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太陽と乙女(新潮文庫)
太陽と乙女(新潮文庫)
森見登美彦/新潮社
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総合評価

35件)
3.7
5
11
13
1
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    やはりこの人のヘンテコな発想(妄想?)や語彙のチョイスが好きだなと。 好きな作品をどのように生み出しているのかも垣間見れておもしろかった。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    一気読みしようと思ったが、そういった読み物ではなかった。 少しずつ、少しずつ読んでいき、少しずつ森見さんのことを知った気になれた。(エッセイはあくまでフィクションだそうですので。) 小説から感じられる森見さんの作家像は、アイデアが溢れてしょうがなくさぞスラスラと書きまくっているのだろうと思っていたが、真逆。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    肩肘張らずにのんびり読みました。随所に森見節が盛り込まれており、ニヤニヤしながら読んでました。 空転小説家の中で、「慰みは散歩と妻だ」と書かれていて、とても共感しました。

    4
    投稿日: 2025.06.13
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    森見登美彦のエッセイ集であり、雑文集でもある。 一冊のテーマがある訳ではなく、あちらこちらで書き散らした文章を集めて一冊にしたもの。 どれも何だか同じような事を何度も言っているようで、面白味はあまりない。 ご本人もエッセイは苦手だと書いているが、確かに大して面白くない。 森見登美彦氏には、ヘンテコでSFチックな物語を期待したい。 星は3つ。3.3とかかな。

    0
    投稿日: 2025.04.11
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    森見さんの小説の書き方などについても書かれていて興味深かった。 夜は短し歩けよ乙女を読んで、お酒の飲み歩きが好きになった。また、日常の隣にある異世界は自分も大好きである。子供の頃は、そんな異世界に生きたくてうずうずしたし、それを描いてくれる作品が好きだった。デジモン、ハリーポッター、ダレンシャン、ブレイブストーリー… またいつかパラパラ読み返したいと思った。

    0
    投稿日: 2025.01.25
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    こんな時に読むものではない。 こんな時だからこそ読むのか。 森見登美彦は、 童貞作「太陽の塔」を書いたのは必然だった 彼は万博公園のそばで幼少期を過ごした 万博自体は彼にとってカンブリア紀であり 公園は安上がりに済ませる遊具場だった 1998年森見は京大農学部に入学した 父親は迷うことなく 四畳半の下宿を見つけた 学業も小説書きも入社も恋も腐れてゆき 彼は逃げるように大学院へ そして四畳半小説を書くのである。 おゝまるでわたしの四畳半の大学生活 そのパラレルワールドを延々と繰り返す 何処かの男の青春のようではないか 森見登美彦とわたしを別つのは 第一作をものした それに尽きる そこには偶然もあったが 必然もあったのである 大学4年間の総体験を 彼は童貞作に注ぎ込んだ その後はかなり〆切に苦しんだようだが この時は1か月前に完成したという わたしとは違う 以前わたしは、星新一が森見の枕元本だと書いたが、小説、ましてやショートショートではなかった。エッセイ「進化した猿たち」だった。森見とわたしは同じではない(←当然)。その後、森見の最近のそれは、岡本綺堂『半七捕物帳』、コナンドイル『シャーロック・ホームズの冒険』、薄田泣菫『茶話』、吉田健一『私の食物誌』、興津要編『古典落語』が挙げられている。 因みに『半七』をaudibleで聴き始めたが、これも必ず30分で寝落ちする。一度これを聴きながら車で帰っていたら、少なくとも数百m意識無くなったまま動いていた。危ない危ない。

    121
    投稿日: 2024.12.17
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    森見登美彦という人を知って(知ったつもりになって)なお面白い! これかも、どんどん森見登美彦作品を読んでいこう! そう思えた一冊。

    6
    投稿日: 2024.11.06
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    やっぱり登美彦氏のエッセイは面白い。 そういう意味ではボリューミーかつ創作色の強い「美女と竹林」の方が面白かった。ちびちび読むのが合うというのも納得。 けれど、登美彦氏の考え方や生き方が垣間見えるのは今作の魅力であり、またいろいろな小説を読み返したくなった。

    2
    投稿日: 2024.04.29
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    小説から想像した「森見登美彦」のイメージ通りであり、異なる部分もあり(当たり前)ちびちび読もうと思ってたのに思いの外進んでしまった。

    5
    投稿日: 2024.02.06
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    森見登美彦氏が作家デビューした2003年から2017年頃までに各媒体に発表した散文集とのことで、まず一連の小編を読んでいくうちに、著者が書く各小説作品の根底に流れる息遣いがどこから生じているのか、ということがよく分かる。 幼少の頃よりどんなものに興味を持ち、どんなものを面白いと思い、どんなものを遠ざけてきたか、等々の赤裸々な吐露が、見事に作品群と連関していると感じる。 あまつさえ、森見氏なりの小説のレシピともいうべき、創作プロセスまでが公開されているのが、一読者としてとても興味深いことである。 私も著者とまったく同様に、大学生活前半の2年間ではあるが、四畳半一間の木造アパートに住んでおり、そして年代こそ若干異なれど、同じ地域圏内に生息していたので、それらにまつわる語りには強い共感を覚える。 また、計画通りに出来上がった小説はきっとつまらないという見解についても、生業とする分野は少々違うが、ハプニングが発生しクリエイターの創造を超えて初めて、作品は面白くなる、と私も常々感じていたクチなので、深く同意する。 他方、物語として破綻のない整合性よりも、断片的なイメージや文章の繋がりとリズムを重んじる、という創り方に対しては、がっつり左脳に偏向した私にとっては驚きであり、森見登美彦たる由縁の一端を垣間見た気がした。 自分は文学に目覚めたわけではない、と明瞭に述べられている氏だが、例えば「有頂天家族」シリーズなどは紛れもなく文学作品に昇華している点がまた、文筆家としての非凡性を如実に表している。 ただ、その「有頂天家族」誕生のきっかけとして、森見氏が京都の街の一角でタヌキを目撃したというエピソードが披歴されていたが、それは多分タヌキではなくアライグマではないかと思う。 どうであれ、「有頂天家族」は三部作であるらしいので、完結編を気長に待つとしよう…。 「じつのところ私は、地名さえあればなんとかなる、というふうに思っている。」 「計画的であることと、即興的であること。論理的であることと、非論理的であること。匙加減は作家それぞれが自分なりに掴んでおかなくてはならない。」 「映像を描写するというよりも、文章の感触を確かめながら書いている。」 「ここで私なりに重要だと思うことは二つである。一つ目は、最初から私は誰かを楽しませるために書いていたということ。二つ目は、私は「文学」に目覚めたわけではないということである。」 「ごつんごつんと暗礁にぶつかっているときは、『事前の計算を超えたものが生まれようとしているのだ』と考える。」 「小説にとって一番大切なものは、物語ではない。そこに生きた世界が感じられるということである。」

    2
    投稿日: 2023.10.05
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    読み終えるのに1ヶ月はかかった。これはちびちび読む本だと思う。いま私は空転してるのかも。スランプ時期と思って耐えることにする。

    2
    投稿日: 2023.06.04
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    森見登美彦さんのエッセイは初めて読んだ。これを読んで小説の作風はキテレツだけど基本はしっかりしていて、頭が回るから書ける作品だと思った。500頁超える本で半分までは一気に読みあとは少しずつ読み進めた。エッセイとしても読みごたえがあり面白いし、森見さんが知れてよかった。

    5
    投稿日: 2023.05.13
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    第69回出張!アワヒニビブリオバトル@天神さんの古本まつり「古本・古書」で紹介された本です。 2020.10.18

    0
    投稿日: 2023.05.04
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    本人も書いているように枕元に置いておくのに最適な1冊と言えよう。 読んでいるとすぐに猛烈な睡魔に襲われる。そんな本である。

    5
    投稿日: 2023.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森見登美彦の2003年から2017までに書かれたエッセイやあとがき、日記等を収録したエッセイ集。どうということがない日常を描いているのになんだか非常に面白かった。 森見さんの小説は、四畳半や京都洛内を舞台に独特の世界観を構築していて、そこに嵌っていけない時はどうにも乗れないのだが、このエッセイ集は四畳半や京都のことも描かれつつも、平常心で普通に読める。悪く言えば小説よりアクが弱いという感じだが、こなれて読み易いのは悪いことではないと思う。 体調を崩した後、故郷の奈良生駒近郊で静養し、現在もそこで執筆をされているようだが、その奈良の描写が実に良い。生駒や矢田丘陵あたりらしきのどかな描写はのびのびと書かれていて読んでる方まで心の緊張がほぐれてくる感じ。 森見氏にとって、京都はフォーマル、奈良はカジュアル、東京はヨソイキって感じなんだろうか?

    2
    投稿日: 2023.01.23
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     確かに著者も終盤で書いていたように、一気に読むと胸焼けがしそうだった。日常関連の章が面白く、中でも茄子になった話が格別だった。茄子としての役割を演じることで人見知りの殻を破る森見氏が凛々しくて馬鹿馬鹿しい。たまにさくらももこさんを彷彿とさせるのは、ものぐさな所が似通っているからなのか。京都が好きだから書いているのではなく、モリミーが書いているのは偽京都らしい。よくわからない。『シャーロック・ホームズの凱旋』というタイトルは物凄く好みなのだが、まだ出版されないのかな?

    3
    投稿日: 2022.12.26
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    読み終わる時が来るのか?と思うくらいちびちびと読んだ、そんなペースで読んでいたからか、「読み終わる」という事がないもんだと思い込んでいた。全く困った、明日以降、寝る前に読む本が無いじゃないか

    2
    投稿日: 2022.11.05
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    面白かった。森見登美彦は、森見登美彦で、京都は京都、ということが理解出来たことがかなりの収穫。京都もただの街で、森見登美彦もただの人だと感じた。

    0
    投稿日: 2022.06.02
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    「私が京都で一番好きな風景の一つが賀茂大橋の上からの眺めである」「大半がしょうもない悩みや不安や焦燥のうちに過ぎていく時代にあっても、奇跡のように煌めく夜もあったからである」「旅で記憶に残るのは予定通りに行かなかった部分である」「小説を読んで何か読み落としたと思ったら、もう一度読めばいいだろう」「毎日、『小説のかけら』を探して歩くこと、そしてそれを記録すること」

    2
    投稿日: 2022.05.19
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    森見登美彦氏デビューから14年間(2003〜2017) の新聞・雑誌・パンフ等に発表されたエッセイ大全集。日記まで掲載されていますね。 他の作家さんの文庫解説も網羅されていたり、お気に入りの映画、もちろん小説などのエッセイも豊富です。 森見さんの小説は、文章のテンポが良くて、滑稽なのに哀愁がみたいなところが好きなんですけど、ちょっと疲れている時は、あっ今日は何書いてあるかわかんなくなってしまうのでごめんなさい。(神話体系とか)という事もある。が、このエッセイ集は、まえがきに「寝る前に読む本」しかも、あとがきに「少しずつ読む本」。難しすぎず、適当に面白く、どこでも切れが良く、どこからでも読めて、読みたいところだけ読めるという、ベッドサイド最適本を目指している。

    20
    投稿日: 2022.05.18
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    我らが森見先生のエッセイ集が面白くない訳がない 作品を読むだけじゃわからなかった森見先生の人間らしさや学生時代の話 日記の一部まで! 時間はかかってしまったけれどまさに本人が言っている通り眠る前に読みたい一冊。かと言ってすぐに落ちてしまうけど

    2
    投稿日: 2022.04.19
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    『夜は短し歩けよ乙女』の著者による、自身を振り返ってのエッセイ集。京都大学在学中にファンタジーノベル賞を受賞し、前述の小説では、なんとも独自な世界観を示し、唯一無二で天衣無縫な天才肌と勝手に想像していたが、こんなに苦労人だったとは。卒業できなかったから院に行ったり、スランプになったり、振られた人を忘れられなかったり。人は深い。とても味わい深いエッセイ。

    0
    投稿日: 2022.04.03
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    森見先生、愛妻家だな。 読んでいてしあわせな気持ちになる。 クスッと笑える。言葉遊びのような言い回し。

    2
    投稿日: 2022.01.23
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    作者は内田百閒が好きらしいが、なんとなくわかる気がする。「寝るときのおともに、少しずつ読んで欲しい」とあるけれど、いっぺんに読んでしまった。

    3
    投稿日: 2021.12.29
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    筆者が勧める通り、毎日寝る前に二、三話ずつチビチビと読み進めてきたので読み切るまで1ヶ月近くかかった。一つ一つのお話は長さも内容もさまざまなので飽きることなく、毎日ワクワクしながら読んだ。寝る前の読書タイムが楽しみで就寝時間が早くなったほど。 エッセイだが、共感できるところがたくさんあって、私ではうまく言い表せなかった気持ちが森見さんの巧みな言い回しと豊かな語彙で表現されていてなんだか、スッキリした。四畳半主義者としての独自の切り口もユーモラスで楽しい。森見さんの本を読むと四畳半で一人暮らしをしてみたくなる。

    1
    投稿日: 2021.12.19
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    これまでに書いた、色んな媒体でのコラムを纏めただけで1冊の文庫になるなんて、なんて良い商売なんだろう。 ただ、やはり文章と生き様は面白い。

    1
    投稿日: 2021.11.28
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    前半は軽妙で、それこそニヤリと笑ってしまうところもあったのに、後半に行くほど引きつった顔しかできなくなってしまった。 特に、台湾の雑誌に掲載していたというエッセイ集、読むほどに気持ちが重くなっていく。 小説家のスランプほどつらいものはないんじゃないだろうか。 迫る締め切り、埋まらない空白、動かない頭、先走る心、寄せられる期待の目、いっそ隠れたい。 自分や周囲を切り取って小説に書く人ならなおさら、小説が書けないということは、自分自身を見失うことでもある。ような気がする。 不調も3年続けば実力、という境地に至るまでに、どんなにぐるぐるしただろう。 想像するほどに、つらい。 けれど、ここで書き終えて、改めてこの本を振り返ると、タイトルのように、陽光が蘇るのは、なぜだろう。 ところどころに、奈良の穏やかな風景が描かれているからなのか、周囲の優しさが透けて見えるからなのか。 お先真っ暗、とは感じないので、多分、森見先生は、これからも、大丈夫。

    4
    投稿日: 2020.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まえがきにある、「眠る前に読むべき本」という解説がぴったりくるエッセイ集でした。 森見さんの作品はいくつか読みましたが、好きだと思えるものもあれば、自分には合わなかったものもあり。それらがどんな風に生まれてきたか、いくつかの作品については当時の様子も書かれていて興味深いです。 14年分の文章が集められていて、その主張が一貫しているところがすごいと感じました。 ・とりあえず書いてみて、妄想がどう膨らんでいくかに委ねる ・構想の範囲におさまるなら書かなくていい ・物語のかけらは日常の端に転がっている ・奈良 ・四畳半 ・京都を描いているけれど京都が好きで好きでたまらないわけではない 「四畳半神話体系」が大好きなので、このエッセイ集を踏まえてもう一度読んでみようかと思います。

    1
    投稿日: 2020.10.17
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    単行本は読んでいたので、増補された部分を目的に再度手に取った。 特に西東三鬼『神戸・続神戸』の解説と、追加されたあとがきでより最近の登美彦氏の心情が読み取れる。 苦心されて居られるようだけど、それでも新作も出たことだし、これからも末永く楽しませていただければと心から願うばかり。

    1
    投稿日: 2020.09.05
  • スキマ時間に良い

    エッセイ集だし、年代順になっているようで、あれ? これ前に出て来なかった? という、普段の小説のような行きつ戻りつ感もあり、面白かったです。 でも、それほど推敲を繰り返して苦しみながら生み出しているんどなぁ、と改めて感心もしています。

    0
    投稿日: 2020.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【気になった言葉】 「小説を読むということは別世界への「旅」である。」 (P 198) 「俺は恥ずべきことは何もしていない」 (P 221) 【感想】 森見登美彦先生の背景がふんだんに盛り込まれており、今まで読んできた数々の森見登美彦先生の小説の別の見方を教えてくれる。何よりもうらやましいのが先生が処女作(本内では童貞作)『太陽の塔』のモデルとなった友人の姿である。「君の恥ずべき行状が暴露されてしまうがいいのか?」という問いかけに「かまわん」「俺は恥ずべきことは何もしていない」という一言が印象的だ。 こんな素晴らしい友人に出会ってみたい。

    0
    投稿日: 2020.08.08
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    森見登美彦氏の日常と非日常がここに。 様々なところに掲載されたエッセイを集めたもので、色々な著者の面が描かれている。スランプだったんだ、とか。書くことに対する姿勢とか。 「まえがき」にもあるが、確かにこれは眠る前に読むべき本かもしれない。どこからでも読み始められ、どこでも終われる。そして暗い気持ちにはならない。ぽかぽかした気持ちで本を閉じられるのだ。 著者はどうも「京都」を書く作家というポジションを与えられがちだ。でも、この本を読んで、どちらかというと「奈良」かな、と思った。あくまで、私のイメージの「奈良」だけど。本にもあったが、「奈良的静寂」「古事記時間」ということばがしっくりくる、緩やかで壮大で静かなテンションとスケールを感じる。少々のことでは動じない、長い縮尺で物事を眺めているイメージ。

    3
    投稿日: 2020.08.02
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    過去の各種エッセィを集めた作品集だが,本書最後,台湾の雑誌に掲載された2年分の24作品群がまとめられた第七章は,他とは趣を異にして,小説という創造物を産出し紡ぐという行為に対する懊悩を,自らへの冷徹な視線および分析と共に描き出していてビックリする.近年小説で垣間見た氷のような情熱の一端に触れられ,これぞ森見小説の神髄なり,と満足する.

    1
    投稿日: 2020.07.25
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    くすくす読んでるうちに、思いがけず真面目な内容にはまり込み、結局最後まで読みきってしまった。それなのにあとがきに「一気に読むのはオススメしない」とある。そういうことは最初に言ってください。言われてもやめないけど。著者と自分の経歴は微妙に重なったり交差したりする部分があるので、個人的にはとても読みやすく理解しやすい。でもだからこそ他の多くの人がこの本をどう読むのかさっぱりわからない。読書はごく個人的な行為だと思うので、それでいいと思うけど。

    1
    投稿日: 2020.07.19
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    なんとなしに読むのが最適。 エッセイではあるけれどすべての文章に物語を感じるところがらしい。 しかし、体調を崩していたとは存じ上げず、どうか元気に妄想的物語をじゃんじゃん生んでほしいと静かに願う・・

    3
    投稿日: 2020.07.08