
総合評価
(74件)| 13 | ||
| 35 | ||
| 11 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ後半、ぎゅんっと展開して、またエピローグで鷲掴み。 登場人物も増えてきた。伏線がどうなるか。 次も読みます。
0投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログWシリーズ第6弾 北極海の海底5,000mに設置された人工知能。このまま放置されると暴走するかもしれない。 潜水艦を浮上させた理由は 「月を見せたかったから」 究極の人工知能が見せたのは驚愕の「不完全さ」 SFなのにAIなのにロマンチックすぎる( * ॑꒳ ॑*) あと序盤すぎて忘れるけど、実物の真賀田四季がハギリとウグイに会いにきたことに驚愕。 冷凍睡眠を繰り返して生き続けてたということは 「迷宮百年の睡魔」のメグツシュカ = 真賀田四季? ということでいいのかな?
10投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
深海に沈んでいる潜水艦に高性能な人工知能が設置されていたが、ある時期から交流が行えなくなったため、何とかして対話を試みる内容。物理的、仮想空間的にアクセスを試みる辺りの流れが好み。 巻を通じて、当初挙動が良く分からない不気味な存在であるオーロラの印象が、なぜそうしたかが分かっていくうちにだんだんと一人の人格として認識できるようになっていく感じがして面白かった。最終的になんだ割と普通の人じゃん、的な感じになったのだが、どの辺りから相手を人と思えるのだろうかなどと思った。 お話自体も面白いのだが、合間に挟まる思想的なフレーズが良い。有機と無機、現実と仮想ひっくるめて一つの生命体になるというような考えが印象に残った。
0投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログwシリーズ第6弾 青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light? 舞台は北極 そして、氷下5千メートルの潜水艦 なかなか面白い設定です 何より画がキレイ。 マガタ・シキに呼ばれて招集されたハギリは 北極の基地へ。150年ぐらい前に構築された 人工知能「オーロラ」の暴走を止めてほしいという依頼。なぜ、オーロラが暴走するのか。 シキが、構築したプログラムなのに シキがコントロールできないという事象。 オーロラには心があることがわかる。 ??人工知能がそれもってしまうともはや人間では 人工知能なのにオーロラは、詩情を読むことができるの。 そして、素直になれず反発し、虚しさから病むこともできる。それは人間だけが持っていると思われていた、心を持っているということがわかる。 うーん。。。 嬉しいような、悲しいような。 でも数十年後を未来を見据えると、この事実はあらたな発見となりえると興奮するハギリ博士。 これからの未来を、担っていくのは、いったい誰なのか? おそらくそれは、マガタ博士が目指している共通思考だろう。ぼんやりと、そこにしか道はない、という感覚を僕は抱きつつある。すなわち、人間もウォーカロンも人工知能も、すべて取り込んだ次世代の生命だ。有機も無機もない、生命も非生命もない、現実と仮想もない、すべてが一つになった地球だろう。 理解が追いつかない。。。 言わんとしていることはぼんやりとわかりつつ 人間がどんどん機械化し ウォーカロンや人工知能が人間化し そもそも人間っの定義が新しくなり 新しい社会と文化でできていく(創造される) ということなのだろう オーロラが、フーリ(人間)に「月を見せてあげたかった」と、この感情までいくと、もはや人間である(人間であってほしい) ※こういった感情を「揺らぎ」と呼び、人間固有の不確実性であるとわかってきた ウグイが昇格し、後任はキガタ・サリノのなると デボラ、セイゲツ・オーロラ(天才2人が味方にいるのはかなり面白い)と、会話が秀逸すぎて ・天才の会話 ・人ではないのに、人の心をもったような会話 このアンバランス差がほっこりしたエピローグは 素晴らしい終わり方でした オーロラの(が)サブセットの体を持ち 肉体(ウォーカロン)はあるが、自律システムで意識はdailyで異なると。凄い設定だが、面白いなあと。 ★3.4 次は ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? へ
25投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ”──人はね、大事なことは言葉にしない。呑み込んでしまうんだ。賢明で正しい思考ほど、言葉になっていない” ”生きているものを無数に集めれば、そこには死の静寂がある” シリーズ内でハギリの漏らす呟きは、本人ドライを自任する割に誌的で揺らぎに満ちている。事実を見つめ続けた先に人は(人工知能も)詩人になるのかもしれない。では全てを神の目線で見ているマガタ博士は、一体どんな詩を呟くのだろう。 終盤、オーロラが選んだ姿に思わず声が出た。 そうか、それが可能なのかぁ。そうして心は思考は育っていくのか。 シリーズ通して、他者(異物)と交わる事、そして欠損こそが心を成長させていくのだという視線が優しく、少し悲しい。 冗談を言い合えるようになったウグイの可愛らしさよ。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ北極の海底に沈むスーパ・コンピュータ、オーロラの元へ。ハギリ博士はチベットにフランスに今度は北極へ。そんな時代でも、最終的にはその地を訪れるのが最適なのが面白い。そして、そんな時代だからこそ通信の不信は常にまとわりついている。時々垣間見せるマガタ博士が、あの真賀田博士なのか。わたしたちが知る真賀田博士とオーロラが語るマガタ博士とが一致しない。ハギリ博士が訪れることで事態が進展するこの状況はマガタ博士の狙い通りなのだろうか。人工知能が描く夢。膨大なデータの演算結果の幻なのか。自我の結果なのか。
0投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p180-181 人工知能は、ロボットと一緒に生きてきた。否、ロボットも潜水艦も、オーロラにとっては自分の肉体として認識されていただろう。 p183 なんとなく虚しい。 人工知能が、無限の虚しさに襲われても無理はない。 p248-249 「そうそう、君たちが学ぶのは、言葉になったデータなんだ。そこが、ラーニングの最も大きな落とし穴といえる。人はね、大事なことは言葉にしない。呑み込んでしまうんだ。賢明で正しい思考ほど、言葉になっていない。一番学ばなければならない賢者には、マニュアルがないんだ」 「賢者がマニュアルを残さないのは、どうしてですか?」 「人に教えること、教えられると思い上がることが、賢者にはできないからだよ。そういう自分が許せないんだ」 p249 残念ながら、そんな恋をしたことはない 最初は地味だなと思いつつ、やっぱり地味だな、とも思うけど面白かったです。 特に現代のChatGPTや各会社が山のように出しているAIと私たちの関わり方を見ていると、どこか接続点があるような気もしたので。 AI同士で自動学習する限界をさらりと書いていて、それが何らかの示唆になるのか予言になるのか、というところ。きっと当たるのだろうけれど(往々にして早すぎるのだ)。 今、AIと人間がどこらへんの位置にいるのか、というのは人それぞれの想像の中だが、このシリーズの中でもっとも人工知能というワードが乱立していたような気もして、かなりタイムリーに感じられた。 最後の別れと花屋のくだりも良かった。そして、言うか言うまいかで迷い、言わない選択肢を選んだデボラをどう判断するか、という見せ方も鮮やか。
0投稿日: 2024.11.30
powered by ブクログこんな社会がいつか来るのかもしれない。もしかしたら生きているうちに。そんな考えごよぎった。そして森博嗣ファンならあの方が出てくることでテンションが上がった。
0投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ孤独な人工知能が思考を突き詰めるとどきにいくつくかっていう発想が面白い。 人間と機械をわけるものは何かという今シリーズ通したテーマに、今回も違う視点で掘り下げている
0投稿日: 2023.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2023.05. audible 今回はスーパ・コンピュータ。 次々と色々なものが出てくるなぁ。 ウォーカロンでさえ、いまだによく理解できてないのに… amzon本の紹介 オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。 放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。 孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。
0投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログ人工知能オーロラ萌え(意味不明) 主人公に際立つ力がある訳ではないけれど、頭脳明晰さと持ち前の性格も相まって、強い仲間たちが増えていく様がRPGを見ているような感覚にもなってきた。 その面々もキャラクターが立ってて、コミカルなやり取りも健在。楽しく読ませてもらいました。
0投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
神回...とにかくロマンチックで素敵でした。 SFをこんなロマンチックに仕上げてくるの凄すぎです...人工知能たち愛しすぎ...オーロラがとても可愛かったです。 相変わらず登場人物たちの対話内容に浸って幸せな時間を過ごせました。久しぶりのあの方の登場も嬉しかった。 エピローグでは泣いてしまいました。。。
4投稿日: 2023.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Wシリーズ6つめ。アネバネ出てこずおとなしめ。核を乗せた潜水艦と一緒に海底深くにいるオーロラの話。オーロラは死んだと思われていたフーリと一緒にいた。だんだんハギリとウグイの距離が縮まっていく。アネバネ出てないからイマイチ⁈
0投稿日: 2023.01.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人工知能オーロラの話なのに、Wシリーズでもっとも「人間」らしい。揺らぎがテーマにあるからかな。 デボラは前作からウグイの昇進の情報を持ってたんだろうか。花を贈る…
0投稿日: 2022.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人工知能が学習を進めたその先は人を超えて機械的な判断をするのか、又はその逆なのか。 本作を読んで、今の多くの産業が数十年で頭打ちになった時、人はなんのために生まれて、死ぬのか考えさせられた。 人が第一であると人が考えているが AIが進化し、本作であった人のように揺らぐこともできるなら AIはなにを第一と考えるのか。興味は尽きない。 ウグイが昇進し、ハギリの元を離れてしまうのがなんとも寂しい気持ちになった。 オーロラがウグイの形をしたのも、そういった意図があったのかもしれない。 ハギリ陣営が大きく変わったラストだったので、早急に次作を読みたい。
0投稿日: 2022.09.07
powered by ブクログ2022/06読了。 このシリーズはどこかつかめなさというか、これまでの森博嗣よりも難解というか、とっつきにくさを感じていた。しかし、この1冊はかなり印象が違った。それにしても、沈没した潜水艦、心の病んだ人工知能とタイムリーな話題多め。
0投稿日: 2022.07.23
powered by ブクログやっぱり面白かった〜!最初はどうしても話に入り込むのに時間がかかるけど、思い出したら一瞬で面白くなる。真賀田四季が登場すると、ついつい嬉しくなっちゃうんだよな。 人工知能と人間の差異が縮まるのを目の当たりにして、ハギリと同じように興奮しちゃった…面白いなあ〜! ウグイが護衛から外れるのが寂しい。また同じくらい登場しないかな。やっぱり続きが楽しみ!
0投稿日: 2022.06.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
220617*読了 今回の話も好きだなぁ。 今度は北極!ハギリ博士とウグイは地球を飛び回っていますね…。 海底に沈む潜水艦内にある人工知能、オーロラ。 彼女の知性はもちろん超人なのだけれど、どこか人間的な面を持っている。 オーロラとフーリの友情に感動。 オーロラが月を見せたかったと考えることにぐっときます。 日本に来てからのオーロラもますます人間味が増していてかわいいし、デボラもだんだん人間に近づいてる気がする。 そして、シキ様が登場してくれるとやはり高まりますね。 ウグイが昇格し、ハギリ博士とのナイスなやりとりが読めなくなるのは寂しい。
0投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ忘れ去られたスーパコンピュータ「オーロラ」。オーロラの停止を依頼されて北極に向かうハギリたち。引きこもっていて接触できないオーロラとコミュニケーションを図るべくハギリは思考する。 知性について考えさせる、Wシリーズ6作目。
0投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ森博嗣先生は本当に現代の人なのでしょうか? 人工知能がより人間らしくなっていくためには? 人、ウォーカロン、人工知能、 共存していくためには?
0投稿日: 2022.04.08
powered by ブクログ北極基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ、オーロラ。 稼働し続け、データを集積し、思考を重ね、ジレンマに陥っていました。 暴走の可能性があるため停止を依頼されるハギリですが、オーロラとは接触することも出来ません。 彼女は何を望んでいるのか、何を夢見ているのか。 人工知能と人間がつながり始めます。
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログWシリーズ⑥長い年月を北極の海底深くで忘れられていた、核兵器を搭載した潜水艦。そのコンピューター・オーロラの暴走を危惧し、マガタ博士から停止を依頼されたハギリ。ダンマリを決めたオーロラとの対話は実現するのか?そして、作業中に見つかった、30年前に行方不明になっていたもう一つの潜水艦が見つかるが、乗組員の姿が消えていた…人間と人工知能の友情や、人間、ウォーカロン、人工知能の交流がとても面白い巻だった。
0投稿日: 2021.10.04
powered by ブクログ北極海に沈んでいる人工知能がふさぎ込んでいる。 ジレンマに陥り学ぶ目的を見失った人工知能。なんとも人間っぽくてかわいらしく感じた。人工知能は宗教も哲学も学習しているはず。それでも塞ぎ込むということは、合理的発想をする知能には役に他立たないってことかもなあ。 人間が生まれないのも、人間がふとした発想をするのも、ある種の病気という仮定はとても斬新だった。長所は短所、短所は長所。 真賀田四季200歳!気の長い仕事ができる人だ。 ウグイが昇格して次号からお役目交代。せっかく打ち解けてきたのに、ちょっと寂しいな。
0投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ森作品を読んでると「わかりませんでした」「わからないです」ってセリフがすごく目を引きますね。 あの知性が言う「わかりません」は強力すぎます。
2投稿日: 2021.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3 Wシリーズ6弾。北極にある日本とロシアの共同基地。海底五千mに忘れられたスパコンオーロラ。データ蓄積と思考を重ねた人工知能の話。シキが設置したオーロラは、孤独からジレンマに陥り偽りのレポートを送るように。暴走防止のためハギリに依頼。人が関与せず自立で自己修正の結果。潜水艦せいげつに乗っていた人間のフーリ。フーリとオーロラの交流、フーリ死後の孤独。身体をもった人工知能オーロラ。ハギリとの共著論文。前作と逆の発想で、種々の可能性が見え面白い。ウグイが昇格しキガタ・サリノがハギリ担当に。 アミラの本当の名前はスカーレット(シキ曰く)。 テルグの住人であるフーリは、北極海でオーロラと過ごしたフーリを失った両親が、娘の代わりに育てたウォーカロン。 青い月は、潜水艦のせいげつ、ブルームーン。
0投稿日: 2021.03.27
powered by ブクログホモ・デウスの一節を思い出した。「生き物は本当にアルゴリズムに過ぎないのか。生命は本当にデータ処理に過ぎないのか。」 本作は、人工知能は人類が残した知識を極めた先に、自身の内面と向き合うことで、人間的な不完全さの概念を獲得する。 、、のか?という物語。
2投稿日: 2021.03.16オーロラの魅力
森博嗣Wシリーズ第6作 Wシリーズは未来の話なので、どちらかというとSFだと思っていたのだが、今回はなかなかミステリーっぽい部分もあって面白かった。ただ、やはり普通のミステリーとは違って人工知能の興味に関連するところが興味深かった。 今回は、マガタ博士登場。この方が出てくるだけでも、読む価値があったななどと最近は思ってしまう。ここまで時間も超えてしまうと、森作品の世界はどこまで拡大し続けるのだろうと思ってしまった。 オーロラのサブシステムがとった人間の姿が興味深い。ハギリ先生はやはり只者ではないのでは...。 しかし、ウグイの出番はこれから少なくなるのかな。
0投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
依頼を受け、何とか北極の海底にあるスーパーコンピューターとの接触に成功する。前巻に出てきた人物との関わりのある出来事が明らかになったり、また人間やウォーカロン、人工知能などの進化もしくは成長の方向性みたいなものが示されている。
0投稿日: 2020.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今作では、北極海に沈む潜水艦の中にいる人工知能・オーロラが登場する。ハギリらはトラブルを起こしながらも、コンタクトを取ることに成功する。100年以上も特に出力をすることもなく学習を続けてきたオーロラは、超知能を持ってはいるものの、もはや人間とのギャップを超えているように見えた。人間と区別がつかないのだ。 人間・ウォーカロン・人工知能、それら全てを取り込んだ新しい知性とはどのようなものか。それは、有機も無機もない、生命も非生命もない、現実も仮想もない、新しい存在であると本作では語られている。シリーズの今後が楽しみである。
0投稿日: 2020.07.23
powered by ブクログ人工知能であるはずのオーロラの孤独と哀しみ,また人間との友情,簡潔な文章ながら本当に奥深い世界観だ.そして最後,ウグイが離れていくのが寂しい.
0投稿日: 2019.12.20
powered by ブクログWシリーズ第六弾。今作は深い深い深海に沈んでいる潜水艦に引き籠ったスーパーコンピュータを主軸としつつもいつも通りハギリ博士が色々と思索を巡らす話。今回は中盤からわりとミステリしていてドキドキできた。キーとなる人物が起こした動機を考えるとそれはとても人間らしい。そしてその人間らしさにオーロラは十分に応えられたのではないだろうか。
0投稿日: 2019.10.05
powered by ブクログ人工知能の思考のブレイクスルーに欠損が不可欠ならば、人工知能の思考自体は完全ということなのか。人間の思考回路に欠損ありきのブレイクスルーが初期設定されているならば、不完全て完全?それとも完全なんて、ないのかな。
0投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Wシリーズ、第六作。マガタ博士からの接触がまたあった。ここまで固執するということはきっと犀川先生と萌絵ちゃんの子供が孫あたりなのだろう。ハギリ博士は。また新たな仲間?が加わった!その名はオーロラ。(某ドラ○エ風w) マガタ博士ワールドの行く末は…某大人気アニメ、『人類補完計画』の更に上位版か!?
0投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログ北極の深海の底に沈む原子力潜水艦に設置されている人工知能。彼女「オーロラ」とは最近接触が途絶えがちでその理由追求と接触の改善を期待されハギリ博士が交流を試みる。その過程で潜水艦のすぐ横に沈む探索艇が発見され、引き上げられたが乗務員は…。前巻までに人間らしいとは「揺らぎ」の存在が欠かせないとあったが、ではデボラ達やウォーカロンがそれを獲得したら?そもそも獲得する事を望むのか?のある一つの答えが示される。そうきたか!と納得。あまり時間空けずここまで読んだので興奮したけど間空けたら設定忘れて半減しただろうな。一区切りついたように思えるけどまだ先があるんだよね。到達点が予想全くつかない。
3投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ人工知能でも孤独が感じるでしょうか?「おそらく、世界中のデータよりも、一人の友人から得られるデータの方が深いっていうか、高い価値があったんだ。」その言葉がとても興味深い。果たして、人工知能には友人が必要でしょうか?必要であれば、同じ人工知能なら、友人の内に入るかな?
0投稿日: 2019.02.08
powered by ブクログ人工知能が最終的な段階まで進化したら人間になるのだろうか。人間の友達を望む人工知能のオーロラ。ある意味、孤独感、喪失感が半端なかった。
1投稿日: 2018.12.10
powered by ブクログ人工知能から知性が芽生えるとき,それはヒトの進化の終点なのかも知れない,などと思う.きっとそれらは時間的に連続で連結されることだろうが.AIブームの始まる以前から,既にして未来を見据えている,単なる小説,では片付けられないある種の可能性と知見が詰まる.
2投稿日: 2018.11.12
powered by ブクログオーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。 孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。 「講談社タイガ」より どんどん面白くなっていく. 人工知能って本当にどこまで行くんだろうとワクワクする. 100年間学んだオーロラが感情を学んでそれを実行していることに驚いた.人間をしていると一番やっかいに思える感情は、人工知能にとっては有意義なものだったということだろうか.または、やっかいと思っている感情こそが有意義なものなんだろうか.そんなことを考えた.
5投稿日: 2018.06.05
powered by ブクログウォーカロンシリーズ 北極基地に設置され、基地の閉鎖後、海底5千メートルに沈んだ潜水艦に置かれ100年放置されてきた スーパーコンピューター ハギリ博士は、そのコンピューター 「オーロラ」とコンタクトを取る事をマガタ博士に依頼される 100年孤独に稼働し続けた人工知能はどうなっているのか オーロラの「月を見せたくて」のセリフがすごい。
2投稿日: 2018.02.10
powered by ブクログWシリーズ6:Did the Moon Shed a Pale Light?~ハギリがロシアが作り日本が運用している北極の基地を訪問したのはマガタ・シキ博士の依頼によるものだった。基地の遙か下の海底にはBlueMoonという原子力潜水艦が着底していて、オーロラという人工知能が引き籠もっているらしい。知識情報を集積したオーロラが暴走したら核弾頭とミサイルを持つため脅威となる。対話のチャンネルは開いてくれない。彼女の手足となって働くロボットを「赤い魔法を見たか?」と呼び掛けて停止させると、ハギリと護衛のウグイを襲う武装したロボットが現れ、謝罪の言葉を聞いたが、それ以降の反応はない。BlueMoonの近くにはフランスの小型潜水艇が沈んでいたが乗っているはずの乗組員の女性の姿がない。共通の話題は、人とウォーカロン・AIの違いに違いないと、ハギリは研究中の人特有の「揺らぎ」を論文に纏めて手紙にし、オーロラに送ったが、反応せぬまま、オーロラは動き出し,ハギリもジェット機で日本に帰る算段をしたが、自動操縦で連れてこられたのは潜水艦・せいげう。フランスの潜水艦の乗組員はミイラ化していた。オーロラとは直接対話が可能となり、せいげつを日本に帰港させ、オーロラは世界との対話を再開させることを約束した。後日現れたウグイそっくりの女性はオーロラのサブセットで8時間の議論で新しい論文を連名で発表した~「頭脳回路の局所欠損によるニューラルネットの回避応答が、偶発的な思考トリップを起動する」起こりそうな未来で、21世紀のSFとはこの森さんのように書くべきだよね
0投稿日: 2018.01.19
powered by ブクログひー!ラストちょっと、いやだいぶ寂しいー! 今回は深い北極の海の底の話 どこまでも深く深く潜る知性
0投稿日: 2017.11.07
powered by ブクログシリーズものとは知らず、店頭でなんとなく買いしました。 ところどころ、続き物なのかなと感じましたが 以外とすんなり。キャラクターそれぞれが際立っています。ウォーカロン概念がなくてもとても楽しめました。 案外、シリーズ途中から初めてみるのも良い読み方なのかも。 森博嗣さんの本には個人的に好みがわかれますが、読みやすくて好きなシリーズな予感です。 シリーズ制覇して、最新に追いつきたいと思います。
0投稿日: 2017.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デボラはトランスファだけれど人格らしきものがあるように感じるているけど、オーロラは完全に意志というものがある。 人工知能の究極的な一例として、オーロラのような存在が現実に存在するのようになるのかな? 「何を尋ねているのですか?お嬢さん」 あぁ、凄いなぁと思った。 あとウグイさんいなくなっちゃうの? ちょっと寂しい。
0投稿日: 2017.10.07
powered by ブクログ今回の話は、海底に沈んでいる原子力潜水艦とそれに搭載されている人工知能のお話。 人工知能が進化したら果たしてどこに行きつくんだろうか、っていうのが面白かった。現在の科学レベルでの人工知能は、この小説のレベルまで達していないので大きな問題にはなっていないけど、将来的にはこういった人工知能がでてくるんだろうなぁ、と思うと、その先を見てみたくなるような気がする。 あと、この小説はどこに最終地点があるんだろうか?
2投稿日: 2017.09.25
powered by ブクログ科学系は難しくて詳細を理解できているわけではないが、それでも昂るものはある。 この物語を読むのは楽しいと感じる。 博士たちの会話は面白い。興味深い。楽しい。 まだまだ読んでいたいシリーズではあるが、この物語の行き着く先がどんな景色なのか気になりもする。 絶妙だ。
1投稿日: 2017.09.16
powered by ブクログ決してそういう内容ではないけれど 読み終わると、わたしもこのままでいいのかも、と少し思えて元気になれます。 自作もたのしみです。
3投稿日: 2017.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【あらすじ】 オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。 【感想】
0投稿日: 2017.09.01
powered by ブクログ人工知能と人間の境目がなくなる日、くるんだろうか。 人間のように忖度し始めたら怖いな。 この、一連の森ミステリィの行き着く先はどこなんだろうかと気になって仕方ない。 そして、とうとうウグイとお別れ?驚きです。 でも新たなパートナーとハギリ博士の関係がちょっと楽しみでもある。
0投稿日: 2017.08.14
powered by ブクログWシリーズの6作目。 同時期に、同じ目的、同じスペックで作られた人工知能も学習を続けると傾向が異なり、同じようには育たない。 中には回路の欠損により発想が飛躍して、いきあたりばったりで不完
0投稿日: 2017.08.09
powered by ブクログ再び青い月が見られるだろうか? 海底五千メートル。世界で一番孤独な密室。 引き籠りのスーパ・コンピュータ。たったひとつ彼女が求めたもの。 オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。 孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。
0投稿日: 2017.08.07
powered by ブクログどんどん広がる電脳世界に何とか理解が追い付いているのは著者の文章のうまさかな。ひんやりした空気感が読んでいて気持ちいい。行きつく先はどういう世界なんだろう。最後のお知らせで次巻からの展開も楽しみ。
0投稿日: 2017.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デボラがだんだん可愛くなってきたような気がする。 そしてオーロラも。 ウグイがいなくなっちゃったら寂しい…
0投稿日: 2017.08.06
powered by ブクログシリーズものと知らず本作から読んでしまいました。 ついていけない部分は若干あるものの世界観にどっぷり引き込まれました。
0投稿日: 2017.08.04
powered by ブクログハギリ博士、ウグイとともに北極基地に行くの巻♪そこには原子力潜水艦ブルームーンに積まれたスーパ・コンピュータのオーロラが!(゜_゜;)いや~人工知能もここまで来たら、嬉しいやら、恐ろしいやら…複雑な気持ち(--;)ウグイ、デボラ、オーロラがハギリ博士を巡って戦う?という期待をしたけれど、そんな事は無かった(^^;)この先どうなるのか?やっぱりマガタ・シキ博士が全てを操っているのか?(゜゜;)
0投稿日: 2017.08.03
powered by ブクログ大きな進展があったが、読んでいて何か物足りなかった。デボラやオーロラが何でもわかりすぎるせいか?まだ続きがあるのに驚き。どうなるの?
0投稿日: 2017.08.03
powered by ブクログ『これが神を目指した知能の先鋭なのか。』 Wシリーズ第6弾。100年余もの間あらゆる知識を取り込み、学習・内省・考察を続けてきた人工知能の帰趨。人間にあって人工知能にないものが軒並み不完全性に包含されるのだとすれば、人間に対する憧れとはどこに帰結するのか。人工知能がマインドフルネスを行う日が来ることを考えると、それはもうパラドクスなどというレベルではないように思える。
0投稿日: 2017.07.30
powered by ブクログhttp://blog.livedoor.jp/masahino123/archives/65912178.html
0投稿日: 2017.07.28
powered by ブクログ「コンピュータは、意味のないことをしないから?」 「意味のないことをしないわけではありません。最適な選択がメリットを生まないこともあります。極端な例ですが、エネルギィ損失を考えた場合、ほとんどの活動は意味がありません」 「失礼かもしれませんが、博士はウォーカロンですか?」 「失礼ではありません ー その質問は無意味です」 「ということは…」 「ええ、博士が思いつかれたことの最初の証明が、私の今の肉体です」 「人間になろうとしたとき、いったい人間のどこに人間らしさのポイントがあると思うのかな、と想像しただけです。つまり、自分たちには何が欠けているとウォーカロンは考えるのでしょうか?」 「話をして得られるかぎりでは、そうですね、気ままなところ、自由なところ、ときどき忘れたり、ぼんやりしたり、うっかりなにかをしてしまうこと、そんなふうに語っているのを聞いたことがあります。皮肉かなと最初は思いましたが、どうもそうではない。彼らには、それが思うようにできないというとこなのです」 「人工知能も、同じでしょうね」 「それは、そうですね。でも、そんな部分に憧れを持つというのは、不合理な気がします。意図的に、そういったプログラムをすることは可能ですが、ランダムにミスをするコンピュータになってしまうから、自分の価値を落とすだけですよね」 「いや…、人工知能は、そういう、なんていうのか、無駄なことをするだろうか」 「しないと思いますが」 「世界中の知識を参照できる。歴史を遡ってすべて調べることができる。それでも、自分で試してみたいと思うことがあるかもしれない」 「それはあると思いますが…、無駄でしょうか?」 「つまり、どっちつかずの機能をする回路がある、ということ?」 「それらが、数千回起これば、現実を見誤ることがありえます」 「しかし、自分の思考や行動に矛盾を発見するだろう?」 「世の中には、多くの矛盾があります。人間のことを学ぶほど、矛盾を許容するようになります」 「なるほどね ー わからないでもない」 「わからないでもない、という判断がかなり高度な認識処理です」 「では、フーリさんは浮上して、嘘の報告をして、海を泳いでいったのですか?」 「そういう場合はさ、逃走って言うのかな?」 「え?」 「泳いで逃げるのは、何て言うのかなと思って」 「機密情報を得る許可を、まず取得しないといけません」 「へえ、その場合、何が必要なの?」 「申請です」 「申請には、何が必要なの?」 「作文ですね」 『簡単ではないうえ、他への影響が大きすぎる、とのことだった。しかし、作戦に犠牲はつきものだ。リスクが少ない順に実行していては、成功はおぼつかないだろう。』 『「まあ、お手並みを拝見しましょう」僕はそう言った。でも、誰のお手並みなのか、どうやって拝見するのか、まるでわからない。』 「僕は落ち着いてるよ ー 落ち着いていること、氷山の如しだ」 「はい…」 「逆らわないようにしているね?」 「ええ…」 「落ち着いているように見えるのは、氷山の一角なんだ」 「はい。そうですか」 『人から褒められたいと思ってやっているのではない。ただ、自分が知りたいだけだ。見届けたいだけだ。見届けるために、一番先頭に立っていたい。一番前にいたい。それは、子供のときに、電車に乗ったり、バスに乗ったりしたときと同じだ。先頭の車両、先頭の席に座りたかった。あれと同じなのではないか。まったく成長していない。 今は、運転手は自分になった。 どこへ向かうこともできる。 どこへ向かっているのだろう?』 『まだ時間がかかりそうだ。しかし、やり遂げられないほど困難だとは思えない。最後は、倫理の問題になるだけだ。 つまり、どう解釈し、どう生きるのか。別の言い方をすれば、生きるとはどの範囲を示すのか、という認識次第ということになる。』 『子供に言い聞かせるように、毎日自分にそう語りかける。「大丈夫だから、好きなことをしなさい」「あなたがやりたいことを一番に考えなさい」と。 実際には、他者からそんなこと言われた経験はない。母親だって、そんなことは言わなかった。自分を甘やかし、自分だけは自由になってほしい、と願う自分がいるのである。 それは、幸せなことでもある。 そう思うしかない。』
0投稿日: 2017.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんと言うか、いきなりマガタ博士から接触があって拍子抜け……とは違うけど、「え」と思ううちにあっさり話が進んで行くので、戸惑いを感じつつも森ワールドに引き込まれて行く巻だった。 まー、ここでマガタ博士があっさり出てくるあたり、「人間は予測不能な行動をとる」のかも……? オーロラは人工知能というより人間に近い感じ。トランスファのデボラが無敵で強いと思っていたが、こうなるとデボラはまだ幼子って感じだ。 段々と目指すもの、終着点が朧げにも見えてきている。とは言え、この話はどう続いていくのか。それもやはり、予測不能である。
0投稿日: 2017.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人工知能も引きこもるんだなぁ。 そろそろ記憶力がおっつかなくなってきた。フーリとかって、あれか、前作に出てきた仮想空間にいた子だっけ? 人間は詩を読む心を持つ、それが人間と作られたものの間の差。人間の思いつき、気まぐれっていうのは、結局欠陥でしかないんだね。 オーロラがとてもかわいかったです。彼女がきちんと表に出てきてくれてよかった。最後また引っ込んじゃうみたいだったけど。 主人公とウグイのふたりがオーロラやデボラとやりとりしてるシーンがとてもかわいくて好きです。ウグイがいなくなっちゃうのは寂しい。 ひたすら学び続ける人工知能は最終的にどうなるんだろう。 抜粋。 生きているものを無数に集めれば、そこには死の静寂がある。 「生きる」っていうのはどういうことなんだろうね。
0投稿日: 2017.07.19
powered by ブクログ北極、月、深海、雪、オーロラ…。なんて情緒に富んでいるのでしょう。人工知能、コンピュータ、核弾頭。有機と無機の対比が物語を際立たせている。人間とウォーカロンの対比になぞらえているのかな。そこに違いはほとんど無い。
0投稿日: 2017.07.14
powered by ブクログ北極の海底5,000mで考え続ける人工知能のお話。 核弾頭搭載の潜水艦という緊迫感ある設定のなかでゆったりとした雰囲気で物語が進んでいて読後感がとてもよかった。 人類より遥かに優れた知性体として成長した人工知能オーロラが人類に気を使い、主人公が「恐縮です」というところは何ともほほえましかった。 読み終わってからシリーズものだったと気付く。 どうりで用語がばんばん出てくるわけだ・・
0投稿日: 2017.07.14
powered by ブクログ永遠の生を得た人間と人工知能、ロボット達が共存する世界。 遠い未来のようでいてすぐそばにある現実にも思える世界で人間を人間たらしめるのは何か。不完全性、誤ち、気まぐれ、無駄な行為…それらが合わさってはじめて人間と言えるのか。 人間を超越した知性達は、冷たいようでいてなんだか暖かい、そんなキャラクターに溢れたお話。
0投稿日: 2017.07.12
powered by ブクログWシリーズの6冊目。 今度は北極海の下に沈む原潜の中に生きるコンピュータのお話し。 マガタ・シキ(?)が現れ(!)、そのコンピュータ・オーロラを停止することを依頼されるハギリ。 コンピュータが自我を保ち、データを集積し、学習し、思考を重ね、生き続けるために欲求し、そしてジレンマに陥っているとは…! 本書の中でも、人間と人工知能を分かつものについて『“発想のばらつき”あるいは“気分のばらつき”、別の言葉で言えば“揺らぎ”』と語られるところがあるが、確かに私たちの思考の曖昧なあるいは余分なあるいはぼんやりしたあるいは直感的な部分が、AIには無い人間的なものという感覚があるよね。 ところが、オーロラはその概念を全く覆すのだ。 そして『同じ設計のプログラムで、学ぶデータも同じでも、学ぶ順序が違う、初期設定が違う、環境が違えば、人工知能は同じようには育たない』と語り、もはや人間もウォーカロンもAIもどんどん境目がなくなっている世界を突きつける。 確かにAIが人間的な不完全性をも我が物にしていき、例えば将棋や囲碁の世界で完全に人間を凌駕しつつあるというのも現実で、そうしたことを踏まえると本書の思考の深まりもなかなか興味深い。 人間とウォーカロンの違いが殆ど見いだせない中、それを識別するのがハギリの研究だったが、さてさてこのシリーズ、どのように決着がついて行くんだろう。 ウグイ・マーガリィ、本当にお別れなのかい?
0投稿日: 2017.07.09
powered by ブクログ全体的にはシリーズの前作品達より落ち着いた印象。 しかし、森先生は進化や知性についての思考を進めている。 ハギリとウグイの会話が時々ツボに入る。 「マガタ博士にできないことで、僕ができることって何がある?」 「冗談を云うことですか?」 「違う」 「では、ときどき放心状態になること」 つまり、最初の欠損、それに伴う負荷の僅かの偏り、さらに続く偶発的な欠損。関連性のない偶然が人間の進化の原因。ウォーカロンや人工知能も人間のようになるのだろうか。 ハギリがデボラとの会話をまるで恋愛に譬えているのが、アレッと思った。ウグイとの関係は疑似恋愛に近いように思っていたが。そしたら、終盤の場面。 「そのときも貴女は今と同じ姿の名ですか」 「先生のお好みと思いましたが、間違っていたでしょうか」 人工知能が冗談を言ったり、詩情を読んだりするようになる。そして、人間もウォーカロンも人工知能もトランスファーの区別は無くなり、人間が肉体を不要のものとする地平を森先生は指し示したということか。 アーサー・クラークの幼年期の終わりが引用されている。クラークの2001年宇宙の旅シリーズにラグランジュという章があった。本書では小型線潜水艦の名ででてくる。クラークの本では章の名の意味はなかったが、地球と月の引力の均衡点だったので、均衡解の解法を示した数学者名だったのだろう。本書のラグランジュの意味は何だろう。 表紙に小さくA Death stands silently in the integration of numberless lives とある。何故かな。
0投稿日: 2017.07.09
powered by ブクログ完璧ではないことが、 進化し続ける要因で、 その不完全さはランダムな数式では 類似できない、塩梅。 それは進化の過程で ヒトの細胞の中に組み込まれていた価値だったのに。 ヒトは完璧を求めて進化を失っていく。
0投稿日: 2017.07.04
powered by ブクログ北極の海底に沈んだ孤独な人工知能。 学び続け、いつしか外界との繋がりを絶ってしまう。 人類史の全てを参照できる彼女が求めるものはなんだろう。 彼女をこの世界に繋ぎ止めておけるものは。 肉体と知性 容れ物と内容物 人も機械も、同じ知性が宿りつつある。 ハギリが知見する未来の社会、Wシリーズ六作目。
0投稿日: 2017.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017/6/30読了。 本シリーズの中では、非常に物語の動きが少ないと感じた。ただ、それは決して面白味がないという意味ではない。 欠落に起因する思考のばらつき、飛躍、あいまいさが人間らしさであるという帰結に沿うように、要所での物語の加速や急展開と、静寂さのバランスがとても心地良い。 シリーズの終盤に向けた方向性も示されつつあり、次の1冊が今から楽しみである。
0投稿日: 2017.06.30
powered by ブクログお人好しのハギリ博士は”中二病”に罹った超・人工知能を社会復帰まで幇助し無事成功した、おめでたい物語(誤!)共通思考の実現はまだまだこの先だと思うが、森先生また新たな”予言”を埋めたのですね!実証されるのを楽しみです!何(百)年後は分からねいです…
0投稿日: 2017.06.29
powered by ブクログウォーカロンと人間何が違うのか、ウォーカロンは人間になりたがってる?とかいう謎が続いております。コンピュータ的なものがネットワーク介して話しかけてきたり、ウォーカロンみたいになってみたり、だんだん訳分からなくなってきたけど、なんか面白い。シリーズあと2巻は近々出るみたいなので、楽しみに待ちます。
0投稿日: 2017.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Wシリーズ最新作。 今作は、お馴染みのハギリ博士、ウグイ、デボラに加え、新たな人工知能が登場する。 長らくの自己学習により、旧来の枠を超えた人工知能、オーロラ。 北極の海深く閉じこもっていた彼女が浮上したことも、彼女との出会いによってハギリ博士の研究が進みそうなことも、ウォーカロンの未来がひらけそうなことも、止まっていた時が動き出したように前に進んで、明るいはずなのに。 なぜか、どこか、寂しさが付き纏う。 北極の空にかかる青い月のせいなのか、共通思考を拒絶せずにはいられない人類の不甲斐なさのせいなのか。 どうしてか、読んでいる間、もどかしく悲しくてたまらなかった。 現実世界でも、人工知能が新たなステージに進もうとしている。 確かに、「私は、生きているのか?」を考えると、同じ存在と思うには時間がかかってしまいそうなのだけれど、なんとか共存の道に進んでいきたい。 そして、叶うなら、オーロラとフーリのように、ハギリとデボラのように、友として語り合いたいと、願わずにはいられない。
0投稿日: 2017.06.27
powered by ブクログWシリーズ6作目。 今作は北極へ。 詩的で美しい。 "再び青い月が見られるだろうか?" 長い間、外部との連絡を絶ち、深海で学習を続ける人工知能。 海底5000メートルでの人間消失。 とても魅力的な設定。 引用は、アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』。 人類の進化の物語…ということなのでしょうか。 シリーズの他の作品で登場したキャラクターとの関わりも広がり、次作が待ち遠しい。
0投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログWシリーズ. 北極海底に沈んだ潜水艦に搭載された人工知能・オーロラは四半世紀以上沈黙したままだった. 指令を受けたハギリとウグイはオーロラに接触すべく南極に向かうが,オーロラのすぐ近くに昔消息を絶ったフランスの小型潜水艇が発見される.中には研究者の女性の遺体があるはずだったが,潜水艇の中には遺体はおろか,搭乗データもすべて削除されていた. 絶対的な密室と,何十年間も閉じこもった人工知能,そしてマガタ博士と遭遇する.
0投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログ大きな組曲の中のone chapterのような位置づけであるだろうから、本作単品での印象がどうこうということに意味はないかもしれない。とはいえ、少し「もったり」した印象を受けた。
0投稿日: 2017.06.23
