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獣の奏者 外伝 刹那
獣の奏者 外伝 刹那
上橋菜穂子/講談社
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総合評価

163件)
4.2
61
56
23
4
0
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    全て読み終えた感想です、第2巻を読み終えた時には作者のこの話はこの2巻で完結してしまっているので続きは書くつもりはなかった、の言葉の意味が理解出来なかった。エリンのその後が気になって気になって、過去の謎にしてもまだ全然解けてないじゃん!みたいに思っていました。 けれど、全て読み終え、作者のあとがきにあるように、第2巻までは人間と獣との関わりをひたすらに描いていてその点において、その物語にとってのラストはあれ以上のものはないということが理解できました。 そして、第3巻第4巻はエリンの物語であり、そして国というもののあり方、人間というもののあり方が描かれていて、実社会における戦争や国のあり方とも考えさせられました。 いつか私の子どもがこれを読んで、彼なりに戦争というものについて考えてくれたらいいなと思いました。

    0
    投稿日: 2015.04.19
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    遂に獣の奏者が終わってしまいました。悲しい。 外伝なので、番外編です。それでも濃かったです。エリンとイアルがどのようにして夫婦になったか。本編を読んだ方はみなさん疑問だったと思います。二人とも自分の身分や置かれている立場で、産まれてくる子の今後の人生を思い葛藤します。 エリンの母やエサルのこれまでも描かれています。エサルの過去は、辛い。悲しい。それでも、前をみている強いエサル。本編ではあまり語られる事のなかった人たちのこれまでを知れます。知った上でもう一度本編を読みたいですね^^

    0
    投稿日: 2015.04.12
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    獣の奏者シリーズの間を紡いだ一冊。 人生を強く生きた人の言葉が胸に響いた。 後書きにもあったように、もっと人生経験をえてから読み直したい。

    0
    投稿日: 2015.02.07
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    エリンの母の授乳で始まり、エリンの授乳で終わる短編集。エリンとイアルの恋と結婚、出産。師エサルの若き日の恋。イアルが母の死とエリンの出産に際して思う、何度過ちを犯し後悔しようと、今の自分はその先にある。次は間違えないようにと思いながら、今を大切に生きる。また後悔しようとも。エサルがエリンを見て思う、この子は酷い運命に翻弄されながらも、生まれてきたことを後悔していない。人として在るべき姿を曲げようとしない。だから生まれてくる子は決して不幸にならないだろう。

    0
    投稿日: 2015.02.03
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    久しぶりに外伝だけ文庫で買ったから読み返した。 上橋さんの余分な一滴になってしまうから、今回の獣の本編には一切いっていいほど恋愛に関する話を排除した思いがかっこいいと思った。

    1
    投稿日: 2014.12.30
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    今回の外伝は手心加えることなく大人向けの話。『秘め事』はハイティーンでは咀嚼するのに少し難しいのでは?というぐらい、大人の女性の感情の奥深さを描写しています。10代で読むのと30代で読むのでは感想が随分変わるんじゃないかなあと。「心というものが、ほんとうに血を流して痛むもの」という下りはうまいなあ。上橋さんが恋愛話に直球で臨んだらこんなとてつもない話ができるとは…。ホクリ師と若きエサルの対比、現在のエサル師と若い人たち、構造が見事です。大人になるとはこういうことなんですね。

    1
    投稿日: 2014.12.24
  • 刹那の二人に感動

    もどかしくてせつなくて自分達のためだけに生きた1年間のエピソード。 刹那的に、だからこそ前向きに生きようとする二人の思いと幸福感が静かに進んでいく大人の物語でした。

    2
    投稿日: 2014.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    獣の奏者の各人にあてたストーリーが描かれて、面白い。そばにいるかのような、目にしているかのような生々しい表現がすごい。

    0
    投稿日: 2014.08.10
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    あまり好きではない…ですすいません 主人公たちのどうしようもない境遇、巻き込み自爆型の性格。心理描写がもうグダグダ。どうしてこんなに暗~いの? あまり救いもないし、楽しい場面もほぼ無い。 それでも生きてて良かった、私頑張ってる!な主人公にはどうも違和感がある。 上橋さんの文章は戦闘シーンがカッコイイのだが、今回戦闘シーンは全くありません。 とにかく、読んでいて楽しいものではないことは確か。

    0
    投稿日: 2014.07.03
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    獣の奏者 恋愛編でしょうか。確かに本編には入れにくいパートでしょうね。I〜IVはコトの発端からある種のテーマが提示され そのベクトルの終結にむかってまっしぐら、余計なモノは一切排除してるかんじがしました。たった4巻とはとても思えない密度。 エリン〜エサルのある意味対比的な物語にソヨンの話を冒頭にもってくることで、これはこれで完璧な「球」になってるのじゃないかな。

    0
    投稿日: 2014.06.29
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    本編では語られなかったエリンとイアルのこと、エサルの過去の話など、ファンにはたまらない一冊。 私はエサルのことを、なんとなく「乾燥肌で、干からびたような」印象を持っていましたが、外伝でのエサルは生き生きとしていて、こんな過去があったのかと驚かされました。

    0
    投稿日: 2014.06.24
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    本編だけでもすっかり満ち足りた物語世界を味わい、外伝はしばらくおいておいたけれど、読み始めるや「獣の奏者」の世界がいきいきとよみがえってきて、あっというまに引き込まれた。 プレリュードというべきエリンの母の素顔を描く掌編、ついでエリンとイアンのいきさつとジェシの誕生にまつわる中編、エリンの恩師エサルの若き日の記憶をたどった中編、どちらも独立して読むに耐えるテーマをもっていて、エピローグとしてエリンと幼いジェシの蜜月を描いた掌編でとじる。野生を失った「王獣」のかかえる出産や老衰、そして生死の問題をからめながら、登場人物たちの「母」として「娘」として「女」としての心境に迫る読み応えのある作品集となっている。家や宿命のしがらみに悩みながらも前を向き、道を見出し、自分の人生をあたたかく抱きしめるエリンやエサルたちに励まされる。

    0
    投稿日: 2014.06.18
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    ついにこれで本当におわり。 これは番外編で、エリンの母ソヨンやイアル、エサルの視点で短編が進む。 エリンとイアルの空白の期間にどんなことがあったんだろうとは気になっていたがこんなことがあったとは……。 作者のあとがきの「余分な一滴」とか、物語の佇まいを壊すといった言葉はとても印象に残った。 作品になにかが足りないと思ったときは、それが「手抜き」であるか「効果」であるかを見抜けるようになりたい。

    1
    投稿日: 2014.05.27
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    エリン、エサル、イアル物語の中では語られなかった話の短編集。 ただエリンとイアルの結婚までの話や、エリンの母親の気持ちをかいた短編、エサルの王獣舎の教師になるきっかけと淡い恋など本編とは違った物語が語られる。どれも、短編ではあるがうまくまとまっており、物語の質、密度は良い。今回、本編では見えなかった登場人物の違う顔が語られており読後感じはさわやかで有り、良かった。

    0
    投稿日: 2014.04.24
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    より、さらに、生々しい登場人物たちの息遣い、想いが伝わってきて、 あぁ、この人たちは、本当に生きてたんだ。 と、確かに感じることができました。 それにしても、女性って、強いですね。

    0
    投稿日: 2014.04.20
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    イアル、本編ではとっつきにくい人物やったけど、こういうひとやったんやなぁ。 心の中に埋められない洞がある、それはわたしも持っていて、けれど、これをこんなに的確に表現されるのはなんだか救われる心持ちがする。

    0
    投稿日: 2014.04.03
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    児童文学という域は、あっさり超えてしまっている。私くらいの年齢になって、ああそうだねと実感できる。 この本は、獣の奏者の外伝ではあるものの、これだけでも骨太である。本編にこのエピソードが入っていたら、おそらくストーリーはぼやけてしまう。なにを書いて、何を省くか。それも作者の力量であると、実感する。

    1
    投稿日: 2014.03.21
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    エリンとエサルの生き方の対比かよく分かる構成になっています。また本編では触れていないエリンと結婚相手の恋愛なども書かれています。 あとがきにも書かれてましたが、これらの話 を本編に入れたら「獣の奏者」のストーリーのバランスが偏ってしまっていたと思います。色々な話を盛り込む程テーマ性がぶれてしまうような感じで。 しかし、この外伝でファンの気になるところまでしっかり描いてあり、本当に素晴らしい一冊です。

    1
    投稿日: 2014.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さあ、番外編!! 読みたかったエピソード満載!確かにあれで本編は完全なる球体であって、恋愛のエピソードは不要だと私も思う。でも、あのエリンとイアルがどういうふうに恋愛関係を築いたのか、とても気になっていたのでとても面白かった。 そして、エサル師の若かりし頃の恋愛。エサル師の気持ちがよくわかるし、純真なエサルの気持ちが何よりもまぶしかった。 エサルの父の言葉 「――雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるものだ。」 「大人になれば、それぞれの枠の中で生きていくとしても、若いころに友として触れ合った記憶は消えることはない。芽吹きのころの、あの明るさのなかで知ったことは――痛みも喜びも、みな実にしみ込んで残っていく。」 ああ、エサル師が自分の恋愛も含めた若かりし頃のエピソードから、きっとこれが言いたかったに違いない。

    1
    投稿日: 2014.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本編の物語にいれてしまうと余分になってしまうけれど、外伝として物語世界に深みと彩りを与えるにはちょうど良い小編を集めた作品。 あとがきで作者自身が本編に入るような話でないといった旨を書いていたけれど、確かにメインの物語そのもののテーマから逸れてでも、各キャラのエピソードを欲してしまうのはラノベ読みのキャラ萌的な発想だよなと納得してしまった。 それでも猶無粋とは思いつつ、もう一つ外伝をお願いしたいと思ったのはエリンの息子ジェシの青春時代。 母エリンと同様に、母親が道理と摂理の狭間の犠牲になってしまった少年が、奏者の記憶を語りつぐ者として成長を遂げていく様に興味が湧く。 作者の残してくれた大いなる余白として楽しむのが良いのでしょうが・・・。

    0
    投稿日: 2014.02.22
  • いいお話でした。

    本編では見られなかったところがたくさんあります。 エリンは変わらず、苦悩した表情が多いですが、最後に心からの笑顔を感じることが出来て本当にうれしいです。 また本編を最初から読み直したくなりました。

    2
    投稿日: 2014.02.14
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    このシリーズは好きで、発売してすぐに手に取りました(^^) エリンとイアルの馴れ初めや、ジェシの産まれた頃の話が新鮮でした。女の生きる運命に逆らって、自分の運命を切り開く姿は胸が熱くなりました! 時間を見つけて、シリーズを最初から読み直したいと思います*\(^o^)/*

    0
    投稿日: 2014.01.29
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    【読了レビュー】本編にまつわるサイドストーリーを短編集としてまとめた作品。 こういう挿話ものの多くは、どうしても本編に対する蛇足的な位置付けになってしまうことが多い気がするのだけれど、この作品に関しては表現したいものの独立性が高く、その杞憂を払拭してくれる作品だと感じた。 結婚前や子供が産まれる前にこの作品を読めて良かったと思う。

    0
    投稿日: 2014.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★2014年1月9日読了『獣の奏者 外伝 刹那』上橋菜穂子著 評価B+ 獣の奏者というファンタジー小説のサイドストーリー 短編4つ。 著者の上橋さんがいうとおり、本編ではその物語の佇まいを壊してしまうおそれのあるエピソードを外伝という形で表した。 あとがきで彼女は、人生の半ばを過ぎたなと感じる世代に向けた物語になったと書いているが、確かにその通りで、これらの短編エピソードの主人公達の思いは、私(私達?)が過去の思い出をふとした瞬間に湧き上がる感情が見事に表現されている。何か既視感のある感情を持ちながら読んでいたが、あとがきの上橋さんの言葉に思わず手を打ってしまった。 1.綿毛 2.刹那 3.秘め事 4.初めての、、、 それぞれ本編の獣の奏者を読んだ読者には、なるほどそうだったのかと思えるエピソードがならび、物語の登場人物がより深く広く理解できるものとなっている。 しかし、これだけを読んでも、その面白さは120%伝わらない。ぜひ、本編を読んでから、この外伝を読まれることを強くオススメします。

    0
    投稿日: 2014.01.09
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    エリンとイアルの幸せな時間を感じられてよかった。 エサルの恋も、自分だったらどうするんだろうと考えてしまう。 炭のようなものという言葉がとても印象的だった。

    0
    投稿日: 2014.01.07
  • 何度でも読みたい

    獣の奏者では語られなかった、イアルとエリンの結婚までの話や、エサル先生の恋バナが収録されています。 どちらも切なくて泣きたくなるのですがとても惹きつけられる話で何度も読み返してしまいます。 単行本未収録の綿毛はソヨン視点の話です。こちらも切ないけど幸せな、何度でも読みたくなる話です。

    3
    投稿日: 2014.01.06
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    「獣の奏者」外伝。 本編とは関わりないことなので知らなくてもいいことなのだけど、そうは言えない愛着のある本作だからこそ、その片鱗に、おそらくは最後にまた触れることが出来て、うれしい。 筆者からの「人生の半ばを過ぎた人へ」のことば。わたしも人生の半ばを過ぎたものとして深く受け止めたい。

    1
    投稿日: 2014.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★4.7 本編と違って恋愛に軸が置かれたサイドストーリー。本編の方が好みという意味で★1つ減らしたけど、外伝としては素晴らしいと思う。 個々人の元来のキャラ的にはそれなりに慎重派だとなんとなく思ってたので、みんな本当に刹那的で少し驚いた。でも、大きなしがらみが立ちはだかっている、しかも命が軽かったり短い可能性が高かったりする人生で落ちた恋は、輪をかけて刹那的になるのが普通かもしれないと思った。 ユアンのミステリアスさがとても気になる。

    0
    投稿日: 2013.12.30
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    全4巻で完結した獣の奏者シリーズの外伝。まだ幼いエリンを優しく見つめるソヨンを描いた「綿毛」。エリンとイアルの馴れ初めとジェシの誕生を描いた「刹那」。エサル師の若かりし頃の恋の物語の「秘め事」。そして、ラストの「始めての…」では乳離れに悩むエリン。何れもこれまで描かれていなかったシーンを女性の生と性の視点から、それぞれの幸せの姿形を描き出す。特にユアンとの恋を通して、エサル師が時折エリンに対して見せていた厳しさの裏に隠された熱情を垣間見れた気がする。そして、表紙絵も中江さんの解説も素晴らしいの一言。

    0
    投稿日: 2013.12.28
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    知りたいような、知らなくてもいいような^^ 読んでもいいし、読まなくてもいいし。 また読みたいな!

    0
    投稿日: 2013.12.26
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    本編に登場したメインキャラの 様々な愛に関する話を記した短編集。 本編の隙間をきれいに埋めるように 話が作られている。 自身の子供や異性に対する愛情の書き方が 温かく感じるのは作者が女性だからこそなのだろうか。

    0
    投稿日: 2013.12.08
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    4篇で完結をみた「獣の奏者」シリーズの外伝となる二つの掌編と二つの中編からなる本書。 内容の重さ、充実さでは本編となんら遜色はない。 世界観・登場人物あるいは本編で起こった事件についてなんら説明が無いので本書だけ読むと訳が解らないという点において「外伝」たる位置づけがある。 4篇を通じるのは「親と子」「命が育まれるということ」 ソヨンからエリンへ。エリンからジェシへ。そしてエサルの選んだ道。 判っていても困難な道を進むことを選んだ奏者達の人生が描かれる4篇。

    1
    投稿日: 2013.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これで完全に終わったのかな。 余計な話、といえばそうだけど、 本編にこういった恋のお話が書かれていなかったのはとても良かったなと思う。 ファンタジーに恋愛は似合わないから(恋ならいいけれどね)。 なぜこのシリーズを読み始めたのか覚えていないけれど、出会えてよかった、面白かった。

    0
    投稿日: 2013.12.04
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    獣の奏者の外伝。 本編では、描かれなかった部分が読めて嬉しかったです。 書店で見つけた時はほんと嬉しかった。

    0
    投稿日: 2013.12.02
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    『獣の奏者』と言えば,児童文学のジャンル……と思っていたけど,これはまったく違う。あとがきに著者自身が書いているように『エリンの成長』と共に対象読者の年齢層は確実に上がっている。 人生の半ばを過ぎた人へ,という著者。 確かにそんな作品。 読み始めたときは「結構重いな」と思った。 テーマ自体が「出産」「妊娠」を扱ったものなのだけど,小説としては本来書かれないような部分だったり,書かないような表現だったり。「出産」「妊娠」と聞くと「おめでたい」イメージがあるのが普通。だけど,ここに書かれたものはそんなお気楽なものではない。しかもエリンの出産はこんなにも過酷なのかと。 よく「1日に全国で何人出産」だとかテレビで聞いたりもするくらい,赤ちゃんを産むのは日常的でよくあること。その上,医療が発達して安全に産むことができる日本。確かに赤ちゃんを産むこと自体に不安は付きまとうだろうけれど。 こんなにも大変なのか,こんなにも危険なのか,こんなにも産むという行為がひとりでは為せないものなのか。 いまだ出産を経験していない人として,この小説はすごいと思う。

    0
    投稿日: 2013.11.30
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    「獣の奏者」シリーズ本編では描かれなかった、登場人物たちの四篇のサイドストーリー。 あとがきに、筆者から「人生の半ばを過ぎた人へ」というタイトルがあるが、まさに大人の物語が描かれている。本編に書かなかった理由の「効果と手抜き」の説明に納得。

    0
    投稿日: 2013.11.30
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    獣の奏者で語られなかった物語が山盛りです。 違う時代や角度を描いている本書で、登場人物たちへの愛おしさがますます深まりました。 また獣の奏者を読む時が来たら、前よりももっと感情移入が出来そうです。

    1
    投稿日: 2013.11.29
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    外伝! 本編のあんのことやこんなことの間(昔も含む)に、主人公その他の皆さんはこんな生活を営んでいたのだなぁ。 皆さんそれぞれ活き活きと描かれ、なんと健気に生きていることよ・・・。 ウチの小6の娘はこのシリーズの愛読者でありますが、この本についてはちょっと内容的に検閲に引っかかるんじゃ?という見解に至った結果、大人になって読むべし。

    0
    投稿日: 2013.11.28
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    2013.11.23読了 獣の奏者本編では触れることの無かったエリンとイアルの空白の11年などを明らかにする短編・掌編 本編とは違い恋愛色の強い印象で、エリンとエサル、そしてエリンの母ソヨンという3人の女性のそれぞれの生き様を垣間見る。時に熱く、時に切なく、命を繋ぐ壮絶で強い部分や儚さを持つ女性のお話。 本編をもう一度読み返そうと思った。

    0
    投稿日: 2013.11.23
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    恋をしたとかなんとかは親の身勝手にすぎない。生まれてくる子の幸せを考えるなら、エリンのような立場にある者は、親になどになってはいけないのだ、と。 皿の底に残った透明な汁をすくいながら、わたしは小さくため息をついた。 (そう考える人には‥‥) エリンの気持ちはけっしてわかるまい。 あの子はよしとしなかったのだ。ー飼われた王獣のように、去勢された生を生きることを。国政に押しつぶされ、生き物としてあたりまえに生きることをあきらめる‥‥そういうことを、よしとしなかったのだ。 それでも、心を支えているのがそういう「思想」だけだったなら、彼女は子を産もうとは思わなかっただろう。ー惨い仕打ちを受ける母を見なければならないことが、子どもにとってどんなことか、彼女は誰よりもよく知っているのだから。 それでもなお、エリンが子どもを産む気になったのは、彼女の心のもっと深いところで、これまでの暮らしを幸せだったと感じているからなのだ。 ‥‥生まれてきて、よかった。 ジェシに乳をやりながら、エリンがそうつぶやいたことがある。(274p) 上橋菜穂子の作品を読んでいると、架空の物語の中の話というよりも、人類史の中で女性の思ってきた想いを代弁しているという気が時々する。共同体の中で、産むということに制限をかけられた無数の女性たちの、それでも産むことを決意する女性たちの代弁者である。(単なるストーリーテラーとしてではなく)女性の産むという行為を根源の処で描こうとするのは、彼女の出身が人類学者だったことと無関係ではないだろう。 「獣の奏者」本伝は、「人類は自然への介入をどこまで為すことができるのか」という壮大なテーマを扱って見事に完結した。その一方で外伝は、女性の人生と性を扱ってブレがなかった。 そのとき、父が言った言葉は、いまも胸に深く刻まれている。 ー雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自身が養分をしっかり蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるのだ。(364p) 若い時の恋を封印し一生独身を通したエサル師を、著者はそのように励ます。それもまた、人類史的な励ましである。そしてまた、私をも励ましてくれた。 2013年11月10日読了

    3
    投稿日: 2013.11.23
  • とても良い外伝でした

    エリンとイアンの馴れ初めが読めて楽しかったです。 運命に縛られながらも惹かれあう二人。切ないけどとても幸せそう。 私的にはエサル師の話がとても良かった。 エサルの若さを感じられて、もっと彼女が好きになりました。

    5
    投稿日: 2013.11.19
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    このシリーズを通じて読んでいる間中、曇天か雨のイメージしかなかった。 例え夏の暑い日差しが描かれていたとしても爽やかさがそこにはない。 特に本書は陰々滅々の印象が強い。 ユーヤン目線のすっきり晴れ渡った世界を読んでみたかった。

    0
    投稿日: 2013.11.18
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    大好きな『獣の奏者』シリーズの外伝。 評価のむつかしい作品だ。「面白いのは面白い。普通ではなく面白い。でも、ギャグを解説されてるさびしさが伴う」といった感じ。 著者が自らあとがきに書いている通り。本編は「完璧な」物語で、実際問題(フィクションにとっての実際とは何か、については置いておく)、この外伝に書かれている通りの出来事が起きていたとして、入り込む隙はどこにもない。書かれていたらかえって興醒め。 外伝にしたのは、著者の情け。せめてもの思いやり。 書かれている物語そのものは、とてもとても美しく愛おしく、特に、子供を授かり育てる喜びを知った今の私にはたまらない音色で響いてくる。 それでも、『獣の奏者』という作品世界を見渡した時、この外伝が収まる場所はないように思う。私が『獣の奏者』を再読するとき、この外伝は読み返さないと思う。

    0
    投稿日: 2013.11.14
  • オススメします。

    守り人シリーズのほうがオススメですが コレもイイですよ。 何回も読んでます。 ぜひ読んでみてください。

    4
    投稿日: 2013.11.12
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    獣の奏者の外伝 短編集 家・世間・国と自分自身の希望・欲求との狭間、恋愛と研究の狭間に苦しみながら、内に熱いものを秘め、自分に正直に生きた女性の系譜 そして生きた証、幸せの象徴としての母子の時間 若かりし頃のエサルの恋が描かれる「秘め事」が切ない。

    0
    投稿日: 2013.11.09
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    久し振りに東京出張になったので、旅の友として携える。 「王獣編」から飛んで「探求編」が出た時、そこには既に11年の歳月が流れ、エリンはイアルと結ばれて一児の母になっていた。その間のことは語られることはなかったけれど、何の不自然もなく「完結編」まで物語は流れ、結ばれた。 さて、この本、作者が『本編を書きおえたときに始めて書けるたぐいのものだった』と語る、その歳月を埋める短編・掌編が4つ。 子ども向けの印象もあるこの作品だが、ここでは結構あからさまに女性の性の深淵を想像させる物語が紡がれ、そこには子を授かり親となることの大変さや男女が夫婦となる出会いの不思議さなど、作者が言う『人生の半ばを過ぎた人』である私にとって、しみじみと心に沁みてくるものが溢れている。

    0
    投稿日: 2013.11.04
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    エリンとイアルが結ばれてジェシが生まれるまでにいろいろあったのね。イアルがさらってそのまま…とか勝手に想像していたんだけど。 獣の奏者は完璧な球体のような小説…かも知れないけど、この外伝を読まなきゃ思いもしなかったことも多いと思う。

    0
    投稿日: 2013.11.03
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    エリンとイアルの馴れ初めはすごく読みたかったお話でした。 確かに本編に入れるのではなく、こういう外伝という形がピッタリですね。 若い頃のエサル師のお話もすごく切なかった。 大事な人と出会って、一緒に生きていきたくなります。

    0
    投稿日: 2013.11.02
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    恋愛色が強かった。 ものすごく、純粋だけどリアルなところも結構あって、好きな人に会いたくなって困った。 そう、好きな人がいるって、片思いでも両想いでも苦しくて切なくて、めんどくさいけど、どきどきするの嫌じゃないんだよなあ… 悲しい。

    1
    投稿日: 2013.11.01
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201310/article_7.html

    0
    投稿日: 2013.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「――あなたは、自分の生に、後悔しかないの……?」 イアルに向けたエリンのこの一言が、凄まじく心を抉りました。 本編と違って一人称視点で描かれており、特にエリンほどスポットライトが当たっていなかったイアルとエサルの人物像がクッキリと描かれた本作。家庭の境遇や過去に捕われ、引きずり、悩む姿が痛々しく、ヒリヒリとした痛みすら感じます。 そんな中での先の一言だったため、立ちくらみを覚えるほどのショックがありました。何より、打ち拉がれて心が沈んでいたイアルにはあまりに酷な言葉すぎるのでは、と。私がイアルだったら、エリンを拒絶したくなるほど… 崖っぷちで背中を押すような一言にしか感じられませんでした。 そんな私と違ってイアルとエサル(そしてエリン)も、半ば開き直りにも感じられましたが、辛い過去や境遇を振り払い、運命に抗うように強く生きようとします。「あぁ、強いなこの人たち」とうらやましく思いました。 そして、読み終えて直後、あとがきの「人生の半ばを過ぎた人へ」というタイトルを見てビクッとする訳ですw「俺のことかー」と。もういろいろ心を揺さぶられ、なんだか読み終えた後はひどく疲れました。

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    投稿日: 2013.10.30
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    獣の奏者の外伝。エリンとイアルの馴れ初め「刹那」とエサルの若い頃の話「秘め事」。人を好きになる気持ちは抑えられないものだと思った。切ない気持ちになった。

    1
    投稿日: 2013.10.29
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    文庫購入。 以前、図書館から借りて読んだ本だが、どうしても書き下ろし作品が読みたくて購入。 母性が溢れてる。 私もちょうど二歳になる乳のみ子がいるので、エリンの気持ちが分かる。そろそろ乳離れしたいんだが(笑)

    1
    投稿日: 2013.10.29
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    本編が楽しめた人なら間違いなく楽しめる。本編を読んでない人だと説明不足な部分が多いので、物足りないと思う。「刹那」「秘め事」のいずれもとても良かった。いずれも孤独と決意を描いていて身をつまされる。

    0
    投稿日: 2013.10.28
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    エリンとイアルの馴れ初めの話(「刹那」)も良かったが、それ以上にエサル師の若かりし頃の恋の話(「秘め事」)がとても良かった。苦くて切ない秘めた恋。 エサル師は、エリンとはまた違ったかたちで強い女性だなと思った。 これは確かに、本編でもし書かれていたとしたら「物語の佇まいを壊す」(あとがきより)部分になったと思う。しかし外伝として存在することで、本編に更に厚みを持たせる作用があると思った。 また、本編を読み返したくなった。

    0
    投稿日: 2013.10.28
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    まず装丁がとてもよい。 引き込まれそうでとても綺麗。 刹那は、エリンがジェシを出産するときのイアルの話。 秘め事はエサルの若かかりし頃の話。 どちらも新鮮でとてもよかった。

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    投稿日: 2013.10.26
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    上橋菜穂子の獣の奏者 外伝(刹那)を読みました。 獣の奏者の物語の外伝として、エリンやエサルが女性としてどのように生きたのかが描かれています。 刹那では、エリンがイアルと恋に落ち、身ごもってジェシを出産するまでのいきさつが描かれます。 王国の行く末を左右しかねない立場になってしまったエリンの、それでも愛する人の子供を持ちたいという希望が暖かく感じました。 秘め事ではエリンの良き理解者であるエサルの若い頃の情熱的な恋の顛末が描かれます。 どちらの物語も、本編では落ち着いて見える女性たちの情熱的な面が描かれていて魅力的でした。 そして、エリンの母ソヨンを描いた掌編、綿毛はエリンがどのように育てられたのかが描かれています。 私たちの祖母より前の世代は子供を産むのも命がけだったんだよなあ、それでも彼女たちが子供を残したから今の私がいるんだよなあ、と思ったのでした。

    0
    投稿日: 2013.10.26
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    ソヨンとエリン、エリンとイアル、エサルとユアンとジョウン、ジェシとエリンとイアル。獣の奏者の世界にあった彼らの物語に風が吹きこんだ気がする。なんて愛しい物語たちなんだろう。

    0
    投稿日: 2013.10.26
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    久しぶりの獣の奏者だったけど、やっぱりいいなあ、と再確認。 二つの中編「刹那」と「秘め事」はほんとに秀逸。 秘め事を読んだらエサル師がさらに好きになりました。

    1
    投稿日: 2013.10.22
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    獣の奏者の外伝。エリンとイアルが夫婦になるまでや、ジェシが幼いころのこと、エサルの青春時代などが描かれており、読み応えがあった。 本編の物語に、より深みを持たせる一冊。

    0
    投稿日: 2013.10.22
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    獣の奏者の外伝。 大きく分けて2つのお話。 ひとつめは、エリンとイアルの馴れ初め話。 ジェシ出産時点を現在とし、イアルがそれ以前のことを回想する。 貧しかった家族の助けとなるため、金と引き換えに主君を守る「盾」として 仕官することになり、その後エリンと出逢うまでずっと仕えてきたイアル。 馴れ初め話を展開しつつ、そこに至るまでの彼の内に秘めた心情の変化や 幼いころに別れた家族への複雑な思いも語っている。 これだけを読むと、王獣や闘蛇を扱うファンタジーではなく、 ひとりの人間の内面を骨太に描いた物語のようだった。 ふたつめは、カザルムの教導師長エサルの若き日を本人の回想の形で展開。 予め決められた相手と結婚して「家」を守っていく。 それが普通である貴族の長女であった彼女がどのような経緯で 今の仕事・地位に就く事になったのか。 その過程でどんな師や友と出逢い、何を経験してきたのか。 そういったことをこちらもまた内面の心情を主に語る。 そのため、ひとつめと同様にファンタジーの要素は薄い。 著者本人もあとがきに書いているように、本編で描くには冗長だけど、 この物語のファンならば、きっと気になる部分である。 読者それぞれの想像に任せてもいいんだろうけど、 著者ならどう描くのか、読んでみたいなと思っていた部分。 したがって、シリーズ読者にとっては必読の一冊でしょう。 未読の方にはぜひ本編から読んでもらいたい。 ファンタジーとはいえ、決して子供向けではないし、 かと言って、難しすぎるものでありません。

    1
    投稿日: 2013.10.21
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    シリーズの外伝。 恋愛色が強く、ややたじろいでしまった。 何年か経って読み返すと、また違う感想が出てきそうな気がします。

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    投稿日: 2013.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私の中では、獣の奏者の本編を読み終わってもなお、 「なぜエリンは、ここまで悲痛な生い立ちや苦しみを背負わされても、生きることを最後まで選び続けたのだろうか」 という問いの答えが判然としなかった。 答えは外伝にある。少なくとも私は見つけることができた。 それはジェシに乳を含ませているときのエリンのつぶやき 「生まれてよかった」 にこめられていた。 外伝そのものは好き嫌いがあるかもしれない。 獣の奏者の世界観に埋没したい人は読まないほうがいいかも知れない。 しかし獣の奏者がファンタジーを超えた壮大な世界観を持つためには、その時の流れの中で「本編には描いてはいけない物語」「あえて描かない物語」が、絶対に必要だったのだ。 私は読んでよかったと思う。ただし人には勧めない。 苦しくても生きることを選ぶのではない。 やはり人は幸せになるために生きるのだとあらためて思う。

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    投稿日: 2013.10.18