
総合評価
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powered by ブクログ獣の奏者外伝。エリンとイアルの馴れ初めやエサル師の若い頃の話などを含む4篇が収録された短編集。エリンがどのような気持ちでジェシを産むこと決めたのか、そんな葛藤が心に響きました。またエサルの少女時代の恋愛が切なく、彼女の決意に感動した。ストーリーは前巻で完結済みだが、キャラクターの人物像の深掘りによって、より獣の奏者が好きになれます。
3投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ外伝もおもしろかったです。 本編を再読したくなること間違いなしです。 大人になってから獣の奏者シリーズを読んだ人が味わえる感動があります。
19投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ命が息づいている文章。妊娠中に読んだこともあり、生きる喜びに溢れた物語に触れることができて元気付けられた。
2投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ大好きな短編集ですが、文庫版だけ1話増えていることは知らなかったです! 何度も読んだ作品ですが、なんだか最初の1話は見覚えがない気がして、手に取りました。上橋菜穂子さんの物語はいつも風景が鮮やかに思い浮かぶのですが、最初の1話だけはやはり知らない風景でした。 10年振りくらいに読み返したから忘れてたかなぁと思いながらも、続きを読み進め、惹きつけられて一気に後書きまで読み切ったとき、はじめて文庫版だけ1話追加されていたことを知りました。 幸せな驚きでした!私のようにハードカバーしか読んでいないファンもいるのではないでしょうか。文庫版も読み返してみることを強くオススメします。
0投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ獣の奏者本編では語られる事のなかった部分が、詳細に描かれている。特にエリン以外の人の感情や心情は本編では想像するしかなかったから、イアルはこんな風に家族を思ってたんだな、とかエサル師なかなかやるなとか、この情報踏まえてまた本編再読したら楽しいだろうなと思った。
42投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログこのシリーズを読み終わってしまった……。 ファンタジーなのに、これだけ情景が目に浮かぶのはすごいよなあ。
0投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ比較的短い文章の中に葛藤や喜怒哀楽が詰まっていて、読んでいて苦しいくらいだった。 恋愛の話が多かったけどそこも良かったし、何よりジェシの話が良かった。
0投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログ文句無しの星5つです。 外伝で、ほんとにストーリーのつじつまが合うところと、そうだったんだ!って、わかるところとあって、ほんとに、細かい所まで物語が作られてるなと思いました。 5冊読んでほんとに、皆さんにお勧めしたいです
0投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログエリンとイアンの馴れ初めも読め、エサルの恋模様も見ることが出来、すぐ読み終えてしまった… 獣の奏者、本編含め全て読んだが外伝もかなりおもしろかった。 ジェシの出産を機に、 過去の行動を後悔しても意味がない 今の幸せは過去の後悔も含め全て繋がっている この言葉が個人的に心に響きました。 過去はもう後悔しません!
0投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログこちらの外伝は主人公エリンに関わってきた人達の過去のお話。 イアルとエリンの出会い。そして出産。 かっこいいエサルの切ない恋心。 漫画もですが、主人公以外の過去って何故かワクワクしますよね。 そして自分はファンタジーが苦手だと思い込んでいましたが、『獣の奏者』で考えが変わりました。 大人や子ども関係なく幅広い世代に読んで貰いたい作品です。
0投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この外伝は、児童向けの皮を被った、超絶大人向けの小説だと読んでいて感じた。なんというか、じっっっっっっっ…とりとした大人の面倒臭い感情が絡み合った末に結ばれるという過程が描写されており、そこに性表現が挟まれ、リアルさを演出しているように見えた。 闘蛇編、王獣編、探求編、完結編を通してあったテーマは、『秘匿された情報の探究、そして獣と人間の在り方』だったのだが、この外伝ではそのテーマが無くなり、ヒューマンドラマ一筋になっている。 正直、上記の四作のようなテーマを期待して読むと肩透かし感があると感じるだろうが、それでも上橋先生の超絶技巧による世界観構築のおかげで、キャラに思い入れさえあれば大丈夫だと感じる。(私はぶっちゃけエサル先生にそんなに思い入れがないので、読むのが遅れたが…)
0投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログ30代になり、再読してみた。 上橋さんが後書きで仰っていた人生の半ばを過ぎた、時間の経過を早く感じ始めた今読み返してみて、前回読んだ時よりもくっきりと胸に染み込んでくる感覚があった。 雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるのだ。 この言葉はまだ結婚せず焦ってしまっている自分に対して、そっと語りかけてくれる優しい言葉だった。
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イアルとエリンの馴れ初めは読ませていただいてありがたい、という気持ちだけれど、正直、本編までで最高に綺麗に収まっていたんだな、という気持ち。 やっぱり描かないからこその余韻ってある。 あと外伝だけはどう考えても児童向きでは無いなあ…
1投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ本編を読み終わり、立て続けに読みました。恋話を中心に心情を綴っていて、所々うるっと来る場面がありました。最後にイアルが、ジェシが乳離れできないのはエリンに子離れしたくない気持ちがあることを見抜かれているから、という言葉にドキッとしました。親が子にすがっている一面もあるよな、と思いながら、悪いことではないはずと、何処か自分自身を正当化していることを改めて突き付けられたシーンでした。
0投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログこの外伝が読めて本当に良かった 本編では語られなかったエリンとイアルの馴れ初めも嬉しかったし、エサル師の若い頃もよかった あの経験をしているからこそのエサル師の考え方があるんだなぁとしみじみ思う 1番嬉しかったのはソヨンとエリンの話 本編でのソヨンはエリンにだけじゃなくすべてのものに対して淡々としており、エリンに愛はあるんだけどどこか血が通っていないというか…冷めたイメージが拭えなかったのだけど、今回の短編を読んですごく嬉しくなった 私にとってこの話も外伝自体も〈余分な一滴〉ではなく、必要なものだった この外伝を読んだからこそ本編での違和感や理解できなかった心情なんかもスッと胸に入ってきたのでとても良かった
0投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログエリンとイアンの馴れ初めや、エリンの母ソヨンの若い頃の話など、本編で語られなかったエピソードが収められた1冊。 ファンには興味深い内容だが、ストーリーとしては特に驚きも感動もなかった。
0投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
完結編を読み終えた、エリンが死に、イアルが死ぬまで、家族で過ごした時間を語るジェシを読み終えたとき、どうにも外伝を読む気になれなかった。エリンとその周囲の人たちのその後の結末を知っているがために、生きていたころのエリンやイアル、エサルの物語を改めて読み直す気持ちになれなかった。意を決して外伝を読みはじめてもなお、やっぱり生きているエリンたちの物語を読んでいることの違和感はずっとあったように思う。そうした意味で、タイトルの「刹那」という言葉が、物語によく合って見えた。どの物語も登場人物たちの人生の中で見れば一瞬のような幸せな時間が描かれる。 一番印象に残ったのは、エサルのセリフだった。 たとえ病を癒しても、パミは礼を言わない。ーそれが獣ノ医術のいいところだ。自分がなんのために病を癒しているか、見誤らずにすむ。 病を癒すのは、獣に頼まれたからではない。自分がそうしたいから、やっているのだ。 病が癒え、痛みが消えたその姿を見たいから、やっているのだ。(p335) 『獣の奏者』に出てくる登場人物たち全員に共通した考え方だったように思う。獣ノ医術師にせよ、セ・ザンにせよ、ジェシが生まれてきたことにせよ、自分がなんのためにそれをするのか、登場人物たちが、それを見誤らない、あるいは、それを見つける物語だったのだと、この外伝を読んで、本編に対するイメージが変わった。 面白い。けど、本編を読んでから、時間を置いて読みたい本だった。
0投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログAmazonオーディブルにて読了 3.2 尊くてしんどいってやつかな。ほんまにちょっとしんどかったレベルでなんか理想の恋愛を見せつけられた気分。もし失恋時に読むならほんまにおすすめせん笑笑 こんな感じに理想を築けたら幸せなんやろうなと言う本 エサルに関してはイメージと異なってたのでうーんと言う気持ちもある
0投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
外伝なので本編のストーリーに影響を与えないエピソード集だが、ある意味とても濃い短編集だ。 「綿毛」 エリンの幼少時代。主人公は母ソヨン。本編ではあっという間に殺されて退場したので、ソヨンの物語をもっと読みたい読者へのプレゼントだろう。エリンに授乳するシーンなどがある。 「刹那」 いきなり、エリンの出産シーン。しかし主人公はイアル。難産で苦しんでる妻の脇で、二人のなりそめを思い出すイアル。初デートは祭りに出かけた。煮え切らない二人だったが、エリンが押しかけ女房的にイアルの家に入り、なし崩しに夫婦となる。こんなことを思い出してるうちに、エリンの難産はピークとなり、血まみれで苦悶しながら、ジュシを出産する。 「秘めごと」 主人公はエサル。学生時代、ジョウンたちとつるみながら、議論し、王獣に遭遇し、恩師にも出会い、次第に人生の道を見出していく。という物語になると思いきや、途中からエサル先生の若かりしころの恋愛小説となる。それもプラトニックでなく、肌を合わせて求め合うシーンまで。エサル先生のラブシーン、期待する読者っているのか? 「」
1投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログエリンの幼少期 エリンとイアルの恋の始まり ふたりが家族・親になる姿 エサル師の幼少期・切なく苦い恋 それぞれの時代のみんなの感情を知り、あの時彼ら彼女達はこんなことを想っていたのか…と、更に物語が深まる。 エサル師の学生時代はとても意外で、生々しくもあり、面白かった。
0投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物達の人生が詳しく温かく描かれていた 国の命運を背負う運命を負ったエリンと、夫のイアル、師のエサル… 皆激動の人生を歩んできて、辛いことも多かっただろうけど、それでも自分の人生を良かったと思い、刹那であってもその瞬間の幸せを大切にしている人達だと感じた 人の群れの中で生きていくことは苦労が多く簡単ではないけれど、彼らのように小さな幸せの欠片を拾い集め、周りの人や生きとし生けるもの全てに愛を注いで生きていきたいと思った
0投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ著者の小説「獣の奏者」の番外編です。本編では語られなかったサイドストーリーが語られています。それだけの魅力的なキャラクターがたくさん登場する物語であったからこその一冊となっていると思います。ぜひ本編を読んでから楽しんでいただければと。本編で主人公エリンの幼少期から母親になるまでの経験を胸に、そのときの周囲や本人のさらなる気持ちの複雑さや想いを感じ取ることができました。名残を楽しむように、惜しむように読ませていただきました。
1投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログただのサイドストーリーかと思いきや、本の中の登場人物に更に血を通わせ人間味を表すような内容で、このシリーズにより深みを与えていると感じました。
0投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログパズルのピースのように、空白の11年を埋める役割を持ったサイドストーリー❗ 上橋 菜穂子さんのあとがきにあるように、人生の半ばを過ぎた人が読むと、非常に感慨深い作品となっています♫ 個人的には、エリンの同棲・結婚生活を描いた『刹那』よりも、若かりしエサルの切ない恋模様を描いた『秘め事』の方が、興味深く読むことができました❗男性キャラクターは、ユアンよりもジョウンの方が好きです♫ カバーデザインも非常に綺麗で、とても満足出来たシリーズ作品でした❗
15投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログ次の世代へ繋ぐ気持ち。 受け取られる想い。 そうやって続いていく事が、私にも出来ると良い…そういう気持ちで読みました。
0投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
獣の奏者の番外編。 本編がとてもよかったので、こちらも期待して読みました。続編ではなく全て本編の途中もしくは過去のお話。 本編では突然エリンとイアルが夫婦になっていたので、馴れ初めがわかって嬉しい。本編を読んでいる時に、少しでもいいから馴れ初めがあってもいいのに、と思いましたが、あとがきに「恋愛要素は本編の邪魔になる。」というようなことが書かれていて、それもそうかなぁと納得。外伝を書く前、本編を書いている時から著者の頭の中にはそれぞれの登場人物の細かいエピソードも浮かんでいたそうで、それもすごいなぁと思いました。 獣の奏者全巻読み終わってしまい寂しい。
1投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログ「獣の奏者」を読んだのは何年も前のことになります。 前作を再読してからにしようかとも思いましたが、 audibleで聴き始めると あっという間にエリンたちの世界に舞い降りたような気分になりました。 懐かしかった。 エリンを取り巻く人たちの 柔らかなひと時に触れられて本当によかった。
5投稿日: 2023.05.24
powered by ブクログエリンとイアルの馴れ初め エサル氏の恋の話 などなど、外伝ならではの話が楽しい。 エサル氏の話の結びが好き。 色んなものを胸に抱いて、何事もなかったかのような顔をして過ごす。うーん、みんなきっとそうなのだよなぁ。 本当に魅力的で心に残る大長編でした。
1投稿日: 2023.04.10
powered by ブクログメインストーリーで描かれなかった裏側。それがこの巻では描かれています。なぜメインストーリーとして描かれなかったのかは、上橋さんのあとがきに書かれています。それを読んで、深いなー、と思いました。 物語を読むと、それぞれのキャラの個性がより際立つ印象でした。良かったです。
0投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログ「獣の奏者」のストーリーは「獣」をめぐってストーリー展開がなされていく。 そこには、いろんな人たちの思いがあるのだが、「獣」とは関係ない部分はあえて書かれていない。 それを書くとボケてしまうからとか。 が、この「外伝」は主人公以外のストーリーが書かれている。 エリンの夫や、エリンの指導者の物語など。 「獣の奏者」を読んだ方には、ここまで読むことをお勧めする。 切ない話が多いけどね。 あー、面白かった。
0投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ上橋菜穂子先生、ここまでの物語をこの世に生み出してくれて、ありがとうございます(感涙) エリンの亡き母、ソヨンの想いが初めて文章として表された「綿毛」から始まるこの外伝は、全てが今までの物語の核となる部分ではない。 けれどこの「獣の奏者」の世界で生きる人々にとって当たり前にそこにある思い出達を、 上橋菜穂子先生が特別に覗かせて下さったような嬉しさを初めに感じた。 今までの世界を読み進め、エリンと共に冒険をした読者に頂けたご褒美として、これ以上にいいものはないと思える。 特に、「刹那」と「秘め事」で新たなエリンとエサル師の一面を知り、今まで感じることのなかった対極をなす2人の立場と生き方に、この2人の出会いは必然であったのだと強く確信した。 改めて、獣の奏者の世界に生きる人々の〝生〟を感じる事ができる一冊だった。
0投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログシリーズ4作品の後の、番外編。 後日談ではなく、本編に書かれていなかった四つの時間が描かれている。 ・エリンの赤ん坊時代 ・イアルとエリンの恋と出産 ・エサルの秘めた恋 ・ジェシの幼少時代 どのような生き方を選ぼうと、瞬間を切り取れば確かに幸福な時間がそこには存在していたのだ、ということがどの物語からも強く伝わってきた。 このシリーズ、大のお気に入りになりました。おすすめ!
5投稿日: 2023.02.20
powered by ブクログ3巻で「あの10年があって本当に良かった」って言ってたから、とても気になっていた。信じられないほど大きな重責を背負った二人の恋愛は必ずしも幸せだとは言い難いが、それでもお互いが大切で仕方がないのが良く伝わってきた。どんな恋愛小説よりも素敵。
1投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログ人の恋愛、妊娠、出産を、こんなに大きな命の物語として描ける人がいるのか…と、しばし呆然となりました。 エリンの母ソヨンの話、エリンとイアルの話、若きエサル師の話、幼きジェシの話。 乳房を含む行為がとても温かく愛おしくツキんと物哀しい。
0投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログ辛い人生を歩むことが分かっていたとしても、生まれてこなければ良かったとは思わない、自分の人生に後悔しかないようには生きたくない、自分の生を諦めなくない、そういうエリンの強い意志が伝わってくる。 私も、自分自身で選択をして、どんな人生を歩むのか決めていくようにしたいと思う。
0投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ獣の奏者のスピンオフ。空白の期間を埋める作品として描かれています。本編を読んだのが、だいぶ昔になってしまって…。この作品にはもっと早く出会っておきたかったです。ヒーロー、ヒロインとして描かれている登場人物たちの、心の襞が見える作品でした。
1投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ待ちに待った文庫。 本編では「余分な一滴」になりかねないため描かれなかった物語が紡がれる。 母の、女性の物語。
0投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログ獣の奏者のスピンオフシリーズ。 あとがきで著者の方が、この外伝で語られるストーリーをあえて本編に入れなかったとありました。たしかに、恋愛の話は引きが強いから獣の奏者本編の大筋から逸れるのを懸念したというのは納得。そのくらいスピンオフもおもしろかったということ!
1投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。 時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。 単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。 エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 文庫版には、エリンの母、ソヨンの素顔が垣間見える書き下ろし短編「綿毛」を収録。 大きな物語を支えてきた登場人物たちの、それぞれの生と性。 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。 高潔な獣ノ医術師エサルの女としての顔。 エリンの母、ソヨンの素顔、そしてまだあどけないジェシの輝かしい一瞬。 時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。 【本書の構成】 1 文庫版描き下ろし エリンの母、ソヨンが赤子のエリンを抱える「綿毛」 2 エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」 3 エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」 4 エリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての…」
0投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刹那 って言葉には、将来のことを考えないで今目の前の一瞬のことだけを考える ってイメージがある ソヨンとアッソン、ソヨンとエリン、エリンとイアル、エリンとジェシ、エサルとユアン 人生の半ばを過ぎた身で振り返ってみれば、確かにどの関係も刹那的な関係なのかも知れないけど、リアルタイムで悩みもがいている若者の物語を「刹那」とタイトルを付けるのは悲しい気がする 本編での「生まれて、死ぬまでの間に」「この10年があってよかった」というイアルの台詞が「刹那」のタイトルにぎゅっと詰まってる気がする
0投稿日: 2022.07.29
powered by ブクログエリンを産み、母となったソヨンの不安や歓びを描いた「綿毛」。 エリンとイアルの出会い、結婚、そして出産までを描いた「刹那」。 カザルムの教導師長で、エリンの良き理解者でもあるエサルの、切ない恋の物語「秘め事」。 二歳になったジェシと家族の、ささやかな日常を描いた「初めての……」。 あとがきに書かれている「雑と達者」「効果と手抜き」の違い(漫画家の萩尾望都さんの言葉)についての話が印象的で、それを踏まえて考えると、作品を大切にする作者の想いと、本編を完結させた後に隠されたエピソードを知ることができ、「獣の奏者」好きにはご褒美のような作品だと思った。 エリンとイアルの何とも言えない距離感、エサルに対してのジョウンのさりげない優しさ、エリンやソヨンの子育てエピソード等、なかなか良かった。
3投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ大好きな獣の奏者シリーズ。 闘蛇編から、獣を中心に回ってた物語の外伝。 本編で語られなかった重要人物2人に焦点を合わせた物語。 エリンの夫のイアルが、何を感じ、何を見て、その心がどう動いていくかを伝える内容。 そして、エリンの恩師のエサルの過去。 ジョウン(エリンの母が死んでからの育ての親、エサルの級友)とユアン(エサルの特別な人、級友)も登場。 本編は、ファンタジー。 外伝は、王獣も出てくるけど、ヒューマンドラマ。 エサルもイアルもかっこいい。
1投稿日: 2022.03.14
powered by ブクログ学生時代はひたすらエリンに共感できたけど、大人になって手放しでは共感できなくなった。けれど、外伝を読むことでちょっと理解できる気がした。 大人になった今はエリンよりもエサルにすごく共感できて、エサルの昔の話がここで読めたのはとても良かった! エリンとエサルの違いは幼い頃に壮絶な経験を受けたかどうかではないか…と思えてしまった。エリンはあの過去があったから幸せというものが想像できなくて現実味がなくて、あそこまで極端な選択ができてしまったのでは…と思った。
0投稿日: 2022.03.02
powered by ブクログ獣の奏者、本編が終わってしまい余韻に浸りたくて購入した。しかし本編のような興奮も壮大なストーリーもないし、王獣は登場しない。本編は子供でも楽しめるがこちらは少し大人向けかな。という感じでした。本編の2巻が終わった時点で読んでもいいかな。と思える内容です。(若干ネタバレになるが)
3投稿日: 2021.11.02
powered by ブクログエリンの恋と出産のお話では、夫婦ともに大変なものを背負ってでも添い遂げ子を産んだ理由が理解出来てよかった。 本編では3巻でエリンが一気に母親になっていて、ちょっとついていけなかったから先にこっちを読んでいたら気持ちが追いついたかなと思う。 少女から妻になって、そして母になる。 全てにおいて様々な葛藤があった。 エリンの未来を諦めない気持ちが心に響く。 エルサ師の学生時代のお話にもビックリした。 家の事や将来のこと、そして短い恋の話。 読んでいると気質がエリンとそっくりだなって笑っちゃった。 あと、ジョウンも登場したので嬉しかった。
10投稿日: 2021.10.11
powered by ブクログ4.2 やっと読み終わった、、面白かったが、何故かなかなかページが進まず読み終えるのにかなり時間がかかった。 最初の話は後から追加したものだと後書きで知りびっくりしました。 この話が一番良いと感じたから、エリンが好きなのでその生まれた時の話を読めたのはとても楽しかった。 あとはエサル師中心の話で、それもとても面白かったです。獣の奏者本編でもイサルよりエサル師の方が登場場面が圧倒的に多い割に彼女の話が全く無かったので、そう言った意味では彼女の若かりし頃を知ることができてとても良かった。
7投稿日: 2021.09.18
powered by ブクログ本編を壊さないために、本編を書き終えた後に「外伝」という形で出したことを知り「なんと真っ直ぐで誠実な方なんだろう」と思いました。 外伝では、本編では語られることのなかった物語達にスポットを当てており、本編を読んでいて気になったことや知りたかったことが書いてあります。 外伝を読んでから再度本編を読み返してみると、また違った感じ方ができたり新しい気づきがあると思うので、おすすめです。
0投稿日: 2021.09.16
powered by ブクログ幸せな時代もみんなあったのね、というまさに刹那のお話 はーつらいつらいつらい泣く ジェシの可愛さばかりがひたすらに目に浮かんで泣くよね、、
0投稿日: 2021.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語として「かたち」にするとき、しぜん削ぎ落とされる部分がある、ということ。それらの部分を書いたものがこの外伝であること。なんだか、妙にシィンと納得してしまった。ただ……なんというのだろうか。小娘の生意気だけれど、世界として完成されすぎているがために、ファンタジィが本来描きうるもの(たとえばまだ現実にならないジェンダーの平等)が徐々に取りこぼされてしまっているようで悲しく惜しいように思われる。
0投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログ「綿毛」 戒律を破ってでも進んだ先。 動揺し思わず口に出てしまった言葉だったとしても、母親としてでなく一族としての思いを一番に聞いてしまうと少し悲しく感じるな。 一族の中で生きていたら、彼女にとって居心地の悪い窮屈な場所であっただろうな。 「刹那」 一人で背負ってきたものは。 幼い頃から独り生きてきた彼にとって彼女との日々は新しい事ばかりで、自分を取り巻く周りの変化についていく事も大変だったろう。 後悔が残る結果かもしれないが、あの場に姿を現す事が出来たのは奇跡なのかもな。 「秘め事」 若かりし頃は無茶ばかりを。 獣と本気で向かい合う者に対し、身分や年齢を問わなかったのは自身が探究心に満ちた心を捨てず持ち続けた結果なのかもしれないな。 当時の本人達にしか分からない事ばかりだろうが、あまりにも酷な終わりでないか。 「初めての」 幼い頃から理屈で減らず口。 彼女の子なのだから一筋縄では行かないとは思っていたが、言葉を覚えたと同時に屁理屈まで言い始めたら苦労が耐えなさそうだよな。 大切に育てられたからこそ、両親の事になると血の気が多くなってしまうのかもな。
0投稿日: 2021.05.11
powered by ブクログすごく昔に読んだ獣の奏者、その外伝。 本編に入れなかったのは、それが余分な一滴の一滴になるから、作品の過不足を見定められる目を持たない限り作家にはなれない、と作者があとがきで語っていて納得。作者の中にはもちろんそれぞれの登場人物の人生の歴史は見えていて、でもあえて本編に書かない。本編はかなり前に読んだので、作品全体の世界観と読んでてドキドキした体験しか記憶になかったけど、また十分世界観を楽しめたし、また本編読みたくなった。
0投稿日: 2021.03.16
powered by ブクログ本編で作者が意図的に書かなかったエリンとイアルの恋愛。そしてエサル教導師長の生い立ちから学童時代の恋愛。特にエサル師の物語に引き込まれました。
0投稿日: 2021.03.05
powered by ブクログ上橋さんはエサル師が好きなのかな。 エサル師とエリンは似てるなぁと思いました。 ユーヤンのその後も読みたかったです。
0投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログ空白の11年間だけじゃないけどエサル師の過去とかエリンとイアルの馴れ初めとか、、 気になってたとこを知れて満足です。 ユアン好きだな()
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログ王獣の事や生まれ持った柵などがコノ外伝刹那ではその柵の中でも日常を皆が生きていた事を語ってくれていたので獣の奏者ならではのスリルが少なく少し物足りなさがあったが!読んでよかった知れて良かった本を読み終えてスッキリしています。
0投稿日: 2020.12.30
powered by ブクログあくまでも外伝。 これ以上は商業目的の付け足しに感じてしまうので、これくらいで。 イアル目線が面白い。
0投稿日: 2020.09.06
powered by ブクログ『獣の奏者 外伝 刹那』読了。 エリンと若かりし頃のエサルのサイドストーリーでした。本編が凄かったのでこちらは仄々とした気分で読んだ… それでも二人の女性の生き様が描かれていて、勇気づけられたような気がする。 強い意志や信念を持って何かを成し遂げる姿はカッコよかったな。 読んでいるうちに自分の過去と重ねてしまった。 過去に何度か生まれてこなければよかったなと思っていた時期があって(今はそうでもないけど)。 なんでこんな私が生まれてしまったのか、その問いに対する答えがなんとなく分かったような気がする。 刹那の生きる喜びが今の私を生かしてくれてるんだろうな 2020.9.2 (1回目)
6投稿日: 2020.09.02
powered by ブクログエリンの母ソヨン イアル エサル ジェシ その4人の物語。 刹那のラストは、鳥肌がたってしまった。 秘め事は、切なくて切なくて。。。 この外伝を読んでから、シリーズを1巻目から読み直したら、全然違うものに感じるだろうな。。
0投稿日: 2020.07.28
powered by ブクログ本編で語られなかった3人の女性のそれぞれのストーリーが語られており、更に本編に深みが増したように思います 私は男性ですが、目頭が熱くなるところがいくつもありました
0投稿日: 2020.04.09
powered by ブクログエリンとイアルのなれ初めは、知りたかった。エリンはここでも強かったんだ。一族を離れてでも愛する人と生きる道を選んだソヨンと似ている。 イアルの意志はとても固かったはず。ストイックな人だから。自戒の念も凄まじいものだっただろうと思う。それでも、エリンを愛しく想う気持ちは止められなかったんだな。 エサルの想いも、わかる。道ならぬ恋に身を焦がしたことがあるから。
0投稿日: 2019.12.08
powered by ブクログ本編の緊張感とスピード感からは少し離れた、サイドストーリー。本編で語られることのなかった時間と空間を覗くことができる嬉しさを感じると同時に、人間の獣としての生と性の在り方にも視点を置くことができる。
0投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログ登場人物たちの過去が明かされる作品。 気になるところをぎゅっと詰め込んでくれていました。 もう一度読みたい…! 2019.06.12 二度目の読了。 個人的にはエサルのお話がすごく心に残りました。 大人な感情を、淡々と、熱い言葉で表現してあって 言葉を飲み込むのに気合いが必要でした!(良い意味で) 全ての短編が、 獣の奏者本編とはまた違った面白さがありました。 もう少し大人になったら、また読んでみたいです。
0投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログ上橋さんのあとがきのタイトルが「人生の半ばを過ぎた人へ」だった。 まさにこの小説の読者に向けたメッセージだ。 本編の獣の生き様とは異なり、この外伝の4つの物語はすべて人間の愛と性を綴った物語になっている。ソヨンとエリン、エリンとイアル、エサルとユアン。それぞれがそれぞれの思いで人を愛し、子供を愛し、悩み、喜ぶ姿が、まさに人生の半ばを過ぎた身にはつきささる。誰しもそんな思い出をいくつか持っているだろう。 エサル「思いはけっして逝かない。やがて時が薄れさせてくれるとしても、願うほどには早く消えてはくれない。」 まったくだ・・・
0投稿日: 2018.08.29
powered by ブクログ見てはいけないものを見たことはあるか。 幽霊とか、銀行強盗とか、宝石箱の中の小さな骨とかではなく、 あふれ出そうなのを必死で耐えている涙とか、 宙を見つめているようで見つめていない横顔とか、 小刻みに震えて止まらない手とか。 多分、人の心の奥底にある何か。 非常に美しい物語が紡がれているが、 この見てはいけないもの見た、という感じがぬぐえない。 後味が悪い、ということではない。 ただ、 秘めておきたい想い、 秘めておかなければならない気持ち、 秘めてこその思い出、が、 人にはある。
0投稿日: 2018.08.12
powered by ブクログ2013.11/25 シリーズ外伝。この世界が好き過ぎて、エリンロス症候群になってたから本屋で平積みになってるのを見た時は飛び上がった〜〜♪シリーズのなかで語られなかった逸話(母と幼いエリンの生活『綿毛』、イアルと親妹弟の別離と再会&エリンとの馴れ初め『刹那』、若かりしエサル師の恋物語『秘め事』、仲睦まじい平和な時代のエリン家族『初めての...』)がシリーズの穴を埋めるように、でも邪魔することもなく語られて、終わらせるのが嫌でゆっくり、ゆっくり噛み締めるように読んだ。なかでも『秘め事』では鼻の皮すり切れました(;_;)
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログ2017/12読了。2度読んだ。エリン、そしてエサルの恋の話がメイン。これはもう何ていうか、生々しいのひとこと。生きるというのは肉体あってのもの。理性だけでは語れない生命の話でした。確かにこれは、児童書じゃないですね。重い読後感でした。
0投稿日: 2017.12.21
powered by ブクログ本編は物語として完璧に、完結していた。 外伝では『獣の奏者』という物語としては必要のないような表情が書かれていたように思う。 とても良かった。
0投稿日: 2017.05.30
powered by ブクログ探求編、完結編は母になったエリンが、闘蛇と王獣を騎兵とする闘いに終止符を打つあらすじとなっているが、語られなかったイアルとの馴れ初めやエサル教導師長のかつての淡い恋の痛みなど、まさに外伝として紡がれるべき短編集となっている。 刹那に燃え上がるように、じりじりと燻るように、胸に秘められた想いが妙に生々しく描かれている。 重要人物一人ひとりに物語があり、「獣の奏者」の世界に彩りを添える素敵な短編集である。
0投稿日: 2017.03.22
powered by ブクログ◆エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 文庫版には、エリンの母、ソヨンの素顔が垣間見える書き下ろし短編「綿毛」を収録。 大きな物語を支えてきた登場人物たちの、それぞれの生と性。 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。高潔な獣ノ医術師エサルの女としての顔。エリンの母、ソヨンの素顔、そしてまだあどけないジェシの輝かしい一瞬。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。 【本書の構成】 1 文庫版描き下ろし エリンの母、ソヨンが赤子のエリンを抱える「綿毛」 2 エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」 3 エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」 4 エリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての…」 「ずっと心の中にあったエリンとイアル、エサルの人生―― 彼女らが人として生きてきた日々を 書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。「刹那」はイアルの語り、「秘め事」はエサルの語りという、 私にとっては珍しい書き方を試みました。楽しんでいただければ幸いです。」(上橋菜穂子) (^^)<Comment
0投稿日: 2016.12.13
powered by ブクログ本編の時間軸の隙間を埋めるサイドストーリー。本編読んでいる間に頭の中で構成された風景の中で展開する話だからこそ面白い。
2投稿日: 2016.12.10またあの物語の世界に
本編では描かれなかったそれぞれの物語。完結編を読んだ後に、エリンとイアルの2人、ジェシも生まれてからの3人の物語をもっと読みたいなぁと感じていました。その希望が実現して単純にうれしく読み進めました。 物語自体はそれぞれの立場を伴った葛藤があり、ハッピーな内容ばかりとはいかないけれど、だからこそエリンとイアル2人が幸せな描写はとても胸にこみ上げてくるものがありました。
1投稿日: 2016.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2016.9.28読了。人生でこのシリーズに出会えた事が私にとっての大きな財産であり幸福だ。そしてこの外伝がなかったらこのシリーズが自分にとってここまで特別なものにはならなかっただろう。一般的な物語、特にファンタジーでは描かれる事のない生々しさがある。でも物語の佇まいは壊れる事なく解説にある通り完璧な球体をさらに覆うようにさらに大きな球体を作ったのだ。凄いなぁ。色々思う箇所が多すぎて正直感想を書き切れない。『綿毛』:最初読んだ時ソヨンの話と見聞きしていたからアッソンのことが書かれてるのかなと思ってたけどそうでもなくて出番のない彼を気の毒に思ったりした。妹のツラナさんの方が出番あるような…ソヨンは話しても分からないだろうと諦めて話さなかったことを後悔してるのがイアルとエリンが分からなくてもいいから息子のジェシに話した事と対比になってるのかな。『刹那』:タイトルがもうずるい。互いにいい匂い感じたってことは遺伝的な相性も良いってことだよね。羨ましいな。おい。ヤントクも思ってたけどまさに独房なんだろうな。そして「普通に生きる」ことは本当に難くて…。エリンは解放したかったのだろう。互いに普通じゃないからこそ普通の恋心に戸惑いながら、彼と自分の運命に挑むような目をしてたんだろう。でも祭の前の日に一度諦めかけたんだと思う。祭で本当に色々変わったんだ。そういや自分が前に惹かれて買った服は明るい黄色でエリンもこんなのを買っていたのかなと思ってたりした。このシーンの彼女かんわいいな。ある意味押しかけ女房としてやってきたエリンのふっきった顔は好きだな。実際に見える訳じゃないけど好きな表情だとわかる。後半になるにつれイアルの食事に対する味の感想なんかがちらほら出てきてエリンと過ごすことで生活に色が付いてきたのがわかる。2人は羨ましいくらい「お互い」なんだよなぁ。影響しあって想い合って。トキさんの「殿方が思ってるより、お産ってのは怖いものなんだよぅ。」って言葉は全男性に伝えてやりたいわ。そして親族がいないってのはこういう苦労があるんだな。こういう細かい所がより生々しさを出してる。他の物語じゃまず描かれないもの。私にとってエリンは憧れで、それもなれそうでなれなかった憧れなのだ。実際にはエサルの方が私は近いのだと思う。エリンがイアルに送った「つかのまの独り身、楽しんで」という手紙の言葉はまるで私の母の言葉のようでエリンはむしろ私の母に近いのかもしれない。「過ぎてきたすべてが、おれをいま、ここにおいている。」はエリンも王獣編のクライマックスの前に想い抱いていた事だ。やっぱり根が同じなんだろう。結末を知っててもラストの緊迫したシーンは何度読んでもドキドキする。『秘め事』:夢中で会話を交わせる相手がいる事は幸運だと思う。もう1つの道に進んでいたらそういう相手に出会う事もあったかもしれないけど、私は道を選ぶ上で1つの可能性を捨てたのだ。「もし」を考えたりもするけれど、後悔はしてない。けどそういう点ではエサルが凄く羨ましい。ユアンは怖ろしい男だな。人が羨む幸運も地位も生活も躊躇いなく捨てられるしかも何かしらの情熱もなく。エサルは怖かったのかもしれないと思った。エリンは隠れて何かしら突拍子のない事をやったりしたけどエサルは恩師も父も欺いて綱渡りをしてたからエサルの方が賢いけどずっと危ないことをしてたように思う。こういう覚えがあったからエリンに対してもやれやれと思ったのだろう。本を作った事があるからよく分かるけど本を作るのって本当に大変。でも書物にした事で残るのだ。ユアンがしたことは唯一2人で後世に残した物を後世に繋ぐ行為なのだと思う。でもそこに特別な意図はないのだろうな。作りたいから作ったのだろう。『初めての…』:最後の声をたてずに笑った。でうわあぁってなる。せつなはせつないのせつなかよ。刹那の極上の幸福を噛み締めた。私は並の人より若いうちからの苦労が多いらしい。でも時間が遡れたとしても私は同じ道を選ぶと思う。後悔がないわけではない。その後悔も含めて今の自分が出来ていて「生まれてきて、よかった。」と心の底から思えるのはこの人生を歩んできた特権なのだと思う。きっとソヨンもエリンもイアルもエサルもちゃんと幸せだったのだ。たとえ刹那でも喜びがあれば、それだけで、生まれてきた価値はある。そう。そうなのだ。この本のタイトルはそれらを全てひっくるめての刹那なんだ。このシリーズは涙を流すよりも読み終えた後にただただ放心するような作品だ。実際私もしばらく放心していた。解説の中江さんも同様だったようだ。同じ人がいてちょっと嬉しい。本の読み方には読者の個性が如実に現れる。私はどんな読み方をしてるのだろう。本当は他者と比べ合い会話をしたいけど私には悲しいかなエサルのように話せる相手に恵まれていない。体の声については解説を読んでからハッとした。心と体は一つだけど一体ではないんだ。表紙は祭りの灯篭を思わせる幻想的な光が集まり高く舞い大きな樹を描いている。儚くて力強いこの物語に相応しい表紙だと思う。
0投稿日: 2016.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エサルの「秘め事」がエリンの物語よりも好きだ。 生きている中で、自分の思う通りの人生を歩める人が、いったいどれだけいるだろう。過程は違ってもその道を一歩一歩進める人もいれば、何かの障害のためにその道を閉ざされてしまう人もいるだろう。 エサルは、貴族としての生活よりも自分の興味があるマキオリや、そこから王獣をみる獣ノ医術師になることを選んだ。 自分に課せられた今で言う親の決めたレールと言っていいものには乗らずに、自分がしたいと思うことへの道を歩んだ人だ。 現代では政略結婚だとか家業を継ぐことへの絶対性は薄くなってきたように思うけど、この物語の中ではそれは根付いていた。それらを突破できたのはエサルの元来備わっていた気性が大きいように思うけれど、周りの人たちのなかで少しずつ変化してきたことも関係なくはないと思う。 エリンが主人公の時はエサルも老成した人という印象だったので、こんなにも胸に秘めた想いがあったのかと驚いた。 エサルは自分の性質について冷静に分析できる人であったが、その一方で女としての幸せも捨てきれなかった。若かったからだろうなとも思う。そしてその分析力が、エサルを苦しめる結果にもなったんじゃないだろうか。 ユアンに惹かれ、すべてを投げ出してこの人と生きられたら、と思う一方で家族のことも捨てられず、自分がしたいと思っていた研究も捨てられず、結局は時の流れの中でどうすべきか、残された道を選ぶしかなかった。 エサルの父はエサルを「生まれてきた境遇や地位のようなもの、性別を間違えた」と言っていたと思うけれど、そうかもしれないと思う一方で、もし違っていたのならユアンと出逢えていただろうか?マキオリへの興味や王獣との出会いは果たせていただろうか?とも思う。 エサルが「これでよかった、わが身の春を知った。幸せだった」と言っていた。エサルがこれでよかったのだと思えているのなら、これできっとよかったのだろう。 欲を持ち、自分のしたいことに一生懸命だったエサルの若い頃は切なくもあるけれど、幸せだと思う瞬間があってよかった。
0投稿日: 2016.09.25
powered by ブクログサイドストーリが4作。本編の余韻をじゃましないいいサイドストーリだった。これでおしまいか。淋しい・・・
0投稿日: 2016.09.25
powered by ブクログシリーズの外伝に当たる短編集。読んでいて気になったのはエリンとイアルが結ばれる過程の話の「刹那」。エリンに魅かれながらも、自分の生い立ちから中々受け入れることができずに悩むイアルが印象的だった。本編ではこういう生々しい(言い方は悪いかもしれないが)人と人とのふれあいの描写という物があまり無かったので、読んでいて新鮮だった。感想がまとまりませんが、感想はこんなところです。
0投稿日: 2016.09.01
powered by ブクログどんな外伝だろうとワクワクして読みましたが・・期待しているのとは異なり少し残念。でもそれを差し引いても面白かった
0投稿日: 2016.07.05
powered by ブクログ上橋菜穂子による壮大なファンタジー長編の外伝。掌編を含む4つの物語から構成される。 作者が述べている通り、本編はもはや付け足すところのない一つの閉じた丸のように欠けるところのない作品であり、本作はいわば蛇足のようなものではあるが、本作によって描かれるそれぞれの人物がより人間らしく生き生きと感じられてくるという点で、本編を補強する大事な作品である。 特に、冒頭で描かれるエリンの母ソヨンは本編では重要な役どころではあるものの、描かれ方は限定的であった。本作によってよりソヨンの思いが際立ってくる。 いずれの作品も「児童文学としての獣の奏者」ではなく、ある程度歳を重ねた大人に向けて描かれているように感じる。本編を含め、作品全体の懐の深さを感じることができる良作である。
0投稿日: 2016.06.29上橋菜穂子による壮大なファンタジー長編の外伝
本書は掌編を含む4つの物語から構成される。 作者が述べている通り、本編はもはや付け足すところのない一つの閉じた丸のように欠けるところのない作品であり、本作はいわば蛇足のようなものではあるが、本作によって描かれるそれぞれの人物がより人間らしく生き生きと感じられてくるという点で、本編を補強する大事な作品である。 特に、冒頭で描かれるエリンの母ソヨンは本編では重要な役どころではあるものの、描かれ方は限定的であった。本作によってよりソヨンの思いが際立ってくる。 いずれの作品も「児童文学としての獣の奏者」ではなく、ある程度歳を重ねた大人に向けて描かれているように感じる。本編を含め、作品全体の懐の深さを感じることができる良作である。
0投稿日: 2016.06.28
powered by ブクログ蛇足なんじゃないかなあと思いつつもやっぱり読みたくて。大正解。上橋先生がこれを書いてくれてよかった。
0投稿日: 2016.06.26
powered by ブクログ改めて思うのは、上橋さんのは本当に読みやすい!慣れ親しんだ、エリンやイアル、エサルのお話でスルスル読めた。人として覚えておきたいの事が、さらりと書いてあるのでまた読み返して覚えておきたい…。2016/6/24完読
0投稿日: 2016.06.25
powered by ブクログ外伝としてこれらの作品をしたためた作者のコメントに納得。 エサル師の恋が、とても良かった。 あの気持ちは一生消えない。 2016.6.11
0投稿日: 2016.06.11
powered by ブクログ外伝らしい外伝すぎて。本編じゃなくて、外伝として描かれているというのがミソ。エリンとイアル、ソヨンも、エサル師も。たくましいだけじゃなくて。 外伝まで書いてくれてよかったなあって思える一冊。
0投稿日: 2016.06.01
powered by ブクログ物語の登場人物たちの恋愛の物語。 エリンとイアルのなれそめ、それからエサル師の若き日の恋を中心に短編4つ。 あとがきを読んで、とても納得。彼らの恋愛の物語は、本編にはあるべきではない物語。 エリンとイアルがどうやって夫婦になったのかとか描かれていなかったことが、描かれていてよかったけど、読めなくてもよかったかもしれない。想像で補っていたこと知ることはできたけど、本編の獣の奏者とは違う色の物語。
1投稿日: 2016.05.07
powered by ブクログ「獣の奏者」シリーズ外伝。 ・「綿毛」エリンの母親、ソヨンの心を細やかに描く。 ・「刹那」エリンとイアルのなれそめ。 ・「秘め事」エリンの師、エサルの若い頃の恋。 ・初めての…エリンとイアルと幼いジェシの思い出。
0投稿日: 2016.04.28上橋先生らしい外伝
守り人シリーズの外伝もそうですが、本編を読破後にあー、こんなことがあったんだと思わせてくれる、パズルの残りのピースを嵌め込む感覚が味わえます。生と性、愛と哀の絡み合う物語が凄い。また本編に戻って読み返したくなります。 本編ラストのジェシの語りがいいですよね。あれを噛みしめてから本書をじっくり読むのがオススメです。 ジェシを授かった時のエサル師の気持ちが、エリンの覚悟が改めて胸を打ちます。 ヒトは、こんなにも豊かな想像の世界を造れるのに、なぜ現実からは目を背けてしまうのでしょう。本編で語られているように、争いは無くならないのでしょうか。
3投稿日: 2016.04.27
powered by ブクログまあ、外伝です。 本筋ではないです。(当然ですね) でも、全く新しいキャラが動き出すような話ではなく、メインの登場人物について掘り下げる話でした。 奏者シリーズは、本筋の完成度が高くそれ以外の要素が必要ないと自分は感じたので、このような外伝に逆に好感が持てました。
0投稿日: 2016.04.13
powered by ブクログ刹那はイマイチだったけど、秘め事はよかった!! すごく心に染みました。 前後のショートショートはまあ。。。ね。
0投稿日: 2016.04.07
powered by ブクログそういえば、このあたりには触れていなかったな、と思えるところをついてきた1冊。 でもですね。 私はやっぱ、これまでの3冊のほうが好きなんです。
0投稿日: 2016.03.30
powered by ブクログ大人になってからこの物語を読めて本当によかった。 私も頑張ろうと心から思った。 (思うのは簡単なのだか…)
0投稿日: 2016.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラストの初めての…は幸せな一時が描かれていて心温まりました。 反面、ほかの話はそれぞれのやるせない思いをかかえつつも生きていく姿にとても切なくなりました。
0投稿日: 2016.01.07
powered by ブクログ外伝を読んでいて、なぜ今一つこのシリーズにはまりきれないかがわかってしまった。 誰一人として感情移入できる人もいなければ、好きになれる人もいないからだ・・・。 誰も嫌いじゃないし、特にエサルは素敵な女性だと思うし、イアルの暗い影も私好みのはず。 が、今一歩近づききれない。 これくらいのシリーズ物ともなると、話の筋よりもお気に入りの登場人物のことが気になってもいいはずなのに。 ということに気づいて、なんだかすっきり。 シリーズ全体への私の感想もまとまった。 「読みやすいし、文章も上手。筋も面白い。 けど、今一つ入り込めない。」
1投稿日: 2015.11.17
powered by ブクログあとがきを読むと、物語を紡ぐことへの憧れで胸がいっぱいになる。ひとつの作品として、最後の最後まで大好きな一冊。 初めて読んだ三年前よりも救いのない苦しさを感じたのは、少しだけ世の中の厳しさや将来の不安定さに気づいたからなのかもしれない。今度読むときは、優しい気持ちで読めるようになっているといい。
0投稿日: 2015.10.01
powered by ブクログ上橋菜穂子作品の中で獣の奏者は、ずば抜けて好きな物語。 あとがきの前に「人生の半ばを過ぎた人へ」と題された中に、人生というものがどれだけ速く、あっけなく過ぎ去ってしまうものなのかを実感しはじめた人たちに楽しんでいただければと書いてある。すでに人生の半ばを過ぎ、結婚、子育ても経験したこの時にこの物語と出会え読むことができ、幸せである。 エサルの若き日の苦しいほどの恋。 イアルとエリンがお互いに惹かれていく様子など。 外伝として最初から完成されたような本。 誰も若い時があり、恋愛や辛い思いや幸せな時期があるはず。
2投稿日: 2015.08.25
powered by ブクログエルサの話がとてもよかった。 もちろんエリンとイアンの物語もよかったのだけれど。 ああ、こんなことがあって、みんなはああして立っていたんだなぁと。
0投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログ獣の奏者シリーズ、外伝。エリンとイアルの馴れ初め、結婚・出産・子育て。エリンと母、イアルとその家族のエピソード。エサルの若き日の物語。本編に描かれなかった恋愛が詰まった一冊。 ずっと気になっていたエリンとイアルのエピソードが読めて良かった。普通の恋愛でないのはもちろん分かっていたが、それぞれの立場や将来について考え、悩み、話し合い、一緒になれた二人。お祭りや小屋での光景が目に浮かぶよう。二人だけで過ごしたほんのわずかなひと時が幸せそうだった。ジェシも含めて3人での幸せな時間は10年ぽっちだったが、3人とも一番幸せな時間だったのだと思う。運命に必死に逆らいながら、正しい道を探し続けて行き着いた先が、きっとあの結末なのだろう。もっともっと3人での平和な時を過ごせたらどんなに良かったか…。 エサルの若き日の物語は、昔の身分制度の生々しい恋愛が描かれている。身分に縛られるのは辛いことも多いだろうが、エサルはそれ以上に辛かったと思う。エリンの影に昔の自分を見ているエサルが切ない。本編だけでは分からなかった、王獣と出会うまでの悲痛な過去が明かされる。 人物ごとの視点で描かれていく物語が素敵。違った視点で読むことで、それぞれの想いがより伝わってくる。外伝を読むことで、より深くエリンやその他の人物に入り込むことができた。まだまだ余韻に浸っていたいと思う。
0投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログいらないという人もいるのは分かるけれど、わたしはこの話があってよかったと思う。 「この10年があってよかった」と思い返すほどに、幸せをかみしめていた彼らのあの時を知ることができてよかった。本編は見事なほどに恋愛的要素は排除してある。けれどあれはあれでよいのだ。本編を読んだ上で、物語を深めるために読むための外伝であると思う。気になった人だけが知ればよい。 エサルの若き日の恋。胸が締め付けられました。エサルがもっと愛しくなりました。 ジョウンおじさんにもう一度会いたくなりました。 ジェシの親離れ。可愛らしくていじらしい。 本編ではあえて奥に隠されていた愛の物語。自らの厳しい人生に、懸命に向き合っていた彼らにもこんなときがあったのだ。こんな一冊があってもよいのではとわたしは思う。
2投稿日: 2015.07.01
powered by ブクログ生まれて死ぬまでの間にこの10年があってよかった、というあの10年が垣間見える一冊。 イアルの言葉にいよいよ重みを感じた。 不幸な生い立ちに生まれて、お互いを無二の存在として求めあって初めて得た安らぎと幸福がたったの10年かと思うと、やりきれない。 でも本当に幸せそうな二人。辛い結末だっただけに、この外伝はとてもありがたかった。
1投稿日: 2015.05.31
powered by ブクログ2巻と3巻の間に何が起こって、エリンとイアルが一緒になったのか。とても気になっていたので、外伝を読めて良かった。 ただ甘く幸せな恋愛ストーリーではなく、エリンとイアルの背負うものの重み、2人をとりまく環境、そしてお互いへの愛情と戸惑いに翻弄されながら手探りでいる2人の話は朝もやを掴むように儚く心もとないながらも、運命を受け入れその中で自分の生を歩むエリンらしい力強さもあった。エリンのイアルに対する行動に、エリン自身が戸惑っているのが手にとるように分かったし、イアルのそれを受け入れたいのに相手を思って受け入れてはいけないという葛藤もまたよく分かった。 エサルの恋も含めて、「刹那」というタイトルがまさにピッタリのお話だった。非常に刹那的であるが、でもそれは自分が、あるいは大切な人が未来を生きていくために、「今」を懸命に生きているのだと、ひしひしと訴えかけられているような気分になる、そんな一冊であった。 エリンのお母さんが、エリンが、赤ん坊におっぱいをあげているシーンはこちらも胸がジンとするような、温かさが沁みるような幸せな場面だった。 本編にはない、心安らぐようなシーンで、恋愛も含めて、本編に組み込んでしまえば確かにストーリーをねじ曲げてしまう可能性を多いに孕んでおり、著者がこのような形で書き下ろして下さった事に感謝!
0投稿日: 2015.05.22
powered by ブクログ「外伝」って何だろうと思って読み始めた。要するに、本編の中に書かれなかったエピソードということらしい。一つ一つの話は、主人公が異なり、本編の登場人物の一面があらわになるが、本編のような核となるストーリーがないので、本編のような大きな物語を期待すると空振りになる。また、本編抜きに本書だけ読むと、内容は分からないだろう。 そういう意味では、敢えて読まないという選択もあったと思う。
0投稿日: 2015.05.16
powered by ブクログ物語の時間的パズルピースを補間するというより,登場人物達の為人を一層堅め,物語に深みを与える.この小説というものに対する作者の姿勢こそが,世界観に深みを与え,心の琴線に訴えかける.
0投稿日: 2015.04.29
