
総合評価
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powered by ブクログ上巻に続き、育った主人公の活躍と育てたメンバーの立ち回りが、スピード感をもって描かれていて、疾走読了。一揆の起こる仕組み、足軽の発祥過程もよくわかった。
0投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログ制度や秩序が不安定な時代だから、人間同士の「野生のカリスマ性」が光る時代とも言えそうだ。そこでは単に〝強くある事“が重要だし〝義侠心“も求められる。つまり、だからこそ「無頼」が主役になる時代だったということか。さて、下巻。 垣根涼介の戦闘シーン、義侠心を見せるストーリーテラーは才能だ。エンタメ小説として見事にその要素を高いレベルで提供する。だから、登場人物が一々爽やかで、一々カッコよく、何だか可愛らしい。 で、これも垣根涼介ではお決まりというかエンタメとしての読者サービスの濡れ場だが、本作でも当然のように挿話されている。行為を究極の技巧として描く感じはいつもながら違和感だらけ。まるで剣技を鍛えるよう。いや、悪い意味ではなく、それも面白がって読んでいるが。 久々のエンタメ小説だったので、メモを取る必要もなく、無邪気に楽しんだ。
90投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ面白く読めた。室町時代というあまり知らない時代ながらも戦国時代でも江戸時代でもない戦国時代前夜みたいな感じかな。 飢饉なんか誰のせいにも出来ない中で支配的な仕組みは残っててそれの限界期。 立ち上がる無頼のお話。 ヤクザじゃなくて無頼。 いつの時代もこういう人がいたのかもなと思わせる作品だった。
1投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ上巻を愉しく読了し、少し間隔が開いたのだが―他の小説に嵌っていた…―下巻も愉しく読了した。 1月下旬に映画を愉しく観た経過が在った。そういうことで原案になった小説を読んでみようと思い付き、上巻と合せてこの下巻を入手して読んだという訳だ。 少年から大人へという年代の若者である才蔵、才蔵と出会う骨皮道賢や蓮田兵衛、道賢や兵衛と関わる女性の芳王子が主要な人物達であると思う。彼らが視点人物になっているが、他に才蔵と縁が在り、「土倉」と呼ばれた貸金業を営む僧兵の法妙坊暁信が視点人物になっている部分も在る。順次視点人物が切替りながら綴られ、作中の出来事が力強く動くという感じだ。 作中で取上げられているのは、室町時代の半ばを過ぎ、室町幕府の体制下で社会が変化したことを受けて起こるようになった「土一揆」である。その「土一揆」も、食料や金銭を巡っての暴動的な感じであったのだが、「武家の出であるらしい指導者」として名前が残ったという蓮田兵衛は、或る種の暴力革命のような発想で「土一揆」の先頭に立ったのかもしれない。そういう感じで少し引き込まれる物語だった。 京都に立地した幕府は、京都に出て来ている方々の大名が様々な役目を担う機構という感じになり、モノの流れのネットワークが拡がる中で銭を使うことが普及し、銭の動きのネットワークも拡がりつつあったのが室町時代だ。そして銭を集めて豊かになる人達の他方、何かの契機で社会的地位を損なう人達も発生し、天候不順による農作物の不作や疫病というような要素も相俟って、困窮する人達が目立ち、酷い格差社会になっていたという時代である。為政者はそうした状況を如何にかしない、出来ない、する気もないという様子だった。そこで社会を如何にかしようとしていたというのが、作中の蓮田兵衛ということになるのかもしれない。 「人生と共に在る社会」ということ、逆に「社会の状況故の人生」というようことで主要な人物達の様子が描かれた上巻に対し、下巻は棒術を究めるべく師匠の下で修行する才蔵の事や、一揆の企てを進める蓮田兵衛の陣営、そしてその蓮田兵衛と個人的に通じていながらも幕府の治安維持の仕事を請け負う骨皮道賢の動き、そして「一揆」とダイナミックな感じになって行く。 「一揆」に関して、本作では次々と視点人物を切替えた節を積み重ねて、巧みに攻める一揆側と、苦戦を強いられる鎮圧を目指す側との戦闘が活写される。やがて一揆側の勢力も鎮圧され、最後の抵抗と首謀者たる蓮田兵衛達の逃走の顛末に入って行く。また戦いの様子等に関連し、高い場所から眺めてみるというような描写も適宜用いられ、何か「作中の時代の京都」という雰囲気が生き生きと伝わる。それらにより、少し夢中になった。頁を繰る手が停められない感じになって行ったのだ。 「無頼」というと、何か「悪漢」というようなことを思い浮かべないでもない。が、本作では「受け継がれた地位や財産等が在るのでもない」という者が、格差社会を何とか潜り抜ける、更に才覚でネットワークを築くようなことをして想いを遂げて行こうとする様子を「無頼」と呼び、それが現れ始めた時代を「室町時代」としているような気がする。「頼るべき何かが無い」という文字どおりの「無頼」な訳だ。そして蓮田兵衛や骨皮道賢は「無頼」を代表する者達として作品の主要人物に据えられているような感だ。 「室町時代」ということになると、時代モノの小説や映像作品は然程多くなく、何となく地味かもしれない。が、モノの流れや金銭の流れが発展してネットワークが拡がる中で“格差社会”が拡がり続けているような感というのが、何となく2010年代以降の様子に通じるような気もする。そうした意味で「室町時代」は少し注目すべきなのかもしれない。 映画か契機で出会った小説だ。読了して、映画制作の話しが持ち上がるというのに大いに納得する感じではあった。若い才蔵の成長と、才蔵が見上げる蓮田兵衛や骨皮道賢の不敵な生き様という様子が、京都の街で展開されるダイナミックな戦闘と絡まるという感じであるからそう思った。広く御薦めしたい作品だ。
8投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ垣根涼介らしい、漢の描写。 たぶんにもれず「光秀の定理」から、時代小説に入ったが、この人が書くそれはいつも面白い。 時代はどこに行っても、外道、バードボイルド、その中の美学や信念が心地いい。
1投稿日: 2025.04.01
powered by ブクログ『室町無頼』、やはり面白い。 未曾有の飢饉の中、その後、頻発する土一揆の火付け役となる蓮田兵衛の損得抜きの命懸けの大規模な蜂起(寛正の土一揆)が、呼び水となり、時代を変えていく。人心荒廃した動乱期にも、我が道を悠々とゆく蓮田や骨皮、才蔵らの生き方はまさしく無頼。
1投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログ再読。 映画を観て、「こんなんだっけ?」と思い、再読。 映画も面白いが、小説ももちろん面白い。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ垣根涼介さんの歴史小説、時代小説を初めて読ませて頂きました。 ありがとうございます。 楽しませてもらいました。
3投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ一気読みでした 終わってしまいました… 才蔵が命懸けの鍛錬を終え、 来るべき日に向けて準備を進める。 才蔵、兵衛、道賢、芳王子、暁信 それぞれが、それぞれに苦しんで、戦っている。 この世は苦界。 どの道を進んでも苦しくて、 でも進まずにはいられない。 後半は続きが気になって、 戦に圧倒されて、 展開のスピード感にのまれ、 とても楽しんで読んでいるはずなのに、 同時に胸が苦しくなりました。 人が作るものはいつか寂れ、壊れ、朽ちていく。 それは作り手の人も同様に。 でも繋がっていくものもある。 過去を生き、今を生きる。 読書は楽しいだけでないけど、 自分にとって本作を読む時間は、 とても大切な読書時間で読書経験でした。
9投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
相国寺大塔が作中の重要な拠点、平安時代から京都には巨大なモニュメントが聳え立つ(古代から巨大建造物が大好きな国、トップ3の「雲太」「和二」「京三」の京=大極殿が相国寺大塔(110メートル)にとって代わられた) 正直、一揆の後の才蔵後日譚がくどかったのだが、あとがきで、逆に作者が拘り書き足した部分だとしる 主人公や周囲の生きざまが爽快だったが、作者の時代をすべて語りつくしたいという欲望を感じる・・・作家のサガ
0投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログ室町時代、応仁の乱直前期くらいの京都を題材にしたピカレスク。主人公の才蔵が棒術使いとして厳しい修行の末に開花するまでの上巻が特に、修行好きとして超テンション上がった。下巻も一揆衆に参加しバトるのだがどちらかというと才蔵よりも、蓮田と道賢の一揆をめぐる攻防の方がメインとなり才蔵の強さも輝くけどメイントピックではなくなるため★一つ下げたが、しかし最後までとても面白かった。筆者の『ワイルドソウル』はいまだに忘れられない名作で、はまって一時期他の本もまとめて読んだのだが、超久しぶりに手に取ってみたらいまだに一級のエンターテインメントを書いてくれていて嬉しい限りでそれも良かった。
0投稿日: 2025.01.27
powered by ブクログ室町時代が舞台の小説は、源平合戦、戦国時代、幕末・明治、戦中・戦後の時代に比べ少ない印象を受けるので読みました。 徳政一揆が題材の小説で巻末に描かれた歴史背景の解説的な描写は、良かったです。兵衛、道賢は史実にも記載がある人物みたいですが知らなかったので興味深く読めました。無頼達の生き様を通じ生きるということを改めて考えさせられました。 室町時代が舞台の小説をもっと読みたい。
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ昔見た戦国時代劇を思い出す。戦争もののドラマもこんな感じかな。 室町時代、応仁の乱の本を探してみよう。
0投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログついに下巻。 才蔵は過酷な鍛錬を積み圧倒的な強さを手にした兵法者となる。 後半は幕府軍と一揆軍との合戦の応酬がものの見事に描かれている。 兵衛、道賢、才蔵の無頼の生き方がかっこいい。 映画も観たくなりました。
23投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ前半は、才蔵の過酷極まりない修行とその成果、兵衛の根回しに道賢の憂いといったものを、後半は大規模な一揆とその後が描かれる下巻。 平和慣れした権力者と、武芸や先見の明に優れた兵衛たちの対比は、どこか現代社会にも通ずるものがあり、苦境の中、死を覚悟して闘った兵衛たちに熱くなりました。 映画の方も楽しみです。
13投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログ兵衛、道賢、才蔵...カッコいいな笑 厳しい時代や状況にも負けずに自分の信じた道を進んでいく無頼なりの生き方 映画も先行公開で観に行きましたが、原作を読んでいく個人的にオススメかなw 何回リピートで観に行こうかな笑
2投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ魅力的な登場人物に引き込まれる。 物語の展開も痛快である。 話が進むに伴い、成長していく登場人物にも寄り添える。 「無頼」という生き方にも共感してしまう。 非常に面白く、読みごたえがあった。
1投稿日: 2025.01.09時代を作り 時代を壊す者たち
下巻は才蔵の修行の話から大きく発展して、土一揆の凄まじいまでの描写が中心となる。このような者たちによって、不安定だった室町時代は壊されてゆき、新たなる実力本位の戦国時代が作られていったんだな ということを示している好著である。それにしても読者をグイグイと引っ張ってゆく力は大したものである。
0投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ室町時代の京を舞台にした小説です。 粋な男たちの物語でした。 混沌とした時代において、人の想いが歴史を動かします。 それにしても、才蔵の強さは半端ないです。
1投稿日: 2024.11.25
powered by ブクログ室町時代の小説を探していたら、何冊か読んだことのある垣根涼介さんの本があったので読んでみた。とても面白かった。蓮田兵衛、骨皮道賢という人物について知れたし、魅力ある人物が多くて良かった。映画は必ず観ます。芳王子は松本若菜さん。
1投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
才蔵の鬼のような強さに圧倒される。かっこいい。兵衛と道賢の最期は悲しかった。みんな生きていてほしかったと思うほど、それぞれ好きになってた。
0投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ映画化が決まり、購入しました。 上下巻合わせてなかなかのボリュームでしたがとても面白く、すぐに読み終わりました。 才蔵の幸せを願わずにはいられません。 本作では才蔵の成長に重きが置かれていましたが、映画では兵衛が主役とのことで、どのような作品になるのか楽しみです。
1投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ応仁の乱の直前という時代は、意外と描かれていないと思う。骨皮道賢という名前は、応仁の乱を描いた作品の中で「悪役」として登場することはあったけど、「志」を持った人物として描かれた作品は、初めてだった。来年の映画の封切りが楽しみだ。
0投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ過酷な修行を経て六尺棒の使い手となった才蔵は腕試しを通じて人を見る目、器量を上げる。 一方で蓮田は蜂起を計画し身内の武士だけが優遇される室町の体制に一石投じようとする。 道賢、兵衛、才蔵とその仲間達の行く末は、、、
0投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ(下)はもっと駆け抜けた!こんなに疾走感のある小説を読んだのは久しぶり…! 本題に入る前に訂正しておきたいのが、(上)のレビューで才蔵の修行について「ユニークだ」と書いたこと。(上)では彼の成長をワクワクしながら追っていたけど、冷静に考えれば半端なく命懸けである。 深手の傷を負えばまだ良い方で、身体が不自由になったり下手すれば落命することだって充分ありうる。自分ならまず生きて帰ってはこれないだろう。自分に置き換えるのもおかしな話だが…汗 そんな修羅のような特訓メニューを生き延びた彼の戦場での無双っぷりが、物語の疾走感を助長させていた!(それでいてあどけなさのギャップがまた凄まじい笑) 「だが、昔ながらの侍の世など、早晩に終わらせてやる。たとえその結果、一時この世が地獄になって構わない」 修行で棒術を会得して以降、才蔵は兵法者として洛中で名を馳せるようになる。 その間も百姓一揆の計画を進める兵衛と彼の動きを監視し続ける道賢。蜂起の時を前に張り詰めた洛中で、それぞれ進む道を見据えていく…。 「この男から戦国時代は始まった」 映画版の予告で流れた文言である。「この男」とは蓮田兵衛のことだが、実は兵衛や骨皮道賢、そして一部登場人物は実在しており、何と文献にも彼らの名前がちょくちょく登場するという。 つまり『室町無頼』は、史実に基づいたストーリーなのだ。 タイトルからは任侠もののような印象を受けるが、実際は兵衛が率いる百姓一揆が物語のバックボーンになっている。兵衛や才蔵をはじめ、日頃徴税や借金に苦しむ百姓や主家・俸禄を失った牢人・法外な関銭を徴収されている車借や馬借が一揆の構成メンバーである。 「室町幕府とは武家が在京して多くの職務をこなしていた政権で、そこから発生する負担は京都近郊の住人たちを家臣化して対処させていた」と解説には記されている。(これまた初耳!) そのようにして出自や階層の異なる人々の「つながり」が多用されていた時代に、兵衛もまたそれを重要視していた。 兵衛と人々の「つながり」が生んだ意思を守り通していった結果、戦国時代は始まったのだ。 「どのみちこの世は苦界だ。生きること自体が泥水を啜るような屈辱と、怒りと、苦しみの連続なのだ」 人々の生き方が縦横無尽に広がり始めていた時代に、才蔵もまた自分の居場所を見つける。それもまた感慨深かったが、法妙坊暁信(ほうみょうぼうぎょうしん)のケースが一番そうだったかもしれない。 (上)では才蔵の憎き雇い主であったが、彼もまた幕府や自らの運命に憤慨していた。一揆の混乱に乗じて手にしたものではあるが、あれは彼にとって真に輝ける居場所だったのではないかと自分は見ている。 時代がくだり応仁の乱を迎えても、暁信は命懸けでそこを守っているのだろうか。その時には、彼にも共に居場所を守ってくれるような「つながり」が出来ているといいな。
51投稿日: 2024.03.17
powered by ブクログ舞台は応仁の乱より少し前の京都。主人公は貧困家庭に育つ少年。貧困に喘ぐ農民たちの大規模土一揆を率いた実在の人物に目をかけられ、彼は逞しく成長していく。 史実に創作を加え、当時の様子と出来事をドラマチックに描写している。主人公は創作。登場人物がかっこよすぎる気もするが、エンタメ感は十分。
0投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログ日本で初めて一揆を起こした(?)男たちの話 半蔵くんがオリジナルキャラにして、人が良すぎて辛かった。越前リョーマ並に強いのに管仲並に人との付き合い方分かっているのは、作者が考えたさいきょうのしゅじんこう過ぎて震える こんな時代や出来事もあったという点では面白い
3投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログ面白かった! グロい時代だけどカッコいい。 この時代はノーマークだったので余計に興味深かった。 歴史の授業や日本史マンガでも一揆や室町時代にはあまり興味が湧かなかったので、今回知ったことが新鮮。 骨皮道費と連田兵衛は実在の人物なので、他に登場する本があったら読んでみたい。
1投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログ「『こころ』『ノルウェイの森』そして」 武術に関する垣根先生のネーミングセンスは個人的に絶品だと思う。 「吹き流し才蔵」といい、「光秀の定理」の「笹の葉新九郎」といい。道を究めた行く先は何か「さらさら」とか「ゆらゆら」みたいな物になるのかもしれない。 それはさておき、いよいよ兵衛の武装蜂起が始まる。 「世の中には、銭で買えぬものもある」と云う。兵衛の暮らしぶりを見るに上辺のきれい事ではなく、本心であるのだろう。そして、この乱れた世でのうのうと蓄財に励む既得権益をぶち壊すというのもまた真意であるには違いない。 しかし、兵衛には、何か損得の奥のその更に奥に「自らの器量を世に問う」みたいな衝動があるように感じられた。それが無謀な一揆を始めさせたのではないか。 そう考えると、兵衛、道賢さらには才蔵が芳王子と関係を持ったこと。また、幕府側の道賢、一揆側の兵衛、才蔵が敷いた陣を底辺とした三角形の頂点に東寺の五重塔、そして相国寺の大塔が聳えていること。どちらもとても「象徴的」に自分には思われた。 (読み方は自由かと思いますので悪しからず。)
7投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログ才蔵の強さが際立った下巻。読みやすくて歴史小説の入門にもってこい。才蔵が亀仙人前後の悟空ばりの成長を遂げ、男の子としてはワクワク。兵衛と道賢はトラとライオンのようにカッコ良いけど、下巻は才蔵を楽しむためのもの!
0投稿日: 2022.06.16
powered by ブクログ過酷な鍛錬を積み、圧倒的な棒術で荒くれ者らを次々倒す兵法者となった才蔵。一方、一揆を謀る兵衛は、道賢に密約を持ちかける。そしてついに蜂起の日がやってきて…。無頼たちの運命を描いた、大胆不敵な歴史巨編。 (再読) 文庫版のあとがきで、道賢の最後などは実際に記録に残っていることを知った。垣根涼介は執筆にあたって文献をかなり詳しく調べたようだ。
0投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ難しいことを考えずに楽しめる描写力に、室町から戦国へと移り変わる大きな時代の流れが加わり、骨太な時代活劇を堪能できた。道賢と兵衛そして芳王子の生き方には、どこか幕末の志士達に通ずるものが感じられたが、才蔵は、現代の若者を見ているようだった。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ男の友情と信頼を描いてるような気が。応仁の乱は知識もなく、テレビでならず者が暴れていたと言っていた気がしたが、この本では一揆の先駆けで自分が先導して後世の模範としたいという信念があり、幕府の衰弱と百姓の疲弊で暴れ回って世の中をどうにかしたいと奔走する。 かっこよく描かれているので飽きることなく読める。
0投稿日: 2022.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
無頼。その生き様を応仁の乱の前夜一揆を起こした男達のドラマを描いた作品。芳王子という絶世の美女を愛する3人の男たち。それぞれのプリンシプルに基づいて生きていくその生き様を描きたかったんだろうと思う。かっこいい無頼の男たち、人ったらしだが、生き方は変えられない、傭兵部隊を率いて街を守る道賢、縁もなく、地獄の修行で強くなった若い才蔵、そして一揆を謀り歴史に一石を投じることとなった蓮田。それぞれのバックグラウンドと熱い思いが、歴史を変えようとしている。そんな埃っぽい部分をすごくよく表していると思う。
0投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログついに蜂起する一揆軍と、幕府方との市街戦。 双方の戦術の進展が精確な描写で地図上に浮かび、高所から俯瞰しているかのような感覚になる。 骨皮道賢は大河ドラマでルー大柴が演じていた、女物の小袖を羽織る怪しいヤクザの印象が強烈で、堂々たる魁偉という姿はあまりピンとこなかったのが残念。
0投稿日: 2021.09.30
powered by ブクログ途中の記述から兵衛や道賢が生き残ることはないと思っていましたが、想像通りの清々しい生き様でした。 芳王氏さんも包容力と生々しさのバランスがうまく取れていて、登場する頻度は決して高くないものの、要所要所で男たちの人生に影響を与える良い味を出しています。 解説を読むとかなり史実を反映した内容のようでしたが、こんな視点で室町時代を描いた作品は初めてであり、無名の個人を生き生きと描いたとても面白く読めました。
0投稿日: 2021.09.08
powered by ブクログ舞台は応仁の乱前夜の京都。 幕府の威光はすっかり薄れ、 有力守護大名や寺社、力をつけた者が、 それぞれの権益を広げようと画策する。 力ある者たちは力なき者から利益を搾り取る。 民衆は苦しみ、人心は乱れ、不平不満が渦巻く。 誰もが今日生きることに必死で、 這いつくばって泥水をすする。 苦しく逃げ場のない生活を、 束の間でも保留するため、 人々はやむを得ず立ち上がる。 社会に虐げられ困窮を極める弱者たちは、 集合団結して一揆を起こす。 物語はその首謀となり中心となり、 時代を変えようともがく者たちを描く。 歴史を振り返る僕らは、 やがてそれが大きなうねりとなり、 権力者が民衆を無視できないものに 変えていくと知っている。 けれどその時代に生きる者たちは、 それを知らない。 でも、この時代は変えねばいけないと思い、 変わるかもしれないと予感している。 だから懸命に目の前の時代に、爪を立てる。 時代は微かにしか変わっていかない。 名もなき者たちが 安らかに豊かに暮らせるようになるには、 さらに長い時間が必要となる。 たぶん今もその途上に僕らは生きる。
0投稿日: 2021.08.24
powered by ブクログ室町時代の混沌とした描写を描ききった著作。 あっという間に読んでしまった。 上下巻共に躍動感がある描写が、私好みだった。 作者の他の作品も読んでいきたい。
0投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログ一揆を扇動する蓮田兵衛、男気あふれる骨皮道賢、清々しい若武者の吹き流し才蔵。さらには馬切衛門太郎や芳王子など、魅力的な登場人物を作り出しながら歴史的事実をベースにしての室町時代のドラマ。
0投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログ朝日新聞書評欄にて言及されていた垣根涼介の別の作品「信長の原理」を探していて、さらに面白そうな本作を発見。全くノーチェックであったが「本屋が選ぶ時代小説大賞」受賞作。孤独で貧しい子供時代を経て、生涯世話になる親分に拾われ、武芸(棒術)を磨くために厳しい修行をくぐり抜け、身も心も成長していく物語としてはとっても秀逸、しかもスルスルと読みやすい。大賞も取るだろう。 しかし国内作品にありがちの精神や哲学面での成長を重視する語り口にはやや辟易。 3.2 途中でやめなかったのは貸出期限が長かったのと、読み飛ばしても話についていけたから。
0投稿日: 2021.01.04
powered by ブクログ室町時代の面白さは、まるでホッブズの言う万人の万人に対する闘争状態かのようなカオスさにある。一貫しない人間関係、感情に赴くままの対立・紛争。この時代の空気感を表現したかのような著作。
0投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ過酷な鍛錬に耐え、圧倒的な棒術をおさめた才蔵。 ついに仲間たちと土一揆をおこす お互いを認めながらも敵としてまみえなければならない男たちは切ない。 肝心の一揆のシーンは案外あっさり。 やはりその前の才蔵の成長が肝か
0投稿日: 2020.05.19
powered by ブクログ読み物としては疾走感もあり面白かった。 ただ、主人公の才蔵があまりに素直すぎる。 苦難の幼少期を過ごしながら、何故こんなに素直でいられる。 もう100ページ増やしてでも、ひねくれ才蔵の成長を描いてくれたら完璧だったのに…残念。
2投稿日: 2019.12.07
powered by ブクログ『室町無頼』というタイトルの意味は 室町時代 誰も頼る当てのない まったくの独り身の主人公が 六尺棒の棒術で身を立て 乱世を生き残っていく物語 剣道とは似てるようで似てないなと思う 何度も命拾いし面倒見てくれる人に出会えるのは 恵まれていたのだ しかし、兵法者としての人生を歩まないという選択肢が あったのではないか この若者のまわりはすべて、暴力的な人ばかりだ 戦国の世とはそういうものなのか
0投稿日: 2019.10.04
powered by ブクログで、下巻。 道賢と兵衛から世の料簡を教えられ、古老からの壮絶な棒術修行の果てに、心身ともに生きていく力を身に着けていく才蔵。 その強さが半端ないが、戦いの中で人を見抜き、それらが兵衛のもとに集まってくる様はさながら「七人の侍」みたいな面白さ。 時は熟し、人も揃い、物語は一気に、兵衛が企てる土一揆へとなだれ込む。 その年号を覚えた時に“人世虚し”と記憶した応仁の乱だが、そこへ突入する直前の時代、既に虚しい時代であったことが知れる。 ただ、そういう時代であっても、自分の信じるがままに生きた無頼の徒の生き様は、儚くはあったが虚しくはなかったことも、また知れた。 相国寺の大塔のことは知らなかったが、今の世でそこに登って京の街を見てみたかったなと思う。
2投稿日: 2019.07.11
powered by ブクログ話の続きが気になってサクサクと読み進んだ。 想像していたとおりの結末ではあったが、そうなる事が一番落ち着く感じがする。 下巻も人物のキャラクターが際立っていて話の展開に面白さを加えている。 才蔵のその後が気になる。
0投稿日: 2019.06.20
powered by ブクログこの、絶妙な時代を切り取った舞台設定。 この後に来る激動の時代を予感させ幕を閉じる。 群像劇としてみると100点マンテンなのだが、主人公の成長譚としてみるといささか物足りなかった。 どんだけスゴくなるんだー、というのを見届けたかった。 もっと無頼道(?)を極めてほしかった!
0投稿日: 2019.05.23
powered by ブクログ著者の巧みな想像力と創造力で、歴史の闇に埋もれていた、ならず者たちに光が当てられた。 かつて、このように稀有なそして破壊的に雄大な漢(おとこ)たちがいたのかと思うと、楽しくなってくる。 凄まじいばかりの彼らの生き方は、現代では望むべくもないだろう。 しかし、兵衛の才蔵への問いかけの答えは、現代でも参考にしてもよいのではないか。 すなわち、「銭より動くものは何か」と尋ね、答えをためらう才蔵に「それはな、人の口の端じゃ」と。 そして、「蓮田どのは、銭をためる代わりに、この世での自らの信用を買って、何事かをなそうとされているわけですな」と、才蔵は理解する。
2投稿日: 2019.04.29
powered by ブクログ過酷な棒術の鍛錬を積んだ才蔵は、運命の男たちと共に一揆の戦いの中に身をうずめる。 武芸者として成長する才蔵の生き様と時代に戦いを挑む男たちの生き様が一つの歴史を創っていく様を描き、読み応えのある作品となっています。 彼らの歩んだ道を北条早雲や斎藤道三、そして織田信長が広げていき、新しい時代を創っていくのだという歴史的な意義も感じました。 その中で一介の武芸者がどのように生きていくのか、その心意気が問われる時代だということも感じました。
5投稿日: 2019.03.17
powered by ブクログ過酷な修練の末に才蔵は人並みならぬ棒術を身に付ける! 一方で蓮田は着々と革命の準備を進める。骨皮は蓮田の動きに注意しながら機を伺う。運命の日は刻一刻と迫ってくる。 確認すると実在の登場人物が少なくない。調べてみると面白そうな時代だと思わされた。 京都の室町時代に100メートル級の建物が有った事に驚き!作中で雷にて消失とあるが避雷針を建てていれば良かったのかなぁとふと思う。 自分にとって空白の歴史がまた一つ埋まったような気持ちにさせられる一冊です!
0投稿日: 2019.02.19
powered by ブクログ朽ちていく幕府、混乱する社会、変革を志す蓮田兵衛、骨皮道賢に見込まれた才蔵の修業、徳政一揆の戦術と戦闘、社会変革へのそれぞれの取り組みは、面白かった。 ただ、徳政一揆までで終わらないのであれば、才蔵の兵法者としての、社会変革を受け継ぐものとしての、その後も丁寧に描いてほしかった。
0投稿日: 2019.02.17
