
総合評価
(3件)| 0 | ||
| 2 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログこの物語は、一つに年貢という定法から逸脱した桃源郷たる棄老集落を描き、もう一つに隠田を暴く代官側の人間模様を描く。特に惚けてしまった父を抱える別段廻役・平太郎がキーパーソンになりそうだ。田植えのための代掻き水が沢を濁すことに気付いた平太郎。でんでら国に平太郎が辿り着くかという間際に、野宿中の平太郎が不慮の怪我を負い(代官所的に)消息不明となる……。でんでら国では長閑な時が流れるが、農民と武士との溝は埋まりそうにない。無さそうで有りそうな山奥の隠れ里という設定が面白い。
0投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログ老人を捨てる風習を残すため周囲にから忌み嫌われている村 不思議と農作物が育ち年貢をきっちり納めているのは老人たちを捨てるためだという 隠し田を探す藩の武士と不思議な隠し風習を持つ村の農民との知恵比べ 農民には農民の暮らしがあり掟がある 武士には武士の理念がある 相反する主張を持つ階級の違う人たちの話
0投稿日: 2019.05.06百姓が自由に生きれる夢の国
主人公の善兵衛、60歳になって姨捨てされる身。が、でんでら野に向かう心は浮かれてる。何がそんなに楽しいのか? 江戸時代、生きている限り身分制度に縛られ、百姓は年貢を納めなければならない。でも60歳になって姨捨された年寄りたちはもうこの世の住人ではないわけで、表向きは死人扱い。山の奥の「でんでら国」でこの世の制度に縛られずに生きている。もう年貢を納める必要もない。自分たちで作った米は全部自分たちの自由に使える。 作中では年貢を増やすため隠田を暴こうとする侍たちとの駆け引きがあるわけだが、でんでら国の住人は侍にそんざいな口をきいたってかまわない。亡者はもう身分制度の外にいる。領主の前に出たって堂々としていていいのだ。 でもね、あの世の祖先たちにとって現世の住人は、いざという時は助けてやりたいかわいい子孫たちなんですよね。
0投稿日: 2018.05.06
