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坂の上の雲(七)
坂の上の雲(七)
司馬遼太郎/文藝春秋
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総合評価

140件)
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    奉天会戦が終わり、日本海海戦が始まるところまで。 全八巻のうち七巻まで読み進めてきて、いよいよ終盤という気配がある。 この七巻で特に印象に残ったのは、 「リーダーの器量が組織の力を左右する」 ということ。 司馬さんのバイアスがかかった言い分もあるだろうが、ロシア海軍の提督であるロジェストウェンスキーに対しての辛辣な評価がすごかった。 ここまでの一巻から六巻までを通して通底していたのは、「ロシア軍(ロシアの国自体)が日本という国を舐めていたから足元をすくわれた」ということだったが、ここでもそのようなことが描かれる。 どんな状況においても、相手を侮り、傲慢な態度で事に当たれば痛い目を見る。 この「坂の上の雲」という作品の全体的に日本という国が当時は海外から侮られていた空気を感じられるが、小さい国にはそれなりの戦い方や生き残り方があるということで、同じ日本人として誇らしい。 しかし読み進めるうちに考えたのは、これほど日本の存亡は綱渡りな状態だったのかということだ。 日本やロシアの様々な選択、気象や時の運、それらが違っていたら、今の日本は無いかもしれないと思うと、ゾッとした。 国家の戦争とは規模は違うが、組織に所属する一人の人間として、「自分の選択が組織の命運を握っているのだ」と捉えることには、日々の過ごし方に影響があると思う。 この7巻では、騎馬隊の秋山好古が活躍する場面が描かれた。 日本軍内で無用の長物と扱われていた騎兵隊を鍛えてきた秋山好古が活躍するシーンは、孤独に頑張る社内ベンチャー的立場を経験した自分にとってはアツい展開だ。 圧倒的な火力はなくても、その行動によって敵の戦意を削ぐことで敵を制することができる。 組織は様々な役割の人間がいて成り立っている。

    4
    投稿日: 2026.01.07
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    本書で、日本は滅亡寸前にあった、という驚くべき事実を知った。 日本がロシアの植民地にならなかったのは、歴史的偶然の重なりによるもので、決して日本の陸海軍が強かったわけではない。 歴史の教科書では、日露戦争の勝利は恰も必然のように記述されているため、我々は錯覚しているが、実はこの時が、日本史上、国家滅亡の最も瀬戸際にあったことを知って慄然としないわけにはいかない。 圧倒的な軍事的格差があるにも関わらず、日本が大国ロシアに戦いを挑んだ背景には、日本国民の世論があった。 ロシアとの戦争を回避しなければならないと悲壮な覚悟でロシアとの交渉に当たった伊藤博文は、弱腰と猛烈な批判を受けたが、それは、伊藤博文が現実を直視する政治家だったからだ。 一方、マスコミに煽られた国民の声(世論)は、全く現実を無視したものだった。 偶々、奇跡的に日本が薄氷の勝利を得たに過ぎないのに、日本は勝った勝ったと浮かれて、講和条約を弱腰と非難し、日比谷焼き討ち事件まで起こしたのも国民だ。 加藤陽子が言うように、「戦争は国民が選んだ」のだ。 ロシアにロシア第一革命が起こっていなければ、ロシアは戦争を継続して、日本が逆転負けを喫していたことは間違いない。 そうであれば、日本人は、今頃「ダー、ダー」とロシア語を話し、ドストエフスキーを原書で読むことは出来るが、村上春樹もロシア文学を書くしかなくなり、今頃若者は悉く、プーチンにウクライナ戦線に送られていたかもしれない。 そうした、あったかもしれない日本を生み出した可能性が確かに存在した。 その日本滅亡の最大の危機が、1905-6年だったことを、本書は教えてくれる。 日本海海戦は、東郷平八郎連合艦隊司令長官と、彼に仕えた本書の主人公秋山真之の智謀で大勝利を収めた。。。ことは確かだ。 だが、それは結果論であって、東郷にしても、秋山にしても、日本海軍と戦力的に互角のバルチック艦隊を殲滅しなければ、日本は滅亡するという強烈な危機感を持っていた。 何を大袈裟な、と後代の我々は思いがちだ。 それは日本海海戦の勝利という結果を知っているからにすぎない。 だが、司馬遼太郎の筆は、迫り来る滅亡の危機をリアルに描いてみせる。 我々を明治の戦争の当事者の位置に据えてくれるのだ。 つまり、滅亡寸前の日本にタイム•スリップさせてくれる。 ロシアは旅順港に、バルチック艦隊に匹敵する艦隊を有していた。 その艦隊にバルチック艦隊が合流したら、海軍の戦力は日本の二倍。 その両艦隊に挟み撃ちにあったら、帝国海軍は壊滅は必定。 ロシアは、万全の守りを誇る旅順港に艦隊を温存し、バルチック艦隊が遥かヨーロッパからやってくるのを待っている。 バルチック艦隊の到着を待つことだけが、ロシア必勝の方程式だった。 一方、日本が、勝利するためには、 (1)バルチック艦隊が到着する前に、旅順の艦隊を徹底的に破壊すること (2)五分五分の実力のバルチック艦隊を撃破すること  という困難な二つの課題をクリアする必要があった。 (1)を達成することを任されたのが、乃木希典率いる日本陸軍。 乃木希典の攻めた二百三高地とは、旅順港を守る要となるロシアの鉄壁の要塞だった。 だが、旅順港を守る位置にあることは、攻撃するにも好位置にあることを意味する。 乃木が必死に二百三高地のロシア軍要塞を攻めたのは、バルチック艦隊が到着する前に、要塞を陥落させて、そこから旅順港のロシア艦隊を攻撃するためだった。 数多の兵を死なせた乃木は愚将だと言われる。 しかし、二百三高地の奪取は、日本国家を守ることそのものだった。 そして、それ以前に、二百三高地を奪取出来なければ、乃木が率いる部隊のみならず、大陸でロシアと死闘を演じているを日本陸軍そのものの壊滅を意味した。 なぜなら、旅順艦隊とバルチック艦隊が共同で日本艦隊を殲滅した暁には、日本からの補給路を断たれた大陸の軍隊は全滅必死だからだ。 秋山古好がどれだけ有能な騎兵隊を指揮官であっても、補給を断たれたら、一巻の終わり。 だから、乃木はどれだけ兵を失おうとも、世界最高度のロシアの要塞を人海戦術で攻め続けたのだ。 バルチック艦隊がモタモタしている間に、間一髪、乃木希典は二百三高地の奪還に成功する。 そこからは旅順港は一望できる。 ロシア艦隊を高地から砲撃することで、艦隊の無力化に成功する。 ミッション(1)はギリギリ果たされた。 次は、東郷、秋山に託された日本海海戦だ。 勝負は五分五分。 どこからバルチック艦隊はやってくるのか? 対馬か津軽か、南か北か? どちらも可能性があるとしたら、艦隊を二分する必要がある。 それは敵の兵力の半分で戦うことを意味して、敗戦の可能性は高い。 だから、航路を特定して、その上で、実力互角の敵艦隊を殲滅しなければならないのだ。 この刻一刻の緊張を司馬遼太郎の筆は臨場感を以て描いてみせる。 「興国の荒廃この一戦にあり」という言葉は、決して兵士を激励するためだけのものではなかった。 正に、日本がロシアの植民地になるかどうかの瀬戸際の戦いであることを語っていたのだ。 『坂の上の雲』は大ベストセラーで、青春小説として人気が高い。 だが、そこには本巻のように、滅亡一歩手前の日本の危機的状況も描かれている。 何とか独立を保ち得た日本は、どうなるのか? 青春-朱夏-秋冬-玄冬。 青春の後、束の間の朱夏を迎えた後は没落する一方。 司馬遼太郎は、没落する日本は描かなかった。 だが、本巻においては、消滅寸前の日本を描き、後に本当に滅亡する日本をイメージにおいて描き出した、と言えるだろう。

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    日露戦争も終わりに近づいている。日本、ロシアの事情が詳しく描かれ、この巻だけではないが臨場感あふれている。 小村寿太郎の言葉「この国家に金や兵が備わり、その独立が十分に出来ていたら、戦争などをするには及びません。そんなものがないから、気が狂ったようにこんな戦争をしているのです。」が、ズシンと響いた。 奥浜という青年が、バルチック艦隊を発見したことが記されているところを読んだとき、「いよいよだ!」と気持ちが高揚した。

    14
    投稿日: 2025.03.12
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    バルチック艦隊が、どちらを廻るのか…宮古島の5人衆、面白く感じてしまった。内情や裏を知るというか、またその人物を知ることが面白い。

    8
    投稿日: 2025.02.25
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    ついに奉天会戦が始まる。圧倒的に兵員、銃火器が勝っていたロシア軍だが、日本の決死の作戦に右往左往しクロパトキン大将は敵の戦略を見誤ってしまう。普通に戦えば圧倒していただろうに、なぜか受け身になってしまって結局ロシア軍は奉天を退却することとなり結果日本軍の勝利となる。ただし陣地を進めただけで大将を捕縛できずロシアはまだ本国に兵の余力があるため日本側はこれ以上の陸戦は厳しくなり第3国に和平を取らせるよう外交活動を行う。バルチック艦隊もついに日本へ到達しいよいよ東郷艦隊との戦闘が始まる。 机上の理論だけで言えばクロパトキンは名将と言われていたが実際の戦地では本国での体裁や名誉を気にするあまり絶好の機会を逃してしまうのは、この戦争でのターニングポイントだろう。日本側は少ない兵力でロシア軍を包囲しようとするがあそこでクロパトキンが正面突破していれば歴史は変わっていたのかもしれない。 全体的に専制ロシア帝国のズボラさが垣間見めていて、ロジェストウェンスキーらが今どこにいるのかロシア自体が把握していないのにフランスやイギリスが把握しているのはお粗末すぎる。ルーズベルトがロシアが専制だから日本には勝てないといっていた理由の一端だろう。 最後の項の宮古島の漁師がバルチック艦隊を見つけそれを報告した話も当時の田舎の日本人を象徴しているのだろう。100キロ以上離れている石垣島まで決死の航海をして伝令したのにも関わらずその後それを自慢するようなことがなく口外するなと言われたことをしっかり守っているのは今の日本人にはないよな。

    1
    投稿日: 2024.12.13
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    【30年ぶりに読む「坂の上の雲」】 第七巻は「会戦」「艦影」「宮古島」など。国家存亡を覚悟しながらなんとか“六分四分”で奉天会戦に勝利した日本陸軍。講和条約締結の外交努力は実らず、日本海海戦に列強各国の注目が集まっている。そんな中、バルチック艦隊が歴史的大回航をへて宮古島沖を北上していった…。 上に立つ者の度量と明治日本人の随順心を想いながら令和に読み返す「坂の上の雲」。最終八巻に進もう。

    0
    投稿日: 2024.09.01
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    奉天会戦と日本海海戦に向けての巻。 戦争をある程度のカタチに帰着させることの難しさがよくわかる。 現場の状況と、後方から見えている図と、国民の感情は違うもの。 どのレンズを使うか、どの視野で見るか、対象を絞るか広げるかによっても出来事の真相は違ってくる。 100年以上前の歴史であり、いろんな視点を織り交ぜることができる群像劇だからこそ解ることもあるもんだ。 とは言え、その多くの視点から見える画はやはり著者である司馬遼太郎の目に一旦集約されて描かれるものなので、やっぱりバイアスかかるよね。 この巻で印象に残ったのは、主にロシア側に対する行動の冒頭に記された 「信じられないことに」 「信じがたいことに」という言葉。 歴史を振り返った時に目にする、クロパトキンやロジェストウェンスキーの言動に対する評価はマイナスイメージが多いが、司馬遼太郎の視線からはより強くその印象を受ける。 また、ベトナムが辿った歴史が、江戸末期の日本にも起こりえたという記述や、 バルチック艦隊の目撃情報を国家機密として秘密裏に報告するため、宮古島から石垣島までカヌーで命がけの航海をし、昭和9年まで誰にも機密を漏らさなかった5人組のエピソードをめちゃくちゃ丁寧に綴っているのも、司馬遼太郎の描く日露戦争ならではな感じがする。 本筋からいろいろと離れるし、そのひとつひとつが詳細であることにも7巻までくると慣れてきた。 なかなか進まないからちょっと退屈になった向きもあるけど、これはこれでこの小説の味だ。 新しい知見もひろがるし素直に面白い。 さて、いよいよラスト8巻目。 ドラマの再放送には間に合うかな。

    3
    投稿日: 2024.08.28
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    バルチック艦隊との海上決戦前まで。またまた読むのに時間が掛かってしまった…。ここまで全く迷いを見せなかった秋山真之の苦悩する姿を見、それはこの戦いの結果次第では日本滅亡まで一直線だもんな。秋山も人間だったのだなと改めて思いました…(^^; さて、次巻でいよいよ最後です。どういうラストになるのか楽しみです!

    3
    投稿日: 2024.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の章、宮古島、日本人の中でバルチック艦隊を最初に発見した人、それを宮古島から無線がある石垣島までカヌーで伝えに行った人たちのエピソードはここまでのお話しで一番興味深く読み応えあるものでした。

    2
    投稿日: 2024.03.21
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    奉天会戦でロシア軍を辛くも退けることに成功し、残すは日本海海戦のみ! バルチック艦隊がどのルートを辿るのか秋山真之は頭を悩ませたけど、国家の存亡をかけた大一番、とんでもないプレッシャーに違いないですよね。

    1
    投稿日: 2024.03.20
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    この物語の全体を通して、戦地や各港の位置関係や艦隊の航路を理解するために何度もGoogleマップを見た。それだけでも、知ってるつもりで知らなかったことがまだまだあるものだと思わされる。

    2
    投稿日: 2024.03.12
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    日露戦争において日本がいかに綱渡りの戦闘をしていたかがありありと描かれており、手に汗握る展開で面白い。 またバルチック艦隊との戦いの前夜までが、目に浮かぶように描かれ、まるで乗船しているかのような気持ちになる。 改めて司馬遼太郎氏の本の面白いさを感じる一冊。

    1
    投稿日: 2024.01.06
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    ▼奉天の戦い〜日本海海戦前夜。▼「坂の上の雲」の、「小説的ではない西洋歴史一般文章部分」を抜いたら、この上なく面白いのでは。なんだかんだ、外交のファクトを確認していくと、白人至上主義や各国の自国エゴが(当たり前だけれど)浮かび上がる。▼また、ロシアもドイツも結局は「遅れてきた新参者」だったから無理をする。日本も日露戦争で一応勝つことで「帝国主義的侵略者の新参者」として、なんというか、「一部リーグに昇格」することになる。講和が匂い立つこの巻あたり、そんな雰囲気が横溢。正義がどうこうではなくて、各自のエゴの問題です。善悪でもない。戦争だけではなくて人生万事その観点で、己と周りを客観視したいものです。▼この小説はまごうかたなき「戦争について」の小説でもあるわけですが、司馬さんは執拗に「モノ、技術」について語ります。それを無視して精神主義になってはあかんというように。これもまた戦争だけではなくて人生万事、その観点で己と周りを客観視したいものです。

    5
    投稿日: 2023.11.26
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    まずは、6巻まで文字が小さくて読むのに苦労した。この7巻だけは新装版なので文字も大きく読みやすい。8巻はまた字が小さい(;_;) (坂の上の雲。義父から借りもののため) バルチック艦隊がようやく日本海付近にやってきた。クライマックスに向けて盛り上がってきた。 それにしてもバルチック艦隊のロジェストヴェンスキーって司令長官にふさわしくないなぁ。

    7
    投稿日: 2023.11.21
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    え!!!坂の上の雲、自体がたくさんあってその中の7ってこと?今知った。ほんとにほんとに司馬遼太郎読んでみるのが今年の目標やったからしゃーなし読破したけど歴史興味なさすぎて完全に苦痛やった、、プールとかさりげなく今の日本語混じりになってることにたまに気づくけどそれでも私にとってはあまりにハード

    0
    投稿日: 2023.09.28
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    筆者のバイアスはあるにせよロシアという国の素情を理解できた気がする。あくまでこの小説から読み取るロシアは掠奪の歴史であり、小村寿太郎がはっきりと「ロシアの建国精神は土地掠奪である」と言い切っているのもなかなかの衝撃だった。 ただしあくまで小説であり、別の書物からもロシアの歴史や日露戦争を公平な目で学んでみたい。

    4
    投稿日: 2023.09.27
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    感想 奉天会戦はクロパトキンの幻想からの退却により勝利。日本海海戦を目前に終了。最終回に向けて駆け抜けた感じだ。 勉強になった点 ・作戦を守り耐えた日本。はったり陽動作戦に右往左往したロシア。 ・東郷はバルチック艦隊を待つとき、準備した以上はバタバタしてもしょうがないと考えて落ち着いていた。 ・ロジェストヴェンスキーは、二兎を追った。単一の目的に集中していなかった。

    0
    投稿日: 2023.09.17
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    陸軍は奉天会戦にて勝利し、いよいよ海軍はバルチック艦隊との海戦に。 それにしても、シバリョウの偏った歴史観というか、語り口というか。。。 う~ん。。。 この人は推敲とかしないんだろうか。 間違った文章や誤字脱字があるわけではないので、第三者の校正、校閲は受けていると思うんだけど、伝えるべき内容をグチャグチャにして書いてるんだなぁ。 そこ、この物語に必要? な部分ばかり。 もう読みづらいったらありゃしない。

    2
    投稿日: 2023.03.30
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    とても面白かった。 ロシアという国がなんとなく分かった気がする。 当時の日本の雰囲気もよく想像できた。

    2
    投稿日: 2022.06.09
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    日露戦争が話題になるときは、203高地での攻防や 日本海海戦など軍人たちのことが多く挙がるが、 敵のバルチック艦隊を最初に見つけた沖縄の人々の話は初めて聞いた。「敵艦見ゆ」という公文書を島の役人から石垣島の郵便局まで伝えに行った、漁期の漁夫たちが個人の刹那的な損得よりも社会に貢献してお上・国家から懸賞されることが重要だと考えたところに、近代の田園的な社会に、懐古的な良さを感じた。 コロナ禍で人々がそれぞれ感染対策を徹底しなければならないという現代にいるからこそ、余計に感じた。

    2
    投稿日: 2022.05.17
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    奉天会戦での賭博じみた作戦と、あまりに拙く見えるクロパトキンの指示、その上での勝利。その後の講和にむけた各外交。ロジェストウェンスキー、または本国指示含めたバルチック艦隊の拙い運用。終盤に向けて盛り上がりの巻。あっという間に読めました。

    2
    投稿日: 2022.05.01
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    全巻通じてそうですが、日露戦争史を人物から読み解いているようです。その面白さを特に、この巻で感じました。結末がわかっているのに、続きが気になって、一気に読み終わりました。

    1
    投稿日: 2022.04.16
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    宮古島の島民が『国家機密』の任命を果たした話は戦闘が続く長編の中において、日本の庶民側の様子を知ることができ興味深いものだった。

    2
    投稿日: 2022.02.20
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    戦時中の精神が描かれていて、秋山真之が、敵艦が日本海側を通るか太平洋側を通るかについて神経過敏になっていたシーンがとても印象に残った。その秋山とは対照的な東郷平八郎最高司令官の胆力に恐れ入った。 主に仕事だが、小さい事で悩んでしまっている自分にとっては、少しでも強く生きていけそうな感覚を抱かせてくれた。

    2
    投稿日: 2021.09.12
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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。 長くかかったことだけを覚えている。 文庫本は実家にあるか、売却した。 そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。 秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。 読むのにとても時間がかかった。 その後3回目を読んだ。 バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。 いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7) ※売却済み

    2
    投稿日: 2021.09.07
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    奉天会戦の顛末、そしてバルチック艦隊にいよいよ出会う。 指導者が臆病であったり、自分以外を信じない自己中心的な判断しか持ち合わせていなかったり、ロシアに勝てたのは日本の強さではなくロシアの内的な弱さであったにもかかわらず、日本はその勝利を過信してしまったことがのちの太平洋戦争に繋がるのか…と思うと、報道やら情報操作の責任は重いなと感じる。

    1
    投稿日: 2021.06.26
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    心に残ったところ。 ・児玉と大山の思い「日本がいかにもろいものであるかを知っているし、~これ以上冒険を続ければ日本国は崩れ去るだろうという危機感」 ・ロシア帝国のもろさ「彼らはつねに体内的な関心のみをもち、その専制者の意向や機嫌を損なうことのみを恐れ、~専制の弊害はここにあり、ロシアが敗戦する理由もここにあり。」 ・日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり~」 いまの時代を生きる日本人が過去から学ぶことは、本当に多い。

    1
    投稿日: 2021.05.23
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    日本は、資源がないから軍事国家にはなれず、ロシアを抑えるための道具としてアメリカとイギリスから友好関係を結ばれ、民も少ないから大軍で打ち取ることはできず戦略を重視し、もしかしたらベトナムのように侵略を受けていたかもしれない。 相手の戦略を考える上で、物理的に限りのある石炭量を考えれば航路は自ずとわかるなど、精神がまいっている時こそ、現状分析が必要である。 加えて、一行動一目的とは、確かになあと思う。

    1
    投稿日: 2020.07.23
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    もうだいぶ終盤だと思うのですが、相変わらずなかなか進展せずじれったい印象です。 結局、日本がロシアに勝ったのは、相手の将軍が臆病だったからということなのでしょうか。

    1
    投稿日: 2020.02.24
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    191001 奉天会戦も凄惨な内容。バルチック艦隊が来るまでの日本軍の組織状況がわかる。 生死を賭けた仕事。自分の仕事が辛いなど比較にもならない。

    1
    投稿日: 2019.10.01
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    総師になるための最大の資格はもっとも有能な配下を抜擢してそれに仕事を自由にやらせ、最後の責任だけは自分がとるということ。

    0
    投稿日: 2019.09.08
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    日露戦争の詳細を時系列で理解することができる クロパトキンの心理状態を理解するのは難しく、軍事規模や補給で圧倒的に有利だったロシアがなぜ相次ぐ会戦で圧倒できなかったのか不思議にも思えてくる

    1
    投稿日: 2019.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日露戦争のフィナーレへ。 まずは兄、好古が奉天で世界最強の騎兵団を迎え撃つ。長かった満州の戦いも終盤を迎えつつ、日本の騎兵団は壊滅の危機に。 無事に戦い抜けるのかと手に汗握る展開が。 後半では、部隊を海に移して日本海海戦へ。未だ対馬へ到達せぬロシアと、敵の航路に悩まされる真之。 名参謀たちの苦悩や本営の混乱があらゆる人物の視点から描かれる

    1
    投稿日: 2018.12.18
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    奉天会戦と、バルチック艦隊が対馬を来るか太平洋を回ってくるかという日本海海戦直前の日本海軍の葛藤。 国民国家創成期の庶民の国民意識を活写しており、また、名将愚将たちの勝利と敗北が興味深い。

    0
    投稿日: 2018.11.29
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    日露戦争史上最大の陸会戦である奉天会戦がついに開かれた。 日本は、兵力でも火力でもロシアに数段劣る中での開戦。 だが、ロシアは、作戦で日本に敗れた。 ロシアの敗戦は、クロパトキンという、たったひとりの愚劣な司令官によって導かれてしまった。 そして、ついに次の最終巻では、バルチック艦隊との大海戦が開かれる。

    1
    投稿日: 2018.11.21
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    奉天会戦で薄氷を踏むかの如き勝利を得た日本であるが、それは日本軍の善戦もさることながら、露軍側、特にクロパトキンの稚拙な戦術眼、官僚的保身によるものであった。 バルチック艦隊はベトナム沖で第三艦隊との合流のため漂泊を続け、これまでと同様、船員の士気と体力を奪っていた。一方、日本側ではバルチック艦隊の航路が太平洋側からまわるのか、対馬海峡を通るのかの議論で秋山真之と第絵本営は右往左往するも、東郷平八郎は対馬で一点張りをしていた。この一貫した態度が、東郷の以後の名声をより高めたと言われているらしい。そして、哨戒艦信濃より有名な「我敵艦見ユ」との通信が入る。いよいよ、日本海海戦というところで本巻は終わる。

    1
    投稿日: 2018.10.08
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    日露戦争の地上戦はいよいよ大詰めの奉天会戦。戦力で圧倒するロシア軍だが、総指揮官クロパトキンは石橋を叩いても叩いても渡らない臆病な男。彼は日本軍の戦力を過剰に見積もり、無意味な退却を指示するだけだった。一方、海上のバルチック艦隊長ロジェストヴェンスキーは情報を独占し、周囲の意見も聴かないし、軍事会議も開かない。自分は死なないという根拠なき自身が彼を増長させる。 日本が日露戦争を勝利できたのは、このロシア陸海軍のトップ2人の無能さと、上司からの命令は絶対とするロシア官僚制度のおかげだ。 それはともかく、ついに舞台は日本海海戦へ。バルチック艦隊がやってくるのは対馬海峡か、太平洋周りか。日本軍、政府の意見が交錯する中、日本の連合艦隊司令官、東郷平八郎はズバリ言う。「それは、対馬海峡よ」。 ロジェストヴェンスキーと同じく根拠なき自信なのだが、あまりに説得力があるのは2人の器の違いなのか、作者の表現力なのか、読者には結果がわかっているせいなのか。次巻ではこの両国の艦隊長の違いが勝敗を決定づけるんだろう。

    1
    投稿日: 2018.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    奉天会戦と講和の画策、バルチック艦隊との戦いまでが描かれています。 大将には大将の器が必要だと感じる内容でした。 クロパトキンは敵の実情を正確に捉えることができず、ありもしない幻想により不安で押しつぶされました。 ロジェストヴェンスキーは己の才能を過信しているという点で大将の器でないことは明らかです。 秋山真之でさえもバルチック艦隊の進路について、己の選択が戦況を著しく変えてしまう緊張に押し潰され、正しい選択ができなくなっていました。 東郷のような大将になるには、相手(敵)の立場になって考えることが最も必要だと感じました。

    1
    投稿日: 2018.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    だいぶ終わりに近付いてきましたが なかなか日本の完全勝利というものが無く 全てが薄氷の上での勝利で特に今回の奉天会戦については ロシア軍がわざと負けたのではないかというほど 日本にとって明るい展開がありませんでした。 おそらくこの物語のクライマックスと思われる日本海会戦は 圧倒的な勝利として大団円を迎えるのだとは思うのですが この巻の終盤はそこへ向けての布石が段々と描かれてきて 次巻以降への期待を高めてくれました。

    0
    投稿日: 2018.02.13
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    奉天会戦におけるロシア軍クロパトキンのリーダーシップにフォーカスが当たっている。 乃木軍への過大評価があったり、嫉妬?による判断ミスの連発で勝機を逸すること数度。戦力で3倍以上と言われながら勝ち切れない。 海では、ロジェストウィンスキー率いるバルチック艦隊がいよいよ日本に近づく。当時は、航空機はなく航路の読みに憔悴する秋山真之。バルチック艦隊撃破の戦略を考え、相手の動きが読みと違えば、戦略は意味を成さず、戦争で疲弊している国自体が滅んでしまうと思えば、まさに戦わずしても命を削られるのだろう。 前線とは別に講和への動きもあるが、間を取り持つアメリカ大統領と大学の時の学友だったとか、そんな人間的な繋がりが役に立つなんて、戦場で殺し合いしてる人たちって何なのか?と、国は違えど同じ人間なのに… 次は、最終巻。 秋山好古は、あまりフィーチャーされてなかったが、もう出てこないのかな?

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    投稿日: 2017.10.07
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    奉天での会戦からバルチック艦隊が日本海ち差し掛かるまでの7巻。クロパトキンの愚策により日本か辛勝する描写は克明で説得力がある。数々の幸運が今日の日本を救ったのであり、そうでなければロシアに取り込まれたであろうことを考えると感謝の念にかられる。 バルチック艦隊のロジェストウェンスキーがいよいよ到来し期待が高まる最終巻。

    1
    投稿日: 2017.08.11
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    陸戦もいよいよ大詰めに。 日本軍の強さではなく、ロシア軍の、しかもたった1人の将校の精神的弱さによって薄氷を踏む勝利があったとは知りませんでした。 これから始まる海戦も同じような雰囲気を感じます。

    0
    投稿日: 2017.08.07
  • なぜロシアは負けたのか?失敗から学ぶ

    これまで、司馬遼太郎さんの小説は 読むのに難しいかなーと勝手な敬遠をしてました。 ただ、実際読んでみると、 確かに難しい言葉は多いですが、 明快で綺麗な文章なので読みやすいです。 この巻では、いよいよ日露戦争の終盤の ・奉天会戦の決着。 →その後の国内で起こる日本は 強いといった風潮はなぜ起きたか? ・バルチック艦隊の会戦前の動き。 会戦前の海軍の緊張感 が書かれています。 「坂の上の雲」は、物語が進むのに合わせて、 司馬遼太郎さんの歴史考察、説明が入ります。 ここが、良いところだと思います。 ・なぜ、ロシアは負けたのか? ・日露戦争を通して日本に何が起きていたのか? この歴史を通して、 我々の社会人生活に活きてくる事を学べます。 是非お勧めです。

    1
    投稿日: 2017.06.08
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    やっと、読み終えた。 日露戦争がどれだけの奇跡のもとで勝てたかということが、本当によくわかる。 ほんまに谷と谷の間を綱渡りしとるみたい。 それくらい危うかったんやということを、当時の人ら(国民)がわかっていたなら... 坂ノ上の雲を当時に送ってあげたいくらいや... 日本人の悪い癖なんかもしれない。 今も、戦争と関係なくても、同じことが言えるかもしれへん。 日本はたかが数十年で今のような国家となっただけで、どれだけ不安定な状況にあるか。 調子のったあかんし、高望みしたかあん。 ←外交に関して やないと、叩かれたらしまいや。 ほんまにそう思います。

    1
    投稿日: 2017.01.25
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    奉天会戦。決着!クロパトキンいよいよ大詰めなのに…総司令の性格を計算しつくした日本陸軍の勝利。そして、後半はバルチック艦隊がいよいよ対馬沖に出現。 信濃丸よりの打電はあまりにも有名。 我敵艦見ゆ!

    0
    投稿日: 2016.09.06
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    奉天付近で陣を構えるロシア軍に対し、日本陸軍が大攻勢をかける。しかし、兵力・火力・装備においてロシアが圧倒的に勝り、日本は大苦戦を強いられる。 ロシア軍の不可解な作戦によって、辛くも奉天会戦で勝利をおさめた日本軍。「事実は小説より奇なり」ということわざがぴったりの展開だ。

    1
    投稿日: 2016.03.09
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    ロジェンスキーが如何にダメな提督であるかを延々と語っている。 負けた将軍に同情的な国は日本ぐらいしかないというのが理由のような気もする

    1
    投稿日: 2016.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    奉天会戦。そして日本海海戦へ。 「日本の新聞はいつの時代にも外交問題には冷静を欠く刊行物であり、そのことは日本の国民性の濃厚な反射でもあるが、つねに一方に片寄ることのすきな日本の新聞とその国民性が、その後も日本をつねに危機に追い込んだ。」(219頁) …肝に銘ずベき。新聞に限った話ではないが。

    0
    投稿日: 2016.01.15
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    奉天会戦はクロパトキンの弱気の退却により日本軍の薄氷の勝利 これ以上、戦う戦力を持たない日本軍は一刻も早く講和締結へ辿り着きたかったが、講和の締結はバルチック艦隊との決戦後となった 陸軍にしろ海軍にしろロシアが負けた理由は、全て現場の最高指揮権者の采配によるところが大きかった。そして、そういう風にしたのは皇帝制度が一番の要因だった。 自分のみが天才だと信じ、他の者は全て愚人だと考えている自己肥大的性格 不安のエーテルの中で思考の振り子が戦慄し続けている、

    1
    投稿日: 2015.11.10
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    戦争を終わらせるのもまたひと仕事なのだということを知りました。 どの時点で「終わり」にするのか。 誰に間に入ってもらうのか。 どの条件に「同意」するのか。 その向こう側にある、情報戦、差別意識、過去の歴史などから受ける影響。 そして、延々と航海し続けるバルチック艦隊。 戦争というのは、戦闘場面だけではなく、その周辺でいろんな動きがあるのだということ。 次はいよいよ最終巻。どのようにして日露戦争が終結に向かうのか、目が離せません。

    2
    投稿日: 2015.11.05
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    相手指揮官の無能ぶりのおかげで、相変わらず奇跡的に勝ち進み続けてます。でも、陸海ともにいよいよクライマックスの一大決戦、ってところまできたのでしょうか。それにしても、ホントあとひとふんばりされていたら、歴史は大きく変わっていたんでしょうね。ここでも"歴史のif"についてしみじみと考えさせられます。

    0
    投稿日: 2015.10.22
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    明治の産業遺跡が世界遺産登録へ、のニュースがちょうど発表された。まさに明治日本の集大成が日露戦争の勝利であったのだろう。しかし、この奉天会戦のように悲惨で無残な犠牲の上での勝利であり、この勝利が後の帝国主義日本を生むのもまた然り。日本人の特異性を感じ留意しながらも明治日本と明治人に敬意を表したいと心から思う。

    0
    投稿日: 2015.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第7巻は奉天の会戦が中心。圧倒的に有利であったはずのロシアが、官僚的なリーダーの保身や、柔軟性を欠く組織的欠陥んから敗れるに至る。 一方、バルチック艦隊は長い航海を経て日本に近づきつつあるが、そこでもロシア軍の同様な体質を原因としたトラブルが発生する。 日露戦争が開始されてからの展開はスリリングで読み応えたっぷり。さすがに名作と言われる作品です。

    0
    投稿日: 2015.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ロシア側には常に将校という頭脳を必要としたが、日本側には下士官や兵というレベルにおいてすでに状況判断能力というものを持っていた。この理由は日本側が国民の識字能力において圧倒的に高いということもあるかもしれないが、あるいは社会の性格によるかもしれなかった。日本の庶民階級は江戸時代からすでに相互意識がつよく、ある程度利発でなければやってけないという本然の状態が存在してきたが、一方、ロシアの庶民はなおも上代以来の農奴制の気分をつよく残していて、いわば人間は一個の労働力でしかないという環境が生んだ一個の痴呆性ーー素質としてではなくーーが存在した。このため戦場に出ても、みずから物事を判断することには馴れず、そのことがロシア陸軍の欠陥にさえなっていた。 日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり、新聞は満州における戦勝を野放図に報道しつづけて国民を煽っているうちに、煽った国民から逆に煽られるはめになり、日本が無敵であるという悲惨な錯覚をいだくようになった。日本をめぐる国際環境や日本の国力などについて論ずることがまれにあっても、いちじるしく内省力を欠く論調になっていた。新聞がつくりあげたこのときのこの気分がのちには太平洋戦争まで持ち込んでゆくことになり、さらには持ち込んでゆくための原体質を、この戦勝報道のなかで新聞自身がつくりあげ、しかも新聞は自体の体質変化に少しも気づかなかった。 「日本政府はひどく臆病になっている。自分にはハッキリしたことを打ちあけておらないが、自分の察するところ、日本政府はバルチック艦隊の来航以前に講和を結びたい肚らしい」。ロシアのスパイならともかく、一国の外交官が他国の外政担当の長官に対してこういうことをいうべきではないであろう。しかもその発言の内容がまったくまちがっていて、日本政府の肚でもなんでもない。高平がなぜこのようなことをいったかは不可解というほかないが、日本人の気質の一典型として存在する。おべっかを含めた狎れなれしさーーというより相手に仔猫のようにじゃれたいために、つまりは相手の心をこのようなかたちでとりたいためにーー自分の属する上部構造の無知、臆病というものを卑屈な笑顔でぶちまけてしまうといった心理から出ているようであった。

    0
    投稿日: 2015.07.07
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     日本とロシアの陸軍の戦いとなる奉天の会戦、講和の 落としどころを探り始める日本の上層部、そして日本海戦へと 向かっていく7巻。  ここまで読んできて思うのは、保守、官僚主義の弊害の強さ。 圧倒的戦力差がありながらロシアが奉天の会戦で日本を 倒せなかったのは、ロシアの保守的な官僚主義による弊害で あることがよく分かります。  自己保身により的確な決定ができないロシア上層部の 失策をなんとか拾い集め、辛くも勝利を収め続ける日本。 それが積み重なっての日露戦争の結果なのかと思うと、 そうした弊害の毒素をほったらかしておくと、どんな 結果がその組織に待ち受けているのか、ということがよく 分かります。  坂の上の雲は読み始める前は秋山兄弟であるとか、 正岡子規であるとか、そうした明治時代の若者たちの 熱さや努力を楽しむものなのかな、と勝手に思っていた のですが、いざ読んでみると、そうした個人の話ではなく、 組織論の話として、とても教訓になることが書かれて いたんだな、という印象です。  次で最終巻、日本軍の活躍を楽しみつつロシア軍の 失策を反面教師としつつ、読み進めることができれば、 と思います。

    2
    投稿日: 2015.07.05
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    戦争の勝ち負けって、いつもぎりぎりやなって。 完全勝利!!!100%勝てます!!!とか、ないんだなって。

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    投稿日: 2015.05.13
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    東郷平八郎、クロパトキン、ロジェストウィンスキーなど色んな個性の指揮官がいるものだな、と思った。 一人の性格で、軍全体の動きとか未来とかが変わってしまうというのは、不思議な気がする。 秋山好古は、もっと大勝したのかなと思っていたら、耐え抜いたという感じで少し意外だった。 はじめて騎兵を指揮して善戦したことが大きな功績なんだと思う。

    1
    投稿日: 2015.01.30
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    奉天会戦から、バルチック艦隊回航の日本近辺まで。 中には、著者らしい埋もれた歴史の記述もあり。 日本国民を戦争へ駆り立てていく様子もこの時期から顕著になってききたのか。

    0
    投稿日: 2015.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バルチック艦隊の内情の話にいよいよお腹いっぱいの感を興ずる7巻。 ◇ロシア軍の敗因は、ただ一人の人間に起因している。クロパトキンの個性と能力である。113 ◇ロシアは奉天までの陸戦の失敗を外交面ではあくまでも認めず、このため、日露両国の運命はきたるべき海戦に掛けられることになった。戦争というものが劇的構成をもっていた時代における最後の、そして最大の例としてこの戦争は歴史的位置を占めるが、そのなかでも最も大きな劇的展開へ自体は向かいつつあるようであった。237 ◇艦隊運動のためには足手まといになるにすぎないばかげたその老朽艦隊を、なぜ長期漂白という大犠牲をはらってまでして待たなければならないのか。259 ◇哨戒計画(中略)日本海軍が生みだした独創の栄誉(中略)朝鮮の済州島と佐世保に線をひき、それを一辺として大きな正方形をつくる。その正方形を碁盤の目のように小さく区画し281 ◇第二戦艦戦隊司令官フェリケルザム少将が病死したのである。291 ◇七段構えの戦法317 ◇ロジェストウェンスキーは二兎を追った(中略)二兎とは「ウラジオストックへ遁走し、それによってたとえ残存兵力が二十隻になったとしても極東の戦局に対して重大な影響をあたえうる」という目的が一兎である。他の一兎は、「東郷と対馬付近で遭遇するであろう。これと当然ながら戦闘を交える」という目的であった。330 ◇日露戦争は日本人のこのような、つまり国家の重さに対する無邪気な随順心をもった時代におこなわれ、その随順心の上にのみ成立した戦争であったともいえる。345苦労してロシア戦艦見ゆの伝を垣花善が電報設備のある石垣島まで運んだ逸話に関して

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    投稿日: 2014.10.26
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    秋山お兄さんの騎兵とクロパトキン撤退のお話。ついに陸戦が終わった!完璧主義というか、絶対に勝てる勝負しかしようとしないクロパトキンの逃げ腰に、日本軍が食らいついて打ち破った。あと1冊でついに完結。ゆっくり読もう。

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    投稿日: 2014.10.16
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    決戦奉天大会戦。局地戦で敗走し、包囲殲滅されてもなお、友軍の屍を越えて敢然と前進する日本軍。遂にロシア軍はその圧力の前に総崩れとなる。しかし、日本にはもはや追撃する力は残されていなかった。史上空前の大会戦に勝利したものの国力が尽きようとしていた日本にさらなる試練が。世界屈指の戦力を誇るバルチック艦隊が極東の小国を粉砕すべく回航中であった。ツァーリの大艦隊のまえになすすべは無いのか?

    0
    投稿日: 2014.07.31
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    かまどさんの話が出たとたんに脳内でモンパチが...(グレーテルのかまど観たばかりだったので) 真之懊悩の回。ここで講和してたらどうなってたんだろ。

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    投稿日: 2014.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ついに7巻まできた!!ラスト1巻 ラスト1巻で思ったんやけどもしかして陸戦終わり??好古の話終わり??なんとなく肩透かし感。 全体の感想は8巻読んだら書きます。

    0
    投稿日: 2014.05.20
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    秋山好古が属する陸軍の決着が着き やっとの思いで勝利した第7巻。 本部はやはり机上でしか この日露戦争をみ見ていないのだな…と感じた。 そして舞台は徐々に海軍へ。 珍しく秋山真之が頭を抱えている、そんな印象。 ロシア軍の、というよりも皇帝と皇后の革命前の姿。 なんとも滑稽なことが多く、やはり日本もロシアも 海軍も陸軍もグズグズっぷりが半端ないところはよく分かる。 最後の方に出てくる宮古島の話はすごく好き。 今考えたらとんでもないけど、当時の人はこのくらいガッツがあったのかなぁ。 なんて。

    1
    投稿日: 2014.04.22
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    日本において新聞は必ずしも叡智と良心を代表しないむしろ流行を代表するものであり、新聞は満州における戦勝を野放図に報道しつづけて国民を煽っているうちに、煽られた国民から逆に煽られるはめになり、日本が無敵であるという悲惨な錯覚を抱くようになった。

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    投稿日: 2014.04.13
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    ペリー来航から約40年 未だ、侍精神が抜けきれない日本人が、日本国を守るため粉骨砕身、大国ロシアに立ち向かう様は、自分自身が奮い立ち、現代の自分の生活態度や自国を思う気持ちと照らしながら、読破した。 今回は、2回目となるが繰り返し読みたい。

    0
    投稿日: 2014.04.11
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    陸の戦いが決着。しかし、この巻の見どころは後半の秋山真之の苦悩。彼のこのときの苦悩による神経と頭脳の極度の疲労が、のちの余生の過ごし方を変えてしまうほど。

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    投稿日: 2014.03.13
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    最終巻のバルチック艦隊との戦いが心配になる終わり方。 それにしても、日本人の変わらないところは、思い込むと融通が聞かなくなり固執してしまうこと。 一方で、昔の日本人は肝の座った人間が多いものだと思う。

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    投稿日: 2014.01.30
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    明治と言う時代を秋山兄弟と正岡子規の三人を通して描く。 この時代の人々の豪快さ、潔さ、必死さがひしひしと伝わってくる。

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    投稿日: 2013.08.26
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    陸軍はクロパトキンの慎重すぎる性格のおかげでなんとか奉天会戦に勝って、今度は海軍がはるばる日本にやってきたバルチック艦隊と決戦になろうかというところ。

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    投稿日: 2013.04.20
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    沖縄の若い漁夫 垣花善の話が印象的だった 100年前に日本人と現在の日本人の 国家と自身に対する捉え方の違いを 表した驚くようなエピソードだった

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    投稿日: 2013.04.09
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    日露戦争最大最後の陸戦"奉天会戦"がいかに激しく凄惨な戦争であったかが克明に描かれています。戦力、国力で劣る日本が国家の総力を上げて勝利を掴もうとする姿勢と、官僚主義で自滅していくロシアが対照的です。(今の日本はそのことを笑えませんが。)

    0
    投稿日: 2013.02.09
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    二度目! 奉天会戦 実に際どい勝利。。 そうそう、漁師5人による宮古島から石垣島迄のカヌー行のエピソード、ちょっと遅れた「敵艦隊見ゆ」、大好きです。

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    投稿日: 2013.02.01
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    奉天の会戦の中の秋山好古の行動は際立っている。その行動の結果の正しさ、結果論からみても異常なほど正しいように見えた。人の力は時として本当に正しい結果を出すことができるのだと、信じてもよい気がする。 日露戦争は実際にあったこと。現実の戦争。 SFを超えた現実だと思う。

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    投稿日: 2012.08.24
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    こうして歴史をー小説なのだがー紐解くと、なんでソ連がああだったのかわかるし、今のロシアやイギリスを見るも変わる。日本はこれで勝ってしまって、踊った民衆とマスコミに煽られて太平洋戦争になるのかなと思う。

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    投稿日: 2012.07.05
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    奉天会戦から、日本海海戦へ向かうまでのお話。 これまで、比較的ソースを明らかにせず、まるで見てきたかのような叙述が主体だった気がする。 しかし、この間では、最終章の「宮古島」が異質な感じだった。 やけに取材源が言及される。 よほど、関係者の証言に食い違いがあるのかと思わせた。 それから・・・ くだらないことだが、バルチック艦隊の提督は、最初の方の巻では「ロジェストヴェンスキー」と書かれていたのが、六巻あたりから「ロジェストウェンスキー」に変わっている。 なぜなんだろう・・・

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    投稿日: 2012.06.07
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    うぉー奉天会戦ー!ってかんじです。 読んでて現場の前線の様子痛々しすぎます。 教科書でみると 結構日本の死闘的なかんじが美談的に書かれてますが 実際はクロバトの心理的状況も多分に影響してたのね。 でも勝ったのは事実で そりゃ日露戦争後、日本調子に乗ってしまうよ。と思ってしまいました。 よくもわるくも日露戦争時の日本人の愛国心が 後の思想に影響しすぎてしまったんだな。

    0
    投稿日: 2012.05.04
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    さぁいよいよクライマックスです。読み終わってしまうのが名残惜しい気持ちがあります。 司馬さんはこの膨大な物語をどう締めたのだろう…いざ最終巻。

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    投稿日: 2012.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    坂の上の雲(7) 読了。2012年15冊目(15/100) 陸軍の奉天開戦、ロシアの退却、講和への活動、そして海戦へとめまぐるしく展開する。奉天で勝って(勝ったといえるかは難しいが)、なお講和へ向かおうとする児玉源太郎の現実感への鋭さを感じた。 特に印象的だったのは 「世界の歴史のなかで無数の専制者が出たが、そのうちわずか二、三人のみがすぐれた政治業績を残した。あとはことごとく専制のために国家をやぶり身の破滅を来たした悪例の歴史である…」 という話。司馬遼太郎がいうとおり、独裁者、専制者が治める国が歩む道は一つしかないのだろう。それでもそれを学ぼうとしない国は多くある。混迷の現代、リーダーシップと独裁を勘違いしてはいけない。人を従わせることはリーダーシップではないということを再認識した。

    0
    投稿日: 2012.03.21
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    ここまで読み続けてくると ここでやめるわけにもいかない・・・ そんな気分。 読破後に得られるものを 今は期待するのみ。

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    投稿日: 2012.03.17
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    再び秋山兄弟にスポットライトがうす~く当たってきました!外交っていつの時代も大変なんだなぁと。講和も響きが良いけれど、結局は各国の利益が絡んでくるのねって思い知らされた。

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    投稿日: 2012.01.27
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    会戦35ページ 奉天の戦い 敵将 クロパトキンの性格による作戦失敗の話。彼は、恐怖心と官僚的保身から作戦を立案。これは、当時のロシアの独裁者ニコライ2世への官僚的保身が、理由と、司馬遼太郎は、言う。ロシアの民は、皇帝を良く思っておらず、そんな歴史的背景が、日本軍勝利に導いたのか。話は進む。楽しみです。(^∇^)

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    投稿日: 2012.01.23
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    野心に燃えて、その野心がかなえられた時代。 人々がポジティブだった時代。そんな気持ちがひとつになって弱小な国が大国に勝つことができた。 大国は、国に対する不信感と政治の腐敗で実は内部はぼろぼろだった。どちらかというと、大国が勝手に滅んでしまったといえるのかもしれない。 その姿は、今の企業や集団にもいえることかもしれない。結局のところ、組織は内部から滅んでいく。外部の力は最後の一押しに過ぎない。 そんなことを考えさせられる小説である。

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    投稿日: 2012.01.19
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    宮古島から石垣島へ『敵艦見ゆ』の国家機密の箱を携えていった5人のはなしなど…、いよいよクライマックス。

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    投稿日: 2012.01.09
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    クロパトキンの徹底とした天使ぶり。蒙古来襲時の神風のよう。暴れるだけ暴れて、気がついたら何故だか撤収している。日本軍に買収されていたのではないのか?、と疑いたくなるような行動の連続。黒鳩よ、ありがとう。 いよいよ決戦前夜。もの凄く盛り上がったところで、最終巻へ。楽しみです。

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    投稿日: 2012.01.05
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     満州の地で始まった日露の一大会戦で日本軍は、陣営の左翼と右翼で大規模な軍事行動に出て、ロシア軍に揺さぶりをかける。その揺動により戦線が伸び、手薄になったロシア軍中央主力を一気に最強部隊で叩くという作戦に出た。上手くいって五分五分、そこをなんとか六分四分まで押しこんで、講和に持ち込むという大ばくちにに出た日本軍の作戦は、ロシア軍の不可解な撤退によって、奉天を陥落させるまでに至った。  実際にはロシア軍兵士も勇敢に戦ったのだが、総司令官であるクロパトキンが児玉の揺さぶりにことごとくひっかかり、日本軍の予備隊の幻影に怯えて、後方への撤退を指示したための敗走である。あとわずかでも有能な司令官だったら物量からいってもロシアが勝つ戦いだったし、悪くても戦線が硬直するだけで、兵力の消耗が同じ程度ならいづれ日本軍のほうが根負けしていた戦いだ。  この臆病な司令官に意見を具申できない官僚的な軍組織がロシアの敗因であり、日本にとっては幸運だった。  奉天会戦は戦術の勝利では決してない。    

    0
    投稿日: 2012.01.03
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    昨年6巻まで読んで途中で止まっていたのをまた再開。テレビ版も俳優さんたちの熱演や映像など見ものなのだけど、原作を読んでしまうとテレビはつくづく不自由だなーとおもえてしまう。 やっぱりどうせなら、知の巨人による痛烈な至言に満ちた骨太な文体を、噛んで噛んでたくさん噛んで飲み下して消化してまるで栄養にしていくみたいに読まないともったいないよね。 「日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するもので」なんて言葉にはドキッとさせられた。

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    投稿日: 2011.12.27
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    奉天会戦、バルチック艦隊東進、日本海海戰直前まで。奉天会戦の日本軍勝利に最も貢献した将軍は、誰あろうクロパトキンだったのだな。日本が勝ったのではなく、露西亜が勝手に負けたのだ。新聞連載中ならともかく、小説中でク将軍とかロ提督とか略すのは止めてもらいたい。各巻末の関連地図はあまり役に立たない。文章中の地名が半分ほどしか出ていない。

    0
    投稿日: 2011.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    陸軍が奉天会戦を終え、児玉がこう言った。「このあたりが、切りじゃ」こののちは海軍に委ねることとなった。(和平までの数ヶ月間は日本海海戦が終わった後も戦闘は続けられていたが) 徹頭徹尾ロシアが優位な条件にあったのに関わらず、将によってロシアは五分五分に持ち込まれた、いや負けた。敗北感というものがロシア兵の中に刻み込まれたのだ。個々の能力が高くても上に立つものの存在がどれほど大事かを知らしめられた。 この点、海軍では日本はより個々よりもチーム、統率を意識した。特にこれを感じたのが、露が砲弾を打つ際、個々に相手の戦艦に対して打ち込むのだが、日本では新たな方式を採用した。三笠の砲兵の将の指示が下り、それに呼応して各艦の砲の将が統率して打つのだ。上の命令が下るまでは打ち出す事はできない。これは諸刃の剣でもあるように自分は感じた。将が有能でなければ、伝達手段が整っていなければ、成功し得ないからである。将が全体の状況を把握し、かつ迅速でその場にあった全体的なチーム行動を考えねばならない。 また、8巻の内容になるが、日本の第一艦隊は露の旗艦スワロフの航路を見誤った。北路に逃げていくと判断したが、実際は舵の故障であった。それを見破った、第二艦隊の旗艦の上村らは三笠についていかず、自ら針路をとった。こういった従うだけでなく自主性も備えていた日本海軍は当時世界最高のチームであったのではないかと思う。 内容からはずれたが、この陸軍の下りの後、金子らによる国際世論の操作、そして対馬コースを選んだバルチック艦隊との遭遇へと物語は進んでいく。

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    投稿日: 2011.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おすすめ度:90点 奉天会戦は、どうみても日本軍が勝てるべき戦いではなかった。 兵力、火力ともにロシア軍よりも格段の差で劣性に立ち、軍隊の質も、ロシア軍は欧露から多数の若々しい士卒が補充されていることに対し、後備の老兵をもってふやけさせており、予備軍も実は持っていなかった。 ロシア軍が負けるべき戦いではなかった。 ロシア軍は作戦で敗れた。徹頭徹尾、作戦で惨敗した。 ロシア軍の敗因は、ただ一人の人間に起因している。クロパトキンの個性と能力である。 次巻最終巻で、最後の日露両国の運命を決する海戦へと引き継がれていく。

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    投稿日: 2011.10.30
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    奉天会戦で奇跡の勝利を得た満州軍。しかしすぐに児玉源太郎が日本へ戻り停戦準備を始める。 怖いと思ったのは大衆世論で、勝ちに酔って現実が見えなくなってることである もう少し会戦の状況を細かく描写して欲しかった

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    投稿日: 2011.10.20
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    いよいよ日露戦争も大詰め。 各人物の気持ちが手に取るように伝わってきて、読む方も自然と力が入る。 いよいよ次巻はバルチック艦隊との決戦。楽しみである。

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    投稿日: 2011.10.05
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    日本海海戦への過程について知りたてく読書。 旅順開城の後、北進し、戦場は北へ拡大していく。100年前のこの時代は、帝国主義が世界の強国の論理であり、現在の歴史観、一般的な論理で判断すると危険だと改めて思う。もし、この戦争でロシアが勝利していたら、日本も、今の中国も、挑戦半島の国も消滅していた可能性が高いと考えると、非常に恐ろしい。 日露戦争あたりから、日本近代史は世界史と同化、連動していくことが分かる。 読書時間:約1時間 本書は日本領事館大連出張所でお借りました。

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    投稿日: 2011.10.05
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    奉天会戦に日本が勝利し、いよいよバルチック艦隊と東郷艦隊の対決へ。 人間の一生で他人に繰り返し語るに値する体験というのは、なかなかない。そういう体験をできるように日々精進しなければ。

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    投稿日: 2011.09.30
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    やっと7巻まで辿り着いた。ここまで来たらもう意地だな。司馬遼太郎さんの偏った歴史観を見せられているのですごくつまらないんですが。

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    投稿日: 2011.09.28
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    感想とは関係ないが、風呂で読んでたら湯船に落とした・・・。バルチック艦隊の八巻の行く末を暗示していたのかも・・・。濡れても乾けばちゃんと読める日本の書籍、紙質、スゴいなぁ。

    1
    投稿日: 2011.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日露戦争終盤の奉天会戦とバルチック艦隊がインド洋を抜けて日本海近郊に迫る場面を鮮明に描いている。日本陸軍にとって数の上では圧倒的不利な奉天会戦では心理戦の様相を呈しており、不安心理に駆られたロシア軍のクロパトキンが兵を引いたことが勝敗を決める決定的要素になったのだろう。また、日本海を抜けてウラジオストックを目指すロジェストウェンスキー率いるバルチック艦隊もロシア帝政の悪癖を背負ったまま日本艦隊との戦闘に会さざるを得なかったという背景が描かれている。

    1
    投稿日: 2011.09.17
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    激戦の奉天会戦の奇跡的な「勝ち」と同時にすかさず停戦交渉に入る大山巌、児玉源太郎。バルチック艦隊が対馬海峡を通るか、太平洋ルートをとるか動揺する真之ら幕僚たちにも動じない東郷と、政府は嘴をはさまないという主義をとって、断固東郷の判断を支持する山本権兵衛。鉄の腸のごとき胆力と、晴天のような聡明な知見をもった明治の軍人、政治家たち。そして昭和9年まで「国家機密」という厳命を守りぬいた、「敵艦見ゆ」の主人公である宮古島の漁師たちのごとき、当たり前のように国家に報じようとする庶民。国家の一員として純粋に従前たろうとしなければ、こういう強さとすがすがしさを持ちえることができないのだろうか、と現代の私もついつい思ってしまう。どうしても昭和の暗い過去があってそういう価値観を賛美しにくいのだが、同時に今のような自分さえよければというのも行き詰まりを感じるし。面白いだけでなく明治の精神に触れさせてくれる本書はやはり不滅の名作だ。

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    投稿日: 2011.09.08
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    日本海海戦へ向かう気運が徐々に描かれていて、本当に読んでいてゾクゾクした。あと1巻だけなのか、、、残念。あと1巻を大切に読みたい。 にしても、秋山真之など軍人の国を背負った人々の決断の重さは計り知れないだろうな。自分の悩みなんて、ホントちっぽけだと思った。そして、明治時代の人々の純朴さに胸を打たれた。

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    投稿日: 2011.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「日本においては新聞は必ずしも叡智と両親を代表しない。むしろ流行を代表する者であり,新聞は満州における戦勝を野放図に報道し続けて国民を煽っているうちに,煽られた国民から逆に煽られるはめになり,日本が無敵であるという悲惨な錯覚をいだくようになった。日本をめぐる国際環境や日本の国力について論ずることがまれにあっても,いちじるしく内省力を欠く論調になっていた。新聞がつくりあげたこのときのこの気分がのちには太平洋戦争まで日本を持ち込んでゆくことになり,さらには持ち込んでゆくための原体質を,この戦勝報道のなかで新聞自身がつくりあげ,しかも新聞は自体の体質変化にすこしも気づかなかった。」「日本の新聞はいつの時代にも外交問題には冷静を欠く刊行物であり,そのことは日本の国民性の濃厚な反射でもあるが,つねに一方に片寄ることの好きな日本の新聞と国民性が,その後も日本をつねに危機に追い込んだ。」 当時の白人の有色人種に対する差別的な態度に少し悲しくなった。そういう部分は,今もあるのだろうけれど。 一筋縄ではいかない登場人物が沢山出てくるが,そのなかでも秋山兄弟がでてくると,やはり主役らしい雰囲気が感じられる。

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    投稿日: 2011.06.24