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異世界失格(1)
異世界失格(1)
野田宏、若松卓宏/小学館
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総合評価

5件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 男はその夜、愛する人と玉川上水へやって来た。自らの"恥の多い生涯"を 終わらせるために。だが そこへ例のトラックがあらわれてーー死にたがり作家の異世界転移冒険譚、ここに開幕。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 感想は最終巻にまとめて記載予定です。

    3
    投稿日: 2024.09.26
  • 独創的でいいね

    敵は魔王や魔物ではなく、チートスキルを与えられて増長した転移者という、量産される異世界転生/召喚物のアンチテーゼとして描かれたかのような作品。 内容はコメディとシリアスが3:2といったところ。 前者はシュールでテンポの良いギャグであり、そのセンスもキレッキレ。主人公の個性的なキャラも相まってなかなかに笑わせてくれる。 後者は構成・心理描写・台詞回し・単語選びが実に巧み。シリアス展開の時は、変人の主人公が物事の核心を鋭く突く切れ者として描写されており、その表現も上手。戦闘描写も決着時に見開きを2連続で使う等、作者のセンスの良さが伺える。 そしてこの2つを緩急・メリハリを付けつつ、上手い配分で混ぜており、この点もやはり構成力が高い。思わずジーンとくる「良いエピソード」も多く、物語の引き出しが広い。特に4巻の「魔女」のエピソードは完成度が抜群に高い。 わたしは語彙力が低いので本作の魅力を上手く伝えられないけど、とても高い個性と魅力を持っており、自信を持って良作と呼べる内容に仕上がっている。興味がある方は是非。

    1
    投稿日: 2021.04.19
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    これはアイデア勝ち。そして作者がちゃんと太宰治を好きなんだってことが伝わってくる。 基本的には自殺したがりで厭世的で、絵に描いたようなザ・クズ文豪ってところは世間のイメージ通り。我が道を行く我の強さやなんだかんだ言いながら身を挺して人を守る部分は、太宰作品をいくつも読んでる人の発想だなぁ。 『人間失格』のイメージや心中のエピソードがあまりにも有名すぎて伝わりにくい部分だけど、実は太宰治は「自分を含めた人間の『愚かさ』に対してツンデレ」な人だと思うんですよね。 異世界転生もののあるあるネタを設定として上手く取り入れた世界観も面白くて魅力的。 なろうでもう一作、太宰治が異世界転生した作品を見つけた(そっちは1話読み切りのショートショート的なものだけど) たぶん太宰自身に、なんか異世界転生ものの書き手が見ると「転生させたい!」と思うものがあるんだろうなぁ……

    1
    投稿日: 2020.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    某文豪が心中しようとしたら異世界に召還された話。 『異世界当選トラック』って単語が妙にツボに入って笑った。異世界転移(転生)の原因はなぜかトラックとの衝突が多い、というお約束を盛大にディスってる……いやいや、リスペクトしてる(?)のが面白いです。 何の能力もなければ、世界を救う気概もない、チートじゃない主人公がいいです。ただひたすら心中がしたいだけで、アンニュイなのが売り(?)の某文豪先生。心中がしたい、という一心が何故か周囲を微妙に救っていくようなそうでもないような。力の抜けたマイペースっぷりを披露しつつ、信念のようなものをちゃんと持ってるバランスの良さが、この主人公の魅力なのかな、と思いました。私は好きです。 この1巻では主要登場人物との出会い編って感じですが、2巻以降はもう少し話が動いていくのかな?期待してます。

    0
    投稿日: 2020.07.06
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    おもしろかった。いわゆる異世界転生ものなんだけど、主人公がどう見ても心中した時の太宰治。 何のスキルも無い最弱キャラで、目を離すとすぐ死のうとするくらい生きる意志も無く冒険者の適正がゼロ。 なのにその人間味が周囲の人間を引き付け物語が動いていく、というコメディタッチの冒険譚。

    0
    投稿日: 2020.04.11