所謂転生物の作品ではあるが、転生要素がビックリするほど活かされてない。 生まれ変わった主人公がステータスを見て「レベルが1に戻っている」と言うが、じゃあ転生前はレベルいくつだったのか、そもそも転生前の世界にレベルという概念があったのかは語られない。 それ以前に転生前の事が全く語られない。どういう人物で、何をしていて、どうやって死んで転生したのか、そういった事が一切語られない。何故主人公がここまで優秀なのかも語られないし、そもそも物語に前世の記憶云々の展開が全く存在しない。 これでは転生という設定を使った意味がない。 一方でストーリーはかなり独創的。王侯貴族社会においてどう立ち回るか、どう活躍するか、どう成り上がるかを描いた内容であり、他転生物ではあまり見られない内容なので、とても新鮮な気持ちで読む事ができた。こういった内容を真っ直ぐ描いたのは十分評価に値する。 簡単に言えば「ツッコミどころはあるが面白い部分もしっかりある」一長一短な作品といったところ。個人的には悪くないと思う。