
総合評価
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powered by ブクログタマコが泣けます。人を大切に思う気持ちが、年齢だったり、関係性で色々問題になってしまう。純粋に人を思う気持ちの大切さが身に沁みました
0投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ文庫の帯に記されている新海誠監督のコメントが気になって読んでみた タイトルの「アカペラ」を読むと、新海監督の「天気の子」に通じるものを感じた。 また、なぜ作者の山本文緒さんはこの物語に「アカペラ」とつけたのか? 考えながら読んでみた。 そこには15歳の女の子が、大好きなじいちゃんのピンチに対して必死に考え、行動していく姿。 途中、絶望的な展開になってしまうけど、自ら必死に行動していく姿が「アカペラ」(つまり、伴奏の無い人生展開)に繋がったんだろうな、、 と感じた。 主人公、タマコちゃんの充実した今後の成長を心から願うばかりだ。
14投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログちょっと歪な家族の物語3篇 「アカペラ」 個人的に、それは倫理的にダメでしょうというところがあるので手放しで好き!とは言えないけど、そこにそれを求めた主人公の気持ちには納得させられてしまうさすが山本文緒さん 「ソリチュード」 何も決められないまま流されてもいつかは流れ流れて結果が出る まだその途中にいながら一つケリをつけたダメ男を応援したい 「ネロリ」 人のために優しく、人のために生きる、それ自体が自分のエゴなのかも ラスト元気が少し出る感じで良かった
0投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ珍しい家族愛のかたち。思考回路がこじれ気味だったり、いびつだったり、自己満足的だったりするけれど、純粋さが際立つ。
14投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログ3編の中編集で、「アカペラ」が良かった。ただ、70歳過ぎの祖父と中学1年の孫が、男女の関係になるという展開だけは余計だったと思ってしまった。
16投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログ3編、どれも読みやすくて読んでいて楽しかったです。普通とか常識とか、それを肯定するとか否定するとかって何なんだろうと。自分の幸せの中に、何を捨ててでも存在して欲しい相手って誰(何)なんだろう。
8投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ山本文緒の作品は大好きです。 ただしこの三篇編成の小説は 今ひとつというのが正直な感想 です。 1話、2話ともに主人公や人間関係 が気持ち悪いと感じました。 そこがストーリーの肝なのでしょうが。精神的な近親相姦の話というか… 3話目のネロリのラストに希望が あるのが救いでした。
0投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログおじいちゃんの、たまちゃんの名前の呼び方の変化、そういうことか、、、中3ながら精神的に成熟した彼女の一途な一面を知っても、不思議とそんなにぞっとしない、特徴のある性格だなと思った。
0投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ3編あって、3編目の最後の一文が印象に残った。 どんな生き方も人生も否定しない、変えようとしない、そのままを受け止めている感じがした。その上で自分がどう関わっていくかが伝わってきてよかった。
0投稿日: 2024.02.22
powered by ブクログ2人の人間の間にだけ存在する世界の物語、3つ。 最終話が1番好み。 2人は可哀想なんかじゃないって私も思った。
2投稿日: 2023.11.04
powered by ブクログ3つの短編からなる一冊。 あー、分かる。という面と、こう来たか。という面と。 普通とそうじゃない線引なんて曖昧過ぎて分からない。 だからどちら側でも分かる部分はある。境遇を分けてしまえば偏見が増える様に。 男性が主人公の話は山本文緒さんの中ではあまりない様な感じがしていて、意外だった。
2投稿日: 2023.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
帯は、 ------------------------- ”家族”をめぐる 三つの物語。 こういう作品を作りたいのだと、 読むたびに思う。 新海 誠 ------------------------- 中学三年のタマコが、老人ホームに入れられそうになる祖父と駆け落ちする「アカペラ」 田舎を飛び出した春一は、父の死をきっかけに20年ぶりに帰郷する。そこで再会を果たしたのは…「ソリチュード」 病弱な弟を献身的に支える志保子。仕事、恋愛、未来の転換期を迎えた時、二人きりの姉弟はどんな選択をするのか「ネロリ」 三篇が収められていますが、 読んだ最初に抱いた感想は、 タイトルの意味でした。 この物語に対してタイトルは、 どういう意味を込めてるんだろう、と。 それを意識しながら読んでいると、 アカペラは、祖父とタマコは仲良しで鼻歌のように歌を歌うからそこかな?と思ったんですが。 でも読み切った後に思ったのは、誰にも伴奏(伴走)してもらえないまま一人で歌い上げるタマコを想像しました。 両親もアテにならない。 祖父は大好きだけど、自分が守らなければいけない。 先生だって、自分の人生を最後まで助けてくれるわけじゃなく。 15歳の少女が、ひとりで決断していかなければいけない。 だけど、タマコが自暴自棄にもならず、本当に最後までタマコらしくて、それがさらに。 もっと周囲のせいにしていいし、周りに甘えれば良いし、我がままになったって良いのに、と。 「ソリチュード」については、結局顔が良い人はなんだかんだと得するんだな、というのが感想でした。(だいぶ荒んでますね、私。苦笑) どんなにダメ男でも、放っておけない女がいて。 この主人公の春一こそ、周囲のせいにして、こじらせてると思いましたが。苦笑 タマコ見習いなさいよ!と。笑 春一の過去の環境も環境なんですけどね。 だけど、もっと考えて行動してよ!怒)と思ってしまった。笑 登場人物の大体が春一の前だと、ちょっと女になる感じがね。苦笑 「ネロリ」は最初、親子だと思ったら姉弟でした。 日出男は身体が弱くて、ストレスを溜めないで生きていくだけで精いっぱい。 そんな弟を献身的に支える姉。 偏愛というか、まわりが不思議に思うような嫉妬するような距離感。 そんな日常に突如割り込んでくる仕事や恋愛。 家族ではなく、ひとりの男性、女性として。 どれも本当に狭い世界と人間関係のなかで起こる出来事なんだけれど、少し気味が悪かったり、理解できなかったり、それは愛ゆえの歪さでもあって。 そして、見えないところで知らないところで本当に起こっていてもおかしくない物語たち。 アカペラを読む前と後では、表紙に描かれている少女のイメージが大きく変わりました。 多分忘れられない。 すごい絵です。
7投稿日: 2023.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作の「アカペラ」はタマコの独特な語り口に戸惑いつつ読み進める。 15歳の中学生でアルバイトしていた所は最初読み間違いかと思って「ん??ンン?」と何度も読み返した。なかなかブッ飛んでるけど、そこもこの世界観の味になっているように感じる。 両親と折り合いが悪く、一人でじっちゃんと暮らす(面倒を見る?)タマコの姿を見て、最近よく目にするヤングケアラーとはこういう事かと思う。 まさか、まさか…と嫌な予感を感じながら読んでいたけど、タマコとじっちゃんが「コトに至った」場面でどうしても嫌悪感が湧いてしまって、読み終わるまでずーっと拭い切れず…。 挫折しそうだったけど、タマコ一家に振り回される蟹田先生がなんとなく好きで最後まで読み切る。 ⚫「俺は責任取ってやれねえんだよ。先公なんか所詮他人だ。ゴンタマが卒業したあとは、また新入生が入ってきて、そいつらのいじめとか成績とかでてんてこ舞いなんだよ。一人ずつ卒業した後まで責任持つキャパなんかあるわけねえだろ。だからせめて、少しでも安全な道に送り出してやりたいだけだよ」 蟹田先生のこの台詞に、ははあ、なるほどな。と思った。あの頃は反発心ばかり抱いていたけど大人になった今納得。教師の心生徒知らず。 2作目の「ソリチュード」はとても好きだった! 1作目で挫折せず読み進めていてよかった。
0投稿日: 2023.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今の状況から脱出したい気持ちが心の奥にあるけれど、どうにもうまくいかない……。 そんな人たちが登場する中編が3作収録されている。 『アカペラ』 衝撃的な作品だった。 両親と上手くいっていない十五歳のたまこは、祖父と仲が良く、友人からも「まる子と友蔵みたい」と言われている。 たまこは祖父が大好きだから、携帯に涙声でいきなり電話がかかってきても気にしていない。 祖父は自分でできることも多いが、認知症なのかな?と思う場面も多々あり、両親が家にいないたまこはヤングケアラーであるように思った。 「十六になったらすぐ、結婚するってじっちゃんと約束したの」 老人ホームに入れられそうになった祖父と駆け落ちし、体の関係を持ったたまこは、担任の先生にそう言った。 そんなたまこは、祖父が入院後目を覚ましたとき、涙を流しながら「悲しい」と思う。 祖父のことを慕っていたたまこが、このとき「悲しい」と思ったのは、祖父がたまこをいつものように「まあこ」と呼ばなかったからだろう。 幼少期に家族が使っていた「タマや」という呼び方をした祖父は、「十六になったら結婚しよう」と言ってくれた祖父ではなくなった。 「まあこ」とは、祖父の最初の奥さんの名前だ。 たまこを「まあこ」と呼ばなくなった祖父は、もしかしたら結婚の約束も、体の関係を持ったことも忘れてしまったのかもしれない。 「結婚したら堂々と母親を追い出せる」という希望が、たまこから抜け落ちてしまったのだと思う。 『ソリチュード』 今の状況も自分もなんとかしたい、ここから逃げ出したいと思っている主人公・春一。 高校生のときに家を出て、流れに身を任せて三十半ばまで生きてきたが、自分がどうしたいのかも分からないでいた。 そんな中、いとこの美緒や彼女の娘である一花、昔の友人の武藤と関わりながら、自分の置かれている立場を少しずつ理解していく。 父親の怒り、母親の気持ち、美緒の両親の気持ち……。 かつて自分に向けられていた大人たちの気持ちに、春一はようやく「そうだったのか」と感じられるようになった。 自分の気持ちが掴めずいつも宙ぶらりんで、どうしたらいいのか分からない。 面倒なことは保留ボタンを押して先送りにしてしまう。 そんな春一が少しずつ他人の気持ちを思い、自分の気持ちにも向き合っていくような話だった。 『ネロリ』 もうすぐ五十歳になる姉・志保子と、体が弱く一度も働いたことがない三十九歳の弟・日出男。 二人暮らしをしているこの姉弟は、二人だけの幸せのために、未来に期待せず、ただ毎日を小さく生きている。 そういう感じがした。 志保子が須賀から結婚を迫られたとき、彼女は掴みかけた未来を、自ら諦めたように見えた。 亡くなった母親の看病を日出男に押しつけてしまった、それがきっかけで日出男の体調が悪化してしまったという後ろめたさ。 それを手放して結婚できない志保子は、その罪悪感にしがみついているようにも思えた。 日出男と付き合っている心温(ここあ)が、唯一の救いだと思った。 未来に薄暗い靄がかかっている姉弟にとって、彼女がひとつの光になるような気がしている。 これからを感じられるラストが良かった。
1投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログ短編集。 親が当てにならず祖父が大好きなタマコは祖父と駆け落ちをする話。 ダメ男が20年ぶりに帰省して、改めて自分のダメさに気づく話。 最後に何が解決するでもない感じがリアルさを感じる。 最後は病気の弟の面倒を見る姉と弟の恋人の話。最後にちょっと意外な展開がある。
1投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログ本が読みたい、というか常に一冊以上の本を手元に置いておきたい。読みたくなったらすぐにでも読めるぞ、という状況を確保しておきたい。でも特に読みたい本がない。探すのも面倒、調べるのも面倒。そんなときはとりあえず山本文緒。あるいは井上荒野。図書館をうろうろしてこの本を見つけた。 短編集。一作目の書き出しに魅了された。 --- 権藤たまこ、十五歳。問題ある家庭なのに健気でいい子だってよく大人に言われます。そういうとき誤解を解こうと説明しても無駄だと小学生のときにわかったので、ただ笑っておくことにしています。問題のない家庭ってやつがどういうもんかよく知らないし、まあ、確かにうちはちょっと変わった人たちで構成されているかもしれませんが、変わっているなりに問題もルーティンで、なにごとも繰り返されると人は慣れるってものです。(p.7) --- もうそんなことすっかり忘れてしまっていたけれど、そういえば自分も中学生の頃はいつも同じようなことを考えていた。大人になった今は、いわゆる「普通」の家庭なんてものはどこにもないということがわかった。どんなにあっけらかんと優雅に生きている人でも、親しくなってから家庭の事情を聞けば、おぉーとなるようなエピソードの一つや二つ隠し持っている。でも中学生だったあの頃は、自分の家庭をなんとなく変というか、一風変わっているようだなあと思っていた。 家族としての愛、恋人としての愛、その両方がないまぜになった愛。よくないってわかっていることもどうしようもなくて、周囲からの反対とか抵抗とかには余裕で打ち勝てても、最終的に自分で気付いてしまったらもうそこでおしまい。生きていたら白黒つくことなんかほとんどなくて本当にごちゃごちゃする。「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の三作品ともすごくリアリティのあるお話だったから余計に、本の中だけでも白黒つけてスカッとしたいなあという気にもなった。特に二作目の「ソリチュード」は美緒の側に感情移入してしまって、結末はちょっとしんどかったな。
1投稿日: 2023.01.30
powered by ブクログ「アカペラ」文庫版の初版が2011年8月で、 私の購入した本は、5刷で2020年9月。 初版は分からないが、5刷には解説は無く、 作者の「文庫版あとがき」があった。 そこに収録されている3編の中編のうち、1編目の「アカペラ」を書いた後、病気のため約6年小説を書く仕事を休んだ、とある。 「アカペラ」は2001年直木賞受賞後の第一作、 二作目「ソリュード」は2007年復帰作、 三作目「ネロリ」は2008年作、 このあとがきは、2011年夏、とある。 辻村深月さんの「傲慢と善良」文庫版の解説が 朝井リョウさんで、そこには、小説の執筆者が誰に解説を頼むのか、著者本人が決めるのだそうで、その 顛末が、とても興味深い。 という事で、山本文緒さんは、あとがきという形で、解説は誰にも依頼しなかったのかなぁ、と思った。 解説、あとがき、両方ある文庫本もあるし。 「アカペラ」は中学3年生のタマコが主人公。 父にも母にも気にかけてもらえず、おじいちゃんと仲良しで暮らしている。 担任の、蟹江清太31歳は人気者。 学校では、ユニクロか、ノーブランド。 外での私服は、ポールスミスのジャケットにパトリックのスニーカーとか、あきらかに「女避け」みたいで、俺って本当は男前なんだ、と云う本音を感じるタマコ。 ここのみで、どんな人物か丸わかり。 作者の、そんな世の中の見え方が好きです。 最後は、おっと、そうだったのか、なるほど。 「ソリュード」は、俺はダメな男です、ではじまる。 確かにかなりダメダメ男くん、と思っていたら、 いろいろ事情もあり優しくもあり。 しかしやっぱりダメですね。 中学一年女子の、一花がいい味出している。 「ネロリ」は、中年の姉と、病弱で働けない弟40代の二人暮らし。母は亡くなり父は弟を妊娠中に不倫で離婚。 最後は、これで終了、とおもいきや、ちゃんと伏線回収、スッキリ、でした。
17投稿日: 2023.01.25
powered by ブクログ作者の今まで読んだ作品とは違いほのぼのしています。実際に起きている事は大変なのですが。 それを重たく描かれていないからなのか、楽しく読み終えました。 何がどこが良かったのか表せないのに面白かった!と言える小説です。読めて良かった。
14投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ様々な家族の物語。三編とも物語を通じてそれまで家族が日常を過ごしてきた前提が変わり、その後家族がこれからどう生きるかというところで終わっている。 読後の爽快感は得られないが、物語の家族を自分の家族に置き換えて考えたとき、自分はどの物語の登場人物のように振る舞えるか。そう言う観点で物語を読んだ。 三編ともに素晴らしいが、個人的には「ネロリ」が、伏線の回収の仕方、未来への希望を抱かせてくれる点で1番私好みだった。
2投稿日: 2022.12.18
powered by ブクログ最初のアカペラは、10代の女の子が話してる感じでなんかモヤモヤ読み辛かった。内容も、、最後はほっとしたけどやっぱりモヤッとする。 あとの二つも中編小説でさらっと読めたけど、好みじゃなかった。
1投稿日: 2022.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三編の中編 それほど繋がっていないような とても繋がっているような 正解とか正論とか何を求めているのか 何が大切なのか、何も大切ではないのか。 未来に希望はあるのか 今にどう生きるのか 何だろう。 この読後感は・・・ すごく近くにあるような世界 隣にあるのにね 何にすがっていたんだろう 何を大切にしていたんだろう 伴奏してくれる人はいないからこそ 声だけで 歌う
0投稿日: 2022.11.24
powered by ブクログ初めて読む山本文緒さんの作品、設定には色々と驚いたが、読みやすい文章で短編のような物足りなさはなく、長編のように時間もかからず程よく満足出来る中編小説。 ネロリの最後の2行に書かれている言葉がとても印象的で3つの小説にでてくる人たちのように、キラキラしたこともなく未来に希望を持てずに暮らしている多くの人たちに小さな光を照らしてくれるような作品だった。 山本さんが遺された作品をもっと読んでみようと思う。
0投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログとても満足できる 3つの短篇小説 コロナ禍で生活感覚が変わってきている中、現在でも楽しめる文章になっていると思う 2001年の直木賞を受賞した女性の著者 他も読んでも良いかなぁと考えてはいる アカペラ これは楽しい おもしろくて良い 祖父と中学生の孫娘のやりとりが笑える それもエンディングのところまで アカペラとは、ちょっとボケはじめてる 祖父がけっこうでかい声でも 歌い始めてしまう昔の歌とか その場の語呂合わせで唄うことことだ いかにもって感じが微笑ましく 描かれていると思う ソリチュード これも まずまず楽しくて良い 30代後半にもなってコミュ障 じゃないかという主人公も、父の法要で 高校時代に家出していた実家に帰る 従姉妹の娘 小学6年の女の子に気に入られる 死んだ父の話し 普通に息子を迎える母 地元の友達 そして従姉妹と離婚した元夫 まるでスナフキンのようだと喩えるのは 自由にどこに旅して生活しても 良さそうなのに結局同じところでひと目から 隠れるように引きこもっているような自分を 重ね合わせたという 無理矢理感はあるが、閉塞感の兆候を 表現しているかなぁとも思えた ネロリ 障害者周りの人々の生活 小説としては 物足りない想いだった 基本的に障害者の周辺の人は この 障害者のことを考えての暮らしや愛情を 持った人たちだけだ 人を描くにはリアル感が足りなすぎて ちょっと無理を感じてしまった 共感できる人も いて欲しいとは思う
0投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。とても読みやすい! 中編三編、主人公たちは年代や性別は違うのに、良いなあと思えるあったかさがあった。 そのあったかさは、それぞれの物語に出てくる家族のあったかさかな?と思う。 文庫版あとがきに、昭和の中頃に建った、狭い和室がある安普請の一戸建てが描かれている、というようなことが書かれていた。 個人のプライベートなんてないような狭い家…そこから生まれる距離感は、狭いマンションに住む今の読者にも分かるものなんじゃないかと思う。 著者の他の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2022.05.06
powered by ブクログ「アカペラ」校則違反のバイトどころか祖父と駆け落ちまでする中学生タマコに振り回されっぱなしの教師蟹江に同情してしまう。生死をさ迷いボケていた祖父が正常になり、恋人まあこから孫のタマに戻ってホッとした。
15投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ昨年、鬼籍に入られたというニュースを聞いてから、この方の作品を読んでいないことがずっと気がかりだった。今日、初めて山本文緒さんを読んだ。やっぱし女性作家か描く女性って素敵な人が多い反面、男はいまいち存在感がないし、あったとしても駄目な男しか出てこんね。山本さんも然り。それがアカンと言うわけではないんですが。やっぱし男は駄目なほうが魅力的なんでしょうか。そう言えば寂聴さんも、駄目男が好きと書いてたなぁ。よし、しばらく山本文緒さんも追いかけてみようっと。
2投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ中編小説、三遍が収録されています。 山本文緒さんは少女小説出身だとご自身で語っていますが、ちょうど私が高校生の頃好きだった作家さんです。その頃少し大人な女性に憧れていて、色々な恋愛小説や児童小説を読んでいました。 世の中にありふれている様な普通の人間の悲しみ、予期しない人生の幸・不幸に対し、包み込んでくれる様な前向きな主人公が立ち向かうのです。タブー視される暴力描写もサラッと描いていて、それでいて淡々と、嘘は書かない現実的な文章。 胸が温かくなります。 此の3部作のうち、 ネロリが好きです。働く女性を描いていたから。 それだけでなく、懸命に生きている姉弟を見守る若い瞳。 結婚が破談になってしまう所は感情移入し過ぎて 涙が出てきましたが、ラストの心温ちゃんの語りで、『見ててくれる人』が認識でき、 こちらもありがとうと、言いたくなった作品でした。 山本文緒さん、青春を思い出しました。 ありがとうございました。 貴方の作品、また時期を見て読ませて下さいね。
1投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログ追悼。どこかの書評で気になったんだったか、手元にあったので本作をチョイス。氏の作品は2作目。3作からなる中編集。それぞれが、かなり個性的な恋愛模様を描く。祖父と孫、いとこ同士、中高年男女、みたいな。でも、それを納得させられるような背景が巧みに書かれていて、違和感なく受け止められるのもポイント。きっとこういう関係性もあるんだろうな、みたいな。世界が広がりました。 まだお若かったんでしょうに、惜しい作家さんでした。ご冥福をお祈り致します。
0投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ○アカペラ ○ソリチュード ○ネロリ 中編三篇 アカペラが一番面白かった。15才の女の子とその祖父との不思議な関係、仕方ないけど儚い結末がよかった。
2投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログこの本は、表題作「アカペラ」、「ソリチュー ド」「ネロリ」の三編からなる。 三作品に繋がりはないが、どれも少し切なく、少し特殊な家族愛を描いている。 切なくはあるが、温かい。 1作目を読み終え、これが一番面白いんだろうなと思い、2作目を読むと、こっちの方が好みと思い、3作目でラストに驚かされ。 結局全て、とても良かった。 登場人物たちの幸せを願ってしまう、素敵な作品たちです。
23投稿日: 2021.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編3作の小説集。 心温まる系のお話かと思いきや、そんな単純なものではなかった! ・アカペラ 単身赴任で不在の父、家出ばかりの母をもつ主人公が、大好きなおじいちゃんを守るために駆け落ちをする。担任の先生やバイト先の店長など、大人らしくない大人達の手を借りながら大好きなおじいちゃんのことだけを考える健気な主人公。ラストが意外すぎる…。これは何エンドと言えばいいのか?ハッピーエンドのようでハッピーエンドではない苦しさ。 というかおじいちゃんと関係をもってしまうくだりはいかがなものなのか… ・ソリチュード これもラストがわかりやすくないのがいい!心を入れ替えてこうなりました!的なものではなく。自分を省みた上で日常に戻っていく、表面上はかわらないかもだけど、きっと何かが変わっている。なぜか沁みた… ・ネロリ 体の弱い弟のことを第一に考える独身の姉、若いガールフレンドと姉と病院しか外界と関わりのない弟。慎ましやかに生きる兄妹だが、姉のリストラ&婚約で日常が少しずつかわってゆく。 これも最後がおやおやといった流れに。うまくいかないことが多いが、みんなの優しさがじわりと滲み出ているお話。
0投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログあなたが本を選ぶ時、そのきっかけは何でしょうか? 本、本、本のレビューが山のように、もとい、宝の山のように積み重なるブクログの場に集うみなさんは、ある意味で読書のプロと言ってもいい方だと思います。そんな読書のプロの皆さんが書かれた絶品のレビューを読めば読むほどに、そこには未だ出会えていない素晴らしい本がたくさん眠っているのではないか、そんな風に感じます。そして、その記述を参考に本を選んでいく、そんな起点を提供してくれるブクログという場は本当に素晴らしい場だと思います。(私はブクログ関係者ではございません(笑)) そう、本を選ぶ時にはその本を読まれた方のレビューを参考にする、しかも一人じゃなくて、たくさんの人の意見を参考にあれやこれやと選んでいく、これによって最短距離で素晴らしい本に巡り会える可能性が高まります。しかし一方で、それだけでは、趣味の読書としては今ひとつという気もします。趣味であるならたまには直感で動くことがあっても良いのではないか? 私のレビューに一度だけ”ジャケ買い”という言葉を用いたものが存在します。辻村深月さん「光待つ場所へ」。書名を書くだけであの深い感動が蘇る今もって大好きな作品ですが、この作品を私は”ジャケ買い”しました。表紙が気に入った、という理由で買ったその作品。そして、そんな”ジャケ買い”した「光待つ」から300数十冊後に、再び同じ理由で手にした作品がここにあります。『美人でもブスでもない平凡な顔だが、よく日に焼けていて、黒目が光り健康的だった…髪も染めておらず、リップクリームさえ塗っていなさそう』という主人公の顔が大きく描かれた文庫本の表紙。『正直こっちが怯んだ』と担任教師が感じるそのままに、読者をじっと見つめるその目に射抜かれてしまった私。すっかり頭を離れなくなったそんな主人公が描かれた表紙がきっかけで思わず”ジャケ買い”してしまったこの作品。『中編を書くことの楽しさを知った』とおっしゃる山本文緒さんが8年をかけて綴られた三編が詰まった中編集です。 さて、2008年に単行本として刊行されたこの作品は、三遍の中編から構成されています。表題作の〈アカペラ〉のみ、2001年に「プラナリア」が直木賞を受賞、その直後作として発表されています。しかし、『一編目の〈アカペラ〉を書いたあと、私は病気で約六年、小説を書く仕事を休むことになった』とご病気により執筆を中断後、復帰作として残りの二編が書かれ、単行本として刊行されたという経緯を辿ります。そんな三編には直接的な繋がりはありませんが、いずれもちょっと不思議な、もしくは複雑な家族関係を描いているという点が共通しています。 三編ともそれぞれの味を感じますが、一番気に入ったのは、”ジャケ買い”の対象となった主人公『ゴンタマ』が登場する表題作〈アカペラ〉でした。『ママが家出しました。タマや、捜さないでください、ではじまる置き手紙』を見て『毎度のことなので最後まで読まないでまるめて捨てました』というのは主人公の権藤たまこ、十五歳。『うちはちょっと変わった人たちで構成されている』ものの『なにごとも繰り返されると人は慣れるってもの』で、『ママの家出くらいじゃびっくりしません』という たまこ。一方『パパは五年も前から単身赴任』しているもののずっと帰って来ず、電話をかけても『「現在この電話は使用されておりません」と電子音声』が流れる状況。そんな たまこは祖父の『金田泰造、七十二歳』と暮らしています。その二人の『関係が「ちびまる子ちゃんと友蔵みたい」とお友達の誰かが言って通称とな』ったという”トモゾウ”という祖父の呼び名。『ママはじっちゃんのことボケはじめたって言うけど、赤ん坊の頃から毎日一緒のタマコには全然そうは見え』ないという たまこ。『じっちゃんはほれぼれするほどいい男』で『タマコの理想の男性』であり『タマコはじっちゃんみたいな人と結婚したいです。というより、できることならじっちゃん本人と結婚したい』と思い続けています。一方、『昼休み、俺は職員室のデスクで眠気をこらえながら頬杖をついて、進路調査票を眺めていた』のは教師の蟹江清太。『三年生の担任だなんて気が重い』と思っていたものの『突飛な高校名を書いた奴はいない』ことに安堵した清太ですが、『「就職」というでかでかと書かれた』書類を目にして愕然とします。『勘弁してほしい』と思う清太は、それが権藤たまこのものだったことに『夏休みに何かあったのだろうか』と考え、放課後たまこを呼び出します。『美人でもブスでもない平凡な顔だが、よく日に焼けていて、黒目が光り健康的だった』という たまこ。『就職します。高校にはいきません。で、何か?』と言う たまこ。両親の意向を聞いても『話そうにもいないんだもん。パパは引っ越しちゃったみたいだし、ママは家出してるし』と答える たまこ。『中卒で就職ってのは、キミが考えてる以上に…』と話すも聞く耳持たずに帰ってしまった たまこ。『両親が本当に家にいないのか、今から訪ねて行ってみようと思』い、『祖父が同居している』はずの たまこの家を訪ねます。『ええと、今日はたまこさんは?』と聞くと『さあ。アルバイトじゃないですかね』と答える祖父。『なんだと。バイトは停学ものの校則違反』と思う清太に、祖父は『どうぞどうそ。上がってください』と『焼き魚と煮物の鉢、新しいビールを二本』を出しました。両親について訊ねても埒があかない会話の中で、清太は連絡先の記載を偶然に見つけ、こっそりメモします。そして、そんな清太が、たまこと祖父のトモゾウの関係に巻き込まれていく物語が始まりました…というこの中編。たまことトモゾウの衝撃的な関係が描かれていく物語は、なんとも切ない結末で幕を下ろします。『少女小説出身の私はその反動で、一般文芸に転向してから十代の少女を語り手としたものを意識して書かないようにしていた』という山本さんが原点に立ち返って『十代の女の子の一人称』で書いたというこの中編は、表紙のイメージそのままに清新さに溢れる主人公・たまこの絶品の描写を存分に感じられる好編でした。 “家族の形”というものは家族の数だけあり、それぞれの家庭にはそれぞれの事情に応じた”家族の形”というものがあるように思います。この作品で取り上げられる三編では、そのそれぞれにおいて、一般的にはかなり特殊と思われるような”家族の形”が描かれていきます。『私はおじいちゃんの後妻さんの連れ子』という十五歳の主人公・たまこが七十二歳の祖父のことを『タマコの理想の男性』、『じっちゃん本人と結婚したい』と願い『駆け落ち』までしてしまう様が描かれる〈アカペラ〉。『誰かが「いとこ同士も結婚できるんだぞ」と揶揄した。おれはふたつ年下の幼い美緒の手を握りしめた。あれがすべてのはじまりだった』十歳の時、そして『二度と美緒に触れることはないと思っていた』いとこ同士の春一と美緒が二十年の歳月を経て再開する〈ソリチュード〉。そして、『三十九歳無職に加えて、いい歳の独身の姉と弟がふたりきりで寄り添って暮らしているなんてちょっとキモい、なんかあるんじゃないの』と世間から見られながらも、病気の弟をずっと看る姉の姿が描かれる〈ネロリ〉というように、事情を深く知らないとエッ?と思わず言葉が出てしまうようなかなり特殊な”家族の形”が描かれていきます。 そんなこれらの中編が上手いと思ったのは、たまこ、春一、志保子というそれぞれの中編の主人公たちが形作る”不思議な関係”の相手となるもう一人の”家族”に視点が移動しないということ、そして、そんな”家族”から少し離れた存在であるにも関わらず、そんな”家族”に深く関わるもう一人の主人公が登場し視点が移動する点です。”不思議な家族”を第三者的に見つつも深く関わっていくもう一人の主人公。それは、担任教師であったり、結末にまさかの関係性が明かされる立場だったりと物語によってその関係性は異なりますが、第三者的視点が入ることで、”不思議な家族”を冷静に俯瞰することができます。しかし、主人公たちに深く関わっていく彼らであっても『いくら仲が良くても事に至るような感情が湧くものだろうか』とか、『形容のしようのない愛情がふたりのあいだには確かにある』と、その関係性を知って、そこに流れる何かを感じていてもその真意を理解できるまでには至りません。ただ、これは決して特別なことでもありません。世の中に家庭の数だけある”家族の形”の全てに理解を示せる人などいないからです。一方で、当人たちにとっては、第三者が自分たち家族のことをどう考えようが全く関係のないことでもあります。それぞれに、それぞれの事情の中で最善と思われる形で存在するそれぞれの家族。えっ?と私も一瞬声に出してしまった”不思議な家族の形”、そのそれぞれの家族の中に育まれる当事者のみに通じ合うお互いを思い合う優しい感情。”家族の形”というものは外からは見えづらく、その家族の中だけにしか本当のところはわからないものなのかもしれない、そして、それでいいのかもしれない、そう思いました。 『この姉弟が幸福なのかどうか、あたしはいまだに、というかますますわからなくなってきていた』というように、幾ら当事者に近い位置にいる存在であっても、存在になっても、当事者でなければ理解できない感情というものが確かに存在します。それは、この世に数多ある家族それぞれにあるものであり、同時に何を幸福と感じるのかという答えも数多存在します。 あらすじや皆さんのレビューではなく、”ジャケ買い”したこの作品。表紙の たまこの真っ直ぐな目に見つめられるこの作品。温かさと切なさを感じる、そのそれぞれの結末に、家族ってなんだろう、幸福ってなんだろう、と改めて考えることになった、そんな作品でした。
82投稿日: 2021.06.07
powered by ブクログ表題作のアカペラが印象的だった。 驚く展開もありつつ、人間味を感じて良い。 最後は胸の奥がぎゅーっとなった。 他の2作も切なげな空気があるが 悲しいお話というわけでなくなんだか良い。 山本文緒さんははじめてだったが他の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログアカペラ 山本文緒さん。 短編集。 とても良いところで、終わる。 続きが気になる。 もう少し読みたい!!という感じが、 良いのだろうか。 おもしろかった。
1投稿日: 2020.10.19
powered by ブクログやっぱり山本さんの本が大好きです。 1個目2個目が特に好き。 1個目読んだ時点で、☆5つ確定でした。 たまこ・おじいちゃん・お母さん・先生・店長みんながちゃんと書かれてていいな。 切ないけど。 満足。 ちょっと変わった設定の、ラブストーリーといえばラブストーリーだけどそんなにラブラブしてない短編が3つ。もっと人生について書いてるかんじ。 好き嫌いあるかもしれないけど、私は好き。
2投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ中編が3つ。どれもすこぅし悲哀があって、でもじんわり心があたたまるようなストーリーだった。ほうじ茶、ホットワイン、そしてココアって感じ。
0投稿日: 2020.01.13
powered by ブクログ山本文緒はふるえるくらいおもしろいわけじゃないんだけど毎回ちゃんと中くらいにおもしろいから安心してよめるよね。でもふるえたい
1投稿日: 2018.07.17
powered by ブクログ最後はこうなるかな?という予想を3編とも心地よく裏切られた。ハッピーエンドではないのに心がふんわり、あったかくなる。 ただ、『アカペラ』のお祖父ちゃん大好きタマコがちょっと気持ち悪かった。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ短編集であるけれど、3つとも読み応えのある内容。訳あり家族のお話。お涙ちょうだいとはいかないまでも変わった環境に身をおいてる登場人物たちが織りなす日常がとても新鮮だったように思う。 シュールなラストも斬新で面白かった。
1投稿日: 2015.07.02
powered by ブクログ中高生のころから好きな山本さん。 「アカペラ」タマコとおじいちゃんが・・(+o+) 「ソリチュード」 「ネロリ」--自分が、姉の立場だったら・・うぅぅ考えたくない。最後の展開にうへぇぇぇ~えぇぇぇ?!ってなった。
1投稿日: 2015.05.25
powered by ブクログ少女たちの環境もいろいろなんだけど、ちょっと内容が不安定な気がした。 アカペラは少し読みづらかった。
1投稿日: 2014.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっと不思議な家族のカタチってやつでしょうかね~? 私個人は真ん中のお話のソリチュードが好きでした。こんなお兄さんというか、おじさんというかほしかったな~なんて思うし笑でも、いとこ同士でってとこは確かに悩ましいね~苦笑 それでも読み終わった感想は嫌じゃないけど、気になる箇所があるって感じでしょうかね~。
1投稿日: 2014.09.28
powered by ブクログ「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」 三篇とも、読んだあと優しい気持ちになれる。 世の中正論ばかりでは切り捨てられないことがたくさんある。 この本を読むと、もっと人を優しい目で見てあげたいなと思えるようになった。
10投稿日: 2014.04.05
powered by ブクログ短編3つ、それぞれ喪失の話のようだが後味は悪くない。 というのも、そうはならないことを皆気づいているからだ。 もはやオペラなんかないんだと著者はそう思っているのだろうか。
1投稿日: 2014.03.16
powered by ブクログよかった。一気読み。 アカペラは事に及んだ、というところ以外はよかった。先生の感じ、タマコのたくましい感じ。 一番好きなのはソリチュードかな。 武藤の金持ちぶりも小気味いいし、東京で一緒に住んでる女の人のきっぷのよさもいい。 主人公、相当イケメンなんだろうなぁ ネロリは、幸せになってね、姉妹もココアちゃんも、と思った。 あとがき、三編とも昭和を感じる一軒家が舞台になってるって気づかなかった…、我が家もそうだからますます気に入った。山本文緒、カムバック、 ブラボー。
3投稿日: 2014.03.02
powered by ブクログしみじみと。 幸せな結末や胸のすく思い、言ってみればカタルシス。それが欲しい人は読まなくてよい。 それでも明日はくるし、また生活はあるし。ぶきっちょでも歩く、そんなことが了解できる人になら。
1投稿日: 2014.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みっつめのネロリが良かった。 それぞれ欠点がありながらも必死に生きる登場人物が素敵。 雰囲気から悲しい展開予想したけれど意外にもすっきりとした結末で、後味が良かった。
1投稿日: 2014.01.31
powered by ブクログ「だからじっちゃんの手がタマコのセーターの中に入ってきても大丈夫でした。」 だれしもが思春期の不安定な時期には何かに依存してしまう。現実世界で生きていくための厳しさ、そして乗り越え、強くなる必要があることを、この物語から読み取ることができる。
1投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ3つのショートストーリー。 自分のおじいさんが大好きなタマコ。孫と祖父というより、本人は恋人もしくは夫婦になりたいと思っている。そんな大事なおじいさんが老人ホームに入れられそうになり、タマコはおじいさんとの駆け落ちを決意する。 私的には表題になっているこの「アカペラ」が一番好きでした。 突拍子もない話ですが、もしかしたらこんな人もいるかも・・・とか思ってしまいました。
1投稿日: 2013.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中編三部…。そろより作者病後の作品!と言った方がいいのか…。 まずアカペラを読みました。二作目も読んだけど、題名が覚えられない… 。アカペラのタマちゃん、ひたむきだねえ。先生と生徒の対話は他作品でもあったけど、先生側の目線もあり…。ちょっと気弱で、小賢しいイマドキくんの草食系はわりと山本作品の定番かな。アカペラのタマちゃん、じいさんをくっつける辺りに設定の無理さを感じるけど、わりと強引な設定も山本作品の特長かなあ…と。ラストはボケ気味のじいちゃんが覚醒したことで、記憶が正常に戻ったのか、それともボケたなりに小康状態だったのが、昔の記憶と引き換えに孫との蜜月時期の記憶がスッパリなくなってしまい、さらに忘却が激しくなったのか…。どちらかなあ…と。また次作品も楽しみにしてます。
1投稿日: 2013.07.20
powered by ブクログ中篇3作。幸も不幸も激しさは伴わずふわふわと訪れて過ぎていく。もやもやっとした読了感だけど、嫌じゃない。
1投稿日: 2013.05.13
powered by ブクログ何年ぶりかの山本文緒。 エッセイやらは読まない質なので 再婚と病気についての本は読んでないけど こうしてまた小説が読めるようになったのは すごく嬉しい。
1投稿日: 2013.03.17
powered by ブクログ文体がだめなのか、主人公が中学生と若すぎて入り込めなかったのか、たぶんその両方だと思うけど、受け付けなかった。 ほかの著書には好きなものがあったから期待してただけに残念。
0投稿日: 2013.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事前のイメージに比べたら、まだマシだったかなぁと思う。 けど、表題作のタイトルの意味がよくわからないのは私だけなんだろうか? アカペラなんて、ちょいボケじいちゃんのために奮闘する孫の話で歌ってるシーンなんてまったくないし、なんてこのタイトルなのかしら? 親も頼れずじいちゃんのために中卒で働く(運よく才能はある)ことを決意する孫の孤軍奮闘ぶりを表してるのか? レビューでは近親相姦云々とか言ってるが、直接的な描写がないのでそんなんでもないかな? レビュー見るまで意識もしなかった。 「普通」とはちょっと違う、家族愛(恋愛感情含む)の話。
1投稿日: 2013.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『再婚生活』を読んで彼女の体調を心配していたので、久しぶりに山本文緒作品が読めてうれしい。 3つのエピソードはどれも読後感がよろしくない。(ハッピーエンドとはいえない、という意味で。)一番印象に残ったのは表題作「アカペラ」。「タマちゃん、マジっすか!?」と展開にひたすら驚いた。 二人称のつぶやきで進んでゆくのだけれど、タマコの口調が若者言葉にしてはユニークで聞いていて落ち着かない感じがしたのだが、あとがき曰く「デビュー時の少女作品を意識した」とのことに納得。いわれてみれば『野菜スープに愛をこめて』などの口調に似ている気がする。 タイトルを見たときは音楽に関するストーリーかと思っていたのだが、あまりそうでもないらしい。共通するキーワードは…「近親間の愛憎・愛情」といったところなのだろうか。 書いていて気付いた。『アカペラ』はきっと二人の鼻歌のことなのだな。素敵なタイトルだ。
1投稿日: 2013.02.25
powered by ブクログ短編というより、中編3作 なんというか、人生にないするままならなさを感じた。 生きていく中で、こういうままならなさというのは、時々大きく行く手を塞ぐこともある。うまく折り合いをつけながら、乗り越えたり、やり過ごすしかないのだろう。 その中で得られるものもたくさんあるのだろうから。
2投稿日: 2013.02.07
powered by ブクログ引き込まれて一気に読んだ。出てくる人達が好きになった。みんな複雑で歪んでるのに、ひねくれてなくて優しい。終わりがほろ苦くてあったかくて泣きそうになった。1話目がいちばん好き。もう少し彼らの様子を長編で読みたいくらい。
2投稿日: 2012.11.09
powered by ブクログ山本文緒さん復帰後の中編3編。 少女小説をややミステリアスにアレンジした「アカペラ」、スナフキンのような男性を主人公にした「ソリチュード」、病気がちの弟とふたりひっそりと過ごす女性を描く「ネロリ」。 「ネロリ」の心もとない空気、頼りなく流されているようで実は強固な意志をもつ主人公と、彼女を取りまくひとびとの思いが交錯していくところ、読み手も、そしておそらく主人公本人も気づかないうちにひっそりと起きた変化。弱いとも強いともいえるような登場人物たちが魅力的で、ぼんやりと薄明るい陽射しの中で、彼らが淡々と幸せに暮らしていってくれたら、とつい願ってしまうような作品。
1投稿日: 2012.10.17
powered by ブクログ本屋でオススメコーナーに置いてたから、読んでみましたが、あまり好きじゃない、最後の一篇は読み終えません。
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログ新潮文庫夏の100冊。 いつもと違う文体で。 話もいつも程は軽くなくて。 読み応えあります。
1投稿日: 2012.09.17
powered by ブクログ「アカペラ」、「ソリチュード」、「ネロリ」と3つの短編からなる小説。 ネロリって何、と調べてみたらミカンの精油らしいね。 「ソリチュード」は男性が主人公なんだけど、やはりどこか女性の作家によって描かれた匂いのする男性像で、あまり気にはならないが、少しウェットな感じがある。
1投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログタマコの話し口調や内容に入り込めず、アカペラだけ読んで脱落(^^;残り2編は読んでません。 山本文緒さんの作品は長編やエッセイのほうが好き。
0投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログ山本文緒復帰後発の中編小説集。「アカペラ」15歳の女子中学生たまこが巻き起こす事件を描いたジェットコースター的ホームドラマ。たまこだけでなく、登場人物全てのキャラが立っている。たまこと祖父、たまこと先生の間になされる会話のくすぐりが効いている。「ドチキン」は初めて聞いた。ラストは残酷ともハッピーエンドとも言える微妙な終わり方。改めて山本文緒の小説のすごさを知った。「ソリチュード」あまり成功しているとは言えない38歳の男の里帰りを描く。作者の意図だろうが、男の人物設定があいまいで、小説そのものもあいまいな感じ。しかし、それも作者の意図するところと思う。ただし、日常のエピソードは面白く、きらいな味の作品ではない。「ネロリ」中年姉弟の絆と専門学校の女子学生の交流を描く。少々ひねり過ぎのような気がするが、小説としての雰囲気が心地よく、一気に読ませる。個人的には表題作が一番の傑作と思った。「祭の準備」のタマミを思い出した。作者は特に意識していないと思うけど。
1投稿日: 2012.08.26
powered by ブクログ表題のアカペラは勿論、 引き込まれる話ばかりで、特にまあこさんのくだりには息をのんだ。 山本文緒さんやっぱりすきだ。
1投稿日: 2012.07.19
powered by ブクログ海外旅行へ行く途中、本を持ってこなかったことに気付き、駅で買った。著者のことは知らなかったが、タイトルと本の厚みだけを見て手に取った。 中身は3編の中編小説から成り、あとがきによれば著者初めての中編小説とのこと。 どれもいびつな家族とそこに流れるいびつな家族愛を描いたもの。切り替わる登場人物の視点で語られる書き方、若者言葉をふんだんに使い、すっと読める文体に、最初のうちは引き込まれ、面白く読めたが、3編目には飽きてしまった。 視点が切り替わり、話が進むごとに点が線になっていくような書き方は、ミステリーのような要素も含んでいて、上手い。 しかし、状況の設定も書き方もテクニカル過ぎて、最後は興ざめした。
0投稿日: 2012.07.18
powered by ブクログ久しぶりに山本文緒作品を読みました。お休みされていたのですね。こんな文体だったっけと思いながら、軽い調子で読めました。これが少女小説ってやつなのか。 内容は好みが分かれそうですね。3作品とも近親相姦ちっくですから。まぁこういうのは共感できないから楽しいとも思う。個人的には「ソリチュード」が一番好きかな。 『今のおまえって、スナフキンごっこしてるみたいだぜ。…ムーミン谷のスナフキンだよ。おれはいつでも旅に出ますよって顔で、でもずっとムーミン谷のはしっこでギター弾いてるニートな男だよ。』 私もスナフキンになりたかったな。でも自分からレールを外れるのは恐くてできないのだ。
1投稿日: 2012.07.16
powered by ブクログアカペラがやっぱ印象強い。 最後の突き放される感に 早朝4時に一人で泣きそうになった← タマコの強さというか独特な魅力が なんかいいなぁ…。
1投稿日: 2012.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3編の中編小説。 1作目の「アカペラ」と3作目の「ネロリ」は段落ごとに語り手が変わるので、飽きずに読み進められました。 3作とも近親相姦を匂わすような内容あり。 「アカペラ」は少しですが性的な描写があるのでちょっと苦手。 「ネロリ」が一番好き。 全作ともバッドエンドまではいかないけれどハッピーエンドでもない。 でも読み終わったあとにじんわり余韻が残る作品でした。 2012/07/06-07
0投稿日: 2012.07.08
powered by ブクログ3作の中編で構成されていますが、どれもある意味近親恋愛がテーマとなっており、理解できなくは無いが共感はできない微妙な内容。 文体の読みやすさや語り口の軽妙さと、内容の重さがアンマッチであり、読後のもやもやとしたいやな感じを増長しているように感じました。
1投稿日: 2012.07.05
powered by ブクログ表題作はちょっと個人的には苦手。 おじいちゃんと孫が駆け落ち!? ネロリも真綿で首を締められるような圧迫感があったけど、最後の展開には唖然。 ダメンズではあるけど、ソリチュードの春一は応援したいな。無駄にルックスが良くて、でも優柔不断で決断力がない。そんな春一だから周りの女性は強くならざるを得ないのでしょう。
1投稿日: 2012.06.27
powered by ブクログ3編の中編集。それぞれ、語り口が違うので、あっさりとその世界に入り込めた。 自分の大切なひとを、手放したり、必死でつなぎとめたり。家族の愛情って不思議だ。 3編とも、すこしじめっとしていて、決して華やかなラブストーリーではないのだけれど、じわりと心があったまるお話しでした。
1投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログちょっと気持ち悪い。でも読み終わった後に嫌な感じはしなかった なんとなくタマコの気持ちもわかるような気もするし、 ソリチュードも ネロリも 共感できないけど、でもわかるような感じがした。
1投稿日: 2012.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アカペラ。レビューで言われてるほどの近親相観ではないかなぁ。最後にあっと驚くような作風は他作品同様好きですが、タマコの語り口調で書かれている行は少々読みづらく。先生と姥山社長には好感が持てました。人として、人を好きになるのはステキなことだなとも思えるストーリーで。エンディングは納得感がありました。
1投稿日: 2012.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
気持ち悪い話だなあ、と思った。 おじいちゃんとのセックスとか、彼への恋愛感情とか、彼の病気を疑わせる生活描写とか、彼女の生活感だとかが。 山本文緒の本が好きなのは、気持ち悪いひとが描かれている本はたくさんあると思うのだけど(男性にとって、「恋愛中毒」なんて気持ち悪い(怖い)にも程があるでしょう、おそらく)、それでも、それをすごく身近に、リアルに感じさせ、いやな気分にさせないから、人って悪いものじゃないなと思える。
1投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログ「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の中編三編が入っています。 3編とも静かに生きている人の物語。 少し風変わりな人間関係、中でも家族との関係に重点をおいて描いています。 ・祖父と高校生の孫の少女。 ・家を飛び出してから20年ぶりに実家に帰った男と母、元恋人。 ・親密な姉弟、そしてその彼女。 ちょっと普通ではない家族... でもその関係は決して病んでいるのでは無く、いつくしみ合って静かにまっすぐに生きている。 どの作品も、人物の気持ちをとても丁寧に描かれていると思います。 共通して感じるのは「家族の温かさ」という感じでしょうか... しかしその中に、背筋がゾッとするような、冷酷な表現が織り交ぜられたりもしています。 帯に小泉今日子さんの紹介文で「明日に期待しすぎないように生きている大人たちにこそ読んでほしい」とあるのに納得です☆
1投稿日: 2012.03.25
powered by ブクログほのぼのした話かと思っていたら、途中かなり衝撃的な展開が! でも、このほんわか空気が、保たれる文緒さんの作品てすごい! 私は二番目の話が好きだな~ スナフキンって例えに自分もドキッとしてしまった。
1投稿日: 2012.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2012/2/28 中編3作。 途中までタマコに共感してたのでどひゃーとなった。 それはついてけん。 後の2作はどちらも割と爽やかな読後感。 特にソリチュードが好きかな。 一歩前進した感じが。 やっぱ前進してもらわんと。
1投稿日: 2012.02.28
powered by ブクログ文緒さ~ん、ご病気されていたなんてさっぱり存じませんでした。 復活、うれしいです。 そして、初めての中編集らしかったこの一冊、かわいい人たちが登場していました。
1投稿日: 2012.02.21
powered by ブクログ久しぶりの山本文緒さんの新刊。 相変わらず、ちくりと痛みを感じさせられるのは、さすがだなぁと思う。 面白かったけれど、近親相姦ものは苦手というか、嫌悪感。 人生がきらきらしないように、明日に期待しないように生きている彼らに、というところが山本さんらしく好きなところ。
1投稿日: 2012.02.18
powered by ブクログ「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の3作 アカペラは途中まで好きでした。ただそうならなくても。。。と言う部分に納得いかず。。。 ソリチュードは、もて男のお話。 ネロリは姉弟の話。 さらさら読めるんだけど微妙な雰囲気が残る。 スッキリ爽快!な本ではない。 私は、嫌いではないです。好きかと聞かれるとまた困るけど。。(笑)「
1投稿日: 2012.02.05
powered by ブクログこの作品にはいい空気が流れている。 どれも好きだが、美緒さん、一花さん、まり江さん、朱夏さん、そして主人公ハルイチがつくりだす 『ソリチュード』 が一番好きだ。 武藤もいい。
1投稿日: 2012.01.28
powered by ブクログ胸熱!胸熱!!なに?この、なんともいえない読後感。最近の山本文緒はエッセイしか読んでいなかったが、まだまだぜんぜん書けるじゃんっ!!てのが強烈に思えて、まだ表題作しか読んでないけどレビュかいちゃった。
1投稿日: 2012.01.24
powered by ブクログ借り物。 今まで読んできたような男女のドロドロとした愛憎劇ではなく、ちょっと変わった家族のこれまたドロっとした愛情が描かれていた。 『アカペラ』はタマコとおじいちゃんがまる子と友蔵のような関係とあり、一緒に歌うシーンもあってのほほんといくのかと思いきや、衝撃すぎる事実に「こんなのあり?」って思ってしまった。 こういう風に思うのは山本文緒さんの小説は毎度のことなのだけれども、いつもとは毛色が違う分、少し受け入れ難かった。 『ソリチュード』も『ネロリ』もまた違ったドロっと家族愛が描かれているのだが、そういうのが気になる方におすすめしたい。
1投稿日: 2012.01.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3部作 アカペラは中学生が主人公でちょっと変わった感じなので、読み進むのに時間がかかったけど、最後まで読んでよかった。途中めちゃくちゃ衝撃があるけど、最後はなんだかせつない。 ソリチュードはほっこりする感じ。ネロリもオチがあって感嘆。 山本文緒は昔から好きだったけど、この本も山本文緒の世界観があって好きな本。
1投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ帯買いってやつね。 「明日に期待しすぎないように生きてる大人たちに読んでほしい」って小泉今日子氏がさ。いや、それで言うと私は期待してるけどね? 「アカペラ」はあったかい気持ちにはなるんだけど、ちと途中の下りが私には受け入れ不可でした、あったかさがギリ勝ったかな。でもムリだろ、あれは。孫と祖父の物語なんだけどね。 「ソリチュード」もね、うーん、すいすい読み進められるけど、ストーリー的にはいまいちかなぁ。ただまり江はイイ女だよね、そんな女になりたいよ、とか思うから私は男気あふれてるのかも。 「ネロリ」はなんだろな、ラストにびっくりするけど、弟への愛も素晴らしいとは思うけど、色々納得はいかないよね。
1投稿日: 2011.12.04
powered by ブクログまず一話目のアカペラから、最初からぐんぐんと引き込まれて、面白い!と思ったんだけど。でも。 途中の展開がやっぱり生理的に駄目。 この部分、絶対なくてもいいと思うんだけどなあ。 ソリチュードは好きな感じ。 ネロリは、これまたオチがなあ。 ココアちゃんのオチはいらないと思うんだけど… というわけで、面白いと思いつつ何だか残念な気持ちになる一冊でした。
1投稿日: 2011.11.23
powered by ブクログ山本文緒さんの本を読むとき、今回はどこに爆弾が潜んでいるだろう、と構えて読む癖がついているかも。 それはそれで楽しくて、この短編集は「ここで来たか!」と思うこともあれば、爆弾と見せかけたフェイクだったり、読んでいてわくわくした。 歯に衣着せぬ言い回しも相変わらずで、複雑な関係を描いていても、文章はどこかさっぱりしているように感じる。 こういうラストだとは想像できなかった「ネロリ」がいちばん好き。
2投稿日: 2011.11.20
powered by ブクログ何となく手に取った、という感じの一冊。 山本文緒さんはプラナリアが推されまくってた時に、 なんだか逆に気が引けて読んでこなかったのですが、 そういうことを忘れて手に取りました。 多分、音楽関係のタイトルだったからでしょうね。 (同じような感じで桐野夏生さんも手に取ってないです) で、感想ですが、中編3つという構成でして、 それぞれ結構読み応えがありました。 いずれも近親じみた関係の恋愛が核になってます。 しかしその背徳感よりもあったかさの方が勝っていて、 だから読後感は清涼な感じでしたね。 一作目のアカペラのラストは結構好きです。 三作目は何というか結局これもだったか!という感じで、 少し食傷気味でしたが、まぁテーマを持って作ると こういう風になるんでしょうね。 自分自身、小さい頃従姉の由美子さんという人に、 憧れてた時期もあったので、何というかわからんでもない、 というところがあります。 あ、小学校の頃ですけどね。 当然分別ついてからはありえない、と理解しました。 (法律上はOKですけど) まぁ近親の恋愛ネタにアレルギーがある方には薦められないですが、 なかなかの良作でした。
1投稿日: 2011.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作のアカペラが一番苦手だった。 祖父と孫が恋人みたいになれるもんだろうか。偏見持ちすぎなのかもしれないが、生理的に受け付けない。 切ないんだけど、入り込みきれず。 それ以外の作品は、切なくて、大好きだったのだけれども・・・
1投稿日: 2011.11.15
powered by ブクログ「先公仮面を脱いで来い」・・・ワクワクしてきた。いよいよここからだ。 http://booklook.jp エンディング。あー、そうか、なるほどね!!「アカペラ」か、おもしろかった。 http://booklook.jp
0投稿日: 2011.11.08
powered by ブクログ3つの中編小説。1話目は女子中学生が主人公。2話目は中年男性が主人公。3話目は40代後半の女性とその弟、その彼女。 久しぶりの山本文緒作品だったので、1話目の語り口にはビックリ。こんな作品を書く人だっけ?と。 個人的には2話目が好み。山本文緒はモテモテのダメ男が好みらしく、この40男もいろいろとだらしない。けど、そのダメ男の周りの女の子がすごくいい子なんだよな。うらやましい限りである。
2投稿日: 2011.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「アカペラ」が、よかった。 もー、タマコがまちがっているにきまっているけど、だーだーなきたくなっちゃうよね。もー、あんなんで終わるんじゃ、しんじゃうよりずっと!たち悪いわ。 山本文緒、恐るべし。 カニータに、かなり共感。いかすけないばかなやつですが、気になります。彼の物語も読みたい。 わたしはオバチャンなのですが、もっと若い時分に読んでいたら、感想はちがったものになると思います。もー、大人っていやぁね。
1投稿日: 2011.10.07
powered by ブクログ短編が3作。「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」ちょっと変わった親子だったり、孫と祖父だったり、姉弟だったり、そんなつながりや愛情を、爽やかに描くのではなく澱んだ愛情で描いている、そんな空気感の小説です。3作の中では「ソリチュード」が、自分の中ではいちばん好きな山本作品の空気があるような気がしました。できる人間でなく、なんだかダメじゃん!て言う人間の、葛藤とか生活の中に、実は心の温かさとかが、チラチラっと垣間見れることで、ちょっと安心できるような、そんな空気感。あとの2作はあまり心に響かなかったかな。
1投稿日: 2011.10.04
powered by ブクログネロリが、一番好きかも。 何がある訳ではないけれど、 なんとなく嬉しいこととか、悲しいこととか、 人とはほんの少しだけ違うこととか。 そういう積み重ねが、生きるってことであって、幸せってことなのかもとか思ったりする。
1投稿日: 2011.10.01
powered by ブクログ大好きな山本文緒さん。予想したよりブラック。。でも、必要以上に重くない空気感はさすが! ソリチュードがいちばんすきです。
1投稿日: 2011.09.28
powered by ブクログ昔の「本の雑誌」をめくっていたら、2008年のベスト10の中にこの本のことが載っていて、そう言えば、この前、文庫になってたよなぁと思い出して、買って来た。 作者が最初の話を書いた後、病気休筆して再び書いたというこの本、6年弱のブランクを挟んでいる訳だけど、殆どそれを感じさせないのは、流石というべきなのかしらん。 「アカペラ」は身勝手な両親を尻目にじっちゃんと暮らす女の子の話、「ソリチュード」は父の死をきっかけ家出した実家に20年振りに帰った男が主人公、「ネロリ」は病弱な39歳の弟と静かに暮らす50歳の女性が登場する。 う~ん、どれも上手く書けたお話と思うのだけど、登場人物のグダグダと内に篭った心根が響いてこなくて、あまり好きなテイストでは無かったです。 「ネロリ」のココアちゃんの締めは、無いと収まんなんだろうけど、巧過ぎて余計な感じ。
3投稿日: 2011.09.24
powered by ブクログ他人ならまぁそういう人もいるかと思えることも家族だからこそ嫌いだったり腹が立ったりすることがある気がする。とりあえずわたしは365日魚を出さなきゃいけない男とは絶対結婚しない!!と母を見て思ってきた。ソリチュードを読んでふふっと笑ってしまった。
1投稿日: 2011.09.23
powered by ブクログネタバレあり。 中編小説3作収録。 アカペラ。 先が気になってどんどん読んだ。 面白かった。 タマコにすごく共感できた。 横山に振られたんだけど、そのことはもう何でもないように振舞ってて、 振舞ってるうちにほんとにどうでもよくなってくる感じとか。 不幸な家庭扱いされてもそんなことは大した問題じゃなくて、自分は幸せだと本気で思ってるところとか。 悩んでたって辛く感じる時間が増えるだけで、メリットは一つもない。 やたらと悩んでる人をみると、この人は悩むのが好きで悩んでるんだなーと思う。 そうは言っても悩むときは悩むけど。 しかし! タマコとトモゾウが事に及んでしまったのはいただけない 笑 びっくりしちゃったよ。 ラストは悲しく感じた。 タマコがもっと成長した後のことを考えれば、いい終わり方なのか。 ソリチュード。 イケメン中年が20年ぶりに東京から地元の千葉に戻ってブラブラする話。 主人公がイケメンでなければ全く許されないであろうストーリーで、 イケメンは偉大だと感じた。 面白かったけど。 ネロリ。 50間際の社長秘書の姉と、今まで働いたことのない病弱な39歳の弟が、仲良く二人暮ししている話。 設定が珍しいと思った。 須賀は田辺聖子の小説に出てくる男の標準語バージョンのようでもあるが、 しかし聖子さんの男はもっと押しが強いような気もする。 この話はオチが気に入らない。 実はココアちゃんは親戚でしたーってのはないほうがいいと思ったけど。 作者あとがきによると、この3編は全て、狭くて古くて安普請の一戸建てが舞台となっているそうだ。 確かに。 でも、ちょっとした近親相姦も共通している。 孫とじいさん(血はつながってない) いとこ(結婚出来るけど) ココアちゃんと日出夫(母違いの姪)
1投稿日: 2011.09.20
powered by ブクログ「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の3話。 ちょっと変わった人間関係のなかの ちょっと変わった恋愛模様。 アカペラが一番すきかな^^ でも山本文緒は長編の恋愛小説のがおもしろいな!
1投稿日: 2011.09.15
powered by ブクログ短編集 じっちゃんと初エッチしちゃう女子中学生。父親が他界し、久しぶりに帰郷する男など、どうしようもないけど現実にいそうな人と事柄。 毎日何となく過ごす庶民を、文章におこしてる。そんな本
0投稿日: 2011.09.12
