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蟻の菜園 ‐アントガーデン‐
蟻の菜園 ‐アントガーデン‐
柚月裕子/KADOKAWA
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総合評価

129件)
3.9
27
54
35
4
0
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    1つの事件をきっかけに2人の女性の過去と繋がりがあきらかになる。何度も驚かされた本だった。児童虐待がもたらすその後の人生への影響をすごく感じた本だった。

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    名前を変え離れ離れになった姉妹 、早紀と冬香、実の父親から虐待を受け、幼少の2人は戸籍も届け貰えずワゴン車の中で暮らしていた。 自殺者をボランティアで支えていた与野井夫婦の元じに姉の早紀から助けを求めた電話が、時が流れ結婚詐欺容疑で円藤冬香という女性が逮捕起訴される。 フリーの記者、由美が事件の真相を記事に… そして、早紀と冬香姉妹と虐待の父親が一本の糸で… こんな過去があるなんて! 刹那い、やるせない! 考えれば考える程、やるせないくなる物語出会った。

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    無国籍児の児童虐待(暴力、ネグレクト、性的虐待)と成人後に犯した罪にまつわる話し。すごく丁寧に事象と心情を描写しています。手を抜かずに書いている丹精作。 登場人物の誰にだって、背景や抱えている気持ちがありました。 児童虐待や児童福祉について考えさせられる物語でした。 今林由美は事件を犯人とされる主人公の生い立ちや事情を丁寧に取材し検証し、事件の終局に、主人公の複雑な背景を考証した記事を書こうと決心しました。しかし新聞社の片芝から「ペンがどれだけの力を持ってるってんだ」と言われてしまいました。これに今林は「どのくらいの力があるかはわからないけれど、無力じゃないことは、片芝さんならよくご存じのはずです」と返しました。 無関係な者だって何かに取り組んでいい・考えて言い、無力じゃない、意味が無いことはない、という希望も素晴らしいし、そんな風に日常生活を送りたいし、そんな職業倫理を持ちたい。

    0
    投稿日: 2025.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    蟻の菜園(アントガーデン)は、南米の蟻と植物の「共依存」の関係のことで、自分が存在するために相手の存在を必要とする事象。幼い頃に壮絶な体験をした姉妹の関係を暗示する。 「一見、助け合っているように見えるが、実はそうじゃない。共倒れの坂を転がり落ちているだけだ」 奇数章の現代(2010年頃)と偶数章の過去(昭和54年)の話が交互に展開されるが、過去に起きた過酷な虐待の描写がきつくて読み進めるのが苦しかった。読書で同じ時間を使うなら、辛い架空の話を追体験するよりも心温まる話が良い。

    0
    投稿日: 2025.07.23
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    終始重い話だった… 子供が虐待を受けてしまうのは、やっぱり許せない。 親も人間なのでイライラもするし、怒鳴ってしまうこともある。 それは理解できる。 でも言葉は悪いが親の都合で子供を作っておきながら、過剰な体罰若しくはネグレクトなんて本当に許せない! 内容的には、⭐️4つけたいとこだったけど、なぜ最後に妹はパチンコにハマってしまったのか… 辛い幼少期を耐え、お金持ちの旦那さんと結婚もできたのに…。残念すぎるオチ ただただお姉ちゃんが可哀想だ…

    0
    投稿日: 2025.07.20
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    ・まあまあじゃないですかね。 ・パレートの誤算よりはましかな。 ・テンポもいいし、後書きにあるように松本清張感も醸し出している。 ・やっぱり北陸って旅情を誘うよなあ。描写が上手い。これぐらいのスケール感の方がリアルに描けるから読み応えもある。 ・メインの登場人物も絞られているから読みやすい。 ・虐待のシーンは真に迫るものがあり、心がキュッとなってしまった。そこらへんも上手い。なんというか、描写に躊躇がないね。

    3
    投稿日: 2025.04.13
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    結婚詐欺の被疑者となった女性を追うフリーライターと、無戸籍児として虐待を受けながら生きる姉妹のお話が並行して進みます なんとなく伏線から察したり、語り手の“私”の正体に気付いたりはしましたが、最後まではらはらしながら読めました タイトルを“蟻の菜園”としたことに、筆者の思いややるせなさが感じられました

    1
    投稿日: 2025.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての柚月裕子さんの作品。 そして久々に事件ものの作品を読んだ。 序盤から事件の内容に引き込まれて、どうして?なんで?とどんどん続きが気になった。 そして、当事者たちの目線だけじゃなくて、それを記事にしようと過去を遡って取材する由美の目線もあったことがより面白さを引き出していた。 姉の妹を思う気持ちが随所に現れてて、本当に切ない一方で、それでも無実の人を殺してしまうのは罰せられるべきだなとか、子供時代の環境がその人の人生に与える影響とかいろんなことを考えさせられた。 私的に姉の改名後の名前に冬華を使ったところも、やはり妹がずっと気になってたのかなとか思った。

    7
    投稿日: 2025.03.13
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    面白かった。サスペンス。 車の中で生活する父と、娘2人。10歳と6歳の設定だったから凌辱はないかな?とおもったけど。成長するにつれてあるよね、やっぱり。 養護施設はもっと積極的に動いてほしいよ。そういうことされた子供って言い出せないんだし。 女性ライターが駆け回って真相を明らかにする姿勢がいい。 最後には多重人格、で終わったわ。

    1
    投稿日: 2024.12.29
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    ◾️サマリー ・姉妹は共依存の関係を子供の時から築いてきた。 ・父親からの虐待で生まれた解離性同一性障害。 ・悪いのは父か、娘か、自治体か。 ◾️感想 児童虐待、姉妹の共依存、ギャンブル依存、殺人という暗澹たるキーワードをベースにした暗い小説だった。 作者の作品を読むのは2回目である。前作の盤上の向日葵もまた、虐待のシーンが出てくる。 子を持つ親としては、何とも悲しい気持ちになる作品である。 子は親を選べないのだから、どのような形であれ、我が子には慈しみを持って接したい。 作品を読むと誰が本当に悪いのか分からなくなる。 虐待をした父親が悪いのか、虐待を背景に育ちあげく殺人に手を染めた姉妹が悪いのか、虐待を知りながら根本的な解決策を講じなかった自治体が悪いのか。読み終わった後も、ずっと考えている。 過去と現在を行ったり来たりしながら、作品は進んでいく。謎を解こうとする雑誌記者の今林の目線。 物語の犯人となる姉妹の目線(とりわけ妹)。 舞台は北陸地方の福井と東京。 立ち位置、場所、時間軸が変わりながら話が進むところは、作品に面白さが加わってとても良かった。 ◾️学び 「人は誰かに頼らないと生きていけない。」 そんなこと、今更言われなくても分かっている。 でも、時々、そんな当たり前のことを忘れてしまう瞬間がある。 原理原則として、当たり前を当たり前と思わず生きていきたいと改めて思った。

    19
    投稿日: 2024.12.16
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    読み終わって、無力感を感じ、複雑な気持ちになっている。 昨今、似たような事件をよく目にする。 そんなとき、どうすれば子供を救えるのだろうか? 実際に自分が遭遇したら、助けられるのだろうか? 今、法律がどうなっているのかわからないが、しっかりした法で子供を守れるようになって欲しい。 なんだか辛すぎて言葉にならない。

    3
    投稿日: 2024.09.09
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    やるせない… 私の語彙力の無さのせいで これくらいしか言い表せない たぶん 今も沢越姉妹のような境遇に 置かれているこどもはいると思う 助けたいと思っている大人もいると思う よく似た事件を目にするたび どうして助けられなかったんだろうと思う 児相や自治体、地域、学校… 私は お節介だと言われても踏み出す勇気を持とう! それが誰かを救うかもしれないと思って 蟻の菜園… 知らない言葉だった 題名だけではとても思いつかない… やっぱり柚月さんの作品好きです

    9
    投稿日: 2024.08.14
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    柚月裕子さんにハマり中の私。佐方貞人シリーズや朽ちないサクラシリーズなども読了。 こちらの作品も、期待以上の面白さだった。婚活サイトを利用した連続殺人事件を追うサスペンス。柚月さんの作品は、登場人物の心情や背景が丁寧に描かれており、重厚感があるのに読みやすい。他の作品も引き続き読み漁りたい。

    1
    投稿日: 2024.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    半分過ぎたあたりから、本への没入感がなくなりあまり納得出来る着地ではなかった。 ただ序盤の話の膨らまし方はさすがという印象でしたり

    1
    投稿日: 2024.07.31
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    犯人とされる人が「なぜ」事件を起こしたのか?を追って行くことで導かれる事件の背景と真相。読み応えがあるが、重たい。真相がわかっても犯人に同情したら被害者が報われないと思うので後味が今ひとつよくなくて⭐️2

    1
    投稿日: 2024.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結婚詐欺容疑で捕まった冬香が何故、結婚詐欺をしたのかを追っていくうちに、30年前の児童虐待とその父親の死亡事件にたどり着く。亡くなったはずの姉は戸籍を変えて生きていたが、それが分かった頃には妹の心はすでに壊れていた。 どうすれば児童虐待を防げたのか?親権者に任せる事は正しいのか?共依存故に、道を正せない関係とは?最後には複雑な人間関係が炙り出される。

    1
    投稿日: 2024.05.06
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    柚月作品らしい読み易い文体、テンポの良い文章の構成でありながら、社会問題に一石を投じる作品。 いま流行りの?結婚詐欺容疑で逮捕された円藤冬香の周りを調べると、婚活サイトで知り合ったと思われる男性の死亡が相次いで見つけられる。 この事件に興味をもったフリーライターの今林由美が過去を調べていくと、複雑に絡まった不幸な事実が少しずつ顔を見て出す。 無戸籍児、ネグレクト、依存性、人と人の関係性が希薄になるなかでこぼれ落ちてしまった人は、どの様に生きていく事ができるのか。

    1
    投稿日: 2024.04.21
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    一気に読み切ってしまった。 すごくやるせない気持ちになった…。 虐待がこの世から無くなればいいのに。何があっても弱者を虐げていい理由にはならない。みんなが幸せになる方法はなかったのかな…。

    1
    投稿日: 2024.03.29
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    暗く悲しい話だった。人はなぜ犯罪を犯してしまうのか。幼少期の虐待が姉妹の人生を狂わせた。果たして親と言うだけで家に戻して良いものだろうかと言う作者の問いかけがあると思う。また、虐待が幼少期にあったとしても、困難を抱えながらも一生懸命に生きている人もいることを考えれば、ステレオタイプに読んではいけない小説だと思う。

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    結末が気になってどんどん読めた。おもしろかった。 けど読後の真新しさは特になくて、どこかで読んだことあるようなつらい話だったかな。 展開も早くてほぼ1日で読了。2時間ドラマになりそうです。 結婚詐欺というワードに惹かれて手に取ったけど、そこは物語の核ではなかった。たまたまターゲット探しに使ったのが結婚詐欺だっただけ。

    15
    投稿日: 2023.11.28
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    結婚詐欺や美人というワードから女か色恋に纏わる話かと思って読み始めたらとんでもない間違いだった。姉妹の生い立ち、暗く救いようのない事件の結末が明かされるまでの畳み掛ける展開に数時間で読了。流石柚月作品。いつも彼女の扱うテーマは現実的で夢物語ではないが、一方で日常的な場面や人とのやりとりがさりげなく魅力的に描かれているので後味が思いのほか良い。福井へ取材にいく描写などライターという生活にも焦点が当てられているので、仕事物としても面白かった。

    2
    投稿日: 2023.11.12
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    結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。 婚活サイトで知り合った複数の男性が亡くなっていたのだ。 美貌の冬香に関心を抱いたライターの由美が事件を追うと、冬香の意外な過去と素顔が明らかになり……。 読んでると辛い場面が出てきて、心がえぐられる。 環境が異なるだけでこんなにも人生が変わってくるのか…と感じた作品だった。 本の世界だけど、自分はまだ恵まれているとも思うし、生き方を考えさせられる話だった。

    2
    投稿日: 2023.10.17
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    読後は決して爽やかではない。しかしイヤミスではない。読むだけで胸が苦しくなるような悲劇の実態を描いた作品だ。 タイトルになっている「蟻の菜園」は共依存を表現したものだが、この作品の悲劇の根幹はそれではなく、胸糞が悪くなるような児童虐待だ。最近、巷間を賑わせているJ事務所の問題も児童虐待だが、この手の話は被害者が名乗り出ないと表沙汰にならないにも関わらず、被害者からの告発がないケースが多いようだ(J事務所の件はずっと以前から声をあげた人々がいたがマスコミが無視をしたという最悪のケースだが)。被害者が名乗り出ずに忍耐を続けているが故に虐待がエスカレートしていく。事案は違えど共通の構図だ。 世の中から少しでも児童虐待を減らすために私たちが出来ることは何だろうか。 多分そんな大袈裟なことではなく、知人や隣人にもう少しだけ関心を持つ。それが第一歩のように思う。 柚月裕子は昭和の雰囲気を持つキャラクターを描くのが上手いが、古き良き昭和のような周囲とのコミュニケーションこそが、悲劇を減らす切っ掛けだと作者は感じているのかもしれない。

    11
    投稿日: 2023.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。婚活サイトで知り合った複数の男性が亡くなっていたのだ。美貌の冬香に関心を抱いたライターの由美が事件を追うと、冬香の意外な過去と素顔が明らかになり……。 面白かった。無戸籍の子供の入れ替えトリックや冬香の生い立ち。北陸とのつながりが見えてくるシーンや、人々の繋がりが綺麗な感じがした。しかも、その中に毒親と子供たちの苦悩やその中で育ったことからか社会的な共感性の欠如や姉妹の共依存関係などの問題提起もなされており面白かった。 もう少し姉の話があっても良かったかな。

    4
    投稿日: 2023.10.05
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    インパクトがあり過ぎた。 読後、すぐに現実に戻れなかった。 読んでから1年近く経つが、忘れられない一冊。

    5
    投稿日: 2023.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    婚活サイトを舞台とし結婚詐欺容疑で美人介護士・円藤冬香が逮捕された。そして彼女と知り合った男性は相次いで死亡していた。彼女は容疑を否認、アリバイも完璧だった。 フリーライターの今林由美は冬香の過去を辿って行く。 円藤冬香には姉がいて、姉の名前は堀越早紀だったが、今は円藤冬香と名乗っている。婚活サイトで円藤冬香と名乗っていたのは実は江田知代で、昔は堀越冬香で早紀の妹で…と、途中で頭がこんがらがりそうになりました。 どちらも美人で、側から見れば何の不自由もなさそうに見えますが、実は過去に壮絶な人生を歩んでいます。特に父親である剛からレイプされるシーンは読み進めるのが辛かったです。 与野井や古森美幸などの周りの人の助けも報われず、普通の人生を歩むことができなかった姉妹。 出所後は、今度こそ人生をやり直せるといいと思います。

    19
    投稿日: 2023.09.24
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    タイトルからは想像出来ないストーリー。なかなか重たい内容だが現実的にあり得なくはない。読みごたえある作品。

    0
    投稿日: 2023.09.24
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    最初は主人公由美のマスコミっぷりに、人のプライベートに自分の好奇心だけを引っさげて踏み込む厚かましさに、読んでいて疲れるところがあった。 だけど2章から姉妹の回想パートに突入し、一気に惹き込まれる。 その後、話が過去と現在の交互で展開し、先に過去で本人たちの思惑を知った上で現在パートで由美たちが謎を解いていくので、非常に読みやすかった。自分で、時折ページを繰る手を止めながら、散りばめられた伏線について思索するのもとても楽しい。 姉目線での話があまりないのと、妹があまりにも他人本意なので、終盤で少しイラッとしてしまったが、その偏見は私が恵まれているからなのかもと思ったりした。自分の軸を持ち他人に依存しないことは大切だが、この姉・妹に襲いかかった運命は、どうしたって1人では立ち向かえない。生きていく上で、妹は自分の中の別人格と姉に、そして姉は妹に、そして妹に無償の愛を注ぐ自分に依存することでしか、この世界を生きられなかったのだろう。 誰が悪いでもない(父親は擁護できないが)、彼女たちが生きた社会では、彼女たちの辿る運命は決まっていたのではないか。その社会を変えていくために、由美が最後にペンをとったのは希望があってよかった。 いやしかし、朝の通学バスで読み終えたが、このどんよりした気分はしばらく引きずりそう。

    2
    投稿日: 2023.08.03
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    早いタイミングで不可解な事件の真相が分かるのだが、そこからラストまで一気に加速していく展開が、読者を飽きさせない。 北陸が舞台というのが、松本清張っぽくていい。

    2
    投稿日: 2023.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フリーライター由美は連続不審死の容疑者、円藤冬香を調べはじめ施設育ちと知る。 北陸地方の町で父親から虐待、性暴力を受けていた姉妹、早紀と冬香。二人は無戸籍児だった。 姉の早紀はある公務員夫婦に助けを求め、別人の戸籍に改ざん、遠く離れた千葉の施設に入所。円藤冬香となり生活する。(なぜ、妹の名前にしたのか?) 妹は小学校高学歴までは北陸の施設で育つ。父親がアル中を治療して冬香を引き取れる状況になった為、父親と暮らすことになる。また虐待、性暴力が始まる。父親がお風呂で溺死した為、再度、施設で暮らし高校を卒業。冬香を養子にしたいという人物がいて、姉のアドバイス通り別人になりすます為、本田知代と改名。結婚後、江田知代になる。 知代は何不自由ない生活の中で、ギャンブルに溺れサラ金で借金を作る。返済できなくなり、姉の冬香の保険証を借りて婚活サイトに登録。男からお金を巻き上げる。結婚を迫られ、邪魔になった男を姉の力を借り殺す… 誰も姉妹を救えなかった、とあった。 そうではないと思う。妹の江田知代は、ギャンブルに走らず、幸せに生きる道もあったはず。 姉の円藤冬香も、妹を引き戻す、カウンセラーを勧める、などせっかく二人して苦労してきたのに、手放さなくてもよかったはず。 最後の、共依存という言葉が悲しかった。

    1
    投稿日: 2023.04.03
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    一見単純な殺人事件の謎を追うような感じの話しかなぁ、と思っていたのですが、ふゆかという名の女性を追うことから過去の事件を紐解いていくという、先の読めない展開にイッキ読みでした。 面白かったです。

    1
    投稿日: 2023.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    柚月裕子氏の作品、今回も楽しめました。児童虐待の悲惨さには同情しますが、パチンコ依存で殺人はダメでしょう。多重人格を盛り込む必要性が疑問でしたが、刑法39条で救済的発想?タイトルは共依存を表すが、姉は妹が必要だったのかな?

    10
    投稿日: 2023.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん・・・父親の虐待に苦しんだ姉妹に涙しそうになったところもあるが、結末の描き方の雑な感じが否めない。 良い題材だけにちょっと物足りないかな。

    0
    投稿日: 2022.12.07
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    初めての作家さん。 途中頭がちょっとこんがらがりそうになった(;^△^) 読み始めたら先が気になって気になって、一気に読んだ。 途中に生まれた謎も最後には分かったけど、もう一度最初から読み返したいなと思った。 子供たちは可哀想過ぎて、辛かった。実際にこの様な子供たちがいる事はニュース等でよくみる。 早く世の中からこの様な悲しい事がなくなればいいな。自分にも何か出来ないかな、、 新しい作家さんが知れて良かった。

    5
    投稿日: 2022.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    へビーな話 途中までは早紀ちゃんどこ行ったー(泣) 最後は救われない話 空白の期間に早紀ちゃんは何してたんやー ともあれ面白かったです。少し行間有りすぎて付いていけないけれど。 ネグレクトの話は心が元気じゃないと読んじゃダメです。

    2
    投稿日: 2022.09.13
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    フリーライターである今林由美は、結婚詐欺事件の容疑者、そして付き合っていた男の死に関連する女性に興味を持ち、記事にしようと取材を始めた。 そこには壮絶な生い立ちが関係していた。 過去に何があったのか。 社会的な問題も含む、よく練られた物語。 良い未来が来る事を願ってます。

    2
    投稿日: 2022.09.04
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    章ごとに現在と過去を交互に構成されている。気づくまではどういうこ?と思いながら読んでいくも今林由美と一緒に少しづつ真実に近づいていくことが面白い。構成に気づいて登場する人物が把握できていく中、中盤で自分の推理は当たっていたけれど細かい背景等は由美と同じペースで解いていった。犯罪が起きるとニュースとして知ることになるけれどその背景までは読むことはあまりない。このような小説を読むと多くの事件にはそれぞれ背景があるのだろうな、そしてそれはあまり知られることはないのかもしれない。

    3
    投稿日: 2022.08.22
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    沢越早紀(円藤冬香)、沢越冬香(江田知代)姉妹の共依存から誰かに支えながら生きることの前に自分という人間の確立があることの意味を週刊誌記者の由美と刑事片芝が紐解いた作品。

    3
    投稿日: 2022.08.18
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    途中読んでいて辛くなる場面もありました。ちょうど僕も2人の娘がいるので… この世の中にはおそらく早紀と冬香たちと同じような境遇の子はいるはずで、このような子達を1人でも多く救えるような社会にしていかなければならないと思います。

    1
    投稿日: 2022.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作品テーマ自体が珍しいものではないからこそ、本筋の話のなんだかなぁ感が強く残る 姉妹の幼少時、再会から父親との決別までの話はドラマチックでヒリヒリ迫るものはあったが、それ以外の描写が少々雑に思う 特にパチンコにのめり込む部分は、あっさり書かれすぎていてある意味リアルなのかもしれないが、 一読書としては醒めてしまい、由美の同情についていけない そもそも、何故彼女が借金を作り殺人まで手を染めたのかを追求しないと、由美の当初の目的果たせてないのでは? 取材中もひたすら何となく気になるで押し切るのもどうなのか

    0
    投稿日: 2022.08.14
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    なんとも、不幸がてんこ盛りの作品 結婚詐欺で逮捕された美人介護士の遠藤冬香。 しかし冬香は容疑を否認。アリバイも完璧。 そんな冬香の人物像を掘り下げようとフリーライターの由美が事件を追い始めます。 由美をバックアップするのが、新聞記者の片芝。 片芝の薫陶を得ながら、由美は事件の真相を追っていきます。 冬香の過去を追っていくと、そこには30年前のある事件が。 現在と過去の話が交互に語られていきます。 そこから浮き彫りになる冬香、そして、その姉妹の壮絶な過去。 読んでて辛い。 そして、途中から「あなた」と語りかける謎の人物。 明らかになる事件の真相! これまた、辛く哀しい物語でした。

    37
    投稿日: 2022.08.12
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    柚月裕子さんは、軽く読みはじめてはダメだわ。 止まらなくなる。またもや一気読み。 ちょっとドラマティックやったが、丁寧な人物描写(脇役含め)に引き込まれる。 ストーリーは虐待の辛いシーンがあるので、辛いが、救いどころをきちんと著者の見解も見せてくれる。 判断を読者任せにせず、あかんもんはあかんと伝えてくれるので、もやもやが残らない。 終わり方が、ちょっと気取っていて好きではなかった。

    0
    投稿日: 2022.07.11
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    雑誌のフリーライターでも警察官でも弁護士でも検事でも、事件の調べ方はあまり変わらないな、とか少しおもいつつも、この人の話の運び方や発想が好きなので楽しめる 解説にもあったが、昭和の香りがする たしかにそうだ そういう香りに私は惹かれているのかもしれない

    21
    投稿日: 2022.06.11
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    子供の貧困、虐待、挙句の無国籍状態。 鬼畜の父親が2人の娘に行った数々の虐待行為 が後に二人の運命の歯車を狂わせる。 現代の社会問題に鋭く斬り込んだミステリー。 一人の女が、男性を次から次へと金を貢がせ 婚活詐欺で逮捕される。 その事件を追うジャーナリストが垣間見た 子供の虐待から生まれた、社会の歪み。 事実が明らかになる二人の姉妹の壮絶な過去 とその後の人生、ただ普通な幸せを求めた故の 姉妹の選択は不幸の連鎖へと繋がっていた。

    3
    投稿日: 2022.04.20
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    婚活相手を立て続けに殺した疑いで1人の女が逮捕された。その女、円藤冬香の姿を記事にしようとフリーライターの由美は彼女の過去を追ううちに驚くべき真相にたどり着く。 父親からの虐待、その後の数奇な人生、姉妹の絆…。途中から2人をもう追わないで欲しいとさえ思いだした。あまりにも過酷で読むのも辛い人生。でもまだまだこれから人生は続いていくのだと思わされるラスト。一気読みだった。この著者は本当に力作揃いで読みごたえあり、だなぁ。

    3
    投稿日: 2022.04.07
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    とっても面白かった! 時間が許されるなら一気に読みたいほどでした。 常日頃から思っている事。それは、その人の本当はその人にしか分からない、という事。 この本はフィクションだけど、内容そのものは現実に存在する出来事であることに間違いなくて、犯罪は本当にいけないことではあるけど、加害者のそこに至るまでの心情は誰にも分からないと、改めて感じた本でした。 悪ではあるけど、その人にとっては正義だった、、、 由美同様、加害者への切ない気持ちが溢れてしまいました。

    1
    投稿日: 2022.03.30
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    本分より引用。「南米に蟻の菜園と呼ばれる、蟻と植物の共依存によって成り立っている事象がる。蟻は地上ではなく樹木の上に巣を作り、その巣に種種類の着生植物が生える。蟻たちは着生した植物の果実を食料にし、植物は蟻の廃棄物を栄養源にして生きている。どちらか欠けても生きてはいけない。」この表題の意味するところが最終章の最後のページに載っていた。なるほど!凄い!この一言に尽きる。この作家の作品にハズレはない。

    3
    投稿日: 2022.02.25
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    柚月裕子さんの小説は社会の裏側をテ―マにした内容が多いけど、この小説も児童虐待を深く掘り下げた内容で、スピード感も切り込む角度も登場人物の感情の表現や冬の北陸の海の描写も見事でした。 作者の感性の豊かさに感銘を受けた一冊でした。

    2
    投稿日: 2022.02.23
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    一見、助け合っているようで、そうでない関係。人を本当に支えるために自分がどう振る舞うべきかを問われている気がした。

    1
    投稿日: 2022.02.23
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    何故美貌の持ち主が結婚サイトで知り合った男性を騙してお金をとり殺害したのか、調べれば調べるほど謎がふかまりそして子どもの頃の虐待にまで行き着く。大人が助けてあげれば、福祉がちゃんと保護してあげていれば、悲劇を生まなかったのではないか悲しい結末にはならなかった。 今回は後味が悪い感じがしたが、 この作者は一気に集中して読める作品ばかりで文章が上手いんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2022.02.20
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    どんな生い立ちが悲惨であろうとも過ちは許されるものではない。彼女に関わる人達が違う助言をしていれば、本人があの時違う判断を選択していれば…そんな事を考えながら読み終えた。 どんな環境や境遇の中にいても、生きる為人生の岐路の選択をするのは自分自身であり、信頼おける関係性でも依存しすぎては いけないと思う反面、でもどうすれば彼女を救えたのだろうと思うと胸の痛くなるストーリーだった。 問題提起を含む作品だと思いました。

    0
    投稿日: 2022.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★3.5 うーん、感想が難しい! 共依存関係にある姉妹の話 でも殺しはだめよ 気持ちはわかるけど 小さい頃から恵まれない姉妹が名前を偽ってそれでも生きていく話 ラストは2人とも捕まって、元の名前?にもどる、それからの人生がようやく始まりみたいな感じ。

    0
    投稿日: 2022.01.13
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    徐々に明らかになってくる真相が気になり一気読みでした。 最後の最後に、タイトルの「蟻の菜園」とは、そうゆう意味から付けたのでしたか〜と腑に落ちた。「パレートの誤算」の時と同じ感じで。

    8
    投稿日: 2022.01.03
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    煉炭自殺に見せかけた死体が発見され そこから浮上した女性は何件もの結婚詐欺と殺人を犯していたとみられる。 でも彼女にはアリバイがある。 果たして彼女は犯人なのか? そんな冬香の人となりを追うライター今林。 明らかになっていく冬香の過去。 それは壮絶なものだった…。 「今も苦しんでいる子供たちのために」

    4
    投稿日: 2021.12.28
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    何か現実世界でも、こんな事件あったな。それを土台にしてるんかな? こんな酷い過去のある姉妹には、同情はしたくなる。しかし、最近も幼児虐待とか良くニュースでやってるから、現実にも深刻な問題… まぁ、父親の件は、仕方なしとして、後は何の関係もない人を結婚詐欺&殺人は、あかん。(父親の件も心情はそうやけどダメです〜!) さすが柚月さん!もう途中から一気読みでした! こんな共依存関係にある姉妹は、辛くても関係は断ち切らなあかんのやろな。 「一見、助け合っているように見えるが、現実はそうじゃない。共倒れの坂を転がり落ちているだけだ」(文中より) これからは、偽りの名前やなく、本当の名前で独り立ちできる事を祈ってます〜

    32
    投稿日: 2021.12.19
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    古本屋で売っていたのを見て買った一冊。 結婚詐欺の真相と犯人乃過去を書い話だった。 本を買ったが、結婚詐欺の話かと思うとあまり読む気がしなかった。 読み始めても最初はやっぱりつまらなそうだなと感じたが、2章辺りからだんだん読み入ってしまった。 姉妹の過去の話は悲惨すぎだった。 この小説は主に詐欺の話と姉妹の過去の話しだと思うが、姉妹の過去が悲惨すぎて読み終えても姉妹の過去の方が印象深い。 なぜ題名が蟻の菜園か?と思って読んでいたが、あーなるほどと感じた小説でした。

    8
    投稿日: 2021.12.10
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    過去と現在を行き来しながらの展開であり、真相を知りたくて一気読みだった。 早紀と冬香、姉妹の生い立ちが不遇過ぎて胸が痛む。 結婚詐欺事件だけでは済ますことのできない、壮絶な過去が丁寧に描かれていて、社会保障の闇の部分を考えさせられた。

    3
    投稿日: 2021.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    無戸籍児の話は稀に扱われるテーマで、本当にどうしたら彼らを救えるのか、簡単には解決できない問題だと思う。姉妹を思うと何とも言えない気持ちになるし、与野井の行動も見るに見かねて、良かれと思ってのことで、一概には責められない。 ただ、環境が整えば変われるのかというと、それだけでは簡単には心の傷が癒えることはないと思う。 途中から出てくる第三者で既に解離性同一性障害であることは見えちゃったし、不安を紛らわす為のギャンブルが唐突だったし、今までのキャラからするとちょっと違和感があった。 片芝のキャラクターは柚月裕子作品らしくて好き。

    0
    投稿日: 2021.10.10
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    虐待されてる子どもたちは、心に深い傷を抱えたままやがて大人に成長する。 昨今、不幸にも子どものまま命を奪われる痛ましい事件も少なくない。 助けようとした大人たちも助けられず悔恨の念を引き摺っている。 二章の東尋坊のシーンはこの小説の大事なところと思う。

    13
    投稿日: 2021.09.30
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    フリーライターの今林由美は、ある結婚詐欺とそれにまつわる殺人事件について調べていた。容疑者の円藤冬香には、犯行時刻、勤め先の同僚たちとの飲み会に参加していたという確固たるアリバイがあるため、警察の捜査は難航していた。 この事件には何かが裏あると感じた彼女は、地元の新聞記者の片芝とともに、独自に取材をすることにした。 実在する稀代の女結婚詐欺師といえば、最初に思い浮かぶのはなんといってもあの木嶋早苗だろう。マスコミがなぜあの事件をこぞって取り上げた一番の理由は、彼女の年齢や容姿が『結婚詐欺師』というイメージから大きくかけ離れていたからだ。実は結婚詐欺に容姿は関係なく、自分が騙すべき相手はどういう人であれば成功するのかを知っていれば、大抵の人間は優れた結婚詐欺師になれるんだなと感心した記憶がある。 それはさておき、この話に出てくる容疑者の円藤文香は、誰が見ても目を奪われる容姿端麗な女性だった。その気になれば、こんなことをしなくても大金持ちと結婚できたはずだ。それなのになぜこんな事件を起こしたのだろう。由美はどうしてもそれが納得がいかない。 調査を進めるうちに、円藤冬香が北陸に縁があるのではないかという情報を入手する。そして、冬香の携帯にあった一度きりの見慣れない番号の着信。かけてきたのは江田千代という女性だった。単なる間違い電話だったと言うが、彼女もまた北陸の出身だった。これは単なる偶然ではないと思った由美は、二人の接点も視野に入れて、冬香の過去を調べ始めた。 とてもとても哀しい話なのだ。 ろくでもない親の元に生まれた、辛い過去を抱えながら生きる女性の物語なのだ。 今回は女性の由美と男性の片芝のコンビだったが、なかなかよかった。片芝のキャラクターが魅力的だった。この著者の話に出てくる中年以降の男性には、非常に魅かれるものがある。 ただ、今回の話は、今まで読んだものに比べて少し物足りない。 『なぜこんなことになってしまったのか』という理由が、彼女の過去の悲惨さに比べて弱いような気がしたからかもしれない。

    1
    投稿日: 2021.09.01
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    結婚詐欺で冬香という女性介護士が逮捕された。 当初は結婚詐欺の容疑で逮捕されていたが、 冬香の身元を調べていくうちにいくつもの疑念が湧いていく。 この真相に迫っていく女性フリーライターが事件を 紐解いていくうちに意外な過去へと辿り着くというミステリー小説。 以前にこの作品と同じように結婚詐欺の容疑になっている 木嶋早苗を元にして書かれている作品を読んだことがありますが、 このような重厚な内容ではなかったのでまたその時とは かなり違う感情を持ちながら読み進みました。 ただの結婚詐欺からの事件がライターが徐々に真実に近づこうと 取材を重ねたり、証言を得るために新たな事が発覚されていくたびに 点と点が線となりそして驚愕な過去に辿り着いたことに 胸が潰される思いがしました。 この事件の鍵となる無国籍児、児童虐待、アルコール依存症、 ネグレクト、ギャンブル依存症、共依存、解離性障害などと 社会問題になっていることが絡みついてきます。 一見すると何も関係のないようにも思いますが、 この一つ一つが連鎖してしまうと負の連鎖となり この作品の事件のようなことが起きてしまう可能性も 現実にはあり得るなと思えてしまいました。 ここに登場する姉妹はただ普通の生活をして普通に過ごしたいと 思っていたのに、生まれて来た環境が普通ではなかったことに よって彼女たちの人生が狂ってしまい、そのことによって自分が存在するために相手の存在が必要となる関係になってしまい 切っても切れない存在になってしまったということ。 誰でも誰かに必要とされることは大事だけれど、 ここまでの関係となると姉妹の関係ではなく異様に見えてしまい、これもまた悲劇だと思いました。 妹がいつも心の中で「お姉ちゃん。」と叫び待っていたこと、 そして姉が妹へ特別な合図を送る場合に使っていた 駅の伝言板 「のぞみさまへ、(中略)   お土産のクッキーを持っていきます。かなえより。」 というこのメッセージだけで二人の深い関係が伺えて 希望を持ち続けていた気持ちがよく表れていると思いました。 それだけに二人の半生を振り返ると切ないです。 文中でもあったように、 このような壮絶な過去があったとしても、 二人のしてしまった過去は変わらないし、 いくら時間を巻き戻したいと思ったとしても姉妹の事実は消えることは無いです。 だからといってこの事件の不条理さを一言では 片付けられない思いがひしひしとして、 現代の国や自治体の子供たちを守りきれていない現実を 見せつけられた気がしました。 現代も時々ショッキングな事件が多く耳にすることがありますが、 特異的なことだけにとらわれず、事件の背景には何かあると思い その事件の真相をしっかりと見極めてみたいとも思いました。 北陸地方のことが描かれていた所は、 松本清張の「砂の器」をオマージュしたかのように思えて、少し異次元世界も味わえた気がします。 柚月さんの作品が好きで何冊か最近になって読んでいますが、 この作品もテンポ良く繰り広げられて、 重厚な構成でメッセージ性のある読み応えのある作品でした。 また他の作品も読んでミステリーを通して社会の闇の部分なども学んでいきたいと思いました。

    1
    投稿日: 2021.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    テーマである児童虐待が主眼で、良くも悪くも、物語性はあくまで追従というか、後回しになっている気がする。 良い点は、わかり易さ。適度にギミックが効いていて、展開が早くともついていけるし、質のいいミステリを味わえる。 悪い/うーん?という点は、作品全般に渡って、読者頼みの謎解き(推測の域を出ない)が頻出すること。 妹の仔細は明らかにされていくが、姉のほうは、キモである戸籍改竄に至る事実が証明されないまま、推測、憶測のまま結末を迎えてしまう。 与野井と美幸が如何にして『円藤冬香』を作り上げたのか、ここはきちんと書いてほしかった。 凄惨な虐待を受け、生き延びることが精一杯だった姉妹と、児童虐待という大きな社会問題を、容赦ない筆致で描いた点は、さすが柚月裕子さんと思う。 しかし、困難を解決する為に殺人を行う、つまり問題から逃げるという行為には疑問を禁じ得ない。 借金にしても、弁護士に相談などあったと思うし、直ぐに「殺そう」という姉も、それに従う妹も、あまりに短絡的だ。 語り手の「私」の存在も、読みながら予想していたものの、やはり鼻白む。 由美の連載が手記となったら、ぜひ読んでみたい。それこそが、この物語の真の解決と主眼を雄弁に語っているに違いない。

    1
    投稿日: 2021.08.23
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    奇数章が現在、偶数章が過去で、現在と過去を行き来しながら時間が進み、次から次に真相が出てくる。 淡々と話は進むんだけど、次から次に出てくる新事実に一気に読んでしまった。 裕月さんの文章は、淡々としてるんだけど、決して平坦な物語ではない不思議。 ただのミステリーではない、社会問題を提起した本。ただ、そこの部分はサラッとしすぎてるのかな。だからそこまで重くなりすぎない本でした。

    3
    投稿日: 2021.08.05
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    今林由美はフリーライターである。一度は出版社に務めたが結婚退社した。その後、結局は離婚し、現在は古巣の伝手などで細々と食いつないでいる。 今、彼女が最も力を入れているのは、1人の人物を追う企画である。その時、人々の耳目を集めている人の人生を、誕生時からじっくりと追っていく。鮮度より深度が求められる。 その企画のために目を付けたのが、大きく報道されている男性の不審死だった。練炭中毒で死亡した男性は実は結婚詐欺にあった上に殺されたのではないかというのだ。決定的な証拠はなく、かつ容疑者の女にはアリバイがあった。だが、婚活に絡む詐欺事件があったことは事実のようだった。 容疑者は、介護職につく、美貌の女だった。この女がなぜ、地味な仕事に就く一方で、結婚詐欺、挙句に殺人の容疑者とまでなったのか。 由美はこの女、冬香を追うことにする。 由美は協力者として、新聞社記者・片芝の力を借りることになる。 千葉の施設で育ったという冬香の過去には謎が多かった。両親は事故で亡くなったことになっていたが、該当する事件は見当たらなかった。 由美は1つの証言に引っ掛かる。冬香は施設で働いていたころ、気難しい北陸出身の老婆の言葉を職員の中でただ一人理解でき、その世話ができた、というのだ。 千葉で育ったはずの冬香がなぜ北陸の言葉を? 調べを進めていくと、福井・東尋坊に手掛かりがあるようだった。由美は現地に赴き、冬香の過去の痕跡を探そうとする。 物語の舞台は現在の首都圏と過去の福井を行き来する。 30年前、福井で父親を刺して失踪した少女がいた。彼女は児童虐待を受けていたうえ、無戸籍だった。 由美はこの少女と冬香の関連を疑うが、個人情報法などが邪魔をして、真相は容易にはわからない。だが、細い線をたどっていくうち、少女には妹がいたこと、そしてその名がわかる。 基本的にはヒューマンタッチの重厚なドラマである。 女は罪を犯したが、その背景には同情を禁じ得ない事情があった。もちろん、不幸な境遇にあったからといって、それは言い訳にはならない。特に、2つ目以降の事件は道を踏み外しすぎの感がある。だが、それもこれもどこかで誰かが止められなかったのか、あるいは救えなかったのか、やるせなさが募る。 推理という意味では、読者の出る幕はない。手の内は明かされず、作者の見せるものを見ていくしかない。ライターである由美が取材していくのに同行し、あるいは謎の語り手による過去のドラマを見せられる。 結婚詐欺事件など、実在の事件を匂わせつつ、まったく別なものに仕上げる筋立てはなかなかの辣腕ぶりだろう。 解説で少し触れられているが、全体に「松本清張」風味があるようにも思う。地方の方言がキーとなること、無戸籍がポイントとなること、追跡者が徐々に真相に近づいていく描写など。片芝の人物像も平成や令和というよりは昭和の中年記者に近そうではある。 終盤、バタバタと事件は解決し、由美にも幸運が訪れる。いささか急転直下で安易な感じがしなくはない。が、ある意味、児童虐待に救いの手が差し伸べられてほしいという著者の願いもあるように汲める。 タイトルの「蟻の菜園」の意はなかなか明らかにされない。 最後の最後に明かされるのだが、個人的にはこれはどうかなとやや疑問である。 著者は南米の蟻と植物の関係を、人の共依存に譬えているのだが、蟻と植物は共生関係にあるのであって、病的なものではなく、矯正すべきものでもないだろう。 全体としてリーダビリティは高い。 由美の取材の様子など、知らない世界を覗ける楽しさもある。 過去の事件が陰惨なので、いささか胸塞がれるが、起伏のあるストーリーは映像化にも向いているかもしれない。 元々は2014年宝島社刊。

    4
    投稿日: 2021.08.04
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    * 雑誌社に席は置くが、細々と単発の仕事を こなしながら何とか生活して暮らしている   潰しがきかないバツイチ、フリーのライター 今林由美 結婚詐欺と殺人事件の容疑で逮捕された 円藤冬香の事件を知り 幸せを保証されるような、その美しい容姿から 何故、結婚詐欺や殺人を犯す事になったのか 疑問に思い、次回記事にしようと着手する 逮捕された円藤冬香の過去を追う中で、 壮絶で悲惨な生い立ちが少しずつ明らかになる その中でみえてくる、苦しいが故の 共依存 社会に消費される現実、表に出ない事実、 社会の裏面を掘り起こして切り取ったストーリー

    2
    投稿日: 2021.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それまでは悲しい姉妹の話として読んでいたのに、唐突にギャンブル依存症になることや、後妻業に突き進むことが無理やりのような気がしてしまう。夫が気づかないはずはない。もっと別の着地があったのではないか?残念。

    0
    投稿日: 2021.07.24
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    面白かった。グッと物語に引き込まれる感じ。 ページを捲るたびに新事実が綺麗に出てくる感じが読みやすくは入りやすかった。 2021.7.22 90

    1
    投稿日: 2021.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! 辛い描写が多いけれども、姉妹が犯罪を起こすことへのハードルをたやすく乗り越えてしまうのはここまでの辛い思いをしてきてしまったから。 犯罪を減らすための1番効果がある方法は、幼い頃に辛い思いをする子供を減らすことだと思う。 そこにどれだけ日本が人やお金を投資できるかかなーと。辛い思いをする子や、犯罪が減るのであればいくら投資しても高すぎることはないと思うけど…

    1
    投稿日: 2021.07.10
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    子どもが辛い目にあう話はいつも苦しくて読むのが嫌になる。特に女の子の場合はより救いがない感じがする。今回も最悪の展開となりながらエンディングまでしっかり読まされてしまったのは、著者の力量なのだと思う。予想どおりの結末ではあるが、この先いつかはふたりに幸せを感じてもらいたいと願う。

    3
    投稿日: 2021.05.25
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    面白かった〜一気読み。 冬香の過去が由美によって解き明かせれていく筋と 冬香のリアルタイムの筋とが 無理なく分かりやすく交差して…だけど途中から登場した「あなた」って? もう読むのを途中で止めるなんて無理です。 こうやって柚月裕子さんの本はいつも私を寝不足にする…。

    10
    投稿日: 2021.03.24
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    世間を騒がせた「交際していた資産家老人が次々に不審死を遂げた後妻業の女」を、柚木裕子がどんなにドロドロに描いてくれるのかが楽しみだったのだが…。無戸籍で家庭内暴力の被害者である姉妹の父親への復讐譚がメインの話、結婚詐欺の理由やカラクリもいまひとつパッとせず、こじんまりとキレイにまとめた印象。2.8

    0
    投稿日: 2021.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3.5 児童虐待や児童福祉がテーマの社会派サスペンス。蟻の菜園と呼ばれる、蟻と植物の共依存によって成立する南米の事象を犯人である姉妹に重ねた。結婚詐欺の容疑で逮捕された介護士の円藤冬香。婚活サイトで彼女と知り合った男性が相次いで死亡していた。フリーライターの今林由美が事件を追うパートと30年前からの過去パートが交互に展開。児童虐待を受けた北陸の姉妹、何とかしようと模索する周囲の人。当時のやるせない状況を考えると児童保護の重要性を改めて感じる。今林のジャーナリストとしての想いもなかなか面白い。 最初に、雑誌記者の由美が古株新聞記者の片芝に迫る場面。「十の事実があっても新聞には一しか載りません。でも、残りの九にこそ、当事者しかわからない真実があると思います。私はその九を記事にしたいんです。」終章では、姉妹の半生から、児童虐待防止法の在り方についての記事にすることに。親権問題、養護施設不足、児童相談所の体制と脆弱さなどの障壁について訴える。

    2
    投稿日: 2021.02.28
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    結婚詐欺容疑で介護士の円藤冬香が逮捕された。婚活サイトで彼女と知り合った複数の男性が相次いで死亡していたのだ。しかし冬香は容疑を否認。アリバイも完璧だった。美貌の冬香の身にいったい何があったのか。関心を抱いたフリーライターの今林由美が冬香の過去を追い北陸に向かうと、30年前に起きたある未成年事件にたどり着く。由美は、父親を刺した少女と冬香との関連を疑うが、証拠がなく暗礁に乗り上げてしまう…。

    1
    投稿日: 2021.02.06
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    重~い。読み終わって心にズシ~ンとくる重たさを感じる。由美が探る2人の姉妹の過去。冬香と早紀の悲しすぎる子供時代。最後はメデタシになると思ったが、どんでん返し。だんだん黒雲が覆い先が見通せなくなる。 そして、少しだけ望みが見えた。 さすが柚月裕子の作品。 今度は、何を読もうか。

    3
    投稿日: 2021.01.30
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    ミステリーを読んでいる身として真相を知りたい、犯人を暴きたいと思う反面で、少しずつ分かっていく過去や犯罪の動機にはやりきれない思いが募る。 ミステリーの中にしっかり人間の感情が描かれているところが柚月さんの凄いところだなあと思います。 臨床真理、パレートの誤算に本作と女性が主人公のものを続けて読んでいるので今度は男性が主人公のものを読んでみようと思う。 そして、オマージュされてる砂の器も恥ずかしながら読んだことがないので、この機会に読んでみよう。

    3
    投稿日: 2021.01.27
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    エンターテイメントであり、社会派サスペンス小説でもある。読書は途中から犯人とその犯罪のカラクリに薄々さとりながら、それでもなぜそのような犯罪が起きたのか、どのような結末が待ち受けているのか、という観点から読まずにはいられない。 児童虐待、ギャンブル依存症、その人物が置かれた環境によって引き起こされた精神疾患等現代の病巣を幾重にも絡ませ、またこの事件を追うフリーライターの女性の生き方にも焦点を当て、単純なサスペンス小説に終わらせないのは、さすが柚月裕子だと感じた。

    2
    投稿日: 2020.12.16
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    単なる結婚詐欺、アリバイ崩しの話ではない、深く悲しいストーリー。犯人とそれを調べるフリーライター、決して交わることはない両者。読み応えがあった。

    2
    投稿日: 2020.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やり切れないなあ。すべてを生い立ちのせいには出来ないし、すべて彼女たちが悪いのだとも言えない。難しい。たしかに彼女たちは被害者だけど、だからといって無関係な人を殺して許されるはずがない。 こんな悲しいジレンマを生み出す前に、止められる制度が必要なんだな。

    5
    投稿日: 2020.12.02
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    図書館で借りた本。 タイトルのつけ方がいつも上手いなぁ。 共依存。南米、蟻と植物の共依存でなりたっている事象がある。 姉妹の共依存関係の背景にある児童虐待などの出来事と、良かれと思ってやってしまったことの大きさを思う。 ほどほどに面白かったです。

    5
    投稿日: 2020.11.27
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    物語は結婚詐欺と殺人罪の容疑で円藤冬香という美しい女性が逮捕されるところから始まります ただ、冬香には完璧なアリバイがありました ・ 冬香の美貌と完璧なアリバイ…何かあると不審に思ったフリーライター今林はこの事件を追うことに… 追って行くうちに段々明らかになっていく真相が悲しすぎて悲しすぎて… ・ 今林が真相を突き止めようとする現在と二人の姉妹の過酷すぎる過去が一章ごとに描かれています ・ 二人の姉妹の置かれたあまりにも悲惨な状況に涙し、躓きながらも少しずつ真相に迫っていく今林の姿を手に汗握りながら読みました 徐々に謎が解けていくのがあまりにも面白くて読み終えるのにさほど時間は掛かりませんでした ・ タイトルの『蟻の菜園』…ラストでなるほど〜そういう意味があったのね…と納得します 読み手側も中々のダメージを食らいますが読み応えのある一冊でした

    1
    投稿日: 2020.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったの一言。 冬香の謎を追う、ライターの由美。合間に挟まれる回想シーンが徐々に現代と繋がり、その過程にも随所で登場人物たちの謎めいた言動があり、その続きが非常に気になってしまう。 冬香が背負った過酷な運命に複雑な心境になり読了する。作者の巧いストーリー運びに感心 

    2
    投稿日: 2020.11.06
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    完全に読みながら、頭の中は火曜サスペンス劇場が上映されている状態で一気読み。サスペンス3冊分くらいの重力があった。 ここ数年はサスペンスやミステリーは読んでおらず、ほっこり癒され系にシフトしてたはずが、 この本を皮切りに狂ったように、 サスペンスホラーやミステリーばかり読みあさっている今日この頃w

    7
    投稿日: 2020.10.30
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    一気に読める松本清張み。 母に勧められて、移動の間にぐぐっと引き込まれて読む。本の中に没入できるかって、そのときの自分のテンションが大いに関係してくるけどミステリは割とその波に左右されずトリップできて好きだ。 女性ライターが、ふとニュースで気になった婚活殺人事件を追ううちに、舞台の幕は凍てつく北陸の冬で落とされたことを掴む。 方言、北陸…と松本清張トリビュートな硬さもありつつ、色々な立場の女が描かれる。 彼女たちはみな悲しみを抱えるが、明るみに出された悲しみは格別、魂が引き裂かれる思いだったのだろうと思う。 魂の救いが何によってなされるか… 真実を究明する他者によってか、それともあらゆる真実に背を向けてでも手を伸ばす何者によってか。 そんなことを考えてしまう余韻が良い本。

    3
    投稿日: 2020.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あまりにも色々なことがありすぎた。連続不審死事件、結婚詐欺師、無戸籍児、児童虐待(性虐待)、アルコール依存、共依存、戸籍改ざんこれだけでも十分なのに、ギャンブル(パチンコ)依存に人格障害って。頭が疲れた、重い。 次は何?くらいの興味で読んでいないと落ち込む。特に性虐待のとこは辛かった。昔は、そういうことが珍しくなかったという部分も。 四章からは「あなたは・・」と語りかける二人称で描かれている。呼んでいるのは誰?それにつられ(こたえを知りたくて)どんどん読みにはまってゆく。絡みあった糸が解けていくような、パズルがするするはまっていくような、読ませられ感がすごいと思った。 貧困から父親(母親は亡くなった)から虐待を受け、戸籍も無く学校にも行っていない早紀と冬香の姉妹。 役場の与野井は、東尋坊の「命の電話」に助けを求めて電話してきた早紀を救う。戸籍を改ざんして別人に仕立て上げ遠くの施設に送った。が、残された冬香はアルコール依存症の父親と壮絶な日々を過ごすことになる。 老年、与野井は認知症になるのだが、早紀の幸せのためとはいえ、法を犯したことへの、良心の呵責に苦しみ続ける。しかも二人は複数の男に手をかけ殺めてしまった。 いつまでも心に引っかかる、というものは気持ちの悪いもので、正直に生きなくちゃだめだと思った。いまさらだが。 いくら毒親に酷い目に合わされようが、人を殺めてはいけない。どうしたら二人を救えたか、がテーマになっているが、一番親から愛されるべき時期に虐待を受けると、難しい。なんらかのサポートを受けないと。 一見美人姉妹が怖い。冬香は旦那がいる身で婚活サイトに登録し複数男性と付き合ったとは。そのような時間、労力あるんだすごいな(と妙な所に感心する)。 学校に行ってないって子がいるって、どこかでずっと前に聞いた気もするが、そうなんだとしか言えない。

    23
    投稿日: 2020.09.29
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    結婚詐欺容疑で冬香が逮捕され、ライターの由美が事件を追う。 先が気になりすぎて一気に読んでしまった。 視点がちょっと読みにくいところがあって、そこだけ難儀した。

    1
    投稿日: 2020.08.08
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    緻密に過去を解き明かしていく過程が切なく胸が苦しくなる。「今」だけではどうしようもないことがあるんだと感じます。

    1
    投稿日: 2020.07.19
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    犯人の背景に迫ろうと調査をはじめるフリーライター。"なぜ"を突き詰めて行って、根本にある原因を探していく由美。生い立ちや生活環境に形作られてしまう辛い人生がそこにあった。調査への執着、真実を見つけようとする眼、得難い協力者がその道を照らす。 犯人の全てが悪だと言い切れない切なさがそこにあった。

    1
    投稿日: 2020.07.07
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    題名からガーデニングの話かと思ったら全く違った。 連続婚活詐欺殺人事件…実際に起きた事件を下地に、犯人・及び犯人の背景を追っていく。 現在と過去、そして謎の人物視点で描かれる今。 現在の誰と過去の誰が繋がっているのかわからない仕掛けが巧妙だ。 虐待に無戸籍…少女の生い立ちが壮絶。 時に北陸繋がりなどは「都合良すぎ?」と思う箇所もあったが、現実の事件を基にしている点が一番恐ろしいかもしれない。 表題の意味はラストに明かされる。 蟻と植物が持ちつ持たれつ共生する菜園と、犯人の生き方が投影されている。 解説にあったが、昭和の匂いを感じつつも全く色褪せていない景色が見えた。

    0
    投稿日: 2020.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会派ミステリー。無戸籍、児童虐待、解離性同一性障害、アルコール依存、ギャンブル依存、共依存...。同時進行で現在と過去が進みながら犯人が明らかになっていく。心理的に追い込まれていく犯人に同情はするものの、過去に刻まれた深い傷をぬぐうにはどうすればいいか。

    0
    投稿日: 2020.05.05
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    虐待、共依存など様々なテーマが詰め込まれ過ぎている印象。 辛い過去から結局は乗り越えられずに悪い方向へと解決策を導くことしかできない二人の姿が辛かった。

    1
    投稿日: 2020.05.02
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    佐方貞人シリーズが好きで、柚月さんの他の作品も読んでみた。 私は、辛くて救いがないのは、読後が苦手なので、少し評価が低くなっています。

    0
    投稿日: 2020.03.07
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    柚月裕子作品、いつもながらワビサビが半端ない。 実父から性的虐待を受けた姉妹早紀と冬香の物語。 読めそうで読めない交換殺人のトリックは記者目線で一気に引き込まれたが、虐待シーンは目を塞ぐほど切ないし、完全なアンハッピーストーリーで辛くなる。 しかも、最終的な転落のきっかけは、パチンコと出会い系、、、身近でリアルだけど、そんなことでここまで転落するかと思うと、一層辛くなる。

    1
    投稿日: 2020.03.03
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    結婚詐欺の事件を追う女性ライターが主人公。容疑者は犯行を否定、さらにアリバイもある。しかも騙し取った金の使途も不明。不可解な事件を女性ライターは容疑者の生い立ちから調べていくことに。なぜこのような事件を起こしてしまったのか。地元紙記者と共同戦線を張り、容疑者の周辺を探るうちに容疑者の出身は千葉なのに福井というキーワードが浮上する。福井で取材を続けるうちに彼女には妹がいることが判明。点と点を結びつけていくとある仮説が浮かび上がったが、それは姉妹の悲しい生い立ちだった。 ライターってここまでやるのかというのが正直な感想。警察の聞き込みと同じようなことをやり、仮説を立てさらにそれに沿って関係者を洗い出しさらに聞き込み。警察はここまでやらないんだろうか。 誰にも助けを求めることができなかった幼い姉妹。姉は自分が犠牲になってま妹を守るという信念を貫き通す。妹は姉に頼り切り。お互いにとってなくてはならない共依存の関係。それが悲劇を生み出すのだが、その根本は幼い頃の境遇にある。こういった不幸の連鎖はどうにか断ち切れないものか。

    2
    投稿日: 2020.03.01
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    題材は比較的ありがちなものだが、ある細工を施しているためアクセントが効いて飽きることはなかった。終章に作者が伝えたいことが凝縮していると思う。

    2
    投稿日: 2020.02.23
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    舞台は冬の福井。アル中の父親との放浪生活。虐待。一日三度の食事という概念がないカレーの話は虐待生活を際立たせる話でした。過酷な境遇は「砂の器」と重なります。その境遇で支え合ってきた二人が陥る新たな関係が蟻の菜園だった。タイトルはそういう意味なのかと最後に理解できました。重苦しくやりきれない話ですが深いです。

    2
    投稿日: 2020.02.16
  • 流石、柚木作品

    柚月作品は、ストーリー展開もさることながら、その文章の読み安さに毎回感度させられています。 本作品も期待通りの素晴らしい作品と思います。益々柚月ファンになってしまいました。

    0
    投稿日: 2020.02.11
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    実際の事件がモチーフになっているとはいえ、こんな真相であるはずもなく、むしろこうであればよかったのにと思ってしまう。結婚したがる男たちから金をせしめて殺しただけというよりは、悲惨な目に遭ってきた姉妹が起こした事件というほうが納得できるから。 ただ、どれだけ不幸だったからとしても、パチンコに狂った挙句の果てというのは、う〜ん。モノローグの正体がイマジナリーフレンドだったら拍子抜けだと思っていたこともあり、手放しで面白かったとはいえません。同著者の『孤狼の血』ほどの衝撃は味わえない。でも、虐待は駄目、辛すぎる。

    1
    投稿日: 2020.02.06
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    婚活サイト殺人事件の犯人・円藤冬香に関心を抱いたフリーライターが、彼女の過去を追ったところ、30年前に起きた未成年事件にたどり着く。事件の裏には驚愕の真相が隠されていた。 罪のない子供たちが理不尽な思いをする事件は本当に憤慨する。親の資格のない者がのさばる世の中は、行政側が本気で取り組まなければならない。本作の姉妹の生きざまは、男に対する、そして社会に対する復讐なんだろう。

    0
    投稿日: 2020.02.03
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    このミス大賞シリーズだが。私は特に選んで読むつもりはないけれど、手元に来てから知ることが多い。 これは残念ながら、テーマが現実の事件に似ていることもあってそんなに新鮮でもなかったし、話の流れも薄味だった。 山林の車の中で練炭で死んだ男が見つかった、自殺かと思われたが車のキーが消えていることから、殺人として捜査が行われることになった。 容疑者に浮かんだのは円藤冬香。しかし介護施設に勤める彼女には、同僚の証言で完璧なアリバイがあった。 だか婚活サイトに名があり複数の男と付き合っていた、男の口座から何回にも分けて冬香の口座に入金があった。 父親が二人の娘を心身ともに虐待する。学校にも生かせず戸籍のない二人は車を家にして、寒さに震えながら育った。ついに姉が父親をカッターで切りつけて逃げる。 寒い粉雪の舞う冬の東尋坊が始まり 冬香は断崖の上に片方の靴が残っていたところから、東尋坊で死んだと思われていたが、、お決まりの戸籍課、学校野同級生の線で生きていたことや身元がわかってくる。 あの日姉を待っていた妹も養護施設に入って育つ。 このあたりから事件の流れが大まかにの推測される。  独身のフリーライタ-である由美の捜査が特に冴えているわけでもないが、仕事を持もちバツイチの彼女の暮らしや女性上司との絡みも、クセの或る新聞記者の男も最初登場したほどのインパクトがない、個性的ですべりだしたたものの、彼もさして印象に残らない。 まして情報を集めて、気安さで漏らしてくれる刑事も影が薄い。 おいしそうな材料をそろえたが生かしきれてないし、キャラター造形が余り印象的でない。 題名は面白いが、蟻の変わった習性になぞらえた作品ならもう少し面白くなっていたように思う。 表紙の色合いやデザインはとても綺麗で、誘われて読む気になっておかしくないが、作品はありきたり感が残念だ。 父親の虐待場面は醜悪さの描写も程よい感じで作者に好感が持てた。 まだこなれてないときの作品だとしたら、この後の作品も読んでみたら印象が換わるかもしれない。

    0
    投稿日: 2020.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中の章で出てくる、沢越冬香(妹)を「あなた」と二人称で呼んでいる主体が何であるか、というのは、最後まで行き着く前にだいたいあたりが付きました…そういう意味では「3人」の共犯による殺人事件だったってことで、よく似た構造のサスペンスドラマを昔々に読んだような記憶があります。 周りの人物の創り込み具合、時代を行きつ戻りつする物語の進め方がとても心地よくて、読み始めたらあっという間に読み切ってしまいました。 柚月裕子さんの筆の力に、ただただ圧倒されている今日このごろです。

    4
    投稿日: 2020.01.13