
総合評価
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powered by ブクログこれが実話だと信じたくない、読み進めるのが辛かった。 ふと某死刑囚の“きみはまだ試されていない”という言葉を思い出した。自分が奴隷だった場合、奴隷所有者だった場合、それぞれでどんな人間になっているだろうかなどをぐるぐる考えてしまって、とにかく疲れた。 解説にある“人間力をつけるためにも、本書は必読だ”に強く同感する。
0投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当の話だなんて? 19世紀、アメリカの奴隷制、黒人差別がどのように行われていたかこのような当事者の目で書かれたものを初めて読んだと思う。南部では白人に所有される黒人は逃亡して捕まれば鞭で打たれ殺されることもある、そして子供が生まれれば、その見た目ではなく母親の方の身分に分類され、奴隷の母親の子供は白人の主人の所有物となる、それが法律で決まっている。どんなに惨めか、どんなに理不尽だと思っても、法律で決まっているから、逆らえば社会全体が敵になる。 その中でも奴隷制に反対し命懸けでリンダを助けてくれる白人も多くいた。置かれた立場により、自分さえ安全圏にいれば社会構造や権力にたてつかず従順にし、自分がいつも善良な市民であると思い込むこともあるし、友情や正義のために命がかけられる勇敢な場合もある。そして生活に困れば簡単に仲間を売ることもする。全部人間だ。 どこの社会もそうなのかもしれないし、時代が変わっても人間の性質は思ったより変わらないのかもしれない。奴隷制に反対する北部であり、先進的文化や風土を持つはずのニューヨークですら法律が変わって逃亡奴隷狩りが行われだすのを読みながら、現代のアメリカや日本のことを考えた。 いち少女が現実に立ち向かい、ずっと苦しみ続けながら根気強く自分を保ち、神を信じ、家族を愛し、自由を求める姿に引き込まれる。泣き言を書きながらもリンダの筆跡は誠実で、誇り高く、力強い。 訳者(堀越ゆき)あとがきもよかったです。訳者はとても文章のうまい方だと思う。その後のリンダの話もあとがきで読める。
1投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ私も、偶然本屋さんで手に取り、読み止められなくなった一冊。確かに少女のころ、(同時代作家の)若草物語や小公女ではなくて、これを読んでいたら、現実の立ち位置をもっと理解していたかもしれない。思い通りにいかなくとも、夢砕けたとしても。 (リンダの強さの下地は祖母のマーサにあり、そのマーサの立場にあるのだと思う)
7投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ時代を超えて、千年後にも読み継がれるべきノンフィクション。 南北戦争以前の奴隷制度が隆盛を極めていた時期の、奴隷の価値観・信念が生々しく描写されており、読者を感情移入させる。 奴隷制が本当に悪であることが理解できる一冊。 自由であることが保障されている時代・地域に生まれることができてよかった。 この自由を、全世界で全人類が享受することができる日が来ることを願う。
0投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログ善意が守られるかは状況次第。 これって今もあることだなーと思た。 実話だと思うとゾッとする。 別世界の昔の話ではなくて、 今も通ずる人間の差別を感じとれる。
0投稿日: 2024.12.24
powered by ブクログ教養として読むべき一冊。 奴隷制度というものがあった、それはどのようなものなのかを知れる。また、奴隷でありながら負けない心を持った著者を見て必ずなにかを感じると思う。 海外作品だがかなり読みやすく、スッと読める。
2投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログ「奴隷」と聞いて何を思うか。 奴隷制は良くないと赤ん坊の頃から刷り込むように教えられて来た。子どもながら、人を暴力的に従えることは悪いことなんだな、と実にフワッとイメージしていた。だからこそなのか、友人間では「お前は奴隷な」と冗談まじりに言い合いその言葉の重みを今日まで考えたことはなかった気がする。 先日、少年十字軍について調べているときだった。この十字軍は最終的に奴隷商人に売り飛ばされる結末を辿るのだが、ふと「奴隷って一人あたりいくらなのだろうか」と考えてしまった。そこから妄想を膨らませていき、奴隷の暮らし扱われ方など知りたくなった。そして読まずに部屋の片隅に置きっぱなしにしていた本書を思い出した。 奴隷制の一番の問題点は、奴隷を実際にどう扱うかということよりも奴隷を所有物とみなしているところだと言う。いかに奴隷を人間的に扱おうが、「彼ら」を物とみなしている見方・考えそのものが悪だとするものだ。 この論理は本書を読めばピタリと当てはまることがわかると思う。けっきょく人間的な扱いがなされていたとしても主人から解放されない限り、「彼ら」が自由を感じることはできない。いつまでもその首に鉄の鎖が繋がれたままなのだ。 そしてこの「解放」という言葉は実に曖昧である。奴隷制における「解放」とはどのような意味合いを持つのか、それが表していることは何なのか。本書を読み実際に感じとっていただきたい。 「奴隷」という言葉があまりにも浸透しすぎて、その言葉の重みが蔑ろにされている。y=ax +bと言えば一次関数の方程式とわかるが、その内容を理解している人はどれくらいいるだろうか。それと同じで、奴隷制=悪と短絡的に考える習慣が、奴隷という言葉を形骸化させているのではなかろうか。奴隷制は非人道的な行いだと刷り込む教育の在り方は否定せずとは言え、もう少し生徒に考えさせる授業であっても良いのではないか。 頭から何かを否定する習慣は必ず身の破滅を招く。奴隷制の知っていること知らないこと、それらを整理した上で何が最も許されざる部分なのかを考える。それができるようになれば、奴隷制を超えた真に多様な社会を受容することができるように思う。
7投稿日: 2024.09.15
powered by ブクログ奴隷制度が悪なのは明白だが、奴隷制度の廃止にも戦争が必要だったことを考えると、社会ってそうそう変えられないのかね。。。
0投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログフィクションを読んでいるような気持ちになるほど、壮絶で波乱に満ちた内容だった。 奴隷制の実態と「自分の人生を生きるとはどういうことか」を見せてくれた著者に感謝したい。 物語調で『アンネの日記』より読み進めやすい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 読者よ、わたしの物語は自由で終わる。 絶対に屈しない。自由を勝ち取るまでは――残酷な運命に立ち向かった少女の魂の記録。人間の残虐性と不屈の勇気を描く奇跡の実話!
0投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログアメリカが奴隷制度を廃止する前、南部アメリカで奴隷として生まれた少女の半生の実話。本人が北部に逃亡し、晴れて自由の身になったのちに自身で実話として出版したが、文章力の高さから白人が実話の体で書いたフィクションとしてあつかわれ、100年以上の時を経て実話と証明された数奇な本。 筆者の人生も数奇で壮絶。 美しい筆者は主人一家の主人に貞操を狙われ続け、執拗な嫌がらせを受ける。筆者が選んだ自分を守る道は、自分を支援してくれそうな別の白人男性の子供を身籠ること。二人の子を産んだ筆者は、子供をいずれ自由の身にするために自身の逃亡という道を選ぶ。しかし主人の筆者に対する執着はすざまじく、主人が亡くなるまで筆者はその影に怯え、悩まされ、戦い続けることとなる。 逃亡生活の最初の7年間は、自由黒人である祖母の家の屋根裏にてすごす。 立つこともできず、筆者があけた覗き穴以外に光が入らない、暑さも寒さも過酷で雨すらしのげないその空間で、体はボロボロになってそれでも耐え続ける。その家で暮らす自分の子供にすら自身の存在を気取られてはならない、いつ終わるともわからない逃亡生活。 7年ののち、仲間の采配により北部に渡船で逃亡し、その後は出会う人に恵まれて自分と子供2人の自由を勝ち取る。 白人の都合で自身や大切な家族の運命はいつでも一瞬で暗転する可能性に脅かされ続ける人生を強いられ続けた半生。実際に奴隷として一生を終える人たちは一生それが続き、そういう人たちがその時代、何人いたのだろう。 筆者はその中で冷静に自身と子供のためにその時できる最善と思われる選択をとり続ける。とても勇気があり、冷静で、聡く、家族思いで希望を捨てない筆者の半生は、創作と言われても仕方がないほどのインパクトがあった。 また、筆者が伝えた、奴隷制度は白人も不幸にする、という考えが印象的だった。 私もその時代の白人として生まれていたら、黒人を人として扱わないような人間にきっとなっていたのだろう。夫が黒人奴隷と子供を次々作っていく事実に心を削られ、黒人女性に嫉妬し嫌がらせしその人たちを殺めていたかもしれない。
7投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログ『鞭で打たれる痛みには耐えられる。でも人間を鞭で打つという考えには耐えられない』という箇所が印象的だった。 初めて読む奴隷についての書物。だが考え直してみると、奴隷で読み書きができる人は少数だから、もしかしたら真っ当なのかもしれない。 思っていたよりもずっと酷く、むごい。奴隷主によって奴隷への接し方、扱い方は様々だが、どのような思想、社会背景の中でも、良いことと悪いことの判断がつく教養のある人でありたいと改めて思った。 人を売り買いし、「所有する」のは今では不思議な感覚だが、それが当たり前だった時代があるのが恐ろしい。 弱者が卑怯なことをしても、他に責められる人はいない、いたとしてもその状況を許容し生み出している社会のシステムが悪い。抑圧された側の狡猾さは、それが暴君に対して持てる唯一の武器だという箇所が、印象的だった。この見方はなかった。
12投稿日: 2024.05.24
powered by ブクログこの本との出会いは、ほんの偶然、時間をつぶすためだったという訳者の堀越ゆき氏同様、私も、実家のある田舎の小さな小さな書店で、時間つぶしのために手に取ったことだった。 翻訳本、それも北欧ミステリー好きなのに、その書店にはそれの類が無く、仕方なく、、、期待もなく、、、海外コーナーわずか十数冊の中から選んだ一冊だった。 しかし、読み出したら止まらず一気読み。 作家でもない一人の奴隷少女によって書かれた彼女の過酷な実体験を綴った本作は、アメリカの古典名作ベストセラー・ランキングで上位というから納得である。 自由を得るために、彼女が選び自らに課した運命は、あまりにも悲痛なものであり、その痛みは想像を絶する。 最後に訳者によって語られる彼女の身内のその後には、言葉も失ってしまった。 彼女自身が持つ崇高な魂と、恵まれた有難い人々との出会いによって培われていく才気によって、過酷な運命を自ら切り開いていく彼女の強さから、生き方を学べたことは、この本を世に送り出してくださった歴史学者のイエリン教授や訳者の堀越氏に感謝しかない。 彼女が手にしようとした差別からの解放のための運動に対して、現在のアメリカの大学、航空業界、医療業界においては何%かの割合で黒人を受け入れることが義務付けられている。それは果たして、彼女が望んだ解放なのか?平等なのか? 彼女の自由を買い取るつもりでいる心優しい夫人の行為に対して、彼女は「自分の心が啓発されていくに従い、自分自身を財産の一部だとみなすことは、ますます困難になっていた。自分を痛ましく虐げた人々に金を払うことは、これまでの苦しみから、勝利の栄光を奪いとることのように思えた。」と考える。現代においては、有色人種であれ、女性であれ、各自の努力の上に手にしたものを最上で尊いと受け止めていくことが、彼女の生き方に近い気がした。優遇は、彼女の求めた平等や解放ではないはずだ。 彼女の如き、気高い精神を持ち、常に努力を怠らず、自己を磨いていきたい、と思えた。 私にとって、時間つぶしが珠玉の一冊となった。
20投稿日: 2024.03.26
powered by ブクログアメリカのかつての奴隷制度の、人を人として扱わない惨さ。ノンフィクションであることが怖いくらい。 体を伸ばすこともできない屋根裏部屋で7年間、死と隣り合わせで隠れて生活をしたり、北部に無事逃げてからも”持ち主”であるドクターフリントの追手から逃げながら生活をしたり、、 その中でも生きることを諦めずに、また多くの人と助け合いながら自由を獲得する姿はかっこいいと思った。
0投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログ奴隷制のあったアメリカで実際に奴隷として虐げられた黒人女性の手記。淡々と語られる奴隷所有者の仕打ち、また、南部州だけでなく北部州にもある社会全体の差別意識に心が痛めつけられる。奴隷という身分で産まれる中でも、男性以上に女性が人生で抱える不幸が大きいという主張は奴隷制度のない現代社会にも通じるところか。
1投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログ感想 当たり前に尊厳はない。何も起こらない。今日も明日も希望はない。絶望もできない。淡々と繰り広げられる地獄。今はもうなくなったのか。
0投稿日: 2024.01.07
powered by ブクログ奴隷制について無知だったのが微知ぐらいになった気がする。今まで奴隷船の中の不清潔さとか、鞭ちのさとかばかり旨がいってたけど、この本は鞭打ちみたいな体罰的な苦痛よりも言葉とか女性ならではの苦痛が大きくて奴隷制の本当の闇の部分を見たように感じた。 、読んでると勝手にフ ィクションだと思ってるけど、、ふとこれが本当の話だったと思い出してその度にこの作品の重要さを痛感した。多分、これはほんの一部だろうから もっと奴隷制について知識を深めたくなった
0投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログその時代時代にある「常識」や「正義」なんかは 全然違うもので、今の基準で当時を裁くわけにはいかない。 悪いものは悪いけどね。 ホロコーストとか。 名目上の奴隷制度はないけれど、 人間みんな金の奴隷になってる現代社会。 たとえ奴隷だとしても、リンダのように 気高く、愛をたくさん抱えて生きていたいものだ。 「夜と霧」くらい、 読んだ方がいいかもしれない本。
0投稿日: 2023.11.29
powered by ブクログパワーがすごい。 奴隷制当事者の貴重な手記というだけでなく、真のウーマン・リブ文学である。 J・F・イエリン教授や堀越ゆき氏に本書が発見されて本当に良かった。 衝撃作であることは間違い無いが、当事者文学であるからこそ努めて冷静に描写されており、妙に感情を煽り立てるような書き方をしていないので、結構誰にでもおすすめできる本な気がする。
1投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログ・奴隷に人権はない。主人の命令に反することは犯罪 ・人間的な主人は、めずらしく稀 ・善意からはじまり誠意がこめられた約束も、守られるかどうかは状況次第 聡明で強い意志を持った著者のおかげで、このように酷い現実を知ることができた。 目を背けていたこと、無知だったことが恥ずかしい。 この本に出会えたことに感謝したい。
0投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログいただき本 とても読みやすくしっかりとした翻訳。 奴隷制の不条理と、悲しさ、そこに身をおかねばいかなかった人々の苦労は、私などには計り知れない。 強い意思を持ち、思慮深く生き抜いた作者を思う。
13投稿日: 2023.10.18
powered by ブクログ250年前の出来事に胸が締め付けられるようだ。 奴隷制がどのように運用されていたのか、所有者(雇用者ではなく)との関係性等、当事者の記録である本書から伝わってくる。 少女を所有し意のままにしようとする所有者やその子供たち。嫉妬に苦しめられるその妻。意識のはけ口は残虐性や暴力なって奴隷を襲う。 奴隷制は奴隷の精神だけではなく、所有者の精神も破壊してしまうとは、当事者である奴隷少女の言葉だ。
1投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログこれが、わずか200年前に起きていた事なんて。 そして、今でも(ここまで暴力的なことは減ったとしても)かたちを変えてこの残酷な差別が横行しているなんて。 まずは知ることから。 フタをし、目を逸らさずに考え続けるを手放さないように。
3投稿日: 2023.09.29
powered by ブクログ事実は小説よりも奇なり まさにその通りの小説でした。 人はそこまで残虐になれるのか。 人はどんな残酷な目に遭おうと、志し次第で生きられる。 主人公の信念、賢さ、洞察力に脱帽。 ネットで主人公のお写真を拝見させて頂いたが、意思の強そうな目をしていた。 内容が衝撃すぎて、感想を述べる言葉すら浮かばなかった。
0投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログ130年以上前の奴隷だった女性の半生記。奴隷、という歴史の教科書の中の言葉が、なまなましい人の人生として息遣いを持った。 自由になるための彼女の強靭な意志と行動力に心打たれる。
0投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログタイトルからしてキツイ内容を想像できるのですが、本当にきついです。 最初から最後まで息つく暇もないほど、緊迫感と痛みを感じました。想像を絶する辛さです。 人間に所有という概念がある世界。 自分が自分のものでない存在。自分が何者かに支配され続ける人生、それが奴隷制度。 当事者だけにしか、本当の辛さは分からない。 私たちは想像することしかできないけれども、彼女の痛みは理解できるはず。 この本を読んで、思ったこと。 「自由」とは何か、よりも「自由でない」事とは何かを考えさせられました。 自由でない状況とは、、、 やりたいことができないということではなく イヤなものを「嫌だ」といえない状況なのではないでしょうか。 先の見えない中で自由を求め、あきらめずに命がけで戦い続ける著者の姿は私たちに勇気をもたらしてくれる。
4投稿日: 2023.07.26
powered by ブクログあまりに辛く、、衝撃的な内容でした。 奴隷として生まれた少女リンダ・ブレント(ハリエット・アン・ジェイコブズ)が、自身の半生を綴ったノンフィクションストーリー。 辛い境遇にいながらも、リンダは希望や信念、誇りを持ち続けた。 そして守るべきものがリンダを更に強くした。 リンダの生き方はとても心に響いた。 感動とはまた違う、これはどういう感情なのか今は言語化が難しいけど、リンダの生き方に大きな衝撃を受けたことは確か。 リンダ・ブレントに畏敬の念を込めて。
0投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログ南北戦争前のアメリカの暗い時代の話。この時代があって今がある。この事実に出会えて改めて考えさせられた。
0投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログ黒人が奴隷として扱われる現場を垣間見れたのは大変勉強になった。驚くほどモノとして扱われていたことに驚いた。翻訳が読みづらく、後半は流し見となったが、ある少女が少女から母親、1人の女性として奴隷制度から逃れるためにもがく様が書かれていた。今妊娠中だが、母親になるきっかけを比べてしまい苦しくなった。
0投稿日: 2023.06.26
powered by ブクログ奴隷制についての知識を持ち合わせていなかったので、読めるかな…と恐る恐るでしたが、無事に読了しました。翻訳本ですし、文章は少しばかり読みにくさもあります。主人公の置かれた環境の非情さ、奴隷としての残酷な運命など、読み進めるのは本当に辛いけれど、1人の大人として、知っておくべき内容であったと思います。
0投稿日: 2023.06.23
powered by ブクログこれが当初フィクションとして扱われてたのが納得できるほどの本だった。 あまりにも過酷でどんな映画や脚本家が想像するものよりも壮大で、またそれが現実であることが とてもこの本の壮絶さを物語ってる感じがする。 誰しもが心の中にドクターを飼っており 人を思い通りにしたい、時代がそうさせていると 人生において少なからず思ったことは必ずあると思う。その中でいかに、その異質さに気づき自分の弱さを認め自分と真に向き合えるかだと思う。 キリストとも可哀想だと思う笑 こんなに拡大解釈される神様ってなかなかいないんじゃないかって思う。だけどそんな反面、どんな立場であれ自分の寄り添う場所が必要であり、孤独と闘っている感もする。 そういった意味でお互いが監視し合う日本では目に見える反応が一種の自分の行動の判断基準であり、神様に赦しをこう判断基準が監視し合う互いの目であり、目に見えない宗教的な概念が、あまり浸透してない気もした。 ユダヤ関連に触れた後のような後味の味本で歴史的にも興味深い本だった
2投稿日: 2023.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これが本当に起こった出来事なのだと思うと…。主人公リンダの7年もの屋根裏での潜伏、あまりにも壮絶だ。肉体的にも精神的にも自分なら耐えられないと思う。南部から北部へ向かう船での描写が心に迫った。北部へ行くのは悲願だ。夕日や頬を撫でる風に喜びを感じる。だけど愛する家族や世話になった人々は今去ろうとしている南部にいて、きっと二度と会えない。それでも進む。 旅行でアメリカを訪れたことがあるけど、その時のアメリカの印象とこの本に描かれるアメリカは別の国のようだ。かつてはあの土地でも同じような奴隷少女たちがいたのだろうか。
0投稿日: 2023.05.10
powered by ブクログ奴隷制というものが有ったことは知ってる。 でも、何にも判ってはいない。 たくさんの人が読んだら良いと思った。
0投稿日: 2023.04.01
powered by ブクログ事実は小説より奇なりという言葉通り、平和の時代を生きる私にとって衝撃的な話でした。 誰の徳にもならない奴隷制度。奴隷の主人も、幼少期からそのような現場を見せられていたら、人間の中の何かが壊れてしまうことは容易に想像されます。また、その奥さんも愛する人を奪われるということの辛さや屈辱は想像に難くない。何よりの被害者である黒人の人々、肌の色が違うというだけでその他に何が違うというのでしょうか。同じように話、人を愛し、ご飯を食べ、そして眠りにつく。ここにどのような格差があるというのか。なんて悲しい話だろうか、これが現実に起こったなんて恐ろしくもあり、ただ犠牲になった人々の冥福を祈る限りです。
2投稿日: 2023.01.05
powered by ブクログとにかく衝撃的。実際に奴隷少女だった著者が、本名だと捕まるのでペンネームで書いた実話。 「小説は確かに面白い、でもフィクションよりも圧倒的に考えさせられる実話です」という本屋さんのポップに惹かれて買ったけど、本当に読んで良かった。 当たり前に人間が売買され、モノとして扱われ、もし殺してしまっても罪に問われない恐ろしい制度。目を逸らしたくなる残酷さだけど、こういう暗黒の歴史を知るのは大切だと思う。読んで良かった。
1投稿日: 2022.12.28
powered by ブクログこんなにも残酷な事実があって良いのか 生まれた制度だけで人を虐げることだけは、してはいけないし、したくないと思う
0投稿日: 2022.12.27
powered by ブクログ確かにこの内容だとフィクションだと判断するしてしまうのも分かるぐらい、しっかりとした内容だった。 過去にこんな扱いを受けて来た事実、こんな扱いをした事実を受け止めて、今の問題に取り組んでいくためにクラシック上位にあると思うと改めてアメリカって凄いと思う。
0投稿日: 2022.11.29
powered by ブクログノンフィクションとしてみても、展開がはらはらどきどきで面白かった。19世紀は黒人は家畜扱いだったな、と思い起こされた。アメリカといえば奴隷制の歴史、移民の歴史の国だった。↓コメントにて星1の理由を語る。ひどい邦訳だ。
0投稿日: 2022.09.29
powered by ブクログ本書が出版された当初、白人によるフィクションであると思われたのも致し方ない程、想像を絶する体験手記である。 今よりもずっと差別と暴力が激しい時代に、奴隷と言う立場にありながら、信念を持って生きた女性の力強さを感じる。 どんな時でも、自分の所有者は自分自身なのだ。
0投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ余りの惨さ、執拗さにおどろく。 1800年代アメリカ南部の黒人少女が次から次へと降り掛かる困難を持ち前の忍耐力、運、人との繋がりを用いて乗り越えようとする話。 人はどこまで残虐になれるのか、嫉妬深くなれるのか、執念深くなれるのか。 どうしたらここまで堕ちることができるのかと驚く。
0投稿日: 2022.08.08
powered by ブクログ2022.8.3 読了 人種差別というのを肌で感じにくい日本。しかし、海外にいくたびに差別を感じる事もある。それでも、リンダが生きてた時代に比べて人権を尊重される世の中になってきたと思う。それは、先人達があらゆる努力をしてくれたおかげで、今の世の中があるということを認識していかないといけない。
1投稿日: 2022.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奴隷制の奴隷女として生まれてきたことは不運であるが、暴力的な主人から逃れる策として他の白人の子を宿したり、主人のいかなる言葉にも否定したり、自己主張の強さとそれに伴う行動力が凄まじい。勿論、辛い日々が鍛えたのもあるだろうが、自由黒人である父の影響も強そうだ。 主人が恐らく嘘であろう優しい言葉や、偽りの手紙は優しすぎて実に滑稽で面白かった。 リンダとその子供たちは自由を手にしてハッピーエンドだが、伯母と祖母が切ない。特に伯母のエピソードは悲しい。床に寝かされて6回も流産してようやく部屋で寝ることが許され、2回出産するがどちらもしばらくして死ぬ。子を持てぬのもあり、リンダらに対して我が子のように接する、悲しい。 最期は叔母がいてくれて良かった。それでも悲しい。
1投稿日: 2022.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
きっと次のページでは、良いことが起こるとずっと思いながら、最後まで来てしまった… 理不尽…あり得ない…そう思わざるを得ないけれど、これが現実であったことは知っておくべき歴史なのだろう。
2投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログ積ん読本。 奴隷制度とは、得に女性にとって何と苛酷で凄惨なものか。 本書から150年経った今現在でも、差別と虐待は無くなっていない。 茂木健一郎氏によれば、人間の脳は縄文時代から変わっていないそうだから、考え方も変わらないかもしれない。 人間の恐ろしさを身に染みて読む。
2投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ黒人奴隷として生まれた少女が、自由を得るまでの壮絶な半生記。 内容は凄まじく、当時の白人と黒人の差別の恐ろしさが伝わってくる。 だが、原書から削除された部分があるとのことなので、星を減らさざるを得ない。 https://togetter.com/li/1660819 原典と本書を比較して下さった方のツイートのまとめ。
0投稿日: 2022.04.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アメリカの奴隷制度について私は概要は知っていても真実や現実を知らないのだと思い知らされた。奴隷には逃げ場がない。人権がない。奴隷の子もまた奴隷であり、商品になるのだと。リンダは生き延びた。相当な精神的、肉体的なダメージを負いながらも生き延びた。言葉にならない。
0投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログノンフィクションと分かって読み始めたけど、読み進めるにつれてこんな残虐なことがリアルにあったと、想像するのは本当に難しかった 白人が黒人を奴隷として所有する「当たり前」、奴隷は人としてではなく物として扱われる「当たり前」 現代では考えられないような「当たり前」が数え切れないほど出てきたけど、それを「当たり前」で終わらせずに必死に抗い、自分の信念に従って動いてきたジェイコブスさん 自分が当時のジェイコブスさんだったら同じ行動がとれたのか、はたまたドクター・フリントだったら? 今生きている現代にもたくさんの「当たり前」があるけれど、全部「当たり前」と思っていいのか 色んなことを考えるきっかけをくれた本だった
0投稿日: 2022.02.25
powered by ブクログ19世紀奴隷として生まれ、人として認められないその過酷な制度から、不屈の精神で、考え逃げて時に戦い遂に自由を掴んだ少女の手記。 書かれている全てが事実というところがベストセラーの所以。人はどこまで冷酷になれるのか、理解を超える事実もある。 文章はわかりやすいが、話のつなぎとか流れがぎこちないところがあり、多少想像しながら読み進める。もちろん奴隷制度の証言としても重要だと思うが、一人の少女の自由への渇望の物語。
9投稿日: 2021.11.23
powered by ブクログ文章力のせいなのか、辛さが半分(もっと少ないかも)しか伝わってこない。 よーく考えればそんな狭い場所ではもっと辛かっただろうな。とか、それはすごい恐怖だろうな。とか、わかるんだけど。 最近問題になっている日本ハムの豚だったり、長野の崩壊ブリーダーだったりのニュースで心が痛いけど、豚や犬が文章を書ければこんな感じなのかな? 恥もあろうがどうせ書くならもっと事細かに書いても良かったんじゃないかな。
0投稿日: 2021.10.31
powered by ブクログ奴隷制度の闇をリアルに綴った作品。なんと感想を書いたら良いかわからないが、とにかくみんなに読んで欲しい。どんどんのめり込んでしまい、すぐ読み終えてしまった。 現代まで残る白人至上主義の根源を見たような気がする。
0投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログまだ奴隷制度が終わっていなかった頃のアメリカの現実について著者の奴隷だったときの具体的な体験を交えて知ることができ、さらに今私たちがいかに恵まれているのかを実感することができる貴重な本。
0投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ知らないといけないけどあまりにも残酷な現実。 しかし、今も解決されていない問題だからこそしっかりと向き合わなければならない。
0投稿日: 2021.09.06
powered by ブクログアメリカ奴隷制度時代の被害者の自伝。作者から見た社会、征圧者に対する思いが一方通行ではあるが、過去実際にあった歴史に目を開くべきだろう。神がいつもそばにあり、「アンクル・トムの小屋」を思った。一女性の生き様としてもで少女向け推薦図書といえる。2021.9.4
0投稿日: 2021.09.04
powered by ブクログ猛威を奮うこの世の中。 当たり前に感じていた自身の日常生活が当たり前ではない時代. 私達は知らなければならない、知らなかった。では済ませてはいけない。
0投稿日: 2021.09.04
powered by ブクログ父も優秀であったが、祖母が周辺の黒人はもとより白人にも一目置かれる人格者であった。子どもに教育も受けさせ奴隷にしては自由な家庭環境。おそらく彼女はそういう環境で育ったからこそ大胆な行動をとれたのだろう。彼女は恵まれていた。 もう一つ恵まれていたのは、美しかったこと。リンダは白人の女性が美しい事は武器になるけど、黒人女性が美しい事は災難が一つ増える事だと言う。その通りかもしれない。現にドクターからセクハラを受けている。 ただ、多くの奴隷の少女達は有無を言わせず力ずくで犯されてしまったと思う。その点ドクターは医者としてのプライド故か、手荒な事までは至らなかった。案外本気でリンダに惚れていたのかもしれない。 リンダが逃亡した後、ドクターは多額の報償金をかけて広告を出している。またニューヨークにリンダがいると噂に聞くと自ら出掛けて行って探す。彼女に対する執着は異常だ。 隠れ家に追手が迫って来ると、主人公に同調してこちらまではらはらドキドキしてくる。こんなに同調出来るキャラも久しぶりな気もする。 これは小説のようだが実話らしい。全くもって厭な人間も出てくるけど、中には凄く親切な人も出てきて、なんとなく救われる気がする。そしリンダやその家族達の直向きな姿には素直に共感させられる。
2投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログ小説だと思われ一度忘れ去られたが、126年後の1987年に実話とわかり米国でベストセラーに。私はちょうどこの頃、南部が舞台の『風と共に去りぬ』に没頭。併読したかった。「奴隷制は、黒人だけではなく、白人にとっても災いなのだ」。奴隷であった著者の言葉。素晴らしい知性の持ち主だ。 奴隷制の現実は凄まじい。スタンフォード大学の監獄実験ではないが、役割・制度が人を狂わせるのかもしれない。虐げ続けた白人の主人の多くは、神の教えに自らが背いていたことを認めるためか、死ぬ間際になりたまらなく恐ろしくなったという。 人間の愚かさについて、知りすぎるということはないな。
15投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
たいへんな作品です。 160年前のアメリカで実際にあった話。というか、奴隷だった少女による自伝。当時のアメリカでは、「奴隷の黒人」イコール、読み書きができるはずがない。自伝を書けるはずがない、奴隷の黒人は無知でバカだ。と思われていたので、これが本当の話だとはだれも思わなかった。物事を大げさに描いた、白人によるフィクションだと思われていた。 この「自伝」では、主人公のリンダは奴隷の身分ではあったが、知的で敬虔なクリスチャンである祖母の影響を受け、白人目線で言えば「奴隷らしからぬ」立ち居振る舞いをする特別な黒人だった。読み書きもでき、自己を見つめ、良く生きようと懸命に運命に立ち向かった。そして、奴隷制の悪を見抜いていた。憎むべき白人の「奴隷所有者」を前に、「奴隷制が人間をダメにしている」と考えていた。 彼女の数奇な運命。 執筆後、彼女の存命中にこの自伝が注目されることがなかったことが、非常に残念に思われる。 翻訳者のあとがきにも心を打たれる。 良い本に巡り合えました。
2投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ19世紀の米国南部の奴隷だった著者が、持ち主の性的要求から逃れるために別の白人男性との子どもを産み、子どもと自分の自由を求めて逃亡、7年間の屋根裏での生活を経て北部の黒人自由州へと逃れる。その後も執拗な捜索の手を逃れ、周囲の理解ある人々の助けもあり、自由黒人の身分を手に入れる。 長い間創作であると思われていた本書が、20世紀も終わりになって様々な事実が裏付けされ、米国で古典のベストセラーになったという。訳者がキンドルで偶然見つけた原書に感動し、初めて訳したという。 いろいろな意味深い作品だった。
1投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ奴隷少女の体験がここまで鮮明に残っていることはすごいびっくりした。世界史で表面的に奴隷制は知っていたが、この本を読むことで、奴隷制がどのように人々に影響を与えていたかがよくわかった。こんな本が残っていたことが本当にすごい。
2投稿日: 2021.06.18
powered by ブクログ悪に対峙する気高さ、愛する存在を守る一心で全てを犠牲にして賭す強さ、罪悪の根源を俯瞰する聡明さ。実話であることを信じたくないほど残虐だけど、後世に残されてこうして現代になって読めるようになってよかったと思う一冊。
1投稿日: 2021.06.12
powered by ブクログ想像以上にひどくなかったり酷かったり…という感想でした。よくあるレディース漫画にあるみたいな、いきなりレイプされまくったり、拷問されまくったりみたいなことはなかったけど、やはり『人権』はないなと思った。あくまで『財産』として大事にされている感じ。主人公やおばあさんたちが、キリスト教をめっちゃ信仰してて驚いた。征服者の宗教だし、信仰しててもほぼいいことないで…と罰当たり?なことを考えながら読んでた。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログ大学の課題図書で読んだ。アメリカ南部の奴隷制度がどのようなものだったかを1人の少女の実体験を通して学ぶ。子供が目を覚ました時、生きて良かったのか、死んだ方がこの子のためだったのではないかという母親の心境に強く胸を打たれた。
0投稿日: 2021.06.04
powered by ブクログ奴隷少女として働かされた著者による自伝的ノンフィクション。白人医師の奴隷として性的虐待などを受けながら数十年育てられた、自らの苦しみの人生を語っている。自由を手にいれるため、祖母の家の狭い屋根裏に7年間も隠れ続けていたという事実には驚嘆した。非常に読みやすい訳で、彼女の息づかいが聞こえてくるようである。本書では生々しい描写はあえて避けられているが、希望を捨てずに生き抜いた彼女の不屈の精神は、多くの人に希望を与えてくれるのではないだろうか。
16投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ奴隷制は、黒人だけではなく、白人にとっても災いなのだ。それは白人の父親を残酷で好色にし、その息子を乱暴でみだらにし、それは娘を汚染し、妻をみじめにする。(p.84)
0投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログ・たまたま手にした本 ・「過去の制度」として自分の中にあったものが具体性を増した。近しいバイアスや視点は今にも通じる。自分自身にもないのか「人として」何を見てどうあるべきか、改めて振り返りたくなる。 ・彼女なりの闘いかた、制度や社会に屈しない姿、それを支援する人々の存在、ありたい形を思い描き貫く強さを感じた。
0投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奴隷として生を受けた女性のノンフィクション小説。 奴隷主による肉体的・精神的な虐待。現実逃避の一手段としての妊娠などなど。彼女の手記として主観的に描かれており、そのため、リアルだった。 白人を信頼できない描写などありありとしていた。 ただ、少し叙述的には読みにくいところは少しあった。 奴隷主からの逃亡劇、屋根裏での7年間に北部への旅。成功し、このような物語を残してくれている幸運に感謝したいとは思う。 また、壮絶な物語として受け止めることはできたが、想像できない世界すぎて共感はできなかった。
2投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログアメリカ南部の奴隷制のもとに生きた女性の壮絶な人生のノンフィクション。 実話でしかも彼女自身の視点から書かれているのでより入り込んで読むことができた。 今の時代では考えられない様な驚きの事実が沢山で、著者が今の世界問題にも繋がる当時の事実をこの様な形で書き残してくれたことに本当に有難いと思った。 当時の悲惨な人権問題を身近に感じられ貴重な経験ができた気分。 今の生活がどれだけ幸せか身に染みて感じた。 今このひと時ひと時をもっと大切にしようと思えた。
1投稿日: 2021.03.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奴隷制度下のアメリカに奴隷として生きた女性による実話。 とても壮絶な内容だった。 奴隷当事者でなければ完全には想像・理解できない内容だが、できる限りの想像をしただけでも恐ろしかった。 奴隷制度については奴隷当事者しか語ることができないと思う。 これは全ての人が読むべき本であると感じた。 星を1つマイナスしてある理由は、この本の訳者にある。 訳者による後書きにはこう書いてある。 「翻訳に際し読みやすさを重視し、当時の奴隷制に関する著者の一部の政治的見解や描写、ジェイコブズ自身の人生から逸脱する登場人物に関する記載、また当時の女性著者特有の現代では感傷的に響く重複は削除し、脚注も最小限に留めさせていただいた」 よくもこうぬけぬけと書けるものだと思う。 訳者が勝手にこのようなことをしていいのか。 そうすることで著者による完全なノンフィクションであるとは言えなくなるのではないか。 著者による著述が素晴らしく、より多くの人に読まれるべきだと思う分、この訳者にはただただ腹が立つ。
2投稿日: 2021.03.04
powered by ブクログ人権問題に興味があり手に取った本です。 奴隷制の表面的な恐ろしさだけでなく、それが黒人に与えた精神的苦痛も描かれています。 中には目を背けたくなるような描写もありましたが、自分が如何に奴隷制について無知だったかを思い知らされました。 「法律が正しい」という概念が通用しないこともあること、間違っていることに立ち向かう勇気を持つことの大切さを教えてくれる本だと思います。
1投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログ読んでよかった。北部に逃げてもそれでもなお苦しみ続けなければいけなかったリンダ(ハリエット)の壮絶な人生が現実に起こっていたことだとはにわかには信じられない。でも今もなお黒人差別が根強く残るアメリカ、この本を学校の必修本とかにしてもいいのでは。
0投稿日: 2021.02.03
powered by ブクログ「控えめに言って、全人類が読むべき」。イオンの未来屋書店にてポップと共に面出しされていた。思わず購入。『いのちの食べかた』に出会って以来、人権問題の類いにはどうしても惹かれてしまう。 結局、「民」つまりドグマの針で眼を潰された奴隷とは私たちのことなのだ。白人たちの彼女に対する仕打ちはそれをよく物語っている。彼女の戦いは勝利に終わったが、その水面下には何百何千もの敗北があったのだろう。作者が伝えたいのはそれではないか。現代には奴隷制こそないが、相変わらず私たちの眼はドグマの針に潰されたままだ。「知る勇気」だけが、彼女たちの姿を見、声を聴くことだけが私たちの眼を開けてくれる。私はそう信じている。
2投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログ彼女が字を学んでいたおかげで、当時の奴隷の様子が手にとるようにわかる。壮絶だが、素晴らしい出会いを自ら開拓したことにホッとできる。 過去について沈黙していた方がむしろ楽だったが、北部の人に奴隷制の実態を伝えたかった…との前書きにグッとくる。
0投稿日: 2020.12.15
powered by ブクログ色の違いだけでこれだけ運命が変わるのかと思うとゾッとした。 私が彼女ならこんなに強く生きられたかなと疑問に思う。
0投稿日: 2020.11.14
powered by ブクログ差別という強大な力。己を優位にするために違いを順位付けし、他者を下に置き、蔑視と暴力で取り囲む。 この本自体が、白人なよる創作物と思われた期間の長さ。 創作だったらどれたけ良かったであろう、黒人女性を追いつめるものども。 気が滅入る、途方に暮れる。
0投稿日: 2020.11.03
powered by ブクログ黒人差別とは? 私達には感覚ですら分かりづらいことかもしれません。 黒人とは過去のアメリカでは所有物であり、相続するものである。 この感覚は著書を読むまで知らなかった。 また所有物として扱っている、扱っていたことが、今まで差別として続いていく一因なのだと思う。
0投稿日: 2020.09.29
powered by ブクログ少し読みにくい部分もあるが、それを補って余りある内容だった。 やはりノンフィクションの地からには圧倒される。 差別…は、人類の永遠のテーマだろうなぁ。
2投稿日: 2020.09.20
powered by ブクログ昔見たドラマ「ルーツ」を思い出した。それは黒人男性が主人公だったが、女性であるがための二重、三重の辛苦が読む手を休ませなかった。
0投稿日: 2020.09.18
powered by ブクログ実話ということに驚き、過酷な生活の状況の中で一生懸命生きてきた主人公や主人公の家族がいたということに、とても胸が苦しくなりました。同じ人間なのにという気持ちが、とても強くわきあがってきました。
0投稿日: 2020.09.13
powered by ブクログ正直に書くと、心が痛む反面、 まるでフィクションのような過酷な状況に どこかで「本当に起きたことなの?」と疑いの気持ちが湧いてしまう自分。 まさに平和ボケした現代人… でもそれを痛感できるからこそ現代に生きる人たち、 そしてアメリカがまた変わろうとしている今、 これを読むべきかと。 差別は、されてない人には到底理解ができないほど 残忍でむごいものだ。
2投稿日: 2020.09.02
powered by ブクログ奴隷として生まれた著者の、日々の生活や思いが非常によく伝わった。 こんな文章を残してくれたことに感謝。 想像を絶する過酷な運命の中で、他人に恩恵を受ければ感謝し、自分の子どもを愛し、人としての尊い心をずっと持ち続けていられた誇り高き著者は本当に素晴らしい人格者だと思う。
0投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ初めて、奴隷制度とはどういうものかを知りました。 一気に読めました。 彼女の事、彼女の子供達や家族の事をさらに知りたくなりました。 読めて良かったです。
1投稿日: 2020.08.11
powered by ブクログこれはたくさんの人に読んでほしい。 ハリエット・アン・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事 」。 ちょっと前に「ハリエットって奴隷解放に尽力した女性の映画やってたな」と思いながら買ったけど、あれは同時代の別のハリエット(・タブマン)の話。ハリエット違いだった。 この本のハリエットは、他の奴隷も解放しようとするわけではなく、普通の少女。 この本は当初自費出版で世に出たもので、「教育を受けていないはずの奴隷がこんな文章を書けるはずがない、フィクションだ」とアメリカでもおよそ120年埋もれていたところ、研究の結果、本当に元奴隷が書いた実話と確認できてから、アメリカでは名だたる古典とともにベストセラーランキングに名を連ねているとのこと。 訳者の堀越さんも、本業は翻訳者や研究者でなく会社員。今なお地域や学歴などの格差に取り巻かれている日本の少女たちに特に伝えたいという思いで訳されたらしい。 それまでそんなに日本に紹介されてなかったぽいのも何だか不思議。 さて、本編は、冒頭から白人の卑劣な行いが綴られているため、最初からめちゃくちゃ胸糞が悪い。 奴隷所有者と奴隷の間で約束をしても(書面でも)何やかんやで反故にされ、自分が家族を買って自由の身にしようと一生懸命お金を貯めても何やかんやで奪われ、抗ってもよくわからない理屈で侮辱・罵倒され…人間の尊厳は踏みにじられている。 ある意味当然なんだと思う、何せ彼らは奴隷のことを同じ人間と思っていなかったので。それが彼らの「常識」で、法律もそれベースなので、どこにも救いが求められない。 また、単に「最後は自由になってよかった」だけでなくいろいろ考えさせてられる点もあった。 同情的な白人であっても奴隷と自分たちを同等と見る人はほぼいなかったこと、 理想郷と思って逃げてきた自由州でも黒人差別が完全にないわけではなかったこと(列車の車両とか)、 自分が逃げて自由を手にしても家族みんなで暮らすことはかなり難しいこと、 うまく家族で集まれても一生一緒に幸せに暮らしていけるとは限らないこと… 筆者の文章が、生々しい描写に頼ることなく、知性と誇り高さを感じさせるのが、余計に味わい深い気がする。 けど、差別し蹂躙したのも人だけど、数少ないとはいえ救いの手を差し伸べたのもまた人で、そこには救われた。 全世界の人が、他の人間みんなに尊厳をもって接する日の遠さを思う。
1投稿日: 2020.08.06
powered by ブクログ日本にいると、多様性について考える機会は、与えられない限り、あまりないかもしれない。 特にコロナ下においては、自ら情報を得ようとしないと日本社会特有の一般論での考え方に偏ってしまうこともある。 そんな時に読んだ本で、今も根強く残る黒人差別問題の渦中で劣悪な環境で過ごした130年前の実体験を綴られた本。理解できない言動、現実味のない情景、今も形を変えて残る差別問題を知ることの大切さを改めて感じた。 知らない国の知らない人が、どこでどう生きて考えて希望を見出しているのか、そこから自分は何を得て考えて行動できるのか。 日本が世間体や固定観念ではなく、多様性に寛容な社会になるには時間がかかると思うが、多様性を考える、権利を考える時間ができた。海外留学や旅行ができない今だからこそ、多様性を知る手段の中に本があることをより実感した。
0投稿日: 2020.08.06
powered by ブクログ文明国が一番野蛮なことをしている、という高校の先生の台詞を思い出した。この世で最も始末に負えないものは、人間の思考停止と「小さな優越感」だと思う。
0投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログ130年前に書かれた自伝。「著者不明のフィクション」自主出版として忘れられていた本書だが、事実に忠実な自伝であることが確認されたのは1987年。 米国で「遅れてきたベストセラー」となった本書の日本語版が出版される至った経緯が珍しい。コンサル会社(戦略系か会計事務所系か?)勤務の堀越さんという女性が、2011年8月に大阪出張のために乗った新幹線でKindleの中でたまたま見つけた本書に衝撃を受けて翻訳を決意した、というもの。2014年に単行本が出版され、文庫本は2019年第1刷、2020年5月には8刷を重ねているので、ジワジワと読者が拡大している模様。 著者は1813年生まれ。舞台の大半は19世紀前半のノースキャロライナの沿岸部の街「イーデントン」。アルベマール湾という入りくんだ港湾の奥の港町。2019年の米国のベストセラー「ザリガニの鳴くところ」の舞台となった架空の町「バークリーコーブ」周辺の湿地帯と描写がかぶる。 南北戦争(1861-1865)以前の米国南部には奴隷制度が存在し、著者ファミリーをふくむ奴隷は「モノ」「財産」として売買の対象となっている。奴隷制度のくびきから逃れている自由黒人も存在するが、著者の「所有者」であった医師の男は愚劣かつ卑劣な人物。本書は、著者とその子供達が彼から逃れるまでの何十年にもわたる驚きの物語。本書が終わる1861年は、日本でいえば幕末の時代であり、米国では南北戦争が始まる年。 奴隷制度というものは、黒人を人間として認識しないという前提となっている。当時の奴隷所有者の白人男性たちが奴隷の若い女性をいかに性的はけぐちとしていたか、その結果、白人女性達の猜疑心や嫉妬心が大きくなっていたか、という事に衝撃を受ける。 これらの奴隷所有者の白人たちが、奴隷に産ませた自分の子供や、自分の幼少期の面倒を見てくれた異母姉を、財産として売却することが一般的であったことを知り戦慄した。 多くの無名な奴隷達の困難辛苦があったはずだが、その当事者による自叙伝であるこの物語は世に残されるべき本だと思う。
1投稿日: 2020.07.25
powered by ブクログ読み終わったけど、読めた感じがしない。 この物語が投げかけるものをちゃんと受け止めるだけの謙虚さがないんかな?とも思う。 原文を読みたいな・・・ 今アメリカでは、そして世界中が黒人差別にそしてその構造をぶっ潰そうとしている。 それは白人が罪のない黒人を殺したという悲惨な事実からやけど、それは日本人がまだ侍みたいなかっこをした人が多かった時代から、緻密に積み上げられた、巨大なアスレチックスをぶっ壊すくらいの力がいるのかもなとこの本を読んで思う。
0投稿日: 2020.06.13
powered by ブクログ自分がこの時代に南部で生きていたら、奴隷制を当たり前のように思ってしまっていたかもしれないと思うと怖い。
2投稿日: 2020.05.29
powered by ブクログ1840年前後のアメリカの奴隷制度の中で、横暴な(ほぼストーカー)のヒヒ爺の圧力屈することなく自分を貫き通した勇気ある黒人女性の物語です。 1863年の奴隷解放宣言まで20年以上待たねばならない時期に、一番弱い立場の少女が知恵と勇気を振り絞って奴隷制度に抗おうとします。黒人は人間ではなく、牛馬のように取引される資産であり、逃亡するという事は持ち主の資産を目減りさせるとんでもない事なのでありました。 先日流行った映画「グリーンブック」では南部をツアーで回る黒人ピアニストが、あらゆる場所で白人から迫害されるシーンが有ります。あちらは既に黒人の権利もある程度あり、法的には自由であるが、人種差別が色濃く残る地域ではいつまでも汚泥のように差別が残っていく事が描かれています。 この本ではリンダという少女がいかに自由を勝ち取ったか、という事が一番重要であり奴隷制度の悲惨さに眉をしかめるよりも、彼女から勇気をもらう事の方が多い本かもしれません。高潔な彼女の姿と、その周りの肉親や仲間たちの暖かで誇り高い姿に胸打たれます。 この本の中で印象深かったのは、奴隷制度があることによって、白人社会も腐敗し欺瞞に満ち溢れて、人格的に破壊されていくという事に言及していたことでした。この高度な思考を、虐げられた一人の奴隷の少女が産み出したというのが驚愕です。 夫は奴隷女性を性的に自由にすることを夢想し、息子はその姿を見て育つので似姿になるでしょう。妻は、夫が奴隷女性に性的な感心を示すことに嫉妬、怒りを貯めこみ。その貯めた怒りは夫ではなく奴隷に向ける。こんな負のスパイラルに居ることが豊かな事とは言えません。 人が人を支配し罰を与える。誇りを踏みにじり、親子の情すら無視して商品、資産として管理、売買する。これを法的に認められている世界にもし自分が生まれ、白人として彼らの生殺与奪の権利を有しているとしたら、高潔に生き抜ける人がどれだけいるでしょうか。 この滑稽な程汚い白人の資産家達を本当に笑う事が出来るのか、自分自身の胸に手を当てても確たる答えは出ません。 親から奴隷を相続したとして、彼らに温かく接することは可能だし、そう悪い持ち主にはならない自信はあります。しかし彼らを自ら解放するとは自分自身思えません。 時代と境遇、教育など色々な事が足されて人格が形成されるので、その時代の思考を超える思考を出来る人が時代を変えていくのでしょう。 その時代に生きていた人が特別残忍だったり冷たかったりする訳ではなく、あくまで状況によるものだと思います。 閑話休題 この本は出版から120年程見向きのされず。こんなに理路整然とした文章を奴隷女性が書ける訳が無い。白人の創作だと言われていました。 そして後年の研究で、実在の元奴隷女性が書いた事が認められたそうです。 この本は皆に読んで欲しいし、今でも差別的な言動を繰り返している人たちがいかに滑稽かを客観視する為に必要なものだと思います。 混乱している世の中だからこそ、国や人種や性別それ以外無数に存在する属性を認め合う第一歩として、過去の愚行に目を向ける事が重要だと思います。 何故かといえば、今現在の自分の姿が100年後の人々に当然と映るかは分からないからです。それを想像するには過去と現在と未来を冷静に見つめる心が必要だと思うからです。これこそがエンパシー(共感)というやつではないでしょうか。
0投稿日: 2020.03.26
powered by ブクログ内容も衝撃的だが本作が歴史の中に埋もれてしまっていた時代背景、ラベリングに嫌悪感...。しかし、同時代に生きていたら同じように思えるのか、甚だ疑問。法律だから、制度だから、決まりだから...。無自覚に、無関心を装っているかもしれない。忘れた頃に読み返す本になりそうだ。 「鞭で打たれる痛みには耐えられる。でも人間を鞭で打つという考えには耐えられない」
13投稿日: 2020.02.05
powered by ブクログ人権が法律で守られていることが、どれほど大切なことか痛感出来る本 途中何度も、この本がノンフィクションであることを思い出さないといけないほど苛酷な話。 人権教育にこの本が使われるようになると良いと思う。 世の中で広くこの本が読まれることを願います。
0投稿日: 2020.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
購入済み 読了 内容(「BOOK」データベースより) 好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身篭ることを―。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遙かに凌ぐ“格差”の闇を打ち破った究極の魂の物語。 130年後のベストセラー。 発売時に売れていたらどれだけ作者の助けになっただろうに。 この時代、所有者が奴隷をレイプできなくなっていたのには正直驚いた。 この逃亡劇は作者の精神力の強さの賜物。 奴隷解放を経験できたことは嬉しく思う。 ただ別の白人の愛人になる、っていうのがよくわかんない思考回路ではあるけれど、好きでもない男の子供を産む決断とは、想像がつかない精神状態だったと思う。 差別は、ある。 その気持ちと折り合う方法なり、知識は必要なんだと思う。 根底にあるキリスト教が支えになっていたのも印象的な作品でした。 Incidents in the life of a slave girl by Harriet Ann Jacobs
1投稿日: 2019.11.25
powered by ブクログ奴隷制の過酷な環境を生きた自伝。 いろいろと難しいのだろうが、肝心なところをはっきり書かない手法がわかりにくく、実際に言ったのかと思いきや『と言いたかった』などの表現に?となることが多かった。
2投稿日: 2019.10.11
powered by ブクログつい150年ほど前にアメリカで行われていた非常な歴史、奴隷制度。国がオフィシャルに黒人を奴隷として堂々と扱えること。彼らにとっては、生きるも死ぬのも同じ死を意味するような生活だったことだろう。アメリカでは、もちろんすべての生徒にこうした奴隷制度を教えているわけである。今後このような人間を人間とも扱わぬようなことがあってはならない。だからこそ、アファーマティブアクションという制度をとって、人種やマイノリティに偏りがなくなるように国がサポートをしていく制度はとても良い案だと思う。(この制度を使って悪事を働く者もいるが…) 日本でもきちんと自国の歴史を正確に学ぶべきことである。私たち日本人が、どのようにしてアジア人を苦しめたか。日本は、西洋人(白人)を崇拝するかのように自動的に自分たちより上、アジア人や黒人は下と順位付けする。(知り合いが中国人のことを笑いながらチャイニーといっていてゾッとした。どう考えても差別的なネーミング)こんな考えは排除しないといけない。どんな人種だって、同じレベルであって同じように接することが当たり前だと言える社会でありたい。
7投稿日: 2019.09.21
powered by ブクログ私は何も知りませんでした。奴隷制度がこれほどまでに過酷で辛い制度だったとは。この本の筆写は身を持って私に教えてくれたのです。人間はいくらでも傲慢で残忍になれることを。もし自分が少女のような立場なら、生きることをあきらめていたでしょう。そしてもし自分が奴隷を所有する立場なら、ここに出てくるアメリカ人と同じように人を所有することに抵抗なく、朝から夜まで働かせ、財産として平気で売買してしまうのではと何度も考えさせられました。つらい話の救いは主人公リンダの決して負けない強い心です。まるでドラマのような展開に思わずひきこまれてしまいました。手に取って読んでよかった名作でした。
3投稿日: 2019.08.21
powered by ブクログ150年以上前の黒人差別の過酷さを浮き彫りにする。アンネの日記同等、歴史的価値があるが人間の根本心理や行動についても考えられるし、物語としてもよくできており引き込まれた。白人の子供を宿すための交渉の部分がデリケートに描かれすぎておりそこに至る経緯や心情が曖昧で気になる。 発掘された本書はアメリカでベストセラーとなっているとのこと、とても良い傾向に思う。決して過去のことと片付けることができない、今もある様々な差別を改めて考える機運になることを祈りたい。
1投稿日: 2019.08.16
powered by ブクログ自由になってもなお、ペンをとって戦い続けるリンダの勇気に拍手を送る。また、出版の機会を得られなかったが、確かに実在した奴隷制度の犠牲者たちのことを、我々は忘れてはいけない。そして、本書が実話であることを証明するために勢力を尽くした人々へ感謝したい。次の世代のためにも、リンダを救う手を差し伸べてくれた人々のような、愛と優しさに満ちた世界にしなければならないと強く感じた。
5投稿日: 2019.08.07
powered by ブクログ闘いの「ノンフィクション・ノベルズ」だ。 たとえ奴隷制や女性史に関心がなくても、何かしらマイノリティに所属した経験のある者は励まされるのではないか。海外旅行で黄色人種として冷たい対応をうけたとか学校でいじめにあったとか、そういう低いレベル(この奴隷少女に比べたらの意)でさえ、生き抜くための気合いが入る。リンダに方法論を学ぶことはなくても状況に心を寄せて、いかに強く耐えるか、願うか、闘いを学ぶことができる。 死んだほうがマシだという圧倒的絶望の中でも小さな希望や偶然を疎かにしてはならないと感じた。個々の読者にとどめずに社会に還元していくことが、本書の存在意義を強めることになろうか。広めたいと思う本だった。 ※後日追記予定
1投稿日: 2019.03.18
powered by ブクログ19世紀のアメリカ南部に奴隷少女として産まれた著者が自らの体験をもとに記したノンフィクション。奴隷制度がいかに当時の南部において、黒人奴隷だけではなく、奴隷所有者に対しても、残酷で荒廃した風土を蔓延らせていたか。いったい、人を支配するということがどれだけ人を誤らせるのか、という角度でこの本を読んだ。また、苦しみに満ちた奴隷生活、逃亡生活を支えたのが子供とのつながりであったことから、人の親であることが人にどれだけの力を与えるのか、ということも考えさせられる。
0投稿日: 2019.02.09
powered by ブクログ「 ある奴隷少女に起こった出来事 」 奴隷として生まれ育った 少女リンダが 自由を勝ち得るまでの物語。 自由とは勝利であり、自由を得るための行動は リスクを負うことがわかる *私の物語は自由で終わる〜北部の白人と同様に 奴隷所有者の力からの自由 *奴隷時代は 忘れたい過去〜希望を失いかけた日々と共に心によみがえったのは 祖母に愛された 思い出 「奴隷制は〜白人にとっても災い〜白人の父親を残酷で好色にし、その息子を乱暴で淫らにし、それは娘を汚染し、妻をみじめにする」 少し性的奴隷が強調されていて、この本に 奴隷制度の構造が描かれているとは思わなかった
0投稿日: 2019.02.04
powered by ブクログ2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1205.html 古い時代から世界中にあった奴隷制度、 多くの悲劇や困難をのりこえて 今はもうなくなったと思いますが、そんな時代に生まれてこなくてホントよかった。 アメリカの奴隷のことは、「ハックルベリーの冒険」、「風と共に去りぬ」から始まり、様々な映画や本で見聞きしてきたが、こんなに生々しく悲惨な話は初めてです。 作者は賢く誇り高い少女ですが、なんと言っても奴隷の身です。 その人生は、到底想像もできないほど辛い日々。とうとう 途中で読み進めなくなってしまい、ハッピーエンドな最後を読んで 胸をなでおろした次第です。 作者は繰り返し語ります。(P84) 『奴隷制度は、黒人だけではなく、白人にとっても災いなのだ。それは白人の父親を残酷で好色にし、その息子を乱暴でみだらにし、それは娘を汚染し、妻をみじめにする。 黒人に関しては、彼らの極度の苦しみ、人格破壊の深さを表現するには、私のペンの力は弱すぎる』 『・・・抵抗しても希望はないのだ』 と思われていた奴隷制度も人々の努力で廃止されました。 奴隷制度とは違うが、社会制度や政治経済・国家対立など 現代でも多くの困難なことは多いでしょう。 解決は無理と考えられていることも、おおぜいの人がきちんと認識し努力していけば、きっと快方に向かう、そんなことを本書で思いました。
1投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ奴隷制。 人がモノとして売り買いされていた時代の実話。 人間の愚かさ残酷さ。 そして悲しいまでの少女の強さ。 必読の一冊。
1投稿日: 2018.12.31
