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総合評価

167件)
3.8
40
70
36
9
4
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    台湾のことが知りたくて読んだ 主人公は危なっかしくて共感できなかったけど、台北の街の様子や人々の生活が目に浮かぶような描写が良かった

    1
    投稿日: 2026.01.02
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    台湾出身の作家、東山彰良氏の直木賞受賞作。70年代から80年代の台湾を舞台とした青春小説であり、同時に家族小説でもある。中国語の人物名が多く、慣れるまでに少し時間はかかったが、いったん馴染んでくると、独特でありながら温かみのある主人公周辺の人間関係がすっと入ってきた。また、現代の先進的な台湾のイメージが強い身としては、民主化前の戒厳令下、国共内戦からさほど時間の経っていない台湾を追体験できた点も非常に興味深かった。

    0
    投稿日: 2025.12.27
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    読んでいると、実話かなと思ってしまう(実際途中までは実話だと思い込んでしまっていた)ほど、描写がリアルで想像しやすいです。 内容もめちゃくちゃ面白い。 もしかしたら男性の方がハマるかもしれないです。 ただ、名前が台湾語読みなので、覚えるのが困難です 笑

    0
    投稿日: 2025.12.06
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    台湾の昔のお話… 日本、中国、台湾の関係性や時代背景をあまり知らなかったのですごく勉強になったけど、難しかった。名前も覚えづらい。でもするする読めた。

    0
    投稿日: 2025.11.10
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    冒頭から祖父が殺されてミステリーかと思いきや、怒涛のように主人公と共に台湾史に巻き込まれていく感じがとてもよかった。後半にはしっかりと祖父を殺した犯人もわかります。台湾の歴史と共に懐かしい日本の流行も思いだせてよかったです。プロットが巧みな小説でした。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    気力をめっちゃ感じた。 幼い頃の経験や体験、その記憶が今の人生に力として流れ込んでいることを実感した。

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    三代にわたる大河小説みたいな物語になっているが、ミステリ小説の緊張感や時に出てくるユーモア、それから狐火のような神秘的な要素をもうまく織り交ぜていて最後まで興味津々であった。登場人物と事件をリアルに作り上げる筆力がすごいと感じた。 台湾という国の近代史を表面的にしか知らなかったが、そこに住む人の目で描き上げた面々がとても面白かった。直面してきた社会現象が我々と似ていながらもそれらを消化していく方式が違っている気もした:理念の対立、同族戦争、離散家族、独裁体制、軍隊文化、それから教育現場の様子。 虐殺の歴史と向き合って和解を図るとの物語から、時間の威力がどんなにすごいのか再び感じさせられた。

    0
    投稿日: 2025.09.01
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    一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)と言わしめた直木賞受賞作。

    7
    投稿日: 2025.08.07
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    中国語読みの名前や言葉に苦戦し、やっと読み終わりました。 ゴキブリ大量発生の話は笑いました。 恋人との別れの真相や祖父の死の謎が解き明かされるくだりは引き込まれました。 喧嘩っ早いヤクザや軍隊の話も多く、私には苦手な内容だったかな…ただ、台湾人の中国に対する複雑な気持ちは興味深く、今も続いているのだなぁと寂しい気持ちになりました。

    2
    投稿日: 2025.04.26
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    1975年の台北を題材にした作品 2015年直木賞受賞作 ぶっ飛んだじーちゃん葉尊麟の孫、葉秋生のお話 落第、祖父の死、初恋と失恋、幽霊、友情、兵役、ルーツを辿る旅、コックリさん…とぐちゃぐちゃ〜と詰め込まれている。 その度に秋生の感情が目まぐるしく変わり、引き込まれていく…

    1
    投稿日: 2025.04.13
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    久しぶりに「匂い」を、嗅覚を意識させる物語に出会った。 舞台は台湾、そこで暮らす青年の日々を綴る。少しオカルト的なネタも含みながら、しかし妙な実在感を伴って、主人公葉秋成の生きざまが読む者に迫ってくる。家族とのつながり、淡いけど真剣な恋心、奇妙な友情…。核となるのは、非業とも言える死をとげた秋成の祖父について、その死の真相を明かすべく迫るうちに紐解かれていく数奇な人生と、これに対する主人公の思い、葛藤、そして気持ちの瓦解といったものだ。そう、ここには謎解きの要素もあり、ミステリーとしても楽しめる。 そして最初に掲げたように、この小説には台湾の「匂い」と、熱くかつ湿り気を帯びた空気を感じることができる。台湾に行ったことがない人(私も含めて)にも、この身体を包み込んでくるような、目だけで追う読書とは一線を画した、五感を駆使するような感覚をもたらしてくれる。こうした小説はめったにない。 また、こう言っては両作者に失礼になるのかもしれないのだが、依然読んだ真藤順丈の『宝島』に共通するものを感じた。あちらも沖縄という南の島を舞台にし、空気感の伝わるとても楽しめる、充実した物語であった(ちなみに両作品とも直木賞を受賞している)。 いずれにしても、体感全体を駆使して読むような稀有な小説。読んでいるさなかには「台湾にいる」こと、間違いなし。

    0
    投稿日: 2024.12.30
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    台湾を舞台とした推理小説。青年が大好きな祖父を殺害した犯人を追う。人を殺した人たちが、殺されて償いをしようとしていたとの内心描写は新鮮だった。それよりも、台湾を巡る情勢、日清戦争後に50年も日本統治となり、第二次世界大戦が終わったと思ったら、国民党がやってきて支配される、結局あんまり深く考えもしないでただ、殺し合ってただけ。。など、満足できる一冊でした。

    6
    投稿日: 2024.11.19
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    次回の読書会課題図書。 未だ混沌の中にある1970年代後半の台湾。蒋介石の死の翌月、当時17歳だった主人公、葉秋生の祖父が殺害されたところから物語は流れだす。 なんて饒舌で壮大でちっぽけな物語なんだろう。 中国近代史を背景に感じさせながら、 葉秋生の視点から現在と過去、近未来を自在に語り、ときに壮麗なレトリックをふんだんに織り込んで400頁もの長編小説でありながら、一瞬たりとも飽きさせないエンタメ作品に仕上がっている。 これは直木賞受賞も頷ける…。 物語の軸は祖父の死の謎を追うこと、 彼の何気なくも特別な青春の日々だ。 70年代後半の、雑多で暴力的で秩序も清潔さもない、だけど根拠不明の抱擁力からくる不思議なあたたかさについ惹かれてしまうカオスな台湾は、そのまま主人公の祖父に、そしてそのルーツにある中国大陸へと印象が重なる。 読んでいる間、それこそいろんな感情がめまぐるしく湧いてきて、気がつけば眉をひそめていたり、ちょっと吹き出したり、自分でも全然思いがけないところで涙腺が緩んだり。 テンションが高いわけではないのに、明快かつパワフルな文章で物語にグイグイひっぱられる。 こんなにいろいろと読んでいる最中の読者の表情を変えてしまう本も珍しい。 いろんな人生哲学も勝手に読み取ったんだが、これを読んで思ったのは、人間が生きていく中で、ズバっと指標になる簡単なフレーズなんてないんだなということ。流れていく時間の中で、その都度出会った大事な言葉を、拾っては捨てて、そうやって過ごしていくんだろう。 わりと長編なのに休めるところがないし、顔も頭もめちゃくちゃ疲れたけど、没頭させられる快感には変えがたい。 めーっちゃ面白かった。

    1
    投稿日: 2024.10.31
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    文学。読み応えがあり、文章も骨太。登場人物の読み方が難しくてとっかかりにくかったけど、十分満足できた。ああ、小説だなぁ。

    0
    投稿日: 2024.10.01
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    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82738110T10C24A8BE0P00/

    0
    投稿日: 2024.08.17
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    生まれ育った時代、場所、空気、人間、流行、臭い、肌に触れるすべてのモノによって今のわたしがかたち作られ、これからの人生をさらに濃密にしていくんだろうな…

    0
    投稿日: 2024.07.22
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    1975年以降の台湾を舞台にした若者の青春小説であり、祖父を殺した犯人を巡るミステリでもある 以下、公式のあらすじ ----------------------- 一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)に言わしめた直木賞受賞作。 一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)と言わしめた直木賞受賞作。 ----------------------- 冒頭、台湾出身の主人公が中国の山東省で、祖父が村人50人以上を惨殺したという石碑を訪れる場面が描かれる 昔から父に、その土地を訪れたら殺されると脅されていた そんな折、村人から「あいつの息子か?」と尋ねられる 果たして、じいちゃんは一体何をしたのか? 時代は遡って、物語のメインは1970年代の台湾を主な舞台にした時代小説 1975年 蒋介石が亡くなった年 主人公 葉 秋生(イエ チョウシェン)の祖父が自分のお店 布屋で殺される じいちゃんは昔から破天荒な人だった 日中戦争、中国側では抗日戦争のときには、人を殺しまくり 日本人のスパイとして動いていた中国人の家族を殺したり 報復合戦のようになっていた中、義兄弟の家で助かった息子を自分の子として育てたりという義理堅さ 義侠心を持ち合わせていた また、孫の自分には優しかった そんな、生き方だったので人の恨みを買っている可能性はあるが、それでもこの場所でこのタイミングで殺された謎 そんな祖父を殺した犯人を見つけようと躍起になる若者の話 だけど、物語の大部分は無軌道な若者の馬鹿な所業が描かれる 幼馴染みのチンピラ趙戦雄ととつるんだり、喧嘩したり 小遣い稼ぎに替え玉受験したらバレて学校を中退したり、軍隊に入ってしごかれたり、また、2個年上の幼馴染の毛毛と恋仲になったり、ヤクザと揉めたり、 当時の台湾の情景が見えるよう 政治的な背景など詳しいともっと面白く読めるのかも知れない 土着の内省人、大陸からやってきた国民党の外省人 共に、中国共産党の動きに神経を尖らせる社会情勢 当時の台湾の空気のを知らない自分でもまるでその世界を知っていたように、それほどまでによく書けている あと、文章を読んでいて猥雑な匂いを感じる 食べ物の描写もそうだし、街の描写もゴチャゴチャとした雰囲気が伝わってくる その分、暴力的な描写や家に大量発生するあの虫の描写があるので、そっち系が苦手な人は注意 マジでアレのエピソードは読んでいて気持ち悪い でも、一応本筋に関係のあるヒントが隠されていたりするので、読み飛ばしてはいけないジレンマ 葉秋生視点で語られているけど それは未来の自分が過去を振り返っているため、作中の時点より少し未来の事について言及されていたりする なので、物語のその後にどうなるのかというのを、読者は途中で知ってしまっているわけで あの終わり方、それはそれで面白い味を出している 著者の東山彰良さん 台湾に生まれ、9歳で日本に移りむ そして日本に帰化せず、中華民国の国籍を保持しているらしい 祖父は中国山東省出身の抗日戦士 筆名の「東山」は祖父の出身地である中国山東省からとっている 父親も作中と同じく教師みたいだし、この作品に自身を重ね合わせている面が多いのではなかろうか? あと、小説全般に言える事だけど、外国作品は名前が覚えにくい問題 漢字だったら大丈夫かというわけではないようだ 字面だけで読んでいけばそんなに変わらないのかも知れないけど 脳内でもちゃんと本来の読み方で読もうとしたので、今作も名前は覚えにくかったですねぇ

    5
    投稿日: 2024.03.26
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    これはおもしろかったですよ! 今まで中国と台湾と日本のことを知らないで、のほほんと生活してました。 いろいろな面で勉強になりました。

    5
    投稿日: 2024.03.05
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    面白かった。 中国と台湾、戦争と今、青春、血、 など色んな物が出てきて飽きなかった。 大陸の人達の気質はやっぱり違うのかなぁ。

    2
    投稿日: 2024.03.04
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    たまたま台湾旅行後に台湾が舞台のこの本を父から薦められました すっかり台湾ファンになっていたから作品の舞台の台北の街の熱気も、登場人物たちのパワーも鮮明に浮かんできて、また今すぐ台湾行きたくなってしまいました 生きる力強さ、大好き!

    2
    投稿日: 2024.02.21
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    ローカルというか、自分の育ちや環境に素直に生きることを考えさせられた。首都圏で育つと地元意識って希薄?日本人自体がそう?なのかも知れず、自分に投影して考えることはできなかったが、主人公の彼の人生を追体験して、楽しんで読むことが出来た。特にこれといった学びはなかったが面白い読み物。強いていうなら男として筋を通す、ということのかっこよさみたいなものは感じた。

    2
    投稿日: 2023.12.05
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    面白かった。祖父が殺された謎を追う筋だけでなく、主人公の人生を追う筋が絡むので、やや話がよれる感じが惜しい感じもするが、タイトルに偽りなしというところか。

    1
    投稿日: 2023.10.09
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    歴史、家族、個人の生活が流れていく。自分ではどうしようもない流れ、自分で変えられる流れが描かれている。お年寄りたちの個性がイキイキと。台湾もこういう時代があったんだなぁ。

    1
    投稿日: 2023.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終盤になって主人公が中国に渡り、そこで人の歴史が繋がっていく感動があった。 大切な人の命を奪われた恨みを忘れられるだろうか。戦争そのものではなく人に恨みが向かってしまうところがつらくて悲しい点だ。人の力で作った因縁をまた人の力で断ち切らなければ、それこそ根絶やしになるまで復讐はいつまでも終わらない。相手が先にやったとお互いに敵意を向け続けてしまうシーンが特に悲しかったが、これが争いの現実なのだろうと思う。 マオマオと、あれっきり最後になるのがリアルだなと思った。 過去に何があり、そしてこの先に何があろうとも、現在のこの瞬間は幸せなまま記憶に残るのだと思うと泣きそうだった。その瞬間があるから生きていられるのかもしれない。人の営みは愛おしくて切ない。

    1
    投稿日: 2023.08.27
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    ミステリー、青春もの、バイオレンス、時折クスッと。 いろんなものが混ざったカオスな作品。 登場人物名が中国語で、なかなか頭に入ってこない…「主な登場人物」を何度見たことか。 それもあって最初は少々とっつきにくかったのだが、途中からグイグイ引き込まれた。 なんだか不思議な魅力をもった一冊。

    3
    投稿日: 2023.08.24
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    とても面白かった。本当かは判らないが、台湾の歴史、生々しいの感情を味あうことかできた気がします。 今でこそ親日国といわれてますが、元々は抗日の国民党が大陸から脱出して建てた国なんですよね。敵の敵は味方的な感じなんでしょうね。 主人公の青春小説なんですが、よくここまで中華的に書けるなと思ったら作者が台湾の方なんですね。中国独特の香りプンプンする感じがまさに中華小説を読んでる気になりました。 また、台湾の歴史についても学べたような気がします。 日本から見る台湾と台湾から見る日本は全く違うんだろうなと思います。 主人公の青春ならではの恋や破茶滅茶な生活などニヤリとさせられ面白かったです。 あと、オーディブルで本を読んで貰った人は必ずオーディブルの事を書く必要があるのでしょうか? 本の評価や感想を知りたいのであってオーディブルの感想は要らないなーと思います。

    1
    投稿日: 2023.08.16
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    主人公が祖父との想い出に触れ、涙する場面が印象的だった。 幼い頃に祖父が買ってくれた豆花の売り歩きの声を耳にし、祖父の死後はじめて涙を流す秋生。居ても立っても居られず豆花を買いに走り、そこで豆花屋から在りし日の祖父の話を聞く。 幼い頃は気が回らなかった祖父の内心や孫への愛に、大人になってもう伝えることができなくなってから気づく。 そんな場面をさらりとしたせつなさをもって描写しているこの場面がとても素敵だと思う。

    2
    投稿日: 2023.06.20
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    仇討ちまでの前哨戦  直木賞選評で宮城谷昌光が《ことばを慎重に選ぶのではなく、手あたりしだいに集めて詰めてゆけばなんとかなるというずぶとさがみえ》たと書いた。そのとほり、本筋のあひだに山ほどエピソードを積み重ね、いまエンタメを読んでるな。といふ気持になった。井上ひさしもやったし、私もやった。解説でもガルシア・マルケスが出てきて、法螺話ばかり出てくるのもなるほどな。と思ふ。  しかし、銓衡委員満場一致といふからには、どんなにすごい話かと思ったら、案外堅実なストーリーだった。文章もハードボイルドチックで、通俗的な場面もたくさんあった。ミステリもあったが、そんなに大したものではない。最終的にはアイデンティティからくる復讐譚めいたものになってしまひ、なぜ孫はそんなに祖父に執着するのかわからないので、あまり感情移入するものでもない。  伊集院静が《日本人にとって歴史上も大きな関りがある国の物語に文学が明確に見えた点も嬉しかった》と書いた。日本人にとって隣国である台湾事情が興味深いゆゑの受賞ではないかといふ気がしてこなくもない。これがはたして日本が舞台だったら評価はどうなってゐたらうか?  しかし、地域性による受賞があるなかでは、これは確実な小説技術を持ってゐるはずだと確信させられるだけのものはあった。死んだ祖父を見つける場面ではドキドキした。かつて楊逸が芥川賞を受賞した際、村上龍は《たとえば国家の民主化とか、いろいろな意味で胡散臭い政治的・文化的背景を持つ「大きな物語」のほうが、どこにでもいる個人の内面や人間関係を描く「小さな物語」よりも文学的価値があるなどという、すでに何度も暴かれた嘘が、復活して欲しくないと思っている》と書いた。そのとほりだと思ふ。

    1
    投稿日: 2023.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦後の台湾を描いた小説。 主人公の祖父は戦地で大虐殺を行い、その記録がかかれた石碑を見る主人公から物語は始まる。 そこから急に、主人公が高校生時代までさかのぼり、祖父が惨殺される。祖父を殺害した犯人は見つからず、その犯人を捜していくのが大筋の物語です。しかし、私は、気が付くのが遅かったため、前半はつまらなく感じました。 前半は、主人公が、ヤクザな友達と付き合い堕落していく生活。替え玉受験が見つかり、進学校を退学になり、バカな高校に編入し、喧嘩の日々、大学受験にも失敗し…こういう人苦手…。 途中から、幽霊の話が出てきたり、幼馴染との恋があったり、ヤクザとの対立で怖い思いをして、兵役に逃れて… 祖父を殺害した犯人を推理していくうちに、誰だか気が付いて、本人に確認…胸も内やお互いの葛藤も… 最終的にはハッピーエンド。 後半の、犯人はそうきたか~というミステリー要素はとても面白かったです。

    1
    投稿日: 2023.05.30
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    青春小説なんて滅多に読まないけど、ふと手にした東山彰良の新刊が好みだったので2作目。 やっぱり良かった。激動の時代。なのにどこかあっけらかんとしている。ノスタルジーを感じる。 筋はどうしてこんな細かい面白不思議エピソードを思いつくんだろう?とびっくりなのだが、何より文章が好きなのです。文字を追っているだけで、読書行為そのものが気持ちいい。台湾の空気や喧騒、茹だるような暑さ、行ったことがないのに情景が浮かび、血肉が通った小説ってこういうことを言うのかと思う。立ち昇る生々しい手触りと虚構が入り混じって、ちょうど良い塩梅。 人物もみな魅力的だった。石碑に自転車コキコキこいでやってくるじいちゃんとかマジで怖い。 何回か出てくる魚の詩を象徴するような物語だ。自分の痛みに精一杯で他人の痛みになかなか気づけないし、そもそも大人になっても人の心なんて分からない。傷は見せようとしない。節操なく見せるものじゃない。 秋生のその後の人生はどうなったのだろう…。

    1
    投稿日: 2023.05.27
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    中国語の名前が厄介だが、一応おもな登場人物が最初に記載されているので助けになった 時代背景も見事に描かれて表現力も高く、ユーモアもたっぷり 他の人に勧めたくなる

    1
    投稿日: 2023.02.18
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    1970~80年代の台湾を舞台にした大河的青春ミステリー小説。 過去の異国が舞台のなじみのない話で、しかも相当な大部なので、読み進めるのが結構たいへんだったが、なかなか壮大な物語で、気持ちのいい読後感だった。台湾や大陸中国の描写にかなりリアリティがあり、土の匂いを感じた。

    1
    投稿日: 2023.01.11
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    祖父の死の謎や様々な伏線でリーダビリティを確保しつつ、超自然的な現象で展開コントロールした上で、歴史、国、血脈と「私」といった文学上のテーマをぶつけてくる。巧みだし面白かった。

    1
    投稿日: 2023.01.06
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    台湾が舞台なのに読みやすくてまあまあ面白かった。 でも人名には全て最後までルビ振って欲しい、混乱する。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    台湾についての小説も初だし作家さんも初。 台湾の時代背景など興味深かったし、日本についての印象なども思っていたのと違ってミステリーでもあり歴史小説のようでもあり楽しめた。 しかしなかなかサクサク読めず(•ᴗ•; )

    5
    投稿日: 2022.12.19
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    戦後の台湾を舞台にしており、歴史小説かと思いきや、主人公の秋生の成長を描いたジュヴナイル小説であるなと感じた。 台湾と中国との関係の複雑さを効果的に用いられるのは、作者東山氏が、中国人の両親を持ち、台湾で生まれるというルーツを持っているからだろう。

    1
    投稿日: 2022.12.10
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    面白かった。 名前の読み方を覚えるのが大変だったけど、後半には何となく漢字から読み方がわかるように。 ユーモラスな展開もあって、この表現好き!と思えるところが沢山ありました。

    1
    投稿日: 2022.11.19
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    初めて読んだ作家。直木賞の選評で絶賛されていたから。 最初中国名がなかなか手強くて、ページが進まなかったんだけど、中盤からぐいぐいと面白くなっていった。 祖父殺しの犯人探しという大きな話しの中に、主人公の青春時代の恋やけんかや兵役があり、家族の騒々しい生活がごったまぜになって、でもその背景には大陸と台湾と日本の歴史の大きなうねりのようなものが感じられる。んだけど、やはり細部がとてもいきいきと鮮やかで、映画的というか。台湾の湿度とか夜市の猥雑な感じとか思い出した。 とても贅沢なものを読んだなあという読後感。

    1
    投稿日: 2022.10.08
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    台湾の歴史をもとに、人々の思想や生き方を感じられる文学作品だと思う。祖父が殺された理由を知りたい気持ちが根っこにあるが、ミステリー色は強くなく、若いときの苦い経験が多く盛り込まれた青春小説。大切な人が傷つけられて復讐がさらなる復讐を呼ぶ連鎖、それは決して終わりがないのだ。表現を膨らませるのが本当にうまくて面白かった。

    2
    投稿日: 2022.08.29
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    面白かった!文句なしの青春小説。軽快。登場人物の名前の読み方が覚えられない点だけ文句をつけたい。70-80年代の台湾が舞台なのもなんだかエネルギーに溢れててよかった。

    2
    投稿日: 2022.07.30
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    直木賞を受賞し、先日も 本屋さんの賞にも上位に入っていた この本は 台湾を舞台にした 青春ミステリーという事で 読んでみました。 最初に 時代背景から つまづく私です。 とはいえ 時代背景など考えないで ストーリーを 読み進めることもできました。 (ある程度わかっていたほうが 面白いかも) ミステリーなんでしょうけど、 つい 殺戮の連鎖について  考えてしまいました。 同じ国で 同じ言語を話すのに 争う。 このお話は 党の違い。 そして 時代が流れても 過去の殺戮を 考えると 前に進めなくなり 復讐の惨劇が生まれる。 過去の殺戮についても 尾ひれがついて 違う話になって それを信じてしまったり。 人は 一体何に よって 流されていくのだろう。。。 という ような 投げかけのお話だったのでしょうか。 (すみません 著者の真意が汲み取れてないかも。。。)

    9
    投稿日: 2022.06.11
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    第153回直木賞受賞作。 何者かに殺された祖父の死の真相を探るロードノベルであり、1970年代後半から1980年代前半にかけての台湾の若者の青春小説だなぁ、と。 熱くておもしろくて、オーディブルで夢中に聴いた。 「人は同時にふたつの人生を生きられないのだから、どんなふうに生きようが後悔はついてまわる」 この小説の言いたいことをぎゅっと凝縮すると、作中のこの言葉になるのだな、と思った。 後悔はしちゃいけないものじゃないんですよ。 後悔は必然。成功しようが、失敗しようが必ずあるもの。 むしろ、後悔こそ、人生のエッセンスだ。 そんな諦観というか、開き直りというか、やぶれかぶれというか…しかし前向きになれる小説。 著者の東山彰良さんは台湾出身。ルーツは山東省なのだという。だから、「東山」という筆名なのだそうだ。

    67
    投稿日: 2022.06.10
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    各登場人物のエピソードに混じるコミカルな描写は、韓国映画を観ているみたいな感じ。幽霊が出てくるところとか、ちょっと『百年の孤独』も思わせる。 台湾と中国の関係、国民党と共産党の歴史的関係が少しだけわかるかもしれない。 どんな経緯でこの作品が直木賞になったのか、興味深い。

    0
    投稿日: 2022.04.07
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    人間の単純には割り切れない感情とか、自分の中でも既に埋もれて忘れてしまっていた衝動が突然沸き起こる感じとか。そーゆー事考える話だった。 子供の成長を見守る目が多い点にノスタルジーを感じた。

    0
    投稿日: 2022.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あんまりスイスイ読み進められなかったけど途中から面白くなってきた。 マオマオとの関係は切ないし、家族も友人も恋人もあって、人間模様も楽しめたけど、何より台湾の生活が細かに描かれていて、それが何より楽しめた要因な気がする。 なんだか粗野で危険な魅力に包まれた不思議な場所だと思ったし、行ってみたいと思った

    0
    投稿日: 2022.01.22
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    一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。

    1
    投稿日: 2022.01.14
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    活きが良い。 物語は、常に動き続ける。 葉秋生のダイナミックな半生を辿るだけでも単純に面白く、秋生の心の揺れ動きが伝わって来る。 台湾の風俗や史実も興味深く、情景が浮かんでくる。テンポが良く、暴力まみれの内容でも最低限の品を保ち続ける文章も好み。 「人には成長しなければならない部分と、どうしたって成長できない部分と、成長してはいけない部分があると思う。その混合の比率が人格であり、うちの家族に限って言えば、最後の部分を尊ぶ血が流れているようなのだ。」 変わっていく部分と、変わらない部分。 家族の“ルーツ”、拳銃とともに保管されていた写真の意味には心を打たれた。 幽霊が届けていたメッセージであったり、途中で語られるエピソードの意味など、伏線回収の巧さも光る。 もう少し強弱があった方が良いようにも感じるが、傑作なのは間違いない。

    2
    投稿日: 2021.12.28
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    賞を獲った作品という理由だけで購入 あまりない事だが、どうも読み進めることができない。物語にのめり込めない。 どんな(自分に知識や興味のない)テーマでもリアリティがあると楽しめる方だけど、自分に何かが足りないのか、この作品に何かが足りないのか…

    1
    投稿日: 2021.12.15
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    台湾の動乱期が舞台のミステリーもの。当時の台湾の空気感がありありと伝わってくる。 ミステリーとしても面白いストーリーで楽しめた。

    1
    投稿日: 2021.11.14
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    抗日戦線やその後の国共合作の崩壊を掻い潜って生き延びた祖父を持つ主人公が、ヤクザな友達や幼馴染み、近所の年寄りたちなどに囲まれて成長していく話。 この祖父が何者かに酷いやり方で殺されてしまって、その犯人探しをするようなしないような、大学に行くような行かないような…の若者特有の「もうあんたはいったいどうしたいんじゃ!」な感じがいい。 祖父殺しの犯人がなんとなく分かってきて、主人公のモラトリアムに終わりが見えて、中国本土に向かうところは勢いがあってぐんぐん読めた。 そして最終章でプロローグの場面に戻ってきてはっとする。 台湾が舞台で、戦争も絡んでいることから、甘耀明の『鬼殺し』を思い出した。

    0
    投稿日: 2021.10.11
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    どうやら面白いらしいと情報を得てよくわからず読み始めましたが引き込まれて、今作の影響で結局台湾にも行くことになりました。舞台は台北でしたが調べたら現代は都会になっていて、おもんなさそうだったのでカオションとケンティンに行きました。

    0
    投稿日: 2021.09.29
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    1975年17歳の葉秋生と親友趙戦雄が繰り広げる無鉄砲な日々、恋人毛毛(マオマオ)との別れのエピソードを編み込みながら、日中戦争時代の因縁の人間関係(復讐)が全編を貫く。

    3
    投稿日: 2021.08.28
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    どんな内容なのか全く知らずに手に取りました。 中国本土と台湾の政治的な話…?あぁちょっと苦手かも…と思いましたが、内容は直木賞!って感じの大衆文学。一気に読めました。 伏線回収もしっかり。読み応えのありました。 シチュエーションは違えど日本の話としても成り立つんじゃないかな、とも途中までは思っていましてが、読み進めていくうちに舞台が台湾じゃないとこの話はだめなんだろうな、と納得。 台湾の強く濃く混沌とした空気感がストーリーを強靭にしています。

    1
    投稿日: 2021.07.21
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    行ったことないけど、台湾や中国のリアルな風景が力強く描かれていて凄く魅入ってしまった。 終わり方も自分の中では最高に感じた。

    1
    投稿日: 2021.07.12
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    おねいちゃんが オモシロイって言うから読んでみた あんまオモシロくなかった 名前が覚えられなくて そればっかり気になっちゃった でもなんか読んじゃった 台湾行ったことないけど 台湾感が溢れてて 行ったことないのに 郷愁がわきあがるとこが フシギに読ませたのかも 僕を殺した人~が めちゃんこおもしろかったので 期待しすぎてたのかな ギリギリ星3つ でも違うのまた読みたい作家さん

    1
    投稿日: 2021.07.05
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    台湾の歴史について何も知らなかったから、物語として読めてよかった。 戦争中の生死が簡単に決まる惨さ、子の代孫の代まで引き継がれる恨み、 重いテーマのはずなのに、主人公の語りや起こる出来事が面白くて、なぜか笑いながら軽く読みきれた。

    3
    投稿日: 2021.06.24
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    台湾、中国、日本の歴史の中で翻弄されつつ、力強く生きていく登場人物。 ダイナミックな展開、匂いまで感じそうな描写、歴史と個人の関わり合い、等が印象に残った。主人公が祖父の死と周りの人間に影響されながら成長していく姿が生き生きと描かれている。 この舞台となり、今は急成長している台湾を一度訪れてみたい。

    1
    投稿日: 2021.06.21
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    台湾のことをもっと知りたい、という欲求から手に取った一冊。読み進めていくうちに映画の「牯嶺街少年殺人事件」を思い出した。 帯に青春小説という文字がなかったとしても、自分はこの小説に青春の匂いを感じ取っていたんじゃないかと思いたい。国の上に立つ人たちの思想やあれやこれに左右されて、未来の自分達がどちらに進むのかも見当がつかない大人達。その下で、何を標に進めば良いのかも覚束ない子ども達が一生懸命に生きている様というのは、形は違えど確かに青春だと、この時代の台湾を生きた人にしか通り得ない青春だと言いたいわけです。 人一人の半生を、それこそタイトルの通り濁流のようにうねった文章で綴った作品なので、後半に行くにつれて自分の好きな青春要素は薄まっていくものの、全編通して楽しみながら読めました。いつか台湾に行ってみたい。

    1
    投稿日: 2021.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    力強いと感じた。まるで生き物のようだ。 毛毛との話は悲しい。おじいさんを殺した犯人には驚愕する。個人的に好きな言葉は『成功なんて人生の一瞬でしかない』心が軽くなった。 洗練された言葉選び、異国という独自性。間違えなく傑作。

    2
    投稿日: 2021.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事前に聞いていたよりもずっと面白かった。 台湾に住む17歳の葉秋生(イェチョウシェン)の青春・成長物語であり、家族の物語であり、中国と台湾の民衆史でもある。 秋生の家族も友達も、何かと言えば暴力でことを片付けようとする。 体罰なんて当たり前で、平手打ちや拳骨どころか鞭で強か打ち据えたりするのだけれど、だからこその強靭な心身が造られたのかとも思う。 学生同士の喧嘩だって、鉄製の定規を削って作った刀を振り回すのだ。 流血沙汰なんてしょっちゅうだ。 暴力も流血も苦手な私が、この作品を面白く読めたのはなんでだろうと考えてみた。 多分彼らも暴力や流血が好きなわけではないからだろう。 結果としてそうなってしまうだけで、その痛みは存分に知っている。 中でも破天荒なお祖父ちゃんが大好きだった秋生は、ある日、お祖父ちゃんの死体を発見してしまう。 無敵で不死身だったおじいちゃんは誰かに殺されたのだ。 何故?誰に? 本省人と外省人。国民党と共産党。 すぐそばに住む、相容れない存在。 繰り返される暴力。命のやり取り。 バカばっかりやってる秋生たちの姿は、ちょっと前の日本の、ちょっとした田舎の若者たちの、おバカな青春とまったく同じに見える。 けれど、ずしんと重いものがその後ろに隠されていたことに、後半気づかされてしまう。 何故?どうして? 大好きだったのに、ずっと憎んでいたの? 殺意を知りながら、愛情を注いでいたの? それは一体どんな人生と言えるのか? 「おれたちの心はいつも過去のどこかにひっかかってる。無理にそれを引き剝がそうとしても、ろくなことにはならん」 このセリフの本当の意味が分かった時の衝撃。 いつか、痛みなく過去から心がはがれてくるようになればいいと願う。

    1
    投稿日: 2021.04.13
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    今年度ここまで読んだ中でナンバーワンの作品です 解説にもありましたが、臭いや音が感じ取れる小説ってそうそうないです

    1
    投稿日: 2021.04.02
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    超おもろかった。違う意味で「もう一度読みたくなる小説」。完璧。完璧な小説って個人的に緻密な設定からひとつひとつの章が重なり合う作品だと思ってるんだけど、これは珍しくそういうミステリ系じゃないのに「完璧だな」って思った小説だった。すべての章が小説の血となって肉となっている。どういうお話かって「台湾人の主人公が幼少時代からを振り返って今に至るまでをずっと語ってくれる」だけなんだけど、それが死ぬほど面白い。エピソードがそれぞれ読みながら吹き出してしまうくらいで、お気に入りのエピソードは何回か見返しながら読んでた(笑)ただ、そのエピソードだけで紡がれたストーリーじゃなくて根底に「祖父の謎の死」というものが流れていて後半のその回収は鮮やか。いくつかのストーリーに伏線が散りばめられていて舌を巻く。登場人物が多くて、読む前は尻込みしてたけど、起承転結の起部分さえ抜ければ、ほとんどの主要人物が生き生きと脳でイメージできるようになると思う。乱読派の自分はこういうキャラの相関関係とかいろいろ絡み合ったのはすぐに忘れちゃうタイプで、それなりに厚さはある大作なんだけど、割と一気読みした。直木賞の選考で満場一致で10年に1度の傑作っていう下馬評を先に読んでたのもあるけど、それに恥じない487ページ。最後は明るく終わっているのに、ただの甘いハッピーエンドじゃないのが読んでいる途中に引っかかる違和感から読者と作品の語り手だけが共有しているのが本当に切ない。涙が出てくる。あっぱれ。

    4
    投稿日: 2021.03.04
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    主人公の心情描写と、彼を取り巻く空気感がとても魅力的で、読み進めては想像を膨らませるプロセスを大いに楽しませて頂いた。台湾の歴史をおさらいした上で再読したい。最後に心に残った一節を引用。 人には成長しなければならない部分と、成長してはいけない部分と、成長出来ない部分がある。その混合比率が人格である。 歳を重ねるにつれ、収まりの良い人間になる事を是とし、己の無聊に気付かせてもらった。

    3
    投稿日: 2021.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1975年、台湾。台北で暮らす17歳の秋生は、何者かによって溺死させられた祖父の死体を風呂場で発見してしまう。犯人の手がかりが掴めず悶々とした日々を過ごすうち、悪友の小戦にそそのかされて手を出した替え玉受験のバイトがバレて高校を退学に。不良しかいないバカ高校に編入することになった秋生はみるみる校風に染まり、喧嘩三昧の青春を送る。どんどんヤクザに深入りしていく小戦や、2歳年上の幼馴染・毛毛との恋に振り回されながらも大人になった秋生は、ついに祖父を殺した犯人の正体に気づき、宿敵と対峙するため自身のルーツでもある大陸に渡る。台湾の70〜80年代の喧騒をそのままパッケージしたような熱い青春小説。 やっっっと読めた。直木賞受賞の肩書きと、著者の出自に根ざす半自伝的内容だということで敬遠していたのが勿体なかったと素直に思えるくらい、いつもの〈東山彰良のめちゃくちゃゴキゲンな饒舌体のエンタメ小説〉だった。ロバート・マキャモンの『少年時代』と並べて語られるべきジュヴナイル。 祖父が帰依していた狐火に年齢不詳の占いオババ、法螺吹きの叔父さんとその幼馴染のチンピラ、チンピラとの駆け落ちに失敗した女の幽霊などなど、センス・オブ・ワンダーに満ちた登場人物たちの賑やかさが強い魅力。毛毛やお婆ちゃんたちの威勢のいい台詞や、地の文で秋生が自分に入れるボケツッコミも小気味良い。語り手のツッコミがすべらない小説というのはそれだけでかなりの価値がある。あと個人的には小戦がほんとにも〜〜〜萌えキャラ。最初から最後までずっとダメで可愛い…。 物語が進むうち、秋生が80年代を謳歌している裏であたかも『ブラックライダー』的な物語が進行していたことがわかってくる。秋生にとっては与太話に過ぎなかった老人たちの自慢話こそが復讐の連鎖を生み出した根源だと明らかになったとき、宇文叔父さんの人生が秋生のそれと表裏をなして浮かび上がってくる。 こういう可哀想なチンピラの弱さ、あえて言うなら〈男らしい弱さ〉を書かせたらやっぱりこの人しかいない。ナイフで決闘しようと言いながら、相手が先に逃げだすのを期待する弱さ。初めて人を殺めるという役割を担わされ、秋生に肩代わりさせようとする小戦の弱さ。そして、自分で殺した男の死体が沈む家に、誰も取るはずがない電話をかける宇文の弱さ。 物語の冒頭、死体の第一発見者になった秋生が無言電話を受けるシーンは、ひんやりと青白く不気味な印象を残す。それが最後にはどうしようもない人間の弱さや復讐の物悲しさを伝える場面となり、涙を誘発するという反転が本当に見事。このシーンがもたらす二つの相反する印象は、作品全体のテーマである〈敵と味方の両義性〉にもかかる。 秋生の語りは物語内のすべての時間が過ぎ去った時点から過去を振り返っている。だから時折まだ語られていない未来の情報が差し込まれ、時制も行ったり来たりする。未来の秋生は、この世界では誰もが「魚の涙」を流していると知っている。涙を流していることに気づくためには、その人がいる水の中に入っていかなければならない。そして赦し合うこと、何より自分を赦すことでしか涙は止まらないのだ。宇文叔父さんは自分を赦したかったからこそ、あのとき小戦を救い出したのだろう。まったく"正しく"はないやり方だったとしても。 どうしようもない男たちの愛らしさと、中国語を巧みに織り交ぜた翻訳小説オマージュのような文体で繰り広げられるマシンガントーク、街角の喧騒や当時流行りの音楽が聞こえてくる生き生きとした情景描写、ベタを恐れぬ話運び。こんなに面白い小説を数年も寝かしてしまったのは本当に勿体なかった。やっぱり東山彰良は最高だったんだ。

    3
    投稿日: 2021.01.20
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    まず登場人物を覚えられないのに苦労した。 伏線が多いというか、読んでいる最中はこの物語が何処に向かうのか分からず、自分なりに整理するのも面倒だった。 直木賞受賞とあり期待が過ぎたのかもしれない。 受賞理由は何でどんなところだったんだろう。

    1
    投稿日: 2020.12.28
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    高級中華のふかひれスープ、食べたことありますか? (以下抜粋) ○人は同時にふたつの人生を生きられないのだから、どんなふうに生きようが後悔はついてまわる。中国に行っても後悔するし、行かなくてもやはり後悔する。どうせ後悔するなら、わたしとしてはさっさと後悔したほうがいい。そうすればそれだけ早く立ち直ることができるし、立ち直りさえすえればまたほかのことで後悔する余裕も生まれてくるはずだ。突き詰めれば、それがまえに進むということなんじゃないだろうか。(P.426)

    1
    投稿日: 2020.12.27
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    第153回直木賞受賞作。文庫化された時に買ってそのまま積読。やっと順番がきて出張の機内で読みました。 舞台は台北と祖父の出身地である山東省。今では大都会の台北だけど、昔は下町の雑踏感が強かったんだなと思いながら読み進めました。 途中で、話のオチが読めた時に、そういうことかと思わずつぶやいてしまった展開。うーん。 大陸と台湾、共産党と国民党の関係、歴史もちょっと勉強になった。 またいつか台湾に行けるかな。

    1
    投稿日: 2020.12.03
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    祖父を殺した犯人を捜す推理小説ではあるが、もっと壮大で、波乱の青春時代を過ごした主人公とその家族や友人を描いた青春小説。こういうダイナミックな小説を読んだのは久しぶりだ。

    2
    投稿日: 2020.11.18
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    パワーと繊細さと色々なものが詰まっている素晴らしい小説だった 人名や街の名前が振り仮名なしで読めないのに苦労するが 機会があればまたもう一度読むことにしようと思う

    1
    投稿日: 2020.08.11
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    骨太な物語の中にも軽快なユーモアが感じられる一級品のエンタメ小説。台湾と中国の歴史にまったく無知な僕でも十分に楽しめた。物語はすべて記憶の中の回想。愛も、痛みも、喜びも、悲しみも、個人も、家族も、国家も、戦争も、平和も、すべては現在の自分から見た物語。そして同時に、その物語が現在の自分を形作ってきた。 僕の人生の背景には時代に翻弄されるものなどなかったような気がしていたけれど、掘り返してみれば案外小刻みに揺れ動いているのかもしれないな、とか思ってみたり。 時折挟まれる詩的な表現もなかなか素敵で、これはものすごい力量を持った作家さんだな、と感じました。

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    台湾で生まれた葉秋生。祖父に可愛がられて、戦争での武勇伝を何度も聞かされて育つ。1975年、家に夜盗が入り、祖父が何者かに殺された。犯人を探すも警察は協力してくれない。一方で秋生の人生も、少しずつ狂っていく。 台湾と中国の、毛と蒋の時代のややこしい話であるかと構えたが、名前が覚えにくい以外は、ストーリーがすんなり入ってくる文章で分厚いものの読みやすく、引き込まれる。 入試の不正で退学となり、底辺高校に転校、堕ちて行くというところは、重松清や東野圭吾の例の作品とも似ているが、そこまで暗澹たる文章でもなく、ヤクザに追いかけられてもなんとかなる部分は、気楽に読める。 一方で、前半部にはつらつらと状況をひたすら描写し、所々に過去の思い出、その時点から相当未来へと飛ぶような話が差し込まれるため、引っかかってしまうのも事実だ。 1枚の写真から開かれる展開の部分も、もうちょっと助走をつけてからやってくれても良かったのだが、秋生の思考だけで説明しようとしているため、結局何となく分かるけどそういうことだろうけど、どう展開するの?みたいに、ちょっと覚めて読んでしまった。 ハマる人には、一生の一冊になるかのうせいのある本である。読むのに時間はかかるかもしれないが、なかなか良かった。

    1
    投稿日: 2020.06.19
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    かつての台湾を舞台に、祖父の死の謎を追いかける主人公。 台湾の蒸し暑い温度や臭いが伝わってくるような濃厚さの作品。 立場が違えば正義の在り処も変わってくるよね…

    3
    投稿日: 2020.05.17
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    「ずっと昔に止まっていた時計が動き出したみたいにさ、ある日その時計の続きがまたはじまっちゃうことってあるよね」 「自分1人の力で成功を手繰り寄せたなんて思いあがっちゃだめだぞ。それが誰のおかげなのか常に心に刻んでおけ」 人間は、失敗は外的要因によるもの、成功は内的要因によるものと思う傾向にある。

    0
    投稿日: 2020.05.12
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    台湾、という国の知識がほとんどなかったのだけれど、街の景色、喧騒、匂い、さまざまなものがリアルに伝わってきた。青春群像でありミステリーでもある物語。秋生の背景、生きる様、家族、兄弟、友達、恋愛、まさしく激流に立ち向かうような人生を、輝きと闇とで描いたような作品は、心の栄養を存分に使わないと読めないものでした。心地よい疲労感が残る作品です。

    1
    投稿日: 2020.05.04
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    台湾は約50年前にはこんなにも荒削りの地だったとは。 中国、台湾、日本の3国の激動の史実、そこに一人の男の青春ストーリーが落とし込まれている。それは岩が流転するかのような青春だ。 汗と血の匂いが感じられる行間に、いかなる時も生きていることを讃えようとする作者の姿勢がみえた。

    6
    投稿日: 2020.04.26
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    人から薦められて読んでみた。五感にまつわる描写がリアルで、作品中に出てくる食べ物が食べたくなった。(トウファ)最後は一気に読み込んであっという間だった。

    1
    投稿日: 2020.04.23
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    話題になっていたらしいと聞き、たまたま縁があったので読んでみた。いわゆる台湾系の話だと、本省人が主役になることが多いようなイメージが(勝手にある)ので、外省人側の人間が主人公であり、そこからみた本省人とのちょっとした確執のようなものも描かれていて興味深い。 今の台湾(というか台北かな)しか知らない人は、台湾の乱雑さが想像できないかもしれないけど、ギリギリ2000年初期に滞在していた身としては、乱雑かつ粗暴な感じが想像できるように思える。 ただストーリーとしてはなんだかあっちこっち話が飛ぶのでいまいちピンとこなかったかな・・

    0
    投稿日: 2020.03.21
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    『流』 戦時からバブルまでの台湾が舞台です。 街の喧騒、タチの悪い輩の喧嘩、抗争の描写を通じて 当時の事情、社会が見えてきます。 中国、台湾そして日本。 台湾を中心として歴史、生活をのぞける小説としての位置づけに加えて、主人公の兵役、受験、恋そしてルーツへの想いの描写が不思議な読了感の世界へ誘い込みます。 生々しい描写が多いため、嗜好は分かれる小説かもしれません。 https://twitter.com/rtaka1624/status/1231191777572319232?s=21

    14
    投稿日: 2020.02.23
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    2020/01/31読了 #このミス作品6冊目 重厚なストーリーで後半の展開が見事。 ただ、好きか嫌いかと言えば嫌いな部類。 直木賞作品は私には早すぎたようだ。

    6
    投稿日: 2020.01.31
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    2020/1/1 記念すべき2020年初読了本!主人公と親友の小戦の仲が本当に羨ましい。あんなに互いに酷いことをしあっているのに、ずっと信じ合える関係。そういう関係が欲しいなぁと思う。

    1
    投稿日: 2020.01.01
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    当時の台湾の熱気、喧噪、匂いの中に急に放り込まれた感じになる 内省人と外省人の距離感とか、アジアらしい迷信や風俗なども興味深い 台湾の不良も派手な学ラン着てたとか思わず笑ってしまった 不思議な話は多くあるけどそっちに寄り過ぎず、いい具合に物語が進んでいると思う

    1
    投稿日: 2019.12.08
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    台湾人青年が主人公。彼が生まれたのはまだ蒋介石が生きていた時代。 子ども時代、青年時代と生い立ちの中でもトピックス的なエピソードを綴り、彼を取り巻く祖父母、両親、叔父叔母、幼馴染などが登場する。 初恋だったりヤンキー時代をエピソードなどが続いていく中で物語に横たわっているのが祖父の死。祖父を殺した犯人を突き止めたいという想いは主人公の頭につねに引っかかっており、あることがきっかけで犯人に目星をつける。そして本人に会い真相を聞き出す。 祖父殺しの真相を究明していくミステリー、みたいな感じに紹介文には書いてあるが、全体的にはある青年の青春小説みたいな感じ。最後の最後で犯人はあなただったんですねという展開があるが、それまではひたすら、あんなことやこんなことがあったということばかり。 また、自らのルーツを辿るようなことはしておらず基本的には台湾での話。なので、壮大でドラマティックな内容を期待するとがっくりくる。 それに挿話が差し込まれると時系列が混乱するところもあり。

    0
    投稿日: 2019.11.24
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    台湾は中国本土と比べて文化的な印象があったのですが、少なくともちょっと前まではかなり荒れた国だったのですね。 みんな行動がめちゃくちゃなくせに、どこかユーモラスに感じるのは何故だろうか。 過去に犯した罪は確かに憎いけれど、戦争という異常事態を憎むのであって人に対してではないと伝えたかったのかな。1980年代前後の台湾はまだこんな状態だったとして、今はどんな雰囲気になっているのか興味が湧きます。

    1
    投稿日: 2019.09.23
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    2019年9月21日読了。台湾で無軌道に生きる葉秋生は、突然の祖父の死に拘り続け、自分のルーツに向き合う旅に出ることになるが…。第153回直木賞受賞作。最初のページから「面白い小説の気配」がムンムンに漂う、久しぶりに読みごたえのある(でも読みやすい)長編大河青春小説だった。国民党と共産党の殺し合いの記憶が生々しく残る国・外省人と内省人の対立、など台湾を見る目も変わるな…。日本だって薩摩と長州が殺し合ったりしてきたわけだし、陰惨な過去を当事者が忘れられないのはしょうがないとして、それを若い世代にどう伝えるのか・それとも伝えないのか、などは年長者たちも悩み苦しみながら答えを見つけるべきことなのだろうな。

    1
    投稿日: 2019.09.21
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    直木賞選者の好きそうなテーマの小説。 秋生という大陸から台湾に渡った3世の人生を追っていく青春小説。喧嘩、幽霊、恋愛、兵役、復讐など盛りだくさんで読みがいのある本でした。

    5
    投稿日: 2019.09.19
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    近所に匠書店というエ○DVD屋さんがあります。ここに文庫コーナーがあり、50円から200円で売られています。値段の付け方が良く分からないのですが、ブックオフで324円で売られていた「流」が50円の書棚に置かれていました。「安い」というだけで買った本作ですが、価格の数十倍も楽しめました。 発端は75年、蒋介石が死去した直後の台湾。主人公は17歳の高校生に葉秋生。本書の読みどころは、次の3点にあります。 1)物語の冒頭、秋生が愛する祖父が無残な形で殺されます。祖父は誰によって、なぜ殺されなければならなかったのか?秋生は、成人後も、謎を追い、大陸に侵入します。まず、本書はミステリーとしての面白さがあります。 2)本書は秋生が17歳から26歳までに体験することを描きます。17歳の頃はゴキブリを怖がる兄ちゃんですが、級友やヤクザとのトラブル、幽霊騒動、恋愛と失恋、軍学校、兵役を通して、彼は成長してゆきます。このあたりは一種の教養小説としての面白さがあります。 3)舞台は70年代から80年代の台湾ですが、台湾の猥雑な雰囲気を本書から読み取ることができます。また、当時は大陸から逃げてきた国民党の人々が存命しています。日中戦争や国共内戦が、いかに人々を苦しめたのか、我々は本書で断片的でも知ることができます。 本書は色々な読み方ができると思いますが、私は青春小説として読みました。おススメの★★★★。「あのころ、女の子のために駆けずりまわるのは、わたしたちの誇りだった」ことを思い出せたら、本書を読んだ価値があると思います。

    1
    投稿日: 2019.09.16
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     第153回直木賞受賞作(2015年)。1970年代後半〜1980年代初頭の台湾を舞台に、同時代の日本と中国大陸を結んだ硬質のエンタテインメント。読み始めたら止まらない面白さだった。    抗日戦争と国共内戦。二つの戦争の記憶が、人物たちを過去に縛り付ける。主なプロットとしての宇文おじさんの復讐譚には率直にいってあまり説得力を感じなかったが、それを補ってあまりあるディティールの厚みがすばらしい。1970年代の台北の都市的な猥雑さ、軍隊生活の宙づり感、列島からの視点とは異なって見えてくるアジアの歴史=地政学。言葉では知っていたり、話では聞いていたりしたことが、具体的な人間の肉声として響いてくる気がする。台湾・中国・日本、それぞれに分断されてしまった人々がいる中で、1970年代の日中国交正常化の時代をどこから見ていくか。歴史の見え方の多層性について考えさせられる作品でもある。

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    投稿日: 2019.09.11
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    台湾と中国との不幸な闘争の歴史の中での悲劇、そして和解。祖父が誰に殺されたのかを解くミステリー仕立てながら実体験しなければ描ききれないリアルなディテール、世界観。主人公が後日離婚する未来とかは物語上必要なのかな?事実なのかもしれないけど。 祖父が一家を惨殺した理由が戦争だから、というだけでは説明不足と感じた。 毛毛との別れとその理由が切ない。 時折綴られる物事のの本質を突く名文が深いです。

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    投稿日: 2019.07.07
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    始まりは、大好きだった祖父の不審な死。 常に、というか、たまに忘れてしまうのだけれど、誰に、どうして殺されなければいけなかったのか?ということが、常に主人公の心の底にあります。 最初の方に、主人公が色々とやらかすのですが、それを、なんでそんなことやる?とイライラと読んでましたが、後半に向けて一気に色々なことがやって来て盛り上がってきます。

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    投稿日: 2019.07.05
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    台湾の匂いを感じる。油ギュシュな、それでいてねっとりした湿気。スイスイ読めて面白かったが、檄感動でもないか。

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    投稿日: 2019.06.18
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    長編青春小説! みんなが思うことなんだとしても、登場人物の識別が大変!何々叔父さんがどの叔父さんか瞬間でわからない。 でも、一種の成長ストーリーと近現代の台湾、中国の歴史観からを感じることができて物語としてはとても魅力的。毛毛はきっといい女なんだろうなぁという妄想が膨らんでパンパンな私です。

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    投稿日: 2019.06.10
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    登場人物の名前が馴染めず、誰がだれだかわかるようになるまでなかなか物語の中に入れなかった。それでも辛抱強く読み進めると、後半は読みごたえのある骨太なストーリーにのめり込んでいる自分がいる。歴史と時代と戦争に翻弄されながらもたくましく生きる台湾を描出した傑作。

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    投稿日: 2019.05.22
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    中国語の名前にちょっと戸惑いがありましたが、スリリングで中国映画を見ているような感じで読み切りました。ミステリーでもあり青春小説でもある。

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    投稿日: 2019.04.07
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    自分の意思ではどうにもならない世の中の流れ。 その世界でもがき生きているのが我々人間なんだって思わせてくれる作品でした。

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    投稿日: 2019.02.23
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    図書館で借りて読んだ。もっと祖父の事件を追うサスペンスがあるかと思ったが違った。残念。また普段日本の小説しか読まないので中国名が頭に入らない。

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    投稿日: 2019.02.22
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    第135回直木賞受賞作‼️ その名も『流』 「流れ」、流され、人は日々を生き抜く。 辛い日々も、幸せな日々も、全ては「流れ」で一続きになっている。 だからこその善し悪し。 人生を一口で語ることはおおよそできたモノではナイが、この小説からはアリアリと感じられる。 当たり前スギな感想だが…やはり物書きサンは表現が上手い…心にズドン!と響く作品。

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    投稿日: 2019.02.19
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    身体的に手応えのある文章が、主人公一族のルーツをたどる旅に重さを加えている。だからこそ人生のままならなさや後悔に納得感があった。

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    投稿日: 2019.01.20
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    戦争のことを風化させてはいけないとか、だから戦争のことを知っている人の話はちゃんと聞け、とか。そんなことも言われたりするけど、戦争のことをもっと身近に、最近に知っている人は世界にはわんさかいるに違いない。台湾という国もそういう世界なわけで、戦争だからしょうがない、としか言いようのない悲惨な過去があって、それを延々と蒸し返すことの意味も考えさせられる。 でもこの話の展開のさせかたは斬新。終わりよければすべて良し、とは言うけども、じゃあ終わり悪ければすべて悪し、ではない、と。終わりが悪くても、幸せな今を少しずつ積み重ねていく事も悪くない。

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    投稿日: 2019.01.19
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    喧嘩や暴力などのシーンが多くて血なまぐさい。 何かを変えたいと思うのにどうしたらいいのかわからない焦りとか、何か大切なものを手にしてほっこりしたときとか、いろんなことがあって人の人生は流れる、だからこの話タイトルは「流」なのかな、と。

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    投稿日: 2019.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国語の名前に四苦八苦。半分くらい読んだところで、人物相関図を書いたらめっちゃ頭に入ってきた。 祖父を殺した犯人捜し、恋愛、暴力沙汰、自分の進路、お狐さまの信仰?、いろんなことがちりばめられ、最後は絡み合わさってくる。長かったけど、8割くらいきたら話がだんだん回収されてきておもしろくなった。 復讐が折り重なっていく有様と関係者の心情、男と女についてハッピーエンド(小説の終わりとしてはハッピーなのか?)にしてないところが、読後、なんとも言い表せない切ない気持ちになった。

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    投稿日: 2019.01.14