Reader Store
かあちゃん
かあちゃん
重松清/講談社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

137件)
4.4
60
59
9
2
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに重松さんの作品を読みました。やっぱり好きです。 曰く「ゆるす/ゆるされる」をテーマとされたそうですが、裏表紙の内容紹介にあるとおり「精いっぱい『母ちゃん』を生きる女性と、言葉にできない母への思いを抱える子どもたち」のお話でもありました。 第1章に1番泣かされました。500ページを超える長編なのでこのままこのお母ちゃんのお話が続いたら目が腫れてしまうと不安になりましたが、2章以降の主人公は主に中学生たちになったので泣き通しという事態は避けられました。 一言で母子と言っても多種多様。 個人的にはあまり好きになれない母親もいたけれど、どの母親も子どもを大事に思っていることは同じでした。子どもも然り。 いじめを赦すというのは非常に難しいことで、現実では本作のようにうまくいくはずはないと思いますが、赦さないことにはテーマが成り立たないので致し方なし。その点を差し引いても胸打たれる素晴らしい作品でした。 尚、「赦し」の答えが最終章にあったように思います。 その部分を以下に抜粋。 「背負ってきた重荷は、捨て去って消えるのではない。背中の荷物を前に回して、いとおしそうに抱きしめることで、静かに溶けて、消えて、胸に染み込んでいくのだと思う」 うまくまとめられませんでしたが、赦すにしても赦さないにしても、赦されても赦されなくても、忘れてはいけないよねというのが、本作を読み終えた私の感想です。

    22
    投稿日: 2025.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思春期のアンバランスな心情。立場が変わると受け止め方も変化して、見え方も変わること。人をゆるすということ。伝えることの重さ。・・・などいろいろ考えた。

    1
    投稿日: 2025.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松清の本気の長編に◎! 加害者で繋いでいく短編形式で、感動的な長編を構築した名作! いじめや事故の加害者が、全て悪と切ってすてることなく、それぞれに背景があり、悩み苦しみもがく姿を描く。それぞれの章で毎回、涙腺が崩壊した。 彼ら彼女らは、本心を見つめることができず、偽りの態度で、言葉で繕う。大人は紋切型に子供をはめることが正しいと大人ぶる。しかし、登場人物たちは、あるきっかけで自分と向き合う覚悟をする。過ちは全ての人間にはあるはず。そう、それを忘れないこと。そうすれば、前に進む新しい始まりが見つかるはず。 手を貸さないが見守る作品が多い作者にしては、珍しく登場人物に介入していく作品作りになっていたが、重松清名作TOP5?に推せる素晴らしい作品でした。

    61
    投稿日: 2025.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    職場の先輩から借りて読む。 久々の重松清作品。安定感、抜群。 色々な家族の有り様と共に母親(お母さんであり、かあちゃんであり、お袋であり)が描かれる。 連作短編集というか、登場人物達が繋がっており、円環構造のようなつくりで、ラスト環が閉じるような作品となっている。 許す、許される、の物語でもある。 本書を読むと、オカンと旅行でも行こうか、という気持ちになる。 星は4つと迷って3つ。3.7としたい。

    1
    投稿日: 2025.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    事故で夫を亡くしただけでも、幼子を育てている専業主婦であった「かあちゃん」にとっては苦しい出来事であっただろうに、同情していた同僚の死までも背負い込んで、笑顔で過ごさないように生きる。 そんなことが出来る母親、いや、人間がいるのだろうか。 まず、事故の経緯も片方がゼロはありえないと言うのには納得がいかないし、少なからず自分達も被害者なんだと思ってしまうだろう。 しかし、同じように幼子を抱える同僚の家族を思い、ひたすら償いながら生きている。 その姿は息子であるヒロシをはじめ、いじめに苦しむ中学生、いじめる側にまわってしまった子供達、立派な母の影に苦しむ新人教師、仕事と育児の狭間でやらせない思いを抱える教師、なにより、被害者の家族たちに深く届きそれぞれの人生に影響を与えていく。 いろんな側面からそれぞれの苦悩に触れられる物語だと思う。 いつの時にも、母という存在は大きく子供に影響を与える。 その姿はいつでも、偉大で暖かく強いものである。 私は娘たちにそんな姿を見せられているだろうか…

    1
    投稿日: 2025.04.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後悔している人や悩んでいる人が一歩前へ踏み出す勇気につながる物語だと感じた。誰か支えてくる人味方になってくれる人が一人でもいたならば違う結果になっていたのかもしれない。だから、味方になる支えになる大切さを学べた感動的な物語。

    1
    投稿日: 2025.02.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いじめの加害者被害者、傍観者、先生、彼らは母と、どう関わり、どのように償うのか。 お母さん思い出した。こんな素敵な作品があるのか

    1
    投稿日: 2025.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドラマを見てるみたいな小説だった。それぞれに言い分があってそれぞれにお母さんがいる。※いじめっ子のお母さんだけはあんまり頼れない感じ。

    0
    投稿日: 2025.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    喫茶でコーヒーを待つ間に読み始め 序盤から涙が溢れてすぐに本を閉じました 家でゆっくり涙しながら読み終えました 中学生の多感な年齢の子供は親を避けるし どう接したらいいのかわからなくなる 子供は子供で友達関係で悩みも出てくる そんな感情が絡み合い解けていく そんな感じでした   

    1
    投稿日: 2024.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    故意でなかったとしても父を交通事故で死なせた人の家族を、子どもを自殺まで追い込んだいじめをしたリーダー、それに巻き込まれていじめに加担した友達、私だったら許せただろうか…ずっとそれを考えながら読みました。 やったことは消えない消せない、だけどその事を背負って生きていく登場人物の描写が上手いと思いました。

    0
    投稿日: 2024.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中学生の世界、細かな心情の動き、重松清作品はどうしてこんなに鮮明に描けるのか、と改めて思う本。 中でも様々な登場人物の親子関係がおもしろい。 親と子、大事だからこそ擦れて、 言いたいことを言えるような、 だからこそ言えないような。 正解なんてない親子の形だけど それぞれがちゃんと愛を持っている点が 温かい気持ちにさせる。

    0
    投稿日: 2024.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    忘れないということを機軸にした償いと赦しの物語。赦すことも赦されることも難しいけれど、それぞれに成長が見えて目頭が熱くなる。

    1
    投稿日: 2023.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    様々な家庭の『母』がみせる親子関係に、惹き込まれました。 『償いとは何か』、『優しさとは何か』。 各章で描かれる母親の姿に胸を打たれました。

    2
    投稿日: 2023.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かあちゃんを軸にした、赦すこと/赦されることの短編8作。そしてイジメをテーマにした作品でもある。説教臭くもなくご都合主義でもない、まっすぐ心に届く。こういう作品を教科書に載せてほしい。

    2
    投稿日: 2023.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近重松清さんの本にハマっているのですが、この本にはいじめられている方も、いじめている方も最終的には苦しくなってしまうのだな、と思いました。親が失望してしまうのも、わかる気がします。でも、それでも優しくしてあげる事が大切なのではないかと思います。 私が親になったら、子供に優しくしようと感じさせました。 重松清さんの本はいろいろな大切なことを教えてくれました。

    2
    投稿日: 2023.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『精いっぱい「母ちゃん」を生きる女性と、言葉にできない母への思いを抱える子どもたち。』(紹介文より) 母親の立場で読んでいたり、子供の立場で読んでいたりしていた。 自分自身の母親と重なってしまう部分もあって、泣かされました…。 子どもたちの心理描写はさすがです。

    5
    投稿日: 2023.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作者の重松清さんのあとがき曰く「ゆるす/ゆるされる」という人間関係を描いた3部作の1つだそうです。 全8章で様々な母子関係が登場します。 全編でメインとなる「かあちゃん」が瀬戸内方面の方言だった為、どことなく懐かしく感情移入してしまいました。 「産まれてきた瞬間に一番そばにいてくれる人は、どんな人間の場合も母親なのだ… その深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていてもひとりぼっちではないのかもしれない。」 長編小説ですが、人生の大半を償いに欠けた「かあちゃん」と、その生き方に影響を受けた人々の、時に逞しく、時に切なく、そして温かい人間模様が心に響きました。 本作を読みながら亡き母を偲び、何度も涙が出ました。次の里帰りの時に、私の知らない若かりし頃の母の話を、父に聞いてみようと思います。

    7
    投稿日: 2023.06.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    お母ちゃんはいつの時代も子供の、そして家族の一番の柱である。すまないがお父さんはいつの時代もキャッシュディスペンサーw 不遇の事故で主人とその会社の同僚を亡くし、被害者と加害者の両方を背負う羽目となったかあちゃんの何十年にわたる償いはその家族と家族の周囲を救うことになる。その救われた家族にもそれぞれのお母ちゃんが家庭と子育てに奮闘する様を読んでいると、ああ、自分の母親にももっと感謝してもって孝行しなきゃって思う。気が付いたら親への孝行なんてあっという間に間に合わなくなる。 この書でもいじめ問題が全般に渡って影響するわけだけど、作者はすごく大切なメッセージを残している。簡単な言葉だけどそれを維持することは難しい。重松さんの家族愛溢れる物語はいつも自身を振り返らさせてくれる。

    0
    投稿日: 2023.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母にはいつでも正直にいたい。そして、感謝と思いやりをもって接していきたい。私は学生時代にイジメは受けなかったが、生きづらい生活をしていた。 もっと正直に生きても良いと思う

    0
    投稿日: 2023.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    学生時代、私は孤独だった。そんな時、担任の先生のコレクション本の中で出会ったのが「重松清」先生だった。 孤独を紛らすように熟読した。うまく言葉にできないけれど好きだった、友だちに何冊か進めた。 大人になり彼の描く物語の偉大さがやっと分かり始めてきた。 この本も何十年か振りに再読した。 内容は覚えていないのに指で文字をなぞるごとに記憶から呼び出された登場人物達が動き始める。そんな不思議な感覚だった。 重松さんがこの本のテーマだと語ったのは「ゆるす、ゆるされない」とはすなわち「ゆるさない、ゆるされない」こと。そして、それは「けして忘れない」ことなんだと思った。 物語には"うまく言葉にできないけれど大切なこと"が実際にそのような言い回しで何度も出てくる。 そう、そういうことなんだよな、と思う。 言葉にしてしまうと嘘っぽいし綺麗事になってしまう、でもそれが現実なんだ、と登場人物から読み手に直で届けられる。 そういうもどかしさを誇張もカッコ付けもせずそのまま描き切るのが重松さんが読み手を置き去りにしない物語を作る所以なのだろう。 たいせつなもの、一瞬にして失うときもあれば徐々に失ってしまうとき、失ったことすら気づかないものだって沢山ある。 失うことで、何かを得る。それはかあちゃんのように償いの人生、かもしれない。いじめがあったから失われたものもある、そして、たいせつなものとは失えば二度と戻らないからたいせつであったと気付く。 物語の基盤になっているのは「かあちゃんの償い」だ。かあちゃんは償うことと引き換えに自分自身を捨てた、いや自分を保つために捨てるしかなかったのだろうか。 たいせつなものを得ると、なにかを失わなければならない、そして失ったかわりに得たものでまたなにかを失っていく。繰り返して、繰り返して、なにも無くなってしまわぬよう、だから、忘れないようにするんだろうな、と思った。償いに生きたかあちゃんは正しいのかもしれないし、正しいようで違うことだって沢山ある。たいせつなものは難しい。でも、やっぱり忘れてはいけないのかもしれない。 "いじめをした"側の物語がある。 その中で「誰も信じてくれないと思うけど。」というワンフレーズがある。それがとても印象的だった。ポロッと出た本音が、そのいじめっ子の正体だったのだと思う。

    1
    投稿日: 2023.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・色んなかあちゃんがいるなぁ。一人一人、人としてより『かあちゃん』として物語が構成されると、なんかグッとくるのは何なんだろう。『かあちゃん』は偉大って事? ・いじめがテーマの話が多いけど、こういうの教科書で取り上げれば良いのにっていつも思う。もう取り上げられているのかな??海外では、“いじめる側”が精神病院で診て貰えるって聞いて、もっともだと思った。この話だって、“いじめる側”に精神が参ってる事描写されてるもんね。しかしながら、いじめがテーマになると、『かあちゃん』がガクンッと弱くなる。気がする。 ・一番グッときたのは『こたつ』かな。

    1
    投稿日: 2022.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「思いだすことすらできない人生のいちばん最初の記憶に、母親がいる。その深い深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていても、決してひとりぼっちではないのかもしれない。」 この言葉が好きでした。

    0
    投稿日: 2022.09.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夫が仕事で運転中に交通事故で即死、助手席の上司も即死。『かあちゃん』は責任を感じて、上司のために償う日々を、笑わない生活を始める。何十年も。 そこまで背負う必要あるんだろうかとも思ったけど、30年後に被害者の孫がその様子を見て『忘れないことが大事』と気付く。自分がいじめてしまった友人に会いに行く決断をする。 お話は、その孫の中学生活で関わる『母親』たちが描かれている。 育休明け中学教師が、家事育児仕事に翻弄される様子がリアル。子供ってすぐ熱出すし、夫は『迎えに行けない』と平気で言うし。お母ちゃんは大変な職業だなーと改めて思う。 最後がキレイにまとまってるけど、なんかキレイ過ぎて興醒めして星4つ。

    1
    投稿日: 2022.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれの人物の視点から見た母親 ないし、母親自身の物語。連作短編形式で 繋がっていく物語。最初の話で涙。 忘れないでいること、十字架を背負っていくことが主題になっているが、いじめ問題を扱っているので、子を持つ親として 共感ばかりできる内容ではなかったが、 いじめの被害者になってないかと心配することはあれ、加害者になってないかと 心配することは確かに皆無であることに気付かされた。 いじめたことを忘れないでいることで、許されるわけがない。何かを終わらせるためにではなく、何かを始めるために 加害者が被害者に会いに行く?ふざけんな!としか思えない。 しかし、ぬくぬくとなかった事にして生きて行かれても許せない。 子供達のいじめ問題をことごとくテーマに扱う作者の作品を、より多くの人達が触れることで、少しでも不幸な子供がいなくなれば幸いです。

    2
    投稿日: 2022.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母親にかさねてしまった。 強烈なインパクトのあ一冊。 1人目の、旦那の起こした事故の償いのため 楽しむことを一切やめていきた母親。 それは母子家庭で貧しいが故に、 節約生活をしながら育ててくれたうちの母に重なり涙が溢れた。 おかあさん、ありがとう。日常で忘れかけている感謝の気持ちを思い出させてくれる。

    1
    投稿日: 2022.03.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松は心の葛藤を描く天才。 いじめ、お母さんとの関わり、人がつながっていくって物語が自分とシンクロして、入り込めた。 こんな綺麗な小説どうしたら作れるんだろうか。 すごすぎる。

    0
    投稿日: 2022.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松さん作品の中で1番好きだったとの思い出があり、6年ぶりに再読。序盤から涙ながらに読みました。色んな母と子の物語が緩やかに繋がる構成です。 事故やいじめ、被害者が一生背負い続けることになる罪、被害者も一生背負うことになる事実に向き合わせてくれる作品です。

    3
    投稿日: 2022.02.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゆるす/ゆるされる ゆるさない/ゆるされない 親と子 それぞれが、それぞれの立場にならないとわからない でも、わかりたい… すごく心がぎゅっとなった

    0
    投稿日: 2022.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    理屈では分かっていてもそうは出来ない事や自分でもどうしてそんな事をしてしまったり言ってしまうのか分からなかったり。けして解決してすっきりするわけではなくても、寄り添う気持ちを忘れずにもてればそれで人は進んでいけるのかもしれない。人の居場所を奪うのはいじめ、本当にそう思う。

    7
    投稿日: 2021.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    様々な事情を抱えた家庭の「母と子」の物語。 私は、「お母さんって凄いんだな」ではなく、「子供って凄いな」って思った。 家庭、学校、友人関係、など子供はあらゆる場で様々なストレスを抱えながら生きていると思う。 大人は「何かあったら相談しなさい」と言うけれど、結局自分で解決しなきゃ前には進めないし何でも人任せにしていたら、根本は解決できない。 多分、子供って偉大なんだろうな。

    1
    投稿日: 2021.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母と子を描いた物語。 夫の起こした事故の罪を背負い続ける母、虐められ自殺を図った子の母と虐めた子の母。 母にも色々あり、母と子の関係もそれぞれだ。 私にも私の母との関係がある。 そんな関係を見直す、見つめ直すことのできる優しくなれる一冊。

    12
    投稿日: 2021.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに読んだ重松清さんの作品。短編だけど全話が繋がっていて面白く読み進められた。いじめ、親の介護、共働き家庭等色々と考えさせられるテーマでした。 子供が中学生になったら読ませたい本今のところ第一位。いじめをした側もする側も心に傷が残るということが子供にも伝わると思う本。

    1
    投稿日: 2021.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とんび読んで すぐだったから 何となく 母親と子どもの 成長記録 的なのを勝手に想像していて そんな二番煎じみたいな 訳ないのにね なもんで 勝手に想像していたストーリーが 序盤から裏切られた展開で進み いじめと言う 苦しいテーマに 斬り込んでいくとは… 子どもとも 大人とも呼べない 年齢の子達が抱えるには 何て重い問題なんだ… と思ってしまった  でも 傍観者からしたら この子供達の方が ちゃんと感じて考えて苦しんで 生きていると感じた 自分も 子が何か話したそうなら 黙って耳を傾けよう そして ただ一言 君は1人じゃない とだけ伝えようと……

    1
    投稿日: 2021.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家庭の数だけ、母がいる。 自分だけの、お母さん。 一人の男の子のいじめに関わる人たちのお母さんたちの短編集です。 読み終えたときにはすっきり、心が軽くなったような気がします。 正解の親子像なんてないけれど、自分を想ってくれて信じてくれるお母さんがいれば、それだけで幸せになれる。そうなるまでに遅すぎるなんてないんだと思います。

    8
    投稿日: 2020.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの重松清。 東京出張の行き帰りの新幹線での読書。 前は、本読んでて悲しかったり、感激したとき、泣けてきちゃうのが恥ずかしかったけど、最近はもうどうでも良くて、ハンカチ片手に読書してる。(笑) で、これも結構泣けた。 中学生のイジメの話。 イジメにあった時、先生や両親に告げなさいってのは、よく言う話だけど、当人は絶対話せない。 色んな理由があるんだけどね。 先生の態度、親の態度も悪いからなぁ。 じゃ、どうすりゃいいのか。 どうすりゃイジメはなくなるのか。 私は、いじめはなくならないと思ってる。 重松清もたぶんそう思ってるんじゃないかなぁ。 けど、こういう本を読んでいたら多少の励みにはなるのかもしれない。 専門家じゃないので私にはわからないけどね。 けっこう厚い本でしたが、読みやすくて、どんどんページをめくりたくなるような本でした。 やっぱり、重松清はイイねぇ。

    1
    投稿日: 2020.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母の偉大さだったり,母だからこそだとか母だけにだとかそれぞれのショートストーリーが最後にしっかりまとまるお話で,すごく学び多き作品だと思います。 当然テーマとなるいじめなどについてもすごく感じるべきところが多々あるように感じますね。

    3
    投稿日: 2020.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子どもにとって母親とは人生に大きな影響を与える存在なんだなと実感した。 20年以上も笑わず償い続けるかあちゃんの姿に涙がでました。

    1
    投稿日: 2020.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    諸田玲子さんの本を読んだ後の重松さんは、コッテリ感たっぷり。 大好きな作家ですが、程よい間隔が必要かも知れません。 もしくは重松さん一本槍で突っ走るか。

    1
    投稿日: 2019.12.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    かあちゃん。 重松清さん。 素晴らしい作品でした。 涙。涙。 名言がたくさん。 星5つ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎ みんなに、読んでほしい。 忘れずにいる勇気。 背負いつづける勇気。 罵られることすら叶わない罪。 自己満足だと切り捨てられて終わる償い。 いじめを認めたくない。 認めてしまうと、 その瞬間、 「いじめられている奴。」になってしまう。 絶対にいじめられたくないから、泣きたい思いでいじめてきたのに。 いじめの加害者になっても、被害者になっても、母を悲しませてばかりいることが、いちばん悲しい。 自分の心をきちんと言葉で表現できるくらいなら、誰も苦労しないよ あいつにはおびえない。勝てなくても負けない。たとえ負けても、もう逃げない。 ばれる嘘をついてるうちなら、まだ間に合う。 ガンバレ と、アスパラガスとグリンピースでつくった文字が、凍ったカレーの上に並んでいた。母の笑顔が浮かんだ。 負けたことのある教師のほうが、生徒には必要じゃないか? どんな子どもも、ひとりぼっちでこの世に生まれてくることはありえない。生まれきた瞬間にいちばんそばにいてくれるひとは、どんな人間の場合でも、母親なのだ。

    3
    投稿日: 2019.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同僚を巻き添えに自らも交通事故死した父の罪を背負う母。母を精一杯生きる女性と、その子どもたちの物語。 重松さんが初めて描く「母と子」の物語。笑うことも幸せになることも禁じる母の姿は、亡くなった同僚の家族への贖罪の意識だけでなく、父親を失った子どもたちへのメッセージも込められていると思う。母性という深い愛情が自らを戒め、そして無言ながら子どもに『人』として生きる価値を伝える。

    3
    投稿日: 2019.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    電車で涙がぽろっとでちゃいました。 というようなフレーズのレビューがあると期待値高くなるので、構えず読んでほしいです。参考程度に

    1
    投稿日: 2019.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    償い続ける事の重さを教わった。どんな事があろうと償い続ける、かあちゃんの姿。こんな風に私には出来ない。最後、もちろん号泣でした。笑顔を捨てた長い時間、私には想像出来ないです。

    3
    投稿日: 2019.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とんび女性バージョン。 不覚にも泣いてしまうような作品。 重松さん、こんな話ずるいよー。 暗い重松さんがよかったのにー。

    1
    投稿日: 2018.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに小説を読んだ。 一気に読んだ。 いろんな母子の姿を描く連作。夏が舞台の作品なので、夏休みに読むのがいいんじゃないかな。

    1
    投稿日: 2018.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松氏の心理描写の巧みさが存分に発揮された作品だった。 人は誰しも、他人を傷つけた過去があるのではないだろうか。 忘れたい過去なのは間違いないが、その過去を忘れずに、重荷を背負って生きていくことが、思いやりや優しさに繋がっていくのだと感じた。 ちなみに私自身、他人をいじめた経験があり、そのことを思い返すとどうしようもないほどの後悔の波が押し寄せる。しかし、その過去は決して消せないもの。いじめた相手への償いの気持ちは、一生忘れないようにしたい。 自分のこれからの生き方を考えさせてくれる一冊。

    1
    投稿日: 2018.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    父が運転していた車の事故で同乗者の上司も亡くなってしまった。その罪を自ら追い、笑わず身を粉にして働く「かあちゃん」。主人公が大きくなり、子供を持った頃、その話を聞いた少年が勇気づけられ、いじめに向き合うと言う話。 弱さ故にいじめに加わってしまった人、いじめられた人、いじめた人、章ごとに視点が変わりいじめについて考える。一つのいじめに人事の背景思いを書く。 子供らにも読んで欲しいと思う、重松さんらしい「生きる」を考える一冊。

    1
    投稿日: 2018.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「「墓参りは、覚えとる、いうことじゃ」 「墓に参って、手を合わせて、ああ、おかげさまでまた一年たちました、半年たちました、春が来ました、夏が来ました、いうて……おかげさまで元気で生かしてもろうております、いうて……忘れとりません、いうて……」」 「「二十何年だぜ、すげえよ。じいちゃんも、ばあちゃんも、母ちゃんも、幸せだったと思う。現実に幸せか不幸せかっていったら、それは絶対に不幸なんだけど、でも……忘れないでいてくれるひとがいるっていうのは、やっぱり幸せだと思うんだよな」」 「「取り返しのつかないこと」というのは、事件とか事故のすごく大きな一瞬を境にするのではなく、毎日のだらだらとした繰り返しの中でーーみんなが「ちょっとヤバイかもね」と心配しながらも見て見ぬふりをしているうちに自殺未遂にまで至った黒川くんのいじめみたいに、静かに、ひそかに「取り返しのつかない」一線を越えてしまうのかもしれない。」 「心の中が優しさだけのひとなんて世界中のどこにもいない。どんなひとだって、ときには弱くなったり身勝手になったりする。だから、誰かに優しくされたり誰かに優しくするときって、胸がほんのりと温もりながら、ちょっとだけせつなくなるのかもしれない。」 「どんなにおとなびていても中学生はやっぱり中学生だなあ、と思うのは、こういうときだ。地元しか知らない。この子たちの世界はまだまだ笑ってしまうほど狭くて、小さくて、だからこそいとおしい。」 「それはそうよ。人間が一人でがんばれることなんて、たかが知れてるんだから」 「思い出すことすらできない人生のいちばん最初に、母親がいる。その深い深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていても、決してひとりぼっちではないのかもしれない。」 『かあちゃん』というタイトルの本だったけれど、母子の関係以外の多くのことから考えさせられたお話だったと思う。「この奥さんがここまで罪の意識を背負う必要があるの?」という疑心から始まり、中学生の各家庭での事情が語られ、(重い事情ありすぎだろ…と、思う)読み進めながらもずっと心に残っていたのは"忘れない"という償い方についてだった。 私は、人は忘れることで前に進めると思っていた節があった。忘れたいことを忘れずに抱えて生きていく、というのはどれほど苦しいんだろうか?私には想像がつかないが、登場人物たちが重く受けとめ、かつ前へ進んでいく姿は確かに眩しく、力強く感じた。 どんな形であれ、人に覚えていてもらうということはそんなにいいものなのだろうか。私にもその答えがわかる日が来るだろうか。

    1
    投稿日: 2017.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前半は”他と比べるとちょっとパンチ力ないかな~”みたいな感じで読んでたけど、後半、巻き返しが凄かったです。かあちゃんを通しての贖罪が通底するテーマで、思春期のほろ苦さも絶妙にブレンドされてます。個人的には、ラス前のクロちゃんに会いにいく章が一番グッときました。”かあちゃん”という存在からは、おそらく一番離れた章なんですけどね。この章で登場するかあちゃんは、ちょっと取ってつけた感もあるし。でも良かったです。マルチ視点で進む物語ってことでは素敵だった「きみのともだち」を思い出しましたが、こちらも相当に素晴らしかったです。

    1
    投稿日: 2017.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    いつも期待を裏切らない重松清氏の作品「かあちゃん」を読了。ただ子供思いの母親を描くのではなく何も語らず背中で語るというか筋の通った生き様をみせるというよく父親では描かれる役割をこの小説の最初に出てくる母親役に担わせて、その女性の生き様が色々なトラブルに巻きこまれどん詰まりにあった人たちを救って行く様子が描かれたさすが重松清といった作品だ。  作品のなかにはその他様々な母親が描かれていてそのどれもが素敵な母親ではない。こどものことを思っているのは事実だがしかし子供の気持ちを理解できておらず、本当の子供の悩みを把握できない母親もしっかり描かれている。こどもたちから馬鹿にされているような出来の悪いだめ教師とその母親(ただの母親ではなく校長までつとめた出来る女性)では自分の息子の適性などには目がいかずただ理想のみを息子に求め息子はより駄目な教師になりそうになったりするし、いじめっ子に巻き込まれ同級生をいじめてしまった子供の母親はこどものことは思ってはいるがいじめをするそんな子供に育て覚えはないというがっかり感が強く子供の本当の悩みに気付けなかったりしている。  でもさすが重松清ししっかりとつらい思いをしている同上人物立ちを救っていきます。複雑な登場人物の人間模様も軽やかに書き上げ感動のフィナーレへぐいぐい引っ張ってくれる筆力にはいつも感心します。  涙もろい人は電車では読まない様がよろしい物語です。ちょっとドライアイ気味の方は是非一読を!  そんな母と子供のいろいろな関係を描いた連作小説を読むBGMに選んだのはKenny Drewの"The lullaby". たまに聞きたくなるピアニストだなあ。 https://www.youtube.com/watch?v=SL-H-P-UTQg

    1
    投稿日: 2017.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    強いかあちゃん、弱いかあちゃん。どちらであっても自分のかあちゃん。いろんな葛藤の中で自分を育ててくれてありがとうと思う。 僕も近々、父親になります。

    1
    投稿日: 2016.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとなく選んだけど、未来の私とリンクする部分が多くて読めて良かった。 子供目線でも、親目線でも、教師目線でも沢山考えさせられることが多くて一気に読み入ってしまった。いじめっ子、いじめられっ子、教師、お母さん、様々な目線から切り取ってるのが効果的。 また歳を取ったり、場面が変われば、その時々によって受け取り方が変わりそう。また読みたい。

    1
    投稿日: 2016.10.27
  • 移動中読んではダメ。重松節全開かよ、最初から涙腺ゆるみっぱなし。

    やっと電子で出てくれた。待った。再読。 昔、四六版が出たときに 『重松さんの母子もの、最強じゃねぇか。』、と手に取った記憶があります。 各章にはそれぞれのかあちゃん、おふくろ、ママ、お母さんがいて とにかくその存在の大きさ、子を想う姿に心打たれる作品でした。 自分の母親の強くて優しい部分と重なって、終始涙をこらえながら読みました。 知り合いだけじゃなくて、いつか会う自分の子供にも読んでほしい。読んでよかった。 そういう風に思える素晴らしい本です。

    0
    投稿日: 2016.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近忙しく、なかなか本も読めなかったけどようやく読めた一冊。 相変わらずの重松清、期待に答えてくれる内容です。 交通事故、忘れないということが何よりの償い、それぞれの事情。伝えられないことも一つの価値として転がっていく本作は要所要所に胸を締め付けられる。 いじめされた側、した側、そばにいた側、気付かなかった側、それぞれの想い。 こんな本がブックオフで108円だなんて、本当に信じられない。

    1
    投稿日: 2016.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    久方ぶりに読んだ重松清。 夫を交通事故で亡くした後、26年もの間、遺族に償いつづけた母親と、その息子の物語から始まる。 その母親から(過ちを犯してしまったことを)「忘れないでいること」を学び、東京に戻ろうと決意した啓介。彼は、かつての親友がいじめを苦に自殺未遂を図り、その後転校してしまった罪悪感から、学校に行けなくなっていた。 啓介から「クロちゃんに会いに行こう」と言われ、自らもいじめから抜け出そうとした本多。いじめの首謀者松谷、クロちゃんが片思いしていた千葉文香、その友達の森美帆、頼りない担任の水原、仕事と子育てを両立させている女教師の福田、それぞれ家族、とりわけ母親との間に、何かしら悩みを抱えている。 最後は同級生4人と担任がクロちゃんに会いに行く。謝るのではなく、「忘れない」ことを伝えに。 それぞれ、まだ試練はありそうだけど、いい方向へ向かっているなという、ハッピーエンドに近い読後感。 もちろん涙も。

    1
    投稿日: 2016.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2016年8月31日読了。母と子をテーマにした連作短編。父親の影がなんとも薄い(あるいは、人間的に浅い)お話が多いのは父としては残念だが、父親がどうあれ肉体的に子供を産んだ「母親」というものは、母親がどんな人間であっても子供がどう成長したとしても、いつまでも「母親」であり続けるものなのだな…と感じる。著者がテーマにしている「ゆるす/ゆるされるという関係」「罪をどう償うか」は、実際自分に起きたとしたらどうできるか…?忘れたふりをして日常に戻ってしまうのではないか(で、純真な子供が一人苦しむのではないか)と他人事でなく感じた。育児と仕事を両立する女性への母からの心遣いと、弟を思いやる兄の心中に泣いた。

    1
    投稿日: 2016.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    許す・許される がテーマの母と子の物語。 許すことは出来ても、決して忘れることは出来ない。多分それが現実なので、加害者側が出来る事は、したこととその影響を忘れないことかもしれませんね。

    1
    投稿日: 2016.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母と子を描いた物語。 夫の起こした事故の罪を背負い続ける母、虐められ自殺を図った子の母と虐めた子の母。 母にも色々あり、母と子の関係もそれぞれだ。 私にも私の母との関係がある。 そんな関係を見直す、見つめ直すことのできる優しくなれる一冊。 2016.2.9

    1
    投稿日: 2016.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    傍目には意固地とも思えるかちゃんの事故遺族への償いは小さな種となり、いじめに加担したことに悩む少年、いじめを見て見ぬ振りした少女、いじめの中心となった少年…と様々な人たちの心の中で芽吹き若葉を広げ、「償うこと」「受け止めること」の意味と、「償うこと」が次の一歩につながることに気づかせてくれた。 私にも、運よくそれほど大事ではないが、子供のころは悪意の意味も知らず他人を傷つけ、後になり自分の行動を強く悔やむものの素直に謝罪することができなかった思い出がある。そのころにこの本を読んでいたならば、勇気をもって謝ることができたのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2016.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは感動だ!! 子供がいないので「母親」としてはわからないけど。 ゆるす/ゆるされない 難しいな。

    1
    投稿日: 2016.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ある日訪れた一人の少年とその家族に起こった交通事故。 父とその隣に乗っていた会社の人もなくなった。父のハンドル操作が悪かったわけではなく、相手の車の責任だった。 にもかかわらず、母は、その隣に乗っていた家族に一生をかけての償いをする。決して幸せにはならないと。だけど、わが子だけは、関係ないからと。 その背負ってきた罪、忘れてはいけない罪、その生き方を通して、罪は消えないこと、忘れてはいけないこと、それを考え出した子供たち。 ひとりひとりの抱える家族の背景、気持ち、それらが、せきららに描写されていて、最後の最後まで、そのひとりひとりの思いを感じられた作品。

    1
    投稿日: 2015.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゆるす、ゆるされる。ゆるさない、ゆるされない。事故の被害者遺族への償いといじめ被害者への償い。親子ってすごい。つながっていくってすごい。 色々な母と子のかたちはあるけれど、世界中すべての人にとって、「かあちゃん」は「決して自分がひとりぼっちじゃないことを証明してくれる存在」なのだそう。私と母の関係は決して良好ではない。けれど「かあちゃん」にちょっと歩み寄ってみるかな、いやいや、けど、いやいや…そんなことを考えてみました。 自分が母になったときにもまた読みたいな。

    1
    投稿日: 2015.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松清らしい!と思わせてくれた一冊。 「かあちゃん」「ママ」「お母さん」「おふくろ」いろいろな「母」を題材に、ゆるす/ゆるされる,ゆるさない/ゆるされないの関係が描かれている。 自分と照らし合わせながら、読み進めていくのが、重く切ない。しかし清々しさもある。そんな作品だった。

    1
    投稿日: 2015.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分が思っているよりも、ずっと深く抱えている人が周りにはいるのかもしれなくて、今見てる面からだけで判断することはよくない。 いじめはやっぱりいけないことだと思うけど、いけないからってそれを親が子どもに頭ごなしに怒るのも違う。 なかなか本当にお互いが向き合って、相手の気持ちをくみ取るのって本当に難しいと思う。 でも、クロちゃんも松谷も啓太も本多くんも千葉ちゃんも森さんも水原先生も福田先生も、みんなたくさん間違えてたくさん失敗してたくさん負けて、でもたくさん負けたことを忘れないでそれを抱えながら成長していこうとしている。 全然楽しい話じゃないし、ちょっと読むのが辛くなるところもあったけど、でも読んで後悔しなかった。 最後の ひとりぼっちじゃないって教えてくれるひとがいれば、だいじょうぶなんだよ って言葉が印象的だった。 重松清さんの、思春期の子どもたちの心境をここまで表すことができるところに、感動した。 私は、もっとお母さんお父さん、そして弟たちときちんと向き合って、少しでも後悔しないようにして一生を終えたいです。

    1
    投稿日: 2015.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ①「アゲイン」 ご主人を交通事故で失い、同時にお亡くなりになった被害者のご家族からの無念さ、怒りを一人で背負い 一人息子を育て上げるお母さん。 きっと、この道を行く。と決めた後は、これが当たり前として、強く生きて来られたのだろう。 私は、こんなにも自分に厳しくできるだろうか? 長い歳月の後、周囲は、お母さんの思いに触れ、感化を向ける。 お母さんの思おもい・生き方は、心ある人々に染み渡り、彼ら心の糧になる。 強く、やさしい。 最後の母ちゃんの微笑みがうれしかった。 ようがんばった人には、ぜってぇ、ええことが待っとるもんじゃ。

    1
    投稿日: 2015.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母親って子供への影響が大きいのよね。私もこの歳になってもまだ影響を受け続けている。私の成人した3人の子供たちは私からどんな影響を受けているのか恐ろしくなる。 僕は僕だ。被害者でも加害者でも、僕はずっと僕以外の誰でもないのに。

    1
    投稿日: 2015.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いい話…ではあったのですが、交通事故においてもいじめにおいても そこまでくっきり「加害者」「被害者」の線引きが できるものなのかと疑問に思いました。 また、加害者が罪を一生を以って背負っていくのは理解できますが この被害者たちは一体どこまで被害者の顔をして生きていくのだろうか という違和感も残りました。

    1
    投稿日: 2015.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ゆるす/ゆるされる」「ゆるさない/ゆるされない」人間関係を主題に作品を描いていた頃の作品。 あとがきで著者がそう解説しているが、その作品の題名が「かあちゃん」である理由が、涙腺を震わせる。かあちゃんに許されてきたから、私たちは気付かぬうちに人を許さぬ人間になってしまっていて、人に許されたいと願う時、初めてかあちゃんに許されていたことに気がつくんだ。人をゆるすには無償の愛が必要で、そこには自己犠牲ももちろん伴う。でもその分、許されるということに込められた愛を最大限の感謝で受け取るんだ。 心と頭を洗いたい人、必読書です。

    3
    投稿日: 2015.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子を持つ親が読むと良いですね。ジーンときます。 無関心スレスレの対応が時に子供に必要なのかもしれませんね。

    1
    投稿日: 2015.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    題名の通り、「かあちゃん」がテーマとなった作品。 父が不慮の事故死し、同僚も乗車しており、笑顔を失くし夫の罪を償い続けたヒロシの母。 そして、その同僚の孫となる啓太は、クロちゃんという親友をいじめ、加害者という立場になる。 啓太の親友、敏之もクロちゃんをいじめ、加害者という立場になり、今までクロちゃんをいじめていた松谷にターゲットとされるようになる。 その松谷も、父が不倫し母は出て行き、家庭の中は複雑となっており、松谷はクラスの中ではリーダー格でも、先輩からはパシリ扱い…。 松谷の幼馴染の千葉は、認知症の祖母の世話をする母に、イラつきを感じていた。 彼らの担任水原は、母が立派な教師で劣等感を感じ、またその同僚の福田は、子育てをしつつ、教師を続け、無理を続けていた。 母が再婚し妊娠して複雑な気持ちを抱える美帆、 そして、いじめられて転校したクロちゃん…。 1人の登場人物を中心に始まるのかと思っていたら、複数の登場人物が中心にまわっていき、つながっていくのが、とても読んでいて面白かったです。 はじめ、松谷は悪い奴と思っていて、でも後に彼の家庭の事情や彼のクラスの外での様子を思うと、うーん…と思ってしまったり。 また、何も理解していない担任教師水原のことも、背景を出されると、あー…と思ってしまったり。 すっかり重松清さんの書き方に、いい意味で振り回されてしまいました。 母…と言っても、色々な母がいる。 当たり前のことですが、改めて思いました。 この本は、1人1人に焦点を当てていきますが、どの人物の話にも、必ず母の姿があります。 最初のヒロシの母の話が、やはり印象的でした。笑顔を失くし、償い続けた母。そして、その姿は、啓太君をはじめとする色々な人々に影響を与えて、すごいことだなと思いました。 ぜひ一度は読んでもらいたい一冊です。

    1
    投稿日: 2015.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    基本的には、 ‘We don't need no education We dont need no thought control No dark sarcasm in the classroom Teachers leave them kids alone’ なんだけれども、 いまはまだダメダメな水原先生は伝説の母親を遥かに凌駕する良い先生になると思うなおれは。

    0
    投稿日: 2015.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    誰にとっても、母親は特別な存在。 たとえ、何歳になっても。 そして、母親にとって、子供も特別な存在。 たとえ、子供が何歳になっても。 もし、子育てで悩んでるおかあさんがいたら。 この本をよんでほしい。 きっと、涙が出てきて、そして前に一歩踏みだす勇気を もらえるから。

    1
    投稿日: 2015.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでて、涙が出そうで・・・ でも、出なかったですね。 いろんな「かあちゃん」が出てきましたが どれも自分の母親に通じるというか 重なるというか・・・ ちゃんと親孝行をしなければ ならないな、と思いました。

    1
    投稿日: 2014.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供、父母、祖父母、それぞれの立場のそれぞれの悩みや成長が詰まった、人生の縮図のような本です。 自分の成長を振り返りながら、そして未だ知らぬ将来の視点を体験しながら、親子の温かさを感じることができました。 全編を通しての『許す/許される』というテーマは想像以上に深く、見頭が熱くなる場面も多かったです。 おすすめの一冊。是非一読して貰いたいです。

    2
    投稿日: 2014.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中学生のいじめ問題が軸となり、子どもを見守るさまざまな母の形が描かれています。 母の形もさまざま、過保護であったり、放任であったり 子どもに執着しすぎていたり。 でも、どんな形であれ、子どもを愛している気持ちは 伝わるものだと思います。 この物語は、母と子の関係はさりげなく書かれており いじめにあった子ども、いじめられた子ども、それを傍観しているだけの子どもの心情がクローズアップされた話でした。

    1
    投稿日: 2014.06.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は何? こんなことある? と思って読んでたんですけど 連作を次々読み進めんうちに おんなじ事でもそれぞれの言い分、見方 自分の人生のなかでは自分が主人公なんだなって どんなに周りを気にしても、その人にはなれない! だったら自分の人生で自分らしく生きようと思える話でした

    1
    投稿日: 2014.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    きっと今年最後に読んだ小説・・。 とっても重松さんらしいストーリー。 「ゆるす/ゆるされる」をテーマにいろんな親子像が描き出されている。 娘であり、母である私にいろんな角度から訴えるものがあった。 「忘れないこと」での償い。 簡単そうで実はとても、とてもキツくて難しい。 私は子供たちにとってどんな「かあちゃん」なんだろうな。

    1
    投稿日: 2013.12.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いやぁ、いいお話でした。いろんな「かあちゃん」と子どもの、苦くて甘い物語。視点の変わる小さな物語が繋がった大作です。親の気持ち、子どもの気持ち、それぞれの事情をよくぞこれほど細かく描いてくれた、重松さんすごい!償いと赦し、中学生のいじめ(の構造)が大きなテーマです。「ひとをいじめるということは…あとから、どげん謝ってもすまんのと違いますか?ケンカやったら『ごめん』で仲直りできても、いじめはそげな言葉ですまんでしょう?」どんなに愛していても母の思いと子の気持ちはこんな風にすれ違うのですね。

    2
    投稿日: 2013.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前から気になっていた1冊。期待通りの内容でした。 いろんなかあちゃんがいて、いろんな息子や娘がいて、それぞれが「ゆるされないこと」「ゆるせないこと」を抱えて生きていく。 ちょっと重いテーマではあるけれど、いろいろと考えさせられました。

    1
    投稿日: 2013.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    謝罪と償いの違い、母親の強さと偉大さを考えさせられる物語。 この小説は、一つのストーリーの下で、関係者それぞれの立場から見た短編集となっている。多感な思春期の人々が、何を考えて何を思い言葉を発したり行動を起こしたりするのか、これを察する難しさを改めて感じた。悩んでいる、あるいは心が揺れている時期に、じっと話を聞いてくれる母親の存在は大きいものだ。

    1
    投稿日: 2013.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ことの発端がちょっとありえない気がするけど・・・。 事故を起こした運転手も悪くないのに、トラック運転手ではなくそちらを恨んでしまうなんてことがあるのか、と。 そして恨まれている方も甘んじてそれを受け、自分の子にも冷たくしてまで己を律し続けるなんて。 でも、このエピソードが軸となって、それに関わる様々な人の話しにつながり、オムニバスのようでつながっている、深い話しになっていた。 学校のいじめは、ほんとにあり得る話だよなぁ。 自分の時代はここまで陰険ではなかったけど、いまどきはありえそうだなぁ。 自分も子供を持つ親として、将来子供がいじめられたら・・・と深く考えずにはいられなかった。 ラストのいじめられてた子がいじめっこと会うのも、ちょっとありえない気がしたし、あったとしてもこんなに普通にできないんじゃないかって気もしたけど、物語的にはみんな再生できた感じがしてよかったと思う。

    1
    投稿日: 2013.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    心に染みる作品。 泣けます。 電車では(泣いてしまいそうなので)途中から読めなくなって、家で読みました。 「かあちゃん」というタイトル。 確かにかあちゃんだけど、それ以外にも色々な思いが詰まっていて一言では言い表せない本だったと思う。 いじめた人いじめられた人。何年も償い続けた人。 客観的にはどうしようもない事であっても、 何かしないでは居られない位、やるせない思い。 でも全ては「覚えていること」が大切なんだな。って。。 良心の呵責や、相手の事、自分の過ち。 それを覚えているだけで許されるわけではないけれど、 でもそれら良心の呵責や相手の事を覚えている。 申し訳ない気持ちを持ち続ける。 亡くなった方を思い続ける。 それがわずかであっても償いになるのなら、それが救いとなる。 いじめの問題なんかが社会問題になっている昨今。 いじめた側は周囲から責められるばかりで、どうすればいいのか分からないまま放置されることが多いけれど、 少しでも「申し訳ない」と思っている人ならば、 この本が少し助けになるかもしれない。

    1
    投稿日: 2013.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まさかの連続短編。短編にするより、最初の親子の話をがっつり描いて欲しかった。途中泣ける箇所もちょいちょいあって、また読みたいと思える本。

    0
    投稿日: 2013.06.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松清の作品は、日常を普通の言葉で表現しているのに、どうしてこんなに心にストレートに刺さるのだろう。 そして、時々ハッとさせられる。 涙がとまらなかった。 いろんな「母」の姿はとても強くて暖かい。 またいつか読み返したい。

    1
    投稿日: 2013.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集なんだけど、実は大きく1つのストーリーでつながっている構成。1つの物語のなかで、そこに登場する人物1人1人の視点に切り替わって全員の心情が1人称の語りで描かれる。 認知症のおばあちゃんの介護に追われながらもいつもニコニコしている「かあちゃん」の一言が胸に刺さって残っています。

    1
    投稿日: 2013.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『「たいせつ」には理由なんてない。理由を説明しろと言われたら困ってしまうし、どんなに国語が得意な奴でもうまく説明しきれないのが「たいせつ」なんだと思う。』 物語はひとつのお話として続いていくのだけど、一章ごとに主人公が変わる。同じ物語でも目線が変わる。そして、その物語のそれぞれの主人公のかぁちゃんたち。 『思いだすことすらできない人生のいちばん最初の記憶に、母親がいる。その深い深い記憶を忘れずにいるかぎり、ひとは、どんなに寂しい毎日を送っていても、決してひとりぼっちではないのかもしれない。』 わたしもお母さんにたくさん連絡をしたくなった。

    2
    投稿日: 2013.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松清らしい作品。 ページ数はちょっと多いけど短編集みたいで読み易い。 「ゆるすことについての三部作」であるという『カシオペアの丘で』と『十字架』も是非読んでみたい。

    1
    投稿日: 2013.03.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母親は子供をそれぞれに違う形で愛している 忘れないということ 人の気持ちや、思い出、優しさ 忘れずに、大切に生きようと思いました

    1
    投稿日: 2013.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何十年前の事故をきっかけにいろんな人が関わってくる連作短編集。母と子というより、中学生のリアルな感情の方が印象的だった。水原先生、福田先生の話が好き。

    1
    投稿日: 2013.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    オススメされて読んでみました。 自分じゃちょっと選ばないジャンルだったので新鮮に読めた。 いろんな母親と子供の関係がでてきたけどまだまだ子供目線な私はいつまでも子供でなんだかがっくし・・・。 これを読んで涙できる人は素敵だなぁって。 自分が母親じゃないからかなって。 なんだかがっくししてしまいました。

    1
    投稿日: 2013.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    信頼と安心の群像小説。 これの直前に道尾氏の連作短編集を読んでいたせいか(いや、それも悪くはなかったんだけど)、危なげない、安定感があると思える作品でした。 作家に対する信頼感みたいなものもあるんでしょうかね。それまでに読んできた作品が多ければ多いほど身勝手な信頼感を持ってしまうような。 ただ、その安定感を「はみ出さなくて面白みがない」と捉える人もいるかもしれない。私には心地よいものだったけれど。 重松氏のあとがきによれば、「ゆるす/ゆるされる」の人間関係をメインに据えたとのこと。 私個人は、読んでいる間ずっと、昔の某ドラマの台詞「誠意って……なんですか」がぐるぐるまわっていた。 ゆるされないことを犯してしまった時に、人は何を持って償いとするのか。重松氏が描いてくれたものは、私がおぼろげに抱いていた答えと同じ物だった。だからこそ、心地よい安定感を感じたんだろうと思う。 その安定感を生み出すもう一つのモチーフは、「母」という存在だ。誰しもが持つ、「母」へのイメージがそこにある。「うちの母さんはもっとがさつだよ」なんて言う人にとっても、残念ながら母親との縁が薄かった人にとっても、心の中で描く「母」の理想像──自分が本来抱くはずだっただろう「母への感情」の理想──に近いのではないだろうか。 作中で描かれている問題は厳しい。 もし、自分の身内が交通事故で同乗者を死なせてしまったとしたら。 もし、自分が加害者・傍観者であった「いじめ」で、被害者が自殺を選択してしまったら。 そんな、取り返しのつかないことを前に、とれる責任などない。ただただ、相手に誠意を示すしかない。 そしてそんな時でも、母という存在はどこかで支えになってくれる。 なんだか、レビューとしても感想としても中途半端な文章になってしまったけれど、とにかく、読み終えて、「そうだよね!」と同意の声を上げたくなる小説でした。

    1
    投稿日: 2013.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分の母親のことを思い出し、終始涙が止まらなかった。自分の母親に、十分な親孝行しよう!と思った(T-T)!

    1
    投稿日: 2013.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    謝罪とは許しを乞うこと。 償いとはそのことを忘れずに背負っていくこと。 人生において大なり小なり罪はある。 私も忘れずに向き合っていこう。 もうすぐ母となる私。 いろんな形の母を読みとれて感慨深かった。 私はどんな母になろう…

    1
    投稿日: 2012.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    二十六年前の交通事故で、人生を一転させてしまった母親と息子。 離れて暮らす息子に、母の入院の知らせが入ります。 …… と、罪を背負い続けた母と息子の話かと思いきや、そのストーリーに端を発した連作短編集になっています。 ある中学でいじめが勃発し、被害を受けた子が自殺未遂をします。 そのクラスの子どもたち、先生の話で綴られていきます。 そこには様々な母と子の姿があり、いじめの贖罪を抱えた子たちの葛藤が描かれています。 中学生の自分でもどうしようもない心の苛立ち、グラグラした不安など本当に切なくなります。 一方で、母として、子を思うがばかりに身勝手な(?)不安も上手く描いています。いらぬおせっかいさも…… 加害者の松谷くんの心の叫びが切なくて、涙・涙でした…

    1
    投稿日: 2012.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今までの自分の中にはない感情を知る事が出来てこの本に出会えて本当に良かった。 色んなかあちゃんに涙した。

    1
    投稿日: 2012.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重松さんが初めて描く「母と子」の物語。500ページを超え読み応えたっぷりでした。話は短編なんだけど、一つの話を軸に全て繋がっていて、全部に色んなお母さんが出てくる。お母さんの年代も様々で色んな考えのお母さんが色んな愛し方を持っていて、子供を持つ自分と重ね合わせながら共感出来るところもたくさんあった。ゆるす、ゆるさないが軸になるテーマで人間関係の細かなもつれや、心情表現が上手く描かれてて、最初から最後まで優しい文章が心地良く入ってくる。最後はやはり、涙は出ちゃうんだなぁ。重松清は、天才。

    2
    投稿日: 2012.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終わったら、ふとお母さんに会いたくなった。 母は、つよいなぁ。 おせっかいなお母さん。 口うるさいお母さん。 しっかりしているお母さん。 そんなお母さんの秘密をすこしかいまみた。

    1
    投稿日: 2012.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    7組の母と子の物語。というか、いじめの話が本筋としてあって、その登場人物それぞれに母がいて…というような形。 母親として、仕事と育児のジレンマに苦しむ福田先生に共感したし、また自分の子どもがいじめた・いじめられた母親の戸惑いも痛いほどわかる。男性の著者なのになんでこんなに母親の気持ちがわかるの?とびっくりした。 また、中学生達がとてもリアル。忘れかけていた中学時代の葛藤や不安も思い出した。 上司を巻き添えに交通事故で亡くなった夫の罪を背負い続ける母親には正直あまり共感できなかったけど、贖罪のひとつの形としては理解できるかな。すごい、とは思う。 でも笑わないというのは…結果的に子どもにも大きな傷を背負わすわけだから、やはり疑問に思うけど。

    1
    投稿日: 2012.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。重松清さんの作品で私の好きな本ベスト3に入ります。連作短編集。 重松氏あとがきによれば「許す/許される」という人間関係。裏返せば「ゆるさない/ゆるされない」関係を書きたかったということですが、読んでいて心に残るのは「忘れない」関係のように思います。とにかく涙が溢れる滂沱の一冊。

    1
    投稿日: 2012.11.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    お母さんと、その子どもにまつわる連作短編集。 全ての作品を読んだわけではないけど、この著者の描く作品は 心の芯に愛情が溢れているなぁといつも思う。 心が優しく温かくなる作品。

    1
    投稿日: 2012.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ちょうど一人暮らしを始めた時に読んだ本。だからこそ胸に深く響いた。いつも重松清の作品には、この時期に読むならこの作品しかないと感じるようなタイミングで出会える。幸せだ。

    1
    投稿日: 2012.10.21