Reader Store
永い言い訳
永い言い訳
西川美和/文藝春秋
作品詳細ページへ戻る

総合評価

215件)
4.0
51
94
47
2
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本は買おう。そして何度も読み返そう。余白が多い作品だから読む度に新しい発見がありそう。書かれている文章とあえて書かれなかったであろう言葉のチョイスが本当に巧み。心の機敏が丁寧に描かれていて何度も心が揺さぶられ、幾度か手を止めていろいろ考えた。大人になったから、親になったからって立派になれている訳ではない。愛する人には愛していると伝え続けないと後悔することは百も承知でも、できない。人を平気で傷つけるくせに、自分が傷つけられるのは我慢ならない。そういう誰もが思い当たるような人間のままならないダメな部分をしょうがないなぁと苦笑いしながら許してもらえたような気持ちになれる素敵な小説でした。書きとめておきたいことが溢れてくる本で、どうしても規定の文字数内で感想を書ききれなかったことが残念無念!

    0
    投稿日: 2026.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後半は引き込まれる、愛情深い内容だった。 他者の家族からこれだけの感情を読み取れるのは、主人公の感受性の豊かさがよく伺える。 妻の死を受け入れるまでの過程、確かにこれは、永い言い訳なのかもしれない

    1
    投稿日: 2025.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んで、主人公・衣笠幸夫の姿に、父を亡くして以降の自分自身を重ねてしまった。 喪失は劇的な出来事として訪れるのに、その後の人生は驚くほど平然と、何事もなかったかのように続いていく。悲しみはあるのに、泣き続けるわけでもなく、かといって前向きになれるわけでもない。その宙づりの状態こそが、この作品の核心なのだと思う。 幸夫は、他者の痛みを理解できない冷淡な人間として描かれがちだが、それは「わからなさ」の問題なのだと感じた。人の死がもたらす空白や、その後に残される感情の処理の仕方を、彼は知らないし、学んでもいない。ただ、取り返しがつかないという事実だけが遅れて重くのしかかってくる。その鈍さや遅さは、身近な死を経験した者なら、決して他人事ではないはずだ。 父を失ってから、人生は意味深い物語になるどころか、むしろやるせない出来事の連なりになった。なぜこんな形で終わったのか、なぜ自分はもっと何かできなかったのか、答えの出ない問いばかりが残る。『永い言い訳』は、その「言い訳のしようもない現実」を、美談にも救済にもせずに差し出してくる。人生は納得できないことばかりで、誠実に生きようとすればするほど、やるせなさは増えていく。それでも生きていくしかない──その不格好さを、静かに肯定する小説だった。

    1
    投稿日: 2025.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    9年前に本木雅弘主演の映画を観たがワガママな小説家が自己嫌悪に陥りながら足掻いている印象しか残っておらず期待して遠くの映画館まで観に行ったのでガッカリしてしまったのを覚えている。原作を読み西川美和さんはすごいと感じました。物事を表現するのにあまり形容詞を重ねると薄っぺらくなってしまうのですが西川美和さんは矢継ぎ早に言葉を紡ぐのに表現に深みが増していき引き込まれてしまう。今年読んだ本で間違いなく一番の作品です。西川美和さんの他の作品も読みたいと思います。

    1
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2016年本屋大賞第4位作品。 不慮の事故により妻と母を喪った二組の家族が、ひょんなことから交流して再生していく話し 最初は少しつまらない感じがしましたが、二組の家族が交流するところから俄然惹き込まれて、最後は優しく読み終えることができました❗️ 愛する人を喪った悲しみは簡単に癒えることはありませんが、瘡蓋のように時間を掛けて日常に溶け込んでいくのだと感じました❗️ 心にジンワリと染み込むオススメのラブストーリーです❗️

    16
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    映画で気になっていた作品だったが,なんとなく本木さんが嫌いになりそうな役柄だったので,見るのに躊躇していた。(好きなので嫌いになりたくなかったから)なので小説で読んでみようと思ったのだけれど,配役を知っていたので脳内で役者さんに当てはめて読んでしまった結果,最初,失敗したと思った。本当にこんなに好きになれない主人公はなかなかいないくらい性格の悪い主人公。 ただ子どもたちの交流を通して,愛を少しづつ知っていくところに救われた。 ー愛するべき日々に愛することを怠ったことの,代償は小さくはない。 この一文は,自分も心に留めておきたい。

    1
    投稿日: 2025.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    四十代、人気作家の妻が、高校からの友人とスキー旅行へ行った際、バスが崖から落ちて、友人ともども帰らぬ人となる。友人の夫と初めて会ったのは、被害者の会。八歳ほど若く、まだ三十代のその夫は、まっすぐな激情型で、妻の死を大いに悲しみ、憤っているが、作家のほうは、もうずいぶん前から妻との仲がうまくいっていなかったこともあり、また、元来のひねくれた性格ゆえ、悲しめない。事故の時、若い編集者を家に連れ込んで性交していた負い目もある。作家のほうに子供はなかったが、友人夫婦のほうには小6と4歳の子供があり、作家は、母親を失い、生活の立ち行かなくなった家族を見て、トラック運転手という不規則な仕事をしている父親に代わり、塾のある日だけ、子供たちの面倒を見ようと申し出る。 これもずっと読みたいと思ってて、ついに読んだ。映画は見ていない。なぜか、妻が不倫相手と一緒に事故に遭う話と勘違いしてた。不倫してたのは夫だったが、それはこの話の核ではない。まったく心が通っていないのに、夫婦という形だけ維持してきた夫が、不慮の事故で妻を亡くしたときに、自分の妻がどういう人間だったかわからず狼狽える話だった。自分でも、皮肉屋で、人と同じに感動したりできないと言っているが、これがまったく嫌なクズ夫で、事故後も、普通に不倫相手を抱いたり、気遣ってくれる編集者に暴言を吐いたり、近づいてくるファンを疎ましく思ったり、事故の特集番組をくそくだらないと思いながら作家としての体面を保ったり、する。妻の死を悲しむ様子はない。ただ、ことあるごとに、不在を感じている。 不器用ながらも子供の面倒を見ることで、自分の存在意義を見出す過程はかわいかった。でも、せっかく築いた関係も、むらむらと湧いた僻み根性で、ぶち壊しにしてしまう。その後、トラック運転手が事件を起こし、その後始末をすることで関係は修復する。そうしてようやく、作家は妻の死を実感する。確かに愛し合った日々はあったのに、いつしか空気になり、存在すら疎ましくなっていた日々を悔い、涙する。 映画の人だからかな、登場人物の視点がわりと自由に行き来し、主人公にしても、幸夫、と三人称で書いたり、ぼく、と一人称で書いたりしてあったが、読みにくいことは全然なくて、面白かった。いろんなところに目が行き届いている感じがした。人間は失敗するなあ。それでも生きていかないといけないんだなあ。以下、いいなと思った表現の書き抜き。 「こんがりと日焼けした高い頬骨に、咀嚼力の強そうな顎は、昭和の時代の面立ちを彷彿とさせ、光沢のあるハイネックのアンダーシャツに、見るからに着慣れないツイードのジャケットというその出で立ちからしてホワイトカラーの種族には見えなかった。」 「ああ、月並みだが、子供の瞳というのはほんとうに澄んでいるものなのだ。 幸夫は針のように細い矢で、胸の悪いところを射られたような気がした。」 「留守番を命じられた子犬のような表情になった陽一を見て、幸夫はこころひそかに満足した。腹の皮の内側を、羽根でくすぐられるような愉楽があった。」 「陽一にも、この女性にも共通する年甲斐もない純真無垢のようなものにも、ほとほと嫌気が差す。ただ悪意が無いことをかさにきて、無遠慮に他人の領域や後ろ暗いところに踏み込んできては、心を荒らす。」

    2
    投稿日: 2025.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全部が人間臭い 最後の 生きてる時間を舐めてた って表現がブッ刺さりました 夏子の気持ちわかりみが深い どこまでがフィクションなのか線を探す感じ 昔の恋人にちょっとすがる感じ

    2
    投稿日: 2025.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    理屈っぽく愛を知らない幸夫と、直情的で愛に生きる陽一の組み合わせがおもしろかった。 母親を失った子どもたちが幸夫に心を開いていく過程や幸夫が愛の形に気づいていくのは微笑ましかった。 ただ、幸夫があまりにも自分勝手で子供っぽくて、そのせいで感情移入できないところが多すぎた。

    1
    投稿日: 2025.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2024/6/18 西川美和監督「永い言い訳」が観たいと前から思ってたけど中々機会がなく先に本を読んだ。何か、すごい、好きな話だった。人間がよく描けているなぁって。良かった。脳内キャストは誰もヒットしなかったので恐る恐るググってみたけど…う〜ん、、どうだろう、でも観るの楽しみ。

    1
    投稿日: 2025.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    愛するべき時に愛することを怠った代償。 気づくの遅すぎ!と思いながら、 少しづつ幸夫の気持ちがほぐれていくのを 見てた。 真平とあーちゃんとの交流は、不器用ながらも 微笑ましくて、幸夫のダメさもいつのまにか、 憎めなくなった。 生きていくためには思うことができる存在が 必要と気付いた幸夫が、自分自身の納得できる 言い訳を見つけられて、良かったと思う。 この先は、永い言い訳をしながら、自分と 向き合っていくのかな? 映画も見てみたい。

    5
    投稿日: 2025.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実写がもっくんと深津絵里だと分かったうえで読んだせいか、あまり感情移入はできなかった。 それでも、この作家の作品はもう一冊くらい読んでみたいかな。人の性の奥深い部分に気づかせてくれるかもしれない、と感じたから。

    5
    投稿日: 2025.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    映画キッカケでこの作品を知って気になってたのだけど、映画見る前に読んでみた。 真平とアーちゃんと打ち解けていく過程、4人での何気ない幸せな日常がとても好き。子守初日の主人公とアーちゃんのやりとりが面白かった。 最後の夫たちから妻への手紙もグッときた。 身近な人を大切にしたいと改めて思う。いつ何が起こるかわからない。生きてるうちに、今、大切にしないと。

    0
    投稿日: 2025.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    パートナーの死がもたらすものは何か。 残された家族が幸せだったパターン。子供がおらず夫だけ残されたパターン。 この2つの家庭が交流し合う中で、それぞれの葛藤などを描いた作品。 子供の柔軟性。妻を愛していた夫の辛さ。妻を愛していないと思っていた夫の心の底にあるものが揺らいでいくさま。 素晴らしかったです。 他の作品も読もうと思います。

    0
    投稿日: 2025.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ☆3.5 読みやすかった よつばと!とかばらかもんみたいなお兄さん?とちっちゃい子のほのぼのライフ好き ※この話はただのほのぼのでは無い

    19
    投稿日: 2025.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻を突然亡くしてからの夫の再生記みたいな感じかと思ってたけど、もっと奥深い話だった。冷めきった夫婦が相方を亡くし、同じ境遇の家族と自身の対比で落ち込みながらもその子供達と触れ合いながらようやく妻の死と対峙して自分が知らなかった妻の一面を知って後悔を抱えながらもがきながら生きていくみたいなことなのかな。どの家族もそれなりの問題を抱えていて見る角度や人によって良くも悪くも違ってみえるんだと思った。

    2
    投稿日: 2025.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この幸夫の今風というかなんか人間的には欠陥があるとか言われそうでも能力があって能力があるからこそ欠陥を指摘されるような人がでも顔もいいわけで妬みもあったりして、そういった諸々が実に今っぽいというか。皆がそれらしく常識人として振る舞っている姿もそれなりに異常っぽくもあり、普通なようでもあり。でもやっぱ言いたいことを心に留めたり酷いこと言ったり。そんなグチャグチャが幸夫のおかしさに隠されてユーモアになってまぁ語り口も楽しい。 なんか救われるような救われないようなラストもたまらん。 というわけで不思議な面白さだったわけですよ。

    1
    投稿日: 2025.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    章ごとに違う人の視点で描かれていて、主人公の背景と変わって行く心理描写がわかりやすい。 ブクログの皆さんの感想を読むと、幸夫は自己愛強めの嫌な奴、好きになれないって感想も多かったけれど私はなんか嫌いになれない。人間だれでも人には言えないような気持ちに言い訳しながら生きているとこあるんじゃないかな。陽一のように純粋でストレートな人も幸夫のような人もどちらもとても人間らしい。どちらにしても人間は他者がいなければ生きられないんだよね。

    8
    投稿日: 2025.02.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2025年3冊目。 後半にかけてどんどん面白くなっていく。最後はなぜか涙が出てきた。近い人を失ったことがある人には刺さるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    亡き妻に、家族のように過ごせた友に 子どもに そして自分に、、 言いわけは果てしない きぬがささちおの再生を祈る

    1
    投稿日: 2025.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白い! 個人的には「ゆれる」よりヒットしました。 いや、それは「ゆれる」は映画を先に見て、オダギリさんの演技が許せないという個人的な感情が邪魔してるだけかもしれませんが。 「永い言い訳」の映画は見てません。これからも見ないことにします。 身近な人が死んで、本当に泣けるようになるには、実は時間がかかる、葬儀の時なんか全然泣けない、その感覚に共感。 僕は15で父が死んで、ホントに泣けたのは19の時だった(たぶん)。 自分のむしゃくしゃを、無罪の子供にぶつけてしまった時の、罪悪感と死にたいような気持ちにも共感。 あの思いを二度としたくなさすぎて、今は子供が思い通りにならなくても、怒らなくなってしまった(それで良いかは分からんけど)。 文学的にどうこうとか思うより、シンプルに引き込まれてどんどん読んで、推理でもサスペンスでもミステリーでもないのに、あっという間に読み終わった、そういう作品。 けど、どうなんだろう。奥さんを亡くした男性の話だから、男性の自分にハマったのか。 身近な女性の感想を聞いてみたい作品。

    7
    投稿日: 2024.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「いつか君に出会って欲しい本」にて紹介されており手に取る。 出だしで、いきなり永い言い訳が説明され、結構驚かされる展開、終わるので短編集かと思った、が話は続く。なかなか見ない構成だな。 バスの事故で妻を亡くした小説家の主人公、同じバスの事故で妻を亡くしたトラック運転手の家族にふれ、死や生きることを考える。 主人公駄目人間加減とトラック運転手家族の対比も面白い構造を作っている。 多くの本、小説でも問われているが「大切な人が急に死んでも後悔しない生き方をしているか」と言う問題を改めて考えてみる。大切人が病気で余命何日となっても、特に後悔や行動を変える事もないかと思うと、出来ている気はする。家族仲は良いと今は思う。 ふと、出だしに説明されていた、永い言い訳の行を再度読んでみる。ん?いるかこの文。 booklogをいじっていて気づく、あ、これ再読だな。良いと評価した本なのに、全然覚えていない自分に驚く。でもまあ、面白い小説を新鮮な気持ちで2度も読めたと思うことにする。

    1
    投稿日: 2024.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻をバス事故で亡くした作家・津村啓こと衣笠幸夫。妻の親友も同じ事故で亡くなり、その夫と子供2人が残された。残された4人で家族が再生されようとするが、そう簡単にはいかない。衣笠幸夫がダメ男すぎて、自分には許容不可能。感動ストーリーがかなりマイナスされました。

    30
    投稿日: 2024.09.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公がクズ過ぎる上に幼稚過ぎるけどそれとは裏腹に巧みな言葉で物語が紡がれていて最後まで一気に読んでしまいました。自分自身や、身近な人に必ず訪れる死について考える時間になりました。

    1
    投稿日: 2024.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    衣笠幸夫(津村啓) 二浪して大学に入学する。就職活動の帰りに美容室に入り、田中夏子と再開するし、のちに結婚する。四年勤めた出版社を辞めた。小説家。 衣笠夏子 幸夫と大学で同じ語学クラスで顔見知りになったが、まもなく大学を辞めた。美容学校へ通い、美容師の資格をとった。旧姓田中。旅行のバスの事故により死亡。 栗田琴江 大友辰彦 スタイリスト。 ゆき 高校を卒業して以来、毎年二人旅をしている。再婚後、出産育児で中断していたが、下の子の灯が、二歳半になるのを待って再開した。旧姓橘。旅行のバスの事故により死亡。 大宮洋一 ゆきの夫。 灯 ゆきの娘。 真平 ゆきの上の子。 アリムラタイチ 小学校の時の友達。 岸本 作家・津村啓のタレント業務のマネジメントをしている。 福永千尋 R社の編集者。 加藤 J社。 伊藤 文芸担当。 Tさん 作家。 安藤奈緒美 幸夫と大学の同級生。夏子とは大学に入って最初の友達だった。 桑名弘一郎 R社の副編集長。 大迫 R社の編集長。 松本 真平と塾で同じクラス。 梅垣 松本と同じ学校。 タカシ フランス料理屋の店員。 土井 制作会社バンブークリエイトのプロデューサー。 田原 ディレクター。 地主暁子 鏑木優子 サイエンスショーの女性。 田野原泰子 風俗店従業員。 小城聡 山梨県警鳴沢署司法警察員警部補。 喜多嶋恒彦 弁護士。

    1
    投稿日: 2024.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これで好転する、と思ったらこじれて また復活してこんどこそ と思ったらまた躓いて そんなことを繰り返しながら「家族のようなもの」になってゆく。失った本当の家族とは「家族」になりきれなかったのにさ。 再生と破壊を繰り返してゆくうちに、後ろめたさを感じながら、言い訳を見つけてゆく。ああしてあげればよかった、こうすればよかったのか。 その言い訳は、生きながら探して見つけてゆくから「永い」。

    2
    投稿日: 2024.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    愛の冷めた夫婦と、幸せに見える子供2人の4人家族。両方で妻(母)を失って、夫である幸夫と陽一がそれぞれ妻のいない人生を歩んでいく話。 ラブストーリーとも、家族の物語とも、成長の物語とも違う気がする。 妻を失った直後の感情、だんだんと生活の変化に慣れること、自分や他人を責めること、向き合うことから避けること、子供に自分の存在意義を求めること、自暴自棄に生きる意味が見出せないこと、さまざまな感情が渦巻いて、簡単に前に進めるものでもない。前がどこかもわからない。 永い言い訳、と言うタイトルは、そんな中で人は永久的に自分自身を納得させようと言い訳し続けると言うことか。 でも死と向き合うこと、妻と向き合うこと、現実と向き合うことを少しずつしながら、時には言い訳もしながら、生きていくんだろうと最後には希望も持てる本。 「泣ける本」とオーダーして選書してもらった本だけど、すこーしだけ泣いた。感情昂って泣くよりも、ジーンとくる本だった。

    1
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    もしこれが実話だったら、いくら永い言い訳をされても私が亡くなった妻だったら幸夫を許せない…笑 こういう妙に薄情なダメ男は、実在していそう。 亡くなった妻の友人家族と深く関わって喜怒哀楽を共にする様子は憎めなくてハートフルな気持ちになった

    1
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同じ事故で妻を亡くした男と母を亡くした子供たち__まるで家族のように過ごす日々が彼らを前に進めていく。ハートフルかと思いきやそんなことはない...綺麗に描きすぎない人間味溢れる話でとても良かった。読み終えてタイトルの"永い"っていいなとしみじみ思いました。

    2
    投稿日: 2024.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あらすじをみてハートフルな感じになるのかと思ったらそういうわけでもなかった。子供たちとふれあって元気を取り戻していく、でもいい話だと思ってしまうけどそれだけの話じゃなかったのがおもしろかった

    1
    投稿日: 2024.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の言動、心情に終始寄り添い、振り回され、無事着陸(読了)。 主人公の非道い部分に共感したかと思えば、 周りとの出会い・会話で人格者のように改まっていき、「おい、非道仲間の私を置いていくな」と感じるも、徐々にこういう面も私にあるなと納得し、 かと思えば、衝動的にそれらをぶち壊し。 人の成長を感じて(信じて)読み進めていましたが、人の表と裏を行き来した感覚に落ち着きました。 主人公のまるで子供な純真無垢さを、インテリジェンスで塗り固めた不恰好な大人。 愛してもいなかった妻の死、愛した母を亡くした家族。 各々の面で自身と重ね、現状の幸せを噛み締めました。

    7
    投稿日: 2024.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった。 最初は人間味のない、ドロドロした話かなと思いましたが、徐々に融解していきました。 多人数の視点で書かれており、個々の心情がよく理解できたので、良かったです。

    1
    投稿日: 2024.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    事故をきっかけに仲良くなった子供を通じて、愛について学んでいく物語。 人は人を通じて学んでいく。 主人公の変化していく気持ちが悲しくて愛おしい。

    1
    投稿日: 2024.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分にしては珍しく、本のタイトルをよく思い出す小説だった。そしてそれは、この物語全てを締めくくる言葉だ、と考えることが容易だったからだろう。 この話は幸夫の永い言い訳そのものだ。だから、結局これら全てが言い訳になる、という結末が見えていた。つまり、読みながらこの感情はいつか言い切ることができるようになる、とわかることができた。 この物語で私の心は何に揺さぶられたのだろう。言い訳であった行動や心情に共感しなかったと思う。ただ、悲しい出来事が起こるたびに可哀想にと同情してた。そういえば、もし自分の相手が死んだとしたら、も考えなかったな。それもまた彼の心情に共感しなかったからだろう。 ただ、この物語は言葉の積み重なり複雑に絡む文章が難解で、しかし結末は見えているのだからそこに足を取られたくない気持ちがして、なのか、先へと先へと読んでしまった。もっとでんっと、ゆったり読んでみたいものだった。 まあ、だが面白かった。他の作品も読もうと思う。 そういえば、読み終えてから始めのページをパラパラと見返してみると、初めはここでいう「言い訳」を定義するような話から、そういえば幸夫は美形で名前にコンプレックスがあったことを思い出した。そしてこのような外見的なことは読み進めていくうちに薄くなり、幸夫の内面的なことばかり描かれていたことに気づいた。

    2
    投稿日: 2024.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何の気無しに手に取った一冊にしてはとてもパンチ力のある一冊だった。 小説の魅力の一つに文章から、この先自分では体験しないであろう人生を追体験できるというのがあるように私は思うが、この本は登場人物の心境が事細かに描かれておりリアリティに舌を巻いた。 衣笠幸夫のように非常になれたり、大宮陽一のように家族の悲しみにやるせ無くなり少し荒れたり、大宮真平のように自分の境遇に対する不平不満に押しつぶされそうになったり…。 読者自身は妻、家族をバス事故で亡くした訳でもないけどその心情がヒシヒシ伝わってくるような、鬼気迫る一作でした。 本当にながいながい言い訳でした。

    8
    投稿日: 2024.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    愛妻家とそうでない主人公の妻が不慮の事故で亡くなってしまう物語。 ひとを愛することとは…ということを投げかけるストーリー。 『長い』でなく『永い』言い訳の意味がわかったような気がします。

    33
    投稿日: 2024.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あなたは、愛する人を不慮の事故で突然亡くした人のその後に、どんな人生を思い浮かべるでしょうか? この世には思いがけず命を落とす不慮の事故が後を絶ちません。ツアーバスによる痛ましい事故など記憶に残る事故も思い浮かびます。そして、事故で不幸にも亡くなった人の多くに家族がいたはずです。そんな家族の視点から見れば、行ってきますと元気に見送った瞬間、それがまさかの最後の時間になってしまうとはよもや思わなかったはずです。 予期せずいなくなった家族を思う感情の一方で、そんな家族がいなくなった後も日常を生きていく家族たち。報道で事故により亡くなった人たちの存在は意識しても、私たちは残された家族の存在までは見えません。そんな家族たちはその後何を思い生きていくのでしょうか? さてここに、『妻を突然事故で失った作家』のその後の人生を描いた物語があります。売れない時代を支えてくれた妻の存在。この作品はそんな作家が同じ様に妻を亡くした男性と知り合う様を見る物語。そんな出会いの先に作家の感情に変化が生じていくのを見る物語。そしてそれは、あなたが「永い言い訳」という書名の意味を深く噛み締めることになる物語です。 『だいたい名前を言えば、人に一発で覚えられるだろ』、『だからそれが嫌なんだよ』と父親に自身の名前が不服であることを言い続けるのは主人公の衣笠幸夫(きぬがさ さちお)。『広島東洋カープの衣笠祥雄選手』と同じ名前であることをマイナス感情に思う幸夫はやがて作家となり『「津村啓」というペンネームを持』つことになります。そんな幸夫は『大学四年生になった』時、『就職活動の会社面接が一つ終わった帰り道、伸びすぎた髪を切ろうと通りがかりの美容室に飛び込』みました。そして、『首にケープを巻かれた時に』担当してくれた美容師が、大学の『同じクラス』だったものの後期に入って辞めてしまった同期生だと気づきます。『衣笠君と』呼ぶ彼女は『ずっと憧れてたのよ。子供の頃から人の頭をいじるのが好きで』と語りますが、幸夫は彼女の名前がどうしても思い出せません。結局、『平謝りで名前を尋ねると、彼女は笑い、夏子だよ。田中夏子です』と答えてくれました。そんな再会の先に結婚した二人。その後、出版社に就職した幸夫でしたが、『入社当初から文芸の担当に希望を出』すも叶わず、『週刊誌の女性グラビアページを担当』する中に『書くなら今だ』と退職し『退路を断』ちました。『賛成。でないとあなた、書く前に作家ってものが嫌いになっちゃうと思う』言ってくれた夏子が『自分の美容室を出すつもりで蓄財もしてきた』ことを背景に生活を支えてくれます。とは言え『書いても書いても、何の賞にも引っかからず…』という日々を送る幸夫でしたが、ようやく『作品が少しずつ人々の目に留まり始め』ます。そして、夏子が『家計を支える必要はなくなり、四年前にはついに自分の美容室も開』くことができました。しかし、『安堵という感情と引き換えに、私は私の生きている意味を、すっかり見失っ』てしまった夏子。 場面は変わり、『毎年恒例にしてきた』『二人旅』で、ゆきちゃんとの待ち合わせ時間を気にする夏子。そんな夏子は、『リビングのテレビ』に映る幸夫の姿を見ます。そんな時『ついこないだ収録したのに、ずいぶんオンエア早いんだな』と帰宅した幸夫が部屋に入ってきました。『髪の毛どうするつもりなの』、『明後日パーティだから切らなきゃって言ってたよね』と訊く夏子は『三十分後には出る』と告げ、幸夫の髪の毛を切り始めました。『一体いつから、こんなに気詰まりな関係になったんだろう…さりげない会話の糸口が一つも見つからない』と思う夏子は、カットの後、『後片付けは、お願いね』と言い残すと家を後にしますが『それが、衣笠幸夫と衣笠夏子の、別れの挨拶となった』という瞬間になってしまいます。 視点が変わり、『やっぱり不憫なもんよ。お前が言うか、と言われるだろうけど。だって売れない時代、十年近く、文句も言わずに旦那のこと食わせてきた挙げ句、こんな小娘に寝盗られちゃうってさ。哀れだよ』と思うのは『愛人』の『私』。そんな『私』が、チャンネルを変えると、『山形県の、なんちゃら村のなんちゃら峠で、スキーツアーの観光客を乗せたバスが下りのカーブを曲がり切れずに…』とニュース報道が流れます。『あーあーあ。と、先生と二人、声を揃え』て見る『私』は留守電が録音されるのを聞きます。『お尋ねしたいことがございますので、メッセージをお聴きになりましたら、おかけ直し頂けますか』という声は『山形県警のひとから』でした。 再び視点は変わり、『戸沢村温泉ホテル支配人の浜口と申します…』という留守番メッセージを聞くのは大宮陽一。『チェックインされているお客様の中に、オオミヤ・ユキ様のお名前はございませんでした』というメッセージに衝撃を受ける陽一は息子の真平、娘の灯とともに事故現場へと向かいます。 幸夫と陽一、ともに事故で妻を亡くした二人が繋がりを持ちながらそれからの日々を生きていく姿が描かれていきます。 2016年本屋大賞で第4位にランクインしたこの作品。そんな作品は、”長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。悲しさを’演じる’ことしかできなかった津村は、同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語”と内容紹介にうたわれています。映画監督であり、脚本家でもあるという作者の西川美和さんが描かれたこの作品は同年に本木雅弘さん、深津絵里さんらが主演で映画化もされています。 私は今回初めて西川さんが執筆された作品を読みましたが映像のプロでもいらっしゃる西川さんならではの文字表現にまず着目しました。それが一番感じられたのが、事故で亡くなった夏子の遺影を描写したこんな表現です。  『数年前に美容業界の専門誌の取材を受けた時、プロのカメラマンに撮ってもらったもので、髪型も化粧も、普段に増してきちんと整えられ、ごく浅い被写界深度のフォーカスは、澄んだ瞳とまっすぐな鼻筋にのみにぴったりと合って、まるで映画の一場面から切り抜いてきたようだと思った』。 『映画の一場面』というからには元の『映画』のイメージがあるはずであり、それは西川さんが普段から撮り慣れていらっしゃるものなのだと思います。また、そんな遺影を抱える幸夫が挨拶から車に乗り込むまでの表現には、映像が浮かび上がってくるかのような表現もなされていきます。  『ぼく自身が途中で声を詰まらせると、今だとばかりに報道のカメラのシャッター音が蟬時雨のように連なった』。    ↓  『遺骨を抱えて用意された車に乗り込むまでの間もシャッターは鳴り止まず』    ↓  『中には直接マイクを向けて質問を投げかけてくる記者もいたが、軽く会釈を返すのみでぼくらは伏し目がちにその間をすり抜け、葬儀場を後にした』。    ↓  『動き出した車の後部座席からふとルームミラーを覗いて自分の顔を見ると、朝自分でセットした前髪が妙な分け目に割れて犬のちんこみたいに額に垂れ下がっていた』。    ↓  『ぼくは小さくため息をついた』。 いかがでしょうか。ほんの一部分の抜き出しにも関わらずそこには映像が浮かび上がってきます。この作品はそのまま映画の原作でもあり文字から映像が出来上がっていく途上を見るようにも感じました。また、映像に繋がるのではなくあくまで文字の表現として魅せてくれる箇所も多々あります。巧みな比喩表現を三つご紹介します。  ・『夏子は、不発弾のように埋まっている幸夫の才能に期待を寄せてくれる唯一の他人だった』。  ・『幸夫くんは、寄せては来る波に怖じ気づくことなく、がむしゃらに迎え撃った。思ったより意気地があり、思ったより器用で、思ったより波に乗るのがうまかった』。  ・『大きすぎる喪失に打ちのめされた人々はどこか川を隔てた向こうの住人のようで、よもや自分がその川を渡って対岸に行くようには思えなかったのである』。 『不発弾』、『波』、そして『川』という三つの例えはなかなかに絶妙です。読んでいて心地の良い比喩表現の数々。映像視点だけでない魅力がこの作品にはあると思いました。 一方で、この作品は、理解が難しいと感じさせる表現に全体が覆われているように思います。正直なところそれが何であるのかになかなか気づけなかったのですが、柴田元幸さんによる〈解説〉の次の一文が鮮やかに解き明かしてくださいました。  “物語は複数の視点が入れ替わり立ち替わり現われる形で語られる”、”複数の語りがパズルのピースのようにピタッと合わさって最後は全体像がきれいに出来上がる、ということでもない” この作品では、章と言ってよいのかはわかりませんが、小見出しが二十ヶ所以上に付けられています。『妻』、『愛人』、『ぼく』、『奉公娘』、『編集者』…といったものとアイコンのようなイラストで区切られるものがあります。この小見出しによって視点が交代するのは分かるのですが、その切り替えがあまりに多いのと、今ひとつぼんやりとした切り替えにも思われる部分もあり、全体像が少々掴みづらいと感じました。 そんなこの作品は衣笠幸夫(ペンネーム: 津村啓)と、大宮陽一という二人の男性が、同じバスの事故によって一夜にして妻を失うという共通点をキーに展開していきます。二人のうち、より比重が置かれるのは作家でもある幸夫です。作家でもある幸夫は、駆け出しの作家として売れない時代を、美容師として働く妻の夏子に支えられながら生きてきました。それが、作家として芽が出始めたことで二人の生活は一変します。『安堵という感情と引き換えに、私は私の生きている意味を、すっかり見失った』という夏子の一方で、夫の幸夫は妻の留守に愛人を自宅に招き入れるなど二人の心が冷えてしまった様が描かれていきます。幸夫にとってはそんな中での妻の急死という構図になります。一方で陽一は、息子の真平が私立中学受験に邁進する一方で、娘の灯はまだまだ手がかかる中、『中距離から長距離の輸送の仕事』を続け、妻の急死という状況に追い込まれました。物語では、そんな陽一の家庭に独り身の幸夫が手を差し伸べていく様子が描かれていきます。そんな中に幸夫に大きな変化が訪れます。  『一体何だろうか。この突発的に現れた庇護欲と使命感と、そして充足感は。父性を飛び越して、母性に走ったか』。 物語は作家でもある幸夫の新たな一面も描かれていきます。微笑ましいとさえ思う幸夫の変わりようが描かれていく場面はもしかするとこの作品の一番の読みどころかもしれません。  『色々やって分かったけど、育児の大変さに比べれば、仕事なんてたかが知れてると思ったね。とにかく彼らは生きてるんだもん』 そんな風に語る幸夫の変化には読者も驚愕させられます。そして、そんな幸夫は妻に対する思い、亡くしたからこそ初めて気づくことのできる感情の存在に気づいてもいきます。  『自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいになる。ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる』 ”予期せず家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか ー”。まさかのバス事故により妻を失った二人の男性の心の動きを描いていくこの作品。そこには、喪失から再生へと至る人の思いのあり様が描かれていたのだと思いました。  『それが、衣笠幸夫と衣笠夏子の、別れの挨拶となった』 全く予期せぬ中に、妻との突然の別れを経験することになった二人の男性のそれからが描かれたこの作品。そこには、同じく妻を亡くしたといってもそれまでの前提が全く異なる二人の物語が描かれていました。映像が見えるかのような表現に魅せられるこの作品。視点の切り替えに少し戸惑うこの作品。 『長い』ではなく、「永い言い訳」と付けられた書名に、人の届かぬ思いを強く感じる、そんな作品でした。

    243
    投稿日: 2024.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    “時間には限りがあるということ、人は後悔する生き物だということを、頭の芯から理解しているはずなのに、最も身近な人に誠意を欠いてしまうのは、どういうわけなのだろう”

    2
    投稿日: 2024.02.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前に映画を見たので、なんとなくはわかっていたけれど、原作を読みたくなって。 妻が事故で突然亡くなったあとの夫の毎日。 感情が乏しいというか、冷たい印象の主人公が、大宮家と関わるうちにだんだん人間になっていくような感じがした。 映画のキャスティングがぴったりな内容だった。

    8
    投稿日: 2024.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    三連休は光の如し……。 ってな事で、西川美和の『永い言い訳』 やっぱり西川美和さんはええっ! 同郷の広島じゃけぇと言う訳でもなく、ホント内容が心揺さぶると言うか、鷲掴みされる思いになるなぁ。 津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)…………。 内容書こうと思ったけど止めた(笑) 読んで貰いたい本じゃね。 夫婦愛と家族愛、夫婦憎と家族憎、他人愛と他人憎。 突然の分かれの悲しみは長い時間で薄れるかもじゃけど、想いは永い時間で薄れない。 映画も観たいっ! 2019年8冊目

    1
    投稿日: 2024.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルの永いいいわけは奥さんに対する言い訳で、この本自体が主人公の書いた追悼の小説。 奥さんの事故で、これまでの主人公の至らないところや足りないところが成長していく物語。 小説家らしい難しい言い回しもあったけど読みやすかった。

    1
    投稿日: 2023.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の男性は妻の死を受けとめるまでここまで時間を要したんだなという印象が強く残った。 身近な人の死を受けとめ受け入れて生きていくということはとても辛く自分の心を消費することであって並大抵のことではない。これでもういいなとかここまできたからなどということではないので本当に人それぞれである。 命がなくなるということは物理的にも人の気持ちにも迷惑がかかる。 本当にその通りだなと思いました。 主人公幸夫は好ましいような性格ではないけれども読めば読むほど人間の陰の部分、負の部分が人間味溢れていて逆に共感できる部分であった。 永い言い訳 身近な存在ほど失ってみないと後悔も感謝も実感できない。 言い訳し続けないように生きていきたい。

    11
    投稿日: 2023.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    西川美和さんの作品は今回初読み。 人気作家の津村啓(本名:衣笠幸夫)は、ある日突然妻を不慮のバス事故で亡くす。長年連れ去った夫婦だが、2人に子供はおらず夫婦関係も冷め切っており、妻が亡くなったその日も幸夫は愛人と密会中だった。 事故は妻が親友と旅行中に起きており妻の親友も亡くなってしまう。被害者の会で、妻の親友の夫大宮陽一と幸夫は出会うが、愛妻家で2人の子持ちで直情型の陽一と全く正反対の幸夫。ふとしたきっかけで、陽一の子供たちの世話をかって出ることになった幸夫だが・・・ 最後は心温まる何かが得られるような期待があって読み進めたが、再生だとか、救いだとかそういう互いの物語ではなかった。 愛した人を亡くすということ、愛してくれた人を亡くすということ、遺された者の生き方、飾りごと抜きで真正面から向かい合わずにはいられない作品だった。読み手の思考を誘導せず、分かりやすい応えを導くのではなく、ただその心情を剥き出しに表現し訴えかけてくるので、心して読まないと迷子になりそうな危うさすら感じた。 幸夫と陽一の気質が全く違うのに、場面によっては其々に共感してしまった。 これが遺された者の変化なのかもしれないし、「長い」言い訳でなく「永い」言い訳ならば、きっと遺された者が生きている間は、その死に対する受け入れ方は変化し続けるんだろう。そして、いずれそれが亡くなった者への供養に繋がっていくんだろうと思う。 それにしても、幸夫くん。 なんとも不器用でシニカルだなぁ。 作家になる為に、犠牲にして手に入れたものの価値って如何程だったんだろう・・・ 愛してくれたなっちゃんが生きている間に、もっと気付けた筈だし変わって欲しかったなぁと切なくなった。きっと、なっちゃんも沢山言い残したこと、話したかったことあっただろうなぁ。 たとえいつ亡くなったとしても、どんな終わり方を迎えても、自分なりに納得出来るような生き方をしていきたいと思った。

    21
    投稿日: 2023.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻を亡くした男と、母を亡くした子供たち。 それにまつわる人々の多視点による長篇。 人には様々な顔や思いや過去があり、それは本人以外にはある一面のほかは知る由もないし、また他者からは自分が自分の思いもよらない人に映っているものなのかもしれない。 人物の描写や様々なシチュエーションはどれも或いは特殊なのにリアリティがある。 悲しくて苦しくて切ないけれどシニカルで何だかおかしい。 全ての視点は繋がりそうで繋がることは無い。 でもそういうものだし、それでいいし、自分で落としどころを見つけながらそれでも生きていくのだな、と思えました。 そしてわたしは幸夫くんが何故か好きだし幸せな夫であって欲しいなと思いました。

    17
    投稿日: 2023.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    酷い男だなーと思いながらも、共感するところもあり… でも、人生って、もっと楽しいもののはず。と信じたい。、

    1
    投稿日: 2023.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    見えない世界を見ようとしてるうちに、見えてるはずの世界を見失ってしまうの。世界の進化なんかより、見えてるものをちゃんと見るほうが、ほんとはむつかしいんだよ。 愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくはない。別の人を代わりにまた愛せばいいというわけでもない。色んな人との出会いや共生は、喪失を癒し、用事を増やし、新たな希望や、再生への力を与えてくれる。喪失の克服はしかし、多忙さや、笑いのうちには決して完遂されない。 あのひとが居るから、くじけるわけにはいかんのだ、と思える「あのひと」が、誰にとっても必要だ。生きて行くために、想うことの出来る存在が。つくづく思うよ。他者の無いところに人生なんて存在しないんだって。人生は、他者だ。ぼくにとって、死んだ君が今の今になって、「あのひと」になりつつあるような気もするよ。

    1
    投稿日: 2023.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    みっともないところも客観的に押さえられているから、「こいつは、アカン。」って思いながらも、復活ポイントでちゃんと感動できる。

    3
    投稿日: 2023.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どんな家族のかたちも否定も肯定もしない。 相手がこどもでも、大人と変わらない言葉で接してくれる大人の存在は大きいと思う。 『見えない世界を見ようとしてるうちに、見えてるはずの世界を見失ってしまう。世界の進化なんかより、見えてるものをちゃんと見るほうが、ほんとはむつかしい』 『人間のこころだから、強いけど弱いんだよ。ぽきっと折れるときもあるんだ。大人になっても、親になっても。君らのこと、抱きしめても足らないくらい大事でも。』 『悲しいことは起きるけど、そのとき世界のどこかでは、また嬉しいことも起きている』 これを信じて日々を大切に過ごしたい。

    2
    投稿日: 2023.08.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    病棟の談話室に残された1冊 しばらく読み進めてから気がついた 「これ、テレビで映画観たわ。途中で観るのやめたけど」 映画は暗い暗い映画だったっけ 色んな人の視点で語られて、物語が進められていく どこかでこんなのあったなぁって考えてたら、あとがきに答えが載っていた 芥川の「藪の中」だ あれほどは話は食い違わないけれど… チャプターマークの形が色々で、こりゃなんだろうと、これまた謎解き こちらは読み終わっても答えがわからず 指揮棒の動きかなぁ…いや違うよなぁ…誰か気づいてないかなぁ… 他の人の感想読むと幸夫のことを貶している人が多いけれど、人ってこんなもんじゃないの?って思う 幸夫、「幸せな夫」 これって、意図しての名付けなのかな

    1
    投稿日: 2023.05.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大好きな映画監督でもある西川美和さんの、同名映画の原作でもある本 この主人公の姿を僕は嗤う事ができない 自己愛が強く、かつそれに自覚的であるが故に、結果的に虚しさのみが独り歩きをしていくような その様子は確かにエンタメとして面白おかしくはあるのだけど ずっと心の奥底をくすぐられているような居心地の悪さを感じさせられる 劇的な再生・立ち直りの物語ではない、細やかだが大きな折り合いのつけ方をしたようなラストが好み 「永い」言い訳を、それでいいのだ、と解釈してくれる柴田元幸さんの解説に救われる

    1
    投稿日: 2023.05.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     人生とは他者だ。  他者の認識、共感、感応、時に搏闘。そう云ったものの中に見出される意義ある現象だ。

    1
    投稿日: 2023.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    先に映画を観てしまったので、読んでいてもその俳優さんを当てはめてしまいましたが、お話はやはり小説で読んでも良かったです。作家の津村が作家としてではなく、衣笠として家族と関わり、自分と妻の関係性を省みたり、今までに感じたことのない感情を持ったり、人や子供との関係で変化していく過程が良い。西川美和さんの人間の描き方がすごく好きです。

    0
    投稿日: 2023.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本当にめちゃくちゃながかった。 でも人間の弱いところや狡いところ、それをやっと認めるところが描かれていて良かった。

    0
    投稿日: 2023.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言い訳と小さな嘘は、自分の気持ちを隠す盾みたいなものかなと思っている。 突然の観光バス事故で、妻を失った作家。彼は、自己愛が強く自尊心が高く自己中心的な男。妻との関係も事故が起きる随分前から壊れ気味だった。 突然の事故で何を失ったかも気付いていない。 この作家は、涙を見せず感情に流されず冷静冷淡に描かれるが、そこから徐々に感情が動いていくところが絶妙なんです。 同じ事故で一緒に旅行に行っていた妻の友人も亡くなっていた。作家は、彼女の残された子供達の世話を買って出る。子供達と過ごすことで、今まで手に入れた事がない充実感に満たされていく。 そこでのP263の一行。-愛を得たのだそうである。-なんて厳しい一行。この作家の行く末に寒々として数日小説を放棄した。 案の定、彼と子供達の蜜月は、彼の子供じみた言い訳で終焉を迎える。 そして、もうひとりの主人公、子供達の父親は、作家とは対照的な男。感情的で情が深いが、相手の見えないところは慮れない。この父親が起こした事件の処理に尽力した作家は、これをきっかけに、新たな子供達との関係を築き始める。永い言い訳に身を任せていた作家はようやく死んだ妻と向き合いはじめる。 感情の表現を修飾語によらず、言い訳の裏に秘そませ中年男の悲哀を読ませていただきました。

    64
    投稿日: 2023.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    衣笠は嫌なやつだなと思うけど、自分の中にも衣笠のような一面はあるなと思ったし、真平に対してはいつも誠実で優しい言葉で話すところは好きだなと思った。

    0
    投稿日: 2023.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本を読んで、愛する誰かを大切にしたいという気持ちよりも、子育てから学ぶ全てのものこそ、大人がより大人として成長するのに重要なものなのではないのか、そんな気がしました。 自分はDINKsが合理的な現代社会の生き方だと思っていたので、合理性を捨ててでも子育てを経験することの重要性を今まで考えられなかったのですが、この本は考え方を変えるきっかけを作ってくれました。 登場人物の幸夫みたいに妻のことをなにも知らないのは問題だと思うけど、逆に相手のことを全て知っているっていうのも変化がなくつまらないものだと思います。 子供がいると、夫婦で協力して子育てしていく必要があるので自然と二人の仲が深まると思うし、子供への接し方を見て、知らなかった相手の一面を知ることができるかもしれない。 昔の人は『子はかすがい』とはよく言ったものだなー、と改めて思わされました。

    2
    投稿日: 2023.03.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    西川美和の映画は見たことが無かったが、小説は初めて。 視点が移り変わり、見え方が変わっていくのが映像的で面白かった。一気に読んだ。 ただ、映画のキャスティングがわかった上で読んでしまったので、まっさらな状態で読みたかったという気持ちもある。

    0
    投稿日: 2023.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    苦しい。読んでいて苦しくなる。 愛する人を失った悲しみ苦しみと、 愛するべき人を失った苦しみ。 作者の逃げない目が恐ろしい。 読者をも逃してくれない。

    0
    投稿日: 2023.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公のクズさ加減とか傲慢な様子とか共感を得られない部分は多いだろう。しかしフィクションでないと出会えない人もいて、その人に対してどう思うかはフィクションでしか養えない感情だ。批判を恐れずに言えば主人公に少し共感してしまった。不倫相手との情事中に奥さんが亡くなった男性の物語。言葉にするとチープだが感じるものはあった。

    2
    投稿日: 2023.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バス事故で妻が亡くなった際に不倫していた男が、同じ事故で妻であり母を失った家族と関わる話 津村啓(本名 衣笠幸夫)はテレビにも出演する作家 ヒット作には恵まれたものの、売れない頃から支えてくれた妻との関係はもう冷えている そんな夫婦関係の中、妻が親友とバス旅行に行った先で事故に遭いなくなってしまう そのとき、彼は不倫相手との情事に浸っていた彼は妻の死で泣くこともなく感情を持て余していた バス会社による事故の説明会で、激しく怒りを現す大宮陽一と出会う 亡くなった大宮ゆきと衣笠夏子は学生時代からの親友で、夏子だけ大宮家と親しい交流をしていた 大宮家には中学受験を控えた真平と5歳の灯がいて、トラクドライバーの陽一が不在の際の子どもたちの面倒をみる事を提案する 大宮家と関わることで夏子の知らなかった側面や子供の良さを知る幸夫 妻が亡くなった悲しみを感じることのできなかった幸夫は妻の死を悼むことができるのか?大宮家との関係はどうなるのか? かなり歪んだ形のグリーフケアの物語かな 同じ事故で家族を亡くした者同士が交流することで、家族の欠けた部分を補うというところが それにしても、幸夫は本当にクズだな 不倫そのものもそうだし、事故後の不倫相手への接し方とか 自己満の子供のお世話とか インタビューでの妻への暴言とか 鏑木さんへの嫉妬とか その後の暴発とか そして、幸夫だけでなく実は陽一も……という展開は意外だったかな 様々な人の視点で描かれているので、同じ出来事でもそんな捉え方があるのかと思える 解説でも書かれてあるとおり、幸夫が子供との関係を楽しむ姿と、それに対して浅瀬だけで海を知った気になっているというのが両立している どの人の視点でも納得できる描写がされているので、物語にリアリティがあると思う

    1
    投稿日: 2022.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    個人的には主人公の傲慢さとか高飛車な感じがあって全く好きになれませんでしたが、それが良いアクセントなのだろうなとも感じました。 本作はバスの事故で突如、妻を失った主人公と同じような境遇にある家族との交流を描く物語。特に上手いなと思ったことは、この2人の対比です。方や、関係性が崩壊しつつあった夫婦に対し、もう一方は順風満帆で円満な家庭。ここに事故で妻が亡くなるという共通のファクターを入れることで、対比構造を保ちつつも、ラストの2人の考え方が際立っているように感じました。 途中、主人公の鬱屈したものの見方や意地の悪い性格に嫌気が来てしまって読むペースが落ちたので、評価としてはまずまずって感じです…

    13
    投稿日: 2022.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    いい意味で複雑な人間の感情が描かれていて良い。 終盤の斜視の女の人が出てきてからの展開のスピード感とエピローグのスッキリ感がなかなか面白く、居なくなってしまった人と折り合いをつけるってなんだろうと自分も少し考えさせられた作品だった。

    0
    投稿日: 2022.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     一気読みするほどには面白かったです。 書き出しの主人公・衣笠幸夫の若かりし頃の『永い言い訳』のセリフを引き出すためのエピソードが妥当だったのかは疑問に想いますが。 ただし、彼の人となりはうかがえます。 『・・・・・僕のビーフストロガノフへの思いはますます募った。 そのうち作ってみるわよ、と母は言った。 母はビーフストロガノフを、作らずに死んだ。』 息子と母、夫と妻の切ないエピソードは、涙を誘います。  また、ある男性が語った" 我が家 "の姿には考えさせられました。 『嫁さんの欠落、子供の欠落、そしてもちろん僕の欠落。 我が家なんてタイヤのパンフした乗り合いバスを、みんなして押しているようなものだ。あっちを直せばこっちがパンク、その連続で、バスはちっとも良くならないし、もはやどこかへ行くのが目的だったのか、それともバスを押すこと自体が目的なのか、わからなくなってるけれど、乗客は壊れたバスを自分たちで前に進ませる力の合わせ方だけは確実に掴んで行く。』  人々の矛盾した思いや行動に、共感もしました。 だけど、・・・衣笠幸夫(作家名・津村啓)は、わたしの好みではなかったかなぁ。どの作家とは言わないけれど、男性作家の描く夫は、可愛い女々しさがある。だから、愛しくて応援したくなる。(単なるわたしの偏見ですかね。)  なので、感動も面白味も味わったけれど・・・なんだかモヤモヤしてしまいました。

    1
    投稿日: 2022.11.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良いです。 読み始めて30ページくらいで、もう絶対いい作品だと思って、誰かに教えたくて堪らない気持ちになり、読了後の今も、沢山の人にこの作品のことを教えたい気持ちです。 人の心のどうしようもない弱さや醜さが気持ちいいくらいに巧みに描かれていて、そうそう分かる、と共感し、自分では日頃イヤだと思っている感情のはずなのに、悪くないかもと思わせられてしまう。 私の好きな作品には、そういった共通点があるように思いました。 いくつか、特に響いた文章を。 「異性のほとんどはこうして、ひとたびどんなに深く交わろうとも、他人に始まり、他人に終わる。(中略)一度はあんなに夢中になって、肌の一部のように感じたひとが、音も立てず、この世のどこかで朽ちて行く。」 「人生が百八十度変わるのに、一日は、十分すぎる長さなのだということを。」 「0+1=1、1-1=0。けれど、1の足される前と後では、同じゼロでもその色合いはずいぶん違う。」 「真実が白日の下に晒されて、満ち足りた気持ちに浸るのは往々にして晒した当人だけである。」 「自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる。簡単に離れるわけないと思ってても、離れる時は、一瞬だ。」 日々感謝の気持ちを忘れずに丁寧に生きていこうと思いました。 こうしてキレイにまとめている私は、きれい事ばかりに目を向けていたい人間なので、きれい事ばかりじゃないけど醜い感情も悪くないかもと思わせてくれる作品が好きなのです。 2016年6冊目。

    0
    投稿日: 2022.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    直木賞候補。本屋大賞4位。 こうあって欲しいと思う展開が幾つも違って進んでいくので、話の筋に対してフラストレーションを何回も感じた。たぶん生き続けること(リアリティー)とはそういう瞬間の連続なんだろう。 いろんな人物の視点で物語が進むのは面白いが、各々の知的水準やそれに応じた語彙力の設定が少しフラついている気もした。

    3
    投稿日: 2022.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この作者は本当に多彩だなと痛感させられる作品。 凄惨な事故で突然家族を失った男性という設定に、家族仲が冷え込んでいたらどうか?という要素を付け足すところに脱帽します。 本単体でもとても良い作品だと思いますが、 映画では描かれない登場人物の背景描写、心情の描写も丁寧で、映画と併せて読むとなお良いと思います。

    3
    投稿日: 2022.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一気に読み切ってしまった。久しぶりに。 解説を読んではっとした。人生いいことばかりじゃないし、嫌なことや葛藤を映し出してこその小説じゃないのか、だなんて陰気臭いことを思っていた一方で、世界は明るいものなのだと思っていたい自分もいて。 そんな二つの相反する気持ちや感情が揺れ動く登場人物たち。その二つの選択肢は、人生誰しも視界に入ってくるもので、どちらにハンドルを切っていくかはその時の状況、気分、経験、思い切りによって全てが変わってくる。 解説にもあったが"永い"言い訳。私たちは生きていく中でどうにかこうにか自分を納得させながら生きていく。生きていかなければならない。芯がなくなってしまった人間は、何に縋って生きていけばいいのかわからくなってしまうからだ。そんな永い永い言い訳を心の中で繰り返し、私たちは生きていかなければならないし、その言い訳を重んじられるのは自分自身なのだと、繰り返し述べたい。

    0
    投稿日: 2022.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    実は先に映像作品を観てしまった。 映画よりも、いろいろな視点が入っていて、印象が少し変わってきた。 何より夏子の目線。 そして幸夫の言葉や、心の動きがよりくっきりしたな。

    2
    投稿日: 2022.05.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    愛がなくなった夫婦。 妻が死んでも悲しくない夫。 まあ、そういうもんだよねと思う。 毒を吐く主人公の心情が分かる。 吐いた後に自己嫌悪に陥り、それでも自分は悪人ではないと思う。 自己否定しているように見えて、自己肯定。 変わりたいと思いながらも、これが自分だからと開き直る。 最後に彼が流した涙は、本当に純粋に妻を思っての涙なのか、それさえも疑ってしまうのだが。

    0
    投稿日: 2022.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間の複雑な心の揺れを丁寧にあらわしていて、西川美和さんらしいと思った。 最後に赦しがあるっていうのは、嫌がる人もいるけど、わたしはきらいじゃない

    0
    投稿日: 2022.02.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    わたしには難しかった。進まず最後まで読みきれない…またチャレンジします… 永い言い訳だけあって長い…

    0
    投稿日: 2022.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半は、妻を失くしてもあっさりな主人公にあまり没入出来なかったのですが、ページを追うごとに自分の身の置きどころや想いに葛藤する部分が出てきて、とても面白かった。 バーで会った人に気持ちを吐露するシーンはもらい泣きしました。

    0
    投稿日: 2022.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    淡々とゆっくりと主人公?の心情が書かれているのが良かった。 最後の方はぐっとくるものがあった。章ごとに語り手が変わりそれぞれの目線があるのも良かった。

    0
    投稿日: 2021.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくはない。 突然の事故で妻を亡くした衣笠幸夫の、愛することを知るまでの物語。 幸夫は事故当初愛人と最中だった。事故前の幸夫と妻夏子の関係はとっくに冷え切ってた。そんな幸夫は妻の死を悲しむことなんかできなかった。 そんなとき、同じ事故で妻を亡くした大宮陽一一家での生活が始まる。 ふたりの子供と陽一と触れ合ううちに、人を大切に思う気持ちが芽生え始める。 愛するべき人を愛せない、って不幸なんだよなぁ。 わたしは人への愛が浅いから、読んでて少し苦しかった。

    0
    投稿日: 2021.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    サチオ君の屁理屈こねくり回したような癖のある物言いが 気にいるかどうか。その部分でこの本の好き嫌いが分かれるだろうなぁと思う。 私は 嫌いではない。 映画を監督した作者が書いてるのだから至極当たり前かもしれないが、描写が、景色が、映画のようで、読みながら容易に、と言うか自動でそのシーンが頭に思い描かれる。私はまだ映画版を見ていないのだけれど、一コマ一コマ、まるでスクリーンで見ているような感覚に陥った。本木さんがサチオ君ということは知っているので、余計に。 私には子供が三人いる。だからこそか、泣けるほど入り込んでしまう。娘の小さい頃、息子の小さい頃、うちの子もきっとこう言う態度をとるだろうな。それくらい子供達の描写が素晴らしい。ただ愛らしいだけではない子供のリアルが感じられて入り込んでしまう。サチオ君の反応も凄くイイ。捻くれた感情の中にもサチオ君の本当は悪くない「人柄」が滲み出て、笑いながら涙がこぼれてしまった。サチオ君と陽一家族の段々と暖かくなる交流にサチオ君と共に本当に入り込んでいたから鏑木先生に嫉妬して本性が現れてしまうサチオ君にはあちゃぁ〜と思いつつも、何だかとても愛おしかった。 とても面白かった。バカで不器用で愛すべき登場人物たち。決して良い人たちばかりではないのに、人間臭くて嫌いになれない。終わり方も素晴らしかった。サチオ君の最後の涙が陳腐じゃない、本当に感動的だった。こんなにスッキリとした気分で読み終えることの出来る小説はなかなかない。素晴らしかったです。

    1
    投稿日: 2021.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私はまだ小説というものの読み方がイマイチわかってないのかな? 人それぞれなのかもしれませんが、スムーズしっくりと表現を受け入れられる時もあるけれど、それが出来ない時が、辛い。 読み始めたら、最後まで読まなくちゃと自分を奮い立たせるのだけど、、 この小説はちょっと時間がかかった。 主人公の男が最悪だから。 (すでにここでこの小説から出られなくなってるんでしょうけどね。) しかもその男は小説家。 不慮の事故で親族を亡くすのって辛い。 でも、それを表現するには生きているときの関係が浮き彫りになる。 悲しんでないわけじゃない、 色々理由(言い訳)があって苦しいんだよね。 私は真平くんと灯ちゃんと幸夫がメチャクチャに遊ぶシーンが好きだな。 構成が面白くて、どんどんストーリーに飲み込まれるのもあった。 結局、オススメの一冊。

    8
    投稿日: 2021.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画がとても良かったので読んでみる事に うん、やはり良かった 僕も面倒くさい人間、特に呑んだ時がヤバいく幸夫くんがダークサイドに落ちた時の心境が凄くわかる笑 原作を読み終えて尚更 映画のキャスティング、演技が良かったんだなと再認識

    1
    投稿日: 2021.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『永い言い訳』読了。 すごくよかった。この一言に尽きる作品でした。主人公の気持ちがイマイチよく分からなかったけど、最後の方でグッとくるものがきた。 最初はすごく重かったけど、成り行きで始まった子どもたちの触れ合いが絶妙に面白かった。ちょっと笑った。 人ってひとりで生きていけんよねって思った。本当に辛い時は誰かに頼ることも必要だなと。私も人に頼ったり甘えたりするの苦手だから、なんとなくその辺は主人公の気持ちは分かるような気がする。極端にぶった斬るところあるから、、、 でも、その辺の器用そうで不器用なところが面白かった。 一見、冷徹そうに見える人って実はどう感情を表に出せばいいのか分からないだけなのかもしれないな… だんだん途中で人間味が出てきてそれで面白かったのかもしれんです。はい。 2021.7.9(1回目)

    17
    投稿日: 2021.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画監督で作家の西川美和さんの長編です。著者自らの手によって映画にもなっていますが、本書はノベライズなのか、この作品を原作として映画化したのかはちょっとわかりません。いや、単行本ででているくらいだから、たぶん原作なのでしょう。 深夜バスの事故によって妻を失くした小説家と、その妻とと共に亡くなった妻の友人の残された夫と二人の小さな子ども。ふとしたことから、小説家と彼の友人の家族との交流が生まれます。 小説家の衣笠幸夫を主人公としながらも、章ごとに視点や人称が入れ替わる体裁で書かれているので、群像劇のような印象も受けます。また、一人称で語れる章は、ぐっと人物にズームアップするように感じられるので、そうじゃないところとの関係に緩急が生じていて、作品がより柔軟なつくりになっていました。くわえて、それぞれの人物の向いている方向が微妙にずれているし、角度も違いますし、同じ人物のなかでも気分によって素直だったり憎たらしくなったりして、デコボコがある感じがします。総合的なイメージでは、いろいろな柄の布(大柄の文様や細かい文様、キャラクターものや縞模様などさまざまな種類)で縫われたキルトが多角形の箱の表面に張られている、というような作品というように、僕には感じられました。 この小説の意識の底にあたるような部分に流れているのは、たぶん愛情に関するものでしょう。冷え切った関係になってしまった夫婦の、その残された夫のなかにはどんな愛情があるのか、というように。また、お互いが正面からつきあいあう家族、つまりぶつかり合いであってもそれぞれが甘んじて受けることを当たり前とする家族に相当する、小説家と交流するようになる家族のなかの愛情もそうです。 が、読んでいて引っかかってくるのは、いろいろな人物たちの本音ばかりではなく、その本音に結ばれた行為のひとつである「卑怯さ」なのでした。卑怯さを許さないだとか許すだとかの考え方もあると思うんです。前者は真摯さの大切を問うようなものでもあるし、後者は寛容さでおおきく包み込みつつ人間への諦念を持ちながらもその後の少しだけだとしたとしても「改善」を約束させるものだったりします。 卑怯さというのは不誠実さを土台としていたりします。そして本書のタイトル『永い言い訳』とは、そんな不誠実さへの永いながい言い訳、終わらないような言い訳なのではないかと僕は読みました。ここでは主人公の衣笠幸夫の言い訳が芯になっていますが、これについては、誠実であるほうが好いのだと考える人であればだれもが言い訳をするものだと思うのです。原罪のように、人はその土台に、本能的な利己ゆえの不誠実を備えているだろうからです。それを超えたいがために、言い訳をするのです。その言い訳は、ただ逃げるだけではなく、ただ逸らすだけでもなく、乗り越えるためのじたばたする態度なのです。 本書で著者はそういったところに挑戦しているし、結果、なかなかに真に迫ったのではないかと思いました。また、だからこそ、よく執筆関係の文章で「ちゃんと人間が書けているかどうかを小説で問われる」なんて見かけたりしますけれども、その点でいえば、むせかえるくらい多様な人間臭さが詰まっている作品として書けていると言えるでしょう。 作品自体、枠から暴れ出たそうにしているところを感じますし、著者は作品がそうしたいのならそうさせる、というように書いたのではないかなと想像するところです。そういう作品だけに、作品自体にまだ空想の余地もあり、「自分だったらどう編むか」みたいに考えたくなったりもします。刺激になりますね。 人をまるごとみようとするときに、そして、それを自分で表現したいときに、何を見ていて何を見ていないか、そして何を意識の外に無意識的にうっちゃってしまいがちか、というようなことに向かいあってみたい人にはつよくおすすめした小説作品でした。そうじゃなくても、ぞんぶんに楽しめると思います。読み手に敷居が高くない文体で、それでいてだらしない表現はなく、手に取ってみればよい読書になると思います。おもしろかった。

    3
    投稿日: 2021.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    幸夫、陽一、子供たち、どの登場人物の気持ちにも共感できた。 妻を亡くした者同士、まるで本当の家族になっていく様。 優子の存在によって、それが崩れていく様。 陽一の鈍さ、幸夫の繊細さ、すごく上手く書かれていた。

    0
    投稿日: 2021.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    人間ってこんなにも悲しいなあとしみじみと実感。 陽一さんでなく津村さんに感情移入してしまう自分に嫌悪感を感じるものの、この本が評価されてることを思うと人間(読んでる人)みんなこんな感じなのかなとも思って安心する。 どうしようもない感じというか、根本的に解決してるわけではないのに、なんだかんだ気持ちよく話が終わっていることになんだか不思議な気持ちになる。  結論よかったみたいにはなるけど、結局津村さんは夏子さんが死ななかったら変わらなかったわけだし、そこは仕方ないような、残念な気がする。 あと、真平くんにいった津村さんの言葉はやはり上っ面に見えて、真平君に染みてる分には、彼はまだ真っ直ぐだなと思えたけど、彼の、取り繕う人間性みたいなのは変わらないなと残念に思ったりもした。

    0
    投稿日: 2021.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    純真無垢でないから、濁っているから そういう真っ当でない人間のいう言葉が だれかを救うことがある。 テレビではたった一言に揚げ足をとられて 批判されたり、職をうしなったりするご時世。 こころが綺麗でないと、きちんとしていないと まっとうでいないと 存在してはいけないの? 綺麗な言葉だけの世界になったら わたしはきっと結構つらい。 わたしだけが的もでない汚い人間な気がして。 汚くていい。真っ当でなくていい。 生きているだけでいい、 たったそれだけで誰かを救っている。

    2
    投稿日: 2021.05.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    他者のないところに人生は存在しない。まさにその通りだとしみじみ思った。 自分を大切に思ってくれる人を大事にしようと思った。

    2
    投稿日: 2021.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画を観たんだけど、幸夫くんは結局、夏子に対してどう思うようになったのかが、わからなかったので、原作を読むことにした。本を読んで、ようやくしっくり感じることができた。 失ったから、わかったんだなぁ。 夏子はきっと、天国で、もう今さらどうでもいいよ~、いい作品書いてね~、さよなら~と思ってると思うなぁ。幸夫くんへの想いは、幸夫くんからの仕打ちによって、少しずつ少しずつ削られて、ひとかけらも無くなったんだもの。

    0
    投稿日: 2021.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人気作家の津村啓こと衣笠幸夫と妻の夏子の間は、冷めきっていた。 妻がどこに出掛けようと、その先すら知ろうとしなかった。 そんな旅先で妻は親友と事故で亡くなった。 幸夫はその連絡を受けても、妻の遺体に対面しても泣かなかった。泣けなかった… その後、幸夫はそれまで付き合いがなかったが、同じくして亡くなった夏子の親友家族との交流が始まる。 親友の家族には子供が2人いて、旦那はトラックの運転手のため、夜間に家を空けることもあり、幸夫か協力することになったのだ。 そこから、子供たちとの関わりを通じて、幸夫にさ様々な感情が湧き始める。 妻とのお互いの気持ちのすれ違いに後悔しつつ、自分の気持ちに向き合い始める。 人は色々な人や感情に支えられて生きているんだなぁとあらためて感じる作品。 2021.4.7

    0
    投稿日: 2021.04.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    不慮の事故で妻が亡くなったのに、これっぽっちも泣けなかった主人公の衣笠幸夫。 そこそこ知名度のある作家で、売れない時は美容師である妻に養って貰っていた。 けれどいつの間にかふたりの間に会話はなくなり、それにつれ愛情も…?という時の事故。 最初、幸夫のキャラクターが嫌で。 物事を斜めから見ることによって、自分は高いところにいると勘違いして、人の気持ちをふみにじっても気づかない鈍感野郎。 妻と一緒に事故に遭った妻の親友は、長距離トラック運転手の夫と子供二人を遺して逝った。 どういうわけか幸夫は、妻の親友の一家の面倒を見ることになり、人として成長していったような気がするが、これで終わるはずはないだろう。 というか、大宮一家との日常がよすぎて、これは面倒を見るというのではなく、共依存なのでは? と思った時に、その生活は急に終わりを迎える。 ”自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。そうしないと、ぼくみたいになる。ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる。簡単に、離れるわけないと思ってても、離れるときは、一瞬だ。そうでしょう?” 大切な人を喪った時、何を言われてもそれは正論にすぎなくて、こころの隙間を埋める特効薬なんてない。 大宮陽一のようにストレートに寂しがる人も、真平のように心の中に空虚を閉じ込めてしまう人も、幸夫のようにこれっぽっちも泣けなかった人も、日常を取り戻すのは簡単なことではない。 互いに影響し合いながら少しずつ悲しみを乗り越えて行った幸夫と大宮一家…なんて簡単なものではない。 それが、丁寧に丁寧に描かれている。 ”生きているなら、どうにでもなる。死が分かつまでは、人間同士は何とかなる。” “悲しいことは起きるけど、そのとき世界のどこかでは、また嬉しいことも起きているんだなと思ったよ。” ”つくづく思うよ。他者の無いところに人生なんて存在しないんだって。人生は、他者だ。” 短い文章が、少しずつ少しずつ沁みてくる。 ああ、映画も見てみたい、と思った。

    1
    投稿日: 2021.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小説を読んで感動して、すぐに映画館に走りましたw全体的には小説の方がよかったけど、髪の使い方はリアルにビジュアルのある映画がよかった

    0
    投稿日: 2021.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    終盤に差し掛かるまで、主人公のキャラクターにあまり共感が持てずに読み進んだが、終盤にグッと気持ちに迫るものをかんじた。

    0
    投稿日: 2021.03.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大切な人を失ってから気づく、当たり前の価値。残された者は、残された時間を作り出して生きていくしかない。

    0
    投稿日: 2021.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人との関わりにおいて当たり前と思っている日常をもっと大切にしなきゃいけないと改めて気づかされました。

    2
    投稿日: 2021.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    生きていく為には他者の存在が必要で、生きている時間を舐めとったら、取り返しがつかないことになる。後悔する。 大切な存在はちゃんと大切にして、大切って伝えようと思った。 言い訳ばっかりの主人公を、妻の死が、出会いが変えた。 最後妻を思って主人公が泣いた時、私も泣きそうになった。

    2
    投稿日: 2021.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    これは、評価が分かれる作品だなぁと思う。主人公は、私に言わせればただの甲斐性のない根性なしで、逃げているだけに思えた。子供すぎて、好きにはなれなかった。 事故で妻をなくした人間たちの再生を描いており、彼やの心情がとても細やかに伝わってくる。それこそが作品の醍醐味であるけど、生きてる間の妻への態度、酷すぎないか。。 愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない。その通りだ。

    0
    投稿日: 2021.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻を事故で亡くすことから、人生が変化していく小説家の物語。 幸夫の考えに共感することが多く、心がチクチクしながら読みました。 亡くなった妻に対する感情の変化がとても生々しい。 もう戻らない、大事なことに気付くまでの物語だと感じました。

    0
    投稿日: 2020.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後悔しないように生きようと思わせてくれる作品。様々な登場人物目線の描写があり、おもしろい。お気に入りの一作になりました。

    0
    投稿日: 2020.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    持つべきものは家族。途中、何度も胸が熱くなった。大宮ではなく津村側になってしまっている現実の自分の姿に置き換え、後悔しながら読んだ。もはや手遅れかとは思うが、我々はまだ二人とも生きている。作者の他の作品も読んでみようと思う。

    9
    投稿日: 2020.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の心を大切に、他人の心も大切に 言い訳めいた男の話は共感できるところもあり面白かった。 近しい人が亡くなった時自分はちゃんと悲しめるのか、もし悲しめなくても他を否定してはいけない。 自分の感情を受け入れ、かつ他人の感情に寄り添えていけたらいいと思う

    2
    投稿日: 2020.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    咀嚼に時間がかかる本だ。 視点がどんどん変わりながら進んでいくのと、 冷めた現実から始まるため前半は、 なかなか没頭できなかったが、 妻を亡くした主人公(衣笠幸夫)が、 同じく妻を亡くした大宮陽一と出会ってからの展開は引きずり込まれる内容だった。 心温まるシーンもありながら、 それだけでは終わらせてくれない葛藤があり。 今は亡き人は、何を想っていたのか分からないまま。(読後、現実世界でも当然だなと改めて感じる。) 何かを大切にできてないと感じたときに また読むと考えさせられる作品かもしれない。 『永い言い訳』 タイトルと内容を浮かべ反芻する。 この気持ちを咀嚼するのには、 きっと永い時間が必要だと思う。

    0
    投稿日: 2020.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わったときに変わった不思議な気持ちになる 小説を読んだ後の現実離れ感が深い作品だと思う。 この気持ち自分にもある、、、 あるのが嫌だ、と思ってしまう本。

    0
    投稿日: 2020.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    歪んだ自意識のもと事故で妻を失っても泣けない作家の男の話。妻の親友の子供と触れ合ううちに、居場所を見つけ依存していくように愛を深まらせる男と、しらじらしいと非難する関係者の心情の描写の対比にひりひりとした緊張感がつのる。背立する二者の見方はそれぞれ正しいようでどこかに矛盾や傲慢さが宿り、筆舌に尽くしがたい。憎む言葉で取り繕いながらも、心の底では妻を愛していたことに気づき、妻との日々を回顧し言い訳を続ける男のこれからは、切なくも純粋な愛に満ちた愛おしい日々なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2020.05.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    複数の視点で語られ文章は読みやすく、結構好き。『ゆれる』も良かったから相性はいいみたい。映像化もされていてキャスティングも頭に入れて読んだからスラスラと読了。子役がキーになるお話だから映像でも確認したくなった。突然妻に先立たれた状況の幸夫の心情が何故か少し理解できる自分がいる。憎めない。読了後に何とも言えない余韻が残る。

    0
    投稿日: 2020.04.18