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知ってはいけない 隠された日本支配の構造
知ってはいけない 隠された日本支配の構造
矢部宏治/講談社
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総合評価

81件)
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2
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    なんとなく曖昧に蓄えられていた、知っていたような知らなかったような知識を、がつんと力強く差し込まれた。 何が良いか悪いかは別として、日本はどこまで行っても敗戦国であり、アメリカの属国である現状から抜け出す事は不可能に近いと言える。

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    テレビでは決して語られない不都合な真実、でも知っておかないといけない真実。 読んでいて、マジ暗くなりました。 沖縄のことも読まなくてはね。

    1
    投稿日: 2025.05.04
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    政府だけではなくメディアも司法も正しく機能していない今の日本を見ていると、なるほどなぁと納得してしまう。

    0
    投稿日: 2025.03.26
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    現在の日本は米軍に占領されていた当時と変わっていない、半独立国だという話。 最初の方を読む限りでは、「とんでも本だったかなー」という感想を抱いた。しかし読み進めるうちにジワジワと「あれ、本当なのかも…」と説得力を増していった。 沖縄の米兵によるレイプ事件など、米軍基地内での治外法権は知っていた。それだけでもなんでそんなことが許されるのだろう?と疑問に思っていたのに、日本はそれどころではなかったらしい。 国際情勢が不安定な昨今、色々と考えさせられる本だった。

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    米軍と日本国との関係について、筆者が調べたことに基づいて説明した本。とてもわかりやすい。憲法9条と自衛隊の関係は、小学生のときから疑問だったが、なぜそうなってしまったのかがよくわかった。密約は恒久的なのか?、結んだ人が亡くなったら消滅するのではと思う。またそうでないと、密約を捏造されてしまう。

    0
    投稿日: 2025.02.15
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    日本とアメリカの関係で一番肝心なことを知らなかった。敗戦直後の占領期以来、吉田茂や岸信介がアメリカと交わした平和条約の裏で重大な軍事上の「密約」があったことだ。それは国の有り様を決める決定的なものにもかかわらず国民には一切知らせず隠し通してきたものであった。 先ず「横田空域」という米軍が支配している東京都西部の専用空域の話からこの話は始まる。いつも不思議に思っていたJALやANAの民間航空機が不自然なルートを飛ばざるを得ない理由もここにあった。この巨大な米軍の管理空域は「日本国内法の根拠は何もなく(立ち入ることができない)アメリカの自由な空域」となっている。 2010年沖縄の「嘉手納空域」が返還された時、その裏側で返還の意味を失わせるもっと大きな米軍優先空域が設定されていた。これと同じ方式で1952年に米軍が本土占領を終え日本に返還する時、「日米合同委員会」の密約で巨大な米軍優先空域が設定されていたのだ。それが「横田空域」と「徳山空域」である。 米軍は「返還」する時は常にその裏で「権限強化」や「訓練機能の強化」を実現してきた。 戦後の占領期以降の日本の首都圏上空は巨大な空域が米軍に実質管理・支配されたままなのである。 更に、「日本国当局は所在地のいかんを問わず米軍の財産について捜索差し押さえまたは検証を行う権利を行使しない」という合同委員会の取り決めで、実質的に日本の国土全体が米軍の治外法権下にあるという事実もある。そして戦争になったら自衛隊は米軍の指揮のもとで戦うという指揮権密約を吉田首相が結ぶことで「占領下の戦争継続体制」を固定化することになったのである。 「日米合同委員会」ができた経緯 1950年初頭、アメリカ軍部は朝鮮戦争勃発でソ連・中国の脅威が強く日本の独立には絶対反対であった。政府が独立させるのであれば「在日米軍の法的地位は変えない半分平和条約を結ぶ」「政治と経済は正常化協定を結ぶが軍事面では占領体制をそのまま継続する」というものであり、1952年の平和条約締結はそれに沿った占領解除であった。 「半分主権国家」の国際社会復帰という本当の姿を日本国民に隠しながら日米関係を続けていくための政治的装置が「日米合同委員会」であった。日本を軍事面で法的に従属させるための機能であり米軍が占領期の特権を持ち続けるリモコン装置であった。 「日米合同委員会」の構成や内容 日本側:外務省北米局長・法務省大臣官房長(先々検事総長になる)など計6人、米側:アメリカ大使館公使と上級司令官(太平洋司令官)など6名の軍人の計7人 両国合計13人構成とし、月2回の開催をする ・占領期特権①裁判権(地位協定)②基地権 ・密約方程式 : 古くて都合の悪い取り決め            =新しくて見かけのよい取り決め+密約 ・基地権密約文章     行政協定=地位協定+密約  ・日米当局3つの裏マニュアル  ①最高裁の「部外秘資料」(53.9)  ②検察の「実務資料」(72.3)  ③外務省の「日米地位協定の考え方」(73.4) 日本の最高裁は誕生してから一度も正常に機能したことがない。(占領下の砂川事件以来) 朝鮮戦争勃発で占領主体が連合軍から米軍に転換。 安保条約は憲法よりも上位に位置づけられる。 憲法9条は占領中に国連憲章(国連軍)とセットで書かれたが、ダレスのトリックにより独立後は日米安保条約とセットで存在するようになった。 裁判権密約・基地権密約・指揮権密約(戦争になったら自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う、吉田首相が1952.1954締結)‥‥完全に隠された日米の取り決めであった。 日米関係は「占領体制の継続」でなく、もっと悪い‘52「占領下の戦争協力体制の継続」であった。 占領期、1950年朝鮮戦争の勃発で、日米関係が大きく変形し(国連の理想から米軍の現実へ)、それが現在に続く。 作者は最後に戦後日本という国はアメリカ政府ではなくアメリカ軍部(米太平洋軍)によって植民地支配されている、早く日本の既得権益層(安保村の面々)を退場させてこの「不平等条約(体制)の改定」をすべき と結論づけている。牽強付会な部分も感じるが、これだけのことが広く国民に知られていないことに大いなる疑問を感じる。 自分の意見であるが 日米の政治家でも鳩山首相や民主党は勿論ライス国務長官ですら知らない軍事関連の異常な二国間関係になっている。決めた人・推進した人や知っていた人は責任が重い。これは国際法やルール、密約を武器とするアメリカの典型的な支配方式だ。 今更ながらの日本の国家統治・主権意識の前時代性、検察・最高裁の構造的欺瞞性に憤りすら覚える。 政治的手続きに多大な労力と混乱を伴うのは民主主義必然のコストだ。説明責任やディスクローズ、隠蔽の断罪等々徹底すべきだ。敗戦後混乱期の異常は早く正常化するべきでこれこそが政治の責任だ。 「密約」は企業活動に例えるなら粉飾決算と同じでトップは勿論関わった人はすべて犯罪者だ。 条約・密約当事者は勿論、合同委員会の参加者個人の人間としての良心はどうなのだろうか。 特に司法や外務省の高官は基地問題や沖縄住民の繰り返される犠牲に何を思うのか。そのような不平等な条約補完のために彼らは勉強・努力し出世して今の地位を得たのではないはずだ。「墓場まで持っていく」という考えにも繋がるが、自分の立場だけで国や国民を売るような行動の生き様に対して、彼らは棺桶に入る前に何を思うのだろうか。

    0
    投稿日: 2024.12.08
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    憲法第9条の陰に隠された日米の密約。米軍基地の存在や集団的自衛権等。マスコミの報道しない真実に迫る衝撃の一冊。 日本の戦後はまだまだ終わっていない。

    1
    投稿日: 2024.06.23
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    累計17万部を突破した 『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』の 著者が「戦後史の闇」に光をあてた、渾身の集大成!

    0
    投稿日: 2024.06.11
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    マスコミでは取り上げられない真実が分かりやすく、ファクトに基づき、論理的に説明されている。 日本人が真に賢くなり、平和を真に希求する国民により絶対的な信頼で選ばれた政府が、毅然と米国と対峙する時がくるのだろうか? 戦術・戦略的にはリベラルなアメリカ国民の支持も取り付け、国際社会をも巻き込み、平時国際法・戦時国際法に則り、正々堂々と真の戦後処理をすればいい。 朝鮮戦争は、法的には何ら終結を向かえていない。 どさくさに紛れ、仕組まれたジョン・フォスター・ダレスの法的枠組みは依然として残っているわけである。 内容 第1章 日本の空は、すべて米軍に支配されている 第2章 日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある 第3章 日本に国境はない 第4章 国のトップは「米軍+官僚」である 第5章 国家は密約と裏マニュアルで運営する 第6章 政府は憲法にしばられない 第7章 重要な文書は、最初はすべて英語で作成する 第7章 自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う 第9章 アメリカは「国」ではなく、「国連」である あとがき 〈追記〉なぜ「9条3項・加憲案」はだめなのか という内容でした。 私の追記:白洲次郎はサンフランシスコ平和条約においては、きっちり沖縄返還を吉田茂に進言したが、吉田は、個人として条約にサインした。 吉田としても少々後ろめたいところがあったのかもしれない。 この後、白洲次郎と吉田は袂を別った。 当時の世界の状況で、朝鮮戦法は勃発したこともあり、政治家としては難しい判断だったのだろう。 しかし、その後の保守政治家の体たらくはいただけない。 岸の本音は計りかねるが、真の日本の独立を希求していたとしたら、真の保守がしっかりエセ左翼と対峙する機運が醸成されなかったのだろうか? いずれにしても、その場の空気に左右されない真の日本人社会の確立を願うばかりである。

    0
    投稿日: 2024.06.10
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     本書において、日本は日米合同会議を通して米軍に支配されており、実質主権を侵されたアメリカの属国であるという主張がなされている。よく聞く話であるが、本書を読み進めると内容に飛躍があり、著者の政治観を感じされられる点などから陰謀説かと思わさせられる箇所も散見された。 現実を見た時に、本書の主張は一面の真実を捉えているのであろうが、主張を裏付ける具体的エビデンスが弱いように感じた。

    11
    投稿日: 2024.03.05
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    陰謀論の本ではありません。家族は書名を見て陰謀論の本かと思ったと笑っていました。著者がどんな思いで書名を決めたかはわかりませんが、書名で損をしていると思います。

    0
    投稿日: 2024.01.26
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    対米従属を構築するために様々な法律が絡み合い、空域までも差し出している、日米合同委員会も絡んで三重構造、というような内容。もちろん陰謀論っぽくはあるが、「そこまで法律で完膚なきまでに叩きのめしといて、じゃあ、どうすりゃいいんだよ」とも言いたくなる内容で、シン・ゴジラのようなアメリカと対峙して乗り越えようとするような夢物語を抱かせてくれる話でもなく、ただひたすら法案を、現実を突き付けてくる。逆にこういう世界観だからこそ、こういうアメリカのせこさも知ってるから、文化で対抗する、という現代になっているような気もするし、その戦略にも必然性があったのかもしれないと思わせる。どうすりゃいいんだろうね。いみじくも小説を書く身としては、言葉の力で対抗することは、果たしてできるのだろうか、と考えてしまった。

    1
    投稿日: 2024.01.17
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    この本の主張 日本はアメリカの言いなり アメリカは日米合同委員会でどんな法律でも通せるし、裁判所をコントロール出来るため違憲でも関係ない。そして、それらの法律の日本への影響となぜこういう日米関係になったかを細かく細かく書いてる一冊

    0
    投稿日: 2023.11.28
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    日本の驚くほどの対米従属は、かなり気になっていることだが、本書では、主に軍事面でどんな不合理性を持っているのかに焦点を当てて解説してくれている。 太平洋戦争に敗れ、アメリカの占領を経て独立した日本からすれば、一定程度のアメリカによる影響はあってしかりだろうが、ここまで言いなりになっていて言い訳がない。 何だか真の独立国とは言えない気持ちになってしまう。 そう言う気付きを与えてくれた書だと感じた。 一部抜粋 日米合同委員会の本質とは、占領時代から続く基地の使用権や治外法権など、米軍が持つ巨大な特権を、どうすれば日本の国内法のもとでトラブルなく維持していくかの調整機関。もともと占領中に旧安保条約の交渉をしている段階で、「日本国民の目にふれさせたくない取り決め」を、すべて密室で処理するためにつくられた「ブラックボックス」。 法務省から合同委員会のメンバーとなる大臣官房長は、その後、かなりの確率で検事総長に就任している。 日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、アメリカと「どんな攻撃に対しても、たがいに血を流して守りあう」対等な関係になれるというのは幻想でしかない。 アジアの国との二国間条約である日米安保条約が、集団的自衛権にもとづく対等な相互防衛条約となることは、今後も絶対にありえない。 事実、指揮権密約からしても、現在の日米の軍事的な関係では、日本側が軍事力を増強したり、憲法解釈を変えて海外へ派兵できるようになればなるほど、米軍司令官のもとで従属的に使われてしまうことは確実。 つまり集団的自衛権というのは、現在の日米安保条約とは基本的に関係のない概念だ。 にもかかわらず、なぜか米軍部からの強い働きかけによって、2015年9月、その行使のための国内法が強行採決された。 米軍は ①「日本の国土を自由に軍事利用できる権利(基地権)」 ②「戦時には自衛隊を自由に指揮できる権利(指揮権)」 という、信じられないほど大きな権利を密約によって持ってる。 そしてその歪んだ法的関係を構造的に支えているのが、 ③「日米合同委員会」 ④「最高裁(砂川判決)」 というふたつの聖域化された、アンタッチャブルな機関。 この①から④までの四つの問題を解決しないまま、憲法で自衛隊を容認してしまうと、その先に待っているのは「米軍による日本の軍事利用体制」の完成だ。

    0
    投稿日: 2023.10.30
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    矢部宏治著『知ってはいけない〜隠された日本支配の構造〜』を読んだ。本書の発刊は2017年。私が購入したのは2018年だが読まずにいた。 孫崎享著『戦後史の正体』に衝撃を受けた。この本を企画したのが矢部宏治(1960-)である。本書を読み終えて、日本が対米追従で来た理由がよくわかった。モヤモヤしていた視界が開けた思いがした。 日本の対米追従は「対米軍追従」とも言えるもので、憲法よりも上位にあるのが日米安保条約である。この条約のもと開かれる日米合同委員会。ここに出席するアメリカ人7人のうち6人が軍人であることからも米軍が日本を支配していることが分かる。日本はGHQ占領期と何ら変わっていないのだ。 日本は表向きは独立した国である。国際世論をかわすためにGHQの占領は打ち切らねばならない。しかし、1950年に勃発した朝鮮戦争によって、「日本を独立させながら米軍の支配下に置く」ためのトリックが必要になる。そのための策が、安保条約と密約であった。1951年9月8日午前、アメリカ・サンフランシスコのオペラハウスで行われたサンフランシスコ講和会議においてサンフランシスコ平和条約が締結された。吉田茂は同日午後5時にサンフランシスコ内の第6軍司令部において日米安全保障条約に署名する。アメリカ側は国務長官アチソンが署名をした。そして、このとき「吉田・アチソン交換公文」と呼ばれる密約が結ばれた。

    0
    投稿日: 2023.08.02
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    米軍基地の謎や憲法9条や、いろいろ感じていた矛盾のナゾがとけた感じ。まだ一応高齢者ではないけど、もっと早くに知っておくべき内容だった。

    0
    投稿日: 2023.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    知ってはいけないのでは無く既知ですが・・・ 本書に述べられている事の殆どは戦前から戦争に命がけで言論の力だけで反対して来た100年続く野党=日本共産党が訴え続けて来た事と同じである。 何より重要なのは、全く別系統のイデオロギー的にも異なる(であろう)著者が「思う事では無く自分で調べた事実」を積み上げた結果、この党とほぼ同じ結論に達している事である。 自然科学の世界では追実験が重要であるが、これと同じである。つまり相互にその正しさを証明している。 今緊急に必要なのはロシアの侵略戦争を止め、日本に戦争をさせない事である。それには「保守か革新か、右か左か」では無く反戦平和勢力の共同した闘いが直ちに必要であり本書はその一助となるだろう。 ロシアのウクライナ侵略は許しがたい蛮行であるが、それもこれも「アメリカの掌の上」での事である。ロシアのウクライナ侵略より前のウクライナ人同士の殺し合いの狂気はCIAの手引きで行われている。 そしてアメリカの戦争政策の邪魔ものとして今日、100年続く野党を破壊しようとする動きも、マスコミを含めはじまったが、それはアメリカのCIA関連の謀略では無いかと私は疑っている。何故ならその手先と思える松竹信幸氏の主張はCIAの事実上のエイジェントである、G・ソロス氏と酷似しているからだ。

    0
    投稿日: 2023.02.24
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    「知ってはいけない」と書いてあるが、朝鮮戦争で日本を取り巻く国際環境が変わり、現在に至るまで軍事的には主権国家ではない状態が継続している状態を分りやすく解説している本。

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    投稿日: 2023.01.09
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    なーんと!日本て、軍事的にはアメリカの植民地のままじゃん。 「戦争になったらアメリカさんが守ってくれる」何て、誰が言い触らしたんだ。

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    投稿日: 2022.12.11
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    日米安全保障条約の密約により、以下の2つの権利が米軍に付与されている。 ①軍事指揮権 ・米軍が日本国土周辺でいつでも軍備を配備できる) ②基地配備権 ・沖縄を初めとする米軍基地だけでなく、米軍が希望すれば日本国土内でどこでも基地配備ができる それ故に、米軍基地上空は米軍管轄下にあり、日本の旅客機は米軍基地の上空を迂回する空路を選んでいる。 戦後の日米安全保障条約で上記①と②が締結されたというのが本書の要諦

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    投稿日: 2022.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怖いですね。 戦後、アメリカ軍と日本が結んだ密約によって、植民地化している。 アメリカは、日本のどこにでも好きなように基地を作れる。また、日本の旅客機の飛行ルートは、アメリカ軍に支配されて、不自然になっている。 どうすれば、いいのでしょう?

    0
    投稿日: 2021.08.16
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    ずいぶん刺激的な内容なんだけどその分信憑性が疑わしい気がする。出てくる調査者も怪しいジャーナリストみたいな人しかいない感じだし、ソースも不十分だと思った。自分の素養不足なのかも知れないが鳩山を評価してる点も何となく世間とはズレてる感が否めない。読み物としては面白かったのでまあまあです。

    0
    投稿日: 2021.06.05
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    借りたもの。 感情論だけの中身の無い本だった。 事実・真実をちょっとだけ入れているが、大半が自論で客観性や検証に乏しい。 著者自身、陰謀論と言われても良いとの事。 煽るだけ煽って、「問題がある」とか「改善する余地がある」とか言及していない。 日本支配とは、要するに戦後レジーム、日米地位協定と統治行為論のことだった。 話が飛躍して、日本人の人権まで侵害されているような言い方になっている気がする。 降伏直後の混乱した日本が弱腰だったのは事実(だって負けたのだし)。 それが今まで続く戦後レジームであるのは事実。 後半にはその歴史経緯がまとめられている点は、良い。 その割には、日本が1936年のロンドン海軍軍縮条約から脱退し、軍拡とWWⅡに突き進んだ事実と、再びそうさせまいとした米国の意図を指摘していない点が気になる。 この本の中で、在日米軍と官僚の日米合同委員会は密約らしい。 それは国防に関する機密を大々的に公表する方がおかしいのでは? 「猛烈な政治工作」があったらしいがその内容は書かれていない。(それはあったの?) 戦争協力というが、日本の国防にも関わることを見落としてはならないのでは? この本で私が思うことは、私達がいかに国防や安全保障に関する知識が乏しいか、という事だった。 その基本理念、現状は、佐藤正久『高校生にも読んでほしい安全保障の授業』( https://booklog.jp/item/1/4847093690 )参照。 「戦争協力」…それはひとつの側面に過ぎないのではないか? 日本の国防が、結局のところ米軍ありきであることは事実。 自国のみの防衛では大国に一気に先制攻撃を受けると一気に占領される可能性がある。 それを避けるための集団的自衛権(米軍との相互協力)。 この本で問題視している、米軍機が飛べるようにしているのは、日米同盟(日米地位協定)が理由であるが、有事の際にいちいち許可を取るために打診していられたいためではないのか? それが戦後レジーム、占領下の残り香であっても。 司法の話。ここは私は知らない話が多く興味深く読んだのだが、ジラード事件に関しては日本の司法で刑は軽いとはいえ無罪にはしていない。 厳罰化できなかったのは、当時の法律の限界と外交の失態だとは思う。(今では考えられない、射撃演習場に民間人が入れた事実をどう加味すべきか?) 何か感情論と意図的な偏向を感じさせ、終始イライラさせる文章だった。 flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/1340 )

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    投稿日: 2021.04.03
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    前半を読むと、日本の憲法と法律ってなんて軽いんだと情けなくなる。後半でそのようになった経緯が検証されている。

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    投稿日: 2020.12.13
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    知ってたよ。大体知ってたけど、やっぱり不思議な話。ホントにそんなことあるんだろうかと思いながら、でも「だからか」と腑に落ちることばかり。 この不条理で不合理なシステムから抜け出せる日は来るんだろうか。

    0
    投稿日: 2020.11.29
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    面白いけど現在の自分では評価/判断できない本。 日本の空は米軍に支配されていて、日米合同委員会で米軍が決めたことに日本は従わなければならないという。 現在の憲法ができた経緯も面白かった。 密約がいっぱい。

    0
    投稿日: 2020.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日米間の不平等な関係やどうしてそのような状況になったのかは 歴史的経緯を含めてよく分かりました。 日本全土のどこにでも米軍は基地を作ることができるということや 横田空域のことなどは知らなかったのでそういった事実は 知る必要があるとは思いますし、あまりに世界標準とかけ離れた 日米関係は是正すべきだとも思いますが この著者の目指したい場所が伝わってきませんでした。 結局戦争のない平和な世界というのが現状絵に描いた餅である限り 自国のことは自分たちで守るかそれが出来ないのであれば 米軍(国連)に守ってもらうしかないと思います。 ただ著者は今のままだと米軍の指揮命令のもと自衛隊が国内外で戦争行為を 行うかもしれないとも煽っています。 日本が現状の米軍支配から脱却した後、国防についてはどうするのか という話になった際に自衛隊の軍隊化は避けられない議論だと思いますが そこにはどうも反対のような感じを受けました。 結局どっちつかずで中途半端な印象を受けました。

    1
    投稿日: 2020.08.11
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    孫崎享さんの著作を思い出す。日本とアメリカ、というか米軍との関係を明らかにする著作。 前半は日本支配の構造についてで、横田空域などは目新しい話ではない。個人的に面白く感じたのは、サンフランシスコ・システムと呼ぶもので、国連憲章からサンフランシスコ平和条約が導かれ、そこから日米安保法体系や日米合同委員会などが存在しているという、ダレスの考案した法的な体系で、実は戦後レジームとは朝鮮戦争に乗っかって日本を見かけ上は独立させつつも全面的にアメリカに協力させる朝鮮戦争レジームなのだという話。なので占領体制が継続されているのではなく、「占領下の戦争協力体制が継続」しているのだという。 他にもアメリカが集団的自衛権に基づく条約を結んでいるのは米州機構とNATOの死活的な重要性をもつ2つだけとか、日本と米軍の関係は米政府高官も訝しがるもので、インド太平洋軍司令官は現代の総督のようなものだというライスの言葉とかが紹介されている。確かに知ってしまうと精神衛生上よくない話についての本。

    0
    投稿日: 2020.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米国の占領国からスタートした頃の権力の構造が維持されているとのこと。 日本に長く住んでいれば、政治家やマスコミの言論・主張を眺めていれば、この権力のトップに君臨する偉い人たちにアンタッチャブルな領域があることは見えてくる。東京の地下鉄を何年も利用しているうちに、皇居の下だけスッポリと空間があることがわかってくるみたいに。 この本は、そんな皇居の地下の地図のような一冊。

    1
    投稿日: 2020.07.25
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    間違った事を言っている訳ではないので、取り分け、目新しい感じもしないが、主張の論拠として、その事実の取り出し方や繋ぎ方が面白い。最高裁判所により、日米安保や自衛隊の存在なんかが、司法の届かぬ高度な政治判断として扱われた事が全てである。法治国家であるはずの日本が、法で裁けない取り決め。これを密約と呼んで陰謀論っぽく仕立てているのが本著だが、密約と言うよりは、法的な詭弁の中で契約している不平等条約だ。そしてそれは、朝鮮戦争から始まった、あるいは歪んだという事だ。 但し、どちらにせよ、日本が核を保持しない限り、核の傘に入らずを得ないのだから、米国との関係性は現状を変えられない。これは左翼が何を言おうが、右翼がそれ無しで軍隊保持を許そうが、まずは核、あるいは核を超越するような戦力の均衡による相互確証破壊の前提がなければ、軍隊には意味が無い。その点で米国支配に委ねた現状を変えられずにいるのだろうし、民主主義的手続きにおいて、日本国民は、それで良いとしているのだろう。米国が今より更に強欲になるまでは、許容範囲としているのだ。

    0
    投稿日: 2020.03.15
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    前著「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」と 同様に、本来国民の安全や権利を守るべき憲法を超えて も問題ない判例や米国との密約が存在していることを 告発する本です。 ポイントとなるのは、米軍が日本で自由に軍事行動を 行えるという密約を交わしている相手は「米国政府」 ではなく「米軍」であることです。 「米軍」相手であるがゆえに、本当のことが表に出に くい構造になっていると著者は主張します。 最近のニュースで割とよく知られるようになった、羽田 空港上空の空域(実は大半が米国管理下の空域である ので日本の航空会社はここを大きく迂回せざるを得ない) を見る限りでは「本当かもな」と思ってしまう一冊です。

    0
    投稿日: 2020.02.13
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    知ってはいけない 矢部宏治 講談社現代新書 矢部さんのすごい調査能力のおかげで 今につながる歴史の闇が暴かれている 文もわかりやすく 傀儡政治の急所を握ることで 思いを整理できて 曖昧だった確信を強くすることができる それにしても 日本民族の長所である広い心によろ包容力が裏目に出て 明治らいの圧政に対する長い間の気疲れが 無関心という情けない形に変化し 今の状態があるように思える この情報で改めて全体を整理し 気持ちを切り替えなければ 日本だけでなく世界上の未来人に対して申し訳ない

    0
    投稿日: 2019.12.28
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     日本国がいかにアメリカに支配された国であるという事がこれを読めば納得できると思う。  誰が総理をやっても根本的なところが変わらなければ何も変わらない、自民がどうとか民主がどうという論戦をもうやめにしてほしい。  今この国に一番必要なことはアメリカから日本を取りぼどすという事。改憲なんてその後からでもいくらでもできる。 まして、今改憲などすればどうなるかという事はこの本を読めばおのずとわかる。

    1
    投稿日: 2019.12.19
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    ・日本における米軍の地位を定めた重要な条約に地位協定がある。ただし、その中に記述されているのは、「具体的なことは日米合同委員会で協議する」。 ・そして日米の(秘密)合意として、日米合同委員会の議事は原則公表しない、そこでの日米合意は国会の承認を必要としない、となっている。 ・例えば、公表されている議事として、「日本当局は、所在地のいかんを問わず米軍の財産について、捜索、差し押さえ、または検証を行う権利を行使しない」となっている。 ・サンフランシスコ講和条約と同時に発効した旧安保条約では、「平和条約および安保条約の効力が発生すると同時に、米軍を日本国内およびその周辺に配備する権利を、日本は認め、アメリカは受け入れる」となっている。アメリカは米軍を、日本国内およびその周辺に配備する権利を持っている。

    1
    投稿日: 2019.11.28
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    政治の事は詳しくないが、ビジネスで行われている交渉と似ているとすると、絶対に譲れない部分を除くと、結局はどこかで妥協してトータルでは自国のメリットとなる様な方向にもって行く事になるかと思われる。 ところが、日本は敗戦後米国の要求を全て受け入れ、まやかしの独立で成り立っているというのであれば、それはあまりにも情けない。米国の軍事力を金で買うという方針ならばそれで良いが、果たして日本国が判断する権利を有しているか自体が疑わしくなってくる。 ただ、書かれている内容について、本心からの納得がいっていない。論拠の正確性や適切性についてしっくりこない。間違っているとか、誤認だとか言っているわけでは無く、あくまでも感覚のレベルで。その「しっくりこない」感覚は、著者と同じレベルの情報を得られるまで続くのではないかと思う。

    1
    投稿日: 2019.08.06
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    横田空域とか日米密約とか、今でこそ大分メジャーになったのかな。特に陰謀論とは思わんけど。 その密約に当たる文書、まずその出処への言及が少ない。写真はあちこちにあるが、自分自身で見つけてきたもんじゃないよね。 ま、そういうのが全部本当だとして、このトンデモ感は何? 絵に描いたようなトンデモ臭がするんやけど。 全体の主張が我田引水。 安保法制は、それで米国と血を流す同士になれると信じてるに違いない。 憲法改正に反対している文化人は、無意識のうちに密約による傀儡軍になることを避けていたに違いない(みたいな感じ)。 いや、見たんか。 全体に変な本。 これまでの著作を若い人向けにまとめた本らしく、もしかしたら他の本を読んだらまた印象が変わるかもしれないけど、残念ながら興味を削ぐ。

    1
    投稿日: 2019.08.03
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    恐ろしい本である。 日本の権力のメカニズムが、よくわかってしまう。 まさに、危険な書物に入るのだろう。破壊力はすごい。 日本の空は、すべて米軍に支配されている。 羽田空港の離発着を見ても、なぜ効率が悪いのかといえば 横田空域が、飛行禁止区域に当たるからだ。 横田空域は、実に大きな空間を確保している。 「日本政府は、軍事演習を行う米軍機については、優先的に管制権を与える」 つまり、日本の空は、米軍が支配している。 日本の国土全体が、治外法権下にある。 「日本国の当局は、所在地のいかんを問わず米軍の財産について、捜索、差し押さえ、または検証をおこなう権利を行使しない」日米合同委員会 1953年9月29日。 日米行政協定 1952年、日米地位協定 1960年 により 日本の全国の好きなところに基地を作ってもいい。 「平和条約および安保条約の効力が発生すると同時に、米軍を日本国内およびその周辺に配備する権利を、日本は認め、アメリカは受け入れる」旧安保条約第1条 旧安保条約ー行政協定(地位協定+密約)ー日米合同委員会。 日米合同委員会 日米合同委員会の議事録や合意文書は、原則として公表しない。1960年6月 日米合同委員会で決定した日米合意は、日本の国会での承認を必要としない。1959年4月 安保条約は、日本国憲法の上位にある。 裁判権、基地権、指揮権の全てに密約がある。 指揮権密約とは、戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う。 「戦争の脅威が生じたと米軍司令官が判断した時は、すべての日本の軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとに置かれる」 日本全土を米軍の潜在的基地とする。 密約と日本合同委員会によって、日本はアメリカの従属的な関係を維持している。 まぁ。怖い話である。

    1
    投稿日: 2019.07.28
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    我が国は,かつて中曽根が言ったように不沈空母だったということなのか.本書は「米軍が日本領+周辺を戦場として自由に使ってよく,自衛隊も米軍の指揮下に置かれる」という密約について何でこんなことになってしまったかという歴史を探ったもの. 筆者によるとその経緯は以下の方程式で理解できるという. 「古くて都合の悪い取り決め」=「新しくて見かけの良い取り決め」+「密約」 内容で特に印象に残ったのは以下の3点で 1)密約のため米本土でさえ危険性や環境への影響のため禁止されている低空飛行等の演習が日本領では可能という恐ろしい事態になっている. 2)日米合同委員会(在日米軍幹部と日本の官僚トップとのミーティング)により行政は牛耳られている.これは米国本土のトップすら驚くような仕組みである. 3)条約は日本国憲法の上位にあるという最高裁判例(砂川判決)のため,下手に憲法改正を行うと事態が悪化するかもしれない. このような悲惨な状況を解決するには「すべての人がすべてのポジショントークを一度やめて(中略)事実に基づいて根本的な議論を行う」ことが重要だと著者は言っているが正鵠を射ていると思う. 著者は若者に読んでほしいと言っているが,お年寄りも読んでから死んだほうがよい.

    1
    投稿日: 2019.06.02
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    目次を見てると信用のおけない陰謀論のような目次が並ぶが、それなりに説得力はある。 今の日本の状態は楽で居心地もいいのだろう。故に戦後70年にわたり真の独立も出来ないのだろう。 つくづく面白い国だ。 第一、国際的に認識されている正しい終戦の日を殆どの国民が知らないのだから、ほんとおめでたい。

    2
    投稿日: 2019.05.30
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    案外日本はアメリカの軍人によってコントロールされていてまだ植民地とほぼ同じ同じ状態にあるということに疑問を感じた。今まで制約としてアメリカと結んだものはほぼないようが変わらないだけのものだということに疑問を感じた。

    1
    投稿日: 2019.05.01
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    良書。 なんで日本のマスコミはこの本の内容を取り上げ無いのか。政府と裏取引があるのではと疑ってしまう。どちらにしても、政府は信用出来ない事がよくわかった。 日本は回り角に来ていると思う。

    1
    投稿日: 2019.04.17
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    戦後日本に存在する「ウラの掟」、日米両政府のあいだではなく、米軍と日本のエリート官僚のあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約。 各章の1ページマンガが、とてもわかりやすかったです。

    1
    投稿日: 2019.04.14
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    日本に存在する「ウラの掟」のほとんどは、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明する。 今までニュースで報道されるたびに、なぜ一向に解決されないのかと思っていた沖縄米軍基地の問題や歴代自民党政権の従米姿勢の意味がようやく腑に落ちました。議論されて然るべき問題が、国民の間で全く共有されていない。政治に興味を持たない若者の多さも問題ですが、いい歳した大人も無関心な人がいかに多いかということ。本当に恐ろしい国だな、日本。イラクの戦後の話は全然知りませんでした。参考にすべき先人がいるのだから、今からでも日本の主権を取り戻すべき。子供たちの世代までずるずる引き継ぐ負の遺産はなくしましょう。

    4
    投稿日: 2019.04.07
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    私は民間企業に勤務するいち会社員ですが、担当のお客様のひとつに米軍基地があります。武器、弾薬を除き、日々の軍事行動や海外に派遣される軍用艦に搭載される機材、基地内のショップに並べられる日用品など、様々な物資の輸送に携わっています。つまり超・間接的に“後方支援”を行うことで、私は生計を立てているといっても過言ではありません。 自衛隊の存在と憲法9条との整合性、基地の移転問題、軍人による暴行事件… 米軍に関する問題は繰り返し取り上げられていますが、少なからず彼らと関わりを持つ者として、どのような経緯を経て、現在の“捻れた”日米関係が出来上がってしまったのか、他人の目を通した、いくつもの「事実」ではなく、一つしかない「真実」を知りたいと思い本書を手に取りました。 米国によって作られた表向きの日本国憲法、秘密裏に結ばれた密約、中国・ロシアの台頭、朝鮮戦争の勃発…。実に偶然と不幸の積み重なりによって今の姿があることが良く判りました。日本人として到底納得のいかない理不尽な点は多々ありますが、結果として米軍の存在によってもたらされた良い点(例えば朝鮮戦争が無ければ、日本が終戦後数年で経済大国に成長することは無かったでしょう)があるのもまた事実です。良いトコロ取りは出来ないのです。日常生活で米軍と関わることのない人であればこそ、不都合なことは放送しないマスコミよって切り取られた、ごく一部の情報に満足せず、是非読んで欲しい一冊です。

    4
    投稿日: 2019.01.30
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    今まで腑に落ちなかった数々の事象について、ほぼほぼ納得出来てしまった。確かにこの本は、知ってはいけないってタイトル通りだった。この国の闇深さを感じる。

    2
    投稿日: 2019.01.24
  • 日本の不可解な現状を理解するキッカケとして。

    エリート官僚、条文そして密約といった繰り返し出てくるワードがあり、現在の日本が抱えている米国との軍事関係の根幹にある闇の部分を、過去の事象に基づいて明瞭な文章で説明されています。本を読み進めていくうちに、20年くらい前に、日本の経済政策は実は全てが米国の管理下にあり、日本が独自に決められない・・という話を聞いたことを、思い出しました。この本の著者は、政治と経済は法的には正常化されており、軍事に関しては、レベルが違うとの見解をお持ちのようですが、軍事についてがメインの内容で、その他のことは深く調査されていないのは、残念ですが、逆に、本著が時間を掛け、綿密な調査の上で書かれたものであることが分かります。流し読みするだけでも、日本を支配する裏のルールの一端が垣間見えるという点では、多くの方にお勧めできる内容だと思います。

    0
    投稿日: 2019.01.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    8/10点。1/15読了(19年3冊目)。 著者の妄想ではなく、根拠をそれぞれ拾い上げてきていることが素晴らしいと思う。その姿勢が。妄想をダラダラ書き連ねるだけで、「それ本当なの?」がわからないままの本は珍しくないので。 内容に関しては衝撃の連続。沖縄が問題視されていた事はざっくり知っていたつもりだったが、内情はかなり凄い。 密約の存在、またそれらがネット上に置いてあったりと、多くの日本人にとっては世界の見方が変わるきっかけになるのではないだろうか。 残念なのは著者ではなく僕で、まだこの本を読みこなすだけの知識や判断力が追い付いていない。そのためこれ以上の評価をすることが出来ない。もっと内容を把握し、調査を終えた後ならば9点以上になるかもしれない。 余談だが、これを読み終える前に「知ってはいけない2」を購入した。

    2
    投稿日: 2019.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いたってまじめな本だし、わりとよく調べているけれど、これは大体みんな大学入るくらいには一度は腹を立てることなんじゃないだろうか。そんなに知らない人が多いように書かれているのがどうも。 それに、ソ連の衛星国とかプエルトリコとかのことを考えても、この程度の主権についてあまりキリキリいうのもどうかなあと思うところはある。

    3
    投稿日: 2019.01.12
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    東京駅が、とても立派であるのは、あの部分の空をアメリカに売ったから、そのお金で、建設出来たのだと、、、、何かの本で知っていたのだが、、、、 この本の第一章に、日本の空は、全て米軍に支配されている。と、書かれている。 確か、羽田ヘ飛行機が、飛行するのに、遠回りをしないといけないと、、、テレビで放映していたことがあったのが、脳裏に浮かんだ。 毎年8月15日が、終戦記念日で、戦争が、昭和20年に終わったものだと、思っていたのだが、、、、ロシアなど抑留されていた日本人の帰還など、その後数年が、掛かっていたのだし、この本を読んで、降伏文書にサインしたのは、9月2日であったと。 「降伏」という言葉を現実から逃避させるために、「終戦 」という言葉に置き換えたのだと、知った。 今日は、「天皇誕生日」平成30年の最後の誕生日になる。 天皇陛下が、皇后さまと、慰霊の旅へ出て、平和を願うのは、戦争時代を知っているからである。 しかし、このような本の内容も、現実的に、国民は、知らないといけないのである。 「知ってはいけない」と、題名にあるのだが、「知らないといけない」と、すべきではないかと・・・・

    7
    投稿日: 2018.12.23
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    「過去にこのような文書が存在するから現在もこうだ」というのは、「過去に大日本帝国憲法があったから今も日本は軍国主義だ」というようなものだろう。 ただし、著者の言うことに納得してしまうのは、過去の検証をしない、過去を教育しないという日本の脆弱性に基づくものだと思う。 このままでは、過去の文書によって他国に拘束されてしまう。

    1
    投稿日: 2018.12.21
  • いえいえ、知らなければならないことが満載

     私は昭和34年生まれですが、日本の上空を、自衛隊機でさえ自由に飛べない空域があると知ったのは、高校の地理の時間でした。地理は現代史であると説く我が恩師の授業は、とても新鮮で、私たち生徒の目を本当の意味で世界に開かせてくれた内容でありました。大学受験の勉強には役立たないことばかりではありましたけどね。  戦後からずっとアメリカ追従が顕著な日本でありますが、本当に支配しているのは、アメリカ政府でもなかったという事実が様々な資料を元に明かされていきます。元国務長官であったライスさんでさえ、その回顧録の中で呆れかえっていたとか。  このような状態では、たぶんトランプさんでも日本を意のままに動かすことは無理なのかもしれません。憲法改正論議が喧しい昨今ですが、議員の方々は、ウラの現状を判ってやっているのでしょうか?私自身は、時代にそぐわなくなれば、修正すべきとは考えますが、その前に、やるべきことをやらないと、とんでもないことになるんじゃないかなぁ。まず戦後から現代まで連綿と受け継がれてきた、この「くびき」を断ち切らないと大変なことになるぞ!という、これは警鐘の書なのであります。

    1
    投稿日: 2018.11.29
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    戦後アメリカにいいように使われてきた実態がわかる。 空域の問題はニュースでも取り上げられたことがあるので知っているが、その他はどこまで信じて良いのかわからないものもあるが、全否定出来るものでもない。 第二次世界大戦後のアメリカの傍若無人ぶりはわかりきったことだが、日本は独立国としてアメリカとも対等交渉出来るよう変わっていかなければ未来は暗い。

    1
    投稿日: 2018.11.28
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    日本とアメリカの関係が現代の国際関係の中でいかに特殊か われわれがいかにアメリカからの不合理な要求を受け入れているか 細かい取り決めや、情報公開されている密約。またその歴史的背景など 資料に基づいて客観的に論評しようとしている 日米の不公平は事実かもしれないが、それをどうしたいのかはよくわからない 知識として知っていたほうが話のタネにはなりそうだが、あまり生産性を感じなかった

    0
    投稿日: 2018.11.23
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    愕然とする。戦後の日本は占領が終わってからもずっとアメリカ(米軍)に支配されてきた,いや,支配が徐々に完成しつつあるという事実を,過去の文書を紐解き解釈することで明らかにする。日本で最上位にあるのは憲法でもなければ政府でもなく,米軍+官僚。キーワードは密約・朝鮮戦争。何とかしましょうよ。

    1
    投稿日: 2018.11.11
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    内容は為になるし面白い。 ただ、何かを主張する際には、一方的に証拠を並べるだけでは説得力は高くない。

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    投稿日: 2018.09.16
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    このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。 とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。 2018/8/5

    1
    投稿日: 2018.08.24
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    ここに書かれている内容の信憑性がどれ程のものなのかは分からないが、もし真実だとするならば、戦後の日米関係や在日米軍の存在について辻褄の合うことが多いとは思った。航空機の飛行ルートが米軍指定の空域を不自然に回避していることや、米軍の演習場として日本国土が使われていること、横須賀基地や六本木ヘリポートにアメリカが自由に出入りできること、などは今まで全く知らなかった。

    1
    投稿日: 2018.07.03
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    「なぜ日本国憲法は今の文面なの?」「どうして日米安保がこんな不平等なの?」 改憲議論が盛んにもならなずに首相だけがいきり立つ今、どういう経緯で日本国憲法が出来、なぜ日米地位協定は存在し、それが憲法より上位と位置付けられているのかなど、本当はこういう知識を前提に議論を活発化させて行くべきだと思わせる内容がてんこ盛り。 日米合同委員会に日米行政協定、大西洋憲章。 どうして日本には主権が無いのか。(アメリカの属国のままだと言えるなのか。) 1つでも知らないなと思った時に読む良書。 すごくわかりやすく、しかし丁寧に書かれていると思った。

    1
    投稿日: 2018.05.09
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    敗戦から現在まで、日本は米国、米軍に隷属してきた。 それが、どういう仕組であったのか、ということが書かれていた。 その調査、分析なんかについては、なるほどなぁと感じるところが多く、そこだけなら星4つ半の内容。 しかし、結論として「世界が退けるべき無責任な軍国主義はこのあまりに従属的な二国間関係のなかにこそ存在している」と断じているところには、違和感しか感じない。 これからは、中国が興隆する時代であろうかと想像しているが、彼らに軍事力などによる、拡張への野心がないとは到底思えず、日本の国益を守るために、現実的になにができるか、を考える際に、「この歪んだ従属関係から脱却すること」が「非常にプラス」になる、とは全く思えなかった。結論が残念。それだけ。

    2
    投稿日: 2018.04.26
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    朝鮮戦争戦時体制の米国、というより米軍による支配状態が継続されてきたのが現在の日本であるようです。そのことを、日本政府と米国(米軍)間の密約(米国で公開されている)や、それら密約の元となった原案を読み解くことによって著者は明らかにしています。どうやら、日本に米軍基地があるんじゃなくて、日本という島全体が米軍の基地、ってことです。米軍関係者として日本の米軍基地に来るなら入国審査なんて無いし、そこから日本内をうろうろしていても、治外法権だし、第3国にも行き放題。日本の基地から外国に攻め込んでも問題なし。そもそも日本を守るためにある米軍の基地じゃない、ということ。日本国憲法、特に前文と9条の意味も、その生い立と起源から明確に説明されています。米軍=国連軍の代わり、であり、自衛隊はその指揮下にあるらしい。こりゃ、日本はまともな独立国家なんかではないということで、非常に残念なのですが、現状をとてもすっきりと理解できました。実際、こうなんだろうと思う。じゃぁどうすれば良いか、という具体的な提言は述べられていませんが、まずは現実を認識して、立ち位置をはっきりさせることが大事なようです。

    1
    投稿日: 2018.04.18
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    今週突然、オスプレイが当初予定を前倒しして配備される旨の発表がされました。 ちょうどこの本を読んだ直後だったのでまさに!と今驚愕の思いでニュースをみています。 本書は、日本と在日米軍の関係性について解説した本です。 目次からして衝撃的。 ・日本の空は、すべて米軍に支配されている ・日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある ・国家は密約と裏マニュアルで運営する ・自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う 等々・・・ 戦後処理の不手際が現在まで多大な影響を及ぼしており、だから日本は米軍の犯罪にも寛大だし、オスプレイの件も口出し出来ないし、基地もなくならないんだとやっとわかりました。 だからって自国を守れない日本の現実もあるし、本当に難しい問題なんですね。 北方領土問題も、実はこれらの密約のせいで100%絶対に解決できないそうです。 アメリカの思惑もロシアの思惑もわかるだけに、確かに解決できるはずはないと納得してしまったよ・・・ とりあえず、国民が一人でも多くこの事実を知り関心を持つことが大事だと思いました。

    2
    投稿日: 2018.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米軍には ・日本の国土を自由に軍事利用できる権利がある ・戦時には自衛隊を自由に指揮できる権利がある という密約があることを解説した本。 その密約の延長線上に安倍首相が推進している「自衛隊の存在を憲法に明記する」という考えがあると知って恐ろしくなった。 さらに、この権利を利用することで自衛隊を世界中どの戦地へも連れ出してしまうことができる、という考えも現実味がある。 また、この密約がなければ日本は自分のことは自分で守らなければならない。そのためには徴兵制が必要か、など奥深い問題も考えさせられた。 ただ、本としてはその密約の根拠を延々と論じているので飽きてしまう。

    1
    投稿日: 2018.03.30
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    内容は米軍基地や米軍人に対する裁判権を含む日米間の軍事関係。文体は軽く、前半はすらすら読める。後半は核心に迫るほど重くなっていくが、解き明かしていくカラクリは筋が通っている。 日本国憲法は、国連憲章との強い関連の中から生まれた。まだ太平洋戦争が始まっていない1941年8月、ルーズベルトとチャーチルは、アメリカが対日戦争に参戦することを前提として、英米が理想とする戦後世界の形を宣言した二ヵ国協定の大西洋憲章を結んだ。大西洋憲章の第8項には、武力使用の放棄、侵略的脅威を与える国に対する武装解除が書かれていた。1942年1月には、ソ連と中国を含めた26か国の連合国共同宣言を成立させ、第二次世界大戦を戦う体制を整えた。連合国の勝利が確実になった1944年10月には、米・英・ソ・中の4か国でダンバート・オークス提案をつくり、世界の安全保障は国連軍を中心に行い、米英ソ中の4大国以外の国は交戦権は持たないという原則が定められた。これをもとに、1945年4〜6月のサンフランシスコの会議で国連憲章がつくられた。1946年2月のロンドンで国連軍創設のための五大国の会議が始まった日に、マッカーサーが示した日本国憲法草案執筆のための3原則の中には、「日本はその防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理念に委ねる」と書かれていた。日本国憲法の草案は誰がどのように書いたかまでわかっており、日本人が条文を書いた話は一切出てこない。 朝鮮戦争勃発時に日本を訪問中だった国務省顧問のジョン・フォスター・ダレスは、日本に全面的な戦争協力を約束させることを引き換えに、日本の独立に賛成することを軍部に説得し、日本のどこにでも必要な期間、軍隊をおくことを条件とした平和条約をつくることになった。ポツダム宣言には占領軍はただちに徹底すると書かれていたが、国連憲章第48条で定められた国連軍が編成されなかったため、暫定的に五大国が代わりに行うと書かれた同第106条を使って、国連の代表国であるアメリカとの間に安保条約を結ぶことによって米軍基地を置くことにした。 基地権や裁判権の密約のほかに、自衛隊は米軍の指揮の下で戦うという指揮権密約がある(古関彰一が1981年に朝日ジャーナルで発表)。1950年6月に始まった朝鮮戦争で、日本は様々な協力を求められていたことから、1951年1月に始まった独立交渉の中で、日本が米軍への軍事支援を継続する吉田・アチソン交換公文という条約を結んだ。占領終結直後に、日本の軍隊が米軍の指揮下に入って戦うことを米軍司令官から要請され、吉田茂首相が了承して密約が成立した。 占領下の在日米軍の法的地位を変えることなく、日本の独立後も軍事面では占領体制を継続するための政治的装置として、日米合同委員会が1952年に発足した。現在も月に2回ほど密室で行われ、国会に報告する義務はなく、議事録も公開されない。本会議と30以上の分科会で構成され、日本側の代表は外務省北米局長で、他のメンバーは各省のエリート官僚だが、アメリカ側の代表は在日米軍司令部副司令官で、他のメンバーは1人を除いてすべて軍人。最終決定権は米軍側(太平洋軍司令官)が握っている。日本側のメンバーは最高ポストの官僚たちで構成されているため、官僚は裏切ることはできない。さらに、法務省の大臣官房長は、その後、検事総長に就任することが多いため、影響力は司法にも及ぶことになる。鳩山由紀夫首相は、普天間基地の移設問題について協力を求めるために、外務省と防衛相から幹部を2人ずつ呼んで秘密の会合をもったが、翌日の朝日新聞でリークされた。首相すら官僚に裏切られる権力構造になっている。アメリカ側の軍人でない唯一のメンバーである在日米大使館の公使も、過去に何度も日米合同委員会を批判している。 米軍の特権についての条文が変更されると、その裏には日米合同委員会などで結ばれた密約が存在し、米軍の権利が損なわれることはなかった。占領終結時に発効した行政協定は、1960年の安保改定で地位協定に変更されたが、その裏側では「基地の問題についての実質的な変更はしない」という密約が結ばれていた。この米軍に対する治外法権を与えるために、最高裁、検察、外務省はそれぞれ裏マニュアルをつくっている。 アメリカとの間で米軍を国内およびその周辺の配備する権利を与える条約を結んでいるのは、日本のほかに韓国と台湾だけ。1979年に米中の国交が樹立した際に、台湾との国交は断絶して条約は失効した。日本と韓国がアメリカの軍事的支配下にあることが、アジアに冷戦構造が残っている最大の原因。著者は、突出した軍事力を維持し続け、国連憲章を無視した他国への軍事介入を繰り返しているのはアメリカだけであり、かつての敵であるロシアや中国の方がよほど自制的に振る舞っていると評する。 アメリカの海兵隊がアフガニスタンで使用した12種類の航空機の中で、オスプレイは全体の平均の41倍の事故率を記録している。普天間基地に配備されたオスプレイは、日本全国の6つのルートで低空飛行訓練を行っている。沖縄の北部訓練場の返還の見返りに高江周辺に移設されることになるヘリパッドは、高江の住民や家屋を標的に見立てた軍事訓練を行うためにつくられた。ベトナム戦争時代には、高江の住民がベトナム人の格好をさせられて軍事演習を行うベトナム村がつくられていた。 アメリカが集団的自衛権に基づく安全保障条約を結んでいるのは米州機構とNATOだけで、それ以外は個別的自衛権に基づいて協力しあう関係でしかない。日本が集団的自衛権を行使できるようになっても、アメリカと互いに血を流して守りあう関係になることはない。現在の日米関係では、憲法解釈を変えて海外へ派兵できるようになれば、米軍の司令官の下で従属的に使われるようになるだけ。 著者は、現在の日米関係は朝鮮戦争の混乱の中でできた不平等条約と結論付ける。基地権、裁判権は明らかに不平等だし、密約は法を逸脱している。官僚と軍人が行う日米合同委員会はいびつで権力構造を歪めている。基地周辺の住民は、この構造の犠牲にされているのだ。他国への軍事介入を繰り返すアメリカに追随し続けるのも、国際社会の一員として好ましくない。著者は、きちんとした政権をつくって、日本国内の既得権益層(安保村の面々)を退場させ、アメリカに対して改正することを交渉すればいいと主張する。 アメリカは、国際法の名のもとに、自分たちに都合のいい取り決めや政策を相手国にどこまで強要できるかを議論しながら政策を決めていると、著者は評する。確かに、大西洋憲章から日本国憲法へと至る流れは見事だし、在日米軍を置くために国連憲章を用いる論理も狡猾ながらあっぱれだ。ただ、根にあるのは、自立するよりも、大国にすがって生きていこうとする日本人の性格と、その歴史で固められた国内体制にあるように思う。アメリカはそれをいいように利用しているのが実態なのだろう。それでも、高校生の教科書として使って欲しいと思うほどの、わかりやすく整理された内容だった。

    0
    投稿日: 2018.03.23
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    初めて氏の著作を読んだ。矢部氏は7年前に、あまりにも簡単に鳩山内閣が崩壊したことと福島原発事故の被害者の人権が無視される実態に衝撃を受けて、日本の支配構造を調べてたどり着いた結論を述べている。 ここに書いていることの8割から9割は、私を含めて長いこと平和運動をしている者にとっては常識の部類に入るだろうと思う。では面白く無かったかといえば、大変面白かったと言わなければならない。平和運動家たちがこの数十年間で書いてきた本が、果たして半年間で8万部も売れただろうか。私たちの常識は、国民の常識にはなっていないのである。だから、安保法(戦争法)というとんでもない法律を成立させてしまった。矢部氏の論理の展開の方法は、少なくとも長い戦後のジレンマを破るヒントがあるかもしれない。私はそのようにして読んだ。 例えば私たちは今迄「全ての元凶は安保条約にある!」と声を枯らして叫んできた。国民の反応はほとんど無かった。政府と財界が「安保を破棄するなんてあり得ない」ということを何十年もかけて国民を「教育」してきたからである。この本も、大枠では安保元凶論を書いているのに過ぎないのであるが、私たちの轍は踏まない。矢部氏は今まで書いてきた本の中で、何処が読者の関心を引いたのか、それを強調しながら論理を展開する。 つまり、 ○日本の首都圏の空は米軍に支配されている(横田空域)。しかも、支配されているのは、首都圏だけではなく、日本の全ての空であり、必要とされれば日本の全土である(全土基地方方式)。 ○その仕組みは、月2回の「日米合同委員会」にある。 と、いうものだ。 「そんなバカな!」とみなさんは言うかもしれない。と受けて、何度も何度も条文や公文書を元に論理を展開する。強調すべきところは必ず太文字にする。強調すべきところは、本文の中で2回は繰り返す。ホントに強調すべきことは、5回ぐらい繰り返したかもしれない。更には章ごとの表紙裏に、内容をマンガで要約してみせる。 こういう(しつこいぐらいの)読者に寄り添う姿勢は、少なくとも私には無かった。 今回の本のいろんなレビューを読んでいると、「砂川裁判の最高裁判決」によって、安保条約(と高度に政治的問題)を日本国憲法よりも上位に置く日本の仕組みができていることへの反応が多かった。 北方領土返還が安保条約の為にムリという仕組みにも反応が多かった。参考にしたい。「なぜか、うすうす感づいていた」という感想も散見する。それこそが、この60年間の運動で宣伝してきた「成果」なのかもしれない。その醒めた意識を「怒り」に変えるのにはどうすればいいのか、まだまだ課題は多い。また、密約の内容では新しく知った部分が多かった。勉強になった。

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    投稿日: 2018.02.26
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    反日、反米では全くないが、沖縄に住んでいると書かれている内容はなるほどと思うことは色々とあった。しかし、沖縄で行われている最近の米軍基地反対運動は、書かれている内容とは違う次元で行われていると思う。あと日本が発展していくためには、時間が掛かるかもしれないが、自分の事は自分で守ることが、必要ではないかと思う。。

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    投稿日: 2018.01.18
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    さすがに、日本の空の米軍管理空域や日米合同委員会の存在は最早公然だろう。しかし、砂川判決の田中耕太郎最高裁長官が実はアメリカのパシリで、マッカーサー駐日大使から裁判の日程や判決の方向性についてなんども密談していたという事実は知らなかった。それなりに尊敬していた学者だけにショックも大きい。結局、我が国は、米軍と日本政府の密約と国連憲章を利用した法的ロジックによって、朝鮮戦争に端を発した米軍の反共軍事体制に組み込まれ、現在に至るレジームが決められたということか。すべて検証可能な事実の積み上げで発覚した事実だからこそ、「知ってはいけない」のではなく、「知らなければいけない」こと。

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    投稿日: 2018.01.08
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    「独立国」である日本と米軍の関係。制空権、国の最高法規である憲法の位置づけ、そして国境。これらにおける米軍とのかかわりをみれば、独立国であれば当然保障されるべき権利が侵されていることがわかる、と著者は説く。教育課程から神話を排除したGHQであればこれもやりかねない、とおもえてしまうのが怖い。

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    投稿日: 2018.01.05
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    米軍と日本との関係がよくわかるし、「まあ、そうなんだろうなぁ」と妙に腑に落ちることが多かった。 憲法9条との向き合い方も考えさせられた。

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    投稿日: 2017.12.19
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    帯文:”この国を動かす「本当のルール」とは?” ”私たちの未来を危うくする「9つの掟」の正体” ”4コママンガでもわかりやすく解説” 目次:第一章 日本の空は,すべて米軍に支配されている、第二章 日本の国土は,すべて米軍の治外法権下にある、第三章 日本に国境はない、第四章 国のトップは「米軍+官僚」である、第五章 国家は密約と裏マニュアルで運営する…他

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    投稿日: 2017.11.20
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    知人に借りました。日本における米軍の権力?について解説した本。 衝撃的な内容だと思うが全く驚いていない自分がいる。

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    投稿日: 2017.11.15
  • 凄い

    高校生の頃から感じていた違和感を全て払拭してくれました。日米関係の不平等をまざまざと突き付けられました。

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    投稿日: 2017.11.06
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    なぜ日本はアメリカの半植民地のままなのかが分かりやすく解説されていた。ただ、どうしたらいいのかは全くの落第点。

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    投稿日: 2017.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今日の書評は「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」矢部宏治著。在日米軍と日本国についての書籍です。 まず、米軍基地はアメリカが日本中「どこでも作れる」ということを著者は主張する。たとえば、東京のまさしく「ど真ん中」である六本木と麻布にそれぞれ非常に重要な米軍基地(「六本木ヘリポート」と「ニューサンノー米軍センター」)があることである。 また上記のようなことは、外務省がつくった高級官僚向けの極秘マニュアル(「日米地位協定の考え方増補版」1983年11月)のなかに 〇アメリカは日本国内のどんな場所でも基地にしたいと要求することができる 〇日本は合理的な理由なしにその要求を拒否することはできず、現実に提供が困難に場合以外、アメリカの要求に同意しないケースは想定していない と言う見解が、明確に書かれている。つまり、日米安全保障条約をむすんでいる以上、日本政府の独自の政策判断で、アメリカ側の基地提供要求に「NO」ということはできない。そう日本の外務省が認めているのだ。 さらにこの話はもっとひどい続きがあって、この極秘マニュアルによれば、そうした法的権利をアメリカが持っている以上 〇北方領土の交渉をするときも、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない。 したがって、現在の日米間の軍事的関係が根本的に変化しない限り、ロシアとの領土問題が解決する可能性は、じつはゼロ。すなわち、ロシアとの平和条約が結ばれる可能性もまたゼロである、と筆者は主張する。 日本の空で、日本の航空機が乗り入れていけない空域があります。たとえば、「横田空域」というものだ。 横田空域は、東京都の西部にある米軍・横田基地が管理する空域だ。皆さんは「米軍基地は沖縄だけの問題でしょ?」と思われるかもしれないが、東京の場合、その境界を駅でいうと、上板橋駅、江古田駅、沼袋駅、中野駅、代田橋駅、等々力駅のはぼ上空を南北に走っている。 この境界線の内側上空でなら、米軍はどんな軍事演習をするのも可能だし、日本政府からその許可を得る必要もない。2020年から横田基地に配属されることが決まっているオスプレイは、すでにこの空域内で頻繁に低空飛行訓練を行っているのだ。 そして、私たちが本当に注意しなければならないのは「横田空域等の巨大な米軍の管理空域について、国内法の根拠はなにもない」という驚くべき事実である。(「日米地位協定の考え方 増補版」) その謎を解く手がかりは、もうひとつの重要な米軍管理空域だった沖縄の「嘉手納空域」(2010年に日本側に「返還」)を見ればわかる。 嘉手納空域は沖縄本島の半径90キロメートル、上空6キロメートルに広がる空域である。つまり、嘉手納空域とはつまり沖縄本島の上空はすべて米軍に支配されていたという意味である。 しかし「お前嘉手納空域は「返還」されたではないか?」と言う方もおられるであろうが、嘉手納空域に代わって新たに「米軍優先空域」が、ひそかに設定されていたのである。 その名を「アライバル・セクター(着陸地域)」という。沖縄の場合、米軍・嘉手納基地を中心に、長さ108キロ、幅36キロ、高さ1200メートル(高度600メートルから1800メートルまで)の大きさを持つ空域である。 これは、嘉手納基地や普天間基地に着陸する米軍機の安全を確保するという口実で、このような空域が、嘉手納空域の返還と同時に新たに設定されていた。 私たち観光客が、いまだに那覇空港に到着するとき、危険な低空飛行をしなければならないのも、沖縄本島およびその周辺の上空は、高度600メートル以上のほぼ全域が、この巨大な米軍優先空域になっているからである。 それでは横田空域などの本土の空はどうなのか?残念だが、私たちの眼には見えないだけで、本土でもやはり上空すべてが米軍に支配されている。 日本の上空には8か所の「低空飛行訓練ルート」がある。2011年には、この訓練ルートで年間1500回以上の軍事演習が行われており、さらに翌2012年からはこの回数に、普天間基地に配備されたオスプレイの訓練回数が加わっている。 しかも実際には、米軍機がこうした各地の訓練ルートにたどりつくまでには、日本中のいろいろな場所の上を飛んでいくわけだから、事実上、米軍機は日本の上空全体を自由に飛ぶことができるのだ。そして訓練ルートについたら、そこで低空飛行訓練をする。 いったいなぜ、そんなことが可能なのか。その理由は、米軍は沖縄の上空に設定したような優先空域を、日本全土の上空にいつでもどこでも設定できる権利を持っているからである。 「まさか」と思われるかもしれないが、これにも確かな根拠がある、国土交通省航空局に収録されている資料に、米軍が自分たちの軍事演習にあわせて「移動型アルトラブ」と呼ばれる、一定の幅と高度をもった立体的な「臨時専用空域」を日本全土の上空に次々と設定している事実がある。 つまり「日本政府は、軍事演習をおこなう米軍機については、優先的に菅制権をあたえる」という、日本の国民は誰も知らない日米合同委員会での密約に基づくものなのだ。 沖縄だけでなく、「日本の空」が戦後70年以上経ったいまでも、完全に米軍に支配されているということは、じつは日本の法律の条文にはっきり書かれている「事実」だからである。 すなわち:航空法特例法 第3項 「前項の航空機(=米軍機と国連軍機)については、航空法第6章の規定は(略)適用しない」 ここで「航空法第6章」とは航空機の安全な運航について定めた法律だということだ。つまり、 「離着陸する場所」 「飛行禁止区域」 「最低高度」 「制限速度」 「飛行系計画の通報と承認」 など、航空機が安全に運行するための43ヵ条もの条文が、すべて米軍機には適用されないことになっている。 要するに、もともと米軍機は日本の上空において、どれだけ危険な飛行をしてもいい、それは合法だということだ。 この条文のもとで米軍は、1952年に選良が終わった後も変わらず日本の上空で、何の制約も受けずに飛ぶ権利を持ち続けた、そして、それから60年以上たった現在に至るまで、この条文はひと文字も変更されていない。 これらも見ても1952年の「日本国独立」や1960年の「安保改定」が、いかに見せかけだったものか分かる。 とここまで本書のさわりを書いたが、在日米軍と日本の関係を知るには、一般の日本人には未知の事実が詳述されている。興味を持った方はぜひ本書を手に取って欲しい。本ブログ以上に議論は本所ではもっともっと展開されていきます。

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    投稿日: 2017.10.28
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    米軍に統治されている日本政府のあり様が解説されている。米軍占領下の朝鮮戦争体制が、アップデート(経済支援→+戦闘支援)されて再起動し始めた。

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    投稿日: 2017.10.17
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    政治分野の新書として高い評価を得ている新書、タイトルに惹かれて購入しました。著者が、鳩山内閣退陣・3・11東北大震災以降、約7年間にわたって考えてきた問題意識をまとめたものになっています。 これまでも日米安保をめぐり主権者に知らされていない事実に関する本を詠んできましたが、存在する公文書等をもとに積み上げられた事実を紹介した内容に怖ろしさを感じました(特に政府でなくアメリカ軍との密約が大きな力をもち様々な判断が行われていること)。彼らが使っている論理を知り問題点をつかむことが必要ですね。指摘されているように、日本の将来を危うくしているこれらの体制(米軍による日本の軍事利用体制)から早期に転換させないといけないし、そのためには政治のありようが問われていると強く思いました。 追記として〈なぜ「9条3項・加憲案」はダメなのか〉というタイムリーな指摘もあります。10月11日に発生した沖縄県東村高江での「米軍大型ヘリコプターCH53墜落」した問題なども、本書の指摘につながることです。意識されにくいですが、自分たちの生活と隣り合わせのこの構造を考える上で、ぜひ多くの方に読んでほしいと思います。 お勧めします。

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    投稿日: 2017.10.15
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    米軍の日本支配はまだ続いているー数多くの機密文書を調査し、米軍の日本支配の形を明らかにした『日本はなぜ「基地」と「原発」をやめられないのか?』は話題になりました。著者はその後も調査を続け、一般人は読みもしなければ、存在すら知らない政治的な秘密文書をさらに詳しく調べて、それを非常に読みやすい形として発表しているのですが、その最新版です。 日本のメディアが取り上げないような内容をなぜ彼が詳しく知っているのかといえば、アメリカの秘密文書が秘密期間を解かれて公表されており、それは誰でも見ることができるようになってきているからです。つまり日本のおかしな政治はこそこそと隠そうとする政治家に問うても埒があかないけれども、実はアメリカ側から知ることができる(ただし随分経ってからですが)ということ。 私は著者の本は割と読むのですが、それは彼の考えの根拠となるものが、きちんと提示されていてしっかりしているからです。やみくもに政治を批判するのではなく、根拠がある。そして、それを分かりやすく砕いて書くことで、一般の人に広く伝えたいという気持ちが伝わってくるからです。 内容としては相変わらず密約やら上層部のメモやらが出るわ出るわで、全く信用できない政治家すら可哀そうになってきます。 著者の主張は政治家批判ではなく、アメリカとの密約によって日本が政治を動かしているという現実を知り、それから安保や基地問題、憲法のことを考えないと、何も解決しないという点です。無知と無関心はさらに密約を助長しそうです。 これらの問題が本当に明るみに出て、アメリカと真の意味で対等になったとしても、日本には軍隊が必要なのか否か、核兵器はどうするのか、憲法はこのままでいいのか、などのそれこそ終戦後にしなければならなかったことをその時に決めなければならない。が、世界の多くの国は自分たちで決めているよ、というお話。

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    投稿日: 2017.09.22
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    これまでのダイジェスト的なもの。 なので特に目新しい記述はなかった。 今回は資料を裏付けるものより、著者の意見を中心に構成した方が良かった気がする。

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    投稿日: 2017.09.19
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    いつも疑問に思っていたことが少しわかったような気がする。 なぜ戦後70年たっても巨大な米軍基地が日本中に存在するのか?広大な横田空域はなぜ誰も問題にしないのか?憲法9条の問題になぜ様々な人の意見が混乱しているのか?明晰な頭脳を持った多くの人々がわかりやすい説明をできないのか? 検察も最高裁もなぜ不可解な行動をするのか?誰が日本の政治経済を動かしているのか?マスコミ報道はなぜ疑問に答える行動をしないのか?

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    投稿日: 2017.09.18
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     矢部さんは先に『日本はなぜ『戦争ができる国』になったのか』などの本を書いているから、ぼくはすぐに本書の内容がわかったが、それを知らなければ、わかりにくいタイトルである。サブタイトルは「隠された日本支配の構造」。これでもわからないかも知れない。本書は要するに、戦後の日本がアメリカの従属化にあることを丹念に調べて書いたものである。日本がアメリカの従属国であるという認識は今では常識になっているだろうが、ぼくはそれを孫崎享さんの『戦後史の正体』を読むまで知らなかった。ぼくは孫崎さんの本をいい本だと思ったが、陰謀史観ということで批判もされたらしい。同じように矢部さんもラジオなどで話すとUFの世界かという批判がくるそうだ。しかし、それはまさに平和ぼけした人間の言うことで、現に日本は戦後、正確には朝鮮戦争後一貫してアメリカの従属化におかれてきた。法的には数度の改訂を経た安保条約だが、実質には地域協定+密約が両国の陰の部分を担っているのである。アメリカ軍が憲法より上にあることは、最高裁判所が米軍基地を憲法になじまないものとした砂川裁判で確固たるものになった。日本はあたかもアメリカと相互の衛関係を築いているように錯覚しているが、それは日本の幻想で、有事には自衛隊はアメリカ軍に組み込まれてしまう。(現に朝鮮戦争では日本人の戦死があった)矢部さんが指摘するように、東京の横田基地を中心とする広い空域はアメリカ軍の管制下にあり、日本の飛行機はそこを避けて移動しなくてはいけないようになっている。沖縄などはすべてそうで、飛行機が沖縄へ近づくと海面近くを飛ぶのはなにも観光客に対するサービスではなく、上の領域を飛べないからなのである。いや、日本中がアメリカ軍が自由に使える空域になっているといっても過言ではない。だから、オスプレイはどこでも飛ぶことができる。日本とアメリカの関係はそういう関係なのである。しかし、他の国と比べると日本ほど従属度が高いところはないそうだ。沖縄知事が地域協定の見直しを何度も政府に訴えているが政府は無視したままである。先頃、安部さんがプーチンと会談し、今にも北方領土の一部が返ってくるような錯覚に人々はとらわれたが、そうなるとそこにアメリカが基地を置きたいと言ったとき日本としては断れない。だから、プーチンがふんというはずがないのである。日本国憲法は、当時の世界の理想を描いたものだった。軍隊をなくした日本はどうするか。それは国連軍に頼るしかない。アメリカの駐留は本来、日本の独立、サンフランシスコ条約の発効とともになくなるはずだったが、そこに朝鮮戦争が起き、アメリカは国連軍に代わる存在として日本に居残り、それが現在まで続いているのである。その結果、日本は戦力放棄をうたったはずなのに、アメリカに警察予備隊という軍隊を復活させられた。憲法第2条はここで崩壊した。今度の安保法で自衛隊がアメリカのお先棒を担いで戦場に出て行く確率はますます高まったと言える。

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    投稿日: 2017.09.17
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    前半はこれまで読んできだ本と重複していますが、後半は戦後日本がこの様な統治になった経緯がスッキリ整理されていて良かったです。

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    投稿日: 2017.08.31
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    横田空域 岩国空域 嘉手納空域  飛行機が那覇空港に着陸する時、かなり前から低空飛行 日本全土に低空飛行訓練ルートがある 国土全土が治外法権下になっている 米比軍事協定 1947 米軍が基地をおいていいのは23箇所だけ イラクアメリカ地位協定 2008 イラク国内の米軍はそこから国境を超えて周辺国を攻撃してはだめ 毎月2回 日米行動委員会 日本側から6人、アメリカ側から7人 日本側が議長のとき外務省の施設内で、アメリカ側代表が議長のときは米軍基地内の会議室で 地位協定=行政協定+密約 裏マニュアル  最高裁の部外秘資料  検察の実務資料  外務省 日米地位協定の考え方 国際法の世界をみようとせず、ただ自分たちに都合のいい主観的な歴史だけを見て、これまで過ごしてきてしまった 降伏文書の受け入れから、7年後の1952年4月に一応の独立を回復するまで、日本政府や昭和天皇が自分だけの判断にもとづいて、何か重要な文書を作成したり、発表したりすることなどまったくなかった 日本国憲法の草案は、占領下で占領軍によって書かれた 事実に基づかない主観的な議論には、いくらやっても着地点というものがないからです。 日本国憲法は国連軍の存在を前提に、自国の武力も交戦権も放棄した 私たちはできるだけ、「頭で思ったこと」ではなく、「調べたこと」を持ち寄って、重要な問題をみんなで話し合っていきましょう 戦後日本 軍事面での占領状態が続く半分主権国家 裁判権密約、基地権密約、指揮権密約  戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う 軍隊の指揮権をあらかじめ他国が持っているとなると、これはなんの言い訳もできない完全な、「属国」ですので、絶対に公表できない 日本の歪の根っこに会ったのは、「占領体制の継続」ではなく、それよりもっと悪い、「占領下の戦争協力体制の継続」だった 悲しい現実ですが、事実はきちんと見たほうがいい。事実を知り、その全体像を解明するところからしか、事態を打開する方策は生まれてこない その国の未来を決めた重要な瞬間 「戦後日本」の場合、それは間違いなく、朝鮮戦争が起こった1950年6月 その複雑なパズルを解くためには、いま、すべての人が、すべてのポジショントークを一度やめて、遠く離れた場所(沖縄、福島、自衛隊の最前線)でおおきな矛盾に苦しむ人達の声に真摯に耳を傾け、あくまでも事実に基づいて、根本的な議論を行う時にきていると私は考えます。

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    投稿日: 2017.08.21