかえりから受けた変化の描写は個人的には良かったなーと思った。 やっぱ村上さんの本は情景描写が細かくて入り込めるのがいいですね。登場人物みんなにあった心の変化は価値観の参考になった。
0投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物凄く綺麗な終わり方だった。 なぜ青豆と天吾が1Q84の世界にやってきたのか、最後まで読んでやっと分かった。 二人は出逢う為に1Q84の世界へやってきて、再会後は1984の世界へ戻っていく。 面白かったです。
0投稿日: 2023.01.27
powered by ブクログうしかわさん、マイホーム時代に死んでいたのか?うしかわさんと天吾のお父さんが印象に残る。 思いは人それぞれだけど自分で結論出すのかなあという終わり方だった。
1投稿日: 2023.01.19
powered by ブクログ意味を探すんじゃなくて、空気を楽しむ本だと思った 理解しようと思ったら、とたんに消化不良の不完全燃焼な話で終わってしまう 「説明しなくてはいけない事は説明したとしてもわからない」村上春樹に囁かれてる気分 奥行きがすごい、最長のラブストーリー
1投稿日: 2022.12.28
powered by ブクログ中学ぶりにしっかり村上春樹読んだ。クールでタフな青豆さんの金的指導を受けたいしふかえりちゃんのような胸の形になりたいし天悟が先生なら少しは数学が好きになっていたかもしれないしタマルに得難い人間と評価されたいし… 人物にしろ場面にしろ描写が徹底されていて終始映画を見ているような没入感だった。 随所で織りなされる多義的で含みのある比喩が格好良い。日常でも使いたくなる。(嫌われる) この冬村上春樹小説読破宣言!
0投稿日: 2022.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〈10-12〉後編 6 遂に最終巻 青豆と天吾は、手を握り合い、1Q84ではない別の世界へ。小学生時代から求めあっていた二人の恋愛は成就する。そこは、1984かもしれないし、違うかもしれないらしい。多くの謎を残したまま。 ここまできて、まさかの放置プレイ。 ファンタジーということであれば、それなりに面白い。リトルピープルは、パンドラの箱の中身みたいな人間の悪意で、それを紡いで大きな意志としていく。それは、次第に社会を支配する。ってな感じでしょうか。 近過去にあったような小説を書いたとするならば、しかも宗教問題を扱うとなるならば、期待してしまうじゃないですか。作者があの事件に長期に渡り携わってきた事は、周知なのですから。 ファンタジーとしても、リーダーがリトルピープルの代替者として表現したこと、自分の意志ではなかった事としたのは、どんな意図があったのかなと思う。1Q84風に言うならば、それはわからない。
34投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログ村上春樹の長編小説。読み切るのに1ヶ月かかりました…笑 感想としては1Q84の物語だけでなく、言葉一つ一つが洗練されていて日本語の絶妙な繊細さであったり素晴らしさを教えてくれる一冊でした。最後は素敵な終わり方で本当に良かったです。
0投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログとても楽しめました。 文庫にして6冊ですが、長いなと思うこともなく、青豆と天吾はどうなるんだ?というドキドキと、ちゃんと曖昧にせず終わらせてくれるのか?という(変な)ハラハラを抱きながらグイグイ読み進めていきました。まあ、もちろんBOOK3はちょっと冗長過ぎた感じはありますが、しっかりと〆てくれたので個人的には非常に満足できた作品です。 やっぱり村上春樹っていいよね。
0投稿日: 2022.11.10
powered by ブクログ謎は物語に閉じ込められてしまったが、終わり方は他作品と比較しても綺麗だったように思う。 物語の空気感、登場人物の考え方や文のリズムに表現、独特なストーリー展開…。クセになる要素が多くて、ついつい手に取ってしまい読了。
0投稿日: 2022.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えて、モヤモヤあるけどスッキリ なぜか爽快感がある! 不完全なんだけど完全なんだよね〜 これ未満でも、これ以上でもないっていうか、、。 青豆と天吾は近づく 牛河はタマルによって、、、 天吾と青豆はすべり台の上で20年ぶりに出逢う そして二人は非常階段を上がり首都高に戻る そこから見る空には月はひとつ わからないこともたくさんあるけど、それはわからないままでいい 文庫本6冊を5日で読み終えました✨✨
0投稿日: 2022.06.21
powered by ブクログここまで来るまでの道のりは長かった。。 なんと感想を言えばいいかわからない本当不思議な話。 やっと天吾と青豆が出会えた瞬間。 長かった。。 青豆はなんで天吾の子供を身籠ったのか。 まさにファンタジー。
0投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログシリーズ読み終わった後の達成感がすごいっ!! 多くの伏線、謎を残したまま物語が収束しました!! 村上春樹の世界観は「不完全だけど完全」。 村上春樹の比喩表現が好きすぎる。 再読してまた理解を深めていきたい。
4投稿日: 2022.05.16
powered by ブクログ5と6は一気に読めた。 1Q84は読み終えた後の爽快感は村上春樹の作品の中で一番だった。 物語が一つになって、突然語り手が不自然に入ってくるのも、それはそれで面白かった。 読み始めた人は最後まで読んでほしい。 社会問題に切り込んだ作品ではあるけれども、この本を読んでも作者の考えは多くわからない。 でも、親子の関係については共通点がある。 親の思想は子どもに良くも悪くも影響を与えるけども、青豆も天吾もふかえりも、親とは違う人生を歩むことができた。 村上春樹のどの作品もそうであるように、この作品も音楽を文学に触れながら読むことができる。 ペーパームーンや、シンフォニッタをこのように物語に組み込むなんてやはり天才。
2投稿日: 2022.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おおお、ついに…!ずっとソワソワしながら読んでたのですが…よかったー。これからどうなっちゃうのかしら。続き物がこんなに面白いのっていつぶりだろう。
0投稿日: 2022.02.24
powered by ブクログ村上春樹は3作目だがどんどん面白いと感じるようになっていき今では中毒性すら感じる。面白さの理由としては、ストーリーというよりも言葉のチョイスや比喩表現の独特さ、登場人物の哲学的な思考や発見によって心を掴まれてしまうからだと思う。この手の作品は読む側の言語能力や知識、経験値によっていくらでも感想が多様になると思うし、自分が面白かったからといって他人に手放しで勧められるかというと一概にそうは言えない。でもきっと、そういうものこそ芸術であり文学と呼べるものなのかもしれないと思った。一般的にストーリーに対して感じる面白い、と村上春樹の本に対して感じる面白い、はいわば別種の面白い、であり、個人的には後者の面白いの方が知的なものであるような気がする。
0投稿日: 2022.01.28
powered by ブクログ1Q84の世界で漸く出会えた2人が、あの非常階段から1984の現実世界に帰ってこれて、すっきり終わってくれてよかった。 村上春樹さんの描写や比喩や言葉の並べ方、言葉の力強さ、登場人物の粋さやクールさをたくさん味わうことができた。 一つの物事を、二、三方向から語り、巧みに推理していくという描き方もおもしろかった。 想像もつかないような(予想ができないような)想像の世界が広がり、人物や出来事が結びついていくおもしろさがあった。 青豆と天吾の姿から、様々な苦労や苦痛や困難を乗り越え、信じて思い続けることについて考えさせられた。
0投稿日: 2022.01.19
powered by ブクログついに完結。教団の件がわりと放置なのがちょっと気になって…。最後の終わり方は綺麗だけど、結局いたすんかいという俗物的な感想しかない苦笑
0投稿日: 2022.01.11
powered by ブクログ全体を通して、とても遠回しな言い方やあいまいな表現が多かったですが、それにしては読みやすかったです。一度の読了では、理解できてない部分がとても多いなというのが、正直な感想です。二人の運命的な主人公が、ファンタジーな世界に紛れ込むというシンプルな構図ですが、一番感情移入したのは牛河という二人を追う人間というのが面白いなと思いました。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ小説の本質が問題提起だとするならば。 太宰治は『人間失格』で数多の社会問題を取り上げた。 村上春樹は『1Q84』において「さきがけ」や「リトルピープル」など、数多くを暗喩的に描いている。小説の本質が問題提起だとするならば、これほど優れている作品はなかなかお目にかかれないだろう。読者の中で物議が交わされるのは自然な流れだ。 出口のないと思われる囲われた世界から糸口を探し脱出するさまは清々しくもあった。反面、個人的には物語に一人取り残された感覚になった。あまりにも多くの謎を残して終わってしまった。誰かと語り合うことで、この作品は読者の中で完結するのだろうな。
1投稿日: 2022.01.04
powered by ブクログとても面白い!!続きが気になって気になって気がついたら読み終わっていました。 村上春樹、比喩が上手いなあと思います。登場人物たちの知識が豊富で、例えにさりげなく著名な人の言葉とか、話とかを入れられるのが好きです✨独特な会話の調子や倒置的な話し方とかも好きになりました(笑) 天吾と青豆のお互いを想い合う強い気持ち、リトル・ピープルの不気味な響き、空気さなぎ、マザとドウタ、深田絵里子とさきがけ、...物語がとても面白くて、今まで読んだことがないくらい複雑✨結局のところそれらがどう言うものであるか説明することはできないけれど、理解はできる..みたいな感じですね
1投稿日: 2022.01.01
