Reader Store
鳩の撃退法 上
鳩の撃退法 上
佐藤正午/小学館
作品詳細ページへ戻る

総合評価

84件)
3.4
10
30
24
10
4
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時系列が前後したり、一人称が作中と外とへ色々な軸へ交錯するので、頭の中で順序や人物を追っていく必要がある。 また一人称が語る描写一つ一つが、情景を抉り出すかのよう緻密で、時折り本筋から飛ぶようなレトリックもあるので非常に文学的的という感じがする。 展開も先を読ませない、主題の意味するところも上巻の時点ではよくわからない。 読む者を惹きつけるが一方では読むのにエネルギーを要する作品といえるかもしれない。 それは著者が吐き出すエネルギーからくるものかもしれないし、単純にページ数が多いから、ということなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もしあの場所で出会っていたら…小説家を小説の主人公にして、入れ子状態で展開される話が面白かったです。ピーターパンの話に出てくる心の箱についての描写を読んで、ピーターパンも読んでみたくなりました。

    0
    投稿日: 2025.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤正午の小説、大好き。 会話が多くて読みやすいけれど、そこはかとなく違和感が漂うこの感じ、独特でたまらない。 なんとなく物語の全体像が見えたところで上巻は終わったけれど、佐藤正午だけに、下巻ではそれぞれのピースが繋がっておしまい! とは、ならないだろうから期待が高まる。 津田はなぜここまで詳細に小説が書けるんだろう。 この理由も明らかになるんだろうか。むずむずする。

    1
    投稿日: 2025.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    くどい。とにかく回りくどい。 この物語は落ちぶられた直木賞作家・津田伸一の創作なのか、 はたまた事実を書き記した物語なのか。 まず、その疑いから読者としては始まる。 この難解な問題に拍車をかけているのは間違いなく回りくどい台詞のせいだろう。 まるで医者の問診の様な、質問の繰り返し。 逆に映像として見たらこの回りくどいやりとりもハッとさせられるのか。 下巻はどうここから転がっていくのか。 期待も込めての評価。内容は佐藤正午らしく面白い。

    1
    投稿日: 2025.07.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私はこの作者と相性が悪いようだ。以前ものすごく面白い作品を読んだのだが、それ以降の作品はどれも好きではない。好きではないがなんとなく途中で読むのをやめることができずに完読してしまう。この作品もそう。上巻の初めのほうでやめようかと思ったが、なんとなく読み進めてしまった。結局読了して下巻へ。

    1
    投稿日: 2025.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画があまりよくわからなかったので、読んでみた。 小説家が現実をもとに書いた小説という体の作品? 感想は下巻に。

    1
    投稿日: 2024.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    語り手が本著を書いてる設定なのでメタ的な言及が多く面白い 最終的にこの事実を意図的に隠してましたとかルール違反的なオチが来ないことを祈る 読むのキツいところが時々来る 社長が一人語りするところ厳しかった リアルといえばリアルだけど話が散らかって疲れた まだ主題が何かもわからないのでとにかく下を読む

    0
    投稿日: 2024.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うん面白い。物語的にどうかはまだ半分読んだだけで評価はできぬが、小説としての技法・手法が面白くて素晴らしく、いやこれルール違反じゃない?って感じでとても楽しめる。と言うか、では何が真実で何が創作なのか?などとそもそもこれは小説なんだがな、と言った気持ちで読んでいる。とてもメタな小説で面白い。映画を観てから読んでるので、いかに映画が舌足らずであるかがよくわかる。ここ省略しちゃダメじゃん?って箇所が多すぎるのでやはり映画化は愚策。下巻にも期待。

    0
    投稿日: 2024.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まるで小説家の頭の中を覗き見ているような小説。 どうやって真実味を持たせるのか、どこまでが真実なのか、ちょっとした出来事からどこまでも飛び立っていく小説家の創造力の翼よあっぱれ。

    0
    投稿日: 2024.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載) かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の“あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。 ⚫︎感想は下巻へ

    22
    投稿日: 2024.02.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ばらばらの ジグゾーパズルのピースが かちっかちっと ハマっていく感じ これとあれが 隣り合わせだったのだなと 少しずつ物語が つながっていく 後半も楽しみ ブックオフにて購入

    2
    投稿日: 2023.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時系列がバラバラで語り部が誰なのかも不明で進むので、そこが売りなのかもしれないけどあまり頭に入ってこない。最後のパートくらいでようやく全体像が見えてくるけど別に続きを見たいとも思わないかな。

    1
    投稿日: 2023.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冒頭から最後までセンスのある文章で、津田伸一ワールドに没頭してしまいました! どこまでが“小説”で、どこまでが“事実”なのか、本人たちにしか本当のことはわからないけど、そういうところも含めて津田伸一の小説は面白いです。

    0
    投稿日: 2023.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤正午さんが読みたい&藤原竜也が主演の映画をやったと言うのも惹かれて購入⭐︎ 文章がちょっとしつこいというか。。くどい笑。 でも、嫌いじゃない。惹き込まれる。 主役の津田伸一がダメ人間なとことか、セリフとか行動とか。。藤原竜也がピッタリだと思った!まだ前半戦。後半も楽しみ‼︎

    12
    投稿日: 2023.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この作品は映画を先に見た。というか、先に知った。エンドロールで原作があることを知り、佐藤正午……見覚えのある名前だ! たしか『月の満ち欠け』という小説を読んだことがある──それがきっかけだった。 本書の主人公は、津田という小説家である。津田は行きつけのドーナツショップで、ある男と相席になる。その男が読んでいる本の帯に、こう書いてあった。「別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった」。津田はそれについてこう言う。「だったら、小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだろうな」。じつは、これが小説全体の大きな説明になっている。 津田が相席した男は幸地秀吉といった。この幸地秀吉が、その夜を境に一家そろって失踪してしまう。それで津田は、この失踪を題材にして小説を書き始める。ここから、現実の出来事と、津田が書く小説との奇妙な並走が始まる。 おそらく読者が一番苦労するのは、どこまでが現実に起きたことで、どこからが津田の書いた小説の話なのか、ということだ。しかし、じつはそんなに難しくない。津田は自分が知ることのできない部分を「俺だったらこう書くね」と創作することで小説を書いているのだ。つまり、彼には知り得ない部分が作り話だと思えばいい。 だがそれだけではない。ときどき津田の書いている小説の中の出来事が、実際に起きているのではないかという予感が走る。「事実は小説よりも奇なり」というが、事実が小説を追いかけてきて、抜き去ろうとする。この現実とフィクションのカーチェイスこそ、この作品の醍醐味だろう。 ところで、紙幣を本の栞代わりに挟んでおくのはあまりおすすめしない。KKK(経験者は語る)。まあ、津田がフイにしたものに比べれば、僕が失った金額なんて全然たいしたことはないのだが。

    2
    投稿日: 2023.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「永遠の1/2」に似た違和感、空気感を纏った不安を文章にした「鳩の撃退法」。現実と仮想のあいだで読者は迷子になる。この違和感、不安が下巻でどう進むのか? 先に進みたい。

    42
    投稿日: 2023.05.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    帰省前に読みきれるかと思ったが、ものすごく読みづらくて、読むのに時間がかかってしまった。 独特の文体は読み終わっても、慣れない。 物語的には100ページくらいで終わる内容。 でも、余計な文章やあっちにいったりこっちにいったりとフラフラする文章が続く。 この感じが楽しめる人じゃないと、読むのは厳しい。 狙ってやっているのだろうが、いかんせん人を選ぶ。 映画化もされているということで読み始めたが失敗だったか、、、?

    0
    投稿日: 2023.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小説家が現実の世界を元に書いた物語に現実が吸い寄せられる話し。上下巻の長編だけど、最初の方の伏線を見事に回収されて綺麗な終わり。ただ、最初の方は、ややまどろっこしい進み方でなかなか入り込めなかった。すぐに引き込まれて先を読みたい気持ちが高まった。

    1
    投稿日: 2022.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちょっと変わった綴り方と、序盤は一見なんてことない出来事を、よくもまぁ、というくらい緻密に冗長に描いてくるので危うく挫折しかけそうになるが、それも後半へと繋がる重要な準備なので根気よく読みましょう。 段々と密度を増していく出来事たちと、登場人物のちょっとズレたような軽妙なやりとりに引き込まれて行きます。

    0
    投稿日: 2022.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    偽札事件と浮気した人妻の妊娠に纏わる一家失踪事件が作中作のような形を取って交互に進行する。 2つの事件にどんな関わりがあるのかはまだ不明で、また面白くはないものの進行が遅くてもどかしい。 評判作だけに下巻の展開に期待したいです。

    0
    投稿日: 2022.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初佐藤正午さん。これまで読んだことのない文体・構成が新鮮でとても面白い。糸井重里さんが「ピントが合うまでの時間がどうしても必要なんですよね。話はちゃんと読めるんですが、ピントが合わない。バチーンと合ってからどんどんおもしろくなるんです」と言及されていたが、大いに納得。上巻最後まで読んで初めの方のページをめくってみたら、内容がスルスルわかって、もう一度読みたいくらいに。登場人物も結構多いし、なかなかキャラをつかみきれない、と思ったところで、私は邪道かもしれないが映画化の相関図を横に置いて読んでみた。するとたちまち内容が入るようになった。文中に突然筆者が顔を出したり、読者に呼びかけたり、自由自在。下巻は一体どうなるのか。とても楽しみ。

    0
    投稿日: 2022.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何故か下巻の予約用意の連絡が来て、⁇と思ったら前編を予約してない…前に読んだ本を時間足らずで図書館に返却したためにまた予約してやっと届く…で、と読み始めると、途中までは覚えてる…迷いながら読み進めて…ラストに近づくにつれ次々解明される話の筋。こんな話もあるのね… 元直木賞作家という今は売れないというか書けない作家がダラダラと◯◯嬢の送迎ドライバーとして過ごす前編から、自分の書きかけの話、今周りで起こって居ること、そして手にした3000枚を超える一万円札の入ったスーツケース。そして使ったお札は偽札で…から始まり、次々と事は起こるけどどこがどうなるのか最後までだらだらと進んで行くわりにはハラハラもし、なんだかわからないままラストで次々と紐解かれ最初に繋がる…最初を少し読み直したいけどそれな叶わない下巻のみの予約。 それにしても、2014年に発売されたこの本が今でも40人超の予約付いてて、そして私も予約してるそのきっかけは?誰かがオススメしてたのか、つぶやいていたのか、なんやったんやろ。

    0
    投稿日: 2022.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分にはついていけない本だった。でもどんな展開になるのか、どんな収め方をするのかを見たくて最後まで読んでしまった野田が、やっぱりわからなかった

    0
    投稿日: 2022.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大好きな佐藤正午作品のまだ読んでないもののうち、映画化されるということで手に取ったものの、1000頁を超える大作で読むのに2ヶ月かかってしまった。相変わらず文章が上手く、惹きつけられる。終盤の失速と糸井重里の解説が玉に瑕だなあと感じた。

    0
    投稿日: 2022.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なかなかに読みにくい文章……だけど癖になるっちゃなる。笑 時系列も行ったり戻ったりでしっかり読まないと理解するのが難しい。でも、いつも速読しちゃって話の展開だけを追ってしまう自分にとって、小説の良さを再認識させてくれた作品。下も気になるから今から読んできます!

    0
    投稿日: 2022.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小説家の飄々としたキャラがいい。 コンパニオンの源氏名が昭和女優の名前っていうのも覚えやすくてよい。 だんだん点と点が繋がってきて、今すごく面白いとこ。 面白いけどちょっと気になるのが、不倫相手に会うのに毎週他所のお宅のシッターに子どもを預けたりするかな?っていうのとヒモ男が他人の車に乗りまくってること。大雪の日や飲酒運転までも。

    0
    投稿日: 2022.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    冒頭からずっとおもしろい!でも、ただでさえ時系列がぐるぐるして忙しいのに会話も展開も回りくどすぎてサクサク読めないので時間がかかる。上でも470Pあるのに「盛り上がってきた!」からのめっちゃ話逸れる流れ多くてモヤモヤする!面白いし気になっちゃうから読めるけど笑

    2
    投稿日: 2022.05.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ワンシーンの表現が精緻で微妙に肩透かしな語り口調が癖になるといえばなる。終始コミカルな空気感でおもろいですね。どう展開していくのか、下巻へ。

    0
    投稿日: 2022.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を好きな方には申し訳ないんですが、とてもじゃ無いけどこれ以上読めない。70ページ位読んだところでリタイアです。 もう文章がくどい。書かなくても良い事を書いてるとしか思えない。 ただでさえ冗長なんだからどうせなら普通に説明して欲しいのに、いきなり訳のわからない事書いて、読者に何のこと??って思わせたまま話が進んだと思ったら唐突に「あれは・・・。」なんて説明される。そんな事の繰り返しです。 最後まで読んで無いので内容が良いのか分からないんですが、この苦痛を耐え抜いて上下巻最後まで読むくらいなら、他の本を読む時間に当てた方が人生が豊かになると判断しました。 この作者の本を今後手に取ることは無いでしょう。

    0
    投稿日: 2022.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    相変わらずの「読みにくさ」。 挫折しそうになるころに、ふっと連れ戻されるような気になる展開。 どう決着させるのか、我慢して下巻に臨んでみる…

    1
    投稿日: 2022.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言い回しが、とにかくまどろっこしい。主人公のしゃべる言葉が面倒くさい。私がこういう小説に慣れていないせいかもしれないと、頑張って上巻読み終えた。 せっかくなので、下巻に続こう…

    0
    投稿日: 2022.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いや面白いんだけど,まどろっこしいというか何というか.会話は横道にそれるし,話は素直に進まないし,実は関連しているし. だけどまとめると結局,面白いかな.

    2
    投稿日: 2022.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    眠る前の読書は電子ブックでするのだが、「いわゆる虚構」と現実と称する「虚構」とがいきつ戻りつしながら進行していき、眠くなって途絶え、翌日になってまた読み出すと言うのを繰り返すうちに、どちらが「いわゆる虚構」で、どちらが「虚構」なのかわからなくなる。文体には好き嫌いがあるが、最初、面白いと思いつつ、上巻の三分の二近くまで来るとかなり退屈してきて、ようやく物語りが動き出すのが、上巻の終盤のセックスシーン。寝る前の電子ブックのせいか、私の読解力のせいか、面白くなりきらないところがこの作品の妙味なのかすらわからぬまま、物語が終盤を迎えてしまい、判断に難しい小説でした。

    1
    投稿日: 2021.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画見たいけどなかなか見に行けそうもないので。映画もちゃんと見ないと理解するの大変て意見もあったから、本の方がいいのかな?と とりあえずやたらドーナツショップに主人公が行くからドーナツ食べたくなった。 始めの一家3人の奥さんの不倫や失踪、古本屋さんの残した偽札 謎がやたら多いけどまだ解決しない。下巻ですっきりするかな この作家さんは初めて読んだけど、話を先延ばしするのがうまい

    0
    投稿日: 2021.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画を見てからの読書。 映画では予告編やポスターの「この小説家が書いたことは現実になる」という文句がいい感じに現実と設定の曖昧さを認識させてくれたが、上巻では担当編集者が登場しないので普通に読み進めてしまい、「…とMacBookに打ち込んだところで」のフレーズで夢から起こされた感じになる。 小説の舞台が「小説家が書いている小説」で、その中に劇中劇の脚本が出てきて、その脚本がモームの「劇場」のパクリという設定で、小説家が体験した現実としてのミルキーの説明書きが小説家が書いている小説に引用されて...と、なるほど「映像化不可能」というのは誇張ではなかった。というか映画の脚本すごい。 活字だと津田伸一と沼本店員のやり取りはオーバーアクション気味なのだが、藤原竜也と西野七瀬に変換して読むとしっくりきた。 幸地奈々美が地方の劇団で女優だったという設定は、小説だと重要だが映画だとバッサリ落ちている。そこまで映像化したら2時間には収まらないだろうけど。

    0
    投稿日: 2021.11.19
  • 小説ならではこその面白さ

     まずは上巻としての感想です。  作品情報にあるストーリーは、確かにその通りです。しかし、そこには書いていないことを書いてみます。  この小説は、津田伸一が自分の身に起こったことを元に書いたとという私小説のスタイルです。つまり、第三者の視点では書いてありません。だから、津田伸一自身に起きたこと以外は、彼の想像と妄想で書かれているわけです。津田伸一自身がワケのわからないことに巻き込まれていくわけですが、読んでいる我々にもワケがわかりません。事件に翻弄されるのは、津田同様、我々読者というわけです。どうなるか判らないという展開は、まさにその通りで、ページをめくる手が止まりません。というわけで、上巻の感想はここまで。  最後に一言。津田君、人の名前をいい加減キチンと覚えましょう。それともワザとかなぁ。下巻でも出てくるからね。

    0
    投稿日: 2021.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    括りとしてはミステリー。しかし型通りでなく、読者の考察抜きでは全体が理解できないように作り込まれている。 語り口調がまどろっこしく、会話の噛み合わない掛け合いに混乱させられるが、慣れれば即興的な面白さだとわかってくる。 主人公が小説を書くという形で、同じ日の別の場面を小分けに語ることで、少しずつ事実が明らかになってくる。それにしても、当該の日は、いろんな出来事が起こりすぎである。もはや三谷幸喜ばりのドタバタで、頭の中を時系列に整理できなくて、よくわからない。映画では、その辺りの理解を、映像が助けてくれるのを期待する。きっと裏切られそうだけど。

    0
    投稿日: 2021.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とてもややこしそうだったから、原作を読むのを後回しにして映画版を先に観ました。目の前の人と喋りつつ電話の相手とも喋っていたりして、やっぱりややこしくないですか。 しかし会話は可笑しくて、結構ツボにハマりました。特に「もしやもしや」「二葉百合子」。『岸壁の母』という曲名はまったく出てこないし、出てくる女優の名前が映画版以上に古くて多いし、昭和生まれの人でなければまったく反応できないのでは。 土屋太鳳演じる編集者は映画オリジナルで、彼女の役目を果たしているのがシンカイさんなのですね。風間俊介演じるヒデヨシとトヨエツ演じるケンジローが共に30代の親友という設定だったり、ソニーハンディカムの中身がそこまでエロい動画だったのかという驚きもあったりして、原作と映画版の違いを楽しみながらの上巻。 映画版を観ていない人も楽しめるのかどうかは若干疑問です。少なくとも私はつらかっただろうと思う。これよりさらに分厚い下巻に直行します。 映画の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/fa2ac6477d766e447741dca3bc82468c

    0
    投稿日: 2021.09.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画化をきっかけに手に取った。 語り手(津田)がつらつらと主観も交えながら書かれる文章が慣れていないと理解し辛く、最初苦戦したが、読み進める手が止まらなかった。 なんだか断片的な主観で無理矢理つなぎ合わされたような気がしなくもないが、下巻でどう結末に向かっていくのか楽しみ。 どこが事実でどこが彼の創作なのか想像しながら読むのも面白い。

    0
    投稿日: 2021.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の津田伸一は典型的なダメ男。女を利用して、女に助けてもらって生きている。太宰治の小説にありがちな男主人公。 映画では藤原竜也が演じているけど、個人的には松田龍平のイメージ。

    0
    投稿日: 2021.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久々にページをめくる手を止めづらい面白い本に巡り合った♪とは言っても、太田愛さんの「犯罪者」には及ばないが…。 映画も公開中だが、津田伸一=藤原竜也は、ちょっとイメージ違うんだけどなと思いながら読み進めた。 津田と、女性達の会話場面が特に面白い!ぬまもとさんとか。 偽札事件の真相、幸地一家と晴山郵便局員の行方不明事件、どうなる?どうなるの?と下巻が早く読みたいが、図書館の予約順位は5番目…。早く読まないと細かいところ忘れちゃうよ?

    0
    投稿日: 2021.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画を観た感想 主人公が視聴者に語りかけるような新しい切り口な作品 人は知らず知らずのうちに、自分を取り巻く環境でいろいろなことが起きていてそこに関わっているのだ、ということを伝えたかった作品なのかなぁ、と思った 事実に基づいたフィクションだとは言え、結末は観た、読んだ人に委ねられる作品

    1
    投稿日: 2021.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昔有名人だった小説家津田伸一が失踪事件、偽札事件をフィクションとノンフィクションで小説仕立てで進んでいく小説。分かりづらく自分の読解力のなさに気付かされた本。映画に期待。

    0
    投稿日: 2021.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画の予告編を観て読みたくなって 迷うよね、観てから読むか、読んでから観るか これは『読む』が先だね

    0
    投稿日: 2021.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ――  別になにか大きな教訓を得るわけでもなく(教訓譚、なんて今昔で出尽くしたでしょ?)、  特に大きな収穫があるわけでもない(新しい趣味や目的地が出来たりもしない)。  感動に震えて身をあらためるわけでもなく(三日坊主になるまでもない)、  感情移入して泣くわけでももちろんない(その点RPGとかのが泣くかも)。  たかが小説である。  そう、たかが小説である。  けれど、序盤から流れるように巻き込まれ、引き込まれ。  無駄口ばかり叩いているかのようなことば、ことば、ことばの中に、ひやりと煌めく刃のようなものが。  それはミステリ的な手掛かりを見落としそうになるひやり、であり、虚構が現実を抉るひやり、であり、そして自分を試されているようなひやり、でもあって。  そうやってどんどん気が抜けなくなっていって、転げ落ちるみたいに物語を追って、  終わる終わる終わる、ってもう早く終わってほしいのか終わらないでほしいのかわからない混乱のまま、  読み切ったところでうわああああって呻き声をあげながら両脚をばたばた空中のペダルを漕ぐみたいに空気をかき混ぜてしまうこれがたかが小説である。  なんの為に読むのか、という話は以前にも少ししたけれど、それはまぁ例えば生きるためとかでいいとして、よく考えたら本当に生活のために本を読んでいる、読むことで生計を立てている、っていうひともいるわけで(羨ましいんだかどうだかわからんけど)、では逆に生きるために書いているということが、書くことで生計を立てていることとイコールで繋がるかというとそれも怪しい。  書くため、書き続けるためには不断の努力が必要なのは前提として、  そうまでして書かせるものというのは、一体何なのか?  そのこたえのひとつ、こたえというのは真理とかそういうことではなくて格好が付く返答のひとつが、描かれているように見えた。読めた。  そのへん津田伸一を主人公として読んだ場合、であって、実はこの作品自体を幸地一家失踪事件の副産物と捉えれば物語の主題も大きく変わってくるのだけれど、そんなこと云ったら小説って大概そうか…  また面倒な(?)ことに、個人的にどのキャラクタにも肩入れしてしまう要素があるからより、そういう読み方にもなってくる。  お前佐藤正午の小説に出てきそうな奴だなぁ、とか云われたいもんだ。  思い付きには、理由があって。  もっと云えば、それをいま、自分が思い付いたことにも理由があって。  誰の言葉も「いま、ここ」のものであるように、それを物語ることのできるのは自分だけ、なのかもしれない。  同じことを、いつかどこかで、誰かが語ってくれたとしても。語られてしまったとしても。  さてその上で、では今度は想像力の製造責任、ということになってくる。  「あなた」の想像力には、責任が伴うのだ。  ティンクの生殺与奪を握るくらい重要な責任が伴うのだと。  それを自覚して、もっといろんなことを想像、してみよう。  だんだん怖くなってきた。  ☆4.4

    0
    投稿日: 2021.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤正午の山田風太郎賞受賞作 小さな街でその日暮らしを続ける、直木賞も受賞した作家の語るストーリーが展開していきます。どれが本筋なのか迷う展開と、伏線だらけに思わせるテクニック、ちょっと不思議な世界観で物語は進み・・・ 淡々と紡ぐストーリーに意外と引き込まれます。 というコトで、下巻行きますっ!(^^♪

    0
    投稿日: 2021.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    偽札事件とか家族3人失踪事件とか人妻の浮気とかいろんな事件が絡みあってるみたいなんだけどまだよく先が見えてこない感じ。 会話もテンポはいいんだけどすぐ脱線する感じでわかりづらい。 なんだかこの作品は評価ほどじゃないんじゃないかって気もしてきたんだけど、これが下巻ではどうひっくり返ってくるのかとりあえず読んでみます。

    2
    投稿日: 2021.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    活字の醍醐味。 主人公である小説家の創作なのか、あるいは彼の実体験なのか。読めば読むほど曖昧になる、その境界。説明はくどいと言えばくどい。でも、くどくなかったら、この醍醐味を味わうことはできない。 ところで、文庫上巻の裏表紙の惹句は「小説名人・佐藤正午」、一方、下巻のそれは「現代小説の名手 佐藤正午」。これは圧倒的に上巻の惹句の方がいい。「名人」という少しレトロな表現が、この著者には合う。

    16
    投稿日: 2021.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    有名な文学賞を過去に獲ったが、今は「女の子」の送迎ドライバーとして働いている。そんな時、ある人物が持っていた多額の現金を手に入れる。しかし、それは偽札だった。 他にも相席していた人物が失踪したりと様々な出来事が複雑に絡む。 今度、藤原竜也主演で映画化されるということで読んでみました。上巻だけでも、500ページ以上というボリュームある量でした。謎を謎を呼ぶ展開で、どんな展開が待っているのか、惹き込まれました。 ただ、主人公の一人語りが独特で、時系列が行ったり来たりで戸惑いました。途中途中から読むと、これはどの場面?誰の話だっけ?と思うところが多くあり、一気読みしないと内容についていけないなと思いました。 でも、一つのエピソードに隠された背景を知ることで、物語に奥行き感がすごく膨らみ、もっと先が気になりました。 主人公の作った演劇の案内人かのように次々と読み手を色んなところに誘っていきます。気になる部分やエピソードがいかにしてこのような状況になったのか、話を膨らませてくれますが、クドイかなとも思いました。 早く、先へ進ませてくれと思うこともあり、焦ったさもありました。 映画化されるということで、個人的には主人公が藤原竜也さんとは驚きでした。年齢がもう少し高めなイメージだったので、どんな作品なのか楽しみです。 まだ上巻ですが、下巻では偽札や失踪といった謎の出来事がどう解決していくのか気になりました。

    0
    投稿日: 2021.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何とも形容しがたい、頭の疲れるお話だったな。 最初はほんと、何が起こるのかについてドキドキ待ちつつ、そのお腹の赤ちゃんが自分の子であることはあり得ないって辺りは、そらもうワクワクしたのですが

    1
    投稿日: 2021.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小説家である作家を取り巻くミステリーのような小説(ミステリーか?)。最初の書き出しはほのぼのしてて、前置きがかなり長く、油断していたので疲れたが、後から伏線が回収されてきて、のめり込んでくる感じ。結構ページ数はあるけれど、読み応えのある小説。

    0
    投稿日: 2020.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    鳩の撃退法(上)読了。 佐藤正午さんの作品はこれで2作品目で、最初に読んだ月の満ち欠けで完全にファンになりました。 鳩の撃退法はタイトルだけでは内容が全然わかりませんが、語り方や様々な謎が散りばめられていてすごく引き込まれて一気に読んでいけました。 特に津田さんの人との会話の仕方に面白さを感じながら実際にこんな人がいたら腹が立つだろうなと思ってました笑 伏線なのか違うのか予想しながら読んでいくとどんどんページが進んであっという間に読めちゃいました、(下)も早く読もう!

    4
    投稿日: 2020.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かなり長い小説で、しかも内容が現実?のラインと主人公でである作者の津田が執筆している小説のラインで行ったり来たりを繰り返すので、複雑で骨が折れる。まあこれが佐藤正午の狙いなのだろうけれど。 やはり特筆すべきは主人公の作家 のめんどくさい語り口、質問があると言いながら本題には入らず「今思いついたんだが・・・」とか言って関係ない質問をしたり、どうでもいいこと(に思える)に偏執的にこだわったりからんだりするその言動は、狙ってるのだろうとは思うがイライラする。この語り口と、登場人物のダイアログの魅力(まあ、魅力なのだろう)がこの小説を傑作たらしめる要素なのだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2020.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    周りくどいけど、それが物語の読み進めさる推進力になってるのかな? まぁ、オチはある程度予想がつく展開ではあるが、一応読んでおこうとサクサク読み進められる内容である。 上巻で残された疑問は、金の出所と津田さんの過去と未来。幸地秀吉が行方をくらました理由。欠端の正体は?そんなところかな? とまぁ、グタグタゴタクを並べてんじゃねぇ。SYMしろって感じかなw

    0
    投稿日: 2020.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上下一括感想 下巻にて… でも、いつ下巻を読むかは、 わかりません。 だって、 調子MAXのときの伊坂幸太郎と ドロドロしたときの東野圭吾と エッチなときの重松清が… まるで多重人格を見ているようで…

    0
    投稿日: 2020.06.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めは面白い!と思ったが途中話が回りくどくなってきて 最後近くでまた、ストーリーが進んだ感じ 下巻のストーリー進行は如何に?

    0
    投稿日: 2020.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初の頃は「あっ、失敗したかな」と思いました。 細かい部分を延々書いてて、話が全然前に進まない。 登場人物のつながりも意味不明だし、偽札と行方不明の関係もさっぱり。 これは結局、何が何だかわからぬままに終わるパターンか……と諦めていました。 だけど読み進めるうちに、徐々に明らかになっていくみんなのつながり。 お見事! と思いましたです。 偽札が話の主軸なのかと思ってたけどそうでもないのかな。 最後はどういう結末になるのか、気になってしょうがないです。

    0
    投稿日: 2020.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    週末の一気読みで上巻読了。まだタイトルの鳩とのつながりは見えてこない。 「月の満ち欠け」同様、時系列と主体があちこちするので間を空けたくない。伏線がどこへ繋がってるのかが気になって一旦ここまで、と区切りをつけにくい文章。明日、図書館の閉館までに滑り込めることを祈るばかり。。。

    3
    投稿日: 2019.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ツイストしまくる筋運び、先の読めない展開、見事な伏線回収。 読んでいる間は、先を読みたいけど、終わって欲しくない感じで、心地よい読書体験だった。 ただ、主人公が女性に受け入れ辛いかも...

    0
    投稿日: 2019.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    【内容】 かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の“あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。 【感想】 下巻を読み終えてから★評価をする予定。 文章が、新会話形式というか、 主体があっち行ったりこっち行ったりで正直分かり辛い。 でも、それが刺激的で、 登場人物の息遣いが聞こえてくるよう。 下巻も楽しみ。

    0
    投稿日: 2019.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    19.02.16~03.08 時間があっちこっちに飛ぶので、それがリンクするまでちょっと大変だった。それでも佐藤正午の作風がしっかりと出ていて、読んでいて楽しかった

    0
    投稿日: 2019.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    佐藤正午の鳩の撃退法を読みました。 元直木賞作家の津田はいまは落ちぶれてしまい、デリヘルの女の子の送迎をしています。 性格がねじくれていて、軽佻浮薄で、小心者で、女好きのセックス下手と評される津田は偽札のトラブルに巻き込まれてしまいます。 津田と他の登場人物との掛け合いはそれなりに面白かったのですが、解決されていない謎がたくさん残っているのに、最後の謎解きがそこかよ、とツッコミたくなる物語でした。 今年読んだ本の中で一番残念な小説でした。

    0
    投稿日: 2018.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「私たちが生きていくあいだに、私たちの上にきみょうなでこごとがおこり、しかも、しばらくは、そのおこったことさえ気がつかないことがあります」 沼本店員が音読させられた(ことになっている)ピーターパンの一節のとおり、 2月28日にすべてのできごとは起こっていた。ことに、気づかないつくりになっているので、上巻はそこまで続きが気になったりしない。 が、晴山くんと幸地ななみのつながりが分かったあたりから急激に面白くなり、ぼんやり読んでいた当日の出来事をまた読みなおし、時系列で整理しはじめることに。 しかも、津田の書いたフィクションが、現実とごっちゃになって書かれる。 それは津田自身がちょいちょい読者に注意していたのに、本筋はそんなことないって思わされてるからなー。それは下巻ではっきりするのだが。 元・直木賞作家津田伸一が、小賢しい、もういっそ清々しい感じのクズで、 口癖らしい呼びかけの際の「な?」と窘められた際の「ほえ」がまた腹立つ(笑) まさにヒモ人生を送るにふさわしい感性。 こいつに対して土壇場で優しく、かつ最後まで甘やかさない沼本店員が女性視点では気持ちの良いキャラクターである。 後の女性はなんだかんだ、おつむが弱いか情に弱いかで利用されてるもんな。

    0
    投稿日: 2018.09.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    石田ゆり子さん、糸井重里さんがオススメしていると聞いて。 タイトルから気になって読み始める。 賛否両論みたいだけど、私は好きだった。 先が気になる…

    0
    投稿日: 2018.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不気味な“鳩”が示すものとは? →https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12379216140.html

    0
    投稿日: 2018.07.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いったい何がどうなってるかいるのか、展開が回りくどくよくわからない。それに合わせたように文章も回りくどく、登場人物が関係なさげに見えることをえんえんしゃべり続ける。ただこれはおそらく作者の計算であり、というのもこの前に読んだ「月の満ち欠け」はたいへん簡潔な文で書かれていた。現実に身の回りで起きる出来事はよくわからず、人間は回りくどく話すものなのだ。小説家が現実を文章におこすときに何が起きるのか。下巻が楽しみ。

    0
    投稿日: 2018.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みにくい!(笑) 話は前後するし 視点は変わるし 筆者の思考がああじゃないのこうじゃないの 理屈っぽいし 途中で もっとわかりやすく書けないのかー! っと暴れたくなった(笑) が、終盤になって おお〜っ!そう繋がるのかー やっとすじが見えてきた そうなると俄然下巻を読む気が湧いてきた

    1
    投稿日: 2018.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この小説家はこの取り止めのない、つかみどころのないお話をどのように収束させるのだろうか。「鳩」の持つ意味は…?

    0
    投稿日: 2018.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こういう話の運び方もあるんだ。ルールに囚われない手法は、最初は違和感があったけど、だんだんと面白くなってくる。 複数の事件が一見別々のようで絡み合っていて、謎解きというよりも絡んだ糸をほぐすみたいな感がある。

    0
    投稿日: 2018.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2018.04.27読了。 もの凄く面白いわけでなく、回りくどく、めんどくさく、はっきりしない。。。ラストをすごーい期待して上下巻読んだ割には、あっ、そう言うことね。 。。。という感じ。 でも、登場人物のひとりひとりとその行動に深い意味があったのだと最後につくづく感心させられる作品。 女優倶楽部で使われる源氏名が凄くいい(笑) 主人公で直木賞作家の元小説家の津田が、インチキでかわいくて笑ってしまう。 明日からのゴールデンウィークに時間がある方にはオススメです。 2023.05.17.映画鑑賞。 原作を読んだのが5年前でよく覚えていない。 印象は薄かった。 映画は別物として鑑賞。とても上手く出来ていた。 星4。

    0
    投稿日: 2018.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻だけ読み終えました。 日本アカデミー賞授賞式をテレビで見ていると、候補作品はいずれも殺人者や囚人という普通に無い極端な状況を扱っていて、日本のストーリーテラーの行く先を心配していた。 私は、小説というものは、著者が訴えたい何かしら思想的なやつを、物語に託して説くものだと思っている。世に言う、サスペンスだのエンタメだのに分類されるものは、作者にしてみれば訴えたいものを説いているのかも知れなく、単に受け手の無理解がその分類を招いているかもしれないが、どんなに身近なコトバや身近な事象を描いてもリアルに乏しい。 にしても、そんな理屈?は通り越して、この作品、めちゃくちゃ面白い。

    0
    投稿日: 2018.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    書き出しからどのような展開に進むのが見えなく、読み進めていくうちにこんな感じの本なのかと。話が前後しており面白いかどうかは評価が分かれると思う。

    0
    投稿日: 2018.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、疑惑つきの大金、そして鳩の行方‥‥。多くのひとの運命を狂わせたあの日の邂逅が、たった一日の物語となって雪の夜に浮かびあがる。

    0
    投稿日: 2018.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    話が複雑。 わざとらしく時間軸をぶらす。 伏線が生きるのか生きないのか。。 それは、下巻のお楽しみ。

    0
    投稿日: 2018.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わったというか、読むのをやめました。 まず、文章が完全にシロウトで、読めるものではなかった。 読書家の人には耐え難い、まわりくどさと説明の下手さ。 賞を2回もとった元小説家が書いているという設定なのに、その部分の文章も駄文!はぁ? 大丈夫ですか? 内容自体はありきたりではないのですが、読み進めるのも時間の無駄なのでやめました。下巻を買っていなくて正解でした。

    2
    投稿日: 2018.03.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻を読み終わった時点では、先が気になる展開。 この話がどのように展開していくか、下巻を読んだ後に感想を。

    0
    投稿日: 2018.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    途中までしか読んでいないのに評価してすみません。 文章が、もう全然ダメでした。 文章の結論に行き着くまでが長い。 そしてまわりくどい。 会話や言葉、表現がいちいちダサい。 ユーモアっぽい語り口、ことごとく薄ら寒い。 主人公の男が、とかそんなんじゃなくてこの本全体の雰囲気が合わなかったです。 他の作家さんとか、文章や構成に回りくどさがあってもたいてい読めるんですが、この本は私には無理でした。 滲み出る、かっこいいでしょ感がとにかく気持ち悪かったです。上手く言えないですが。

    0
    投稿日: 2018.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    徐々にピースが埋まるパズル。なのに物語が一向に見えない。それがどうしたと言わんばかりの主人公。普通なら途中で飽きてしまいそうだが,期待は膨らむばかり。早く続編を読まねば。 あらすじ(背表紙より) かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の“あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。

    0
    投稿日: 2018.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    身近なものでの描写、事件性のあるストーリーは面白かった。 カギ括弧でひたすら書かれる一方の会話、行ったり来たりする時系列、遅すぎる展開、途中の官能小説化、 読むのにこんなにストレスを感じた本は初めて。 津田とは絶対に合わない。

    0
    投稿日: 2018.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    かつては直木賞も受賞したと噂される40代の小説家 津田伸一が主人公。不倫など数々の不祥事を起こし、地方都市にてデリヘルの運転手で糊口を凌いでいる。 ある大雪の夜、ドーナツ店で出会った男と会話を交わす。翌日、男は妻子と共に忽然と姿を消す。その1年2ヶ月後、親しくしていた古書店店主から形見のキャリーバッグが津田の元へ届けられる。中身は数冊の絵本と古本のピーターパンと3,403万円の現金。ところがその中に偽札が含まれていたことが判明。 「神隠し」と「偽札」。 この2つの事件をモチーフに再び小説の執筆をはじめた津田。以来、彼の周辺で次々と事件 が起こり、裏組織から逃れ、東京中野へ高飛び。バーテン見習いをしながら、Macbookに向かう津田。やがて自身がその小説の最重要人物になっていることに気づく。 騒動の核心と小説が重なり、過去と現実と虚実が行きつ戻りつしながら、その境界が徐々に決壊していく。あるひとつの行為が、巡り巡って事件を引き起こし、それに連なる人間を次々と結びはじめ緩慢な円環を成していることに気づかされ、物語は終結に突き進んでいく。 読者は作中の出来事=実は主人公であり小説家の津田が描いたものだったという、所謂「メタフィクション」の手法で、本書が紡ぎだされていく過程と事の成り行きを同時進行で読み進めていくことになり、読者側も次第にすっかり惑わされていくという奇妙な読書体験を味わえる。 複雑かつ巧緻な構成、スリリングな展開、随所に張り巡らせた伏線、鮮やかな回収、クスッと思わず笑ってしまうユーモアの妙…にぐいぐいと引き込まれ上下巻千頁超の大作なのに、あっという間に読まされ、読後感はしばらく陶然状態が続いている。あらためて凄い作家だ、佐藤正午。

    0
    投稿日: 2018.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    謎が新たな謎を呼ぶ。 頭の中に?や!が増え続け、読み出したら止まらない。 これはそもそも、直木賞を二年連続で受賞した元作家・津田伸一の創った小説なのか? どこまでが事実なのか? 人が次々に失踪したり、持ち歩いていたはずの本がいつの間にか消えたり。 回りくどいと周囲の人からいつも煙たがれている津田のことを、読み手は信じてもいいのか? 今なお行方不明の夫が心の奥底に抱えていた箱の中身とは? 数々の謎を残しながら下巻へ続く。

    2
    投稿日: 2018.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    (上下巻合わせたレビューです) いやはや参りました。全作を読んだわけではないですが、私の知る佐藤正午作品の中では文句なしのNo.1、傑作です。 ネット上のレビューでは主人公に共感できないから面白くない、といった意見がいくつかありましたが、本作をそういう読み方だけでクローズしてしまうのはあまりにももったいないと思いました。一家失踪事件や偽札、それに裏社会が出てくるので、一見するとサスペンス・ミステリのジャンル小説のように感じられますが、それだけにとどまらない魅力を備えています。 例えば本作の構成として、作中の出来事が実は主人公であり小説家の津田が描いたものだったというメタフィクションとなっているのですが、読者は本作が生まれる過程を作者(津田)の執筆と同時進行で読み進めることになります。ここでの作中作は、意図して事実と虚実をない交ぜに描かれたはずだったのに、津田に対する「小説を描くということ」への根源的問いかけと並行して、事実と虚実の境界が徐々に壊れていくというスリリングな離れ業が展開されており、読んでいて実に面白かったです。 この野心的な試みはかつての筒井康隆の作品を彷彿させますが、物語のスケール感、構成の緻密さ、至る所に張り巡らされた伏線とその回収の鮮やかさ、登場人物たちが交わす会話とユーモアの妙、練りに練られたことがうかがえる1行1行の味わいなど、総じて筒井作品を上回っているように思えました。だからこそ山田風太郎賞の選評で筒井氏本人から賛辞を貰うことができたのでしょう。 これ以上書くと長くなってしまうので、文庫解説を務めた糸井重里氏の二番煎じですが、最後に私からも言わせてください。佐藤正午さん、最高です。

    0
    投稿日: 2018.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山田風太郎賞受賞作ということで入手。受賞作に関して、個人的にほぼ外れのないライナップということで、かなり注目している文学賞です。その一方で、佐藤正午作品は2作目だけど、前に読んだ『ジャンプ』にそれほど入れ込めなかったこともあり、本作に対しては期待と不安が入り混じった気持ちで臨むことに。でも杞憂でした。合計で1000ページ以上に及ぶ超大作の前編だけど、しょっぱなから頁を繰る手が止まらない。人の生き死にも絡む、それなりにシリアスな内容が扱われているんだけど、限りなく現代的な笑いの要素もふんだんに散りばめられていて、概ね明るい印象の中、物語は展開されていく。ミステリ的要素が大きいのかもしれないけど、ジャンルの枠に捕われず楽しめる。後半も期待大。

    0
    投稿日: 2018.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まどろっこしい。 主人公の津田がどうしようもない男で読んでいてイライラする。 なにが面白いのかさっぱりわからない。

    1
    投稿日: 2018.01.11