
総合評価
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powered by ブクログヤマト第一作をリアルタイムで観た世代。「さらば」で終わらせるはずが、次々とお金目当てとしか思えない後継作には、興ざめしてアニメそのものからも離れていった。ガンダムやエヴァは世間の評価は知っていたが、実作を鑑賞するのはずーっと後になってから。そんな自分が本作で言及されるアニメで同時代に観ていたのは「うろつき童子」だった。あれも西崎の影響下にあったのか。
0投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ伝説のアニメ『宇宙戦艦ヤマト』を世に送り出し、その他にも『海のトリトン』『ワンサくん』などを企画・製作した伝説のプロデューサー。西崎義展氏の破天荒かつスキャンダラスな生涯を描いたノンフィクションです。 後世のクリエイターたちに多大な影響を与えただけではなく、90年代の日本を震撼させた「オウム真理教」の教義にも重大な影響を与えたアニメ『宇宙戦艦ヤマト』。 実を言うと僕はテレビでの再放送で断片的にしか見たことはなく、その影響下にはほとんどありませんが(中高の同級生だったN君が「ヤマト馬鹿」であったことを思い出した)、日本サブカルチャー史における「ヤマト」の重要性は認識しております。 本書はその「ヤマト」シリーズを世に送り出した伝説のプロデューサーである西崎義展氏の破天荒かつスキャンダラスな生涯を描いたノンフィクションです。 僕が西崎氏のことを知るキッカケになったのは「オタキング」こと岡田斗司夫氏の『遺言』(筑摩書房)を読んだことで、西崎氏と岡田氏のスリリングなやりとりが印象に残っていたからでした。それを踏まえた上で本書を読んでみて、西崎氏の破天荒かつスキャンダラスな生涯と、自らの手がける仕事についてはタイトルどおり「狂気」が全身から湧き出るようなすさまじさに最後まで圧倒されてしまいました。 西崎氏は東京府東京市小石川区原町(現・東京都文京区白山)の名門家庭に生まれるも、それに反発して流浪の果てに芸能界を経てアニメの世界に入るわけで、アニメ界のレジェンドたち―手塚治虫から富野由悠季をはじめとするそうそうたる面々や、仕事上で付き合いのあった人々が深い相克と愛憎をもって西崎氏のことを語る様子に衝撃を受けましたが、彼らの証言を挟みつつ、金と女とスキャンダルにまみれたその人生に迫っていくのです。 「ヤマト」が大ヒットした後も権利関係で原作者である松本零士氏をはじめとする関係者たちと泥沼の抗争を繰り広げ、自らも覚醒剤や武器の不法所持などで塀の中への生活を余儀なくするまで転落してしまうのでした。 そんな西崎氏に「華麗なる復活」を果させるのもまた「ヤマト」であり、2009年に公開された劇場用アニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』を壮絶な現場で完成に持っていくわけですが、後半のハイライトは是非手に取って読んでいただきたいです。 しかし、西崎氏は遊泳のため訪れていた小笠原・父島で船上から海へ転落し、2010年(平成22年)11月7日、午後2時58分、死亡が確認された一報が駆け巡ったときには 「もしや西崎は消されたのではないか。あの男はそれだけの恨みを買っている」 という噂が飛んだとのことです。 そういった声もまた、本書を全て読んだ後だと、 「その一節もさもありなん。」 と納得しているのです。 ※追記 本書は2017年12月22日、講談社から『「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 (講談社+α文庫) 』として文庫化されました。
1投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
100円のプラモデルを作っていたので全くの無関心であったわけではない。アニメも見ていた。 ヤマトから興味を失った理由は、のちに「ヤマト第三艦橋現象」と呼ばれることになるシーンに呆れたからだ。おさなごころにも、いい加減なお話なんだなと感じて見るのをやめた。なので、本書の存在を知ってからも手に取ることはなかった。しかし。 近頃、創作界隈のテキストに触れることが多く、不意にヤマトに出くわす。どうにも避けて通れないようなので、一通りの知識を仕入れるために本書を手に取った。 「かもしれない」ことや知り得るわけもない故人の心情を断定的に述べてしまうあたりジャーナリスティックな小説である。批判的な文章で中立な立場を主張しているようだが、著者らは明らかに西崎サイドに立っている。なので、まるのみにするわけにはいかない。とはいえ。 長らくどうでもいいに分類していたヤマトに対する松本零士の訴訟について補完できた。 ヤマトをファーストインパクトとする庵野秀明が、すべてにさよならしたエヴァをまたやるとか言ってることにも首肯せざるを得ない。魂に沖田艦長復活が刻まれてるのだから。
0投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ宇宙戦艦ヤマトの生みの親、同号プロデューサー西崎氏を追ったノンフィクション。「悪党」「人非人」「金と欲望の権化」「天才」「改革者」など、評価は大きく分かれる。「一将功成りて万骨枯る」を地で行き、しゃぶり尽くされて捨てられた人も少なくないという。覚醒剤と銃刀法違反で収監され、自己破産したのちも、やはりヤマトで一発当てて、即クルーザーを購入するよう男。本のタイトルにあるように「狂気」を持ってたんだろうなあ。こういう人とは付き合いたくないが、一方で、こういう人でないとあのヤマト(リアル感や音楽。今でもテーマ曲には心踊らされる)はできなかったのだろう。世の中を変えるような起業家も、ある意味狂気の持ち主である。この本を書いてくれた牧村氏にも感謝。
0投稿日: 2023.01.19赤坂のデスラーというこの男がいたから、ヤマトは発進したんだね
「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」は、映画好きの私が、唯一封切り中に3回映画館に足を運んだ作品であります。当時は入れ替え制ではなかったので、実は4回見ています。ま、ヤマトは、私が十代から二十代となる頃、かなり影響を受けた青春の思い出の一つですね。 ストーリーやメカ、キャラクターは勿論ですが、何よりその楽曲に惚れ込んでいました。今でも、テーマ曲は時々エレクトーンで弾いています。そうそう「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」のコンサートが我が街でもありましたっけ。オケは名古屋フィルでしたが、指揮は宮川泰、スキャットは川島和子、テーマ曲は、ささきいさおが歌うというコンサートでした。アンコールは「さらば~地球よ~」の大合唱。大感激のコンサートでした。その際に、西崎義展氏に会った、と言うか、見かけました。ちょうど私の席がミキシングブースの真後ろで、コンサート前にちょこっと打ち合わせに寄ってました。すぐに観客に見つかって引っ込んでしまいましたけどね。彫りの深い、いわゆるハンサムな方でしたね。 さてさて、この本はそんな西崎氏の半生?を詳説し、ヤマト誕生の秘話なんかもわかります。当然、松本零士との軋轢にも詳しく説明されています。ただ、それぞれのエピソードが時系列に並んでいないので、そこがちょっともどかしいかったかな。実際には、数々の出来事が同時進行で起きているのでしょうから、仕方がないことかもしれません。 それにしてもです。まさに破天荒。プロデューサーというよりも、興行主の側面もあるし。。。そしてその交流の幅の広さ、まさか田中角栄まで出てくるとは思いませんでした。また、家庭は一切顧みなかったにも関わらず、何度も結婚したのは何故だったのでしようか。一方、膨大で過酷な仕事をこなしながら、何人もの愛人を囲うというのも、私ら凡人にはとても出来そうもありません。仕事だけでヘトヘトになってしまいます。 その最期も彼らしいと言うか、ちょっとあっけないというか。「悪党」と呼ばれながらも愛されたという、まさに「悪ガキ」だったのかもしれません。 そうそう、これは本編とは関係なく、私が無知な故なのですが、学生時代に大変お世話になっていた民音が創価学会と関連していたとは、まったく知りませんでした。
0投稿日: 2022.10.02
powered by ブクログそこはかとない地続き感も感じつつ。もっと小振りでただの小悪党みたいな人(は、それなりに見てきたなあ)と比べると、やはり別格な感じはした。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログ宇宙戦艦ヤマトは幼少時に観た記憶がぼんやりある程度。ガンダム世代なので強い思い入れはない。ヤマトを作った男がハチャメチャらしい、ということはサブカル界隈で語られていて気になっていた。 この本を読むと、ヤマトの広報手法や作品哲学などが、ガンダム、エヴァ、その他後続アニメに与えた影響の大きさがよくわかる。銃刀法違反の逮捕に関する部分は、尖閣上陸や、そこでの石原慎太郎との関わりなど、知らなかったことばかりで、興味深かった。 本全体を通じて「梶原一騎伝」や「全裸監督 村西とおる伝」と似た手ごたえを感じる。毀誉褒貶が激しい、善悪の彼岸に行ってしまった人間のすごみがある。序盤のアニメ業界に潜入した下りでは、お人よしな手塚治虫との対比がおもしろい。ずるくて狡猾な人は頭がいい。隙を突くのがうまい。しかし、その能力を存分に発揮すると自分の首を絞めることになる。現代にも似たような人がいる。ホリエモンとか。 西崎が巻き起こした騒動に関わった人物が入り乱れて登場し、ディテールが分かりずらい部分はある。しかし、この本が描こうとしているのは西崎という人間であって、重要なのはそこじゃない。大筋はわかるから、ズンズン読めた。この人は、狡猾さ、決断力、頭の回転、人脈力と、あらゆる点で自分と正反対という気がする。大変な人だ。おもしろくて語るに足る人物なのは間違いない。 著者も西崎という人間に強く惹かれているのがわかる。特に、出所してから再びヤマトの映画を作ろうとする部分の文章に書き手の熱を感じた。努めて冷静に、事実に基づいて書こうとしているけど、ここでは憧憬に似た何かが漏れ出ている。
0投稿日: 2020.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
西崎氏とは一度会ったことがある。私が駆け出しの銀行員だった頃、同じ支店の先輩がなぜか「一度会わせてやる」と言い出して氏と会わせてくれた。本書を読むとJAVNを設立、運営していた頃だろうか。背の高い、押出しのよい人だった。西崎氏の生年を確認すると私より28歳上。 「銀行でスペイン語を習わされています」というと、 「そうか英語ができないのか」と言われたことを覚えている。 「いえ、英語はもうできるのでスペイン語を習わされています」と応じるとちょっと恥ずかしそうに下を向いたのを覚えている。 この本で何度も触れられている通り、「傲岸で自分勝手な判断をする、しかし純粋な」、人だったと思う。 ヤマトを除いて西崎氏の名を見たのは石原慎太郎氏の著作「わが人生の時」だったと思う。その本の中で、 「小笠原諸島のさらに先に洋上にブイがうかんでいる。近くに陸も無くそのブイの下のわずかな日陰を求めて魚が柱を作っている」という話を西崎氏から聞き、実際に西崎氏のクルーザーでその光景を見に行った、という話だったと思う。 西崎氏と創価学会/民音に深いかかわりあったことも初めて知った。 本当にこんな人はいない。
0投稿日: 2019.12.09
powered by ブクログ宇宙戦艦ヤマトで有名な西崎プロデューサーの評伝。 良くも悪くも、凄い人物。 こういう人が時代を創っていくのかね。 ヤマトに執着し過ぎだのが失敗。逆に言えば、あそこまで執着したから、一時代を築いた。
0投稿日: 2019.05.04
powered by ブクログかねてから、西崎プロデューサーは悪人だろうと信じて疑わなかった。 一読万嘆! 想像していた数倍のワルだった。 高校のころ、ヤマト資料集が3万円で限定発売された。購入特典は、松本零士先生・シナリオの藤川桂介氏・西崎Pの内、二人のサインがもらえるというもの。 周囲すべてが松本・西崎を選ぶ中、私は松本・藤川にした。この判断、われながら感心だ。 西崎Pのよいところを敢えて挙げるなら、ファーストヤマトを35ミリフィルムで撮影したこと、音楽に手を抜かなかったこと。 この二点を以て、地獄で蠢く西崎Pに蜘蛛の糸を垂らしてあげたい。 なお、本書で触れられたイニシャルI・MとH・Yはそれぞれ石野真子と畑中葉子であろう。後者が早見優でないことを切に願う。
0投稿日: 2018.07.07
powered by ブクログ文庫化に伴い、再読。「2199」の出渕裕監督と「バトルシップ」の山崎貴監督の証言が新たに加わった。 余談。「2202」を先日部分的に観たが、「さらば」の時のような興奮はそれほど感じなかった。アナログの良さがあるのだと思う。
0投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログインディペンデントプロデューサーの西崎義展、東映のプロデューサー吉田逹、原作の豊田有恒、主題歌のささきいさお。全て皆、出身が私の母校の武蔵高校だ。その人たちが集まって大ヒットアニメ「宇宙戦艦ヤマト」が作られた。 その中でも核になったプロデューサーの西崎義展の評伝がこの作品。昔のテレビブロデューサーもかなりデタラメだったが、しょせんはテレビ局を背負ったサラリーマンなので限界はあった。しかし背負うもののない西崎義展はさらに上を行く。 まずは漫画の天才、手塚治虫を激怒させる。多くの人を踏み台にしてヒット作「宇宙戦艦ヤマト」を作り、信じられない豪遊を繰り返しては借金し、挙げ句の果てには海外逃亡。 しかしまたフラッと戻ってきては映画やカレンダーで金儲けをしていく。 とにかく破天荒で痛快。 証言者の中にはかつて仕事を一緒にした人の名も数名出てくる。故人もいるが、生きている人にはいつか話を聞いてみたいと思う。
0投稿日: 2018.02.09想像遥かに越える壮絶人生。
ひとつの時代というよりはひとつの職業を作った先駆者の人生。 彼と全く会わずじまいだった山崎監督の最後のコメントが感動的。
0投稿日: 2018.01.28
powered by ブクログ帯に書かれている「その男は愛すべき悪党だった」という文言に激しい違和感を感じる。 西崎プロデューサーのある面では的を射ているだろうが、それだけの人ではなかった。今の私はそんな面も含めて、“極めて人間的な人だった”と思う。 もちろん、本を売るための「キャッチコピー」だとはわかっているけれど。 この本は、西崎プロデューサーを知る人が読むべき本だろう。 業界(アニメーションだけでなく、プロデューサーも含む)を目指す人にも読んで欲しいとは思わない。多くの功績すら書かれていない……。 文庫化に当たって『宇宙戦艦ヤマト2199』の総監督を務めた出渕裕氏への取材が大幅に追加されている。 「まえがき」を読むと(出渕氏が)“何もわかっていない”感に駆り立てられるが、第九章まで読むと少し感想が変わる。やはり一度、語り合ってみたいものだ。『ヤマト』と『2199』について。 読み終えて夢想するのは、あったはずの未来について──だ。
0投稿日: 2017.12.29
