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BUTTER(新潮文庫)
BUTTER(新潮文庫)
柚木麻子/新潮社
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総合評価

1791件)
3.8
403
655
489
96
19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ごはんがとても美味しそうでとても濃いお話でした。 途中までカジマナと里佳の物語だと思って読んでいたので、ラストの怒涛の展開においていかれそうでしたが、読み終わってみるとこれはあくまで里佳の話だったんだなと感じました。 七面鳥はどんな味がするのかとても気になります。

    0
    投稿日: 2026.03.16
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    読んですぐ感想を書こうとして、なんやかんやと用事が入ってしまって、読み終えてからしばらくして、読み終えての余韻もすっかり消えてしまってからの記録となる。 序盤は、おっさんが読むと、ハマらない内容が続く。料理がどう、女性が周りからどう見られてどう窮屈な思いをしているか等々。女の人が読むとこの辺はぐいぐい引き込まれたり共感したりするんかな、と感じながら読んでいた。 中盤から個人的には面白くなった。梶井なる獄中の女性は「他人に影響を与える」どころの表現では済まない、「操る」とでもいうべき魔性の女であり、主人公の友人も操られたかのようになってしまう。このあたりの展開は非常に面白かった。 この作品のレビューでよく見かける女の友情は正直よくわからないが、それは置いといて、死んでいるかのように生きているだったか、生きているが死んでいる、というような表現が記憶に残っている。 女性の生き辛さにふれた本書であったが、おっさんが自分に引き付けて読むなれば、とにもかくにも人間の「生」を描いた小説であった。主人公、友人、その他の登場人物が「生」を取り戻していく。 一方、「生」に満ちた生き方をしていたかのように見えた梶井は果たして・・・。 つまらない平日の中で、「生」を取り戻す主人公たちの物語は、読み手の我々にちょっとした調味料、バター的な味付けをしてくれる。 「生」を取り戻す。その一言に集約されるような単純な物語ではなく、もう少し凝った、教訓めいていない、いろんな読み方、楽しみ方ができる小説だなと思った。時を置いて読めば、梶井のほうの心理に深く潜っていくような読み方ができるのかもしれない。 ということで、おっさん的にはささらないところがありながらも、まあまあ面白かったです。

    0
    投稿日: 2026.03.16
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    食べ物に関する表現があまりにもシズル感あり過ぎて、読み終えたあと、ついついご飯にバターをかけがち(夜中のバターラーメンもいつか行きたい)。

    7
    投稿日: 2026.03.15
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    社会派小説は疲弊するからなるべく手に取らないようにしてたのに… 洋書ぽい素敵な装丁に惹かれて、ついつい読み始めてしまった本 梶井真奈子 塀の中のその女は、数人の男性をたぶらかして死にいらたしめた容疑者である ふてぶてしい態度、獄中にいてなお艶やかで豊満な肉体、そして美しいとは記せない顔 なぜ男たちは梶井に魅了されたのか 取材を始めた女性記者は、次第に塀の中のその女の術中にはまってゆく 濃厚なバターに絡め取られるように 取材の終わりは通過点に過ぎなかった 重い内容に加え、たくさんの高カロリー料理が目白押しなので読みながら胃もたれまでしてきそうな1冊 ネタ元は一時期メディアを騒がせた木嶋佳苗容疑者の事件 女性記者目線からの推理はなかなか興味深い ある種狂気に近いカリスマ性を持つ容疑者が翻弄したのは男性だけではない 彼女に関わる人たち全ての人生を狂わせるものだった いやいやいや まさかの着地点に驚きだった 最初のページから何の変化もなく悠々と自分を貫いていたのは容疑者の女、ただ一人 こんなにも沢山のひとに影響を与えてしまうとは恐るべしっ 人の人生を深堀りしすぎると、少し魂が移ってしまうような所があるのかもしれない 読了すると、七面鳥を食べてみたくなるのは間違いないでしょう 笑

    22
    投稿日: 2026.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    濃い物語だった割に読了後は爽快感を感じた。 カジマナは私の目には、虚栄心にまみれた寂しい人間に映った。逮捕後にカジマナの冷蔵庫から見つかった腐った七面鳥だけが、本当のことのように思える。 前半はぐんぐん引き込まれ速いスピード感だったが、後半はカジマナに翻弄されつつも、自分や人間関係を再構築していく里佳の姿にほっこりした気持ちになることが多かった。 私にとってはこの本は、重くのしかかるものではなく、読み終わった時に美味しいご飯が食べたくなる本だった。

    4
    投稿日: 2026.03.15
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    読み終わるのに2週間ほどかかり、濃厚な一冊でしたが、最後まで面白く読めました。 作中にでてくるブッフブルギニョンが気になり2回も作って、家族に振る舞ってしまきました。結果大好評で私の料理レパートリーにも大きな影響を与える一冊となりました。カジマナの影響力は読者にまで、、すごい!

    3
    投稿日: 2026.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物のほとんどが、自分や自分の周りにいる女性、男性に重なった。キャリアが見通せず、身をすり減らすように働く里佳。男性社会の中でわざとタフガイを演じてるのがリアルで痛々しい。非の打ち所がない専業主婦なのに夫とうまくいかない伶子、公私混同を強く否定していて不器用な北村も、退廃した生活を送る男性たちも。里佳の恋人誠が苦しむネオリベ的な自己責任論は同世代として共感する。女性の苦しみと男性の苦しみはコインの表裏でもある。 ラストが胸を打った。いつか自分もこんなあたたかなコミュニティを作ることができたらと思う。 「どんなに美しくなっても、仕事で地位を手に入れても、仮にこれから結婚をし子供を産み育ても、この社会は女性にそうたやすく、合格点を与えたりはしない(p540)」。まずは容姿が評価され、容姿に文句がつけ難いと実績に文句がつけられ、仕事の実績に文句がつけ難いと、「やり方」に文句を言う(女を利用してる、と)。やり方にも文句がつけ難いと、いよいよ男性を脅かす存在になるから、今度は結婚、子育てという別の尺度でたたくのだ。全てをこなすスーパーウーマンしか生き残れない。でもそこから降りるのは決して負けではない、と思う。 「父を蝕んだのは、孤独ではなく、そう、恥の意識ではないか。だから、助けを呼べなかった(p510)」。介護保険を受けたくないという夫の意向があるために、ヘルパーもなしでワンオペでその夫を介護する女性首相が思い出された。夫はもともとは料理が得意な人だと読んだ。 フェミニストとマーガリンの嫌いなカジマナ。同年代の男性たちの評価を恐れ、心のうちで女性たちとの絆を求めている彼女が、登場人物たちの中で最もフェミニズムを必要としている。

    3
    投稿日: 2026.03.15
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    バターに絡めとられた人生と、 押し込めてきた少女たちそれぞれの記憶と想い。 主人公とその親友、カジマナが自分に戻っていくための物語は読み応えしかなかった。

    1
    投稿日: 2026.03.15
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    SNSでは読んだ人のレビューの多くが美味しいものの写真つきで投稿されていて謎だったけど、前半まで読んでその理由が分かった。味わう感覚を説明した丁寧な表現はすごい、こんなにも味わって食べること、それを言葉にすることはなかなかできない。ただ、欲望にまかせて美味しいものを食べることが色気や魅力に反映される描写にはやや引き気味。読み終えたらどんな気分になるかな… →読み終えて改めて記録、 最初引いてしまった美味しい料理の描写は、自分が満たされていく表現でもあり、(バランスを崩すと)現実逃避の表現でもありました。 取材対象や恋人や親友、家族への思いを繊細に綴る文章が印象的で、美味しい料理の描写と繋がっているのかもしれないけど、こちらのほうが率直さを感じて魅力がありました。 退屈な自分を嘘で着飾ったら、せっかく魅力があってもアンバランスさやつかみどころのなさを醸し出す。自分が安心できないから人との関係を築けない。自分を満たすには自分に嘘をつかないこと。そんな教訓のようなことを感じました。 ところで木嶋佳苗の事件や東電OL殺人事件などについて。少なくとも私は気になる話題なのですが、おそらく、自分が女性だから気になるんだと思うのです。この「気になる」は、なぜ、どんなことろが…と考えを巡らせていきたい、課題のひとつと思っています。

    9
    投稿日: 2026.03.15
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    気になっていた本をようやく読了。 読んだ後の感触は、鉛が身体にのしかかっているかのようにずしーんと重い。 濃厚なバターやカロリー高めの食事たちのせいなのか。 偽りで塗り固めた人生は、誰の信頼も得ないし、きっと自分自身も詰まらないものになるのだろうな。 誰かが決めた物差しでなく、自分の感性と感覚で生きること、素敵な友情に恵まれることで、より人生は豊かになるのだろうな。

    10
    投稿日: 2026.03.15
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    おもしろかったけど、現実は小説のように上手くはいかないからなという嫉妬で評価を下げました。 自分は脂っこいものが体に合わないので、バターを食べたい!と思ったり、高くて美味いものは嗜好!という考えはなかった。けれどこの小説を読んでいる期間で、健康食ばかり食べて過ごしている自分が損しながら生きているように思えた。これは褒め言葉。主人公の食への無頓着さとは少し違うが、美味しいものに出会っていく主人公を見ていると羨ましく思えた。 一方で事件に巻き込まれていく主人公の姿。これは捉え方が難しい。報道の内容を鵜呑みにするか、描かれなかった何かに思いを馳せるかは、現実とリンクする。この作品では、読者は主人公の見聞きしたことは知っている。でも事件を起こした女が見聞きしてきたことは、主人公を通して見ることしかできていない。だから主人公の推測が正しいとは言い切れない。 人間は難しい。昨日まで正と言っていたのに、何に影響されてか、次の日には誤と言い出すことがある。本人の中で何が起こったかは、本人にしかわからない。そして本人がどんな次の一手を選ぶのかは、他の誰かに決めることができない。だから自分も常に自分に納得のいくを選択ができたらいいと思う。そしてそれが物語のように、綺麗に収束していったらと思う。

    6
    投稿日: 2026.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての長編。本を時間作って読み始めて3ヶ月の私にとっては、長く感じた。里佳が梶井に少しずつハマっていくのが半分くらいで、そこが少し退屈だった。 後半は色んなことが巻き起こってて、動きがあって面白かった。 読みながら、梶井の発言に納得するところもあった。私自身も里佳と同じ様に引き摺り込まれていたのだろう。 これまで短編や中編ばかり読んでたから、もっと本読んでからまた読みたいと思う作品だった。

    1
    投稿日: 2026.03.14
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    4日くらいで読了。面白くて毎晩読んだ。少し自分に重ねてしまう気持ちもある。描写がなくてわからないところがいくつかあった。チヅさんの名前のところとか。

    1
    投稿日: 2026.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み応えあり! 前半は、わたしもまんまとカジマナに翻弄されてしまった。みんなめちゃくちゃな行動をとるけど、 自分の本心やトラウマと向き合ってぶつかって、 生きていく。 ラストのパーティーよかったなぁ。 集まった人たちの関係性や、距離感とか。 里佳を応援したくなる。

    1
    投稿日: 2026.03.14
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    期待しすぎたらしく、読み進めるのに苦労した。 林真理子か桐野夏生に書いて欲しかったななどと思ってしまったり。 ただ、本を読んで、もっともっと美味しいものを探求して食べたい、と思ったのは初めて。

    1
    投稿日: 2026.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実際に起きた「首都圏連続不審死事件」をモチーフにしていることから、最初は冷徹なミステリーやサスペンスを予想して読み始めた。しかし、読後に強く残ったのは、私たちの生活における「料理」と「自愛」の切実な結びつきだった。 週刊誌記者の町田里佳は、男たちの財産を奪い殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子との面会にこぎつける。欲望に忠実な梶井の言動に翻弄されながら、里佳は彼女の指示通りに料理を作り、食事を重ねていく。 まず、面会室で語られる食事の描写に圧倒された。五感を激しく刺激され、ページをめくるたびに生唾を飲み込んでしまう。特に、炊き立てのご飯にエシレバターと醤油を垂らす場面。その背徳感に満ちた描写には、今すぐバターを買いに走りたくなったほどだ。 物語中、「手料理が人の心を救うなんて幻想だ」「男性は手料理を愛情だと勘違いしている」という場面がある。結局のところ料理とは「自分が食べたいから作るもの」なのだと気づかされた。他人を喜ばせるのはあくまで副次的な役割であり、本質は自分のためにある。 料理をするようになった里佳が放つ言葉には、痺れるような勇気をもらった。 「最近、ちょっとだけ料理するようになって。ロックだよね、掃除とか料理ってさ。愛情や優しさじゃなくて、一番必要なのは、パワーっていうかさ……。」 「そう、ロックロック!!権力への反発だよ」 「丁寧な暮らし」という呪縛ではなく、生きるための「パワー」や「反逆」として料理を捉え直す視点は、あまりに鮮やかだ。 また、梶井が放つ「フェミニズムとマーガリンが嫌い」という言葉も深く心に残っている。終盤、女性をランク付けする「男目線のものさし」の正体が暴かれるが、梶井が友人に恵まれなかった背景を思うと、女性同士の間にもまた、残酷な「ものさし」が存在していることに気づかされる。 世間が押し付けてくる不確かな「ものさし」に対し、料理は自分の適量を知り、自分の手で世界を彩るための挑戦だ。読後、キッチンに立つ自分の背筋が少しだけ伸びたような気がした。

    1
    投稿日: 2026.03.13
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    途中まで読むのに時間がかかったけど半分くらいから、ページをめくる手がとまらなかった。 え?この登場人物がこんなことするの!?ってなって、怒涛の展開。 どこまでノンフィクションが採用されているのか気になったので、参考文献も読んでみたい。 料理に始まり、料理で話が進み、料理で終わります、さすが柚木さん。 とりあえずエシレバター食べてみたい。

    1
    投稿日: 2026.03.13
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    途中で少し、中弛みをしてしまった。 でも、本当にご飯の描写がすごくて 読みながらよだれがでたし なんなら、簡単ご飯のものは作ってしまった。 そんな感じで楽しむのもありよね、 って思わせてくれる一冊で。 私も、美味しいご飯を作ってくれる人 がほしいな。 体重とか見たクレに惑わせられず 中身を重視できるような人になりたいな。 自分が納得できる自分でいたいな。 と、思いました。

    5
    投稿日: 2026.03.13
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    実際にあった婚活連続殺人事件をモデルに書かれたストーリー。引き込まれてどんどん読み進められるし、犯人は実際にこーゆー人だったのかな?と錯覚するほど想像力を掻き立てられる作品で実際の事件も沢山調べちゃったよね。感覚的にはほんのちょっとだけ山崎豊子。 バターが大好きな美食家の犯人を取材する週刊記者がバターや料理、食を通して犯人の世界観にどんどん引き込まれていくストーリーが食欲も掻き立てるし、デブで不細工なのに男達を魅了しまくった犯人から気付かされる女としての在り方もなかなか考えさせられる。 何十年かぶりかにバターご飯たべちゃったよね。

    7
    投稿日: 2026.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カジマナの被害者となった男性たちと同じく主人公もだんだんとカジマナに囚われていく、自らに無いものを求めて、一見してまわりの評価を気にせず、太っていることを受け入れているようなカジマナの自己肯定感の強さのようなものに憧れを抱く主人公。 でも、カジマナは実際には、誰よりも周りの評価に左右されている。男に尽くして、都合のいい部分だけ見せ、男たちが理解できる範囲の愛情だけ注ぐことで相手をコントロールしてきた。 途中から主人公とカジマナの関係性が逆転していく、カジマナがなにより求めていた同性の友人、素直に助けを求められる相手、緩やかな連帯によって支え合う人たちを主人公はすでに持っていることに気づく。自分の考えかたが変わっていくことで、かつての恋人とも、恋愛感情を超えたよい関係性を築いていく。取材を通して傷つけてきた女性たちとの関係性が回復する予感も抱かせる。 カジマナとの関係も、ある種お互いに足りない部分を与え合う共依存の関係だったのかもしれない。カジマナは最後まで友人という存在を受け入れられず、またしても自分が容易くコントロールできる男性としか関係性を築くことができなかった。 対して主人公は、カジマナから学んだ美味しいものを食べ、ご飯を作るという行為を発展させて、友人たちとの新たな関係性を築いていく。主人公の行動がきっかけで、友人同士も新たな関係を築いていく様が爽快。 かつての自分が叶えることができなかった、一度壊れてしまった家族関係の再生も、篠井の家族が、自分の料理をきっかけに再生の道を歩む様を見ることで、主人公に救いがあったように思う。 カジマナとの交流を通じて、何度も自分の価値観を揺さぶられながら、最後に辿り着く先が周囲の善良な人々とのゆるやかな連帯、特定の関係性に固執しない繋がりを保つ場を自ら生み出していく姿にグッときた。

    2
    投稿日: 2026.03.13
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    カロリーを素直に味わう豊かさを思い出させてくれた。グルメ小説かつ、友情小説!自分が自分を認めてあげないとどこにも出口がないのはわかっている、、、自分を許したいのにな、、 食べることが自分を許すことにつながるのかな。 女同士の友情もリアルで、女は女に認められることが1番嬉しいのだろうとも考えた。どの人物も苦しみと歪さが描かれていて、読んでいて励まされる。 これからバターを見るたびにこの本を思い出すだろうな〜。 めちゃめちゃ面白かった〜!!!!

    14
    投稿日: 2026.03.12
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    旅行先でタクシーの運転手に手塚治虫の奇子の話を振られたら少し動揺してしまう これを読んで、ちびくろサンボを久しぶりに読んだ ウエストのバタークリームケーキも食べたくなっている

    1
    投稿日: 2026.03.12
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    こってりした濃厚な小説だった。バターのような。綺麗な焦げ目のパンケーキ、七面鳥、バター醤油ご飯が食べたくなった。 私には七面鳥を振る舞えるのだろうか。10人集めてホームパーティできるような行動力とか交友関係とかあるかなとか。玲子のような親友はいるだろうかな。 カジマナとか里佳みたいな過去のトラウマを跳ね除けて図々しく生きていけるような、底に沈んでも這い上がるような生き方をしていきたい。

    2
    投稿日: 2026.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    食の描写が官能小説のよう。 色々なことを題材にしていて、ちょっと読みづらかったけど、描写に引き込まれて何故か読み進められてしまった。 * カジマナは、婚活サイトを介して次々に男達から金を奪い、三人を殺したとされる首都圏連続不審死事件の被告人。 彼女はかなりの料理自慢であるが、容姿はかなり太っていることから話題の人物であった。 記者の町田里佳はカジマナに取材を申し込み、彼女から聞く食を追体験することを条件に、カジマナの取材に成功する。 里佳は、食を通して、カジマナに同化するように太っていき、周りからの厳しい目線を浴びるようになる。 最後には、翻弄されていたカジマナに社会的地位を奪われ、あやうく命を奪われかける。 * 里佳が、カジマナに間接的に殺された男性と違って死ななかったのは、「適量」を知ったからだと思う。 なにか食べなきゃいけないのに気力が湧かない日は、ちゃんと料理なんかする必要はなくて、バターをご飯に乗っけて食べればいい。 パートナーがいなくても、友達や周りの人と、ゆるい繋がりがあれば、案外やっていけるものだ。 望んでいた職位につけなくても、図太く別の方法で生き残っていく。 そんな里佳との関わりを通して、親友の怜子や恋人の誠、仕事の繋がりがある篠井さんの人生も変わっていく。 自分の固定概念や、他人や世間のものさしで決められた規定量に囚われないこと。 レシピに書かれた規定量からちょっとぐらい外れても、料理はおいしい。 それを知っていることが大切なのだ。 そして、規定量からはずれた自分の適量こそが、自分らしさでもある。

    4
    投稿日: 2026.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男達を弄び殺害したとして収容されている女と、記者の主人公との話。フェミニズム的。結論として何がいいたいのかが、分からなかった。 外国版の、バターそのもののような装丁の本はすごく魅力的。 冒頭のエシレバターの醤油がけご飯は食べてみたい。

    2
    投稿日: 2026.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なげ〜!と感じながら読了。作者、書き終わった時の達成感解放感すごかっただろうなぁ。私も読後感がどうとかより、まず読み終わった達成感が勝った。女の生き方、がテーマだった本。ぐさっときたところ抜粋 -梶井はまず、自分を許している。己のスペックを無視して、自分が一人前の女であることにOKを出していたのだ。大切にされること、あがめられること、プレゼントや愛を与えられること、そして労働や集団行動など苦手なものから極力距離を取ること。それらをごく当たり前のこととして要求し続け、その結果、自分にとっての居心地の良い環境を得て超然と振る舞っていたのだ。そのことが、一億近い金を男達から貢がせていたことよりも、りかには驚嘆に値すべきことのように思われる。 どんな女だって自分を許していいし、大切にされることを要求して構わないはずなのに、たったそれだけのことが、本当に難しい世の中だ。 p256 - 女はなによりもそうした無益な争いを避けようとする。そのために、互いの居場所や個性を先にさりげなく知らせておくのではないだろうか。互いが傷つけ合わないように、見えない秩序を作る。暗黙のうちにルールを形成する。ここはあなたの領域、敬意を払ってここから先には入りません、その代わり私の自由もおびやかさないで、と。やんわりと宣言して、自分の立ち位置を守る。 サムシング。女同士が同性の何に敬意を払うのかなんていうのは、人間であっても謎ですからね。 p338 - 亮ちゃんの方がはるかに私よりも世界に愛され、どこにいっても自分を偽らずにうまくやれるタイプの人間だというのは、一目見ればわかることだった。そういう人に私はいつも強く憧れる。 p375 - 私の居場所はどんどん、私自身の努力によって収縮していく。息が苦しくなっていく。 p385 - いつも、今ここにない場所に魂を半分持っていかれているような人だった。 p441 - 希望や本音を口に出さないで、相手が自分にとって都合よく動くように仕向けたり、損しないようにじっとして向こうの出方を待ってるって、梶井の被害者や梶井とも何も変わらないと思う。 〜 男女がうまくいくってなあに?それ、どんな状態を指すの?私みたいに結婚しても、うまくいかないことはあるし、梶井みたいに異性に強く求められても、誰も幸せにならないことはあるじゃない。里佳、自分を信じなよ。里佳みたいな人に心から好かれたら、その人は幸せだし恋愛に発展するとか関係なく素直に嬉しいと思うよ。第一、里佳が好意を持つような人は、あなたを邪険にしたり利用したりはしないと思う p539 - でも、きっと、何キロ痩せても、たぶん合格点は出ないのだろう、と里佳は、とうに気づいている。どんなに美しくなっても、仕事で地位を手に入れても、仮にこれから結婚し子供を産み育てても、この社会は女性にそうたやすく、合格点を与えたりはしない。こうしている今も基準は上がり続け、評価はどんどん尖鋭化する。この不毛なジャッジメントから自由になるためには、どんなに怖くて不安でも、誰かから笑われるのではないかと何度を後ろを振り返ってしまっても、自分で自分を認めるしかないのだ。 p544 - 「アッラーは、あなたがたに易きを求め、困難を求めない。 もし神様がいたとしたら、私たちが与えられた試練に苦しむのを見て、満足したり、喜んだりしないんじゃないのかなって。だから、なにもかも自力で乗り換えなきゃいけないわけじゃないよ。成長をし続けなきゃいけないわけでもないよ。そんなことより、今日一日をやり終えることの方がずっと大事」

    3
    投稿日: 2026.03.11
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    ミステリーだと思い込んでて拍子抜けした! 情景や比喩が多くて読むのに時間かかった。主人公が主人公らしくて共感できなかった?現実味がなかった?のかも。それでも続きが気になって読みすすめる不思議な物語だった。

    2
    投稿日: 2026.03.11
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    冗談抜きで今まで以上に料理にハマりかけています どんなものにもバターを入れる癖がつきそう 登場人物みんな考え方が深くて、自分の考えもこの著書のように綺麗に言語化できたらなと思いました。洗脳されてるのか分からないくらいに、穏やかに進んでいて少し怖かった気もする。ビーフシチュー食べたーーい

    2
    投稿日: 2026.03.11
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    友人に勧められて読んだ本。 読み終わって思ったことを簡潔に表現するなら、「何事にも程よい距離があるよね」という感じ。 この本について、女性の立場や視点的なものに対して女性の視点から切り込みを入れているものだと事前に聞いていた。 確かに女性が社会から受ける無言の圧力や、女性自身がこうあるべき、と捉われやすいであろうものを、中心人物となる3人の女性がそれぞれ違う極端から歩み寄るような物語だと思った。 この物語の中で、男性は悉く蚊帳の外で、ある種情けない書き方に止まっており、しっかりと女性が内外から受ける苦しみについて描写されていると感じた。 物語を読み進める中で展開に引き込まれる中で心にのこる嫌なざわつきが、最後に一気に表出する展開は衝撃を受けるとともに、妙に身近に起こり得る、自分も幾度と体験したことがあるような非合理を感じた。 この本を読んでどう思ったか。期待していた程女性観への再発見や新しい視点はむしろなく、どちらかというと、もっと普遍的でありきたりな、程良さが大事だよね、と言う考えに至らされた気分だった

    2
    投稿日: 2026.03.10
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    BUTTER★3.5 数年前からずっと読もうと思っていた1冊。たしかあずが薦めてくれたやつ。 想像してない方向の本やった。 いろんな男性、女性のあり方についての考え方を垣間見た。社会における女性の立ち位置について前時代的な考えを持つ梶井、彼女は主人公 里佳の考え方、行動を変える。 なんとも言えない感情で読んでいた。

    10
    投稿日: 2026.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    BUTTER 著者:柚木 麻子 ナレーター:松井 暁波 読み始めてすぐに思い出したのは木嶋佳苗容疑者の事。もしかして木嶋佳苗容疑者がモデル?と思ったら正解!さりげなく嬉しかった。 読んでいてついつい引き込まれる梶井真奈子の存在。 記者の里佳がカジマナに溺れてく感覚がもの凄くわかった。 料理に関しても思わず引き込まれてしまう。 ナレーターの松井さんの声もあってか一時期食べ物のことばかり考えてしまい、バター醤油ご飯までやってしまった。そして美味しい! 木嶋容疑者は言葉や手紙で相手の心を掴んでいた記憶があるが、きっと何か引き込まれる間合いや言葉遣いがあったのかなと思う。 読んでいて色々と考えさせられた作品。 でも、面白かったに尽きる! ------------- サマリー(あらすじ)・コンテンツ: 世界35ヶ国で翻訳決定!柚木麻子の新境地にして集大成。男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ──。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。 ------------- 読了日:2026/01/12

    21
    投稿日: 2026.03.10
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    最後まで予測のつかない展開で、読者である自分もカジマナに振り回されっぱなしだった。食に関する語彙ってこんなにもあるんだって感嘆するほど、作者の卓越した表現力が光ってる。事件の周辺にいる人物と追う人物それぞれの痛みがリアルだし、各キャラクターがかなり立体的で生き生きしている。バター食べたい。

    4
    投稿日: 2026.03.10
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    海外でベストセラーになっているニュースをみて購入しました。主人公が容疑者と接する中でどんどん洗脳され、心情が変容していく展開に目が離せませんでした。本作品では様々なバター料理が出てくるので、自分も何か一品作りたくなるような気持ちにさせられる一冊でした。

    2
    投稿日: 2026.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリ小説?なのか,食べ物小説なのか,不思議な本. モーレツにバターを使った料理が食べたくなるのは私だけではないはず.梶井に魅せられて変わっていく人たち,不気味な表現に知らず知らずの内にバターの沼に落ちて行った.終わり方があっさりしているのは意外.本書に出てきた食べ物を食べにいこ~

    2
    投稿日: 2026.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    決して食材の中心にはならないバター。しかし、一欠入るだけで、料理の風味も味も大きく変えていく存在。カジマナの存在も本来は奇異な存在として、社会にも主人公にも何ら影響しなかったはずが、関わるうちに社会観や生活を大きく影響されていく。特に前半の友人が危惧するように主人公がカジマナにどんどん影響されていく様子が、見ていて同じように共感して不安を感じました。

    2
    投稿日: 2026.03.09
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    太ることを気にせず、思いっきりバターを食べてみたくなった。 だけど、やっぱり、くだらないルッキズムと切り捨てることもできない。 殺人事件の容疑者にどんどん傾倒していきそうな主人公にはらはらした。

    7
    投稿日: 2026.03.09
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    実際にあった事件を元ネタにした小説。 最初からかなり面白かった。 読むうちに、こちらも理佳と同じように梶井に引き込まれていく。 あと、ご飯が全て美味しそう。 文字だけで自分も食べたくなる。 自分のために用意する美味しいご飯へのイメージとか、意識が変わった気がする。 私も自分の適量を見つけて、自分を満足させられるご飯を食べて過ごしたい。

    7
    投稿日: 2026.03.09
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    バターを使った美味しそうな食べ物がたくさん登場します! ダイエットしたいと思っている人には、意思をゆる〜くさせてくれるような危険な小説です それは話が進んでいくにつれてそう思いましたね。

    3
    投稿日: 2026.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Audibleで読了。 女のステロタイプな役割に憤る割には「私も奥さん欲しい」みたいなこと言ったり、他者に対する評価や見方もその時々であっちへフラフラこっちへフラフラと一貫しなかったり等、言動の矛盾を感じたり、 近視眼的な思考がスパイラルとなって一方向に突き進んだり、 最後の下衆な勘繰りとかも何だかなぁと思ったが、 人の赤裸々に徒然なヒミツの日記を読んでるのだと思えば、人の思考なんてその日によって変わるよな、下衆なこと思ったり日々矛盾することもあり得るな、と読み進められた。 特に下衆な勘繰りについてはそう思わないとやってられない。 そうでないなら著者の不倫に対する意識に軽蔑の念を抱いてしまう… 離婚した元妻に引き取られた娘、わだかまりを残したまま離れ長年会っていない病身の娘、関係再構築を切に切に願うその一人娘、を連れて不倫相手も来る席にノコノコやって来てしかも泊まるシノイさん と、 結婚生活に求めるものがうまく合致しない夫(しかし心から善良な夫)を一方的に遠ざけ一方的に別居し、別居先で出会った妙に馬の合う傷心のやもめ男と懇ろな関係になることでうつ状態からスッキリ脱するレイコ という2人が爆誕してしまうのですがそれで良いのですか…? 「そうだとしてそんな彼女を誰に責められるだろう」って、夫にはだいぶ責める権利あるぞ。 夫に寂しい思いさせられたら不倫してええんか…? 夫が不妊治療に非協力的なら不倫してええんか…? いい男とSEXしたら精神が安定するから不倫してええんか…? 夫婦円満再構築の秘訣は不倫…? ってなっちゃって、読後感の中でそこだけ浮き彫りになってしまった。 そりゃあ男と女のことだから、何が起きたか作者のみぞ知るパンドラのブラックボックスかも知れないけど、余計なこと書いて匂わせたりしなければよかったのにね。 てことで、私の中ではリカの日記に下世話にしたためられたただの下衆の勘繰りだったことに落ち着いている。 女はこの社会において割を食っているという前提に書かれているが、私は自分が割を食ってる自覚がないのでいまいち入りきれなかった。 まあ私が社会に女として求められていないだけかもしれないけどね… 芸能人でもアスリートでもない女が痩せ体型から普通体型に太ったところで他人からからかわれる、まではまだしも、ねえ…それヤバいよ…ヤセよ…?などと深刻に非難される光景なぞ見たことがない。 というか、女はこうあれというステロタイプを憎むわりには、女であるというだけで先天的に付与されているかのような知性や分別を誇示するような描写も多く、 「女はカジマナの報道を見ても驚きこそすれ、ブスだのデブだの言わなかった。ブスだのデブだの言うのはみんな男だった」みたいな記述とかあったけど、いや、絶対女でもそう言ってるヤツいたと思うぞ。 なぜなら私は女だがカジマナモデルの人の事件を見てそう思ったからな。 醜さへの嘲笑という文脈ではなかったつもりだが、「ええっ!?男は美女が好きでしょ!?そのハンデのあるルックスでまじでどーやって⁉️ナゼナゼナンデ⁉️⁉️」と、前代未聞すぎてその秘術を知りたくなった。 (この「男は美女が好きでしょ⁉️」というのも男に対するステロタイプかもしれないね。ごめんなさいね) 醜女に騙された男を、男たちが男という共通項だけで擁護したという理屈はまだ分かるが、相手が醜女だったことで無関係な男たちの中にも「憎しみ」が湧く理屈が分からない。 憎しみ…?なにが…? 美女ならともかくお前のような醜女に男様が振り回されるなどあってはならん、みたいなこと…? いや男も普通にナゼナゼナンデだったと思うけど、違うの? リカやカジマナには部分部分で深みや魅力や人間らしい複雑さを感じたが、とにかく、いついかなるときもレイコという人物にだけは共感も同情も抱けず、終始一貫して鬱陶しかった。 (追記:両親から夜の生活にかかわる衝撃発言を食らった中学生、という点には確かに同情した。そんなこと中学生に宣言して、恐縮も恥じらいもせず「な、そうだろ?レイコもわかるだろ?」と開き直る親というのもちょっと現実味ないけど) 余裕がなく繊細でエキセントリックなところが魅力なのだそうだが、 それが分からない私はリカやシノイさんや柚木氏にとっては矮小な人間であることだろう。

    2
    投稿日: 2026.03.08
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    終始重苦しい展開で、なかなか読み進めるのがしんどいんだけど、食べ物の描写がとてもグッとくる。そして、主張の芯がしっかりしている気がして読み応えのある1冊だった。

    3
    投稿日: 2026.03.08
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    この本を買った時は大阪で最初の「チビクロサンボ」を確認したのに、本を読み終えるときはフィリピンにいて、不思議な感覚

    2
    投稿日: 2026.03.08
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    梶井に寄り添う気持ちになったり異常さに気付かされたり、見事にりかと同じ目線で踊らされるようなそんな不思議な感覚になった。自然とのみ込まれてしまうストーリーで他の作品も読んでみたいと思った。 梶井には世界とつながりたいという気持ちが根底に強くあったんだと思う。ただ、こだわりも強く、「こうあるべき」に縛られていた。それは母親や父親の影響もあるのだと思う。 孤独ゆえに世界とつながりたい、認められたいという気持ちが強くなると、目の前の人を大切にすることができなくなるのだろうか。 世界とつながっている感覚。 これは最後のりかの言葉の通り、そのまま生きている実感につながる。 自分の知らないところで自分の生み出した何かが作用し世界が回っている。 それは何かのスパイスが加わっていてもよい。王道の名のあるものでなくてもいい。世界は常に形を変えて回っている。自分自身も人間関係も。 ありのままでいて、生きることは実感できる。

    5
    投稿日: 2026.03.07
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    読んでいて、私も登場人物に振り回された感じがした。ちょっとしたセリフが、自分の心にスッと入ってきたり、料理の匂いがしたり。 遠いようで、近い人たち。

    2
    投稿日: 2026.03.07
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    これは表紙買い。 ・次々と料理の描写が入って食欲刺激される。もはや食レポ本すぎて、喫茶店で読みながらバタートーストを追加注文するか超絶迷った ・伶子しんどいと思ってたら、本人も自覚していた。自分が持ってる志や意識と他人のそれは関係なくないか?自他の認識曖昧気味な感じ。 ・伶子と篠井さんて結局どうなったのか ・最後は前向きに終わってよかった。それぞれの地獄と生活があるよねって感じ

    7
    投稿日: 2026.03.07
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    女性の意識、権利、生き方を描いた作品って本当に増えているんだな。それとも、私の意識の問題で、そういう作品が目につくだけかな。 この物語は、男性を立てて庇護を受ける生き方を肯定し、フェミニズムを否定する生き方を正義とする女性がある殺人容疑をかけられているところから始まる。パトロンが立て続けに死んでいるのだ。 どのようにこの女性が成長したのか?殺人の動機は?女性は悪なのか?殺された騙されていた男が悪いのでは?パトロンに生活を支えてもらうのは社会的に許されないのか?世間は白黒はっきりさせるのが好きなので、各々個人の納得のいく答えを欲しているのだろう。注目度が高い事件なのだ。 この女性に近づく女性は、心の内を投影したりされてみたり。傷ついてみたり傷つけてみたり。同情してみたり拒絶してみたり。踏み込んでみたり一歩引いてみたり。心の動きに合わせて、周りの人たちとの人間関係もどんどん変化していく過程を見事に描き切っていたと思う。女性たちの複雑な気持ちの推移の描写が秀逸。人の心の動きを勉強するのにめちゃくちゃ参考になるのでは?と思う。 自分の心って自分が一番知っているようでも、全然思い通りに動いてくれなくて、勝手に動き出しちゃうものなんだよな。でも、それが人生を彩り豊かにしてくれている一つの要素なのではないかなと思ったりした。 この本海外で(特にイギリスで)かなり話題になっているとか。バター(各種料理)を食べた時の味や舌触りの表現とか、日本語で読むと圧巻だったけど、こういうのどうやって翻訳するのかなと、素人なのでそういうところが気になってしまう。

    18
    投稿日: 2026.03.07
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    読み応えがあって、非常に面白かった! 実際の事件をモデルにした物語であることを読み終わった後に知った。 話の展開が大きくて、登場人物も魅力的で、人間の心情とかが繊細に描かれていて好きなタイプの物語だった。 人気があるのが納得だった。

    1
    投稿日: 2026.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでてよかったところ ・「にしても、適量が難しい時代なのかもね。さっきの煙草もそうだけど」 適量って?と聞き返すと、伶子はシュガーポットを引き寄せ、カップにほんの半題ほどの砂糖をさらさらと落とす。 「料理本の表記で、塩適量とか塩少々ってあるでしょ?最近、ああいう個人の裁量に任せた表記をするとクレームがくるって、料理本の編集をしている知り合いが言ってたの。なんていうか、絶対に失敗したくない、自分の適量っていうものに自がない人が増えたんだなって、言ってた。料理ってトライアンドエラーなのにね」 ー ー ー 「別にどれか一つで満腹にならなくてもいいし、なにもかも人並みのレベルを目指さなくてもいいのにね。自分にとっての適量をそれぞれ楽しんで、人生トータルで満足できたら、それで十分なのにね。煙草だって食後に一本ぐらい楽しんでもいいし、ちょっと太っちゃっても周囲が騒ぐほどのことじゃないよ。私の言っていることって、怠け者のて怒られちゃうのかな」 ー ー ー 「でも、それには自分の適量を知らないといけないんだね」 「そうだね。だから、色々なものをたくさん食べて、自分にとって合う味やサイズを見つけないといけないのかも。ねえ、ランチを習慣化して二人で新しいお店を開拓しない?この界燃って美味しいもの屋さんでいっぱいなんだよ。私は里佳が美食に目覚めたのはいいことだと思ってるんだ。カジマナにちょっと感謝かな」「そうだね。ちょっとずつ、味覚の縄張りを広げてみようかな」 ・身近に大切に思ってくれる人がいないから、自分を労わらないなんて、やっぱり誰かへの暴力なんですよ。篠井さんが投げやりに暮らしているとは思いませんが、もし、自分なんてどうでもいいと思っているとしたら、切ないです。たとえ今それを知らなくても、離れて暮らすお嬢さんは傷つくんじゃないでしょうか。私、思うんです。あの人たちは・・・・・、被害者たちは、梶井がいなくても、女性なしでも幸せになれたと思うから。誰かに大切にされなくても、自分で自分を大切にすることができたと思う。助けを求めることも出来たと思う。それはそんなに難しいことではないはずです。記者として、私はそれを一番言いたいのかもしれません・・・・・・」 ・「・・・・・私も猪突猛進で仕事だけになっちゃうタイプ。教室に来てから、やっと、混ぜ合わせたり、味が決まらなければ寝かせたりすることがわかるようになったっていうか」チジさんは恥ずかしそうに笑う。自分もそうだ。 クラシカルなものも新しいものも、辛いものも甘いものも、高級素材も身近な旬のものも、柔らかさも硬さも、力強さも繊細さもし。正反対のものでも、自分がいいと思えば取り入れ、直感を言じてミックスする。それこそが、料理の醍醐味であり、ひょっとすると暮らしを豊かにする方法なのではないだろうか。それはいわゆるセンスとか、柔軟性とか、知性と呼べるものなのかもしれない。基本に忠実で料理上手な梶井だけれど、どうしても、そのミックスだけは出来なかった。赤か白、極端にしか、走ることができない。そんな自分に疲れ、絶望感を抱いた時もあるのではないだろうか。 ・「アッラーは、あなたがたに易きを求め、困難を求めない」「.....易きを求め、困難を求めない」里佳は思わず、繰り返す。 「そう。もし神様がいたとしたら、私たちが与えられた試練に苦しむのを見て、満足したり、喜んだりしないんじゃないのかなって。だから、なにもかも自力で乗り越えなきやいけないわけじゃないよ。成長をし続けなきゃいけないわけでもないよ。そんなことより、今日一日をやり終えることの方がずっと大事」

    1
    投稿日: 2026.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    適量であれば風味に、過剰摂取であれば毒に。BUTTERというタイトルが相応しい本だった。 乳が血液から出来ているのであれば、その加工食品であるバターは血液の塊と定義できる。 一度は梶井に魅入られた主人公は、バターを通じて梶井の血液を過剰摂取していたのだろう。 そこから自分で血液を作り出すところまで、再定義していく過程が良かった。 梶井との関係は裏切られたというところに収束しているが、この出会いが主人公を変化させたことは間違いない。 人間同士との繋がりというのは、互いに輸血し合いながらも、過剰摂取しない適量の関係が良いのかもしれない。

    1
    投稿日: 2026.03.07
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    昨年末にロンドン滞在中に寄った本屋で柚木麻子さんを知った。BUTTERが2025年に英国で大ヒットしたらしい。それで気になって柚木さんを読み始めた。最初はナイルパーチの女子会、次にBUTTER。 えぐさはナイルパーチの方があったな、こちらも現代女性の闇深さを描いるという感じではあるが、どちらかといえば淡々と進むイメージはあった。 やはりいずれの登場人物にも感情移入しづらい感あり。むしろそれが、女性ならではの深みや悩みを反映していることの証左なのかも? あと、食べ物の描写がいい!この本イギリスで流行っている理由の4割くらいは、出てくる料理がうまそうだからだと思う。

    7
    投稿日: 2026.03.07
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    主人公の浮き沈み、そして人間の弱さという面で非常に共感できる場面が多かったです。 相手は本当はどう思ってるんだろう、という感情にみんな蓋をしながらいきているんだなー 料理、食事の場面はとても食欲をそそられる一方で、終盤になって話が盛り上がってくるとちょっと料理場面長いなーと感じる時もありました。

    7
    投稿日: 2026.03.07
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    読み応えのあるすごい本やった。爆弾が映画化したんやったらこれも映像化してくれへんかな。長いだけあって波瀾万丈というか、傷ついて立ち直って前進して裏切られてと忙しかった。全然状況は違うのに息苦しさを感じるんはみんな同じなんやな。 七面鳥の面倒さに驚くと共にいつか作ってみたい。

    7
    投稿日: 2026.03.07
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    この本に登場する痛みのほとんどに共感できなかった。 だから読むのに時間かかりました。 話の流れも緩やかで展開があるようで最後まではなにもなくて、何読んでるんやっけってなってたけど、それでも最後のシーンは素敵で、ここまで読んで良かった。 人を家に呼びたくなった。 あと、最後に登場する何気ない一コマですが、 文庫に「紐を挟んで」とする描写の新潮社贔屓が少しおもしろかったです。

    3
    投稿日: 2026.03.06
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    拘置所の面会室には、透明なアクリル板一枚を隔てて「向こう側」と「こちら側」がある。本作は、その境界線の上に物語を築き上げる。 週刊誌記者の里佳が対峙するのは、連続不審死事件で逮捕された梶井真奈子――男たちを手料理で篭絡し、破滅へと導いたとされる女だ。梶井が面会室の向こう側から語る言葉は、現代社会が善しとする価値観を真正面から挑発する。カロリーを恐れるな、欲望に忠実であれ、と。それは過激で、危うく、しかしどこか抗いがたい力を持っている。 巧みなのは、その「向こう側」の論理が、アクリル板を透過するようにじわじわと「こちら側」を侵食していく過程だ。里佳の食生活が、人間関係が、そして価値観そのものが、面会を重ねるたびに変容していく。 幸せとは何か。普通とは何か。本作が突きつけるこの問いに、簡単な答えはないが、巧みな描写を通じて考えるきっかけを与えてくれる。

    14
    投稿日: 2026.03.06
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    人気の小説ということで一読。 電車の中だったり、仕事場だったり、読んでる人を見かけることすごく多かった。 途中は美味しそうなご飯がたくさん出てきて、私も作ってみようと思ったり。 途中読んでいく中で梶井に肩入れしている自分がいたり。 最後に参考文献で似たような事件があったことに驚いた!

    12
    投稿日: 2026.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    普段女性が感じている周囲からの世間体や常識、視線などで如何に生きづらさを感じているかを体感できる。 所々ある表現が良し。「アスパラガスがつかみどころのない春風の味がした」という表現は印象的。 にしてもあんなに簡単に刑務所に出入りできるのか

    3
    投稿日: 2026.03.05
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    参考文献に木嶋佳苗の事件が出ていて、嗚呼なるほど、と思った。どこかで見た事件に似てるな、と。 見た目には美しくもない女が何人もの男を手玉に取り死に追い込むことに誰も表面的には納得できないが、人が何を持って人に惹かれるかなんてわからないものだ。 女だけでなく、男もかもしれないけど、男ならこう、女ならこうあるべきとか、美しい女ならこうなるのも納得とか、最大級のルッキズムによる偏見なんだろう。 そしてカジマナも、自分に結局は自信がなかったからこそ、愛されても愛されてる実感がなく相手を信じることができなかったからこうなったのではないかと思う。今後も愛してるつもりにはなれても、本当に心休まる愛には出会えないんだろう。 料理の描写がリアルすぎて、若干気持ち悪くさえなる場面があった。

    4
    投稿日: 2026.03.05
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    カジマナも他人のために尽くそうとして努力してる。そのベクトルが、一般的に女性が求められる綺麗な容姿ではなく食だから、その努力のベクトルが違くて、私たちは頑張っているのにこの女は頑張ってない。って自分たちの考えを押し付けたくなる。 愛されたい。だからまず自分を愛したい。自分が誇れる自分になりたい。だから自立して、自分のことは自分でできるような聡明な女性になりたい。でもそれって努力して近づく自分であって、きっと本来の私ではない。私は努力して、自分の好きな自分になって愛されたい。なのにこの女は、私の真逆の女だ。他人に依存して生きてる。弱い女。なのに愛されてる。私が理想とする女性じゃないのに、この女は確実に求められてる。なぜ?許せない。解せない。私の考えが間違ってるの? 揺れる。カジマナといると心が揺れる。 ありのままの自分ってなんだろう、って。 最後に自分で自分の道を選ぶことができてよかった。

    3
    投稿日: 2026.03.05
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    読み始めてから少し経って嫌な予感がして怖くなりました。 これ、もしかして里佳が人生狂わされるやつ?いやや、怖い、狂わないでー!! 案の定、エシレやカルピスバターと炭水化物でブクブク太っていく里佳。玲子がこれまた辛辣で、誠に至っては彼氏としてすでに終わってる発言をするし、美味しくバターを食べることへの罪悪感を感じずにはいられなくなりました。わたし、バター、大好き。 新宿Tの塩バターラーメンバターマシマシ食べてみたい。ウエストのバターケーキも!! 梶井の気持ちのいいはみ出た自己肯定感の高さ、そして人をアクリル板越しにも惑わしていく感じ、どんどん飲み込まれますね。そして、こういう奴いるよね!!自己肯定感がはみ出てる奴!! 前回読んだ本も実際にあった犯罪を元に書かれた小説でした(町田康「告白」)。その時、人が人を憎むことって本当にそのへんに普通にあることで、傷ついて、それでもなんとか折り合いをつけて、なんとかご飯を食べて、お風呂に入ってまた社会に出ていかなきゃならないんだよな、と思いましたが、梶井、いや本件の犯人の書いている字を見ているといや、違うな、もっと違う心理かな、と考察してしまいたくなります。もっと違う、「人として」が根本から壊れている感じ。 大変面白い本でした。やっぱり売れてる本って面白いのかも。

    4
    投稿日: 2026.03.05
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    とりあえずバター醤油ご飯が食べたくなる 小説だから伝わる良さがありすぎて、多分映画化したら萎えるやつだと思った 柚木さんの表現力に脱帽しました。

    6
    投稿日: 2026.03.05
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    面白かった〜 犯罪者を題材にしてるのにこんなに読後感が良いとはな 女の生き方について考えさせられる また折に触れ読みたい お腹減る

    12
    投稿日: 2026.03.05
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    ​『Butter』読解:現代社会における「自己肯定のブラックホール」と食の業 ​1. 圧倒的な「食」の描写と官能的な没入感 ​本作における料理の描写は、単なる食事の風景を超え、読者の五感を強烈に刺激する装置として機能している。 ​エシレバター醤油ご飯の衝撃:シンプルでありながら、素材の背徳的な豊かさを最大限に引き出す描写は、読み手の「欲」をダイレクトに揺さぶる。 ​「美味しい」という確信:緻密で美しい料理のシーンは、物語のドロドロとした人間模様の中で唯一の「確かな救い」であり、自分でも再現してみたいと思わせるほどの強い生命力に満ちている。 ​2. 梶井真奈子への惹きつけと「欠落の鏡」 ​吉野関さんは、梶井のミステリアスな魅力の正体を**「自分が持っていないものを映し出す鏡」**として捉えた。 ​自分に及ばない圧倒的な知識や技術を持つ者に惹かれる性質が、梶井の持つ「究極の自己肯定」という特異な能力に強く反応した。 ​彼女への興味は、単なる好奇心ではなく、現代人が失いつつある「揺るぎない自己」への無意識的な渇望の現れである。 ​3. 「技術」としての自己肯定の喪失 ​現代社会において、自己肯定はもはや自然に湧き上がる感情ではなく、習得困難な**「高度な技術」**になってしまったという考察。 ​上がり続ける社会的なハードル(有能さ、美しさ、正しさ)に対し、多くの人が「自分はこれでいい」と認める技術を失っている。 ​その中で、世間のルールを無視して自分を100%肯定し切る梶井は、極めて異質で、かつ圧倒的な「強者」として立ち現れる。 ​4. 社会的抑圧とブラックホールの引力 ​日本社会が女性(あるいは現代人全体)に課す過酷な要求が、梶井という存在をより巨大なものにしているという視点。 ​主人公の友人(伶子)の苦悩:正しいやり方を模索し、努力しても拭えない不安や疑問。 ​ブラックホールとしての梶井:閉塞感のある日常の中で、美味しいものを食べ、自分を赦す。その傲慢なまでの自己肯定感は、周囲の人間を飲み込み、狂わせていく強烈な引力(逃げ場)となっていた。 ​結論:異質さへの畏怖と憧憬 ​吉野関さんにとって、梶井真奈子は単なる「理解不能な犯罪者」ではなく、**「他人の評価を一切必要とせずに完結している、到達不能な高みにいる存在」**であった。 「美味しい」という根源的な快楽を肯定する彼女の姿は、現代社会で自己を肯定する技術を見失った私たちにとって、恐ろしくも美しく、そして切実に求められる「欠落のピース」のように映ったのではないだろうか。 ​この構成で、吉野関さんが感じられた「食の素晴らしさ」と「現代社会への鋭い洞察」がひとつの流れとして繋がったかと思います。

    9
    投稿日: 2026.03.04
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    風景の、味の、五感の描写のしつこさと生々しさ。ちゃんと自分の五感で世界を感じたい、と思える 美味しいと思えるものを、自分のために、自分の感覚を信頼して、味わう。自分を慈しむ行為。自分を慈しめること。 不当な評価や批評から身を守れる強さを持つこと かっこわるくても恥ずかしくても、他者に頼りながら、時に支えて支えられて、生きていくこと。 里佳の強さ、自分の感覚を、自分を信じれる力強さが羨ましい。でもそんな強さをもってしても揺らがざるを得ない、どこか諦めざるを得なくなっているような、世間や慣習の空気たち。

    2
    投稿日: 2026.03.04
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    本屋さんで何気なく手に取ったのが本書を読むきっかけです。 読み始めは、ミステリーなのか何なのか分からず読み進めにくかったのですが、中盤からぐいぐい引き込まれました。何よりも、食に関する表現が素晴らしかったです。 里佳の変化していく姿が面白かったです。

    7
    投稿日: 2026.03.04
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    とりあえず読むとお腹が空きます。 ややスローペースに感じたが、カジマナの明らかに異常な事を言っていると思うけど納得してしまう考えに崇拝されました。 本当に殺したかどうかはどうでも良くなった。たぶんこの物語の本質はそこでは無い。

    42
    投稿日: 2026.03.03
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    カジマナと同じ方法を使えば、私も誰かを殺せるな と思った。 こう書くと恐ろしいけど、そう思うことで肩の力が抜けた感じがする。旦那が家事をしなくても少しだけイライラしなくなった。私の選択次第で殺せるので。 でもその方法を相手から選ばれる可能性もあるわけよね。人間と人間の間にある信頼とか愛着とか、そういうものがどれだけ精神を支えているかよく分かった。 適度な距離で見守り助け合うのが良いんだろうね。里佳の選択が正解だなきっと。

    6
    投稿日: 2026.03.03
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    週刊誌記者である町田里佳が男達を殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子との面会を通じて、自分や周りも巻き込み翻弄されてゆく社会派長編 題名でもあるBUTTERを鍵に、現代社会において、女が求められるルッキズムやフェミニストついてここまで上手に面白く描写できるんだと感嘆した。 現代の女達は外見中身に加えて、包容力も!と求められる事が多すぎる中で、幸せとは何か?という誰しも悩んだ事あることを題材として、それぞれの登場人物が追求する話にも思えた。 そんな中で、この作品を引き立ててるのが秀逸な料理の描写。文字だけではなく、五感に訴えてくる。実際に食べたくなるし、読者自身がカジマナから説明を受けて、食べたいと言う衝動に駆られた里佳自身になるのよ。そこがまた凄い。 読んでる途中は、カジマナは殺人者か?という事件の真相が気になったけど、読み終わって重要なのはそこではないなと。 だって、もう里佳にとってカジマナが人を殺したか殺してないかなんて関係ないんだもの。彼女はカジマナという存在に多いに振り回されたけど、その経験を通じて自分にとって本当に大切な事を見つけることができた。相手に呑まれながらも、2人はお互いに無い部分に刺激を受け、惹かれてあった同士。 でも里佳とカジマナは違う。その違いは、その刺激に対してどう向き合い、活かしたかじゃあないかな。 里佳は、自分の弱さを認め、過去と周りの人と向き合った。そこで自分を見つめ直したからこそ前に進めたんだと思う。 対して、カジマナは自分の本当に求めてる事は理解してるのに、それを導いてくれた人を裏切り、自分が優位に立ったという優越感を選んだ。つまりは、自分の弱さを認める強さがあるかないかじゃあないかだと思う。人間誰しも目を背けたい自分自身がいる。でもこの作品の登場人物達は、それに葛藤しながらも向き合って前に進んだ。伶子も篠井さんも。 だから彼らの人間味に惹かれ、素敵だと感じるのだろう。 人間誰しもが持つ食欲と欲深さを上手く調合した作品でした!最高に面白かったです!

    5
    投稿日: 2026.03.03
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    始めはオーディオブックを聴いていたが、先が気になりはじめて書籍を手に取った。言い回しに違和感を感じることが所々あったが、梶井の本質に迫っていく話の展開と、結局は自己を知り過去を乗り越えて成長していく様に共感を覚えた。

    13
    投稿日: 2026.03.03
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    バターよりもねっとり絡みつく読後感。 感情移入は誰にも出来なかったが頁をめくる手は止まらなかった。ディテールと食べ物の描写は秀逸。 だんだん登場人物が迷走しだし、虎のようにグルグルと…

    5
    投稿日: 2026.03.02
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    面白かった。最近自分の本離れが加速してたけれども、食べ物の描写が最高なのもあって、キャラ読みもできるくらい一気に読める作品だった。 もうちょっと気をつけて読んだら、おそらくもう少しモチーフの伏線を回収できたかもしれない。もう一回読みたくなる作品。ちびクロサンボに関してなぜ出てくるのかはまだ自分の中で落とし込めてない。 「ジェンダー」を扱っている割に、「娘と母」ではなくて「娘と父」の関係に光を当てている。こういう文学って最近は意外と少ないのでは。なんとなく、鴎外を思う森茉里を思い出してしまった。

    4
    投稿日: 2026.03.02
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    読み応えのある小説だった。初めての作家さん、かつ、ストーリーをよく知らずに手に取ったけど、続きが気になり最後まで一気に読んでしまった。 同じ女性だからなのか、女性が抱える脆さ、危うさ、そして逞しさを愛おしく感じた。周りの期待に応えようとして無意識に自分自身を偽るときもあれば、自分は自分と開き直って強気に出るけどやっぱり周囲の反応に傷つくこともある。そういう不安定さのなかで、もがきながら前に進もうとする登場人物にエールを送りたくなる。 終わり方が予想できず最後までページをめくる手が止まらない、久しぶりに満足度の高い小説でした! 苦しい時に甘えられる、弱音を吐き出せる人がいることってとても幸せなことだと思う。それがパートナーではないとしても、そんな人が近くにいるだけで幸せな人生なんだろうなと思った。

    10
    投稿日: 2026.03.02
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    私はめちゃめちゃ好きでした。表紙を見るとバターの匂いを感じるよう。 心の触れてほしいけど触れてほしくない部分を刺されているような感覚。生きることが楽しくなる本でした。

    9
    投稿日: 2026.03.02
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    めっちゃ良かった。 木嶋佳苗事件をモチーフに、 いまの日本で「女性として生きること」の息苦しさが、驚くほど解像度高く描かれている。 そしてタイトルの通り、物語の大きな軸となるのが“バター”。 料理や食の描写が何度も現れ、 食べること=欲望であり、生存であり、抵抗でもあると気づかされる。 ソクラテスの言葉、 「生きるために食べよ、食べるために生きるな」 カジマナとの対話をきっかけに食と向き合い、 主人公が“生きるために食べはじめる”ようになる過程が、頼もしかった。

    9
    投稿日: 2026.03.02
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    600ページはやや重たい。最初のマジカナとのやり取りで読み疲れてしまい後半に届かないともったいない。後半はわからなくもない。ただあまり共感できるものでもない。 ホンモノに触れるべきというのはその通りで、エシレバター、ウェストのバタークリームケーキが食べたくなります、 勝手に期待して勝手に寄ってくる、興味関心が自分自身になくなってくることに脅威を感じておかしくなる、というのはそうなのかも。寄られてる方は別に何をしてるわけでもなく好きに生きてるので魅力的なのか。 もちろん違うところもあるけどそんなふうに感じた

    8
    投稿日: 2026.03.02
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    あまりにも主人公エピソードが濃すぎて、共感が少なかった。 でも、こんな濃いキャラに共感は出来ないよね とも思いますが。 彼女に関わった事で翻弄される皆さんにも共感出来なかったので、どこか遠い物語な感じがしてしまいました。 超高級バターの描写が美味しそうで気になります。

    14
    投稿日: 2026.03.01
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    1年前にイギリスに旅行に行った際、書店で見たのがまさにこの本。 可愛い本だなーと表紙の写真を撮った。ただインスタ映えとしか思ってなかった本をまさか読むとは思ってなかった。 そしてこんなに面白いなんて。 まず料理の描写がとても良い。 文章表現だけで、漫画やアニメなどの画像や動画じゃなくてもこんなに美味しそうに描写ができるなんて。エシレのバターを買って、バター醤油のご飯を食べたいなと思った。 女性なら感じたことがあるルッキズム思想や、 「家庭的であれ」「美しくあれ」という空気感。 直接言われてるわけではないけど、ついついそれに従わなくちゃいけない環境を描写しており、 うわ!私まんまとこの空気感に呑まれてたわ! と気づいて悔しくなった笑 リアルなあるある空気感をしっかり表していて、 夢中で読み進められた。 また、これからどうなるんだ…? と展開が読めないのも長編小説なのに勢いを止めずに読み進められた点だと思います。 とても良い本でした!

    12
    投稿日: 2026.03.01
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    女性がテーマの話。世間が考えている女性らしさ、自身が考える女性らしさ、女友達との関係性、容姿など、女性であれば誰しもが持っているであろうどろどろした感情をベースに話が進んでいく。

    8
    投稿日: 2026.03.01
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    約600ページ! やっと読み終えてホッとした。 読みながら、自分にとって直ぐに思考が追い付かない所が多く、少し難しく感じてしまった。 女性の生きづらさとか友情だとか、文章から感じ取れるけど、どう生きようとその人の自由で、もっと寛容になって良いんじゃないかと言われているようだった。 自己肯定感を待ち、おおらかな人を目指して行きたい。自分のレシピを自分で作っている感覚かも知れません。

    37
    投稿日: 2026.03.01
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    女性はこうでないと!というジェンダー観とルッキズムな現代について考えさせられる作品。 そしてバターが食べたくなる、、、

    12
    投稿日: 2026.02.28
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    重い!読んでるだけで太った気分。 でもカロリーが高いものは好きなので… 疲れたけど読後感は案外爽やか マーガリン派ですが、バター探しに出かけようかな…

    2
    投稿日: 2026.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女性の友情を色濃く描いた作品 実話の事件を基に描かれた 女性の友情について 描かれている。 悲しくなったり嬉しくなった興奮するシーンもあり、 感情が揺れ動いた。 読み応えある一書。

    3
    投稿日: 2026.02.28
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    たっぷりのバターすぎる。 胸やけはした。 連続不審死事件をモチーフにした小説に、どえらく濃い社会問題や描写を沢山乗せて、味付けをした。 バター醤油ご飯小説。

    6
    投稿日: 2026.02.28
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    柚木さんがインタビューで、女性のネガキャンになってしまうような女性同士のドロドロな作品を封印してきたと言ってましたが、ぜひぜひ書いて欲しい。 次はナイルパーチ読みたいな。

    3
    投稿日: 2026.02.28
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    2007年(平成19年)〜2009年(平成21年)にかけて発生した、首都圏連続不審死事件という実在の事件が元になった作品。 「BUTTER(バター)」という題名の通り、こってりさを感じた。特に、バターを使っているシーンでは、読むだけで太るような気がした。 人は背景を何も知らないのに、身長や体型などの表面的なところだけしか見ていないのに、攻撃することがある。そして、それによって傷付く人がいる。人を変えてしまうこともある。人は自分が一番大事であり、それは悪いことではない。けれど、周囲に迷惑をかけるくらいなのは、信頼や関係構築がないとできないことだ。 また、自分の適量を知ることは生きていく上で役に立つと思う。私もやりたいことや興味を試して、適量を見つけたい。

    2
    投稿日: 2026.02.28
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    女性が主なメインテーマ それと同じくらい食の独特な表現が多い 家族、恋愛、仕事、友達、ルッキズムなど様々な領域の中で、様々な価値観と出会えたと思う。 最後の終わり方だけ少し物足りなさを感じた。 自分を粗末にすることは誰かに怒りをぶつけていることってフレーズが印象に残っている。身近に大切に思ってくれる人がいないから自分を労らないことは誰かの暴力だ 家族とか友人とか気付いてなくても誰か大切に思ってくれている人がそれを知った時に悲しくなるのかなと解釈したが、言葉にならない胸に刺さる感覚を覚えた

    13
    投稿日: 2026.02.28
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    くすんだピンクでぬめりと光るたらこ、ぷつりと壊れるフォアグラ、舌がするっと入ってきたような心地よさを感じる肉、執念さえ感じる旨さ…… 元々食に関心が薄かった人物とはいえ、美味しいと言うわりに表現が不気味でひたすら気持ちが悪い食事シーン。油断していたところに七面鳥で会心の一撃。これ、本当にまいった。 意のままに操られていく主人公にはハラハラしっぱなしだし、大逆転しそうなあたりは迫力があって面白かった。彼女はサイコパスか?と、中断してサイコパスの本を読んだほど。勝ち組サイコパスと負け組サイコパスが対峙したらこんな感じ?実は主人公もサイコパス?という意味で楽しめたのは中盤まで。伶子が動き出すところも目が離せず寝不足に。 フェミニズムとかミソジニーとかルッキズムとかトラウマとかリベラリストの存在感とか、あれこれ貪欲に詰め込んだ女性視点の世界のそこかしこで、共感も反発も沢山あったはずなのに片っ端から消え失せてしまうのは、主人公のキャラクターにブレを感じるせいか、こてこてにあぶらっこくて胃もたれするような長さのせいか。 柚木麻子さんは初めて読んだのだけど、この独特のオノマトペの乱用と猟奇的とも受け取れるほど血なまぐさい言葉の多用はバター仕様なのだろうか。平常運転なのだろうか。 この本は翻訳されて海外でも売れているようなので、どこかのタイミングで手に入れてそちらを読みなおしてみたい。言葉が変わるともう少し物語に集中できそうだし、作品の印象も大きく変わりそう。強烈なカジマナブログがどう翻訳されるのかも気になるところ。 「でも、きーめたっ(笑)」 「殿方にも嫌われてしまいますしね(笑)」 誰よりもブレずへこたれない彼女の芯の強さは嫌いになれない。

    5
    投稿日: 2026.02.27
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    久々読んだバター。 味わい深い。5年前に読んだ以来ですが、解像度が上がってまた面白かった。 バター醤油ご飯が食べたくなる。 もう東京の3LDKの中古マンションって3000万円で買えないよね…?

    3
    投稿日: 2026.02.27
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    モチーフになった事件は知っていたけれど、気になってしまって改めて色々調べたら 彼女の文字の綺麗さに驚いた。 モチーフにしつつも、現代の女性の生きづらさに言及されている感じ。 いまは変化していて、いろいろな家族の形があるけれどまだ根底には女性は男性をケアするべきという考えはあるんだよなぁと思う。めちゃめちゃ仕事が忙しかった頃に「嫁が欲しいよ〜」とふざけて言った記憶もある。 食べ物のシーンがたくさん出てくるのだけど、あの恵比寿の有名フレンチや手の込んだ料理よりバター醤油ご飯が食べたくなったよ。 一番好きなフレーズ 「おもてなしを頑張り過ぎるのは日本人の悪いクセ、何もかも一人で完璧にやろうとするから日本では仲間を気軽に招いてただその空気を楽しむ習慣が定着しないの──。」

    6
    投稿日: 2026.02.27
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    木嶋佳苗の事件がモチーフのこの作品。 週刊誌記者の里佳と親友伶子は容疑者カジマナに翻弄されていく… 前半はとにかく本タイトルのようにもったり、こってりしていてなかなか読み進められなかった。 まぁぁぁ重たい…カジマナに翻弄されていく里佳にヒヤヒヤしながらもカジマナという掴みきれない容疑者に興味が湧いてくる。 真実はどうなのかはわからないが、カジマナはなんだかかわいそうな女だなぁと思った。 時に女の敵は女ということもあるが、女の強固な友情や絆って特別なものがある気がする。 それを知らなかったカジマナに同情する。 とにかく食べ物がたくさん出てくるこのお話。読む時間によってはこってりし過ぎて辛い。 1人の食事なら一度バターをご飯に乗せて食べてみたいかも。

    48
    投稿日: 2026.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    木嶋佳苗がモデル。 カジマナとの対面パートと、 記者がカジマナに影響されて奔走、覚醒する2パートの流れ。 バターほか食やオジカツに対するカジマナの執着が見え始めると、どっと引き込まれた。 途中、怜子の変化にも驚きつつ、 物語の7割くらい。 カジマナから独占インタビューを取り付ける、怜子失踪までがスリリングで面白い。 生々しくてダークで飲み込まれそうになる が、最後までその勢いで駆け抜けて欲しかった〜〜というのが正直なところ。 ほっこりエンドが日本っぽいなと思うラストだった。

    12
    投稿日: 2026.02.26
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    圧倒的社会風刺小説。 現代のルッキズムをテーマに、食を味わう素晴らしさを交えながら主人公の堂々たる変化が大変面白い。 同じ女性の身として、無意識に「太る」ことへの抵抗があることに共感した。そこに、梶井真奈子が強く主張することで、そうではないと思いつつも、主人公とともにその主張は一理あるかもしれない、と引き込まれてしまっていた。 何より、登場人物が全て何かしら繋がっており、その伏線回収的な爽快感が強かった。 そして、結局は、この抗えない他人への視線が渦巻く日本社会において、どれだけそれら世間の評価を自らに取り入れるか、又は、そこにどれだけ我を通すのか、の選択によって自らは決まる。梶井真奈子のように生きられたり、初期の主人公や主人公の周りの人物のように生きづらさを感じたりするのかはその裁量によるのではないか。 そもそも、ぽっちゃり、あるいは太っている=努力していない、なのだろうか。絶対にそれは結びつかない。ストレスが溜まっていたり、自分の意に反している何かを見たとき、人間である限り自らの意見を主張したくなるのはわかる。 しかし、その匿名コメントが誰かを傷つける、そのことを必ず一考してから、決して勢いにまかせず発信する各人の意識こそが、生きやすい社会に少しでも近づく第一歩となるのではないだろうか?

    13
    投稿日: 2026.02.26
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    おそらく20261月後半に読了 読了日からはだいぶ日が経ってしまったが、世の中から求められる女性性とリアルな女性の姿があまりに共感できすぎて、怖くも感じた 特に、男性が太った女性を蔑みながらも惹きつけられている・甘えてしまっている姿も現実で捉えてしまったことがあって、ヒヤっとした 変わるものと変わらないもの、立ち直るとはどういうことか、色んなことを突きつけられて読み終わってからもぐるぐるとした感情が残った 食べ物の描写はもちろん魅力的で、ほんとにエシレバター買って丸ごと調理しようかと思うくらいだった

    12
    投稿日: 2026.02.26
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    梶井恐るべし。序盤からミステリーを匂わせていて、痛快な解決を期待してた。そういう意味ではもやもやした終わり方だった。ただ、バターは食べたくなった、これは読者皆さん総意なのではないかな笑

    2
    投稿日: 2026.02.26
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    主人公の里佳がカジマナと会って話すようになってから、彼女が第二のカジマナになってしまうのでは、と読み進めるにつれて、じわじわと怖かった。 1人の人間が他の人間に与える影響は大きいかもしれないけれど、結局は自分の人生であって、自分で選択をして生きていかなければならないと改めて思った。 度々カタカナで表記される"カジマナ"がなんとなく好き。あと表紙も。料理に関する表現が繊細で、読書をこれまでしてこなかった私が読んでも、頭にはっきりと料理の形が浮かぶ。思わずバター醤油ご飯も作って食べた。ご飯の上でゆっくりと溶けていくバターは、一見ご飯の表面だけに付いているかと思いきや、じわ〜としたバター(もはや油)は、底にひたひたになっていて、なんだか人の性質?を見ているような気分になった。(当たり障りのない表面上の会話では、人の本質は分かりにくい、その人を本当に理解するなら、もっと奥深くを知らないと、みたいな)

    2
    投稿日: 2026.02.26
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    冒頭からラストまで、バター料理が満載で私生活でもバターを買ってしまうくらい影響を受けた。 ちびくろサンボも被害者である男性に当てはめたりと、全てがバターにまつわる話で海外で評価されているのも納得という作品だった。 話のカギを握るのはやはり篠井さんの存在。この人がかなりミステリアスでカジマナに対抗する唯一の盾となってくれたように感じる。

    2
    投稿日: 2026.02.26
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    どんな展開になるのか想像が出来なくて、読み進める手が止まらなかった。 食べ物の描写がとにかく美味しそうで脳が痺れる。 高めのバター買います。

    6
    投稿日: 2026.02.25
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    バター料理実食の表現が物書きとしての情熱の全てを注いで書いたであろうと思う程に力が入っていて面白かった。だらしなく溶けるバターとか熟れた女を想像してしまう。所々の心理描写もねっとりしてる。 服役中のカジマナという女を知る為に指定されたバター料理を食べたり、カジマナの家族に会ったりという展開。カジマナに興味が沸けばもうちょい面白かったかも。

    8
    投稿日: 2026.02.25
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    長編で読み応えがあったが、読みやすかった。 複雑な感情が表現豊かにリアルに散りばめられていて、料理の描写(特にバターの表現)が魅力的だった。共感でき、考えさせられ、前向きな気持ちになれる面白い小説でした。

    6
    投稿日: 2026.02.25
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    この作品を読んだ後に木嶋佳苗のブログを読むのがおすすめ。モデルになった件はあまり知らなかったんだけど、ニュースで流し見するよりは深く知ることができたかなと思う。 “価値観や性格は環境によって形作られる”という考えで生きているんだけど、たまに世界のバグのような人や性格がが発生することってあるよね。 その人が磁場になって有象無象が引き寄せられてくるのをこんなに俯瞰で見れるのは貴重。

    2
    投稿日: 2026.02.24
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    某有名な事件が下敷きになっている。 当該事件の犯人が如何様な人物であったかは全然承知していないが、おそらく本作に登場する被告とは一切リンクしないであろう。 某事件とはかかわりのない、まったく新しいグルメな作品であった。

    3
    投稿日: 2026.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どのキャラクターもつかみどころがなく、この人ってどんな性格・キャラなんだろうと思っているうちに読み終わってしまった そういうところがリアリティがあるのかもしれない 主人公、動機はともかくなるべく痩せ体型を意識してた人なのに深夜に炭水化物+脂+塩分みたいなのガツガツ食べててすごい。それだけ梶井が魔力的だった、という描写だと思うけど、栄養知識とか美容知識が少なくて心理的ストッパーがない、あとは普段の食事に興味がなかった反動のようにも思えた。あんなに食べ物への感受性があるのになぜ…??と感じた(これは後述の彼女の持つトラウマに関わっていたのだと思う) 人を欲情させるのに興奮を覚えてたのになんでそんなに自分の美に無頓着なのかはよくわからず……学校の王子様的ポジには本人的にそんなに魅力なかったのかな よくわかんねー女、里佳…… 途中、里佳の食生活の描写見てて「おい!里佳!!!!!なんか食べるものの質のいいもちづきさんみたいになってるぞ!!!!!」と心の中で叫んでいた  なんか里佳の感じ方がちょいちょい突飛で読むのが引っかかった。あくまで仮説をもつ、というより断定を急いでいるように思えるから??ただ、核心をつかなかったり目の前にあるヒントを逃したりした理由として「父の死がトラウマだったから」というのは納得した。 絶対話の流れ的に里佳は梶井のせいで人生を狂わされることになる、と思っていたが、最後のホームパーティーのシーンで安心した。このシーンのおかげで「ある種里佳の成長物語だったのかなー」とも感じられたので、このシーン好き。(次いで篠井宅でみんなが集まるシーン)。里佳が自分の選んだ人々を誘って、自分の料理でもてなし、そこに無理がないというのがよかった。 伶子が一番最初の印象から変わった。ぶっ飛び女すぎるこの人…仕事再開したのはすばらしいが、あなたは経理よりも向いてる仕事が絶対あると思うよ… 里佳も伶子も33歳にもなって不器用すぎでは?とも思う。そういう人もいるか…… 「篠井はそのうち里佳のこと抱くでしょ そういう要員でしょ」と思っていたのだが、最終的には篠井さんが一番の推しになっていた 最後に娘さん連れてこれるまでに関係修復してよかったね 文庫版p444の篠井さんのセリフも好きだ!たしかに手作りの料理からくる愛情を受け取れない時もある 梶井のセリフは大抵がよくわからんが、文庫版p387だけ妙に心に残るし共感できた。料理教室の方の証言でコンプレックスだらけでそれを埋められない可哀想な人だった、という印象に落ち着いたが、そこで止まらないのがこの女…って感じだ…

    4
    投稿日: 2026.02.23