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永い言い訳
永い言い訳
西川美和/文藝春秋
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総合評価

226件)
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    アブダビの、ほとんど砂漠みたいなところに立ち並ぶホテルのロビーで、空港までのピックアップをまつ間に読了。 さきに映画を観ていたけど、映画ってホントにすごいとあらためて思った。月並みだけど。だって小説読んでもここまでわからない。わからないというか,拾いきれないもの.感情を. もちろんさちおくんと自分を重ねて読む/観るところはある。そこは自分の傷口をいじられるような痛みを感じる。でもそれよりも何よりも子供たちだ。特に真ちゃん。 僕はこの作品を真ちゃんの目を通して観ていたし、真ちゃんの気持ちを考えると涙がとまらなくなってしまった。 死んだ父と自分との関係、自分と子供たちの関係、ヨメとの関係。全部この映画に、小説に入ってる。

    1
    投稿日: 2016.10.26
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    映画のキャッチコピーが 妻が死んだ。 これっぽっちも泣けなかった。 そこから愛しはじめた。 なんだかお涙頂戴的な匂いがぷんぷんしましたが、 そこは西川美和さんです。 愛するということはそんなに綺麗なことじゃない。 みえてるものをちゃんとみるほうが本当はむつかしいことなんだよ 2015年 文藝春秋 カバー写真:上田義彦 デザイン:後智仁

    6
    投稿日: 2016.10.26
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    題材からもっと深刻な葛藤があるお話かと期待しちゃったのですが、終止淡々としててのめり込めず… 読み終えるのに10日以上も費やしてしまいました。自分には合わなかった模様です。

    0
    投稿日: 2016.10.25
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     深っちゃんが可愛いから読みました。  なんて恥ずかしげも無く云えてしまうのが、本読みとしての長所だと信じてるわけです。今日和ー。  自己紹介で「趣味は読書です」って云うひとってたぶんそんなに本読んでないんだろうな、と感じるのは性格の問題なのかな。本編とは無関係ですよ!  基本的に小説の映画化、であるとか映画のノベライズ、であるとかはあまり肯定的ではないのだけど、原作・脚本・監督となると別なのかもしれないな、と思いました。  特に小説の映画化に関しては、どうしたって2時間やそこらで足りるわけがないと感じるのが常なのだけど、書いた本人が要素を丁寧に抽出して、その上で映像も練り上げて…という作業が出来るのであればなんとなく安心感を持って観られる。もちろんその為にはまったく違う種類の才能を何種類も発揮しなければならないわけで、素直に感服するわけですが。  さて。  読み始めとしては、ライトな平成純文学タッチに多少の不安を感じたのですが、キャラクタの雰囲気と巧く一体化していて、世界線に乗れたらあとは一気に読み終えてしまいました。  小説家、という職業に投写しているけれど、幸夫くんの感じているものは、  ひとが皆少なからず持っている(とオレは信じている)作家性、みたいなものに表裏一体、常に付き纏ってくる絶望なんじゃないかと深く感じた。  ことば、のちからであるとか、そのことばの紡がれる理由であるとか、或いはその裏にあるもの。 (なんかこういうテーマでばっかりレヴュ書いてる気がするけれど、こういうのばっかり読んでるわけじゃないですよ? たぶん書きやすいテーマなんでしょうね。)  展開的に、どうしても幸夫くんの、夫婦の会話というのはほとんど本編には描かれないのだけれど、その数少ないシーンがとても印象に残っています。その素敵さに、本人たちは永訣を以ってしなければ気付けないというのなら、誰かと深く結びつくことの哀しみの深さっていうのは、ほんとうに…  それでもやっぱり  どんな絶望も、それを言葉にするという行為そのものは、どうしたって希望なのだと――少なくとも希望に向かうものなのだと、そんな甘々な受け取り方をしてしまう。  それと、ことばの云々とは別に…  なんとなく、すごくなんとなく、ほんとうに誰かを不幸にしたことのある人間にしか届かない刃のようなものを、この作品からは感じました。  その刃の鋭さを、ほんとうに誰かを不幸にしてしまいそうな誰かが、ひやりと感じてくれたならいいなぁ、なんて思います。オレは、ね。

    0
    投稿日: 2016.10.24
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    映画が公開になるタイミングで読み始めたため tv等々で 主人公が「ダメな人」として書かれていることを承知のうえで読み始める。 「ダメな人」の「永い言い訳」とは誰に対してのどんなことなのか?を探りつつ。 作家であり バス事故で妻を失った主人公の幸夫。 妻の葬儀で涙を流すことも出来なかった。  ひとりになった幸夫が 幸夫自身を取り巻く人々や妻が関わってきた人たちと妻の死後、初めて関わりを持って暮らし始める様子はおかしみもあり、時に痛みを伴う描写で書かれている。 ここで白状することでもない気がするが 私自身自分が「ダメな人」であるせいか…だんだん 幸夫の何がダメなのかがわからなくなる時もあり…(笑) 幸夫が抱えている≪悲しみ≫は妻を失ったことによるだけのものではなく もっと前から持っていた≪悲しみ≫だったのでは…。 いいか悪いかは別として、人との関わりに臆病(慎重?)であったり 子供を育むでもなくいい歳になってしまった大人の純粋性に共感できた作品だった。

    0
    投稿日: 2016.10.20
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    おもしろかったです。 人間の深いところをついたような作品でした。 読んでいる途中に、今現在上映されていることを知り、さっそく映画版を見に行こうかと思っています。 この作家さんの本は初めて読みましたが、他の作品も読みたくなりました。 おすすめです^^*

    0
    投稿日: 2016.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    以前から気になっていた作品。 伴侶を突然の事故で亡くしても、悲劇の夫を演じるだけで泣けない主人公。 一方、妻が事故に遭い、その遺族説明会で怒りわめき狂う男。 妻を亡くした二人の男、そして母を亡くした子供たちが出会うことで、化学反応が。 やがて、自己中の主人公は、初めて妻のために涙する。 そこへ到るまでを、時に一人称で、時には三人称で、視点を変えた複数の語りが、まるで『藪の中』のように綴られる。 そして、「長い」ではなく「永い」の意味するところは・・・

    2
    投稿日: 2016.10.17
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    西川さんは人の感情がリアルに描かれるところに本当に心を動かされる 近くにいるからよく知っているわけじゃない そこには努力と思いやりと理解が必要なんだよねぇ。 もっかいよみたい。

    0
    投稿日: 2016.10.16
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    売れっ子作家である主人公が、既に冷めきった関係だった妻を不慮の事故で失うところから始まる。 読んでる側も主人公の感情に思わず寄り添ってしまい、その気持ちわかる!!!と一喜一憂しながら面白くて、あっという間に読了してしまった。 西川美和、ゆれるを見た時にもぞっとしたけど、人間の中の醜い感情をこれでもかと日の目に晒すその執拗さ、表現力が凄まじい。 自分はどうなんだ、と自分にも詰問されてるようで読んでて少し辛くなる場面もあった。 フィクションなんだけど、丹念に書かれた心情を読み込むに、この主人公は実在していると確かに感じられるリアリズムがあった。 男のプライドって厄介だなぁとも思った。 読み終えて感動、とはならなかったけど、人間て愚かで愛おしいと思った。

    2
    投稿日: 2016.10.15
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    あるべき家族像など無い。足を踏み外すこともある。失って初めて気付くこもとある。後悔の上でしか見えないものもあるのだろう。 あらすじ(背表紙より) 人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。悲劇の主人公を装うことしかできない幸夫は、妻の親友の夫・陽一に、子供たちの世話を申し出た。妻を亡くした男と、母を亡くした子供たち。その不思議な出会いから、「新しい家族」の物語が動きはじめる。

    0
    投稿日: 2016.10.10
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    生きていくためには想う人の存在が必要である。 というラストの一文が心に沁みた。 不幸のかたち、幸せのかたち、この世の中を生きるということ。 この作者の本は初めて読んだけど、読み慣れないけど、さらさらと読めてよかった。

    0
    投稿日: 2016.10.10
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    両極端と思える男が登場するが、どちらにも深く共感した。 不惑の歳になっても、やはり人は迷いながら行きていくのが現実。ダメ人間にこそ読み手の心を揺らす物語が生まれる。 文章の流れのなかで、自然に視点が変わっていくテクニックは、映像からアプローチしている著者ならではと思った。

    0
    投稿日: 2016.09.30
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    話者が次々と入れ替わり、一つの物語を語っていく。 いや、たぶん彼らにはそういう自覚は無くて、 それぞれがそれぞれの思ったことを自分の言葉で語ったものを、作家が一つの物語としてまとめたという、 それだけのことだろう。 いや、むしろ、結果的に一つの物語としてまとまっただけ、というべきかもしれない。 「誰がそれを語るのか」ということが、何より重要なんだと思う。 言葉はその場面、その瞬間に、突然現れるのではなくて、 誰かの口から発せられることでようやく存在するようになる。 文字にしてしまえば同じセリフでも、それを誰が言うのかで意味は全く違ってくる。私たちはただ言葉を聞いているのではなくて、それを語る人のバックグラウンドだとか、自分との関係性だとか、それまでの文脈だとか、そういったものをこそ聞いているのだと思う。 声という空気の振動ではなくて、文字というインクの染みではなくて、その人そのものを。それこそが、「他者」ということなのだろう。

    1
    投稿日: 2016.09.24
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    妻を事故死で亡くしても涙一つ流さなかった作家が、何故だか妻の親友の家族と交流を持ち始め、これまでとこれからを見つめる話。作家が中心ながらも視点を折々で変えながら進む点が特徴的。人それぞれに真実があり、それだけでないことも浮き彫りになっている。特に作家も妻の親友の夫もやや狭量に描かれているからこその、問いかけがある。何が大切なのか、真摯に向き合いながら生きたいと思った。

    0
    投稿日: 2016.09.22
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    文章の感じが、以前読んだ「コーヒーと恋愛 」に少し似ている気がする。 西川美和の鋭い感性や、クールな感じが垣間見えるが、文章が時々気が抜けているので、映画のムードとは違うものになっている。 普段から小さな子供達と過ごしてる身で読むと、子供達は、もっと色々大変な事が起こるはず、とどうしてもリアリティが感じられなかった。 子供と大人の考えのすれ違い、子供の信じている事と、大人の信じていることの違い。感情と理性のバランスの違い。そこら辺のギャップから、大人も子供も色々な事に気付きを得る。但し、日々忙しく、振り返る時間がないと、気付きよりもつかれだけが溜まってしまう。

    0
    投稿日: 2016.09.21
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    図書館で読みました。映画になったら面白いだろなぁ、と思ていたら、「ゆれる」の監督さんが書いた小説だったんですね。

    0
    投稿日: 2016.09.19
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    巻末の最後の一文が、胸に迫る 「衣笠幸夫は、そして初めて、他の誰のためでもなく、また悔恨からでもなく、ただ妻を思い、泣いた。」 「人生は、他者だ。」はい、名言。

    0
    投稿日: 2016.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大事な亡くなってから分かること、たくさんあると思う。後悔しながら、相手を想いながら。泣けない辛さ。西川美和の文章はきれいなんだけど、それだけに本作は読んでて切なかった。

    0
    投稿日: 2016.09.12
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    バスの事故が二つの家族に大きな変化をもたらす。 あのひとが居るから、くじけるわけにはいかんのだ、と思える「あのひと」が、誰にとっても必要だ。生きていくために、想うことの出来る存在が。…がこころに残った。 読み終わって、タイトル「永い言い訳」を改めて見て、なるほど…と思った。

    0
    投稿日: 2016.09.07
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    愛するべき日々に、愛することを怠ったことの、代償は小さくない。 割と後半まで自分のことしか考えていない主人公の独りよがりの愛を、作者が痛烈に皮肉っているのが面白い。 人は生きている限り、他人にも自分にも言い訳を重ねて生きている。 ただ、自分の心に素直に従えば、目の前にいる相手を実際に命ある人として接すれば、言い訳なんて必要なくなるのだよ、なんていうのは最近読んだ自己啓発本の受け売り。 妻の章が印象的だった。 幸夫くん、もう私、行かなきゃなんだけど。一生ものだと思ったのに、もう何かが違う。 夏子は、旅行から帰ったら、コートとともに幸夫との生活も処分しようとしていたのではないか、とも読める....よなぁ。

    0
    投稿日: 2016.09.04
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    身近な誰かを急に亡くした時、その人はひどく落ち込み悲嘆に暮れるはずだ、と大抵の人間は考えるし、実際そうである場合が多いだろう。 でも、悲しめないし、落ち込めない人間だっている。 この物語の主人公、衣笠幸夫のように。 衣笠幸夫は、津村啓という筆名で小説家として活動していた。 妻の夏子との間はすっかり冷えきり、よそに女を作ったりして、のらりくらりと暮らしていたある日、バス事故で突然夏子は帰らぬ人となってしまう。 メディア等を前に悲しむ演技をするしかない幸夫は、同じバス事故で妻(母)を亡くした大宮家の父子といつしか交流を持つようになり、そして…。 小川洋子さんが著書で「生きるとは自分の物語をつくることだ」と言っていたことを不意に思い出した。 その“物語”のなかには当然様々なことがあって、この小説の主人公の幸夫のように、突然妻を亡くす人もいる。そこで悲しむことが出来ない人もいるかもしれない。 そしてその後、そうなってしまった理由を探したり、そうなってしまったことの言い訳をしたりする。 生きていればきっとそういうことの繰り返しで、人生の中で起こる様々なことに、理由をつけたり言い訳を探すことを繰り返しながら、自分の物語を築いていくのだと思う。 そういう意味なら「永い言い訳」というタイトルはとても秀逸だ。 幸夫は善い男なのか嫌な男なのか分からない、両方の触れ幅があまりにも大きい人間なのだけど(だからこそ、ふとした瞬間に「意外と善い奴なのかも?」と思ったりするんだけど)だからこそ人間くさいと言うか、悲しまずともずっと側にいた妻が突然いなくなるという出来事は、けして小さくはない衝撃を彼に与えたのだろうと感じた。 自分自身は意識していない部分に与えられた影響が、膨らんで爆発して表に出る瞬間があったりして。 そして大宮家の人々とふれ合い、時間が過ぎて、幸夫が夏子に贈った言葉は、“永い言い訳”の一部であり、演技でも何でもない本音なのだと思った。 秋に公開される映画も観たい。

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    投稿日: 2016.09.01
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    バスの事故で妻を失った作家の衣笠幸夫。妻を亡くしても涙もでない。残された幸夫の心情が丁寧に書かれてて、そこで開けてしまった見送信のメール。 〈もう愛していない。ひとかけらも。〉 さすが西川さん、どんどん引き込まれた。最後は、どちらかと言うとハッピーエンド。日常の愛し方の大切さに気づかされる。

    2
    投稿日: 2016.08.27
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    自己中の男が妻の事故死をきっかけに、同じ事故で亡くなった妻の友人の子供たちと触れ合うことで次第に。。。。 ある意味、よくあるパターン。 少々、途中で間延び感はありましたが、良く書き込まれた感覚でじっくり読ませてくれます。 そして、映画監督らしいビジュアルな表現が随所にあって、でもおそらく映画とは異なるストーリー展開(多分)。

    0
    投稿日: 2016.08.24
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    病気でだが、母を突然亡くしてしまったので、登場人物達の気持ちがよく分かり、読んでて何度も涙が出そうになった。 最後は電車の中で泣いてしまった…。

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    投稿日: 2016.08.21
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    【妻が死んでも泣けない男のラブストーリー。映画化話題作】予期せず家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか――。人を愛することの「素晴らしさと歯がゆさ」を描ききった物語。

    0
    投稿日: 2016.08.18
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    暑い暑い夏休み、帰省で福岡へ向かう新幹線の中で読了。 作家として芽が出るまで支えてくれた妻だが、売れっ子になった今は一緒に住んでいても全く疎遠になり、妻が友だちとスキーに出掛けた隙に愛人を家に呼び楽しんでいたら、バスが事故にあい妻は帰らぬ人となった、というオープニング。 とにかく書き手の表現が巧み。 妻を失っても悲しさを“演じる”ことしか出来ない男の異様さや、同じ事故で亡くなった妻の友人一家と出会い、忙しい父親に代わりその2人の子供の面倒を見ることで『愛を得たのさ』と嘯く滑稽さや、残された妻の携帯電話に残された冷めた言葉に浮足立つ様子など、次々と描き出される心の情動には唸らされる。 だけども、まあ、この幼稚で自分中心な作家にはあまり感情移入出来ず、出来過ぎる故に目を逸らしたくなると貶められる亡くなった奥さんが不憫。 この夫婦の物語よりも、終盤に本筋ではないところでツーシーンしか出て来なかった弁護士の言葉(「引用」に登録)のほうが心に沁みた。

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    投稿日: 2016.08.13