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僕は、そして僕たちはどう生きるか
僕は、そして僕たちはどう生きるか
梨木香歩/理論社
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総合評価

197件)
4.2
77
53
30
7
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学校用の言葉と家庭用の言葉を使い分けるのは 確かに自分もやっていた。 スケールの小さなバイリンガルという表現が面白い。 14歳で一人暮らしはあまり現実的では無いと感じた。 親元を離れるのはあり得るが。 そうなってくると、難しい言葉を使いがちと言うのも 一人称で書く上のエクスキューズに思えてしまう。 刃物が好きな女としては、好きと言ったら 男の子だなと言うリアクションは不快に感じた。 男は泣かないという「プライド」の描写がしつこいのも引っかかる。 犬に噛まれたから犬が嫌いというのはごくたまに聞くが いまいち納得がいかない。 犬が人を噛むのは余程のことだ。噛まれた側に落ち度があったか、飼い主がよほど酷いかどちらかしかあり得ない。 戦争云々の言葉が出てき出してきな臭くなったが 突然のAVの話題にも驚いた。 犯罪物でも綿密な打ち合わせの上、女優に配慮して撮影するのがまともな監督だと聞いた事があるが。 普通にただの犯罪である。 コッコちゃんの話にもドン引き。 流石に何がどうなっても可愛いペットなら守らないのか。 全体的にまともな大人がいない。 少なくとも子供を守ろうとする大人は一人もいない。

    0
    投稿日: 2025.11.01
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    長く積読にしていた本。 これはどこかで聞いた話だけど、どんなに社交的な人でも、一人になる時間は必要だし、一方でどんなに一人が好きなひとでも、多少は人と関わる時間が必要ならしい。ただ、心地よいバランスが異なるだけ。 誰かといるから、不意に傷つくし傷つけるし、一人になりたくもなるけれど、群れるからこそ救われることもたくさんある。時に主張して、時に一人になって考えて、うまくバランスを取る方法を見つけていきたい。学んで考え続けることを続けていきたい。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    親子関係に問題があるか訳ではないが両親と離れて一人で暮らすコペル14歳が、染織り職人の叔父さんや旧友らと過ごす1日の中で「普通」について考える物語りだったと思います。近年よく耳にする多様性を淡々と語ったようで私個人は琴線に触れるようには思いませんでしたが、普通でない子が仲間外れにされる小学校、おかしなことをあたかも普通であるよう「思い込ませて洗脳するカルト集団、それが国家レベルになった戦争行為、など、少し大人びた主人公らが是非を考える様子が丁寧に描かれていたと思います。星2つ評価とさせていただきました。

    0
    投稿日: 2025.06.04
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    インジャの苦しみ、ユージンの苦しみを思うと胸が痛みます。私は人を傷つけながら生きてきたのではないかと考えさせられています。

    1
    投稿日: 2025.01.19
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    青春テーマの本探しにて。 うちが好きなのは大人が読んでおもしろい青春小説なのか。 たった一日の中で獲得する世界への気づき。外からのきっかけで見つけてくる内にいた自分。 そういう子どもたちがまぶしくてうらやましくて、うちにとっては「失われた青春」って感じなのかなあ。

    0
    投稿日: 2024.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルで手に取った作品だけど、すごい良かった。西の魔女が死んだも好きな作品だけど、相性がいいのかもしれない。 気づいたらどんどん変な方に行って、戦争が始まってた。第二次世界大戦から80年になろうとしてるけど、今も戦争は起こってるし終わりそうにもない。思考停止してはいけない、考えよう。 どう生きたいのか?と、考えるよりは どんな環境で過ごしたいのか?の方が考えやすいかもしれない。 私は、誰もが当たり前を享受できる環境。 性別で人種で差別されることがない、そんな環境を生きていきたい。 そのために、選挙に行くし、反戦の気持ちを持っていたい。 普通と思い込むことで大義名分を持ってしまう怖さを感じたし、誰しも経験あるよね。 普通ってなんだろうね?考えよう

    0
    投稿日: 2024.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    色々な現代にある問題が、 コペルの周囲や、友だちなど身近な存在の問題として語られ、コペルがそれらについて考えていく。 中心としては、集団の考えに個が押し潰されてしまう状況下(集団の圧力)に耐えきれず、そこから距離をおいてひとりでならざるをえなかったコペルの周囲の人たちの話。 徴兵制、性的搾取、学校での安易な屠殺教育、ジェンダー、環境汚染など身近な問題からコペルは考えていく。そのなかで、自分が向き合えなかった問題に向き合い、自分の弱さを知る。 最後はやっぱり人には人(群れ)が必要なのだと思うにいたり、群れの温かさを必要としている人を受け入れられる人でありたいという思いで締め括られている。 感想 コペルや友人のユージンは中学生のはずだが、しゃべり方や思考の仕方が高い次元すぎてびっくりする!もちろん物語の中なんだけど! 最近よくニュースでも聞く問題が多く、身近に感じられる内容も多かった。ニュースで聞いているだけだと、その問題の表面しかわからないが、この本では、その渦中にいる人がぞくぞくとでてくるので、もし自分だったらどうするか、周囲にそういう人がいたら自分はどういう行動がとれるのかという視点でも考えることができた。

    3
    投稿日: 2023.10.16
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    良くも悪くも,人は一人では生きられない。近くで,遠くで,あるいは直接ではなくても誰かと関わりながら生きている。でも,その距離や相手を選ぶのは自分。どう生きるかは,自分がどんな関わり方を選ぶか,なのかもしれません。

    1
    投稿日: 2023.07.25
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    土壌生物、自然破壊、軍隊、戦争、性的搾取、同調圧力、ジェンダー、etc. 問題を感じる時、必要なのは考えること、向き合うこと。 私はユージンと似た所があり、言葉を飲み込む事がある。 ショウコの 『傷ついていないふりをしているのはかっこいいことでも強いことでもないよ。あんたが踏んでんのは私の足で、痛いんだ、早く外してくれ、って言わなきゃ』 の言葉にはそうだなぁと深く頷いた。 インジャの身の上話は唐突だったし、テーマが盛り込まれ過ぎて、何が深く心に残ったかよくわからなくなってしまったが、 生き方の道標みたいなものを思い出したい時に良い本かもしれない。 コペルの最後の言葉で表現される 『けれど、そういう「群れの体温」みたいなものを必要としている人に、いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は考え続けて、生きていく。 やあ。 よかったら、ここにおいでよ。 気に入ったら、 ここが君の席だよ。』 素敵な生き方。 君も充分ヒーローだよ。

    0
    投稿日: 2023.05.15
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    2007年から2009年にかけて掲載された本書は震災やコロナ禍を経てもその問題意識が古びることがない普遍性を持っている。 思考停止しないことの大切さ、 集団で生きるしかない人間どおしの思いやり、 まごころ、素直さの大事さを改めて考えた。 ユージンの家のマップを写真付きで作りたくなった。 植物の描写が豊富で興味が湧いた。

    2
    投稿日: 2021.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学生のコペル、叔父と一緒に野草をとりに、ユージンの家を訪れる。 かつて子供の頃、何度も訪れたユージンの家。 広大な庭に広がる草木とのふれあい、不登校になったユージンに、そのわけを聞ける勇気もなく核心には触れずに接する二人。 ユージンの従姉妹のショウコも加わって、食べられる野草を探し、料理して食べる。 ショウコが話してくれたのは、この庭に人生に休憩を必要として一人でキャンプしている傷ついたインジャの存在。 迫害されたユダヤ人たちの過去と、自分が当事者だったとき集団の正義に目をくらましていたかもしれないという不安。 ユージンが不登校になるきっかけになった出来事。 教師がかざした教育の間違い。 嫌だと思ったことには、声をあげなければならないということ。 生きる術。中学生、高校生になったら子供に勧めたい作品。

    0
    投稿日: 2021.11.28
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    人が悩んだり傷ついたりって、ほんとに本人しか感じない些細なことなんだろう。ユージンに取ったら些細なことではなかったけど、僕にとったら、え!あのことで!?ってなってた訳だから、人を傷つけたり泣かせたりしないで生きるって難しい。知らない虫の名前とか草木の名前が出てきて面白かった。

    0
    投稿日: 2021.06.26
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    たくさんの、本当に沢山の事を考えさせられる本やった。 『群れ』の恐ろしさ。でも、群れてないと生きていけない人間。 同調圧力。そして、無意識に圧力に押されて考える事をやめてしまう自分の心。 怖い。 きちんと、学んでおかないと、気付いたら戦争がおきてるかもしれない。おきてしまった後に気付いても遅すぎる。 きちんと、学ばなければ。

    2
    投稿日: 2021.03.28
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    1930年代に、若い読者へ向けて書かれた本書は吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」の15歳のコペル少年と錯覚してしまう。本作は、主人公・コペルが染織家の叔父ノボちゃんと共に疎遠になっていた親友・ユージンの庭によもぎを取りに行った一日のことが物語となっている。 そして、その一日を共有した人たちが、それぞれの心に秘めている想い、考えを通し、作者が私たちに生きていく上での環境、社会について問題定義をしている。 それは、弱いものを従わせる力。リーダーの存在意義。集団の中での無言の強制力などを戦争、性犯罪、環境保護などの社会問題を背景に、自分たちの立ち位置を常に考えるように、また考えて続けることの重要性に訴えかけている。 つまりは、人が生み出す力の方向性を常に個々人がしっかりとした信念を持ち、理解していなければ、環境は、社会は想定外の方向に進んでしまうということを認識すべきであるということである。 本作の中に主人公・コペルの友人であるユージンが小学生の時に、飼っていたニワトリを担任というリーダーの力、クラスという集団の力に屈して、自分の意とは異なる経験を強いられた回想のシーンがある。この時、経験が、ユージンの居場所を閉鎖してしまう。また、それを意識していなかったコペル自身も、この日、過去の自分を悔いることになり、自分居場所を考えることになる。 ユージンの従姉妹のショウコが参加していたボーイスカウトでの先輩が犯罪をうける。その先輩も、それから自分の居場所を、閉ざしてしまう。 それでも、人間は群れの中でないと生きていけない。時に群れから離れたいと感じこともある。が、いつでも受け入れてくる群れ、自分の存在を認めてくれる群れを作ることが大切なのである。 そのことを考える続けることが、大切なのである。 そして最後の言葉に繋がる「生きるために、群れは必要だ。強制や糾弾のない、許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。人が一人になることも了解してくれる、離れていくことも認めてくれる、けど、いつでも迎えてくれる、そんな『いい加減』の群れ。…『群れの体温』みたいなものを必要としている人に、いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を自分につけるために、僕は、考え続けて、生きていく。 やあ。 よかったら、 ここにおいでよ。 気に入ったら、 ここが君の席だよ」 いつもとは異なる梨木香歩氏を感じる作品であった。 ここ以降は余談であるが、「ボーイスカウト」の起源には、びっくりした。「ボーイスカウト」は、野外での活動を通じ子供に自主性、協調性、社会性、貢献性、リーダーシップの育成を目的とした集団活動の重要性を掲げているイメージで、その起源が組織軍隊であるとは、考えても見なかった。 確かに、言われてみれば、カーキ色の制服や野外での活動、キャンプなど軍隊での生活に通じるものがある。では、なぜ、「スカウト」と言うのかと不思議に思い調べたところ、このスカウトという言葉も軍部本隊との連絡を取り合う偵察隊役を意味する軍隊用語のようで、スポーツの世界で使用される「スカウト」とは、かなり異にする起源があり、驚いた。

    30
    投稿日: 2020.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何かの問題を解決するという具体的な対象があるわけではない。登場人物がそれぞれの色を持ち、その人ならではの働きをする筋書のない物語。ただ田舎の自然の中で思い出を呼び起こしながら、遊んでいるだけのことだったように思う。インジャというキャラクターがどういう人か最後まで分からなかったなあ。群れることが大事だと最後に締めくくっている。僕も社会の中で群れが必要だ、仲良しさんを作っていいと背中を押してくれたストーリー。

    1
    投稿日: 2020.09.23
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    あまりにも申し訳ない気持ちになったとき、謝ることすらできないことがある、という、自分の子供の時の体験を思い出した。その体験は、ここで語られるような深刻なものでは全然なかったのだけど、つまり、子供の時の、普段忘れているような感情が想起される作用がこの本にはある、ということなんでしょう。 まっすぐに生きようとすると、この世界は時にとても生きづらい。 曲げるか。 気づかずに曲がるか。 曲げずに隠れるか。 相手を曲げるか。 自分を貫くか。 特に、子供から大人になるとき、これらどの道を通るのか、でずいぶん悩む(道は一つじゃないし単純じゃないのだけれど)。大人になった時、そのことを忘れ、鈍感になることでどれだけ子供を傷つけるか。あるいは、子供ならではの残酷さで、傷つけあうこともあると思う。 この本は、そういう只中にいる子供たちの物語。 自然が好きで思慮深い男の子。 不登校の友達。 竹を割ったような性格の女の子 隠れて暮らしている女の子。 飄々としたおじさん。 オーストラリア人の青年。 これらの人たちが偶然出会った午後の出来事が、これまでのわだかまりをそっと溶かすきっかけになる。 みずみずしい自然と、懐の広い大人たち、そして考え続ける子供たちが迎えるラストは、じんわりと温かい気持ちにさせてくれます。 追記:野趣あふれるおいしいご飯が、実は大きなエネルギーだったんじゃないか、とも思う。人間は食べるものから作られるからね!

    9
    投稿日: 2020.09.22
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    中学生の姪によいのではないかと取り寄せ、まず自分で読んでみたら、すごくよかった。どんどんキナ臭くなってくる国を憂いてた梨木さんが若者のために書いた小説。同調圧力に負けない、些細な違和感を大事に、寛容であろうとすること、大人になるために大切なことがぎゅっと詰まっていた。

    0
    投稿日: 2020.07.31
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    本を読んで感想を書くというのは思った以上に難しいことだと感じています。もちろん、感想を書きやすい作品というものもあります。その作品を読んで共感を強く抱いた時、そんな時は心のままに感想がすらっと出てきます。その一方で、書きにくい作品というものもあります。共感が得られるかどうかはもちろんのこと、それ以上に自身の理解が十分でないという自覚がある時、これは感想を書くこと自体辛い時間になります。そんな思いを抱くことになった初めての作品。「僕は、そして僕たちはどう生きるか」、そういう意味でも忘れられない作品になりました。 『世界って、そもそも物に名前を付けようとしたことから始まるんじゃないか。でもその前からも、名前なんて関係なしに世界はあったはずだよなあ、ふと声に出して呟いた』という主人公・コペル。そのあだ名はその呟きを聞きつけた叔父が『お、コペルニクス的「反」転回』と言ったところから付けられたものでした。大学で教鞭をとる病弱な母と、それに付き添う主夫である父、結果的に14歳で一人別居することになったコペル。この作品はそんなコペルと染織家である叔父のノボちゃんがゴールデンレトリバーのブラキ氏と共に、不登校になっている友人のユージンの家に出かけるところから物語は始まります。ユージンの従姉妹のショウコも交え、二階で見つけた『時局本草』という『スグ役に立つ薬用食用植物』を参考に庭の草を採取し、『葉っぱごはん』を作る過程が描かれます。非常に細かい草木の描写が強く印象に残る一方で、ストーリー自体はあまりに起伏のない、のどかとも言える展開に、この作品は一体なんなのだろうか?と途中で集中力が途切れそうになりました。 ところが後半に入って、そもそもこの作品の本題はそんなところには全くないんだということかはっきりしてきます。油断の読書に唐突に降りかかる『万が一、徴兵制度が復活するようになったら』『ヒトラー・ユーゲント、って、ナチス青年団?』『こういうのって、つまり、全体主義の「初めの一歩」なんだろう』というようなこれが14歳の日常会話なのかという圧倒的な違和感が次から次へと襲ってくる中、『人間は、どうしたって、群れの動物なんだ。群れから遠ざかることはできても、全くの一人で暮らしていくなんてできないんだ』ということが繰り返し繰り返し語られていきます。14歳の会話の中に圧倒的なまでの説得力を持って語られる人間の本質を問う展開に、逆に本を前にして一人取り残されるような強烈な不安感が襲ってきました。そもそもこんなありえないほどの重さをもった展開は全くの想定外だったこともあり、息苦しささえ感じました。 言葉にできないという立場は弱いものです。言葉は力を持つが故に、そのこと自体に自分としては正しいとは思わなくても、自分がそれを否定する言葉を持てないために付き従ってしまう。こういうことって日常生活の場面でもよくあるように思います。『日本人として、日本のために何ができるのか?』このように問われた時になんと答えるでしょうか。その言葉自体は間違っていないでしょう。その国に暮らす者が、その国のために何かすべきというのは全くもって正しいことなのだと思います。でも、そこで言葉を持たなければ悲しい歴史は繰り返されます。でも、上手く答えられなければ大勢の声に飲み込まれざるを得ません。社会には色々な集団がつくられます。そして、その中でのルールが作られます。その時に言葉を持たなければ、これはもうその大勢に従うしかありません。個と集団、このバランス、人間として生を受けた以上、このバランスをどう捉えていくか、普段、時間をとって考えることもない問題ですが、実は日々の生活の中でこのバランスをとる日々を我々は無意識のうちに送っているのだと思います。思いもよらず、そういったことをど真ん中に捉えた作品に出会って、逆に戸惑っている自分がいます。 『命は本来、その命を呑み込む力のある別の生命力によって奪われるもの』『泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから』というような今まで見たことも、聞いたこともないような視点からの言葉が次から次へと投げかけられるこの作品。巻末の参考図書に並ぶ『学徒出陣』『兵役拒否』『教育勅語』などの言葉の重さが、梨木さんのこの作品執筆への強い思いを感じさせます。 ということで、冒頭に書いた通り、残念ながら私にはこの読書だけではとても整理をつけることができない圧倒的なインパクトを受けたこの作品。もっと読む力をつけて再読したい、そう感じた初めての作品になりました。

    28
    投稿日: 2020.04.24
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    君たちはどう生きるか、という戦時中に書かれた自身の生き方を考えることに主題を置いた名著(ただし、結果として戦争を止めることはできず、それは後世の話かもしれないが)を受けて、その主人公にちなんだコペルと呼ばれる少年が登校拒否の友人であるユージンに会いにいくことに。様々な、もやもやを抱えて生きている少年たち、そのもやもやは言葉で説明できることではまだなくて、そして語彙だけでなく経験からも完全に定義できないものでもあり、そうしたことをより理解しようと近づいていく行為こそが、人生を彩る。ただただ大人になるだけなんて、本当に不幸だ。興味や好奇心とは、人を大きく大きくしてくれる。ゴールがどこにあるかはとにかく、自身の開かれた感性は、決して閉じてはいけない。そんなことを思った。 出来事は、衝撃のAVに出演してしまい、大きくというか壊滅的に傷つき、墓場というアクチュアルな死に場所にいたいという思いを持ったインジャと呼ばれる女の子との接触から大きく動き始める。コペルは、ユージンたちと一緒に、料理を作ったり、会話をしながら、かれらにとってとびきりの冒険の一日が少しずつ過ぎていく。群れの大切さ、心の拠り所としてのサードプレイスの大切さ、そして自分なりの生き方の定義、強く強く、前に進もうというメッセージ。自分のこととして、生き方を集団の中で、群れの中で感じ、そして希望を持つ子供たちから大人への成長の大きな一歩を描いている。

    0
    投稿日: 2019.11.05
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    うこぎご飯はまじで美味しい。 うこぎは天ぷらも美味い。 私もコペルくん程ではないにしても、相手の気持ちを読んだり、色々考えるすぎる人間なので、言葉にできない生きにくさを子供の時から感じてた。 だから、自分に子どもが生まれた時、我が子にはこういう繊細な子になってほしくない、もっとイージーに生きてってほしいと思っていた。 でも、この本読んでその考え方は変わった。 世の中がこれからどうなるか分からない中で、考える力を持たないことはすごくか弱いことだ。 この本読んで、命が大切にされる世の中になってほしい、そうしなきゃ、という気持ちに行き着きました。

    2
    投稿日: 2019.04.20
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    苦くて消化しきれない草を飲み込まされたような感じ。 だけど、それを抱えたまま熱をもって群れて生きていかねばならないと思わされた

    0
    投稿日: 2018.12.29
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    言いたいことは沢山あるけど、まず最初に感嘆したのは人物描写の豊かさ。ちょっとした会話の間や視線の動かし方、とりとめもな(いように描かれてるけどきちんと読者に効果的に伝わるようおそらく計算されている)く展開し連鎖する人間的思考、それら全てが事細かく表現されているけれど全くくどく感じない、絶妙なバランスによって登場人物たち(会話や回想にしか登場しない母親たちでさえ)に"生身"を与えている。 だからこそこの本の主題が"生きる"。なんでもない「普通の」男子中学生の一日(この分厚さで一日!)を何気なく描いているだけなのに、彼に(そして彼らに)舞い込んでくる"精神的主題"の多いこと多いこと!でもそれら"主題"を問題別として扱うわけでもなく、だからといって一緒くたにするわけでもなく、うまい具合に帰結させて「どう生きるか」に繋げる鮮やかな手腕は天晴!の一言。 考えてみれば我々が生きる今だってきっと同じように怒涛の毎日のはずで、それでも昨日と今日と明日で特になにも感じないのは、コペル風に言うと「自分の意識すら誤魔化すほどずる賢いから」に相違ないだろう。そういうスキルはもちろん悪ではないし、集団の中では円滑油になる、むしろ人を生きやすくするものだ。けれど確かに、他人を(もしかすると自分も)容易く踏みつけ傷つけるものでもあるだろう。だからコペルが最終的に結論を出したように、我々は常に「どう生きるか」考え続けて生きていかなければならないんだ、と強く思った。 参考文献の多さからも感じたけど、本当に考えて、考え抜かれて産まれた本だと思う。一応子供向け(なのかな?)みたいだけど、大人にも是非読んでほしい一冊だった。梨木香歩さんほんと好きだわ、、、

    5
    投稿日: 2018.11.28
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    2015.5/7 梨木さんのエッセイを何冊か読んでいると、私たちを取り巻く世界や日本の政治、経済、環境などあらゆる現状にゆっくり咀嚼した言葉で警鐘を鳴らしている。本作品はその物語版か。エッセイだと直接的になり拒絶する人もいるかもしれないので、物語になり少年の思いや語りでより多くの人の胸に沁みてくれたらと願う。なにしろ先日のわが市議会議員選挙の20代の投票率が20%、全体でも40%ちょっとなんていう危機的状況ですから...

    1
    投稿日: 2018.01.09
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    「僕は、そして僕たちはどう生きるか」梨木香歩著、理論社、2011.04. 280p¥1,680C0093(2017.12.15読了)(2017.12.13拝借) 【目次】 1~13 インジャの身の上に起こったこと 14~26 参考文献(抜粋) 「君たちはどう生きるか」吉野源三郎著・脇田和絵、岩波文庫、1982.11.16 『ミミズと土』チャールズ・ダーウィン著、平凡社 ☆関連図書(既読) 「西の魔女が死んだ」梨木香歩著、楡出版、1994.04.19 「丹生都比売(におつひめ)」梨木香歩著、原生林、1995.11.20 「エンジェル エンジェル エンジェル」梨木香歩著、原生林、1996.04.20 「からくりからくさ」梨木香歩著、新潮社、1999.05.01 「りかさん」梨木香歩著、新潮文庫、2003.07.01 「家守綺譚」梨木香歩著、新潮社、2004.01.30 「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩著、角川書店、2004.04.30 「沼地のある森を抜けて」梨木香歩著、新潮社、2005.08.30 「f植物園の巣穴」梨木香歩著、朝日新聞出版、2009.05.30 「ピスタチオ」梨木香歩著、筑摩書房、2010.10.10 「ある小さなスズメの記録」クレア・キップス著・梨木香歩訳、文芸春秋、2010.11.10 「春になったら莓を摘みに」梨木香歩著、新潮社、2002.02.25 「ぐるりのこと」梨木香歩著、新潮社、2004.12.25 「水辺にて」梨木香歩著、筑摩書房、2006.11.20 「『秘密の花園』ノート」梨木香歩著、岩波ブックレット、2010.01.08 「渡りの足跡」梨木香歩著、新潮社、2010.04.30 「不思議な羅針盤」梨木香歩著、文化学園文化出版局、2010.12.26 (「BOOK」データベースより)amazon やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

    1
    投稿日: 2017.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人がいかに簡単に周囲に流されるか、ということ。 この物語の中に、流れに流されたくなくて一人になることを選んだ三人が出てくる。 戦時中徴兵されることを肯じなかった人。 命の授業という名目で自分のかわいがっていた鶏を絞めて食べることを強制された少年。 心ならずもAVに出ることになってしまった少女。 もう一度、書く。人はいかに簡単に周りの圧力に抗しきれなくなるものなのか。その結果を受け止められなくなったとき、いったん群れから離れて一人で生きることを選んだ。 一緒に命の授業を受けていて、ペットを殺されることになる友達の気持ちに気づけなかったコペルが述懐する。「何かがおかしい」って「違和感」を覚える力、ひっかりに意識のスポットライトを当てる力が、なかったんだ。 この表現は本当に的を得ている。 そして、さらにこの小説の深いところ(梨木果歩のすごいところ)は、同じ教室にいたコペル君が自分の行動、感情を洞察するところ。友達の気持ちに気づいていなかったのではなく、気づいていてそれをごまかしていたというところまで省察するところだ。

    4
    投稿日: 2017.11.17
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    中学校でブックトーク。地味に見える本なので、なかなか手にとってもらえないけど、西の魔女…といっしょに紹介した。/辻塚

    0
    投稿日: 2017.09.17
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    ものすごく、重たいテーマの話でした。 私も、「軍隊で生きていける」「愛すべきやつ」の一人なのだろう。 少しの違和感があっても、社会的な、そして多数決の持つ正義という「正しさ」の前に、自分を誤魔化し、守り、「正しさ」を刷り込んで、卑怯に、あたかも善人の様に生きていくのだろう。 心が痛すぎる、一生気づかない方が完全な利己主義な考え方として、幸せなのではないかと思うエピソードがいくつかあり、本当に難しいし、入り込んでいて、答えは無いと思う。 でも、考え続ける事が、ちゃんと向き合って、見ないふりをせずに、考え続ける事が何よりも大切なのだ。 僕は、そして僕たちはどう生きるか すごいテーマであり、全部読み終わったあと、この本を一番表している題名だと思いました。

    0
    投稿日: 2017.09.17
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    とってもメッセージ性の強い一冊だった。鶏の解体の場面はこっちまでむずむずなるような、納得のいかない気持ちが大きくなった。普段いろんな人の意見に流されている自分にとっては、考えさせられる作品だった。

    0
    投稿日: 2017.03.29
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    物語中盤まで油断してた〜 確かに、タイトルからして何か重いものを示唆していたのだけれど、内容は多感な14歳の僕の日常ぐらいのものかななんて気軽な気持ちで読んでたのだけれど、途中、インジャちゃんが登場した辺りから、あ、やっぱり重い、今回の梨木さんはいつも以上に強いメッセージを持っていて、だから私も気軽な気持ちで読んでいられないって思った。 崩してた足をきちんと揃えて、これは真剣に考えなくてはいけないなと。 性のこと、戦争のこと、そして生のこと、頭パンクしそう。 自分、だいぶいい歳の大人なのに、コペルやユージンやその周りの大人みたいに、自分の脳味噌でちゃんと考える習慣ないから、つい思考停止。大多数の意見が正義って思っちゃう。 そんな時、梨木さんが、ちゃんと考えて!って教えてくれる。答えじゃなくて、自分で考えて!って。クレバーなだけな作家ならいっぱいいるのに、こんなに信頼できる作家さんってあんまりいないと思う。作家としてというより、人として尊敬。この方のエッセイ読むといつも思う。 あと、登場人物皆魅力的だけどさ、ショウコが、ジェンダーレスな女の子ってのが所々効いてる。この子だから語れる今、なんだよね。

    1
    投稿日: 2017.02.26
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    私個人の少年期を振り返ると、群れるより一人で居るほうが楽で、本作のメッセージとはリンクしなかった。ただ、群れることで息ができなくなるような、考えることをやめてしまうような感覚はうまく描かれて居ると思う。 AVの話しは要らなかったと思う。鶏解体の話しで十分重い。話しを盛り込み過ぎで、消化出来なかった。

    0
    投稿日: 2017.01.04
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    梨木香歩は、新しいのに古典のようなお話を書ける、素敵な作家さん。みんななかなか口に出せないような(そんなことないのか!?)、青臭いテーマを、正面から堂々と取り上げる。。。これも、そういう作品でした。 影像が頭に思い浮かぶような、描写も素敵でした。 ただ1つ、ボーイスカウトのことが、女の子がやってるからとガールスカウトと書いてあることだけが違和感。お話の1つの中核にもなってるので、残念。

    0
    投稿日: 2016.11.12
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    植物と、それを食べることへの視線が真摯で優しい作品が多いけれど、今回もそれが遺憾なく発揮された作品。山菜が美味しそう。 大勢に流されることの安易さと残酷さ、その中で自分の意志を貫くことの難しさと尊さを描いていて、身につまされる部分が大きい。 ただ、これからのことを考える作品だから仕方ないのだろうけど、なんとなく尻切れとんぼ感があるのが残念。

    1
    投稿日: 2016.05.21
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    × perho 本は必要なときに出会えると、誰かが言ってたとおもうけど、この本にはそういうふうに出会いました。 コペルくんみたいに素直に、謙虚に生きていけるよう、がんばろう。 なんとなく、傷つきたくなくて考えるということを避けてきたことが、やさしい言葉でまっすぐ伝わってきて、このままでいていいの?と問いかけられたという気がします。 これから何度も読み返す、大事な本になりそうです。

    1
    投稿日: 2016.04.22
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    梨木香歩さんは私にとってちょっと特別な作家。 今回もこの本を読んで、いろいろ考えさせられて、こうして感想を書くにも言葉がうまくでてこない。

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    投稿日: 2016.04.01
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    コペル君のような子が自然体でいられる世の中だといいな、と思う。 私はノボちゃんのような大人でいたい。

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    投稿日: 2016.01.10
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    生活スタイルが個人的にすごく好き! 植物とか食とかの、その視線が好き。 そんな理由で登場人物が好きになっちゃう! でもそんな彼らは、悩みがあるんだけど ぜんぜん年相応じゃなく、僕からすると オトナな悩みだし、尊敬の眼差しで本を読んじゃった。 なんか群れみたいなの嫌いだったんだけど 適切な?群れだったりしたら、いいかも って思えたりするんだよね。

    0
    投稿日: 2015.12.13
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    自分で考えること。 そして、自分で考えることをやめないこと。 そして、行動すること。 そして、忘れないこと。 そんなことが書かれていたような気がします。 忘れちゃうからな、自分は... 身近な本棚において、時々本のタイトルを見ることで、今度は忘れないようにしよう。

    0
    投稿日: 2015.10.09
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    考えさせられる本だった。 そのわりに読みやすい本だと思う。 群れの中で生きるとは、 普通って何? 集団心理って恐い。 魂を殺す、殺される。 私たちはどう生きるのか・・・考えさせられる。 「泣いたら、だめだ。  考え続けられなくなるから。」 という言葉が印象的。 どういきるのか!自分と向き合っていかなくては!

    0
    投稿日: 2015.07.30
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    引き返せない大きなうねりの中で「どう生きるか」 集団の恐さ 安易さの愚かさ 想像力の欠如 「当たり前」は本当に当たり前なのか? 集団の力に流されそうになっていないか? 「みんなそう思っている」の「みんな」は誰なのか? 自分の頭で考えなければいけない。 考えないと安易なほうに、集団のベクトルに、ただただ流されてしまう。そして知らず知らずのうちに誰かを容赦なく追いつめたり傷つけたりしてしまう。それすらも想像できないままに。想像できても抗えないままに。 10代の時に出会いたかったな。 でも大人になってからも同じ。 考え続けなければいけないんだ。

    3
    投稿日: 2015.06.27
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    主人公コペルのたった1日の出来事なのに、いろいろなものが詰め込まれていて、考えさせられる話だった。自然破壊、「普通」、未成年を騙すAV監督、「一人」を潰してしまう「大勢」、不登校、ボーイスカウト、兵役拒否…。

    0
    投稿日: 2015.06.26
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    2015.6.13 どう生きるか。なんとなく周りに合わせて、なんとなく日々を送るんじゃなくて、自分の頭と心で考えて生きることをしていく。10代でこの本を読んでいたら私はどう感じてどうしていただろうか。様々な生き方がある中で、こううい人生を送っているのは自分が選んでいるからで、もう少しいろんなことに真剣に心を入れたら自分の人生濃くなるんじゃないかなと思う。

    0
    投稿日: 2015.06.15
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    コペル君の周囲の人達は、なんて真っ当な人達なんだろう。そして、いろいろなことを真剣に受け止め、思いやる。どこか失われてしまった世界を見るようだった。梨木さんの優しさの原点と願いを見ました。

    0
    投稿日: 2015.06.02
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    タイトル通りの物語。どう生きるかということが書かれた作品。なんだか小難しいなぁという印象。多感な時期に読むとなんだか影響が大きそう。梨木作品はなんだか文章が硬質な感じがして私は少し苦手かも。2012/583

    1
    投稿日: 2015.04.16
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    タイトルの重さに反して、コペルくんの一人称はポップで読みやすい。 内容も重いことや難しいことを言っているけれど、登場人物たちが若いので、彼らとともにああでもないこうでもないと答えを模索していく感じで読み進められた。 私はこの本、もっと若く、それこそ中高生の頃に読んでおけばよかったなと思った。 そしたらきっとその頃の自分の考えをもっと深いものにしてくれたかもしれない。 今読むと振り返りに近い感覚。 でも忘れてたことを思い出させてもらえた。

    0
    投稿日: 2015.04.14
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    生きるための知識が詰まった本。すばらしい / "たった一人きりになって、初めて純粋に、僕はどう考えるのか、これからどう生きるのか、って考えられるようになった。そしたら、次に、じゃあ、僕たちは、って考えられたんだ"

    0
    投稿日: 2015.03.05
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    図書館で偶然見つけた本。最近読んだ本の中で、インパクトのあった本のひとつ。 自分が「あれ?」と思ったことをそのままにしないようにしようと思った。大切な友達、家族を傷つけないために。 そして、日本がこれからどうなるかわからないけど、自分が感じる違和感がちゃんと解消されると、いいなと説に思った。自分の大切な家族や友達が戦争にまきこまれませんように。

    0
    投稿日: 2014.08.15
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    まわりの「普通」に流されないで生きていく事 自分を見失わないように がんばっていた人、がんばっている人がいる コペルくんのある一日が平凡に過ぎるお話っぽいけど なかなか印象が強い内容でした いろんな人が出てきたなぁ ノボちゃんは、染色をやっている 安定した生活には結びつかないけど 「好きなことやってるんだから、それは覚悟の上さ。精神が安定していることの方が、いいんだ」 コペル君は いま、僕に必要なのは、気持ちをすっきりさせることじゃない。とにかく、「考え続ける」ことなんだ。 …泣いたらだめだって事。甘い自己憐憫に浸る心地よさなんか、いらない…そんな自分でありたい

    1
    投稿日: 2014.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これまで梨木作品はその大半を読んできたけれど、この作品はこれまでの作品とはどこか一線を画している印象です。  梨木さんは常に現代社会にある種の不安、危うさのようなものを感じ、それをどちらかというと刺激は強すぎず、でも心にはずっしりと残る文体、語彙で語りかけるタイプの作家だと KiKi は思っていたのですが、この作品ではそんな確信犯的に自ら纏い続けてきたオブラートをばっさりと脱ぎ捨て、ある種の意志表明をした・・・・・そんな印象です。 タイトルからして吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」を念頭に書いた作品であることが容易に察せられるのですが、主人公の名前(呼び名)も同じコペル。  でも2人のコペルの生きた時代の違いはエピソードの数々から明らかです。  その時代の違いが「生きる」ことに対する姿勢の安易さや、欺瞞の数々の1つの要因なのかもしれません。 14歳の少年の1日の出来事の割には重いテーマが満載・・・・なのですが、逆に言えばある種の「気づき」が、そしてその気づきに誘発された「思考」が、それまで他人事、どこか自分とは関係ない世界の出来事として見聞きしつつも無視してきたようなことにあらためて真剣に目を向けてきた、その証だったのかもしれません。  とは思うのですが、このコペル君。  どこか不自然な気がするのは気のせいでしょうか??  言い訳のように「子供らしくない子」であることを、そう言われていることを自覚している子であるというのも、う~ん・・・・・。 まず、土壌研究を趣味とするコペル君と草木染作家のおじさん、さらには小学校時代の親友だったユウジン君のおばあちゃんの自然保護運動(と、こんな安易な言葉で語るようなものではないけれど)あたりのエピソードではサラリと環境問題を語ります。  でもそれはこの物語のメインテーマではなく、もっと重いものがこの後続々と出てくるんです。 戦時中に兵役を逃れ山に隠れ住んでいた米谷さんのエピソードでは「個と集団」に関する1つの視座を、ユウジン君が小学生時代に可愛がっていたコッコちゃんのエピソードでは教育問題と米谷さんエピソードに通じる「個と集団」に関するポイントを。  そしてコッコちゃんエピソードとユウジン君ちの敷地の片隅に隠れ住んでいたインジャのエピソードでは「耳触りの良い言葉に隠された悪意」を・・・・と、アプローチこそ異なれど KiKi が日頃から感じていたある種のこの社会の危うさをこれでもかっていうぐらいストレートに語り始めます。 個人的にはこの物語にある種の共感を覚えたのもまた事実なのですが、正直なところ「よい読後感だった」とは言い難い、それこそ何かひっかかりのようなものを感じるんですよね。  何ていうか、エピソードの1つ1つにある種の作為的なもの、もっと言えば作者の結論が先にありきで、それを無理やり14歳のコペル君の悩みの中で納得させていくかのような性急さのようなもの・・・・・を感じてしまいました。  もちろん、梨木さんがこれらのエピソードと同種のものに接し、こう考えた・・・・という真摯な思考プロセスの末に書いた物語だったのかもしれないとは思うんです。  でも・・・・・・。 何故、これを14歳の少年の思考として描いたのか?さえどこかぼけてしまっているような・・・・・。  これは特にインジャのエピソードがどこか全体から浮いてしまっていることによるものもあるかもしれません。  そしてその部分に関しては、梨木さんの怒りの感情があまりにも剥き出しになっているが故に「コペルらしさ」が感じられないのかもしれません。 ただ、1つ強烈に共感できるのは 「泣いたら、だめだ。  考え続けられなくなるから。」 と言う言葉でした。  これ、KiKi も時々感じるんですよ。  泣く、感動する、笑うってとっても大切な感情だし、そこから得られるものも数多くあるわけだけど、時に、それは自己憐憫やら自己満足、さらには自己陶酔に通じるものがあって「泣けた、感動できた、笑えた自分に満足して、それで終わり」というようなところがあるのも又事実だと思うんですよね。  で、せっかく掴みかけた思考のきっかけを棚上げしちゃうような・・・・・。 多くの日本人は自分は「弱い立場」にいると、ある種手前勝手に考えています。  自分から「私は強い立場の人間です。」な~んていう風に考えているのは、権力の近く(国家権力とか会社の役員とか)にいる人ぐらいでしょう。  そしてどこかで「弱い立場≒善人」と思い込んでいるようなところもあるような気がします。  多くの場合、それはその通りだったりもするでしょう。  でも、集団の中に埋もれた時、「自分よりさらに弱い立場の人を振り返らない傾向がある」のも又事実。  安全な所に自分の身を置いた安心感も手伝い、「みんなもこれでいいんだから、間違っている筈がない」と思考停止に陥る可能性も高い。  この物語はそんなことに対する1つの警鐘にはなっていると感じました。   全体としては、「自分の言葉で考えようよ。  表向き綺麗そうな言葉を鵜呑みにするのはやめようよ。  協調することは人が社会で生きていくうえで大切なことだけど、それを大切にするあまり、思考停止に陥らないように気をつけようよ。  そして、自分の想いに囚われどこか協調性を失っているように見える人を排除するのはやめようよ。」というようなことが言いたい物語なんじゃないかと思うんだけど、そしてその主張にはすこぶる共感する KiKi なんだけど、でも、やっぱりどこか居心地が悪い・・・・・・。  これ、図星をつかれたから・・・・なのかな?  それもあるかもしれないけれど、それだけじゃないような気もする・・・・・。  う~ん、うまく纏まりません。 何となく、何となく・・・・ではあるけれど、本全体から梨木さんの焦りのようなものが発散されているようで、どこか「らしくない」と感じ、落ち着かない気分の KiKi なのです。

    1
    投稿日: 2014.08.03
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    みんな抵抗しているんだ。 ちっぽけな抵抗かもしれないけど、精一杯の抵抗を。 そうしないと、何事もなかったかのように時間は流れて言ってしまうから。 忘れ去られてしまうから。 でも、一人は辛いんだよ。 一緒に抵抗してとは言わない、ただ、それを知っていてくれる人がほしい。 「安易」なのは、とても怖いことですね。 私は多分油断していたのでしょう。 とてつもないパンチを食らった感じです。 吐きそうなぐらい、重いパンチを。

    0
    投稿日: 2014.08.02
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    レビュー評価は高かったのですが、私は行間を読むのが苦手なので、この作品はダメでした! 主人公の14才のコペル君は一人暮らし。 そしてお友だちのユージンくんも一人暮らしの上に不登校 この時点で設定に無理矢理感が有りすぎて。。。 叔父さんのノボちゃんは子供っぽい染色家 とんがった物言いのショウコさん 穏やかな植物や動物に囲まれたお話なのかと思いきや、レイプや教育問題など種々詰まっている 梨木さんの怒りを現した作品でしょうか?

    0
    投稿日: 2014.06.27
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    「泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから。」 主人公は14歳の少年、コペル君。 彼の何でもない、でも、特別な一日の物語。 母親の勤務先が遠方になったのをきっかけに一人と一匹暮らしをしているコペル君。 その友人のユージン(優人)も両親の離婚をきっかけに一人暮らしだ。 ユージンは、ある時から学校に来なくなった。 その時から、コペル君とユージンも以前のような交流はなくなっていた。 叔父ののぼちゃんのヨモギ探しをきっかけに、訪れたユージンの庭。 ここは、彼の亡き祖母が守ってきた庭だ。 この庭で、偶然?集ったショーコたちと、野草を採り、調理して食べたり、虫を通して土壌調査をしたり、あの日の事を思い出したり…。 最初は、いつもの梨木さんだなぁと思いながら、ゆったり読んでいたら、インジャの登場からガラリと雰囲気が変わってドキリとする。 緑あふれる森で和んでいたのに、いきなり見たこともない毒々しいヘビが出てきたような…。 セックスに関する事だったからというのもあるけれど、そこに書かれてあったことは本当に痛ましくて、許せないと思った。 また、ユージンが学校に来なくなった理由も、読んでいて苦しい。 ボーイスカウトと軍隊のこと。 良心的兵役拒否のこと。 土壌生物たちの世界。 個と群れのこと。 コッコちゃんのこと。 おばあちゃんの庭で、たくさんの事が語られる。 考えろ、考えろ、考えろ…とずーっと強いメッセージが送られてきている感じ。 と、共に如何に自分が考えてないか…と痛感する。 その方が楽だから。 自分の心を潰さないために、他人の心を潰さないように生きることに精一杯だから。 答えなんてないから。 でも、それでも、考えなきゃいけないんだなと強く感じた。 足を踏まれたら、痛いって言えるように。 「群れの体温」みたいなものを必要としている人に、いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を、自分につけるために。 やあ。 よかったら、ここにおいでよ。 気に入ったら、 ここが君の席だよ。

    0
    投稿日: 2014.05.16
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    コペルくん 14歳 国籍=日本 種=ヒト 物語の流れ的には、たった一日の話。それでいて、過去、未来についても。 人が心を開くとき、それに見合ったタイミングがあるんだろう。 そして、それは何気ない一日なのかもしれない。そして、後になっても、それがターニングポイントだったとすら気づけないかもしれない。でも、確実にこの一日は色んな人達にとって一つの節目に、分岐点になっただろう。 より良き方向への。 何事も起こらない日もたくさんあるのに、こんな風に色んなことを知ったり、自分の物事の見方がまるっきり変わってしまったり、根拠のない自信をもてなくなったりする。 戦争について、集団の心理について。 その時代にいたら、その場所にいたら…正しいと思えることを、成せるだろうか?私はちゃんと、これはおかしいよって言えるんだろうか、思えるんだろうか。 今の時代にもっと色んな人達に読んでほしいと思える本。

    0
    投稿日: 2014.05.15
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    私は私の確固とした考えを持っている、……はずなのに 時として大勢の意見に流される。 大勢の人に「これが正しいんだよ」と言われたら 嫌だと思っているのにYESと言ってしまうんだろう。 考えさせてくれる本だった。

    0
    投稿日: 2014.05.14
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    読み始めは梨木版「夏の庭」程度にしか思ってなかったのだが中盤から内容は激変…梨木さんが強烈に怒っているのがビシビシと伝わってくる。そう児童書の枠をはるかに超えたいじめ、性的虐待、教育など秩序乱れた社会への痛烈なメッセージ本。なりふり構わずペンを走らせたという表現が妥当であろう。 ユージンのこと、インジャのこと、米谷のこと、そして本作のテーマでもある「生きる」ということについて語るコペルの言葉が重く深くのしかかる。 ラストの穏やかな纏めかたに少しホッとするのだがこの本の投げ掛けたものについては深く考える必要がありそうだ。再読必至

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    投稿日: 2014.04.07
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    私の心の奥底にある、泣きたいポイントをついてくるような本でした。誰もが感じる、他人との分かり合えない感情の壁、でも誰もがくだらないことだと自分に言い聞かせて見ない振りをしている。 -あのとき、僕らが「つぶした」のは、単なるニワトリ一羽だけじゃない。ユージンの「心」も一緒に「つぶした」- 私たちの日常にはそんなことが転がっている、気付かずに誰かの魂を殺している、もしくは誰かに殺されている。

    0
    投稿日: 2014.03.17
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    これだったんだ。 そう思った。 どこまで、どれほど日々のなかでとことん突き詰められるか。 見て、聞いて、かならず何かを感じているのに、うやむやに、なんとなくいやだな。これはなんかいいかもしれない。そんな程度で済ませてしまっている。 ユージンは、世間から、現代から半ば切り離した(けれど完全には離れていない)場所で、時間をかけて考えて考えた。 いそがしいから? だからここまで考えられないのだろうか。違う。そこにつぎ込むエネルギーを捻出できない集中力のなさ、真剣味の欠落。考えなければ、巻き込まれる――その不安の欠如。 空気で、雰囲気で伝える――そんな曖昧さに一石どころか巨岩を投じた一作。

    1
    投稿日: 2014.03.08
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    最近手に取った本たちは 面白くて、 軽い作品でした。 それにコシがないんだった、と気づかされたのが 久々の梨木さんでした。 とても勿体無い。 一言一句きちんと読もうとする感覚が 前面に自分の心から走り出そうとするので とても時間がかかります。 言葉にもいろいろあると思っていて。 梨木さんは完全に 「和食」 なおかつ「割烹」 それはそれは、 さりげない品性が文章から 出汁のようににじんでくる。 言葉の選択には時に難解なものや、 驚くほど簡素なものがあって、 その組み合わせで、 違和感なく世界を見せてくれる。 そして、見せてくれる世界に泣けた。 避けていること、 見ないようにしていること、 それをきちんと考えないと、 梨木さんが作る話に 想像が付いていかないから。

    0
    投稿日: 2014.03.07
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    梨木さんの小説は「西の魔女が死んだ」以来、2冊目です。 この本の主人公は14歳の少年。男の子だけど中学生だし、土と植物に触れる暮らし、手を動かして食べ物を作るところ、など、共通したテイストを感じました。 ただ、こちらのほうが、個を超えている感じ。2011年の4月に刊行されたようですが、今のご時世を予感していたかのように読めました。ふだん気づいてない(または無視してる)心の中のざわざわするものを刺激されて、読後も考え続けてしまいます。

    1
    投稿日: 2014.01.28
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    バクシーシ山下氏の例の本とともに読了。 ともに理論社。 特定秘密保護法案が可決された今、身につまされる思いで読む。 わたしもコペルくんと同じタイプ。いやもっとだめだめだけれど。

    2
    投稿日: 2013.12.15
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    未読なので確かなことは言えないのだが、本書は巻末の参考文献にある吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波書店)に強く触発されて書かれたのではないだろうか。いつもの梨木香歩の物語に比べると、メッセージ性が直接的に過ぎるように思われる。14歳の「僕」の一人称体で、たった1日の出来事(回想はあるが)として語られるのだが、「群れから離れて生きる」ことと、「温かい絆の群れ」といった二律背反を巡るテーマの追求が、あの梨木流の魂が震えるような物語になるには、さらなる醸成が必要だったのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2013.09.24
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    男子目線って梨木香歩にとって初めてではないだろうか。植物、動物への造詣はいつも通りだったが、なにか新鮮なものを感じた。権力とは同調圧力を巧みに使う。なにより重要なのは良心の問題とその守り方、発揮の仕方。色々な時事問題はほぼ分かる形だったが、こういう扱い方としては珍しく空振りしていなかったと思う。

    1
    投稿日: 2013.09.18
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    14歳の少年による、ある休日の記録。 自然や植物の豊かな描写の中で、 「僕は、僕たちはどう生きるか」について考えられている。 梨木さんの書く少女も女性も青年もすてきですが、 中性的で落ち着いた表現だから、少年の主人公をいつか読んでみたいとおもっていたんです・・・ そして、自分の存在意義とか哲学的なこと考えるならやっぱり、少年でなければと、おもうし、 理想や正しさをいやらしさなく語れるのは、少年の特権な気がする。 そんな象徴的少年に、コペルとユージンはぴったりでした。 たくさんの問題提起があって、 梨木さんから『あなたはどう考えますか』と言われている気分。 流されて、その他大勢で生きることは楽だしとても安全で、 でもそれに甘んじていると、なにも考えなくなる。 考えなくなることは、一番、怖い。 わたしがいま、この作品から受け取ったメッセージは、 「考え続けなさい」ということ。 読む時々によって、いろんな読み方ができそう。

    6
    投稿日: 2013.09.15
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    梨木さんのエッセイを読み、彼女の思想が少しわかったところだったので、読んでいて梨木さんらしさが伝わってきた。 子どもに対して真面目に考えられる人だな。 「群れ」って確かにいいように働くときもあれば悪い方向へいく場合もある。 自分が大切なものを見失わないように生きていかなければと再認識した。 この本は中学生高校生の時に読んでいたい本。 本当にいいたいことを伝えるためにほかの内容はすごくシンプルに書いてあったような気がする。(内容自体は重いものもあったが。) 人間の基本的な性質みたいなものを書いてあり、時折読んでは気持ちをまっすぐに正していきたいと感じた。

    0
    投稿日: 2013.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間は社会性のある動物で、群れを構成して生きることを本能としている…んだけど、その群れの中で複雑なコミュニケーションを要する上に、複雑な感情を有するからややこしい。 全体主義とは、個人主義とはどういうものか。 登場人物たちは、自分たちや家族や知り合いの経験を通じてその部分を深く掘り下げて考えていく。その過程を読むことで俺自身もいろいろと深く考えさせられた。 群れの中でどう生きていくべきか、群れとどういう風にかかわっていくべきか、群れの中の各個人とどう関わるべきか、群れと違う考え方をする人をどう受け止めるか、自分が群れと違う考え方になったときどう受け止めるか、群れが自分を裏切った時どう対処するか… 考えるべきことはとても深くて多い。そんな課題を突き付けてくれる良書だと思う。

    1
    投稿日: 2013.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作者がどうしてこの本を書こうと思ったのかが知りたくなる作品だ。 作家によってはあとがきがあって、「なぜ、今これなのか」が分かりやすい場合もある。でも梨木さんはあとがきを書かない人だから、そこも読者の受け取り方によって違ってくるという遊びがある作家のように思う。 タイトルの通り、「僕は、そして僕たちはどう生きるか」がテーマだ。 人は時として、AじゃなくBが本当は正解だとしても、それを集団がAでよしとすればそれがあたかも正しいかのように主張する。 それをBだと主張する人間ははじかれるし、おかしいと判断されてしまう。 出る杭はうたれる。 それを、周りに流されずに自分が感じたアンサーを答え続けられる人が先駆者になったり、一握りの特別な人になっていくんだろう。 本にも書かれていたが、人は1人では生きていけない。 それは正しい思う。ただ、生まれてくる時も死ぬ時も人は1人だとも思う。 今の私にとっては、群れのなかでしか人が生きられないということは残酷な真実のように感じた。 追記:児童文学だけど大人向けの本だと思う!

    5
    投稿日: 2013.08.10
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     14歳の少年コペルと、その友人ユージン、そしてひとつ上のショウコとその先輩のインジャ。子供たちが少し大人になるために必要だったいちにちを描いた作品。  子供たちが、子供たちなりの考えで前に進もうとしているのがとても清々しい。

    0
    投稿日: 2013.08.08
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    答えが簡単に出ないことってたくさんある。生きるってそういうことの連続、積み重ね。だけど、答えを急かされる。「本当は違うんだけど」と思いつつ、大勢の意見に流される恐ろしさ。そのうちもともとの自分の考えが麻痺してわからなくなってしまう。 ときに唇を噛みしめ、涙を流してごつごつぶつかりながらも一瞬一瞬を一生懸命生きようと寄り添ってくれる(応援してくれる、とは少し違うように思う)本。

    1
    投稿日: 2013.07.31
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    13.5.17 一日で読んだ。思うことが多すぎて…ここには書かずに図式化することにする。ひとついえるのは、『雪と珊瑚と』は『僕は、そして僕たちはどう生きるか』の後に書かれた作品だということ。『雪と珊瑚と』を書くことは、梨木香歩自身にとっても、梨木香歩作品を継続して読んでいる読者にとっても、食べることや生きることについて肯定的な見方が少しでもあると示すのに、必要なことだったと思う。「肯定的」とか、安易には言いたくないが…。村瀬学先生の『「食べる」思想』を思い出す /11.09.18 図書館で予約

    0
    投稿日: 2013.05.17
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    ほのぼのホンワカしたお話かと思ってのんびり読んでたら、トラウマ級のネタが仕込まれてた。。。辛い。 北村薫の「盤上の敵」ほどじゃないけど、暗ーくどんよりとした気持ちになるので気軽に読む本じゃなかった。 暗く胸が痛むので明るい本を探しにいかねば。

    0
    投稿日: 2013.05.03
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    手元において、折に触れ読み返したい本。図書館で借りたが、いずれ購入したい。問題提起が盛りだくさん。これだけのテーマが一冊の本になり、きちんと収まっている。

    1
    投稿日: 2013.04.29
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    この本のコンセプトは結局、「人は一人じゃ生きていけない」っていう所にあるんでしょうか。 ユージンが不登校になったわけを今改めて知ってしまい葛藤するコペル。 んー、深いです。 そして途中にインジャが人を信じられなくなったショッキングな理由も書かれるのですがこれはあまり作品とは絡まなかったので拍子抜けでした。

    0
    投稿日: 2013.04.28
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    【内容】 「君たちはどう生きるか」吉野源三郎/岩波書店 由来の小説. 原作同様,14歳のコペル(原作を読んだ叔父がつけたあだ名)の素朴な視点を通じた等身大の人生論,につながる物語. 昆虫採集の矢先,叔父さんと親友宅へ媒染用のヨモギを摘みに向かう.実は,親友の優人は小5以来,登校拒否となっていて,距離ができていた. 叔父さんとヨモギ摘んだり,優人の従姉が加わって昼食を作ったり,オーストラリアで兵役していたマークが来てバーベキューをしたり.久しぶりに共に過ごすことで,少しずつ緊張が緩んでいく.昼食やボーイスカウト,徴兵やコペルの昆虫採集の理由,そして優人が登校拒否をしている理由など話題にすることは多種多様だが,根底にあるものは「僕は、そして僕達は、どう生きるか」についてだった. 【感想】 もっと前に読みたかった!特にコペルと同じ中学生の時に読んでいたかった... この小説の哲学はタイトル通り,「僕は(主体性をもって)、そして僕達は(群れとして)どう生きるか」. 私もコペル同様に,人の意見を鵜呑みにしてしまう性質で,個の弱さに目を背けている部分があり,1人こっそり行動することをしがちです.おそらく,ほとんどの日本人にとって,コペルの気持ちは「あるある」だと思います. 近年,マスメディアは疑いやすくなっていますが,口コミNo.1の金融・保険サービスやベストセラーの本,周囲の人の言動などなど,私にとって鵜呑みにしがちなものはまだまだ多いです.そんなとき,「意識のライトを当てて,自分の僅かな違和感を明らかにする」ことができれば,と思います. 「自分基準で『自分』をつくっていくんだ。他人の「普通」は、そこには関係ない」というフレーズとそのエピソードは特にショックでした... 個を確立させればそれでいいかというと,やはり人間は群れの生き物で.物語の最後,インジャが少し心を開くことによって「どんな群れが求められているか」コペルが確信し,その決意が気持ちよかったです.

    2
    投稿日: 2013.04.21
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    衝撃をうけて考えを纏められないまま最終ぺージまで進んでしまいました。落ち着いたらまた読み返そう...。自分で自分が信用ならなくなったコペルのその後はどうなるんだろう。 箱根八里は語感が好きで、それこそコペルたち位の時によく口ずさんでたのを思い出しました。

    0
    投稿日: 2013.04.01
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    一瞬ひっかかっても、 深く考えず流してしまう事を、 この本の登場人物は ずっと考え続けている。 私も「深く考えさせられた」とか「感動した」とか、曖昧な言葉で終わらせないで、 きちんと「思い」を言葉にする訓練をしなくては..... 読むと、自分のこれまでを振り返って 反省してしまいます でも、気づけてよかった 皆に読んでほしい一冊

    1
    投稿日: 2013.03.22
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    梨木さんのファンタジーの凛とした強さが大好きなのだけれど。これはなんと言うのだろう…一応はフィクションの形をとっているけど。 14歳のコペルくん、訳あって一人暮らし。叔父のノボちゃん(染色家)と材料採集のため、登校拒否中の友達 ユージンの家の庭に入らせてもらうことになり… 草木染め、野草摘み、カニムシなど微小な生き物たちなど、梨木さんらしい要素がふんだんに盛り込まれている。 スベリヒユのベーコン炒め、ウコギご飯、ヨモギ団子のところなんかわくわくしてしまう。 でもこの本のテーマはもっと重たくて、集団の心理だったり、自分の意見を言えなくなる恐ろしさだったりする。 ユージン宅の敷地内に隠れ住むインジャ、彼女にその場所を提供したショウコ。大人の巧妙な罠にかかり、追い詰められたインジャや、教師にのせられてしまう生徒の群れ、ペットとして可愛がってきたコッコちゃんを犠牲にしなければいけなかったユージン。 面白かった、とか感動した、という感想はないのだけれど読んで良かった。 それはおかしいと思ったとき、誰かが傷つけられそうになっているとき、私は集団心理に飲み込まれずにいられるだろうか。自分を持っていたい。

    11
    投稿日: 2013.03.19
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    コペルの考えを読みながら、こちらも考えさせられた、そんな感じだ。 個人と集団の関わりについて。 無意識に考えずにいることは、きっとたくさんあるのだろうな。 考え続ける14歳の登場人物たち、すごい。

    0
    投稿日: 2013.03.07
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    妙に重々しい題だ。 しかし、14歳の主人公は、常に真剣に「どう生きるか」考えている。 ご飯を食べたり、友人を思いやったり、友人を思いやる自分について考えてみたり。 その純粋さがいい。

    0
    投稿日: 2013.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学校へ行かなくなった子にはきちんと理由があって、 でもその理由を言ったところでどうにもならないから 「行かない」ということを続ける。 それは一見あきらめとも見えるけれど本当は別のものもあるんじゃないかと 思いながら読み進めた。 それはとても繊細なことで、でもそれがわからない担任が・・・。 言いたいけれど言えない、という状況は誰にでもある。 言えないような状況を作ってくる人もいる。 ** 一歩外にでれば大変なことがたくさんあって もし足を踏んでくる人がいれば「痛い」といえばいい。 踏んでる方は気がついていないかもしれない。 知ってて踏んでいてもちゃんと痛いと叫ぶ。 それでも踏むなら怒る。 それでも踏むならもう相手の抱えている問題で、こっちに非はない。 ** 非はないとわかっていても、じゃあその踏まれている足はどうすればいいのだ。 逃げたとして、逃げられたとしてもすっきりしないだろう。 そんなことを考えた。 とても深くて、いい一冊だった。

    5
    投稿日: 2013.02.19
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    色々考えさせられた。 自分は漠然と「善人」の側の人間だと思っていたけれど、本当はそうではないのかもしれない。主人公はそれを十四歳で気づいたけれど、私は最近まで疑いもしなかった。 コッコちゃんの話は痛すぎて、ユージンの気持ちを想像するとつらかった。 「いのちの授業」について私がもやもやと思っていたことをお母さんがきっぱりと言葉にしてくれていてすっきりした。

    2
    投稿日: 2013.02.16
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    個人的メモ。他の人に向けたレビューではない。 そういえば、映画化された「西の魔女が死んだ」にもそういう部分はあったんだった、と読み終わって思い出した。 最近のエッセイで、 『ここのところ世間全般にどうもきな臭い。 世の中が全体主義的になって、一人反対することが出来ない空気になるのは嫌だ』 というような話が何回か書かれていた。 それで、14才の少年を主人公に、その年代に対して書いたものらしい。 2007-2009に連載されていたもの。 普段なら「梨木香歩の新刊!」と飛びついて、文庫も待たず単行本で買う勢いなんだけど、これはアマゾンのレビューを見て、読むかどうか迷った作品。 でも図書館で見かけて読んで、これは買おう、と思った。 今、必要なことが書いてある。 とはいえ、見た目には梨木さんのいつもの雰囲気(植物いっぱい、犬アリ、そして染色家あり)なんだけど、これがまたナイーブなテーマをナイーブな世代に向けて書く緊張から、なじみのものを沢山引き寄せて味方にして頑張った!という感じがして痛々しくも見える。 西の魔女にも同じように「群れ VS 個」というテーマが入ってたと思うけど、今回のは、作者が今の時代に「群れの暴力に個がつぶされそう」という大きな危機感を持って、今、まさに危急の時の為に書いた、というストレートさがある。 だから登場人物たちに起こる事件が現実的で生臭くて、いつものちょっと白昼夢みたいなファンタジックな感じと全然違うなぁ…と思ったけど。 必要に駆られたんだなと読み終わってみて思う。 結果、いつもの梨木的世界に、現実の問題ががっぷり組み込まれてて、重くて面白くて、やっぱり考えさせられた。 こういう、何度も読み返して自分の血肉にしたい、と思う作家さんは今はこの人だけ。 参考文献がなぁ。まぁ、なるほどなんだけども。 「ある徴兵拒否者の歩み」 「心のノート」を考える 「土壌動物の世界」 「ナチュラリスト志願」 「ボーイスカウトが目指すもの」 「良心的兵役拒否の潮流」 あと、作中のポルノ被害にあった女の子と、その事件のきっかけになったと思しき本は、10代向けのシリーズ「よりみちパン!セ」 、バクシーシ山下の『ひとはみな、ハダカになる。』だろなぁ。 もちろん参考文献には挙がってない。 きっと「よりみちパン!セ」だなぁ、と思ったんだけど、ほんとにそんな本があったことにびっくりした。 しかし本当にあった本への怒りが、執筆のきっかけの一部になるなんて、 「現代社会の問題」をダイレクトに扱う人だとは思っていなかったので、なんだか意外な気がした。 でも子どもをもった今なら、そうまでしてでも書いておかねばならない、と思った気概もよくわかる。

    2
    投稿日: 2013.01.16
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    とても主張の強い本だと思った。梨木さんは何かきっかけがあって、この話を書いたのだろうか?物語として面白いというより、作者の強い主張(怒り?)を感じとる為の一冊、といった趣。 両親と離れて一人で暮らす中学生男子の、ある一日の出来事が綴られる。小学生時代に仲良しだったが今は遠い存在となった友達と久しぶりに過ごすなかで、過去の自分の弱さや卑怯さに気付かされる。 人間として人間社会の中で生きる上で、大切なことを考えさせられる。

    0
    投稿日: 2013.01.15
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    生きるためには心を開いていくほうが生きやすい。でも無理しないで自然体で生きる。そういうことがテーマの本かな。 群れるのは好きじゃないけど、人は一人では生きていけないし。本当に大事な人たちを大切にしていきたいものだ。

    0
    投稿日: 2012.12.30
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    「泣いたら、だめだ。考え続けられなくなるから」 人はひとりで生きているわけではないが、ともすれば集団のなかで自分の本当の心を見失う。 戦争や暴力、開発やビジネス。時として他者や自然を踏みにじる集団心理から距離を置いて考えるのは、僕はどう生きるのか、そして僕たちはどう生きるか。 土中に生きる微細な虫。決して同じ色では染まらない草木染め。開発に取り残された旧家の森に守られる植物。屋根裏に残された、帝国時代の少年たちの物語。昔は当たり前に食べられていた、今は懐かしい山野草を使ったおかず。 時が止まったような新緑の庭に集った少年少女たちにおとずれる、短い一日の思考の瞬間を描く青春小説のはじまりの物語。 一冊かけて序章という感じ。 気づいて、考えて、前を向いて、さあ歩き出す。この先、どんな物語がこの子たちに待っているのかが気になりますが、続きはありません。 とかく基本が集団生活になりがちな中高生が想定される読者層のメインですが、社会問題に伴う大小様々な問題がめまぐるしく浮き沈むなか、ついつい流され、または受け流して生きる大人も読んでみる本だと思います。

    1
    投稿日: 2012.12.17
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    深い話。物語は、14歳のコペル君が、土壌の虫採集に出かけるというところから始まり、自然描写豊かな、梨木ワールドに引き込まれていくと、その先には、深いテーマがそこかしこにちりばめられていた。自然、友達、命、家族、戦、性、悪、仲間・・・いろいろなエッセンスが、ぎゅーっと濃縮されている1冊。これは、14歳になったときに、こどもに読ませたい。コペルくんと同年代のわが子が、何を感じるのか。

    0
    投稿日: 2012.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ☆4.1 色々考えさせられる話だった。本当に色々。 以下引用 あのとき、僕らが「つぶした」のは、単なるニワトリ一羽だけじゃない。ユージンの「心」も一緒に「つぶした」―――これは、ショウコのお母さんが言っていた、「魂の殺人」とほとんど同じじゃないのか。ー 226ページ 一人の個性を無理やり大人数に合わせようとする。数をかさにきて、一人の個性をつぶそうとする。しかも表向き、みんなになじませようとしているんだ、という親切を装って。ー 227ページ 「僕を信じて付いてきた、あのニワトリを守り切れなかった。生きて、固有名詞で呼んでいたニワトリ、僕が名前を呼んだらいつも顔を上げて、それから何ですかっていう返事のように、顔を横に傾けて見せていたあのニワトリが、モノになって分解されて目の前に並べられたときのことは、一生忘れない」 (中略) ユージンは、この間ずっとコッコちゃんのことを「ニワトリ」と呼んでいた。もう「コッコちゃん」とは呼べないのだろう。ー 228ページ

    0
    投稿日: 2012.11.28
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    環境のこと、戦争のこと、人間関係のこと。私たちを取り巻くことについて考えさせられる本。野草を食べているシーンが作者らしいなと思った。

    0
    投稿日: 2012.11.23
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    ”大多数の理屈”に飲み込まれずに、生きていけるか。 独りきりでは生きていけない人間が、群れと関わり、あるいは群れの中にいながら、自分の意見を持ち続けれられるか、発し続けられるか、という自問。 非常にデリケートな問いをデリケートに扱った小説。 前記の問いは、一生抱えることになるだろうし、だから表題がこうなのだろう、と思う。

    0
    投稿日: 2012.10.18
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    これまで読んだ梨木さんの本は、どっぷりその世界観に浸って、登場人物に共感しながら、読み進める感じでした。 でもこの一冊は、ちょっと趣きが違う感じ。 主人公が中学生の少年というのもあるのかもしれないけれど、この物語は今の社会が抱えている問題を突き付けられるのです。 例えば戦時中。 周りが国の為に自ら戦いに臨むことが正義とされる世の中で、自分は徴兵を拒否することが出来るのか。 例えばイジメ。 いじめられている子の苦痛が、痛いほど分かっていたはずなのに、見て見ぬ振りをしていないか。 周りが自分の正しいと信じていることと違った方向に進んでいる時、その中で自分はどう考え、周りに呑み込まれることなく、自分の違和感を表明して、行動に移すことが出来るのか。 集団というものは、一人でいるより、大きなことを成し遂げる力を持つけれど、同時に間違った方向へも、一人よりすうばいの速度で進んでいく。 集団浅慮。 みんなでやれば、怖くない。 そんな気持ちも働いて、普段自分が正しいと思っていたことと、違う方向にも容易に進んでいってしまう。 なんだか書いていても、段々重苦しい感じになってきますが さすが梨木さん。 物語の終盤で、ちゃんと救われます。 そして、いつもの梨木さんらしく、庭や山の植物たちが色々出てくるので、そこはいつもの通りに楽しめました。

    0
    投稿日: 2012.10.16
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    内容(「BOOK」データベースより) やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

    0
    投稿日: 2012.09.19
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    『君たちはどう生きるか』梨木版。 ある出版社のある本への批判、があると知り読んでみた。 ヤングアダルト世代を対象にしたシリーズの出版物をめぐる、著者の怒りを感じた。 いつになく、具体的に、攻撃的な文章に戸惑い、どう受け止めたものかまだ迷っている。 これは飽くまでフィクションなのか、 それとも物語仕立てではあるが、何かしらの被害者の声を元に問題提起として書かずにいられなかったのか。 確かにこの様な内容、人物の書く本を、敢えて多感な時期のYA向けシリーズに入れる意味はあったのか? 当初、大々的にシリーズとして結構推されていた。 名の知れた出版社が太鼓判を押していたら、信頼して一括購入してしまうよなぁ…。 ある頃から、眉根をひそめるようなタイトルが名を連ねていたが、いったいなにがあったのか。 その後もモヤモヤし続けています。

    0
    投稿日: 2012.09.10
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    吉野源三郎の「君たちはどう生きるのか」へのオマージュ。主人公の名前がコペルというのも一緒。あの本への今の時代からの返答といったかたちになっている。全書の時代にはなかった環境、至善との共存といった問題がテーマになっている。

    1
    投稿日: 2012.09.07
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    人と会ったり、話したりすると、パワーを使う。みんなで盛り上がる方が楽しいのはよく分かるけど、そうしたくてもできない時や、したくない時もある。でも、そういうのが分からない人や認めたくない人がいて、「盛り上がってないじゃん」なんつって言われて。子供の頃からそれがすごくイヤで、集団での衝突が絶えなかった。「何であんたはそうなの?」って言われても、上手く説明できなくて、結局、選ぶのはいつも孤立だった。『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は、そう言う気持ちを上手く表現してくれている。大衆と犠牲。ロックンロール。分かりきったことだけど、社会生活を送る上で、100%の勝利や100%の理解はありえない。大切なのは、この一線だけは譲れないという「何か」を持つこと。投げ出さず、最後まであきらめずに戦ったり、訴えたりすること。梨木さんの本の中では、一番すんなり読めた。題名に負けない、いい本だった。

    2
    投稿日: 2012.08.21
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    冒頭近くに次のような一節がある。 それぞれ「譲れぬ一線」を抱えた人たちが、皆それぞれの「前線」で闘い、その言わば「夢の跡」が、今、僕らの生きる世界なんだ。 いくらでもすぐれたファンタジー世界を構築できる梨木さんに、これほど不器用なまでにストレートな作品を書かせたものは、おそらく彼女自身、「譲れぬ一線」に直面したと感じる場面がいくつかあったせいなのだろうと想像できる。理論社が無邪気な装いでレイプものAV監督の本を出版したということ。戦争を準備させるような政治家たちの言葉。生命を静かに奪っていく開発。命の大切さといった耳触りのよい言葉で、個人をおしつぶしていくような風潮。 そうした意味で、吉野源三郎氏が最初に「君たちはどう生きるか」を出版した時代と現在を重ねあわせて考えてみるのは興味深いことだ。あのとき生きていたひとたちの多くも、まさかその20年後に、国が壊滅するほどの戦争に自分たちが突き進んでいくことになるとは、想像もしなかったのだろうから。2人の「コペルくん」の問いは、激変したように思える世界の中で、同じようにそこに放り出されている問題を指し示しているが、オリジナルのタイトルに対して、「僕は、そして僕たちはどう生きるか」というタイトルをもってきたことは興味深い。群れから距離をおくことができること、そしてなお群れのために考え続けていくことができること。その方法はひとつではないとも、梨木さんは示唆している。

    2
    投稿日: 2012.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

     梨木香歩は非常に批判精神の強い作家です。  作品ごとにその傾向は強まって、というか、よりむき出しになって来ているように思えます。本作品でもいくつかの具体的な事例が、それと分かるように提示され批判されていました。  しかもその内のひとつは、本書と同じ出版社が出す人気シリーズの一冊。批判の内容にはうなずける箇所もあり、「インジャ」の身に起きたことにはぞっとしたものの、しかしこのエピソードがあくまでも(おそらく)フィクションである以上、これを当該作品・著者へ批判の根拠とするわけにはいきません。エピソード自体が物語の中でも浮いているようで、ここは少しもやっとした部分でした。  一方で、安易な「命の授業」への批判をあらわしたエピソードは、作品の根幹のテーマに関わるものとしてうまく組み込まれていたと思います。  教室の中で、ふと顕現する集団と個人のパワーバランス。熱血教師の中にある無意識の嗜虐心。それらに違和感を覚えながらも受け流してしまったコペル君。自分がそうとは知らないまま「集団の圧力」に屈し友人を裏切っていたことに(そして自分が忘れている間にも、傷ついた友人の方はずっとそのことについて考えていたことに)コペル君は立ち直れないほどの衝撃を受けます。これは、もちろんコペル君が卑怯なやつなのではなく、「個人」の側につくことは誰にとっても難しいのだということでしょう。それだからこそ「大多数/個人」という構図ができるのですから。  過去の闘争について聞いている時、ほとんどの人は(勇敢に闘った/集団の圧力に屈しなかった)個人の側に自分を重ねるのではないでしょうか。そして大勢の側についた人達を愚かと思うでしょう。すでに価値判断の済んだ出来事について、そう思うのはごく自然で簡単なことです。  しかし、いざそのような対立状況に置かれたとき、私たちは個人として立つことはおろか、対立状況にあるということに気づくことすら難しい。それを、コペル君の小さな事例は教えてくれます。一人ひとりのこのような鈍さにこそ、戦争という悲劇を呼び込む危険がある、というところまで作者は主張を広げています。  その点ではこれを「新しい戦争児童文学」(古田足日)として読むこともできるのではないか、と思いました。  最後のBBQのシーンには救いがあります。コペル君と、「インジャ」の女の子と2人の人間がこの場面で回復の兆しをみせています。そういえばこの作者はくり返し、ある種の、体温あるコミュニティ(「許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れ」)を描いて来てもいるのでした(『からくりからくさ』『村田エフェンディ滞土録』など)。その意味でも非常に「らしい」作品だったと言えるでしょう。

    3
    投稿日: 2012.08.14
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    子どもたちに読ませたい1冊。 読み終わって、もっと先を読みたいと思ったが、ここで終わるからいいのだとも思った。 ここから、また新たなスタートが始まるということに希望がある。 生きるのが下手な方が、よりよく生きられるような気もする。 その分、深くいろいろと考えるから。 新しい出会いとスタートと。読んでよかった1冊。

    2
    投稿日: 2012.07.17
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    単なる「群れ」の「一員」に過ぎない自分が、日常に紛れ、忘れそうになっていることを、見事に言語化してくれている。 私が生きていくうえで、忘れてはいけないもの。 ・「何かがおかしい」って「違和感」を覚える力 ・「引っ掛かり」に意識のスポットライトを当てる力 ・「正論風」にとうとうと述べられても、途中で判断能力を麻痺させてしまってはいけない ・「あれよあれよという間に事が決まっていく」その勢いに流されてはいけない ・そして、もし戦時中に生きていたら、私も愛国少年少女と同じように、「非常時」という大義名分の威力に負けて、自ら進んで思考停止スイッチを押し、個を捨ててしまうのだろう、という意識。 だからこそ、 大切なのは「考え続ける」こと。 この小説が、今、出版されたってことが、危機的状況なんだろうな。 そして、自分を保つためには、群れから離れることも必要…に激しく同意。

    3
    投稿日: 2012.07.16
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    14歳のコペルが久しぶりに旧友の家を訪れた、その一日をつづった物語。たったの一日のなかで、彼は、その友達や中の良い人々への想い、愛すべきペットや虫、自然への思慕、そして戦争や学校のことなど、さまざまなことへ思いを馳せて考える。僕というものについて、僕が囲まれている世界について。彼なりの言葉はとても純粋で、するりと頭の中に入ってきて、ときおり、ざっくりと胸を刺す。知っていたはずなのに、知らないふりをしていた物事を明るみに出されて、戸惑う。大人になって当たり前にやりすごしてきたことに改めて疑問を想う。コペル君が見出す謎は、出会う真実は、形をちがえども、だれしもが通り過ぎていったはず、あるいは現在いまだ直面しつづけているはずの物事。だから深く身に沁み、心をうつ。良い物語でした。

    1
    投稿日: 2012.06.30
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    不登校ひきこもりになった幼馴染と、その古い家の庭を軸にいくつかの共通項を持った物語が展開する。主人公の中学生コペル、幼馴染のユージン、そのいとこショウコ、ひどい体験をして屋内にいられなくなった"インジャ"。大人の、いかにも正論らしい詭弁に惑わされ、子供が傷つけられることがある。大勢が詭弁を是とし、孤立してしまった時、どうすればいいのか、どうすればよかったのか。それでも群れと完全に離れて生きることはできない。悩める中高生に薦めたい一冊。他の梨木作品同様、植物とおばあさんが優しい。よもぎ団子食べたい。

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    投稿日: 2012.06.25
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    いつもの梨木さんのホンとはちょっと違うかなという印象。 「コペルくん」が中心人物なだけあって、梨木さんが常々考えていることを、誰にでもわかりやすく書いたのかなと感じた。

    0
    投稿日: 2012.06.16
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    始めは、とらえどころがないというか、ちょっと不思議な感じだった。しかし、中盤からグイグイ引き込まれた。今の自分、日本、生き方…。色々な事が頭をよぎり、深く考えさせられた。

    1
    投稿日: 2012.06.15