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都市と野生の思考(インターナショナル新書)
都市と野生の思考(インターナショナル新書)
鷲田清一、山極寿一/集英社
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総合評価

18件)
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    図書館。 哲学者鷲田清一と、ゴリラ学者山極寿一の対談形式。都市の現状やそこから見えてくる問題点に、それぞれの専門分野ならではの、独自のアプローチで迫る。2人の共通点は京都での生活経験で、都市の理想として常に京都が念頭にある感じ。大学の在り方、ファッション、アート、言語、生成AIなど、扱われているテーマは様々で幅も広い。知的好奇心が旺盛な方なら、何かハマるテーマはあると思う。 特に山極さんのゴリラを突き詰めたからこその視点が面白い。生物学的に同じラインにいるヒトの原点をゴリラに見出すことで、今後ヒトが都市の中でどう歩むべきかを模索している。サルやゴリラ、アユの縄張りの話や、ヒトとゴリラは性と食の公開・非公開が逆転している話などとても興味深い。 個人的には、基本的に2人とも同じ方向をむいて話をしているようで、時々噛み合っていないというか、学者ならではの自分の話に持ち込むようなところがあって、そこも面白いなと感じました。識者同士の会話って感じ。

    11
    投稿日: 2025.11.27
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    「たたかう」「にげる」。ロールプレイングゲームのコマンドのような選択肢を武器も道具も持たない原始社会で求められたら、人類はどうしていただろう。敵は猛獣だ。本書もそうだし、私もそうだと思ったが、とにかく工夫しながら「逃げる」しかなかったのではないか。 この問いから考えていく時、人類が逃げ切れる確率はどうだったか。逃げ足の遅いヤツから食われていく。そうなると男女の身体機能差、大人と子供の身体能力差により、女性や子供が不利になりやすく、人類は世代継承できずに滅びてしまう。 何もせず、ただただ駆けっこを続けていれば、子供の生存は運頼み。子の数を増やす必要が生じるが〈妊婦と子供〉のいずれかが犠牲になるジレンマが生じる。 人類はそうした状況におかれながら互いに助け合う共感の心を育んできた。知恵を絞り、他者を助けるのだ。その副産物として、女性に偉そうにするマンスプレイニング、逃げ切れる強さを誇るディスプレイとしてのファッション、長距離走に適した二本足走行などの身体特性、あるいは、逃げる事を卑怯とすり込むような神話が生まれてきた。共感力以外は本書で書かれない私の追加によるが、このような「人類の起源」を妄想しながら語り合う本だ。 ー 私は言葉ができる前に「憑依」という現象があったと思うのです。自分が、自分ではない何かになる。身体装飾の意味は、この憑依を表現することにあったのではないかと思います。なぜなら、弱い人間が、自然と立ち向かうためには、強さと知恵が必要だからです。そうしたものを身体に埋め込むための儀式が装飾だった。自分とは違う生き物になるという意味では、トーテミズムなどがその典型で、だから非常に古いものでしょう。これはおそらく人間の信仰の原点だと言えるのではないでしょうか。 憑依は英語で possession。この憑依や所有という概念は、最近他のレビューに書いた他者を取り込んでの身体拡張という考えにも近い。霊長類・人類学者と哲学者の対話。私にとっては大好物な内容。多少根拠が薄いような部分もあるが、発想を楽しむような読み方で。

    81
    投稿日: 2025.10.24
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    鷲田さんと山極さんの対話形式で進み、様々なテーマについてそれぞれの知識や経験から考え出された事を分かりやすくまとめてくれてあり、どれも面白かった。お二人のようにに開かれた専門家を目指したい。

    0
    投稿日: 2024.02.23
  • 射程の長い話は古びない

    2015年に行われた対談録。シジュウカラの鈴木俊貴氏と山極氏の共著が2023年8月に出るにあたって検索していて引き寄せられた。 1980年代には「成熟社会」や「少子高齢化」は悪いことではないと考えていたが、グローバリゼーションにあって貧困と格差に覆われているとの現状認識。地域社会の小商いは大資本の流通に勝てないと、錦市場の目線で語られる。人類が類人猿との共通祖先から別れて700万年の特質とも絡めて、資本主義の不自然さが浮き上がってくる。 また、liberalの本意は気前が良く大らか、そして豊富であるためにとらわれない自由。これが政治的な自由や自分勝手のlibertyとしばしば混同されているという指摘も興味深かった。

    0
    投稿日: 2023.07.28
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    f.2025/7/13 (2025-041) f.2017/10/16 p.2017/8/10

    0
    投稿日: 2022.05.18
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    対話が面白い、読みやすい ファストフードを食べる姿を見て、チンパンより孤独。そう言う意味では人類史は退化している

    0
    投稿日: 2021.08.15
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    ふむふむ なぁるほど と これまでの著書を辿らせてもらった お二人 哲学者の鷲田清一さん そして 人類学者の山極寿一さん お二人の対談集 お二人の対談を拝聴しながら あれやこれやのことを 考えさせてもらったり 途中で あの本にあったなぁ と振り返させてもらったり いい時間を 過させてもらえました

    2
    投稿日: 2020.05.09
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    哲学者で元大阪大学総長の鷲田清一氏と、ゴリラ研究で著名な山極寿一京都大学総長の対談。 ただ第1章からリーダー論がぶっ放されていて、改めて知を探究すると射程は広く、そして「僕たちはどう生きるか」という問題に集約されていくのだなあということを実感。 文科省が学習指導要領で「生きる力」を提言してからでも随分経つが、文科省が(あるいは日本の政府が)進めようとしている教育改革が、たとえば本書で述べられているような「生きる力」を涵養するものであるかと自問すれば、甚だ疑問であるというよりは、正反対の方向に進んでいるような気がしてならない。 複雑化する国際社会と日本の現状を踏まえた上で、大人としてどのように振る舞えばよいか。 最近自問していることは、結局そういうことに尽きるような気がしてきた。

    0
    投稿日: 2019.12.07
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    御二方とも著名な研究者なので、期待して読み始めたのですが…居酒屋で2人の老害が薄っぺらな持論を披露しあって気持ち良くなっている、としか読めませんでした。あまりにもカジュアル過ぎて話が色んな方向へ飛んでいくし、よくこれを出版しようと思ったな… 東大の五神総長の、現実問題に合わせた見事な運営手腕について読んでしまったせいで、余計に机上の空論を振りかざして御託ばかり並べているように聞こえてしまいました。猿も哲学も立派な学問とは思いますが、経済や科学技術について語るのは100億年早いんじゃない…?限られた知識で大きな主語について語ってしまう姿勢がどうにも受け入れられませんでした。 まぁ、こうやって時代の流れに疑問を呈することも大事なのかもしれませんが…対談形式だからなのかなぁ… 同じ対談でも真理の探究はすごく面白かったんだけどなぁ…

    0
    投稿日: 2019.12.02
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    【いちぶん】 鷲田 松下幸之助さんのリーダー論です。松下さんはリーダーの条件を三つ挙げたそうです。まずは愛嬌、これはゴリラにも通じますね。二つ目は運が強そうなこと(中略)三つ目が後ろ姿だというのです。 山極 なんと!ゴリラそのものじゃないですか。 (p.22)

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    投稿日: 2019.11.25
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    そもそも人間とは社会とはを、人類も生物の一種類であるという原点に立ち返り、専門家からの示唆にとても興味深い良著。

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    投稿日: 2019.06.15
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    模試の文章で使われていたのが面白くて原典を見つけたので読んでみた。 鷲田さんも山極さんも現代日本でもトップクラスの知の巨人だが、お互い違うジャンルなことを生かして色々な視点から現代社会を見ていく。対談形式で文章も非常に読みやすかった。 ・教育(特に大学教育)が向かうべき方向性について ・人間そして都市の成熟について(京都について) ・人類学的な家族形成について ・アートについて(アートは唯一目的を持たない人間の行動だ!) ・食と性の比較(動物は食を隠し性交は公に見せるが、人はなぜ食を人に見せ性交を隠すように進化したのか) ・教養とは何か(人が考えるということの意味と効用、これからの未来について)

    0
    投稿日: 2019.02.07
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    二人の対談は話が深く理解が難しい。京都に対する理解もないので、なかなかなるほど、とはならなかった。求められる学者についても、専門的な狭い視野しかないものではダメで、話を聞ける広い視野を持った学者が必要だと言った矢先にバカな学者、ただ知ることを楽しむためだけに研究に励む学者は大事だという。なかなか理解ができなかった。日をまたいで読んだので、理解が浅いのかも。ゴリラの性質は興味ぶかい。また機会を設けてチャレンジしたい一冊。

    1
    投稿日: 2018.12.04
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    様々な知識と広い見識を持つ2人の多岐にわたるテーマの対談はどの話題を取っても好奇心が擽られ読みながらワクワクする。 ミーティングでは相手を役職名ではなく必ず「さん」付けで呼ぶ。呼び方一つでその場の空気が明らかに変わる。 リーダーとは自分がいなくても周りがうまく動くようにセッティングする人の事。getting things done by others. リーダーは周りの人の適性や能力を的確に判断し、チームワークを先導して目的に向かってみんなをまとめる。リーダー自身は目立たなくていい。 本当は強いんだけど、それを抑えている事が出来る。これが愛嬌。ゴリラのリーダー。 ロビン・ダンバー「人間の会話のほとんどはゴシップでできている」 明治9年までは妻は実家の姓を名乗らなければならなかった。夫の姓を名乗るようになったのは明治31年(1898)とは案外日本の家族の歴史の概念は近年大きく変わったんだな。それまでは養子をよくとるし、そこに外から妻を迎えるなどしたら、〇〇家という完全に血縁はなくなる事があった。 そもそも人間の子供は共同で保育する様に生まれついている。これが他の霊長類との決定的な違い。人間の赤ちゃんのみ泣く。ゴリラ、チンパンジー、猿も赤ちゃんは泣かない。なぜ泣くか?母親が赤ん坊を離すから。他の霊長類は生まれてから1年間は赤ん坊を胸に抱いて離さない。しかし人間の赤ん坊は重いので母親が抱え続ける事ができない。赤ん坊はひ弱なので自分の不具合を訴えるために泣く。ひ弱なのに抱き続けられないのは脳が急速に発達するために体脂肪率がゴリラの5倍あるから。脳を成長させるには脂肪が必要。ゴリラの4倍近く人間の脳は大きくなる。 絵画などは学問と同じですでに基礎技術が確立されていて、その技術を使えば感じたものを巧みに表現できる。しかしそれだけだといずれ壁にぶつかる。だから近代の画家は例えば右利きの人が左手で描いたり、ピカソなんかもわざと稚拙に描いた。器用さをあえて封印することで逆にセンサーをフルに機動させようとしたのではないか。 一般市民にとっていい専門家とは何か?→一緒に考えてくれる人。専門家が寄り添っていく事。 人間が生きる為に1番重要なのは関係性。関係性を知る手がかりは、相手が何を考えているのか、自分に対して何を望んでいるか知る事。それこそがセンサー。直感力。その上で仲間の意向について自分がどう考えるか。察知しながら行動を規制し、それを前提として自分の行動も規制する。AIにはできない事。

    1
    投稿日: 2018.11.17
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    この本は読んでいて気持ちが良い。先に読んだ本が「大学が新しい時代に応えられる人材を…」というような内容だったので余計にそう感じた。

    2
    投稿日: 2018.06.04
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    二人ともめちゃくちゃすごい人なのに、 仲良しのおっちゃん二人が話しているような温かさ。 内容もバラエティに富んで、 考えさせられる場面がたくさんあるのに、 居酒屋で先輩の話を隣で聞いてるような気楽さ。 面白かったー。 特に、最後のほうで、 学生は大学を離れて社会人になった時、 自分が学生時代にどういう期待を受けて育ったのかを 自覚してほしいと書かれていたのが心に残った。 いい言葉だな。 まさに教育者のお言葉だわ。

    0
    投稿日: 2018.03.30
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    レヴィ・ストロースの“野生の思考”を見事に言い回した題目と,それに引けを取らない内容.多方面に話は膨らむが,結局の所我々が土台としている文化の醸成過程とその行く末をざっくばらんに著している.おもろい.

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    投稿日: 2017.12.17
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    お盆休暇、3冊目。アートに目標はないんだ。ただオモロイからやっている。勉強は何のためにするのか。目標を持ち、目標に向かって努力することが大切だと日々話しているが、でも結局、勉強だってオモロイからするんだ。おもしろくないことは続かない。「おもしろいことは伝染する」と言ったのは森毅だったか。この二人の対談だからオモロイ話題が次から次から出てくるわけだが、なんだったかなあ、なかなか残ってないんだ。人間は進化の過程で、性を隠して食をオープンにするようになった。なるほどなあ。ところで、「紙の上のインクの染みを見て欲情する」というのは極端なたとえだろうけれど、それがこのネット情報が氾濫する世の中では、違ってきているのではないのかな。アートを取り込んだ教育の話、近々また対談するようなので、それも早く読んでみたい。

    0
    投稿日: 2017.08.16