
総合評価
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powered by ブクログ冴えない柴山と廃墟ビルに住むマツリカが学校怪談を調査(原始人/隻眼幽霊)。文化祭(衣装消失)で柴山の意識が変わる。最終章は主人公に纏わる話。謎の女子高生マツリカのツンデレな態度が魅力。
11投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログミステリ要素はあるがメインは高校生の感情を追う青春小説。連作短編としての大きな仕掛けも気持ちよく、それぞれの短編も感情の動きがしっかりと想像できるような流れがあり、非常に読みやすい。 マツリカのミステリアスな状況を不思議と思わせない高校生男子目線の描写も効果的で微笑ましかった。 続編も読みたくなる良作でした。
8投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログシリーズものの1作目。現在3作目まで出版されています。普段は手に取らないタイプの作品なのですが、ネットでミステリ小説を探していたところ、3作目の「マツリカ・マトリョシカ」の評価が高く、そちらを先に読んでみました。結果、大ハマりとまではいかないものの、1作目と2作目も読んでみようかなと思えるくらいには面白かったです。 それで1作目と2作目も読んでみると、分かりやすく作者の成長が感じられるシリーズでした。(後発の霊媒探偵城塚翡翠シリーズは未読ですが、ドラマは見ていて、かなり面白かったです)。 特に1作目である今作は、文章自体の読みにくさはないものの、表現や話の展開、構成力などはイマイチでした。ただ、それを考慮してか、短編集てきな構成になっていたので、サクサク読み進めることはできました。ミステリ部分も一定のレベルに達していると感じました。 ネタバレにならない範囲で少しだけ具体的に上げると、主人公の男子生徒はもの凄い劣等感と後悔を持っていて常にクヨクヨしています。表紙の女性は女王様タイプでそんな主人公に接するのですが、彼の下心とか妄想とかいつも爆発させています。それでも3作目ではミステリとか青春のパートなどのバランスがそこまで悪くないのですが、1作目の今作ではクドイくらいに悩みと妄想が繰り返されるので胸焼け気味です。 なので、この手の作風が得意でない方は、シリーズ3作目の「マツリカ・マトリョシカ」から読むことをおすすめします。3作目は、1作目の評価で読むのをやめるには、勿体ない程には面白い作品だと思うからです。なお、一応1作目と2作目と登場人物が揃っていくという形なので順番に読むのがベストですが、今シリーズにおいては想像で補える範囲かと思います。
0投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログKindle Unlimitedで読了。 作者の別の本が話題になっていたので読んでみた。 文章はかなり読みやすくスラスラと読めた。 面白くなかったわけではないものの、登場人物のマツリカさんを魅力的に見せるための表現が舐め回すようなものが多く、気持ち悪さを感じてしまった。 偏見かもしれないが、女性が読むと拒否反応を起こしそうなレベルだと思う。 結局作者の他の本も買ったので、そちらも読んでみようと思う。
0投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログ主人公は柴山という自分に自信が無く、人と関わることに恐れを抱いている高校1年生だ。表紙に映る少女は「マツリカ」と名乗る本名不詳・年齢不詳・住所不詳の謎に謎を重ねたような存在である。柴山はマツリカと出会うことで少しずつ変わっていく。だが根本のところは変わらない。おどおどしてて、人に話しかけるときはとても緊張して、可愛い女の子にドキドキしてしまう思春期の少年である。その人間らしさに親近感を抱き、物語へと没入することができるだろう。 更にこの作品は短編が集まった長編のような作りになっているため、区切りが付けやすく気軽に読むことができることも魅力である。最終章で明かされる柴山の真実にも注目してほしい。 お手軽なミステリーを読みたい、主人公の変化を楽しみたい、マツリカの魅力に引き込まれたい人は是非読んでみてほしい。
0投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログマツリカさんのキャラが魅力的で惹かれました 正体は明かされないままだったので若干もやもや とと思っていたら続きがあるんですね 青春真っ盛りの柴犬くんの今後の交友や心持ちもどんな風に変わっていくのかが楽しみ
0投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ面白かった。学校もので、連作短編もののミステリに欲しい技も効いている。 いまいちハマりはしなかったのは、わたしがもはや思春期男子だった頃を忘れかけているためと、不思議で高圧的でセクシーなお姉さん?(本作の安楽椅子探偵であるマツリカさん)になじられパシられながらも大事にされてドキドキもする……という所が自分のツボ…というか性癖とは違う所にあったからで、本作が悪いわけではないし、ドキドキして悶々としちゃうシーンの書きぶりがなんか書いていて楽しそうなのがこっちにもしっかり伝わってくるのはむしろ好感度が高いです 笑 シリーズ3作目が本格ミステリ大賞のノミネート作なので、そこまで読んでみるつもり…
9投稿日: 2024.04.03
powered by ブクログクラスに馴染めず鬱屈した学校生活をおくる柴山祐希がある日廃墟に住むマツリカと名乗る女性と出会い、都市伝説や自分の身に起こった出来事を話し、それを聞いたマツリカがその謎を解く4つの短編からなるお話。それぞれ春夏秋冬で短編が描かれ、個人的にはミステリーというよりは青春小説としての面白さを感じた。それにしてもマツリカは何者なんだろう?
1投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログまずこの官能的な表紙のインパクトに惹かれます。そしてマツリカさんの切れ味鋭い推理力。そしてこの対照的な語り手の男子高校生のサエない性格にイラッとしながらも、不思議な魅力があって、また、若いなぁと思わせる青春小説でした。
0投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ私も美しい女性は好きだけど、表現が気持ち悪いと感じる部分が多くて眉間にシワを寄せながら読んでいました。
0投稿日: 2024.03.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学園で起こる謎をマツリカと柴山が解決していく話。 全4篇からなる短編集。 マツリカは、何者なのだろう。続編も気になる。
3投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冴えない男子高校生と大人びた先輩美少女マツリカが活躍する学園ミステリ。 主人公は勉強も運動もできないし、人との会話もままならず、クラスの中心に入っていけないのにもかかわらず美少女とお近づきになるという、現実にはあまり無さそうな設定ではある。でもここはとことん男子高校生目線で楽しませてもらった。 廃墟に住んでいるというマツリカさんは謎が多すぎて、洗濯とか食事とかトイレとか諸々の生活はどうしているのか、その妙な言葉遣いはなんなのか、何も分からないけれどなんだか許せてしまう。明らかに人間に興味を持ちながら、自分のことには無頓着で虚無すら感じさせるところ、気まぐれに見せる優しさ。今のところ分かったのはそれくらいである。 高校生たちの謎だけれど結構犯罪寄りの暗い謎も含まれ、明るい青春という雰囲気ではない。この感じだとマツリカさんの謎もそういった種類のものになるのかな。続編も読みたいと思う。
0投稿日: 2023.11.10
powered by ブクログ学園ミステリーになるのかな? 高校1年生の柴山君が学校近くの廃墟に住むマツリカと言う女子高生と出会い、学校で噂になる怪奇現象を推理していく。 柴山君のお姉さんは何となく初めから予想がついた。マツリカ様の正体が気になって仕方ない。
0投稿日: 2023.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドハマリしている「霊媒探偵 城塚翡翠シリーズ」の著者、相沢沙呼さんの作品です。 帯にね、帯に書いてあるんですよ、 このミステリーがすごい!2020年版(宝島社)1位「medium」はこのシリーズから生まれた って。 この帯を見ていなければおそらく手にすることのなかった本書...... 翡翠ちゃんは出てきませんよ。 でも、2016年初版の本書を読めばわかるんです。 本書の3年後に相沢先生が翡翠ちゃんを生み出すのが。 あっ、翡翠ちゃん愛を語るところではありませんね^^; コホン(´ρ`*) えーっと、本書はシスコンの冴えない高校1年生柴山祐希が主人公の青春ミステリー。 クラスメイトと話をする訳でも、部活にうちこむ訳でもなく、学校に行っても1人ボッチで過ごしていた祐希ですが、学校近くの廃墟に住む謎の女子高生マツリカ様と出会いで退屈だった日常が一変します。 本作は4作からなる連作短編。 いやいや、このマツリカ様の美人で頭脳明晰&スーパーツンデレ感は反則でしょー。 そりゃ、「柴犬」(マツリカが柴山に名付けた呼び名)も惚れちゃうよ~ いや、柴山(柴犬はマツリカ様だけの呼び名)だけじゃなくて、多くの男子はやられちゃいますよね^^; 初対面で「お前」よばわり、メールで無茶な要求、パシリに使われ、「お前つまらないね」だってさ。 それでもマツリカ様の魅力に取り憑かれていく祐希、ピュアだね~ 正直、翡翠ちゃんの影を追い求めて読み始めた為、途中までの評価は☆3つ。 それがですね、最終話で☆4つに昇格した訳で、でも、その理由は内緒にしとこうかな( ・…・)クチチャック ☆5つに出来ないのは、やはり翡翠ちゃんとの比較ですが、個人的には満足( ¯﹀¯ ) そして、マツリカ様がいたから翡翠ちゃんが生まれたのはよく理解出来ました(*^^*)v 最後の終わり方も気になったけど、マツリカ様の続編ってあるのかなぁ...気になります。 あっ、もちろん翡翠ちゃんの続編も楽しみに待ってますよ~♪ 高校1年の柴山祐希は、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで生活が一変する。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いながらも、学園の謎を解明することに。男子高生の心情を描きだす、学園ミステリ。 内容(「BOOK」データベースより) 柴山祐希、高校1年。クラスに居場所を見付けられず、冴えない学校生活を送っていた。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変する。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされつつも、学校の謎を解明するため、他人と関わることになる祐希。逃げないでいるのは難しいが、本当は逃げる必要なんてないのかもしれない…何かが変わり始めたとき、新たな事件が起こり!?やみつき必至の青春ミステリ。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 相沢/沙呼 1983年、埼玉県生まれ。2009年、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
60投稿日: 2023.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【購入本】相沢沙呼part.2 ミステリアスで蠱惑的なマツリカさんと、地味で気弱な男子高校生、柴山の学園・青春ミステリ。ところどころの描写がキツい(というか、“ど”がつくほどエロい)が、話の内容としては十分。マツリカさんのひと言ひと言にもグッとくる。明るく快活なメガネ女子、小西さんの存在も魅力的だ。次巻も読みたい。
0投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログシリーズ一作目。 ミステリー要素としては重くないから、怖がりな私でも読めた。 日常の謎ということで、よく考えたらあ、そっか!となってスッキリ。 でも最後の最後の展開には驚きました。 柴山くん視点の描写が細かくて、読んでるこっちが恥ずかしくなった
0投稿日: 2023.06.22
powered by ブクログ僕と「マツリカ」さんの出会いから日々は少し変わっていく。 何の変哲もない日常の謎モノかと思いきややはり一筋縄ではいかない相沢沙呼作品。ミスリードが巧みである。日々の謎を追いつつそれに青春の悩みを絡めてくるのも実によかった。
0投稿日: 2023.06.20
powered by ブクログ軽いミステリで、一番の謎は放置して物語は進む マツリカ、女王にして下僕を従える様がステキ 柴犬(本名は名乗らせてもらえない)は、廃墟に 棲むマツリカという生物を上目遣いに見る('ω')ノ 腰まである髪、切れ長の眼、スカートの裾から覗 く白い太腿、それを眺め、同じ空間にいる代わり に雑用をこなすこの作品・・・気に入っているw
1投稿日: 2023.05.08
powered by ブクログkindle unlimited いわゆる「日常の謎モノ」。 ウブな男子高校生が非現実的な生活を送る魔性の女子高生に顎で使われながら、学校で起こる不可思議な出来事を解明していく。 すごくよくある設定だし、キャラの描き方も予想の範囲を超えない。 こんなに「ザ・純情」みたいな高校生、今時いないでしょ。 とはいえ、とても読みやすいし、説得力もあるので、すぐに読了できました。
0投稿日: 2023.03.06
powered by ブクログマツリカシリーズ1作目。 四つの短編からなる、連作短編。 高校で起きる謎を、ミステリアスな美女・マツリカさんが話を聞くだけで解決してしまうという、分類的には学園ミステリになるのかな? マツリカさんの描写がセクシーで、それを見つめる柴山の思春期男子ならではの妄想もリアルで、なんだかドキドキしてしまった。
6投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログマツリカさん、あんたはいったい何者なんでしょうか。この謎が解明されるまで私は、このシリーズを読み続けるでしょう。 女子高校生にして、スーパー女王様、そして安楽椅子の名探偵。「柴犬」君ならずともマツリカさんには惑わされ、その虜になってしまいます。マツリカさんの正体を知りたい様な知りたくない様な複雑な気持ちです。 ミステリーとしては日常のちょっとした謎解きですが、その切れ味はなかなかのものです。個人的には「原始人ランナウェイ」が、中高生にはいかにもありそうなお話で面白かったです。 これからの柴山君と小西さんの関係も気になりますし、これはもうすぐ続編を読むしかない。それにしても、作者の男心をくすぐる描写、見事に勘所を押さえています。もうニヤニヤが止まりません。通勤電車の中では読まない方がいいかもしれない(笑)
8投稿日: 2022.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
#読了 「姉さん、大変です」という、どこかで聞いたことのあるような台詞で始まる日常系ミステリー。 謎の美少女マツリカさんのパシリになった柴山。極度のシスコンで、学校に居場所がないと思っている。そんな柴山がマツリカさんからの指示で学校内の怪異を追っていくうちに、クラスメイトや同級生なんかと関わりを持って少しずつ打ち解けていくのだけど、思わず柴山の背中を押してあげたくなる。 マツリカさんは学校の近くの廃ビルで寝起きする変人だが、安楽椅子探偵よろしく謎を解明してくれるものの、本当にそれが真実かどうか確認しないところが妙にリアル。 最後のお話で全体を通して違和感だった「姉」の謎も解けて、悲しいけれどスッキリ。
0投稿日: 2022.11.22
powered by ブクログ大事件ではなく、身近な出来事の謎解きなのでミステリー要素は今一つだった。マツリカさんのキャラを愉しむための本という感じ。
0投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログKindleで読んだ。 冴えない学園生活を送る高校生・柴山祐希。彼の毎日は、マツリカとの出会いで一変した。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされる憤りと、色香に昻るモヤモヤ感との狭間で揺れながら、祐希は学園の謎を解明するために奔走する…。 主要人物2人と、ラノベっぽい文章が好きになれず読むのに時間がかかった。 「medium」はめちゃめちゃ好きだったんだけどな。
0投稿日: 2022.10.21
powered by ブクログ霊媒探偵を読み、面白かったので、こちらのシリーズを借りてみました。 身近な謎について、柴山が集めた情報に別の視点から解釈を与えるマツリカ。 柴山が巻き込まれているようでいて、行動を通じて変わっていく様が面白い。
0投稿日: 2022.08.18
powered by ブクログ著者の作品を読んだのは2作目である。 あの癖の強い城塚翡翠を知っているから物語に対して抗体を付けていたのがとても幸いであった。 あいも変わらず魅力的な文節は簡単に心を摑まされた。 物語の開始から魑魅魍魎の世界が繰り広げられる。 現代が舞台なのに冒頭で、「原始人を探させられてる高校生」が登場する。 コレには好き嫌いがハッキリと別れるんだ。 こう言う訳の分からない事を始めさせられた事を茶番だと一蹴して呆れるか何が起こるのかわからない衝動に駆られて楽しめる人。 私は圧倒的に後者なのでイカれたキャラクターや物語はかなり許容できる。 だからコミカルなこの作品は大好きだ。 癖の強い魅惑の魔女に魅せられて犬の様というか下僕な駄犬のような男の物語を心から楽しめた。 そして何より伏線回収の上手さは流石としか例えようがない。 主人公が内気で陰気なのでそれに嫌気が刺してしまう方も少なからずいると思う。 私もココまで陰キャではないが負けてない気はする。 作品は3部作あるのでまだまだ楽しませてもらえる事が嬉しくて仕方ないです。 素敵な出会いに感謝いたします。
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ「ウジウジ主人公」と「高飛車ヒロイン」の学園ミステリ。主人公の気持ち悪さがどうにも好きになれず、ヒロインの喋りも「大人が無理して作った超個性的性格」って感じで、現実感は全く感じられない。 主人公のウジウジ描写が特に長く、水増し感が出ている。 そもそも、これはミステリなのかも怪しい。
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログマツリカさんは、何者? 命令口調でも、柴山くんの話を聞き 生きる場所を与えてくれる。 実は柴山くんのような人は沢山いて みんなとかかわり合いたいのだと おもう。
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
廃墟に住む美人な女子高生マツリカと臆病で柴犬っぽい男子高生柴山の学園ミステリ。 マツリカから意味不明な命令を渋々受けるけど、振り回される日々も悪くない彼。この関係が好き。 柴山に気さくに話し掛けてくれる小西さんとの関係も好き。 謎に満ち溢れた彼女のことほぼわからなかった。 卒業式の後、引き換えした柴山はマツリカに会えたのか。マツリカはなぜ廃墟に暮らしてたのか。 続編を読めばわかるかなぁ。 原始人の皮肉や、聞こえないはずの泣き声、いなくなったアリス、柴山の秘密。どの話もちょっとブラックな真相で後味が悪い。
1投稿日: 2022.02.10
powered by ブクログ話自体はグイッと引き込まれる感じではないのだけれど、マツリカさんの事が知りたくて続編を読みたくなる不思議な感じ。
0投稿日: 2021.11.28
powered by ブクログスーパーツンデレ マツリカさんと柴犬とのおはなし。謎の美少女とそれに従う年下男子高校生という鉄板な感じだけれど、やはりあっという間に柴犬同様に心を奪われてしまうのは、仕方ないかな。
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マツリカに会ってみたい。 祐希のお姉さんについてはそうなんだろうなーと思っていたし、そこで着地するのも納得。 マツリカについての謎は続編でわかるのだろうか…
1投稿日: 2021.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集的な装い。 主人公は根暗で人見知り(クラスの女子の名前を覚えてないレベル)の男子高校生。 ヒロインは学校近くの廃ビルを住処として、学校を望遠鏡で覗いているツンデレ女王様気質の女子高生。 女子高生が男子校生を使い、安楽椅子探偵的に事件を解決(?)する。 ・走る原始人の謎では、そういう噂から数年前にイジメで全裸にされて走った少年を揶揄する噂話で、当時学生だった実習生の思いなど。 ・文化祭では、アリスの衣装が無くなったと思ったら実はアリス役がイヤイヤやらされて逃げ出したなど ・最後のオチはシスコンの主人公の姉は実は死んでて、女子高生と男子校生の距離が近くなるなど
0投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ"内気な男子高校生と廃墟に住む謎の美少女が出会って始まる青春ミステリー" 青春パートに頁を割いているのでミステリーはおまけ程度。 主人公の柴山君は思春期真っ盛りということもあってムッツリ状態に頻繁に突入する。そうすると始まる彼の独白がものすごく長い。正直飛ばし読みしてしまう程、長い! 自分はそこを楽しめなかったのでこの評価。 訳ありドSお姉様キャラとの掛け合いが好きな人はきっと気に入られると思います。
0投稿日: 2021.07.22
powered by ブクログ主人公の柴山は、高1男子、クラスに馴染めない陰キャラ。そんな彼が、謎多き美少女のマツリカと出合ったことから、学校の不思議な出来事の謎解きに関わる。学園モノ、青春ミステリの連作短編集。圧倒的にか弱い柴山にたいし、マツリカは、絶対的女王様的な存在で、かつ耽美でミステリアスな安楽椅子探偵。キャラ設定がトンがってるのだが、描写もプロットも、そして伏線もしっかりして単なる連作短編集にとどまらない一冊。 『medium』にて、してやられた感の相沢沙呼だが、本作はmediumよりも7年前の作品だという。他の作品も追いかけてみたくなった。
2投稿日: 2021.07.09
powered by ブクログ不思議なテイストの本でした。自分が中高男子校だったこともあり、この作家さんの学園ものの本を読んでいると、共学の学校に行きたかったなと思います。
0投稿日: 2021.06.06一体その正体は・・
本作では,主人公が抱える背景が明らかになるところまで。 マツリカさんがいったい何者なのか,は主人公同様に読者にもヒントがほとんど与えられない。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログどうも女王様キャラは苦手です。 これは安楽椅子探偵的な構成なんですかね。ひょんなことからマツリカさんと知り合った僕こと祐希がマツリカさんの指令で学校内のさまざま調査を請け負う、そのご褒美に勉強を教えてもらうという関係。 マツリカさんと祐希の二人のやりとりを楽しめればよいのでしょうけれども、やっぱ女王様キャラを受け付けない自分にはあまり楽しめなかったです。マツリカさんに関する描写は魅力的といえばそうなのですが、なんかこうもう一つ盛り上がりに欠けるというか、あくまでも個人の感想ですが。 で、最後の最後で祐希にも大きな秘密があるとわかる展開。またマツリカさんが卒業してしまったのか、それともまだ、というところで次巻へつづく、という結末でちょっと気になるのですが…。いや多分次は読まないと思います。
3投稿日: 2021.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
男子高校生の成長物語?と思っていたけど、どうなんだろう。続編でどんな変化があるんだろう。 各章でほんのり漂うザワザワする感じ…最終章でやっぱりって…。 マツリカさんはマツリカさんで変化がみられるし、関係性が変わっていくのかな。 というか、こんなに四方山話がたくさんある学校には通いたくないなー。
0投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログ* 男子たるもの、彼女を守って進まなければ、なんて思ってしまった。 * 書店でのオススメにピックアップされていたので購入。テンポが良い学園ミステリ。マツリカさんがセクシーすぎる! . 学園で起きる謎を解決しつつ、青春と共に生きるということにも触れる作品。シリーズもあるので今後のマツリカさんにも注目したい。 .
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ日常、それも高校で起こる様々な出来事の小さな謎を何個も解明しながら伏線を貼り、最後に大きな謎を1つ解明するという感じの本で相沢沙呼さんはこの書き方を良くするのだと思う。 僕はこの書き方がとても好きで読んでいてとても楽しい。 また、この本にはマツリカさんの事がとてもセクシーに書かれていたが果たして何者なんだろう? 1冊でも楽しめるが、やはり続編がとても気になる終わり方をしたので次もはやく読みたい。
0投稿日: 2021.05.01
powered by ブクログ衝撃的な結末があると思って読み始めたので、肩透かしな感じではありました。読み終わると自分の10代の頃と重なり合ってジワジワと懐かしさや痛みや優しさが広がってきます。
1投稿日: 2021.04.21
powered by ブクログ日常生活を舞台に繰り広げられるミステリーです。 殺人事件とか起こりません。 後味の悪い(何故か苦いという表現がにあうと思う)話もあり、そこがまた味なのかな? マツリカさんの魅力も伝わってくる。 ただもっと芝犬には頑張ってもっとマツリカさんに踏み込んで欲しかった!(そーゆう本ではない)
0投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログなんとなく、よくあるコミュ障とドSのコンビが事件を解決する話かと思ったら最後の章ですごく苦く悲しい結末を見る事となる。この2人のコンビがこれからどんな謎を解き明かすのか、続編も読んでいきたい
1投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログ高校生、謎の美少女マツリカと僕、柴山祐希(柴犬)のショート4編からなる連作謎解きミステリー。 原始人の謎、肝試しの謎、アリスの謎、卒業アルバムの謎。 軽いストーリーなので読むのは容易い。 「〜・マハリタ」「〜・マトリョシカ』と続くシリーズ物。 マトリョシカだけが長編で評価が良いので予習的に読了。 いろいろと付箋らしきものが多くて、これだけではモヤっとする。正直、謎解きミステリは、好みではないのだけど、最終的にこのモヤッが解決するならそれはそれで心地よいのかも…と期待して3冊目まで行く予定。 2021/02/25 今年の3冊目
2投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ購入するとき表紙が恥ずかしかった。 内容は悪くない。 連作短編ミステリー。 米澤穂信さんの「氷菓」シリーズに似てるが少し幼い感。
5投稿日: 2021.02.14
powered by ブクログ最後の謎が予想通りだったのでちょっと不満…。 mediumばりの衝撃はなかったです。 レビューを見るに2作目、3作目の方が評価は高いので気が向いたら読んでみるかなあ。
0投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ主人公の姉はやっぱり予想通りだった。 大きな事件とかはおきないので、どのお話もあんまり印象に残らず。
0投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ2012年の作品らしいけど表紙に惹かれてジャケ買いしてしまった。 読み初めはラノベみたいに文体が軽すぎて失敗したかな?って思ったけど、最後の話はなかなか面白かった。 重い話も複雑な謎も出ては来なかったけど、廃墟に住む美少女が魅力的。 裏表紙には青春ミステリと書かれていたけど、思春期小説かなぁ。 作者の太ももに対するこだわりはとても共感できた(?)
0投稿日: 2020.12.16
powered by ブクログ柴山に何かあるようだ、と思っていたが、やはり、という感じ。 本作では、マツリカが何者かはわからなかった。次作以降でわかるのか?気になる。
0投稿日: 2020.12.08
powered by ブクログ登場人物はギャルゲーかなと思うくらいに女子しか出てこない。 何も考えずにサクッと読める気軽さがあり、後半の畳み掛けは『medium』の片鱗が見える。 続きが気になる終わり方で、次も読んでみたい。
0投稿日: 2020.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
二十代前半の読者だが、ややキツかった。要はガキ向けという事だ。それこそ十代の若い読者か普段小説を読まない人・苦手な人には丁度良いかも知れない。 気弱な高校生が主人公で、物語はその一人称で綴られていく。平易で限りなく話し言葉に近い文体なのでとっつきやすいと思う。 ヒロイン兼探偵ポジションであるところのマツリカのキャラクターは良かった。妖艶だがそれでいて瑞々しい。若い女。と言うか官能美を備えた少女。主人公の視線を介して蠱惑的な肉体の描写が為される。 人格もミステリアスでまだまだ隠されたエピソードを感じさせる。というか、本作では殆どこの人物の核心には触れていない。 美しく怜悧な謎めいた歳上の美少女。本作で語られる彼女の人物像はその程度に留まる。何なら本名すら不明のまま終わる。序でに学年も不透明。まあ続編でその辺りは掘り下げられるのだろう。 肝心のミステリ要素に就いてだが、稍弱いように感じる。一応筋は通るが、すとんと腑に落ちるかと言われると首を傾げざるを得ない。何と言ったら良いのか、そうある可き必然性(?)に欠けるように感じた。尤も所謂日常の謎というジャンルにそこまで期待するのも無理かも知れないが…。そこまでやるか?とか、そうはならんやろ、みたいな。それを言ったら終わりという気もするが。纏めると、妥当性や必然性が無く不自然な感じがするのだ。 表紙のイラストは良い。美麗で、作中の一場面を髣髴させる。 総じると、若い子向け。ミステリ要素はイマイチだがキャラ萌え要素は良い感じ。歯応えは無いけど、その分咀嚼はし易い。
0投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログ同著者のmediumを読んで今回の作品を手に取ってみました。どこか不穏、妙な色気があるマツリカさんに虜の主人公。 不可解な出来事を追っていくとはいえ、思春期独特の性への興味関心、葛藤を描写したように感じました。
4投稿日: 2020.09.21
powered by ブクログ「medium」を読むための前提として、マツリカシリーズを読み出したが、読み易く面白かった。 特に主人公の柴山がティーンエイジらしくエロい目でマツリカを見ていて現実味がありgood。たいがいの小説のうだつのあがらない主人公は何故か若者が本来持つ欲望を隠していることに納得がいかなかったので。
9投稿日: 2020.09.19
powered by ブクログ謎めいたセクシー系超絶美少女のマツリカさんが安楽椅子探偵になって,柴犬こと柴山祐希が持ってくる謎の謎ときをする日常系ミステリー.残念ながら,主人公の柴犬が最後まで(最終話を読んでも)好きになれなかった. 「原始人ランナウェイ」 原始人の正体とは? あまり気持ちのいい話ではなかった. 「幽鬼的テレスコープ」 肝試し会のお話. 「いたずらディスガイズ」 学園祭での劇のアリスの衣装がなくなってしまって・・・.実は小西さんがすごいべっぴんさんであることが判明. 「さよならメランコリア」 伏線が張ってあった柴犬のお姉さんの謎を解くお話. マツリカさんの謎は,次作以降に持ち越し.
0投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログ男子高校生、柴山が通う高校のオカルト的な伝説の謎を解いていく話。 マツリカさんという謎の女子が出てくる。彼女が謎を解いていくのだが、彼女の存在が謎すぎてそちらが気になってしまう。
2投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログ初めてこの作者の作品を読んだが、ライトノベル印象が強くサラサラと読みやすかった。 マツリカさんがどんな女性なのか気になり、続きが気になってしまう。 柴犬と呼ばれつつも、逆らえない男子高校生…次第にマツリカさんが彼の中心になっていく、軽いラブコメ的要素も好き。 続編も楽しみ。
1投稿日: 2020.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
マツリカさんのような女性に芝犬のような関係で出会ってみたい。芝犬のお姉さんの正体に衝撃! 姉さん、ぼくは姉さんに騙されました…!
1投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログこの著者の作品は初読み。学校を舞台としてのいわゆる日常の謎を扱った四話からなる連作短編集。面白くないわけではなかったんだけどどの話もそこまでインパクトのある話じゃなかったかなぁ。「さよならメランコリア」で明かされる謎も早々に予想がついたし。ただ主人公の心情の書き方やマツリカさんの表現力はめっちゃ綺麗に上手く書かれていたように感じる。
0投稿日: 2020.06.28
powered by ブクログ表紙のマツリカさんの「ふ・と・も・も」に惹かれて読んでみた。あの「Medium」の作者の初期の頃の作品。 妖しく謎めいた美少女マツリカ(女王様気質)とネガティブ思考の高校生柴山(犬扱い)の二人が織りなす学園「思春期」ミステリー。といっても高校に通っていいるのは柴山だけだが。作者の「ふともも」に対するこだわり⇒執拗ともいえる描写には、好き嫌いが分かれそう。私は「足首」フェチなので(苦笑)理解はできるが。 日常系のミステリーなのだが、「Medium」と同じようなダークな香りが漂う。時系列の連作短編集になっており、ダークサイドの「古典部」シリーズともいうべきか。最終話で柴山の抱える秘密が明かされる。マツリカのほうは謎のまま。闇は深いのかもしれない。
11投稿日: 2020.06.19
powered by ブクログうーん、どうだろう、自分には向いてないテーマかな。いや、テーマはともかく、こういう主人公(男の方)は歯痒くて、読んでてイライラすることがあってイヤ。
0投稿日: 2020.03.09
powered by ブクログうーん、青春ミステリー?ではないなあ、青春と言うには、生々しくて、爽やかでない。 ダークではないが、明るいでもない。 殺人事件が起きるわけでもない、けれども謎がある。 真実は?もし、マツリカの言う推論が事実だとしたた、ちょっと胸糞悪い想いが、モヤモヤと胸のなかに湧き上がってくる。 マツリカの態度も? ちょっと趣味が合わなかったかな。 幽鬼的テレスコープは、マツリカの推論通りの事実だとしたら、それは犯罪であり、ストーカーの結果ではないか?学校が処理を?暗黙の処理?何故、防げなかったのか?周りの同級生も止めるべきだったのでは? と後味悪っ! #マツリカマジョルカ #小説倶楽部 #小説好き #小説好きとつながりたい #青春ミステリー
1投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログいや、2020年正月元旦に読了したのが本書なのですが、ちょっと、いや、違うんです。 本書の作者・相沢紗呼氏の『medium』が2019年のこのミス大賞を取ったということで、『medium』を読む前に著者の人気シリーズ『マツリカ・シリーズ』を読んでおかなきゃなって思ったんです…。 謎の超絶美少女のマツリカ様の色香に迷ったわけではないのですよ…。 …すみません… …マツリカ様、大好きです… …はい。完全にマツリカ様の色香に迷いました… この相沢紗呼先生の描く美少女描写はもう凶器です。 男心を撃ち抜く術を完全に心得ていらっしゃる。 その描写の度合いが絶妙なのです。決してエロ一辺倒ではなく、さわやかな中にもそこはかとなく漂う隠微なエロスというか、もう、この一線を越えないエロス描写と謎めいた美少女のセクシーさに完全にやられます。 もう、ちょっと引用してみますね。 『マツリカさんはベッドに寝そべったまま、少し不愉快そうに眼を細めた。微かに身じろぎを繰り返すと、毛布に隠れていた下肢が蠢く。シーツの上を滑らせて、白い脚が滑らかに現れる。まるでシュークリームのシューを割って、中から甘くとろけそうなクリームがあふれ出るかのようだった。白い太腿に、自然と目が釘付けになる。その美味しそうな光景に、ほんの数秒前に決心した僕の紳士の心は、早くも打ち砕かれそう。』 そう、ヤバイね。 マツリカ様は、まったくの謎の存在なのだけど、その下僕となる高校一年の『僕』こと柴山祐希君との掛け合いが楽しすぎる。 本作は学園ミステリーというカテゴリに入るんだけど、もう、マツリカ様の色香に迷うだけで本作はもうOK。 息抜き読書としては最高の本作。早く続きを読みたい(笑)。
19投稿日: 2020.01.05
powered by ブクログ学園もの日常の謎/ 短編/ 突飛な女探偵に平凡な自分/ ポエミーな自分語りが鬱陶しいし恥ずかしいけど、まあ読めなくもない/ 謎の後日談はなく物足りないがスッキリもしている/ 質が良い謎かと言われればそうでもないが、暇つぶしにはなるか/
1投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログミステリ。日常の謎。連作短編集。 「原始人ランナウェイ」はアンソロジーで既読。 作者の太ももフェチがハッキリ描かれていて面白い。 内容はまずまず。続編が気になる感じ。
1投稿日: 2018.04.30
powered by ブクログいかにもアニメかライトノベル的な非現実的なマツリカさんの設定だけど、文章のキレが良いからなのか、大人の自分でも抵抗なく読めました。 ただ伏線は早くからミエミエだったので、マツリカさんの正体の明かし方に期待します。
1投稿日: 2018.03.03
powered by ブクログ主人公の拗らせっぷりが等身大に描かれていて良い。最後にようやく自分と向き合えた、と思えるので、続編での成長に期待。作者が太腿をこよなく愛していることは、物凄く伝わってきた。
1投稿日: 2017.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〇 概要 クラスに居場所を見つけられず,冴えない学生生活を送っている高校生,柴山祐希は,学校近くの廃墟ビルに住む女子高生「マツリカ」と出会う。「柴犬」と呼ばれ,いいように扱われるが,学校で起こるさまざまな「謎」を解明するために,他人と関わることになる。柴山の周囲の「何か」が変わり始める…青春ミステリ 〇 総合評価 ★★★★☆ この作品の評価は,主人公の柴山祐希の心理描写を是と見るか,非と見るかで大きく変わりそう。非常にネガティブな思想で,結構露骨にいやらしい描写がされており,嫌悪感を抱く人もいると思う。しかし,個人的には,自分の高校時代と非常にダブってしまい,とても感情移入をしてしまった。ここさえ気にならなければ,相沢沙呼の文章は雰囲気がある。この作品では,マツリカのキャラクターについては深い描写や説明がなく,謎の少女という位置付けで終わってしまっており,やや消化不良。とはいえ,写真部の小西さんという存在が非常に魅力的に描かれており,キャラクター小説としても十分楽しめた。ミステリとして見ると,個々の作品で描かれている謎と真相はとても小粒。しかし,総じてブラックな味付けがされていて,この点も非常に好み。全編を通じて描かれる謎,柴山の姉が自殺していたという部分も,きっちりとした伏線もあって秀逸。さすが,相沢沙呼と思えた。 文体が非常に肌に合うし,作風も好み。相沢沙呼作品には,採点が甘くなってしまうが,★4を付けたい。 〇 サプライズ ★★★☆☆ なんてことがない日常の謎系のミステリと思って読むと,最後に出てくる柴山の姉の自殺というブラックな真相。さりげない伏線も用意されており,サプライズとしてはそこそこ。日常の謎系ミステリに仕込まれた全編を通じて描かれる謎としては十分なサプライズだろう。個々の短編の真相にそこまでのサプライズはないので,★3で。 〇 熱中度 ★★★☆☆ 相沢沙呼作品は,リーダビリティの高い小説というよりは,独特の雰囲気を持った小説なので,そこまで熱中度は高くない。柴山の姉の自殺というサプライズは用意されているが,先を読み進めたたくなる謎というほどのものがなく,文体が肌に合わない人は,途中で読むのを辞めてしまうかも。個人的には文体が肌に合うので最後まですんなり読めたが。★3で。 〇 インパクト ★★★★☆ 廃ビルに住む謎の女子高生,マツリカという女性の存在はインパクトがあるのだが,結局,マツリカが何者かという点は一切語られない。そのため,マツリカについてのインパクトは少し薄くなってしまう。その分,柴山の姉が自殺していたという全編を通じての謎はインパクトがある。トータルで見ると,結構,印象に残る作品だと評価できる。★4で。 〇 読後感 ★★★★☆ 柴山の姉の自殺というブラックな真相はあるのだが,ラストは,柴山が再びマツリカのいる廃ビルを訪れるというもので,明るい印象。続編もあるので,これはこれでよいラストだろう。柴山をとりまく周囲の状況も好転しており,いいラストだと思える。★4で。 〇 キャラクター ★★☆☆☆ 主人公の柴山は,感情移入できるキャラクターなので嫌いではないが,嫌悪感を感じる読者もいそう。正直といえば正直なのだろうが,なんか,こう,リアルにいやらしい。マツリカは超常的な存在として描かれていてリアリティなし。この作品で最も魅力的なキャラクターは写真部の小西さんだろう。トータルで見ると,そこまでキャラクター的な魅力にあふれる作品とはいい難いか。★2で。 〇 希少価値 ★★☆☆☆ 相沢沙呼という作家そのものがそんなに売れている印象がない。一応,シリーズになっているし,映像化とかしたら売れそうではあるが…。多量に生産されているラノベの大群に紛れて,消えていく可能性もある。現時点では,希少価値はないけど…。★2で。 〇 トリックなどのノート 〇 原始人ランナウェイ 柴山祐希が,マツリカと出会う話。学校の校庭に原始人が現れるという怪談の謎を調査する。校舎裏に「カサブランカ」の花束が置かれていた。 原始人の怪談が廃れず,広がっていた理由をマツリカが語る。原始人の怪談には真実が含まれている。全裸に近い恰好の生徒が,旧校舎の裏を逃げるというような「いじめ」がかつて存在していたのだという。花束は告発の意味があり,教育実習生の紺野が,鶴岡というもう一人の教育実習生に向けた告発をしたのではないか。自分達のせいで,辱められた子がいる。それにもかかわらず,自分達は教師を目指す。それでよいのか…と。 〇 幽鬼的テレスコープ 柴山は,小西という写真部の生徒(女子)に誘われ,生徒主催の肝試し企画,隻眼山探索オリエンテーションに参加する。肝試しでは不思議な出来事が起こった。驚かすためのポイントは10か所なのに,11か所だったという生徒が複数存在する。ゴールしたときに渡すはずのお札が1枚足りない。女の子の鳴き声を聞かせるという幽霊ポイントは存在しないのに,女の子の鳴き声を聞いた…。 マツリカは,真相を推理する。秋和という女生徒に恋愛感情を持っていた根岸という男子生徒は,肝試しの場を利用し,無理矢理,二人きりになったのではないか。事前にお札を入手しておき,中継地点を通らずに,コースを外れる。告白を断られた根岸は,精神的にか,肉体的に彼女を傷つける行動をとった。柴山達が聞いた少女の鳴き声というのは,秋和の泣き声だったのではないかと。主催者側の生徒は,騒ぎにならないように,この事実を隠蔽した。 〇 いたずらディスガイズ 文化祭に現れるという「怪奇ゴキブリ男」を見張るために,自分のクラスで行っているメイド喫茶に客として訪れる柴山。そのメイド喫茶で,写真部の小西から,D組が劇で使うアリスの衣装がなくなったので探すのを手伝ってほしいと依頼を受ける。柴山は捜索の中で,偶然,アリスの恰好をした少女を見つけるが,その少女はアリスの衣装を残し消えてしまう。 マツリカは真相を推理する。消えたのはアリスの衣装ではなくユーコという役者だったのだという。柴山が偶然見つけた少女がユーコだった。ユーコは,クラス全体が,さほど演劇を成功させたいと思っていなかったという事実に気付き,当日に逃げ出した。アリスの衣装の捜索を依頼した牧田は,演劇を成功させたいと思い,ユーコから衣装だけでも取り返そうと思っていたのだ。牧田は,ユーコを見つけた柴山の目をごまかすために,衣装だけが残るという不可解な結末を用意したのだった。 〇 さよならメランコリア マツリカは3年生であり,卒業する…そう思った柴山はいつまでも今のような生活を続けることができないと,寂しい気持ちに浸る。ある日,柴山はマツリカから面白い話をするように言われる。謎を提示し,答えられなかったら,何でもいうことを聞いてやると。柴山は卒業アルバムの写真から写真を切り取られた姉の話をする。 マツリカは,解答できないという。柴山は,マツリカに対し,「触っていいですか」と言い,「つらいことがあった言ってください」と言う。マツリカは最初の願いを聞くといって柴山の手を握り,語り始める。柴山の姉が既にこの世にいない。卒業アルバムの写真は遺影に使われたのではないかと。 柴山の姉は自殺していた。…少なくとも自殺と判断された。柴山は納得できなかった。なぜ,姉が自殺をしたのか分からない。マツリカは「私に話してくれて,ありがとう」と伝えた。 3年生の卒業式が終わったあと、柴山は思う。マツリカはちゃんと学校に行っていたのか。本当は卒業できていないのでは。そう思ってもう一度廃ビルに向かう。
1投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとひょんなことから知り合った高1の柴山こと「柴犬」。 その名のとおりマツリカにパシリにされながらも、柴山は学校周辺で起こる謎を彼女と解いていく。 人と関わることを避けていた彼の高校生活はマツリカを手伝うことによって一変するが・・・。 高校を舞台にした青春ミステリ。 著者のほかの作品(マジシャンの酉乃シリーズ)に設定がちょっと似ています。 女の子とオドオドした男の子の組み合わせが著者の好みなのでしょうか。 毎回、学校周辺の怪奇現象などを安楽椅子探偵のマツリカが推理していくという流れになっています。 4篇のどれも思春期のほろ苦さが胸を刺す結末ばかりで、胸をえぐられるようでした。 周囲に心を開かず、友達のいない柴山が事件を通じて少しずつ変わっていく、という展開はありがちなのですがほっこりします。 高校生男子の劣情具合が想像以上に気持ち悪くて、女性としては受け入れがたいものがありましたが…読んでるうちに少し慣れました。 綺麗な太もも万歳!
0投稿日: 2016.09.21
powered by ブクログ(内容) 柴山祐希、高校1年。クラスに居場所を見付けられず、冴えない学校生活を送っていた。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変する。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされつつも、学校の謎を解明するため、他人と関わることになる祐希。逃げないでいるのは難しいが、本当は逃げる必要なんてないのかもしれない…何かが変わり始めたとき、新たな事件が起こり!?やみつき必至の青春ミステリ。 (著者について) 1983年、埼玉県生まれ。2009年、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著書はほかに『ロートケプション、こっちへおいで』。マジックを愛する期待の新鋭作家。 (感想) 青春ミステリーって書かれてたけど、ミステリー要素より、少年の成長を描いてます。 学生のうちに読んでもらいたい。 クラスにあまり馴染めない子とか特に。 セクシー要素は自分的にはいらなかったですね…
0投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログミステリーとしては消化不良。特に、真相を暴いているはずなのに、その結末が提示されていない(ように思えてしまった)のは、ワシ的には物語を放り投げられたように感じてしまい、釈然としなかった。真相究明の結果どうなったか、が知りたかった。だが、主人公の情けなさ、言葉を選ばないなら、童貞らしい男子高校生の等身大の姿、には共感を持てた。今がどうであろうと、ワシも高校時代には似たようなものだったろうし、それを文字で表現し切ったのは面白い。艶かしいヒロインの描写とあわせてゾクゾクする。
0投稿日: 2016.06.16
powered by ブクログ主人公がキモい。そりゃあ男の子たるものいろいろ妄想するものですが、文章にされるとキモい。 あと、謎解きが寸止めな感じがしていまいちすっきりしない。解決してるようで、実は解決してない気がする。
0投稿日: 2016.03.15
powered by ブクログ楽しめる話が多い。 アームチェアデテクティブ風だか、実際に解いた謎は一つだけでは? だって、後の答え合わせしてないもの、ただの想像。
0投稿日: 2016.03.13
powered by ブクログ冴えない高校生”柴山祐希”と、変人女子高生”マツリカ”さんが様々な高校の謎に挑む連作短編。 マツリカさんから柴犬と呼ばれてしまう柴山は、内気で自身がなく、クラスにも友達がいないという高校生。 そんな彼の心理は、ネクラな自分に通じるものがありました。自分がその場にいたり会話に加わることで、周りの空気を壊してしまうのが怖い…。人と関わり合いたいという気持ちはあるのに、自分を見せ踏み込むのが怖い…。だから孤独を気取ろうとする。自分に身の覚えのある心情がしっかりと描かれていたと思います。 そして、マツリカさんに対して性的に意識してしまう心情もまた良く書けています。マツリカの太ももや胸に目をやって、自己嫌悪に襲われつつも、そのことを考えずにはいられない。異性にがつがつといけない草食系かつ、スクールカースト下位の男子高校生の心情を的確にとらえています。 そんな柴山を懊悩させるマツリカさんのキャラは、かなりエキセントリック。いつも廃ビルから、学校を望遠鏡で眺め、初対面の柴山を”お前”呼ばわり。そして、意識的にか無意識的にか、柴山を誘惑しているかのような耽美な言動の数々……。柴山が魔女みたいというのも分かります。読んでいる自分としては、ある意味うらやましくもありますが(笑) そして日常の謎としては、放課後に校庭を走る原始人の怪談の謎や、文化祭の演劇で消えた衣装の謎といった日常の不可思議な謎。そして、そうした謎の背景にあるのが、高校生たちの感情です。それぞれの真相に隠された、高校生たちの痛切な感情と残酷さが胸に残ります。 マツリカさんに関しては、まだまだ謎な部分も多くて、このあたりは今後のシリーズで掘り下げていきそうな感じです。マツリカさん自身の謎と耽美さに期待しながら、次巻を待ちたいと思います。 日本推理作家協会賞短編部門候補作「原始人ランナウェイ」
1投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ《土下座してでもふまr…》 才色兼備なマツリカさんと、その下僕が出会うミステリ。 どの話にも、高校生の黒くて暗い負の感情が解決編で示される。 ただのミステリじゃなく、1人でいる学生や、学生時代を再体験したい大人にも読み応えある一冊。 ただし、この本を読むと『太腿』を大胆に刷り込まされるので、注意が必要。 「いやっ、別に、僕はふとももなんて興味なっ、、、えっ、、、わっ、、、、」ってなっても知らないから。
0投稿日: 2016.02.29
