
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本の福祉制度に対する問題提起が詰まった一冊。 犯人目線の気持ちも理解できる。一方で行政側の考えも理解できる。 読み進めれば進めるほど、どちらが正しいのか分からなくなった。きっと正しいことなんてなくて、自分の置かれた立場によって判断が変わるのだと思った。 ミステリーとしてもハラハラの連続。 最後の“どんでん返し”も驚いた。
1投稿日: 2020.05.09
powered by ブクログ生活保護のシステムの裏にある、護られる者と護るものそれぞれが抱える想いが多方から描写されていた。 直接的に殺人を犯したため法で裁かれるのは確かに彼であるけれど、このシステムにおいて一体誰が加害者で、誰が被害者なのだろう。 佐藤健&阿部寛で映画化されるから、公開されたらぜひ観ようと思う。 【みすみす再犯をするような囚人を養うのも、声の小さな貧困者に出し渋るのも同じ税金だ。法律と歪んだ信条が護るに値しない者を護り、護らなければならない者を見て見ぬふりをしている。】
2投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ「日本人は恥に対する感情が強い」みたいなセリフがある。 コロナ騒ぎで、『こんなヤツが居るのか。』と思う毎日の中、胸にしみた。
2投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった!空港でのところや、本当の犯人など…私でも先が見えやすいところは多々あったけれども。不正受給ばかりが取り上げられやすいけど、けいさんみないな人もいるのだろうか…。 哀しく、考えさせられる小説でした。
1投稿日: 2020.04.21
powered by ブクログ映画化されるということで購入。 生活保護をテーマにしたミステリーで、色々と考えさせられました。善人だけど悪人、悪人だけど善人という善悪の区別がなかなかしにくい人物ばかりで、複雑な気持ちになってしまいました。ミステリーよりもヒューマンドラマの方がちょっと強い印象でした。 物語の構成としては、基本的に刑事の視点と犯人らしき人の視点が交互に進行していきます。刑事の視点から見ると、被害者と犯人の共通点、犯人の動機などどのようにして、真相にたどり着くのか、楽しむことができます。 一方、もう一方は生い立ちからどのようにして、被害者と接していくのか楽しめます。読み手としては、犯人らしき人が分かっています。それが、どのようにして、刑事が犯人像に近づけていけるのか、次々と詳細な部分がわかっていくので、面白かったです。 これで終わりかなと思っていたところにドンデン返しがあったので、油断していました。そうだ、忘れていたと思わず思ってしまいました。 映画化されるということでキャストを見ると、一部性別を変えている人物もいて、どうなっていくのか楽しみです。
2投稿日: 2020.04.08
powered by ブクログ映画化されると知り、読んでみました。一気読みでした。生活困窮の凄まじい状況が描かれていて、目を背けたくなります。映像だと、かなりきつそう。それまでの流れをラストで一気に覆すところ、見事でした。空港での様子とか、実に映像向きです。すでに配役決まってるので、勝手ながら彼らをイメージしながら読んでしまいました。阿部ちゃんの相棒、溝端くんじゃなくて林遣都くん!
1投稿日: 2020.04.07
powered by ブクログ生活保護に関することに端を発した殺人事件。 理想と現実の狭間で右往左往しても、福祉は一人一人を見て判断して欲しいよね・・・と思う。 最後の最後で、やっと真犯人に行き着く展開は中山七里さんらしい。
1投稿日: 2020.01.08
powered by ブクログ人から恨まれるとは思えない二人が殺された訳と、そこまで恨みを持ち続けるエネルギーが重い。話の構成が上手くて、読みごたえがあった。
1投稿日: 2019.12.14
powered by ブクログ色々考えさせられて頭の整理が追いつかない。あっさり終わるかと思いきや、いやいや、失礼しました。あのラストは想定できなかった。読んでよかったです。
1投稿日: 2019.10.30
powered by ブクログ日本の社会福祉制度の在り方について、、、、作者 中山七里氏が、ミステリーと復讐の物語り。 生活保護における福祉保健センターの有様が浮き彫りにされているのだが、、、、最初の出だしの手足の自由を奪われて、餓死で、死んでいた福祉保健事務所の課長は、誰に聞いても人格者であり、人の恨みを持たれる人物でないと、、、、。 そして、2人目の被害者は、同じように餓死状態で、亡くなっていた代議士。 どこで、共通点があるのか? 8年を服役して出てきた利根が、主人公なのか? 自分の事を大事にしてくれた 遠島けい のおばあさんが、何度も生活保護の申請をしても、却下されてしまう。 最後には、水道も止められて、餓死状態で見つけられるのである。 正義とは、そして、仕事にまい進するあまりに、重大な事を忘れてしまっている。 確か、福岡の人が最後に、おにぎりが食べたいと、、、言って死んでいたのも思い出す。 せいさんも、お腹の中にはティッシュペーパーしか入って無かったという余りに酷い惨状に 小説でも辛い。 最後の最期、3人目の被害者になるのを阻止したのは、、、、 そして、2人の餓死者にしたのは、予想外の人物であった。 とても、重たい小説であるが、明日から、10%の消費税となる。 福祉に使用されるのは、恵まれない人へ、活用して欲しいと、願わずにはいられない小説であった。
2投稿日: 2019.09.30
powered by ブクログ手足の自由を奪い、餓死させるという凄惨な2つの殺人事件。捜査を進める内に浮かび上がったのは、生活保護をめぐる哀しい現実と社会保障制度の問題点だった。 社会保障についての小難しい話も多かったけれど、中山さんらしいテンポの良さで、すらすら読めた。 そして、中山七里といえばどんでん返し!最近さすがにパターン化してきて、どんでん返しを予想して読んでしまうので、純粋に楽しめないのが少し残念。 社会問題を取り上げることが多くなった中山さんだけど、今回は生活保護。 つい最近読んだ本でも、生活保護が本当に必要としている人には回らず、暴力団の資金源になっているという現実が描かれていた。そして予算には限りがあるため、申請の時点である程度篩に掛けようとするいわゆる水際作戦。 殺害された2人のしたことが、殺されなければならないほどの悪だとは思わないけれど、窓口の一担当者にできることは限られているとは思うけれど… それでも、本当に必要としている人間が受けられるように、何とかならないものかと考えてしまう。 最後の、護られなかった人たちへのメッセージが切なくて、動機の部分も含め、悲しくて後味の悪い、でも真剣に考えていかないといけない問題を提起した作品ではあると思う。
1投稿日: 2019.06.26
powered by ブクログ社会福祉で護られなかった者たち。支給を受けるべき者が受けられない現実。国が最終的な悪ではあるようだけど、そうなった原因は予算が無限でない以上、結局不正受給を受けた人にもある。罪の構図が個々人が罪の意識を感じられない構図となっているだけに、その被害者が痛ましい。
1投稿日: 2019.06.22
powered by ブクログ一気に読めた小説でした。新聞連載小説だったんですね。タイトルが何故「護られなかった者たちへ」なのかわからなかったのですが、読み進めていくうちになるほど、、、と。
1投稿日: 2019.06.22
powered by ブクログ今回のテーマは生活保護。不正受給がはびこる一方、本当に必要なものには届かないという現実を思い、胸が痛くなります。私もけいさんと同じ立場になったら諦めて死を待つかもしれない、そんなことを思うほど、簡単に必要書類を書いたり揃えたりできないようになっている仕組みにやるせなさや悲しさでいっぱいになりながら読み進めました。ミステリとして楽しめるのは勿論ですが、読んだ全ての人が、生活保護の制度と実態について考えずにはいられないと思います。凄い読み応えでした。読後見る表紙絵に、あらためて涙がこぼれそうになりました。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ制度に護られずに 大事な人をなくした犯人側をかわいそうだとは思いながらも 殺された人々には「相当の罰」だったのか 加害者にも理はあったんじゃないか と考えてしまいます 困っている人を 四角四面な制度で護るとすれば やはり護られない人も出てくるんだなぁ・・・・ これこそ 人情のなくなったということか・・・
2投稿日: 2019.05.08
powered by ブクログラストどころか中盤から大号泣。 仕事がら、生保など公的資金が注入されている人達ののあれやこれやを目にすることが多く、本当に憤っている。 日本の社会保障の現状は生保だけでなくいろいろ最悪だと思う。 この作品がもっともっと世に広まればいいな。 そんな風に思える作品は久しぶり。 主題が護られなかった方々だから仕方ないかもだけど、もうちょっと不埒なやつらの悪行にも触れてほしかった。 普段溜まっているうっぷんを共感してほしかったな笑
3投稿日: 2019.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめの章はなんだか暗そうな内容でちょっと面白くなさそうかなと思いながら読んでいたけれど、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、最後の数ページに涙が止まらなかった。不正に生活保護を受ける人に対しては許せないと思うけれど、護られるべき人はやっぱり護られるべきだとは思う。ただ、護られべき条件はすごく難しいと感じた。
1投稿日: 2019.04.04
powered by ブクログ仙台の福祉保健所の課長である三雲忠勝が廃アパートの一室で餓死させられているのが見つかった。宮城県警の苫篠は部下の蓮田とともに彼が殺される理由について探るが、誰に聞いても善人だったといい、まるで理由が見当たらない。行き詰まる捜査中、生活保護の実態についても思いがけず目にする苫篠たちは、苦い思いを抱きながら捜査を進めていた。しかし、二件目の殺人が起こってしまい…… あまりにもかなしい。生活保護という仕組みのややこしさ、抱える問題の多さを改めて突きつけられた。中山さんらしいいつもの社会への問題提起なんだろうなと思いつつ。そして表紙が分かってから見ると大変辛い。ホワイが分かった時点で真相は分かるけど、一つだけでも間に合ってくれ、とそこからは祈るような気持ちで読めた。
1投稿日: 2019.03.08
powered by ブクログ善人と評されていた福祉保健事務所課長が餓死死体で発見される。その後発見された第二の餓死死体。調べるうちに出所した1人の模範囚が浮かび上がるのだが…。 たまたまこの本を読む前に読んでいたのが 「すぐそばにある「貧困」」 生活保護という制度は人を救うためにある でもそれがうまく利用されずに 起こる悲劇は多いのかもしれない。 北九州市の事件や老姉妹の餓死事件など… 現実世界でも起こっている悲惨な事件の数々 護られなかった者たち… それは誰だったのか? 中山七里さんの作品は 本当に最後の最後まで油断できない。
5投稿日: 2019.03.06
powered by ブクログ生活保護、震災、と考えさせられるテーマ。 登場人物に説得力があって、とても引き込まれた。 間違いを犯したり、うまくいかないことがあったり、みんながいつも幸せに穏やかには過ごせないが、大切な時間や人と出会って精一杯真っ当に生きたいものだと思う。 購入して再読したい作品。
2投稿日: 2019.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラスト50~30ページ辺りの展開がもう! そうだったのか!そうくるのか!予測がつく方もきっと いるのでしょうが自分は全然予想しない展開でした。 あんまり読んだことのない作家さんでしたがさすがの手練れ感。考えさせられる重い問題を提起しながらも極上のミステリー、エンタメに仕上がっています。 新聞小説にふさわしいテーマと内容と展開。 他の作品も読んでみたくなりましたね。
3投稿日: 2019.02.13
powered by ブクログ護られなかった人たちを、護りたかった人がいた。 いやー泣いた、めっちゃ心揺さぶられた… 今も思い出すだけで泣ける…。 めちゃめちゃ救われないんだけど、個人的にはそれこそが救いになったみたいな、不思議な読後感。 生活保護のケースワーカーはいい人?嫌な人?という問いかけがたくさん出てくる。それを考えながらの、ラストのメッセージは強烈。 最後は福祉に携わる…というより、法律や制度と現実の狭間で悩むすべての公務員に読んでほしい。欲を言えばその立場から脱した(現場から離れた)人たちも。 日々感じる苦しみ、悲しみ、無力感、使命感、怒りは決して無駄じゃない。 これからもきっと苦しい立場であり続けると思うけど、そこで諦めないことが何より大事だと思った。 「公務員側は覚えてない」って言ってたけど、しうじゃない人もたくさんいるのです。忘れるわけない、あの家、あの言葉、あの状況。それを胸に刻み付けて仕事をする人もたくさんいること知ってほしい。
2投稿日: 2019.02.04
powered by ブクログあの人があの人だったなんて…。おもしろかったです。そして、自分もいつ護られない側にいくのか分からない世の中だから不安になった。
1投稿日: 2018.12.23
powered by ブクログ図書館で借りた本。 生活保護を受けるべきか、もっと頑張れる人か、判断する立場の人が殺された。餓死という方法で。生活保護という制度を、本当に必要としている人なのが、ズルして楽しようとしているのか、判断は本当に難しいから、それで恨まれたんじゃ、誰もその仕事やらなくなってしまう。と今までは思っていたけど、この本を読んでもっと深く考えさせられています。ズルする人が一人もいなければ、単純な話になるのに。「困っている」度合いは、人それぞれだし。難しい。
1投稿日: 2018.12.22
powered by ブクログ作者はフーダニットやハウダニットではなく、ホワイダニットで書いていきたいと語っていた。 今作はその「ホワイ」部分に福祉行政が選ばれている。これは身につまされる話で、正解がないだけにこの作品に影響され過ぎるのもどうかな。もっとも話の運びがうますぎるせいで、絶対に片側に肩入れしちゃうよね。
1投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
餓死なんて何て残酷な殺し方をするんだろうと思っていたけど・・・。 これが今の福祉制度の現状なのですね。 護られるべき者が護られない現実であること、自分の身にも絶対ないとは言えないこと、いろいろ考えて苦しくなりました。 けいさんのような本当に護られないといけない人たちがもっと声を上げたら、周りの人が気づいてSNSで拡散していったら、少しでも改善に繋がる道が見えてくるんでしょうか・・・。 このテーマの本をもっと読んで、もっといろいろ知りたいです。
1投稿日: 2018.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「どんでん返しの帝王」中山七里のミステリー。さすが帝王、期待を裏切りません。 人格者として知られる仙台の保健福祉課長が、餓死死体で発見され、さらに人望の厚い県議も同じ手口で殺される。 同じ時期かつて2人とトラブルのあった男が仮釈放されていた。 2人の共通点は? 第三の被害者は? 犯人は? タイトルの本当に“護られるべき者”とは誰なのか? 生活保護行政の矛盾と、貧困と格差問題を問いかける社会派ミステリー。 最後の最後まで目が離せませんでした。
1投稿日: 2018.11.14
powered by ブクログ図書館で借りた本。生活保護を申請する側と役所の保護係。不正受給を減らす為に審査も厳しく、自活できるよう、身内で何とか解決してもらうよう促す行政側。だが中にはどうしても生活保護に頼らざる得ないパターンもある。今回はそのパターンの側が役所で対応した人間を拉致し餓死させて殺す事件の話。途中までは星5つの展開だったが、どんでん返しに拘りすぎて最後がスカスカ気味になってしまった読感がある。惜しい作品。
1投稿日: 2018.10.31
powered by ブクログ年々、爆発的に膨らんでいく社会保障費。これを水際で食い止めるのが福祉の現場の最前線。福祉事務所という社会的弱者を救うための機関が、実際やっているのは弱者の切り捨て。今日もどこかで食うに食えない生活の中、命を落としている人がいる。生活保護費は弱者には回らず、声の大きなものばかりに吸い上げられる。かなりの部分がヤクザのシノギに消えているという。誰も責められない理不尽と切なさに何度も本を閉じてしまった。フィクションとばかり言っておれないのがやり切れなさを募らせる。
3投稿日: 2018.10.27
powered by ブクログ途中から「誰が」は見えていたんだけどさ、それで面白さが減るかというとそうではないし、正直面白くて読んでるかと言うとそこも疑問。きっとフーダニットミステリのかたちを借りてる社会派小説だからかな。 なんていうか、ね。 ヒトゴトじゃないんだよね、ワーキングプアな私としては。自分の未来図のようで背筋緊張させて読んだんだ。 いや 待てよ。だとすると「誰が」は彼とは限らない。ほんとにほんとの辿っていった源の犯人は誰と言えるのか。 けいさんの、ああいう状況でそういうこと遺す人間って、確かに賢くはないかもしれないけどストレートにすごい。 そんでもってそういうすごい人間が、日本にはきっとごろごろ埋もれて生きてんだろうなぁ。 声の大きい人や強面の後ろで。 けいさんの申請受付担当者が義経えみるちゃんだったら良かったのに(涙。
1投稿日: 2018.10.19
powered by ブクログ10月-5。3.5点。 福祉事務所職員が拘束され餓死させられる。次には県議会議員が。二人とも周囲の評判は、すばらしい人格者。 怨恨の線も見つからず、難航する捜査。 生活保護が題材。さすがに面白い。 本作は、どんでん返し感が少ないが、考えさせられ面白い。
2投稿日: 2018.10.19
powered by ブクログ中山七里 著「護られなかった者たちへ」、2018.1発行、善人の死、人格者の死、貧者の死、家族の死、恩讐の果ての章立てで続きます。読み応えがあります。一気に読了しました。考えさせられる作品です。「生活保護」がテーマです。福祉保健事務所は生活保護を受け付けているのか、切り捨てているのか。厚生労働省は受給者数を抑制しろの一点張り。餓死者を出した自治体を優秀と評価(結果として)。真に生活保護が必要な者たちの運命は。餓死せざるを得ないその悲惨さに思いを馳せる時、護れなかった者のとった行動は。公務員必読の書です!
0投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価は5++ 内容(BOOKデーターベース) 仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。 生活保護に真摯に向きあいたくなる一冊だった。少なくとも私の周囲では不正がまかり通っている。酒パチンコそして男についやしているお母さんを見る度に、働けるだろう!せめて保護費を子供のために使えよ!と言いたくなるが、1度受け取るとやめられないだろう。 真面目な人が馬鹿を見る世の中であってはいかんが、今はそういう世の中だと思う・・・悲しいわ
3投稿日: 2018.10.10
powered by ブクログちょうど、「健康で文化的な最低限度の生活」のドラマを見ていた。 (漫画はまだ連載中、漫画はもっと面白い!) 奮闘するケースワーカーたちを見ながら本書を読み進めると、生活保護について考える視点が変わって興味深い。 本書では生活保護を発端とする殺人が行われる。 いっとき、不正受給が問題となり、何も知らない無責任な輩が「ナマポ」と囃し立てた。 また水際作戦として、需給をできるだけさせないようにしたケースもあった。 生活保護に関わる裁判例も多い。 それが受給希望者を追いつめる。 高齢者が増え、若者が減り、不況が続き自治体の支出は増加の一途。 減らしやすいところから減らす、それが悲劇を引き起こすのだ。 周囲から善人だと言われる人々は本当に善人だったのか。 八方美人なんていない。 本書のラストに「皆、自分の護るべきものを必死で護ろうとした」(381頁)という言葉がある。 遣る瀬無い気持ちになった。 みんなそれぞれ大切なものがある。 それを護ろうとして、こんな結末になるのなら、私たちがしようとしていることは一体なんなんだ。 答えが出せないまま、読み終えてしまった。 後に残るは、揺らぐだけの「正義」だった。
0投稿日: 2018.10.03
powered by ブクログ生活保護をメインテーマとしたミステリー。 最近同じく生活保護がテーマのドラマを観てるから、尚更分かりやすく、且つ切なかった。 序盤からの伏線をラスト数ページでひっくり返すストーリー展開はさすがでした。 読み終えたあとに見るタイトルがまた切ない。
0投稿日: 2018.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
届くべき所へ届かないもどかしさ。でも、明日をも知れないのは今現在職がある人も同じ。なんとかしがみ付きたい、平穏に終わらせ、退職までこぎつけたい。公務員なら尚更じゃないだろうか。三雲達を擁護したい訳じゃない。何とか奔走しろよ、とも思ったけれど、私がその立場なら出来たのかな。どっちの顔色を伺うのが楽なのかを考えてしまう私はずるいんだと思う。結局個人の判断、個人の復讐なんかで終わる問題じゃないのは明らかで、両者がこの制度の被害者だったんじゃないか、とそんな暗い読後でした。
0投稿日: 2018.09.02
powered by ブクログえー、えー、という結末。思い込まされてたよ。 こんなひどいことされたら「仕返ししてやる!」という気持ちが湧くのもわかるけど、それをやったら相手と同類じゃないかな。自分を貶めることはない。そんな奴らにはきっとそのうち嫌なことが起こるよ。
0投稿日: 2018.08.28
powered by ブクログ生活保護のあり方について、行政側と市民側の視点に立ち、制度の現実や果たして本当に必要な人にきちんと渡っているということ、行政は不正の事実を見抜けるのかということ、困窮者の声と行政側との食い違いなどが浮き彫りとなり、貧富の差が拡大していることや生活保護と教育の水準の関連など重いテーマで考えさせられるものだった。事件を起こすのは勿論悪いことだが、福祉の問題、申請者と行政の双方のもどかしさが事件を起こす引き金になったと思うと悲しい。かんちゃんの思いが行政に届くような社会になるのを祈りたい。
0投稿日: 2018.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
善人で人格者と慕われた人物が続けて殺される。 時間をかけてある意味最も残酷な拘束された上での餓死。その殺害方法に並々ならぬ憎悪を感じる。 日本の社会保障、生活保護の意識など、今の日本が抱える問題を軸に、根っからの悪人でない者が、犯罪に手を染めてしまう。犯罪=悪人ではなく、犯人に同情を抱いてしまったら、それはもう歪んだ社会になっている。公平とは何か?制度から護られずに、こぼれ落ちてしまった人々の受け皿はどこなのか、他人事ではなく考えさせらた。
0投稿日: 2018.08.21これは、やりきれない。。。
日本の社会福祉制度は、いったいどのくらい国民に機能されているのだろうか。このような状態が現状であれば、やりきれない。日本の未来を憂いてしまう1冊でした。
0投稿日: 2018.08.14
powered by ブクログミステリー小説でありながら、なんとも辛く悲しい物語である。 社会福祉制度の限界、矛盾をミステリーというエンターテイメントの手法で読者に訴えている。貧困が犯罪を生み、その犯罪者は更生しようとしても周りの偏見、そして度重なる貧困で再度罪を犯す。 必要最低限の生活をするために「生活保護」という制度があるはずだが、それも必要な人々全員に給付されるわけではない。その不公平さも感じる。日本の貧富の差は益々広がっているのだろうと痛感した。 しかし、そのような社会問題を提示しながら、ミステリーとしてのドンデン返しも用意されていて、最後まで飽きさせず読み進めることができる作品だ。
0投稿日: 2018.08.08
powered by ブクログ4.0 生活保護に纏わる話し。経済的困窮により餓死する高齢者。財政的な制約から生活保護申請を審査し時には否認する行政機関。フィクションですが考えさせられました。中山先生さすがです。
0投稿日: 2018.08.05
powered by ブクログ震災以降の仙台で、人格者と呼ばれる男性が行方不明になり、餓死した状態で発見される。 なぜ彼らが殺されたのか……というお話なのだが、うん、主題はわかる。しかしあからさますぎてトリックも犯人もバレバレなのである。こんな〇〇いないだろうって思ってたらやはり……。 あと、結局、きちんとした社会批判なのか? と問われるとどうだろうってなるとこが微妙。 他のレビューを読むと、重要な根幹部分における取材をしていないとの記述もあり、それは真実なんだろうなぁと思わせる。
0投稿日: 2018.08.05
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。 過去のエピソードが一個ずつ浮き彫りになるにつれて、社会の弱い所にしわ寄せが行く構造がどんどんむき出しになっていきます。こんな事が沢山有るのだろうし、もっと悲惨な生活をしているのに救済されない人々が増えて行くんでしょうね。 以前生活保護を貰えなくて、認知症の母親と2人ホームレスになって、母親を殺害するに至った痛ましい事件がありました。本当に必要な人とそうでない人との見極めはとても難しいと思いますが、何とか本当に必要としている人のもとに届けて頂きたいものです。 この本もひたすら貧困の現場を書いていますが、書ききってやるぞという作者の気合がびんびん伝わって来る本です。
3投稿日: 2018.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生活保護をテーマにした社会派ミステリー。 生活保護に関しては不正受給の問題などもあるが、それでも必要な制度だと思う。人はどんなことがあっても生きて行かないとならないのだから。 「人から受けた恩は別の人間に返しな。でないと世間が狭くなるよ」という、けいさんのことばには心が洗われた!
0投稿日: 2018.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
カテゴリをサスペンスにしたけど、むしろヒューマンドラマだね。すっかり忘れていた真犯人を最後まで気づかなかったくらいドツボにはまって一気読みしてしまった。出だしはだらだらとハリウッド映画のプロローグかよってくらいテンポ悪かったのが途中から急転直下のごとく一気に解決しようもまだまだ話は終わらない シーンの切り替えといい、人物背景、そして読んでいても腹立たしい生活保護問題 一冊の小説の話だけで世の中が変わるとは思わないけれど、一石にはなって欲しいと望んでしまう 小説中の警官はどの物語の中でも辛辣な立場で気の毒に思えるけれど、実際はもっとひどかったりするんだろうなぁ やっぱ公務員なる職種は自分にはまったく向いてないと思うw
0投稿日: 2018.07.29
powered by ブクログ福祉保健事務所、生活保護、関連して起きた殺人事件のお話。 最後までちゃんとだまされつつ読めたので、最後のドン伝返しも楽しめました。 内容はね、フィクションとはいえ、切ないし、やりきれないし、考え出すと落ち込んじゃうようなものなんだけど。 そろそろ、ホントにちゃんと日本は考えなくちゃいけないよなーとか思ってみたり。 最後のね、カンちゃんのメッセージが、胸にせまりました。
1投稿日: 2018.07.19
powered by ブクログ残酷なやり方で連続する殺人事件。捜査をしていくうちに見えてくるのは生活保護と不正受給問題。ミステリー小説としての面白さはあるが、それ以上にこの社会問題の方が重たく心にのしかかってきた。生活保護を受けようとする側、不正がないかとチェックする行政側。納得する部分、納得できない部分、様々な葛藤がある。そこから生まれた殺人事件。真相は中盤でだいたい見えてくるが、重要な部分を見せていなかったのでどんでん返しがあるんだろうなと思いながら読んでいくと二転三転のスピード感。やはりミステリー小説としては楽しめる。でもやっぱり今回はフィクションとはいえ、何ともやるせなくなる社会派小説だったと思う。
0投稿日: 2018.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
けいさんが、あの世で泣いてますよ! 二人の殺人がなければ、まあいい話だったかもしれないのに(だったらミステリーにならないか)。 最後なんとなくそうかなと思ったけど、やはりどんでん返しは健在でした。でもあまり「やられた!」感はなかった。
0投稿日: 2018.06.28
powered by ブクログ生活保護の受給者が増加し過ぎている、その一方で受給すべき人たちの申請が通らない現実がある…、そういうニュースはよく聞くようになりましたが、その現実が物語よりも重くのしかかってきて、読んでいてひたすらにつらく、おそろしく思えました。 正直、どんな残忍な殺人事件よりも、「現実として自分の身に降りかからないとは言えない」おぞましさがたまらなかったのです。 まったくのフィクションだと割り切って読むならば、ストレートな社会派小説としてまとまっていて意外性もあり(ある程度その真実は読めるようにしていると感じたのですが)、良いミステリだったと言えるのではと思うのですが、いかんせんテーマが重くて、しんどかったです。 護られるべき人が護られる、互いに救いあう社会、それが絵空事になってしまっている現実が少しでも変わってほしいと願わざるをえません。
2投稿日: 2018.06.24
powered by ブクログとても残忍な殺人事件であるにも関わらず、罪を犯した犯人の心情に同情せざるを得ない本でした。 フィクションだけど、あながち日本の福祉制度の姿そのままかもしれないと思うと恐ろしく哀しく腹ただしく思いました。生活保護を受ける人に対し、どこかしら不真面目さや怠惰さみたいなイメージがあったけれど、平成の日本でインフラを絶たれ飢えに苦しんでいる人には手を差し伸べる国で、日本はあってほしい。
0投稿日: 2018.06.24
powered by ブクログ生活保護の不正受給問題ばかりが目立って、「本当にどうしようもない状況」というのは表面に出てこない。実際、普通に暮らしていると「どうしようもない状況」というのが想像できない。女性の貧困問題の本も読んだが、だいたい「実家に帰れよ」で片付いてしまう。 「どうしようもない状況」というのは、悲惨だ。 ライフラインは止められ、緩慢な死を待つだけ。生活保護問題は、ある一面だけを見てどうのこうの語るべきではない、と訴えてくる作品だった。 ……とはいえ、作中に出てくる高級車を乗り回す受給者が近所にゴロゴロいるんですけどね(›´ω`‹ ) 個人的に、手がかりがないくてぐだぐだ会議、のシーンが読み辛かった。もうっとアッサリ流してもいいんじゃない?と。
0投稿日: 2018.06.24
powered by ブクログこれは傑作。生活保護という重いテーマを見事に扱いきっていた。いつもの大ドンデン返しというほどではなかったけど、引き込まれ方が凄かった。
0投稿日: 2018.06.21
powered by ブクログ利根さんとカンさんは、なぜ、けいさんが餓死するまで助けようとしなかったのか?そこだけが疑問に思える作品でした。
0投稿日: 2018.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
☆5つは、記憶に残る1冊だと思ったから。 内容は面白いだけではありませんでしたが、一気読みでした。 人望の厚い役人が10日間も拘束され餓死させられる事件が発生する。続いて、清廉潔白と評判の県会議員が同様の手口で殺害される。 このミステリーの展開がどうなるのかと思っていたら、次第に社会福祉の抱える問題について考えさせられる社会派小説に。 けれど、上から押し付けられるものじゃなく、利根と遠島けい、カンちゃんの家族のようなつながりを感じた後でけいさんのその後を知ったら、悔しくて哀しくてやりきれなくて。 護るべきものを護れなかった後悔や無力感。 日本はいつから、護られるべきものが放っておかれる国になってしまったのか。 声の大きなものたちが社会福祉をかすめ取り、昔気質な人は国というものに遠慮をし、食べるにも困っていくしかないそんな国になったのかと、考えさせられます。 ひとりひとりに何ができるのか、できてなかったのか。 それは将来の自分達かもしれないのに… いい子でいなさい…と書き残したけいさんのような人が護られるべきです。 中山さんの本なので最後のどんでん返しは想定内でしたが、それも含め非常におもしろかったです。
7投稿日: 2018.06.13
powered by ブクログ日本の福祉、特に生活保護のありようを考えさせられる一作。救ってくれるはずの制度を必要な人が利用できないことに矛盾を感じるけど…不正受給とかの方ばっかりがクローズアップされがちな気がする。弱者に目を向けること自体が少なくなってるのは、なんでなんだろうか。
0投稿日: 2018.06.09
powered by ブクログ+++ 仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。 +++ 社会の弱者=護られなかった者たちにスポットを当てた物語である。そして、同時に、護ることができなかった者たちの物語でもあるように思う。切り捨てられる人たちと、切り捨てる側の人たち。その温度差と、切実さの乖離が、読んでいて痛ましい。殺人という最悪の事件を捜査する過程で暴き出された、福祉の現場の矛盾と葛藤、その恩恵からはじき出された人たちそれぞれの生きざまと、その後の顛末が、胸を絞めつける。これまでの過程のどこでどうすればよかったのだろうか。いくら考えても答えが出ないのがやりきれない。取り返しのつかないことをしてしまった真犯人が、罪を犯したことには違いはないが、それを憎むことが、正直できずにいる。解決に向けて動き出さなければ、これからも何も変わらないのだと思い知らされた一冊でもある。
0投稿日: 2018.05.28
powered by ブクログ表紙がとても気持ち悪い。adam wartinakisさんの3Dアート。本の内容は、生活保護を扱った社会派小説。生活保護費の不正受給を防ぐために支給の審査を厳しくしたら、本当に必要な人が保護されなくなってしまう。それはそのままその人の生死に直結する。申請を審査するのは本当に難しい仕事だと思う。お金に余裕のある市で申請しないと通るものも通らない気がした。けいさんが、利根がヤクザになろうとするのを体を張って止めてくれるシーンが好き。
0投稿日: 2018.05.26
powered by ブクログ護られなかった者たちへ 中山七里さん。 生活保護。不正受給。 ケアワーカー。 公的な保護がなければ その日の生活にも事欠く者たちがいる。 生活保護費の削減を命じられた公務員がいる。 どちらの立場も、 辛すぎる。 護られなかった大切な人。 泣けました。 私にできること。 何かあるかなぁ。と、 考えさせられました。
0投稿日: 2018.05.23
powered by ブクログ非常に重たいテーマだ。読んでいて身につまされそうになる。福祉保健事務所の現状がこの作品の通りだとすると、本当に苦しくなってくる。限られた社会保障費からすると、全ての生活困窮者を救う事はできないだろうし。それでも最低限の生活の保障は、必要だと思う。一方で年金より生活保護手当の方が高いという矛盾も発生している。なかなか難しい。 話は変わるが、今回の作品のどんでん返しは、中ほどから簡単に予測できた。
0投稿日: 2018.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に護られるべき者とは誰か。どうやって護ればいいのか。自分の護るべきものを必死に護ろうとした結果が・・・切なすぎる。 「支給されなかった生活保護費も、遺体の焼却と埋葬の費用も同じ税金だ。それならどうして生きる目的のために予算を執行してくれなかったのか」 最後の最後で、カンちゃんが○○さんだったなんて!うーん、さすが中山七里さん。
3投稿日: 2018.05.10
powered by ブクログ仙台市の保健福祉事務所課長が死体で発見され、その後、県議会議員も同様に殺される。同時進行で一人の模範囚が出所しているが…。今回はミステリというより生活保護をテーマにした小説といった風。申請する方、役所の担当職員、その他多面から現状が見える。著者の言葉に「この物語の犯人はわからない」とあったが、確かにその通りだ。真面目に生きていく人が辛い目にあうなんて。どうにかならぬものか。流れは、そんな感じになるんじゃないかと思っていたけれど、最後まで波に乗って読めました。けいさんは、筋が通った方、うまく書き上げていたなあ。
9投稿日: 2018.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
周りからは人格者として評価されている福祉保険事務所の課長・三雲の死。彼の死に方は餓死、その残忍な死に方は怨恨によるものとしか思えない。彼に続き、県議会議員の城之内も同じ手口で殺害される。捜査にあたったのが、宮城県警察の笘篠と蓮田。調べていくと三雲と城之内の二人には接点があり、一人の男が浮かび上がってきた。ラスト、大ドンデンがあるのが中山作品。一人の老婆の死が彼らを殺害するに至った理由だった。福祉行政に対する憤り、弱者を切り捨て、本来生活保護を必要としている者には適応されず、不正需給があとをたたない。読み終わり、なぜこんな世の中に…と思わずにいられない、何とも言えない気持ちになった。ただ、この作品を沢山の人が読み、何かを感じてくれたらと思わずにいられない。
0投稿日: 2018.04.29
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か?なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?罪と罰、正義が交錯した先に導き出されるのは、切なすぎる真実―。 何の疑いもなく利根が犯人で 物語はどのように進んでいくのかということばかりを考えながら読み進めていました。 後半、もしかしたら利根は犯人じゃないのかなぁとふと思いラストが気になりサクサク読めた。 生活保護の申請は簡単には下りないのはなんとなく思ってましたが 福祉保健事務所の対応がひどくて実際はどうなんだろうか?と思いました。円山のような熱心な人が1人でも多いといいなぁと思うのと同時に 三雲のような人もいないと世の中まわらないようにも感じています。 ただもっと正確に見極める方法はないのかなぁ... 生活保護の申請が下りなくて餓死する人、不正受給してぬくぬくとしてる人と両極端過ぎて... ラストのけいさんが死ぬ間際、襖に擦れたマジックでやっと書いた遺言に涙がこぼれました。 そしてカンちゃんが円山だったなんて...不意にやられたぁという気持ちでした。
4投稿日: 2018.04.27
powered by ブクログこれは余りにも切なすぎるよ。けいさんの死、そして遺言。泣けます。 現実の行政ではこんなにヒドイ扱いは無いと思うが、それでも全く無いとも言い切れないだろう。 この本を期に自分が少しでもけいさんの遺言を実行していけるようになれれば…
0投稿日: 2018.04.25
powered by ブクログミステリー,警察の犯罪捜査の小説というより,福祉行政のあり方を扱った社会派小説だ.特に餓死してしまった母親のようなけいさんの存在感が圧倒的だ.「いい子でいなさい」に込められた愛情に全てが覆われていくような読後感.この本をたくさんの人が読んで,福祉行政が少しでもいい方に流れればいいのにと思いました.
7投稿日: 2018.04.22
powered by ブクログ哀切極まりない社会派ミステリ。監禁されて餓死という無惨な状態で発見された被害者たち。しかしその繋がりを調べるうちに浮かび上がった、社会の歪み。なぜ声高で自分本位な者ばかりが護られ、慎ましい者が護られないのか。そして大切な人を護れなかった者の痛みもまた耐え難くて。ひどくやりきれない物語でした。 テーマとなった生活保護と不正受給の問題は、そりゃあ確かに見極めるのが難しい部分もあるのだろうな、とは思うのですが。こんな事態になってしまう前に誰かしら行動を起こすことはできなかったのだろうか、と思いました。もちろん役所の人間だって板挟みな部分はあって、一概に誰が悪人だと言うことはできないのでしょうが……。
2投稿日: 2018.04.21
powered by ブクログこれは…ツライですね。 けいさんが最後まで「けいさん」 だったことだけが救いかな… けいさんとカンちゃんと利根さん 3人の生活がずっと続いてほしかった。
0投稿日: 2018.04.20
powered by ブクログ生活保護を題材にした小説。 福祉の話はつらい話が多い。 親の介護で仕事を辞めざるおえなかった人が親の死後、 仕事に就ける保証はない、どこにもない。 いつ、何を発病するかもわからない。 いつ、どこで災害が起こるかわからない。 それは、明日の自分かもしれない。 みんな綱渡りのギリギリだ。 けれど、国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利がある。 この国はどうなるのだろうと考えてしまう作品だった。 人物の描写はお見事、その人の顔が見えるようだった。 それだけにツライ話だった。
4投稿日: 2018.04.12
powered by ブクログ生活保護をめぐる社会派ミステリー。 きちんと書き込まれていて、地に足がついている。 作者得意の誘導だが、本作では割とわかりやすい。
0投稿日: 2018.04.12
powered by ブクログ面白かった。今の世の中で餓死する人がいる現実に胸が痛む。途中で犯人の検討はついたが、まさかあの人と同一人物とは思わなかった。
0投稿日: 2018.04.10
powered by ブクログこの著者の作品は読むのが辛い題材が多いが不思議と読み進められる。今作の場合、生活保護のシステムについてしっかり書き込まれていて感情的な面とのバランスが取れてるように感じました。たまにはありがちなどんでん返しで終わることもあるんだなと思ったらやっぱりそんなことはなかったです。一気読み。
0投稿日: 2018.04.08
powered by ブクログ中山七里さんというと『どんでん返し』の人ってイメージがあったし、どうしてもそれを期待してしまうが、実は社会派の作家さんなんだなと思い知らされる。 『連続殺人鬼カエル男』は少年法や刑法39条を取り上げていたが、今回は生活保護の実態を暴き出している。もちろんどんでん返しも健在だ。 連続して2つの殺人事件が起こる。いずれも被害者は男性で、拘束され身動きを取れない状態にした上で餓死させられていた。 まず、事件を追う警察側からの視点で物語は構成される。最初は単なる刑事小説かな?と思い読んでいくと、やがて容疑者となる男側からの視点で物語が語られるようになると、一気に面白くなっていく。前科者で粗暴な男、利根。利根がヤクザと揉めている窮地を救ったおばあちゃんのけいと中学生のカンちゃん。その3人の不思議な生活が始まる。様々な問題を解決できた3人も、利根の就職、カンちゃんの引越しなどでバラバラになり、やがてけいの貧困は救いようの無いものになってきて。 生活保護の問題は、私たちが思うほど簡単ではないんだろうな。それを利用するヤクザがいたり、逆に本当に苦しいのに申請を却下される人がいたり。うーん。 最後はなんとなく犯人はわかったが、◯◯が◯◯だったとは。社会問題を投げつけ、読者に散々考えさせた挙句、どんでん返しもきっちり。うーん、やられました。
15投稿日: 2018.04.08
powered by ブクログ中山ドンデン返し、私には分らなかった。 いつも目先の文字を追うことでイッパイイッパイ。 ただストーリーの中で、連続殺人のことは利根の心情を全く表現されてなかったから、 何かあるなとは思いながら読み進みました。 生活保護を認定する側、される側。申請するいろいろな立場、気持ち。 ん~、とっても難しい。その隙間を狙って良からぬ事を画策する輩。 なかなか奥深い話でした、中山さん。
0投稿日: 2018.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
社会福祉事務所への辛辣な批判であるが、こんな事はあり得ない、特に民主党が政権を取った以後は厚労省からは、申請は必ず受けるよう通達があったし、資産や扶養義務の申告にしても申請を受理した上で、不正があった場合は返還させるという方式が採られている。護られていないのは福祉事務所のケースワーカー達だ、常に暴力や罵詈雑言に晒され一般市民からは批判に晒されている、当然支払われるべき手当は市町村によってはカットされている、そんな職員があえて人の恨みを買うようなことをするわけがない、それに保護の決定に管理職は関与しない。この著者にしては取材が足りなかったのではないか、それに利根が犯人でない事はバレバレだったし、円山くんを犯人をするのはあんまりだ。
0投稿日: 2018.04.03
powered by ブクログ犯人はこの人なんじゃ⁈の後にもう一波乱あり、安定のどんでん返しにやられました。不正受給…犯人の動機になった話は余りに悲しすぎた。
5投稿日: 2018.03.27
powered by ブクログ仙台市の福祉保健事務所所長の三雲忠勝が拘束された状態で餓死しているのが発見された。福島県警の笘篠誠一郎(とましのせいいちろう)とその部下・蓮田(はすだ)らが捜査にあたるが、被害者を悪く言うものは誰もおらず、怨恨の線は薄いと考えられた。しかし第二の被害者が出現し、その共通点が過去に塩釜福祉保健事務所で生活保護の支給に関わる業務を行っていたことがわかると、誰からも善人と思われていた2人にも怨恨で殺される理由が存在することが明るみになる。 ミステリとしての側面はもちろんあるが、やっぱり問題提起作としての意味合いが強いと思われる今作。やるせないというか、お役所仕事の嫌な部分を見せつけられたようで鬱々とする。1回でも実際に自宅を見れば現状が正しく理解できたのに…。職業柄、生活保護を受給している人というのはいっぱい見ているが、どう見ても支給される理由がないだろうという人が含まれているのもまた事実。モラルに任せられなくなっている日本の現状が悲しい。今回、他作品とのつながりは少なめ?宏龍会の名前がちらっと出ていたような。
0投稿日: 2018.03.25
powered by ブクログ仙台市の福祉保健事務所課長・三雲が拘束状態の餓死死体で発見。三雲は人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。捜査は暗礁に乗り上げる。死体発見から遡ること数日、模範囚が出所し…。 中盤からどんでん返しの予感を感じさせ、確かにそれはあったのだけれど、半分くらいは私の想像通りだった。とはいえ、最近の中山七里作品の中では久しぶりに?読み応えを感じた。 (B)
0投稿日: 2018.03.24
powered by ブクログ護りたい者をどう守るか 生きているなら直接その人に掛け合えばいい、 死んでしまっても、その故ある人がいればその人に返すことが出来る。 代わりに復讐を、というのは、社会的には問題になるが、護られなかった本人がそのつもりだったのなら理解されるかもしれない。 映画にはよくそういう題材があって、忠誠心や故人を思う気持ちとして、美談として捉えられる。私も好きな部類の作品だ そこまで含めて、今作は、どんでん返しでひっくり返してくれた。 本当に護られるべき者がだれか、 誰が変わればこの事件が防げたか、 そんなことも含めて、いろんな見方が出来ると思った。 立場によって、完全無欠の善人にも、血も涙もない悪人にも見えるということが、はっきりと示されたのが、一番印象的だった。 福祉に携わる公務員、町民のご意見番となる議員、しかもプライベートでもトラブルなし、 そんな聖人君子のような人も、立場代われば、血も涙もない悪魔のようにも見える。 そういう意味では、世間的には名士とみられていても、仕事が雑ではなにかしらトラブルを引き受けることになるし、 それぞれの人を見て仕事をする事が何より大事だと思った。 結局は、その人の仕事の仕方やものごとの見方、究極的にはその人の在り方が大事、ということに改めて気づけたと思う。
1投稿日: 2018.03.18
powered by ブクログ生活保護を題材にした作品。ストーリーに没頭しているうちにトリックを見破ってやろうという気が無くなっていて、真っ当に終わっていくと思ったら意外な展開が用意されていて思った以上に満足。 なかなかストーリーテリングのうまい作者だ。 テレビドラマの原作向き。
0投稿日: 2018.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
仙台市の福祉保健事務所課長・三雲が拘束状態の餓死死体で発見。三雲は人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。捜査は暗礁に乗り上げる。死体発見から遡ること数日、模範囚が出所し…。『河北新報』ほか連載を書籍化。 生活保護を却下された老婆に世話になっていた模範囚まで刑事がたどりつく。3人目の殺人をとめようと刑事が警備強化 模範囚を捕獲するが殺してない。3人目が行方不明に! 模範囚は犯人を知っていた。老婆が餓死したアパート。 老婆に世話になった少年が成人となり、復讐。少年は福祉保健事務での所員。生活保護の申請をしない人達に申請方法を教えていた男だった。
0投稿日: 2018.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
社会福祉をテーマとした社会派ミステリー。 中山作品らしい骨太な社会派ミステリーですが、お約束の別の作品の登場人物は出てきていないようです。 登場人物が少ないので、真犯人はわかりましたが、その正体までは見破れませんでした。 犯人の怒り以上に作者の憤りが感じられました。
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログ数多くのミステリーを読んでますが、まさか自分の育った塩釜が中山七里ミステリーの舞台になるとは・・・。 それも殺人の疑いをかけらけた利根の本籍は、私の住んでいた所。 重めのテーマの展開と共に、地名にドッキリでした。
0投稿日: 2018.02.20
powered by ブクログ中山さんは、あれかな、なんか最近、ちょっと社会派というか、なんか訴えかけたい、いろいろがあるのかなー? これはねー・・・殺したくもなるわな、やっぱ。 でも、誰が悪いのかっていうのは難しいところであって。 カンちゃん、偉いな。偉いだけに、惜しいな。 復讐のかたちは「死」でなくて、「社会的抹殺」がいいかな~・・・なーんて、ね。
0投稿日: 2018.02.19
powered by ブクログ誰からも善人と言われた社会福祉事務所の三雲が、餓死状態で殺された。 宮城県警の笘篠は相棒の蓮田と共に、捜査に乗り出す。 しかし、第2の事件として、人格者と言われる県議会議員が同じ方法で殺害される。 被害者2人の共通点は、何年か前に塩釜の社会福祉事務所で勤務していたこと。その事実から県警は1人の容疑者を特定する… 今作で描かれるのは、生活保護需給にまつわる真実。 いくら、善人や人格者と言われても、お役所通りの仕事をしていれば、反感を買うこともある。 タイトルは国の保護を受けられなかった人たちのことを指していると思われるが、県警の笘篠もまた自分の家族を護れなかったことを抱えて生きていた。 そんな刑事と今回の事件の犯人と思われる利根の気持ちがシンクロしてしまう気持ちが、とても良く伝わり、切ない。 国の予算が全ての弱き者を護れるほどないことは、重々承知している。それでも、現在の社会保障の在り方を真剣に考えさせられる一冊。 後半のどんでん返しもしっかりあり、社会派ながら、中山七里の良さも、どちらも味わえる作品。
9投稿日: 2018.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今年初の、中山さん作品。社会福祉制度に切り込んでいる物語。カンちゃんが彼だったとは!終盤から涙が止まらなかったな。決して他人事では無いし考えなくてはいけない問題。家族以上に強く絆を結び有っている3人(けいさん、カンちゃん、利根)報われて欲しかった、護られて欲しかったな。
0投稿日: 2018.02.16
powered by ブクログさすが中山七里さん ラストも面白い。生活保護難しい。 皆、自分の護るべきものを必死に護ろうとした。
0投稿日: 2018.02.12
powered by ブクログ著者にしては珍しくわかりやすいプロットだが、テーマが骨太で、かつ河北新報他の新聞連載ということもあってストレートに問題を問いかけていて逆に潔く、グッとくるものがある。力強い作品。佳作。
0投稿日: 2018.02.11
powered by ブクログ仙台市の福祉保険事務所課長・三雲が拘束状態の 餓死死体で発見。三雲は人格者として知られ、 怨恨が理由とは考えにくい。捜査は暗礁に 乗り上げる。死体発見から遡ること数日、 模範囚が出所し…。
0投稿日: 2018.02.08
