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マツリカ・マトリョシカ
マツリカ・マトリョシカ
相沢沙呼/KADOKAWA
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総合評価

31件)
3.9
7
15
7
1
0
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     まさにシリーズの集大成とも言うべき作品で、2年前と現在でそれぞれ密室で起こった事件を1作目と2作目で知り合った友達や先輩達と一緒に推理していく場面や、主人公が過去の自分自身への無力さを嘆き、それでも真相を解明しようとする姿、そして満を持して繰り広げられる推理劇など「これまでのシリーズを読んできて良かった。」と心底思える青春×本格ミステリーだった。出来ればまだまだ続編を読みたいとも思った。

    1
    投稿日: 2025.01.10
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    シリーズ1作目、2作目と、作家と共に主人公の男子生徒の成長も感じられる作品。 女王様気質のツンデレなヒロインと思春期男子の妄想シーンに頼り気味だった作者に、ネガティブ思考の固まりだった主人公。 それが今作では主人公には信頼できる仲間も増え、ウジウジしたシーンは大幅に減りました。作品としても、ミステリ、青春、思春期男子などのバランスが絶妙になりました。特にヒロインの出番が少なくなったのは、妄想シーンの描写が落ち着いただけにとどまらず、本当に追い詰められた時に颯爽と現れる探偵(ヒーロー)のような印象に好転しました。 そしてそれには、一定以上のミステリとしてのレベルがあってこそです。 思春期の妄想シーンなどを完全に受け付けないという方以外は、おすすめな一冊です。

    0
    投稿日: 2024.10.18
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    現時点での最新刊である3巻目(続くはず)。 前2巻で増えていった主人公の理解者たちが、みんなで事件についての推理を投げ合う、シリーズものの3巻目らしい構成の良作…どころではない。 柴犬くんがセクシーなお姉さんにドギマギしてしまう視線までも事件の本筋にきちっと折り込み、学校という場を完璧に活かした、前作までの流れが伏線として化ていく様に拍手。そりゃ本格ミステリ大賞のノミネートも当然だ、と。 何より「密室を解く手がかりになったポイント」にマツリカさんが何故気づくに至ったか、の論理の流れが素晴らしい。地の文で書いていたが、著者は良い意味でも悪い意味でも変態さんに違いない(笑)

    5
    投稿日: 2024.04.28
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    1巻と2巻があると知らずに読んだので最初の方少し戸惑った。 ミステリーにしては展開が遅い感じがするし、面白味も私には足りなかった。 主人公の心の葛藤が軸になっているストーリー。 1巻から読んだら感じ方が変わるのか試してみたいと思う。

    0
    投稿日: 2024.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなかマツリカさんがいつものように出てこなくて、待たされて焦らされて、満を持しての登場だった。そこまでが長かった。やっぱりマツリカさんが推理を披露してくれないと締まらないのである。 それと今回は、他の生徒の前にいるマツリカさんの姿が見られて、彼女が下僕だけではなく誰にでもああいう強気な態度であることが分かった。柴山じゃないけどマツリカさんのことが気になって仕方ない。 事件に関して、マツリカさんに言われて初めて気づくことばかりだった。プリーツスカートの構造から論理的に説明して見せたところは面白かったし、「これがもし男性作家の書いた推理小説だったら」と柴山がその変態性を指摘するところで笑ってしまった。読者がどんな目で見ているかよく分かっていて、自虐を入れてくるのが良かった。 相手を思うからこそ何も言えないということは大いにある。そこに気づけただけでも柴犬くんは成長したのだなぁと思える。

    0
    投稿日: 2023.11.30
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    柴山君がウジウジしながらも密室の謎を解く。 今回マツリカ様の謎がわかるのかと思っていたら、出番が少ない。最後ラスボスのように登場。 3作目でも柴山君は相変わらずウジウジしてるけど、友達も出来て成長している。今後の作品ではお姉さんの真相もわかるのかな?楽しみ。

    0
    投稿日: 2023.10.22
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    シリーズ3作目。前2作よりも謎解き要素が濃かった気がする。「凄い」と「面白い」を連呼したい! 青春小説としても本格ミステリとしても楽しめた。 好みは分かれそうだけど、うじうじした内気な主人公好きかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.06.22
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    霊媒探偵クラスの衝撃をありがとう(*´▽`*) シリーズ3作目だがマジョルカ、マハリタ両作 があって初めて本書の入り小細工の密室が完成 したといえる(時空を超えた解決だった) 本作は過去の柴犬視点から少し客観的となり、 うじうじ悩める狭窄視野がないだけ読みやすい プリーツスカートの構造だって覚えられたw 過去2作で活躍の小西・マツリカが作品の最後 まで出番が無いが、そこに至るまで5人の推理 が自然にながれて作品の完成度が凄い さて柴犬が成長著しい、学校で変態行動を継続 しているのに信頼できる仲間が増えてkitanoは 嬉しい!日常の謎をここまでミステリに出来た 作者は末恐ろしい・・・読むべし!

    1
    投稿日: 2023.05.16
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    自分の存在価値に疑問を抱く思春期の子供達に焦点を当てた、学園ミステリ。 シリーズの3作目、、、とは知らず本作から読んでしまった。それ故に少し楽しみきれなかった感がある。「マツリカ」って何者?!と読みながらずっと思ってたので… ストーリーの進むテンポ感も少し遅く感じられた。 1作目と2作目も大枠で伏線になっているらしいので、読んでみたい。

    4
    投稿日: 2023.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現在のところこの「マツリカ」シリーズはこの第三巻まで発行されている。予備知識なしにこのシリーズを読み始めたので、この「マトリョーシカ」で最大の謎であるマツリカさんのことが語られてシリーズが終わるのかと思っていたが、どうやら違うみたいだ。 まさかこのままこのシリーズが、様々な謎を回収しないまま終わるとは思えないので、続編を楽しみに待ちたい。 さて本作であるが、シリーズ初めての長編である。「マツリカ」さんの登場場面が少ないのが寂しい。その分柴山君は相変わらずウジウジしながらも頼もしく成長しており、八面六臂の活躍を見せる。 密室の謎があまりに回りくどく、その謎解きに自分自身がのめり込めなかったので、ミステリーとしてはあまり楽しめなかったが、柴山君の成長物語、あるいは良質の青春ドラマとしては楽しめた。 それにしても、柴山君の周りには魅力的な女子がいっぱい集まる。なんとも羨ましい。

    6
    投稿日: 2023.01.08
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    人は死なず舞台は学園だけれども、多重解決の本格ミステリだ。 姉を失ったことに苦しんできた柴山が、成長し呪縛から解放される過程も胸を打つ。柴山を救うマツリカは魔女であり女神でもあるね。

    0
    投稿日: 2022.12.15
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    現在と過去の一見無関係なようで類似しすぎている二つの事件。まるで私も探偵になったかのような気分で読んでしまった。 偶然図書館で手に取ったのだが、なんとシリーズものとは… これはほかのマツリカシリーズも読まなくては

    0
    投稿日: 2022.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ●  感想  マツリカ・シリーズの第三弾にして、初の長編。日常の謎系のミステリでありながら、現代密室と過去密室の2つの密室の謎が提示されている。  柴山祐希が現代密室の犯人と疑われ、「試験期間の最終日までに真相を見つけ出さないと、犯人と断定される。」という時間制限によるサスペンス的なノリも含んでいる。  マツリカ・シリーズは、柴山祐希の成長を感じる展開となっている。その一環として、この作品では、これまでの作品では重要な役どころを占めていた「小西さん」は、ほとんど存在感がない。柴山のほか、松本まりか、高梨といった人物が、柴山と一緒に探偵の役回りをしている。  後付け的な部分はあると思うが、過去密室の捜査の際に、過去の事件で関わったことがある先輩に聞き込みをするなど、過去作品を伏線として使っている部分がある。そういった意味で、過去作品まで含めた、マツリカシリーズの総決算という意味合いもある。  ミステリとしてのデキはどうか。現代密室の犯人は、探偵チームの一員である春日麻衣子。密室を作った鍵は、偽物の制服を用意し、カーテンが閉まっていた絵を描いていたというもの。春日麻衣子が、柴山を犯人に仕立て上げようとした動機がつかみにくいので、読者をミスリードするためともとれる。野村という存在をミスディレクションとしており、意外性、密室トリックとも、考えられているが、やられた感はそれほどない。原因は、密室トリックが込み入り過ぎているからだと思う。もっとシンプルな方が入り込めた。偽物の制服を用意していたという点も、伏線が感じられなかった。とはいえ、密室のトリックとしての完成度は高い。  過去密室の方は、被害者の秋山風花と松橋すみれが嘘の証言をしていたから密室になっているだけで、犯人が七里というシンプルなもの。密室が成立した原因は、屋上での垂れ幕作業によって生じた影と、犯人が同じ服装をしていたことにある。過去密室の謎を柴山が解くことで、柴山の成長を感じる場面となるが、謎としてはたいしたものではない。  マツリカさんが、学校に来て、関係者の前で謎解きをするなど、これまでのお約束を破る展開。柴山の成長、お約束を破る展開、2つの密室の謎と面白さがアップしており、過去作に比べると気持ち悪い描写が少ないという点もいい。過去作を見ていないと面白さが減ってしまうので、過去作から読んでほしいが、この作品に限った方が他人にお勧めしやすいという印象。  ミステリとしてのトリックは、込み入り過ぎているという難点があり、現代密室の犯人が柴山を巻き込んだ動機の弱さ、全体を見て、読者を騙そうとし過ぎている要素はある。とはいえ、シリーズでは屈指の完成度と読みやすさがあり、全体の評価は★4としておきたい。これが、傑作「medium 霊媒探偵城塚翡翠」につながっていく、相沢沙呼としても重要な作品となっていると感じる作品である。 ●  事件 ●  設定  柴山は、七里との間で、現代密室の謎を、試験が終わる日までの解き、真犯人を見つけないと、柴山が罪を被るという約束をしている。 ●  密室殺トルソー事件(=現代密室)  テニス部の七里観月の制服を着たトルソーが、密室なっている第一美術準備室で、カッターに刺された状態で見つかる。 【6つの推理】 ● 1つ目の推理 松本まりかの推理  試験準備期間前に鍵を借り、窓を開けておく。窓から室内に入り、窓から出る。あとは、第1発見者として窓の鍵を閉める。 ● 2つ目の推理 柴山祐希の推理1  窓から出入りをし、糸を利用して鍵を閉める。ただし、ほこりの状況からこのような事実はないことが分かっている。 ● 3つ目の推理 三ノ輪部長の推理  猪頭先生が犯人。又は吉田先生が犯人。先生なら鍵を自由に使えるので、密室でもなんでもない。ただし、猪頭先生が犯人でないことはアリバイから分かる。 ● 4つ目の推理 高梨の推理  トルソーを、薄くて長い板で滑り込ませた。ただし、現実的には、相当の重労働でほぼ不可能 ● 5つ目の推理 村木翔子の推理  美術室の鍵を偽物とすり替える。松本まりかが犯人という推理 ● 6つ目の推理  合鍵を使うという推理 ● 廃墟の魔女の推理  鍵は、自転車の鍵とブリーツスカート。ブラウスのポケットに自転車の鍵が入っていた点に違和感がある。状況と推理から、自転車の鍵は、スカートのポケットに入っていたはず。それが、どうしてブラウスのポケットに移ったのか。それは、糸を使い、部屋の外からポケットに鍵を入れるため。犯人は、精巧な偽物の制服を用意していた。準備はずっと以前から行い、確認は本物でさせる。カーテンは、ベランダから、窓にカーテンが掛かっている絵を張り付けた。犯人は、制服を盗んだ当日に美術室に入ることができ、野村が席を外した数分で鍵を送り込むことが可能で、深夜零時にタイミングよく、柴山にライトの明滅を見せることができた人物、春日麻衣子 ● 2年前の事件(=過去密室)  文化祭の準備期間中に、開かずの扉の中で、一人の女生徒が血を流している状態で見つかった。  写真部の松橋すみれと三ノ輪は、秋山風花が階段を上るのを目撃。松橋は、その後、倒れている秋山を発見。その部屋は密室  秋山は午後4時半頃、襲われ、気絶。しかし、午後5時頃、松橋すみれと三ノ輪は、部屋に入った秋山風花を見たという。垂れ幕の影と同じポロシャツ。この2つから、部屋に入ったのは秋山だと思った。秋山は、七里にカッターで切られたが、自分から襲ったという事情もあり、文化祭を守るために、松橋と口裏を合わせ、七里に襲われたとは言わなかった。隠して、狂言をしたという噂が流れた。

    3
    投稿日: 2022.09.19
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    中で死んでいない2つの密室事件が相互に絡み合いながら物語が進んでいく。 柴山の成長が著しいのと、最後にまさかのマツリカ登場が面白かった。 さらなる続編はあるのだろうか?

    0
    投稿日: 2022.08.21
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    今回は、長編。学園ものミステリとして楽しめます。さくっと読めて、頭の息抜きに最適でした。マツリカの登場がなかなか良かった。

    0
    投稿日: 2021.12.12
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    マツリカシリーズ3作目にして初の長編モノ。 主人公の柴山は、深い心の傷を負い、それ故煮えきらない性格、そしてモテない陰キャラ、常にメンタル弱々な男子高校生。対して探偵役のマツリカさんはというと、廃墟となった雑居ビルに住んでいるという謎の美少女、態度も振る舞いも絶対的存在、そして芝山を虜にさせる美貌の持ち主、でもってキレッキレの推理能力。このキャラ関係は本作でも健在。 今回も、柴山はマツリカさんから、学校内での怪談話の調査を命じらる。 怪談話から曰くありげな過去の不可解な出来事が浮かび上がり、そこから現在の怪しげな出来事に発展し、さながら二重構造の謎を呼ぶ。学園モノ日常の謎の本格ミステリなので殺人は起こらないけども、不可解な出来事はバリバリの密室状態。沢山の推理が繰り広げられ、登場人物たちの意外な接点や共通性が描かれ多重構造の様相。このあたりがタイトルのマトリョシカに繋がってる。相沢沙呼の作品はやはり一筋縄ではいかない。

    4
    投稿日: 2021.07.19
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    シリーズ三作の中では一番おもしろかったです。トリックはちょっと非現実的な気がしましたが、柴山君が頑張っている姿がよかったです。

    0
    投稿日: 2021.06.18
  • これまで2作とはだいぶ異なり

    まずマツリカさんは最後の最後までほとんど関わらない,というところが前作までと大きく違うところ。とはいえ,最後は,感情を顕わにする以外が展開も。 今作までで一通り,とも見えるし,この後続けるのでしょうか。まだ伏線を回収できていないことも多いので,続きも出して欲しいですけれど。

    0
    投稿日: 2021.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これまでマツリカシリーズは小さな謎を解いていって最後に大きな謎でしめくくるの言う感じが多かったが今回はひとつの謎に集中して取り組んでいく感じの作品だった。 推理を出しては失敗しての繰り返しは自分も小説の登場人物と試しているようで良かった。 最後のマツリカさんの登場シーンがカッコよすぎる、 また、どんな人でも皆自分の存在価値を求めて生きていくんだなと思った。たとえそれがどんなやり方であろうと、、

    0
    投稿日: 2021.05.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今までの流れがあったから芽生えた葛藤や楽しみ。 正義感?真面目さ?倫理観?何っていうか表現は難しいけど、自分のことを陥れようとした人を思いやれるだろうか?ともに過ごした時間まで、嘘だったかのように思ってしまいそうだ。そんなことはないのに。 今後は楽しい思い出が増えることを予期させる終わりでした。

    0
    投稿日: 2021.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    マツリカさんが犬を助けるシーンがカッコ良すぎる…!!3作目だからこそ今までの積み重ねが活きていて、予想外でより良い。

    0
    投稿日: 2021.05.15
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    日常系であえて密室に挑んで多重解決を提示するあたり、挑戦的だしとても成功していると思う。さらに、高校を舞台にした青春もので、友人たちとの関わりの中で主人公が成長する様を描くという欲張りな作品。なのだけれど、前作といい、今作といい、どうしても主人公のキャラに違和感が。理屈としてなぜそうなっているかはわかるのだけれど、理屈としてわかる分だけ逆に馴染めないというか。フェチ的な描写もあまりマッチしない気がするんだけどなあ。でも、話としては面白い。

    0
    投稿日: 2021.04.10
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    mediumを読み、相沢さんの作品が気になったのでこの1冊を。 また違う良さがありました。読んでいて自分でも考えました。

    0
    投稿日: 2021.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ3作目にして初の長編。現実的に無理だろうと思われる推理の展開が続く中盤は中だるみしたけれど、最後は結構好きです。シリーズの良さも出ていたと思います。

    0
    投稿日: 2021.01.29
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    「マツリカ」シリーズ、初の長編にして、今までの登場人物のほぼ全てが登場する、集大成的作品。 1巻の時のオドオドしていた柴山君を思い返すと、 今巻での精神的な成長をひしひしと感じる。 …まぁ「犬」と呼ばれることに変わりはないのだけれど。

    0
    投稿日: 2021.01.23
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    マツリカシリーズ初の長編は読みごたえがあった。 マツリカの登場シーンが少ないが、ラストの劇的な登場には驚かされた。 柴山の友達は徐々に増え、結構青春をエンジョイしているように見える。小西の想いは届くのか? 口の悪い春日は、これからも柴山に絡んで欲しい。

    0
    投稿日: 2020.12.20
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    ミステリー初心者だからかも知れないけれど,間違っていた謎解きも含め,すべての謎解きが面白かった.何種類もの謎解きを提示していって,最後にもっとも意外性のある謎解で締めるという趣向がすごくいい. 解説に書いてあったように,1巻と2巻を本作のプロローグと捉えると,ずっと気に入らなかった哀れな柴犬も成長したようだし,物語の厚みがというか深みが違ってくる気がする.

    0
    投稿日: 2020.09.16
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    『マツリカ・マジョルカ』『マツリカ・マハリタ』に続く、シリーズ三作目にして初長編の『マツリカ・マトリョシカ』。読み終えた感想としては、「大化けしたなあ」という印象。過去二作品の伏線と、ここに到るまでの柴山君の変化、そして密室の謎が強固に結びつけられ、本格ミステリとしても、青春小説としても、今までにない特異なところにまで、マツリカシリーズは向かっていったように思います。 相も変わらず、マツリカさんの命令で学校の怪談話を調べる柴山は、噂の調査のために深夜に後輩と一緒に校舎に侵入。そのときに見かけたのは、開かずの間と呼ばれる美術室の倉庫で瞬いた光。さらにその開かずの間にも「胡蝶さん」という怪談話があって…… そして翌日、その開かずの間から見つかったのは、「胡蝶さん」に見立て制服を着せられたトルソーとカッターナイフ、そして、ばらまかれた蝶の標本。 さらにその制服は前日に、女子テニス部の更衣室から盗まれたもので、柴山は有力な容疑者の一人になってしまう。そして調べてみると、倉庫は密室状態であったこと。さらに二年前にも同じ場所で、女子高生がカッターナイフで切りつけられた事件が起こっていることが分かり…… 柴山君とクラスメート達が挑む密室の謎。糸を使った古典的なトリックから、大がかりな物理トリック。第一発見者犯人説など、様々な推理が乱れ飛びます。そしていずれのトリックも、検討を進めていくと論理的に不可能だと分かる。 推理小説好きの登場人物のメタ的な発言も相まって、並々ならぬ密室へのこだわりと挑戦意識が垣間見える。本格ミステリ、密室好きにはたまらない推理小説です。 そして、青春の喜びと苦みが物語の節々で顔を覗かせる。作中でワイワイとみんなで推理したり、トリックを実際に試したり、試験前の勉強に取り組んだりと、そうした描写は本当に楽しそうで、読んでいる自分もそうした登場人物たちの仲間に、いれてもらったような気持ちになります。 そして推理の過程で明らかになる、登場人物の痛々しい過去。このあたりは前作までの積み重ねがあるからこそより心に迫る。前作『マツリカ・マハリタ』から登場した松本さんは、この『マツリカ・マトリョシカ』で、より身近に感じ、そして魅力的に思うようになりました。 期日までに真犯人を見つけなければ、犯人として学校に告発する。制服を盗まれた女子生徒に告げられ、窮地に追い込まれる柴山君。さらにネットでは、彼の大切な友人に疑いを向ける書き込みも見られ始める。 これ以上みんなに迷惑はかけられない、最悪の場合は自分が罪を被る。そう覚悟を決め柴山君は孤独な推理に臨む決心を固め…… シリーズが始まった当初は、根暗でいわゆるボッチだった柴山君。姉に対するトラウマを引きずり、自分のことを無力だと思っていた彼が、友人達のために覚悟を決める。 その力強さもそうだし、この守りたい大切な人がいる、という思いが柴山君の姉に対する強迫観念に、一つの変化を与えるきっかけにもなって、シリーズを通して本当に繋がった作品だな、と思います。 そして誰かを大切に思う気持ちは、きっと相手にも伝わるはずで。 クライマックスでの柴山君と女子生徒の対決に、柴山君の友人達が駆けつけるシーンなんかは、ベタなのかもしれないけど、本当に良かった。そして、最後に登場するのは…… 密室の謎については、最後の推理に到るまで色々な線が作中で考察されてきたけど、ラストの推理は本当に丁寧で読み応えがありました。盗まれた制服に入っていた自転車のカギが、どのポケットに入っていたか? 一見何てことない小さな謎を突破口に、ロジックがつながり、前提としていた条件までもが崩れ、犯人が仕掛けたトリックの全容が明らかになる。そんな本格ミステリの冥利に尽きる見事な推理に加え、明らかになる犯人の思いの切実さも心を打つ。そして犯人の思いと、柴山君の思いも鏡映しのようで、この事件の解明が、柴山君の新たな一歩につながる。 ミステリと青春小説の側面が見事に結び合わされ、シリーズとしても一つの到達点を迎えた、相沢沙呼さんらしい傑作だったと思います。 守りたい人たちと、掬い上げたい言葉。それが臆病だった柴山君を大きく変えていく。彼のネガティブな思考というのは相変わらずなのかもしれないけど、彼を貫く軸は確実に大きく変化していて、シリーズの次回作も本当に楽しみになりました。

    7
    投稿日: 2020.08.29
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    かなりてこずった。過去と現在の2つのタイプの異なる密室を提示している点は面白いけど、密室は強固にしすぎてはいけないいい例じゃないかなぁ。 密室が強固なわりに、探偵役であるマツリカがほぼ登場しない。強固な密室について素人探偵があーだこーだやってるシーンがかなり長いので、正直飽きる。あと主人公の性格とうだうだ感がどうにも受け付けなかった。

    2
    投稿日: 2020.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

     マツリカ・シリーズ3作目にして初の長編。『密室「殺トルソー」事件』を、柴山君と仲間たちが解決していく。  作中、登場人物の一人が「人が死なない密室を書いた小説で有名なものはないんですか?」と問うている。作者はこれにチャレンジしたわけだ。  今作では柴山君と仲間たちがそれぞれの推理を披露していく。《古典部》シリーズの「愚者のエンドロール」に似たような展開だ。そして最後は、あの方の登場となる。1巻目と2巻目を読んでいたほうが楽しめる。それらに、伏線が張られていることに気づくだろう。柴山君の煩悩は相変わらずだが、マツリカさんの過去がまた少し明らかになる。    あと、「もしこれが男性作家が書いた推理小説だったら、その作家はプリーツスカートに詳しいただの変態ではないか」とある。これ自虐ネタなのだろうか。

    7
    投稿日: 2020.06.28
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    マツリカがなんだかんだで、ミステリの謎を解き明かす。 偶然を装い、謎解きの役を担うことになった芝犬くん。 さて、どうなる?

    0
    投稿日: 2020.04.06